JP2007326133A - 金属板の穴あけ用装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】打ち抜き加工、ドリル加工、レーザー穴あけ加工等による金属板の穴部端面近傍の疲労強度、穴広げ性向上が可能となる穴あけ用装置を提供する。
【解決手段】上下の圧痕用ポンチ12、15と、前記圧痕用ポンチの周囲にそれぞれ設けられた上下の板押さえ14、13を有し、前記上下の板押さえのうち少なくとも一方は、金属板に当接する突起10を有し、前記板押さえは穴あけ位置の周囲を打刻するように上下方向可動であることを特徴とする金属板の穴あけ用装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車、家電製品、建築構造物、船舶、橋梁、建設機械、各種プラント、ペンストック等で用いられる鉄、アルミニウム、チタン、マグネシウムおよびこれらの合金等の構造部材のうち、打ち抜き穴あけ加工、ドリル加工、レーザー穴あけ加工等による穴部端面近傍の疲労強度、穴広げ性向上のための穴あけ用装置に関するものである。
自動車、家電製品、建築構造物等の金属板1には、図2のような打ち抜きポンチ2と打ち抜きダイス3による打ち抜き穴あけ加工、図3のようなドリル4による穴あけ加工、図4のようなレーザー5による穴あけ加工が施される場合が多い。
これらの加工によってあけられた穴の端面は応力集中部となるため、穴広げ時の破断や疲労破壊の起点となり何らかの対策が必要となる場合がある。特に、打ち抜き穴あけ加工による穴部端面6は、バリ7による応力集中と加工時に加わる被加工部材の引張歪、引張残留応力により他の穴あけ加工による穴部端部8,9に比してさらに疲労強度、穴広げ性が低く、これらの特性向上のための様々な方法が提案されている。
疲労強度に悪影響を与える打ち抜き面のバリや割れを低減させる発明として、特許文献1では、打ち抜き部分を予め裏面から表面方向へ板厚の途中までパンチプレスした後、表面から裏面方向へ同一位置および同一形状でパンチプレスを行い、残りの部分を打ち抜くことによりバリ発生を抑制する方法が開示されている。
また、バリにポンチを押し当てて潰す、コイニング加工と呼ばれる方法が特許文献2に開示されている。この特許文献2に開示されている方法としては、引張強さ490N/mm2以上の板材せん断加工バリ部に、コイニング直下の硬さ上昇量がビッカース硬さ(Hv)50以上で、かつ加工量が局部体積比3〜30%のコイニング加工を施す。
さらに特許文献3においては、アモルファスメタル打ち抜き穴あけ時の端部き裂発生低減方法として、被加工材を一旦−196℃から−10℃程度に冷却した後に打ち抜く方法が開示されている。
また、打ち抜き面の凸凹を低減させる方法として、非特許文献1では打ち抜きクリアランスを1%以下に小さくして三角形状又は台形状の板押さえをする、いわゆるファインブランキングの技術が開示されている。
さらにポンチまたはダイスの刃に丸みを持たせて、クリアランスを0または負にして打ち抜かれた穴の側面を削りとる、いわゆる仕上げ抜き方法が非特許文献2に開示されている。
またさらに表面を含む穴あけ部および周辺を強化する方法として、予め摩擦攪拌現象を利用して打ち抜き部に対して組織制御して強度を向上させる方法が特許文献4に、穴の周辺をレーザー照射により環状の焼入れ部を形成させることにより、硬度を増大させるとともに圧縮残留応力を生起させる強化方法が特許文献5に、孔周辺を冷間圧延する方法が特許文献6に開示されている。
また打ち抜き穴あけ端部周辺の残留応力を圧縮応力にするための、切り刃(ポンチ)形状に関する発明として、打ち抜き孔の内径よりも小さい直径の先端部と、打ち抜き孔の内径とほぼ同じ直径を有する孔拡部を有するピアスパンチおよび孔あけ方法が特許文献7に、先端部に打ち抜き方向と平行な側面を有する切り刃と、切り刃の上部に形成された上部に形成された上方に向けて拡径テーパー部を有するポンチおよびこのポンチを用いた打ち抜き方法が特許文献8にそれぞれ開示されている。
また穴あけ後の加工処理に関する発明として、打ち抜き穴あけ部表面でボルトの頭部の外周に位置する部分をポンチで加圧して円周溝を形成すると同時に圧縮残留応力付与するボルトの継手構造が特許文献9に、打ち抜き穴あけ面を最終穴径よりも小さく打ち抜いた後、自動車用ホイール用飾り穴の外周となる打ち抜き穴あけ面をパンチとダイでしごくことにより当該打ち抜き穴あけ面に発生した破断面のマイクロクラックを押しつぶし、さらに圧縮残留応力を付加して平滑強化して厚肉部を形成する方法が特許文献10に開示されている。特許文献11においては、加工部に発生する引張残留応力を加工部から遠ざけるように打ち抜き部の表面に超音波衝撃処理を施す方法が開示されている。
