JP2007325206A - 動画像復号装置及び動画像復号方法 - Google Patents

動画像復号装置及び動画像復号方法 Download PDF

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Abstract

【課題】消費電力の厳しい条件下で効率良く再生品質を維持する。
【解決手段】マクロブロック復号処理部3は可変長復号部1からのマクロブロックの符号化データから予測残差画像を復号すると共にマクロブロックの復号画像を生成し、画像修復用コンテキスト情報生成部4はマクロブロックの符号化データと予測残差画像を入力して画像修復用コンテキスト情報を生成し、画像修復処理部5は修復対象のマクロブロックの周辺のマクロブロックの有効性を判定し、有効と判定された周辺のマクロブロックから画像修復用コンテキスト情報を取得して、修復対象のマクロブロックの修復に用いる推定動きベクトルを求め、求めた推定動きベクトルに基づき既に復号済みのフレームから復号画像を取得して修復画像を生成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、ディジタル圧縮符号化された動画像データを入力して、動画像信号を復元する動画像復号装置及び動画像復号方法に関するもので、特に入力する動画像データ中に誤りがある場合に再生画質の劣化を抑える機能を有する動画像復号装置及び動画像復号方法に関するものである。
従来、MPEG(Moving Picture Experts Group)やITU−T(International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector) H.26x等の国際標準映像符号化方式では、映像信号の各フレームについて、輝度信号16×16画素とそれに対応する色差信号8×8画素分をまとめたブロックデータ(以下、マクロブロック)を単位として、動き補償技術及び直交変換/変換係数量子化技術に基づいて圧縮する方法が採用されている。このような標準方式に基づいて圧縮符号化された動画像データを放送・通信用途で伝送する場合、伝送路上での輻輳や電波干渉等により、ビットストリームに含まれる動画像データにビット誤りが混入することがある。
一般に動画像符号化において、ビットストリーム中に含まれる各符号化データはその発生確率に基づいて設計されたエントロピー符号化により可変長符号で表現される。そのため、ビット誤りにより、誤りを生じたビット位置に存在する符号化データだけでなく、それ以降の符号化データをも正常復号できなくなるのが通例である。その結果、符号化された信号とかけ離れた異常な再生画像が再生されたり、復号画像が欠落したりといった画質劣化が発生する。
このような画質劣化をできるだけ抑制することを目的として、過去に正常復号済みの映像信号を利用して劣化部分を隠蔽するエラーコンシールメントの技術が開発されている。通常、動画像の隣接フレーム間の画像内容は類似していることが多く、上記動き補償技術は過去の符号化済みフレームの信号をフレームメモリに格納して、それを参照して時間方向の予測を行うことで圧縮効率を高めている。動き補償が機能するためには、動画像復号装置側でも、動画像符号化装置で使用したフレームメモリの内容と全く同じ信号を保持しておく必要がある。つまり、あるフレームでビット誤りによる映像信号の劣化が生じたとしても、動画像復号装置中のフレームメモリ内には、ビット誤りが発生したフレームと良く類似した正常な映像信号が格納されている可能性が高い。
この点に着目したエラーコンシールメント技術として、非特許文献1に示されている技術では、誤りが発生した画像ブロックに対する動きベクトルの候補をその周辺の情報に基づいて複数個推定し、それら推定動きベクトルのそれぞれについてフレームメモリ中の対応箇所から修復画像の候補を取り出している。
図9は修復画像の候補を説明するための図である。図9において、中心の斜線の損失ブロックは誤りによって当該位置の動きベクトルも含めて正常に復号できなかったブロックとし、その上下左右のブロックが正常に復号できたものとしている。
このとき、(vup,vright,vleft,vdown)の4つの動きベクトルを、中心のブロックの動きベクトルの推定値候補として用いて、それぞれを中心ブロックの動きベクトルとみなした場合の修復画像の候補を得る。
次いで、複数得られた修復画像候補のうち、中心ブロックの周辺の正常に復号済みの隣接ブロックとの間で、空間的な信号の連続性が最も高い修復画像候補を最終的な修復画像として採用する。
W.-M.Lam,A.R.Reibman,and B.Liu,"Recovery of lost or erroneously received motion vectors,"in Proc.ICASSP,vol.5,1993, pp.417-420.
従来の動画像復号装置は以上のように構成され、上記非特許文献1の技術は時間方向の相関が高い映像信号に対して良好なエラーコンシールメント性能を有することが知られているが、複数の動きベクトル候補各々について、フレームメモリから修復画像候補を取り出す必要があり、少ない処理で効率的かつ誤りに強いエラーコンシールメント処理を行うことができず、マクロブロックあたりに必要な所要メモリバンド幅が大きくなり、移動体向け放送・通信等の消費電力の厳しい条件下において、効率良く再生品質を維持できないという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、予め複数の動きベクトル候補に対して動きベクトルの信頼性に関する評価を行い、修復画像を取り出すための動きベクトルの候補を信頼性の高いものに絞り込むことにより、少ない処理で効率的かつ誤りに強いエラーコンシールメント処理を行い、マクロブロックあたりに必要な所要メモリバンド幅を削減することができ、移動体向け放送・通信等の消費電力の厳しい条件下において、効率良く再生品質を維持できる動画像復号装置及び動画像復号方法を得ることを目的とする。
この発明に係る動画像復号装置は、動画像の各フレームが所定領域に分割されて符号化されたビットストリームから所定領域の符号化データを抽出すると共に、符号化データを抽出する過程で復号破綻を検出して修復対象の所定領域を特定する可変長復号部と、該可変長復号部により抽出された所定領域の符号化データから予測残差画像を復号すると共に所定領域の復号画像を生成する所定領域復号処理部と、上記可変長復号部からの所定領域の符号化データと、上記所定領域復号処理部からの予測残差画像を入力し、画像修復用コンテキスト情報を生成する画像修復用コンテキスト情報生成部と、上記可変長復号部により特定された修復対象の所定領域の周辺の所定領域の有効性を判定し、有効と判定された周辺の所定領域から上記画像修復用コンテキスト情報生成部により生成された画像修復用コンテキスト情報を取得して、修復対象の所定領域の修復に用いる推定動きベクトルを求め、求めた推定動きベクトルに基づき既に復号済みのフレームから復号画像を取得して修復画像を生成する画像修復処理部と、上記可変長復号部による所定領域の復号破綻の検出有無に基づき、上記所定領域復号処理部により生成された復号画像又は上記画像修復処理部により生成された修復画像を選択して出力する選択部とを備えたものである。
この発明により、少ない処理で効率的かつ誤りに強いエラーコンシールメント処理を行い、マクロブロックあたりに必要な所要メモリバンド幅を削減することができ、移動体向け放送・通信等の消費電力の厳しい条件下において、効率良く再生品質を維持できるという効果が得られる。
実施の形態1.
この実施の形態1における動画像復号装置は、入力としてMPEG−4 AVC(Advanced Video Coding)/ITU−T H.264(以下、AVC)規格に準拠した動画像符号化ビットストリームを受信して動画像信号を再生する装置とする。この実施の形態1では、動画像の各フレーム画像をスライスの単位に分割し、さらに、スライスが可変長符号化された複数のマクロブロックデータから構成される動画像圧縮データを入力し、動画像圧縮データ中に発生する誤りによる画質劣化を修復しながら再生画像を得る動画像復号装置について説明する。
この実施の形態における動画像復号装置の特徴は、スライス中で誤りによる復号破綻を検出し、復号破綻による画質劣化を生じているマクロブロックを特定し、それらマクロブロックの画像データ修復を近傍のマクロブロックの復号状態に基づいて適応的に実施する点にある。
図1はこの発明の実施の形態1による動画像復号装置の構成を示すブロック図である。この動画像復号装置は、可変長復号部1、メモリ2、マクロブロック復号処理部(所定領域復号処理部)3、画像修復用コンテキスト情報生成部4、画像修復処理部5、切替器(選択部)6、デブロッキングフィルタ7及びフレームメモリ8を備えている。
図1において、可変長復号部1は、動画像の各フレームがマクロブロック(所定領域)に分割されて符号化されたビットストリーム101からビットストリームシンタックスに基づきマクロブロックの符号化データ102を抽出すると共に、マクロブロックの符号化データ102を抽出する過程で復号破綻を検出した場合には、修復対象のマクロブロックを特定し、復号破綻検出フラグ103を有効にして、修復対象のマクロブロック位置情報104と画像修復実行指示情報105を出力する。
メモリ2は、可変長復号部1からの修復対象のマクロブロック位置情報104により、誤り修復状況マップ106を記憶している。
マクロブロック復号処理部3は、可変長復号部1により抽出されたマクロブロックの符号化データ102から予測残差画像107を復号すると共に、フレームメモリ8に記憶されている参照画像113を用いて予測画像を生成し、復号した予測残差画像107と生成した予測画像により当該マクロブロックの第1の復号画像108を生成する。
画像修復用コンテキスト情報生成部4は、可変長復号部1からのマクロブロックの符号化データ102と、マクロブロック復号処理部3からの予測残差画像107を入力し、画像修復処理に用いる画像修復用コンテキスト情報109を生成する。この場合、画像修復用コンテキスト情報生成部4は、マクロブロックの符号化データ102から動きベクトル、参照画像インデックス、予測誤差量に関する画像修復用コンテキスト情報109を生成する。
画像修復処理部5は、可変長復号部1からの画像修復実行指示情報105に基づき、誤り修復状況マップ106を参照して、修復対象となるエリアを包含する領域を画像修復エリアとして決定し、決定した画像修復エリア内で修復処理を実行する修復対象のマクロブロック位置を決定し、決定した修復対象のマクロブロックの周辺のマクロブロックの有効無効を判定し、有効と判定された周辺のマクロブロックから画像修復用コンテキスト情報生成部4により生成された画像修復用コンテキスト情報109を取得して、修復対象のマクロブロックの修復に用いる推定動きベクトルを求め、求めた推定動きベクトルに基づき既に復号済みのフレームメモリ8中の直前のフレームから復号画像114を取得して修復画像110を生成する。