また事前の加工処理に関する発明として、被加工板の表面又は表裏面に圧縮残留応力を付与するためにインデンタでプレスして所定深さの溝を形成した後、ドリルで穴をあけてリベット穴を形成する方法が特許文献12に開示されている。
特開平11−221628号公報 特開平6−57325号公報 特開2006−7232号公報 特開2004−149893号公報 特開平10−251743号公報 特開昭64−1602号公報 特開平10−263720号公報 特開平11−333530号公報 特開昭55−155846号公報 特開2002−120026号公報 特開2004−115856号公報 WO02−092255 A1 塑性と加工、Vol.9、No.92(1968−9)、618頁〜626頁 プレス加工便覧、152頁〜156頁、日本塑性加工学会編、丸善株式会社
以上の特許文献1〜11、非特許文献1〜2の開示技術は、いずれも穴あけ加工前に、その外周よりも大きな圧縮塑性歪を予め与える方法ではなく、穴部端面には圧縮残留応力のみならず引張残留応力も存在することになり、穴あけ加工後に特別な処理をしない場合を除いて、この引張残留応力により疲労強度、穴広げ性向上の効果が望めない。
特に、非特許文献1に示すファインブランキング材においては、端面性状は凹凸なく穴部端面の応力集中の度合いは通常の打ち抜き穴あけ加工に比して小さいが、穴あけ加工時の引張塑性歪が大きく、穴広げ性に関してはかえって低下してしまう場合もある。
さらに特許文献12には、穴を加工する部分にインデンタにより塑性変形を与える方法が開示されているが、疲労強度、穴広げ性向上を望めるだけの圧縮歪を与えようとする場合に必要な荷重が大きすぎるため、実用に適さないという問題がある。本発明者による試験では、インデンタに直径10mmのポンチを用いる場合、必要荷重が10tを超えてしまいインデンタ用のポンチ金型が破損してしまった。
そこで、上述の問題点を鑑み、本発明においては穴あけ加工材の疲労強度、穴広げ性向上を目的としたインデンタによる穴加工部の圧縮塑性変形付与過程において、特許文献12に示される方法よりも少ない荷重でより大きな塑性変形を与えることのできる、穴あけ加工用装置を提供することを目的とする。
上記課題に対しての、本発明による解決手段は以下の通りである。
(1)上下の圧痕用ポンチと、前記圧痕用ポンチの周囲にそれぞれ設けられた上下の板押さえを有し、前記上下の板押さえのうち少なくとも一方は、金属板に当接する突起を有し、前記板押さえは穴あけ位置の周囲を打刻するように上下方向可動であることを特徴とする金属板の穴あけ用装置。
(2)前記板押さえが、板押さえ荷重の増加とともに上下連動して金属板の板厚中心方向へ可動であることを特徴とする(1)記載の金属板の穴あけ用装置。
(3)前記板押さえに対して板押さえ荷重を付与する荷重発生手段を有し、前記荷重の増加とともに前記下部板押さえが前記下部圧痕用ポンチに対して下方向へ移動自在であることを特徴とする(2)記載の金属板の穴あけ用装置
(4)前記突起の平面視形状が、連続的又は断続的に繋がった円又は多角形のリング形状であることを特徴とする(1)〜(3)の何れか1つに記載の金属板の穴あけ用装置。
(5)前記突起の縦断面形状が三角形、台形、半円形または半楕円形であることを特徴とする(1)〜(4)の何れか1つに記載の金属板の穴あけ用装置
(6)前記突起の中心線が、前記上下ポンチによる圧痕の外周からポンチ径の2倍以内の範囲に存在することを特徴とする(1)〜(5)の何れか1つに記載の金属板の穴あけ用装置
本発明による金属板の穴あけ用装置により、従来技術よりも少ない荷重による穴あけ予備加工ができるので、予備加工用の金型の寿命が増し、穴端部に圧縮残留応力を付与した疲労強度、穴広げ性に優れた穴あけ加工材をより安定して提供することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態について説明する。