切替器6は、可変長復号部1からの復号破綻検出フラグ103が破綻無し(=0)を示している場合には、マクロブロック復号処理部3からの第1の復号画像108を選択して第2の復号画像111として出力し、復号破綻検出フラグ103が破綻あり(=1)を示している場合には、画像修復処理部5からの修復画像110を選択して第2の復号画像111として出力する。
デブロッキングフィルタ7は、切替器6からの第2の復号画像111を入力し、誤り修復状況マップ106を参照し、第2の復号画像111としての第1の復号画像108又は修復画像110に対応したデブロッキングフィルタ処理を実行して最終復号画像112を出力する。
フレームメモリ8は、デブロッキングフィルタ7からの最終復号画像112を、以降のフレームの予測画像生成に使用するために記憶し、マクロブロック復号処理部3の指示に基づき参照画像113として出力し、画像修復処理部5の指示に基づき直前のフレームから復号画像114を出力する。
図2はマクロブロック復号処理部3の内部構成を示すブロック図である。このマクロブロック復号処理部3は、逆量子化部31、逆整数変換部32、予測画像生成部33及び加算器34を備えている。
図2において、可変長復号部1からマクロブロック復号処理部3に入力されるマクロブロックの符号化データ102には、符号化モード情報201、イントラ予測モード情報202、動きベクトル203、参照ピクチャインデックス204、予測残差信号を表す整数変換係数データ205、量子化ステップパラメータ206等が含まれている。
逆量子化部31は、予測残差信号を表す整数変換係数データ205及び量子化ステップパラメータ206を入力し、量子化ステップパラメータ206に基づき整数変換係数データ205を逆量子化し、逆量子化後の整数変換係数データ207を出力する。
逆整数変換部32は逆量子化部31からの逆量子化後の整数変換係数データ207を逆整数変換して予測残差画像107を復号する。
予測画像生成部33は、符号化モード情報201がフレーム間動き予測モード(インターモード)を示している場合は、符号化モード情報201、動きベクトル203、参照ピクチャインデックス204に基づき、フレームメモリ8中の参照画像113を用いて予測画像208を生成し、符号化モード情報201がフレーム内符号化モード(イントラモード)を示している場合は、イントラ予測モード情報202に基づき予測画像208を生成する。
逆整数変換部32からの予測残差画像107はイントラ予測又はフレーム間動き補償予測を行った結果の予測残差画像であるので、加算部34は、符号化モード情報201に応じて生成される予測画像208を、逆整数変換部32からの予測残差画像107と加算することで第1の復号画像108を生成する。
図3は画像修復処理部5の内部構成を示すブロック図である。この画像修復処理部5は、画像修復エリア決定部51、修復対象マクロブロック決定部52、周辺ブロック有効無効判定部53、動きベクトル推定部54及び修復画像生成部55を備えている。
図3において、画像修復エリア決定部51は、メモリ2に記憶されている誤り修復状況マップ106を参照して、修復対象となるエリアを包含する外接四角形領域を画像修復エリア211として決定する。
修復対象マクロブロック決定部52は、画像修復エリア211内で修復処理を実行する修復対象のマクロブロックをカレントマクロブロック212として決定する。
周辺ブロック有効無効判定部53は、カレントフレームに関する誤り修復状況マップ106を参照し、カレントマクロブロック212の上下左右に位置する周辺のマクロブロックの有効又は無効を判定して、周辺のマクロブロックの有効無効状態213を出力する。この場合、周辺ブロック有効無効判定部53は、周辺のマクロブロックの有効性を、修復対象となっていない場合又は画面外になっていない場合に「有効」と判定し、それ以外は「無効」と判定する。
動きベクトル推定部54は、周辺ブロック有効無効判定部53からの有効無効状態213を参照して「有効」と判定されたマクロブロックについて、画像修復用コンテキスト情報生成部4から動きベクトル、参照画像インデックス、予測誤差量に関する画像修復用コンテキスト情報109を取得し、カレントマクロブロック212の修復に用いる推定動きベクトル214を求める。この場合、動きベクトル推定部54は、参照画像インデックスに基づき動きベクトルをスケーリングすると共に、予測誤差量に基づいて定める重み係数を用いて、スケーリングされた動きベクトルを重み付平均することによって修復対象の所定領域の修復に用いる推定動きベクトル214を求める。
修復画像生成部55は推定動きベクトル214に基づきフレームメモリ8中の直前のフレームから復号画像114を取得して修復画像110を生成する。
図4はこの発明の実施の形態1による動画像復号装置の処理の流れを示すフローチャートである。図4において、ステップST11〜ST13が可変長復号処理(A)を示し、ステップST14〜ST16が復号破綻を検出しない場合のマクロブロック復号処理(B)を示し、ステップST17〜ST18が復号破綻を検出した場合のマクロブロック復号処理(C)を示し、ステップST19〜ST20が画像修復処理(D)を示している。
まず、可変長復号処理(A)について説明する。
動画像復号装置は、スライス単位でAVC規格に準拠した動画像符号化ビットストリームであるビットストリーム101を受け取り、ステップST11において、可変長復号部1はビットストリーム101からスライスヘッダ情報の復号を行う。このスライスヘッダ情報には、当該スライスの先頭マクロブロックの画面内位置情報や、当該スライスに含まれるマクロブロックの量子化パラメータ基準値等が含まれる。このとき、可変長復号部1は切替器6への復号破綻検出フラグ103を無効にして「0」にリセットする。
次いで、個々のマクロブロックの復号プロセスに移る。個々のマクロブロック復号プロセスでは、まず、ステップST12において、可変長復号部1は、AVC規格のビットストリームシンタックスに従ってビットストリーム101の解析を行い、マクロブロックの符号化データ102を抽出・復元する。このマクロブロックの符号化データ102には、符号化モード情報201、イントラ予測モード情報202、動きベクトル203、参照ピクチャインデックス204、予測残差信号を表す整数変換係数データ205、量子化ステップパラメータ206等が含まれている。
また、可変長復号部1は、ビットストリーム101の解析処理過程で後述のように復号破綻を検出する。復号破綻とは、再び復号同期が回復するまで、それ以上正常なビットストリーム解析を継続することが不可能な状態のことを指す。検出する復号破綻の例としては、例えば以下のようなものがある。
(a)AVC規格において、ビットストリームシンタックス上、発生し得ない未定義の符号語又は未定義の復号値が検出される場合
(b)AVC規格において、ビットストリームシンタックス上、復号値が固定的に定まっているデータが他の値をとる場合
(c)AVC規格において、ビットストリームシンタックス上、復号値の値域がそのデータ固有で、ないしは別のデータの復号値の制約の下で定められているデータが正常な値域を逸脱する場合
(d)復号されたデータが、それまでの復号過程に照らして明らかに矛盾を生じている場合で、例えば、あるスライスの先頭のマクロブロックの画面内位置を復号した結果、その値がその前までに復号されたスライスの画面内位置と不連続になっている場合等
(e)AVC規格において、復号される同種データの個数に限界が定められている場合に、その個数を超過して復号される場合で、例えば、AVCで採用される整数変換は4×4又は8×8画素ブロックに対して施されるため、整数変換係数は最大でも1ブロックあたり16個又は64個しか発生しないが、復号時にこの個数を超過する場合等
ステップST13において、可変長復号部1は、ビットストリーム101の解析処理過程で上記のような復号破綻を検出したか否かを判定し、その判定結果により処理フローを切り替える。当該スライスの復号処理中、復号破綻を検出しない限りは、後述の復号破綻を検出しない場合のマクロブロック復号処理(B)で説明するステップST14の処理を個々のマクロブロック毎に実行し続け、何れかのマクロブロックで復号破綻を検出した場合には、後述の復号破綻を検出した場合のマクロブロック復号処理(C)で説明するステップST17,ST18の処理を実行する。1フレーム分の処理が終了した時点で、後述の画像修復処理(D)で説明するステップST19における復号破綻を生じた箇所の修復とステップST20におけるデブロッキングフィルタ処理を実行する。
なお、図1に示す動画像復号装置の構成では、復号破綻検出フラグ103に基づき、復号破綻を検出したか否かで、切替器6により後述の(B)の処理で生成される第1の復号画像108と後述の(C)の処理で生成される修復画像110とを切り替えて、第2の復号画像111を決定するように図示しているが、これは、復号破綻検出の有無に関わらず第1の復号画像108、修復画像110の双方を生成することを意味するものではなく、この発明の骨子を明瞭に記載するための便宜上、このように図示したものである。後述の(B)の処理を実行する場合は、図1に示す構成要素のうち、画像修復処理部5における処理は実行されず修復画像110は生成されない。また、後述の(C)の処理に遷移する場合は、可変長復号部1の中で修復対象と判定されるマクロブロック(画像修復実行指示情報105を「修復実施」とする対象になるマクロブロック)に対して、図2におけるマクロブロック復号処理部3の内部構成における逆量子化部31、逆整数変換部32、予測画像生成部33での処理は一切実行されず、第1の復号画像108は生成されない。
次に復号破綻を検出しない場合のマクロブロック復号処理(B)について説明する。
可変長復号部1は、上記のような復号破綻が検出されない場合は、復号破綻検出フラグ103を「0」にしたままとする。復号破綻検出フラグ103の具体的な値は、復号破綻の有無を識別できるならばどのように定めても良い。
図4のステップST14において、マクロブロック復号処理部3は抽出されたマクロブロックの符号化データ102を用いて、当該マクロブロックの第1の復号画像108を生成する。この処理には、図2に示すマクロブロック復号処理部3の構成における逆量子化部31、逆整数変換部32、予測画像生成部33といった機能ブロックが使用される。まず、整数変換係数データ205、量子化ステップパラメータ206が逆量子化部31に送られ、整数変換係数データ205の逆量子化が行われた後、逆整数変換部32にて予測残差画像107に復号される。
予測画像生成部33は、符号化モード情報201がフレーム間動き予測モード(インターモード)を示している場合は、符号化モード情報201、動きベクトル203、参照ピクチャインデックス204に基づいてフレームメモリ8中の参照画像113を用いて予測画像208を生成して出力する一方、符号化モード情報201がフレーム内符号化モード(イントラモード)を示している場合は、イントラ予測モード情報202に基づいて予測画像208を生成して出力する。逆整数変換部32の出力の予測残差画像107は、イントラ予測又はフレーム間動き補償予測を行った結果の予測残差画像信号であるので、符号化モード情報201に応じて生成される予測画像208を、加算部34において逆整数変換部32からの予測残差画像107と加算することで第1の復号画像108を生成・出力する。
(B)の復号処理を実行している限りにおいては、復号破綻検出フラグ103は「復号破綻なし」の状態が維持されるので、切替器6では、第1の復号画像108をそのまま第2の復号画像111として出力する。