本発明による金属板の穴あけ用装置の断面図を図1に示す。本発明の金属板の穴あけ用装置は、上下少なくとも一方に突起を有するリング形状の板押さえにより金属板の穴あけ加工予定部の周囲を上下方向から挟むと同時に、又は挟んだ後に、上下の圧用痕ポンチにより金属板の穴あけ加工予定部に圧痕をうつことを特徴とする。
本発明による効果は、図5(a)に示すように、上下の板押さえ13、14の各突起10又は、図5(c)に示すように、上下どちらか一方の板押さえ(図5(c)では上部板押さえ14)に存在する突起34により材料の圧痕径方向の塑性流動が止められる(抑制される)ため、圧痕径方向の圧縮塑性歪は、板押さえ13,14により囲まれる黒色で示す穴あけ加工予定部周辺11、又は31に集中することに起因する。穴あけ加工後の穴部端面の残留応力に寄与する圧縮塑性歪の方向は主に圧痕径方向であり、板押さえ13,14によって金属板1を挟まない場合と比べて、より大きな圧縮残留応力を穴あけ加工予定部周辺11、31に付与することができる。すなわち、板押さえ13,14を用いない場合に比して、より少ない荷重で所望の圧縮残留応力を付与することができるので、金型や圧痕荷重用の設備にかかる負荷が低減し、寿命が延びることが期待できる。
図5(c)に図示するように、上下どちらか一方に突起34を有する場合は、図5の圧縮塑性歪部(穴あけ加工予定部周辺)11と31との比較に示す通り、突起がない方(下部板押さえ13側)において圧縮塑性歪が集中する本発明による効果は小さい。打ち抜き面6のバリ7のように、どちらか一方に被加工材の破断因子が存在する場合は(図2参照)、このような上下どちらか一方に突起34を有する板押さえ14でも充分な効果は得られる。 圧痕用ポンチ12,15に荷重を加える手段としては、例えば市販のプレス機等が挙げられる。板押さえ13,14のどちらか一方が固定される場合は、上下のポンチ12,15双方が連動して金属板1の板厚中心方向へ動く機構(図示しない)でなければならない。
また、図6に図示するように、上下の圧痕用ポンチ16,32どちらか一方を固定とすることもできる。ポンチつば30の下端部には上部圧痕用ポンチ16が取り付けられており、この上部圧痕用ポンチ16の周囲には、平面視リング形状の上部板押さえ19が設けられており、この上部板押さえ19は、上部圧痕用ポンチ16に対して上下方向に移動可能に配置されている。また、上部板押さえ19の下端部には、上部突起33aが設けられているが、突起の形状については後述する。上部板押さえ19の上端部とポンチつば30の下面との間には、板押さえ荷重発生手段としての上部バネ17が組み込まれている。
下部圧痕用ポンチ32は、上下方向の断面形状をコの字形状とした下部台座21の内側下面略中央に固定されている。下部圧痕用ポンチ32の周囲には、平面視リング形状の下部板押さえ20が設けられており、この下部板押さえ20は、下部圧痕用ポンチ32に対して上下方向に移動可能に配置されている。下部板押さえ20の上端部には、下部突起33bが設けられているが、突起の形状については後述する。下部板押さえ20の下端部と下部台座21の内側下面との間には、板押さえ荷重発生手段としての下部バネ18が組み込まれている。
図6(a)に図示するように、金属板1の上面及び下面に対してそれぞれ、板押さえ19、20の各突起33a、33bを当接させた状態で、上部圧痕用ポンチ16を下降させると、ポンチつば30によって上部バネ17が圧縮される。そして、この圧縮された上部バネ17からバネ力を受けた上部板押さえ19が、金属板1の板厚中心方向に移動し、上部突起33aが金属板1に食い込む。このとき、下部板押さえ20が押下げられて、下部バネ18は圧縮される。そして、この圧縮された下部バネ18からバネ力を受けた下部板押さえ20が、上部板押さえ19の移動に連動して金属板1の板厚中心方向に移動し、下部突起33bが金属板1に食い込む。
板押さえ19、20の各突起33a、33bが金属板1に食い込んだ状態で、上部圧痕用ポンチ16を更に下降させると、上部圧痕用ポンチ16及び下部圧痕用ポンチ32が金属板1に食い込み、圧痕が形成される。なお、下部圧痕用ポンチ32は固定であるが、下部バネ18がたわむことにより、下部突起付き板押さえ20の位置は図示のごとく下降するので、下部圧痕用ポンチ32が下部突起付き板押さえ20に対して突出することになり、下部圧痕用ポンチ32による圧痕を形成することが可能である。
ここで、図6に示すバネ以外の板押さえ19,20に加わる板押さえ荷重の発生手段としては、油圧シリンダ(図示しない)、サーボモータ(図示しない)、歯車を介したポンチ変位の板押さえ変位への伝達装置(図示しない)などを使用してもよい。