(B)の復号処理過程のステップST15において、画像修復用コンテキスト情報生成部4は後述する画像修復処理に用いる画像修復用コンテキスト情報109を生成する。図4では、ステップST14に続いてステップST15の処理を行うように記載されているが、実際は、ステップST15はステップST12,ST14を実行中に実施しても良い。画像修復用コンテキスト情報109は画像修復用コンテキスト情報生成部4によって抽出又は生成されて、画像修復用コンテキスト情報生成部4の中に含まれる記憶エリアに書き込まれ、画像修復処理部5の要求に応じて出力される。画像修復用コンテキスト情報109は、画像修復処理部5で用いる後述の画像修復アルゴリズムで参照する情報である。この実施の形態1では、1フレーム分の画像修復用コンテキスト情報109を、8×8ブロック単位の情報に置き換えて前記記憶エリアに保持する。もちろん、用いる画像修復アルゴリズムに応じて、16×16のマクロブロックの単位で保持する等の構成にしても良い。
以下、画像修復用コンテキスト情報109の個々の内容について述べる。
○動きベクトルコンテキスト情報 ctx_mv
符号化モード情報201がフレーム間動き予測モード(インターモード)を示している場合は、動きベクトル203に基づいて予測画像208を生成する。AVCでは動きベクトル203は16×16ブロック単位の情報であることもあれば、4×4ブロック単位の情報であることもある。8×8よりも大きいブロックに対する動きベクトル203であれば、その領域内に包含される全ての8×8ブロックに同じ値を動きベクトルコンテキスト情報ctx_mvとしてアサインする。8×8ブロックよりも小さいブロックに対する動きベクトル203の場合は8×8ブロック領域をカバーする分を平均したり、メディアン値をとる等して8×8ブロック単位の動きベクトルコンテキスト情報ctx_mvを得る。符号化モード情報201がスキップマクロブロックを示している場合は、AVC規格のスキップマクロブロックの定義に従ってスキップマクロブロック用の動きベクトル203が生成されるので、それを動きベクトルコンテキスト情報ctx_mvとして用いる。また、符号化モード情報201がイントラモードを示している場合には、ゼロ、ないしは、スキップマクロブロックと等価な方法によって得られる動きベクトルコンテキスト情報ctx_mvを用いる。
○参照画像インデックスコンテキスト情報 ctx_refidx
AVC規格では、フレームメモリ8内に複数の参照画像113を格納して、動きベクトル203を適用するブロック(ただし8×8ブロックサイズよりも大きいブロック)毎に予測画像生成に用いる参照画像113を変更できる。どの参照画像113を予測画像生成に使用するかは動画像復号装置に伝達する必要があるため、ビットストリーム101には、動きベクトル203毎に参照ピクチャインデックス204を付与する。この実施の形態1では、参照ピクチャインデックス204を8×8ブロック単位に読み替えて参照画像インデックスコンテキスト情報ctx_refidxとして格納する。符号化モード情報201がイントラモードを示している場合は、ゼロ、すなわち、直前のフレームを指すインデックス値とする。
○予測誤差量コンテキスト情報 ctx_err
逆整数変換部32の出力である予測残差画像107について、8×8ブロックの単位で各画素値の絶対値を加算したスカラ値を予測誤差量コンテキスト情報ctx_errとして生成・保持する。符号化モード情報201がイントラモードを示している場合は、動きベクトル203による予測誤差ではないため、予測誤差量コンテキスト情報ctx_errを固定値Cにする。
最後に、図4のステップST16において、カレントマクロブロック212がフレームの末尾であるかどうかによりフレームの復号が完了したか否かをを判定し、末尾であればステップST19へ移り、さもなくばステップST11のスライスヘッダの復号処理へ戻る。
(C)復号破綻を検出した場合のマクロブロック復号処理
可変長復号部1は、復号破綻を検出した場合には、ステップST17において、復号破綻検出フラグ103を1として復号破綻が発生したことを外部に通知し、次いで、復号同期を回復して正常な復号を再開するために再同期点をサーチする。再同期点は、例えば、次のスライスの先頭や次のフレームの先頭を示すユニークワード等が該当する。
復号破綻検出後、上記再同期点が見つかるまでの間のマクロブロックの符号化データ102は失われるので、所定の範囲の画像データを修復によって補う必要がある。この実施の形態1では、この画像修復を、この発明の特徴である画像修復アルゴリズムに基づいて1フレーム分まとめて実行するため、ステップST18において、ここでは、復号破綻検出点から再同期点までの間の修復対象のマクロブロック位置情報104を「修復対象」としてメモリ2に誤り修復状況マップ106として記憶しておくこととする。
図5はメモリ2に記憶されている誤り修復状況マップ106の様子を示す図である。メモリ2には、フレームメモリ8に格納可能な参照画像の枚数分の誤り修復状況マップ106を保持する。図5に示すように、誤り修復状況マップ106には、上記(B)の処理を終えた正常なマクロブロックについては「修復の必要がない領域」としてマーキングし、復号破綻を検出したマクロブロックについては「画像修復対象領域」としてマーキングしておく。復号破綻を検出したマクロブロックの次の正常なマクロブロックが再同期点で次スライスの先頭となる。
再同期点を検出して修復対象領域を記憶した後、上記ステップST11に戻り再同期点からの復号を再開する。
(D)画像修復処理