突起33により打刻される部分の平面視形状は、例えば図7(a)に示すような連続的なリング形状22、又は図7(b)に示すような断続的なリング形状23のような形状である。連続的なリング形状22の方が突起を打刻するにあたっての板押さえ荷重は大きいが、圧縮塑性変形にともなう径方向の塑性流動を止める効果も大きく、付与できる圧縮残留応力は断続的なものに比べて大きい。
また、突起33は図7(c)、(d)にそれぞれ示す2重のリング形状24、3重のリング形状25とすると、より塑性流動を止める効果が大きい。
突起の縦断面形状については、図8(a)に示す逆三角形形状26が最も金属板1へ食い込みやすく、図8(b)に示す台形27、図8(c)に示す半円形28、図8(d)に示す半楕円形29のものは、逆三角形形状26と比べて食い込みにくい。したがって、塑性流動を止める効果は逆三角形形状26の突起が最も大きいと考えられる。ただし、加工を繰り返すごとにおこる突起の損傷は、台形27、半円形28、半楕円形29の突起の方が少ないという利点がある。なお、突起10、34も突起33と同じ形状にすることができる。
続いて、請求項6において突起の中心線が、圧痕の外周から圧痕用ポンチ径の2倍以内の範囲に存在するとした理由について述べる。
板厚の20%程度の圧痕を付与した板材表層の圧痕周辺残留応力を測定したところ、圧痕外周から圧痕用ポンチ径の約2倍までの領域に大きく残留応力が分布していることが分かった。圧痕用ポンチの耐久性からこれ以上深い圧痕の付与は難しいので、残留応力が加わる領域を広げることはできない。残留応力が加わる領域を狭めることにより、本発明の効果は得られるので、この領域において材料の流動を止めるべく、突起の中心線の位置を圧痕用ポンチ外周から該ポンチ径の2倍以内の範囲として限定した。
本発明において、突起の中心線とは、垂直断面において、突起の先端を通る直線、突起部分の線対称線又は重心線の何れかを指す。
(実施例1)
本発明による効果を実証するために、図6に示す突起付き板押さえを有する装置と突起付き板押さえを有しない装置(図示しない)により圧痕を付与した後、打ち抜きにより穴あけ加工を施した2種類の金属板について疲労試験と穴広げ試験を行った。
圧痕は外径9.2mmの円形状、打ち抜き穴は直径10mmの円である。突起付き板押さえの突起の中心線は、圧痕外周の外側5mmの位置に形成した。圧痕深さについては、深さ0のもの、すなわち圧痕を付与していない金属板を含む、5通りの圧痕深さのものに対してパンチとダイスとのクリアランスを板厚の8.5%として打ち抜きを行った。
以下、疲労試験について述べる。
試験片の寸法は図9に示す短冊型であり、疲労試験は応力比(最小荷重/最大荷重)を0とし、室温・大気中で行った。荷重の制御が困難となる寿命を破断寿命として、破断寿命が200万回となる応力範囲で評価した。
実験結果を図10のグラフに示す。図10のグラフにおいて、縦軸は疲労強度、横軸は圧痕深さである。圧痕を付与した後に打ち抜き穴加工した場合の疲労強度は、圧痕を付与しない場合に比べて20%以上向上している。また、突起付き板押さえを用いる場合の方が、板押さえを用いない場合に対して、同じ圧痕深さではより疲労強度向上の効果があった。圧痕深さが深いほど圧痕荷重は大きくなるので、本発明の金属板の穴あけ用装置により、従来技術による同様の装置よりも少ない圧痕荷重で疲労強度を向上することができた。
(実施例2)
続いて穴広げ試験について述べる。
図5(c)に示す片側に突起付き板押さえを有する金属板の穴あけ用装置と突起付き板押さえを有しない装置(図示しない)により圧痕を付与した後、打ち抜きにより穴あけ加工を施した2種類の金属板について疲労試験と穴広げ試験を行った。
圧痕は外径9.2mmの円形状、打ち抜き穴は直径10mmの円である。突起付き板押さえの突起の中心線は、圧痕外周の外側5mmの位置に形成した。圧痕深さについては、深さ0のもの、すなわち圧痕を付与していない金属板を含む、5通りの圧痕深さのものに対してパンチとダイスとのクリアランスを板厚の8.5%として打ち抜きを行った。
試験片は図12に示す正十二角形のものを用いた。穴広げ試験は、図11に示すように、先端角度が60°のポンチを用いて打ち抜き穴に押し込み、発生した亀裂が試験片の板厚を貫通した時点の穴広げ率λ(%)を計測した。穴広げ率λ(%)は以下の式により求めた。