上記(B),(C)の処理を1フレーム分実行した後、ステップST19において、画像修復処理部5は、可変長復号部1からの画像修復実行指示情報105に基づき、誤り修復状況マップ106を参照して、修復対象となるエリアを包含する領域を画像修復エリアとして決定し、決定した画像修復エリア内で修復処理を実行する修復マクロブロック位置を決定し、決定した修復マクロブロックの周辺マクロブロックの有効無効を判定し、有効と判定されたマクロブロック位置について、画像修復用コンテキスト情報109を取得してマクロブロックの修復に用いる推定動きベクトル214を求め、求めた推定動きベクトル214に基づいてフレームメモリ8中の直前のフレームから復号画像114を取得して修復画像110として出力する。
この発明のポイントは、画像修復処理部5が実行する画像修復アルゴリズムにある。通常、誤りによって損失したマクロブロックの修復処理としては、上記非特許文献1のようにフレームメモリ8中に格納される過去に復号済みの参照画像を利用して修復画像110を生成する時間コンシールメント処理と、同一フレーム内の空間的近傍に存在する正常に復号された情報を利用して修復画像110を生成する空間コンシールメントの2種類がある。これらは、下記の文献にあるように、例えば、カレントフレームがシーンチェンジ箇所であるかどうか等を判断基準として、フレームメモリ8中の参照画像110とカレントフレームとの相関の度合いを評価して、相関が高いと判断される場合には時間コンシールメントを、相関が低いと判断される場合は空間コンシールメントを用いるように設計するという方法が一般的である。この発明における画像修復アルゴリズムは、特に、時間コンシールメント手法に関するものである。
Akio Yoneyama,Hiromasa Yanagihara,Yasuyuki Nakajima、”VIDEO ERROR CONCEALMENT BY THE COMBINATION OF SPATIO-TEMPORAL RECOVERY AND POST FILTER FOR H.264”,IEEE International Conference on Consumer Electronics 2005,PAPER NO.9.3-2,Jan.10-12,2005.
可変長復号部1はカレントフレームが画像修復処理の必要ありと判断すると、画像修復実行指示情報105によって画像修復処理部5に画像修復処理の実行を指示する。画像修復処理部5はその指示を受けて修復処理を開始する。
図6は画像修復処理部5により実行される画像修復アルゴリズムの処理の流れを示すフローチャートである。
ステップST21において、図3に示す画像修復エリア決定部51はカレントフレームに関する誤り修復状況マップ106を参照して、修復対象となるエリアを包含する外接四角形領域を画像修復エリア211として決定する。
図7は画像修復エリア決定部51により決定される修復対象となるエリアを包含する外接四角形領域を示す図である。以下の処理は画像修復エリア211内でのみ実行する。画像修復エリア211外のマクロブロックには誤りで損失した領域は存在しないため、以下の処理をスキップする。
ステップST22において、修復対象マクロブロック決定部52は、画像修復エリア211内で修復処理を実行する修復対象のマクロブロックをカレントマクロブロック212として決定する。
カレントマクロブロック212の決定方法には以下のような方法が考えられるが、いずれの方法を用いても良い。
1つの方法として、修復対象マクロブロック決定部52は、画像修復エリア211内をラスタスキャン順に検証し、「修復対象」のマーキングがなされたマクロブロックを順に修復処理する。処理順序に関する特別な判断は必要ないが、「修復対象」のマクロブロックが局所的に集中している場合は、利用可能な画像修復用コンテキスト情報109が十分に得られない可能性がある。
また、他の方法として、修復対象マクロブロック決定部52は、画像修復エリア211内をエリアの端に位置するマクロブロックから順に検証し、「修復対象」のマーキングがなされたマクロブロックを順に修復処理する。処理順序に関して逐一判断を行う必要がある反面、エリアの端には正常に復号されたマクロブロックが多く、「修復対象」のマクロブロックが局所的に集中している場合は、利用可能な画像修復用コンテキスト情報109が得られやすい可能性がある。
ステップST23において、周辺ブロック有効無効判定部53は、カレントフレームに関する誤り修復状況マップ106を参照して、カレントマクロブロック212の上下左右に位置する周辺マクロブロックが「修復対象」となっているかどうかを検証し、有効無効判定対象のマクロブロックが「修復対象」となっている場合又は画面外になる場合は、そのマクロブロックは「無効」と判定し、さもなくば「有効」と判定することにより、周辺マクロブロックの有効無効を判定して有効無効状態213を出力する。誤り修復状況マップ106で、後述する「修復済み」の状態を示すマクロブロックについては「有効」と判定する。
ステップST24において、動きベクトル推定部54は、有効無効状態213を参照し「有効」と判定されたマクロブロック位置について、画像修復用コンテキスト情報109を取得し、カレントマクロブロック212の修復に用いる推定動きベクトル214を求める。もし、有効無効状態214に基づいて「有効」となっているマクロブロックが一つもない場合は、動きベクトル推定部54は推定動きベクトル214をゼロとする。
以下、例として、上記ステップST24で上下左右全てのマクロブロックが「有効」と判定される場合の推定動きベクトル214の推定方法について述べる。ボールド表記はベクトル値であることを表す。このときはカレントマクロブロックに対して、隣接する上下左右のマクロブロック内の8×8ブロックが有効であるため、合計8つのコンテキスト情報が利用可能となる。
動きベクトルコンテキスト情報をctx_mv[8]とし、参照画像インデックスコンテキスト情報をctx_refidx[8]、予測誤差量コンテキスト情報をctx_err[8]とする。まず、各ctx_mv[k]について、動きベクトル値を直前のフレームに対する動きベクトルにスケーリングする。これは、動きが線形であることを仮定すれば、ctx_refidx[k]を用いて、スケーリングされた動きベクトルscaled_ctx_mv[k]は次の式(1)で求められる。
Figure 2007325206
scaled_ctx_mv[k]を用いて、ctx_mv[k]が直前のフレームにおいて指し示す領域がどのマクロブロック位置に対応するかを定める位置情報refposを次の式(2)で定める。
Figure 2007325206
ここで、mbpos_in_pelは、画素単位でのカレントマクロブロックの位置である。
図8は動きベクトル推定部54による推定動きベクトル214を求める処理を説明する図である。
次いで、メモリ2に保持してある直前のフレームの誤り修復状況マップ106を参照して、直前のフレームでrefpos[k]に対応する位置のマクロブロックが「修復の必要なし」であれば、ctx_mv[k]を以降の処理に利用可能と判断する。さもなくば、ctx_mv[k]は以降の処理に利用しない。以上の結果をもとに、最終的な推定動きベクトル(emv)214を次の式(3)で求める。
Figure 2007325206
ここで、Kは利用可能なctx_mv[k]の数であり、上記式(3)は、利用可能な全てのscaled_ctx_mv[k]について、それぞれに対応する予測誤差量ctx_err[k]で重みを付加し、重み付平均をとったものである。つまり、予測誤差量の小さいctx_mv[k]のほうが動きベクトルの信頼性が高いとみなし、より強い重みが掛かるようになっている。また、ctx_mv[k]はそれぞれ参照画像インデックスctx_refidx[k]が異なるが、この方法により、参照画像を全て直前フレームに統一することができ、修復画像の絵柄の連続性も保証できる。
また、メモリ2に保持してある直前のフレームの誤り修復状況マップ106を参照して、直前のフレームでrefpos[k]に対応する位置のマクロブロックが「修復の必要なし」であれば、ctx_mv[k]を以降の処理に利用可能と判断するようにしたが、もし全てのctx_mv[k]が利用できないと判断される場合には、推定動きベクトル(emv)214をゼロとする。
また、ここで決定した推定動きベクトル214の値と、参照画像インデックスの値(=0)は、カレントマクロブロックにおける画像修復用コンテキスト情報109として保持し、誤り修復状況マップ106のカレントマクロブロック位置の状態を「修復対象」から「修復済み」に変更する。これらは以降の画像修復処理に利用する。
ステップST25において、修復画像生成部55は、推定動きベクトル214に基づいてフレームメモリ8中の直前のフレームから修復画像110を取得し、画像修復処理部5から出力する。なお、修復画像生成部55は、フレーム間動き補償予測における予測画像生成と等価な処理を行うため、マクロブロック復号処理部3の予測画像生成部33を流用するように装置を構成しても良い。
(D)最終復号画像生成処理
切替器6は、復号破綻検出フラグ103が破綻無し(=0)を示している場合は、第1の復号画像108を第2の復号画像111として出力する(すでに上述のように、切替器6は常に第1の復号画像108と修復画像110とを入力としているわけではない)。
図4のステップST20において、第2の復号画像111はデブロッキングフィルタ7に入力され、デブロッキングフィルタ7はAVC規格に定める処理に基づいてデブロッキングフィルタ処理を実行して最終復号画像112を得る。最終復号画像112は、以降のフレームの予測画像生成に用いるため、マクロブロックの画面内位置に基づいてフレームメモリ8へ書き込まれる。
切替器6は、復号破綻検出フラグ103が破綻あり(=1)を示している場合は、修復画像110を第2の復号画像111として出力する(すでに上述のように切替器6は常に第1の復号画像108と修復画像110とを入力としているわけではない)。
図4のステップST20において、第2の復号画像111はデブロッキングフィルタ7に入力され、デブロッキングフィルタ7はAVC規格に定める処理に基づいてデブロッキングフィルタ処理を実行して最終復号画像112を得る。ただし、この際、第2の復号画像111は本来の復号画像データとは異なる可能性が高いため、デブロッキングフィルタ7を最もフィルタ強度が強いモードで実行する。これにより、修復画像110と正常画像が隣り合うようなブロック境界において、境界の不連続性を緩和することができる。最終復号画像112は、以降のフレームの予測画像生成に用いるため、マクロブロックの画面内位置に基づいてフレームメモリ8へ書き込まれる。
以上のように、この実施の形態1によれば、マクロブロックを復号中に復号破綻を生じる致命的な誤りが含まれていたときでも、周辺のコンテキスト情報に基づいて安定的に動きベクトルを推定して画像修復を行うことにより、非特許文献1のように、複数の予測画像候補を得るために頻繁にフレームメモリ8へアクセスする必要がなくなり、少ない処理で効率的かつ誤りに強いエラーコンシールメント処理を行い、マクロブロックあたりに必要な所要メモリバンド幅を削減することができ、移動体向け放送・通信等の消費電力の厳しい条件下において、効率良く再生品質を維持できるという効果が得られる。
この実施の形態1では、AVC規格に従うビットストリームを復号する動画像復号装置について説明したが、この発明は、マクロブロック単位で動き補償予測を用いて符号化を行う各種国際標準方式であって、この実施の形態1で記載したようなコンテキスト情報を抽出可能なMPEG−1、MPEG−2、MPEG−4、H.261、H.263といった規格をサポートする動画像復号装置に対しても適用可能なことは言うまでもない。なお、参照ピクチャインデックス204に関してはAVC規格でのみ採用されているが、他の標準方式ではこれを常にゼロとみなして処理を行えば良い。