λ={(d−d0)/d0} × 100
d:亀裂が板厚を貫通した時の穴径R
d0:初期の打ち抜き穴径10mm

結果を図13のグラフに示す。図13のグラフにおいて、縦軸は穴広げ率λ、横軸は圧痕深さである。
各条件5回の平均値穴広げ率λを比較すると、圧痕付与による打ち抜き材は最大で20%程度穴広げ率がよくなっている。また、同じ圧痕深さにおいて突起付き板押さえ有り、無しで平均穴広げ率λを比較した場合は、突起付き板押さえ有りの方が最大で15%程度穴広げ率λが高い。
この結果より、穴広げ性に関しても本発明による装置の効果は実証された。
本発明による金属板の穴あけ用装置の構成を示す縦断面図である。 打ち抜き方法の手順と打ち抜き端面性状の特徴を説明するための図である。 ドリルによる穴あけ加工の手順を示すための図である。 レーザー加工による穴あけ加工の手順を示すための図である。 本発明による金属板の穴あけ用装置の突起付き板押さえの効果を説明するための図である。
(a)上下に突起付き板押さえを有する穴あけ用装置、(b)従来例の穴あけ用装置、(c)上側のみに突起付き板押さえを有する穴あけ用装置。
図5の構成とは異なる、本発明による金属板の穴あけ用装置の縦断面図である。 本発明による金属板の穴あけ用装置の突起付き板押さえの外周形状例を示す図である。 本発明による金属板の穴あけ用装置の突起付き板押さえの断面形状例を示す図である。 本発明による金属板の穴あけ用装置の実施例に用いた疲労試験用の試験片形状を示す図である。 本発明による金属板の穴あけ用装置の実施により得られた金属板の疲労試験結果を示すグラフである。 穴広げ試験の手順を示すための図である。 本発明による金属板の穴あけ用装置の実施例に用いた穴広げ試験用の試験片形状を示す図である。 本発明による金属板の穴あけ用装置の実施により得られた金属板の穴広げ試験結果を示すグラフである。
符号の説明
1 金属板
2 打ち抜きポンチ
3 打ち抜きダイス
4 ドリル
5 レーザー
6 穴部端面
7 バリ
8、9 穴部端部
10 33 34 突起
11 31 圧縮塑性歪部(穴あけ加工予定部周辺)
12 上部圧痕用ポンチ
13 20 下部板押さえ
14 19 上部板押さえ
15 下部圧痕用ポンチ
16 上部圧痕用ポンチ
17 上部バネ
18 下部バネ
21 下部台座
22 連続的なリング形状(突起外周)
23 断続的なリング形状(突起外周)
24 2重リング形状(突起外周)
25 3重リング形状(突起外周)26 逆三角形形状(突起断面)
27 台形形状(突起断面)
28 半円形形状(突起断面)
29 半楕円形状(突起断面)
30 ポンチつば
穴広げ試験における亀裂が板厚を貫通した時点の穴直径
32 下部圧痕用ポンチ

Claims (6)

  1. 上下の圧痕用ポンチと、前記圧痕用ポンチの周囲にそれぞれ設けられた上下の板押さえを有し、前記上下の板押さえのうち少なくとも一方は、金属板に当接する突起を有し、前記板押さえは穴あけ位置の周囲を打刻するように上下方向可動であることを特徴とする金属板の穴あけ用装置。
  2. 前記板押さえが、板押さえ荷重の増加とともに上下連動して前記金属板の板厚中心方向へ可動であることを特徴とする請求項1記載の金属板の穴あけ用装置。
  3. 前記板押さえに対して板押さえ荷重を付与する荷重発生手段を有し、前記荷重の増加とともに前記下部板押さえが前記下部圧痕用ポンチに対して下方向へ移動自在であることを特徴とする請求項2記載の金属板の穴あけ用装置。
  4. 前記突起の平面視形状が、連続的又は断続的に繋がった円又は多角形のリング形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の金属板の穴あけ用装置。
  5. 前記突起の縦断面形状が三角形、台形、半円形または半楕円形であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の金属板の穴あけ用装置。
  6. 前記突起の中心線が、前記上下ポンチによる圧痕の外周からポンチ径の2倍以内の範囲に存在することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の金属板の穴あけ用装置。
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