この発明の実施の形態1による動画像復号装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による動画像復号装置のマクロブロック復号処理部の内部構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による動画像復号装置の画像修復処理部の内部構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による動画像復号装置の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による動画像復号装置のメモリに記憶されている誤り修復状況マップの様子を示す図である。 この発明の実施の形態1による動画像復号装置の画像修復処理部により実行される画像修復アルゴリズムの処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による動画像復号装置の画像修復エリア決定部により決定される修復対象となるエリアを包含する外接四角形領域を示す図である。 この発明の実施の形態1による動画像復号装置の動きベクトル推定部による推定動きベクトルを求める処理を説明する図である。 修復画像の候補を説明するための図である。
符号の説明
1 可変長復号部、2 メモリ、3 マクロブロック復号処理部、4 画像修復用コンテキスト情報生成部、5 画像修復処理部、6 切替器、7 デブロッキングフィルタ、8 フレームメモリ、31 逆量子化部、32 逆整数変換部、33 予測画像生成部、34 加算器、51 画像修復エリア決定部、52 修復対象マクロブロック決定部、53 周辺ブロック有効無効判定部、54 動きベクトル推定部、55 修復画像生成部、101 ビットストリーム、102 マクロブロックの符号化データ、103 復号破綻検出フラグ、104 修復対象のマクロブロック位置情報、105 画像修復実行指示情報、106 誤り修復状況マップ、107 予測残差画像、108 第1の復号画像、109 画像修復用コンテキスト情報、110 修復画像、111 第2の復号画像、112 最終復号画像、113 参照画像、114 直前のフレームの復号画像、201 符号化モード情報、202 イントラ予測モード情報、203 動きベクトル、204 参照ピクチャインデックス、205 整数変換係数データ、206 量子化ステップパラメータ、207 逆量子化後の整数変換係数データ、208 予測画像、211 画像修復エリア、212 カレントマクロブロック、213 有効無効状態、214 推定動きベクトル。

Claims (4)

  1. 動画像の各フレームが所定領域に分割されて符号化されたビットストリームから所定領域の符号化データを抽出すると共に、符号化データを抽出する過程で復号破綻を検出して修復対象の所定領域を特定する可変長復号部と、
    該可変長復号部により抽出された所定領域の符号化データから予測残差画像を復号すると共に所定領域の復号画像を生成する所定領域復号処理部と、
    上記可変長復号部からの所定領域の符号化データと、上記所定領域復号処理部からの予測残差画像を入力し、画像修復用コンテキスト情報を生成する画像修復用コンテキスト情報生成部と、
    上記可変長復号部により特定された修復対象の所定領域の周辺の所定領域の有効性を判定し、有効と判定された周辺の所定領域から上記画像修復用コンテキスト情報生成部により生成された画像修復用コンテキスト情報を取得して、修復対象の所定領域の修復に用いる推定動きベクトルを求め、求めた推定動きベクトルに基づき既に復号済みのフレームから復号画像を取得して修復画像を生成する画像修復処理部と、
    上記可変長復号部による所定領域の復号破綻の検出有無に基づき、上記所定領域復号処理部により生成された復号画像又は上記画像修復処理部により生成された修復画像を選択して出力する選択部とを備えた動画像復号装置。
  2. 上記画像修復用コンテキスト情報生成部は、所定領域の符号化データから動きベクトル、参照画像インデックス、予測誤差量に関する画像修復用コンテキスト情報を生成し、
    上記画像修復処理部は、上記参照画像インデックスに基づき上記動きベクトルをスケーリングすると共に、上記予測誤差量に基づいて定める重み係数を用いて、スケーリングされた動きベクトルを重み付平均することによって修復対象の所定領域の修復に用いる推定動きベクトルを求めることを特徴とする請求項1記載の動画像復号装置。
  3. 上記画像修復処理部は、修復対象の所定領域の周辺の所定領域の有効性を、修復対象となっていない場合又は画面外になっていない場合に有効と判定することを特徴とする請求項1記載の動画像復号装置。
  4. 動画像の各フレームが所定領域に分割されて符号化されたビットストリームから所定領域の符号化データを抽出すると共に、符号化データを抽出する過程で復号破綻を検出して修復対象の所定領域を特定する第1のステップと、
    該第1のステップで抽出された所定領域の符号化データから予測残差画像を復号すると共に所定領域の復号画像を生成する第2のステップと、
    上記第1のステップで抽出された所定領域の符号化データと、上記第2のステップで復号された予測残差画像を入力し、画像修復用コンテキスト情報を生成する第3のステップと、
    上記第1のステップで特定された修復対象の所定領域の周辺の所定領域の有効性を判定し、有効と判定された周辺の所定領域から上記第3のステップで生成された画像修復用コンテキスト情報を取得して、修復対象の所定領域の修復に用いる推定動きベクトルを求め、求めた推定動きベクトルに基づき、既に復号済みのフレームから復号画像を取得して修復画像を生成する第4のステップと、
    上記第1のステップにおける所定領域の復号破綻の検出有無に基づき、上記第2のステップで生成された復号画像又は上記第4のステップで生成された修復画像を選択して出力する第5のステップとを備えた動画像復号方法。
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