JP2007322236A - 鉛蓄電池およびその残存容量センサ - Google Patents

鉛蓄電池およびその残存容量センサ Download PDF

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啓典 玉川
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Abstract

【課題】簡単な構造で、鉛蓄電池に使用することができる、鉛蓄電池の残存容量センサと、残存容量を電気信号として出力することができる鉛蓄電池を得る。
【解決手段】鉛蓄電池は、ケース12を含み、ケース12内の溶液に浸漬するように、鉛蓄電池の残存容量センサ20を取り付ける。残存容量センサ20は、互いに対向する一対の超音波トランスデューサ36,38と、超音波トランスデューサ36,38を制御するための回路基板40とを含む。超音波トランスデューサ36,38および回路基板40は、耐希硫酸性を有する樹脂材料で形成された枠体42で覆われる。溶液中において、超音波トランスデューサ36,38間で超音波の送受を行うことにより、溶液中における音速を測定する。溶液の比重と溶液中における音速との関係から、溶液の比重を算出し、さらに、溶液の比重から鉛蓄電池の残存容量を把握する。
【選択図】図3

Description

この発明は、鉛蓄電およびその残存容量センサに関し、特にたとえば、自動車に搭載される鉛蓄電池およびその残存容量センサに関する。
自動車などに搭載する鉛蓄電池において、蓄電池の溶液の比重と蓄電池の残存容量との間に一定の関係があることから、溶液の比重を測定することにより、充電の必要性の有無などを判断することができる。ここで、鉛蓄電池の溶液の比重を測定するために、たとえばフロートを用いた差圧計が用いられ、目視により比重が測定されている。しかしながら、このような測定法では、自動車内において、鉛蓄電池の残存容量を確認することができない。
そこで、鉛蓄電池の溶液の比重を電気信号として出力させるために、図10に示すように、レーザ式変位センサを用いた測定器が開示されている。この測定器1は、レーザ式変位センサ2を含む。さらに、測定器1は、レーザ式変位センサ2の下方に延びる2つのフロートガイド3a,3bと温度センサ保持部材3cとを含む。一方のフロートガイド3aには、液面測定用フロート4aが取り付けられ、他方のフロートガイド3bには、比重測定用フロートガイド4bが取り付けられる。また、温度センサ保持部材3cの先端部には、温度センサ4cが取り付けられる。さらに、レーザ式変位センサ2の上には、レーザ式変位センサ2や温度センサ4cから並列に出力されるデータを直列データに変換して出力するパラレル/シリアル変換器(P/S変換器)5が設けられる。
液面測定用フロート4a、比重測定用フロート4bおよび温度センサ4cは、鉛蓄電池の溶液に浸漬される。ここで、液面測定用フロート4aは、その上面が溶液の液面と略同一高さとなるように、溶液の液面に対応して上下するものである。また、比重測定用フロート4bは、溶液の比重に対応して、液面からの突出量が変化するものである。そして、レーザ式変位センサ2から液面測定用フロート4aおよび比重測定用フロート4bの上面に向かってレーザ光が照射され、各フロート4a,4bで反射した反射光を受けることにより、レーザ光が照射されてから受光するまでの時間が測定される。これらの時間データと温度センサ4cで測定した温度データとが、P/S変換器5で直列データに変換されて、監視部に送られる。
監視部では、2つの時間データにより、レーザ式変位センサ2から各フロート4a,4bの上面までの距離が算出される。そして、これらの2つの距離の差から、蓄電池の溶液の比重が算出される。このようにして得られた溶液の比重と、温度センサ4cによる温度データとから、蓄電池の残存容量を知ることができる。このような測定器1において、レーザ式変位センサ2に変えて、超音波センサを用いることができることが開示されている(特許文献1参照)。
また、液体の比重測定に応用できる超音波送受波器が開示されている。この超音波送受波器6は、図11に示すように、コ字状の支持部材7を含む。支持部材7の対向する脚部には、圧電振動子8が形成される。圧電振動子8は、板状の圧電体8aと、その両面に形成される電極8bとで構成される。さらに、圧電振動子8の外側には、バッキング材9が形成される。
この超音波送受波器6では、支持部材7の一方の脚部に形成された圧電振動子8が超音波の送波側として用いられ、支持部材7の他方の脚部に形成された圧電振動子8が超音波の受波側として用いられる。そして、送受波に要した時間と2つの圧電振動子8の間の距離とから、2つの圧電振動子8間における音速が算出される。この超音波送受波器6を液体の中で用いれば、液体中における音速を測定することができる。したがって、液体の比重によって音速が異なる場合、液体中における音速を測定することによって、その液体の比重を知ることができる(特許文献2参照)。
特開平9−55233号公報 特開2005−20700号公報
しかしながら、特許文献1の測定器は、フロートと他のセンサとの組み合わせで構成されるものであるため、構造が複雑となってしまい、鉛蓄電池の残存容量センサとして実用化することは困難である。また、特許文献2の超音波送受波器では、液体中における音速を測定することにより、液体の比重を知ることができるが、鉛蓄電池に用いられる溶液は希硫酸であるため、特許文献2の超音波送受波器をそのまま鉛蓄電池の残存容量センサとして用いることは不可能である。
それゆえに、この発明の主たる目的は、簡単な構造で、鉛蓄電池に使用することができる、鉛蓄電池の残存容量センサを提供することである。
また、この発明の目的は、このような残存容量センサを取り付けることにより、残存容量を電気信号として出力することができる鉛蓄電池を提供することである。
この発明は、所定の間隔を隔てて配置される一対の超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサの音波の送受を制御する回路基板と、超音波トランスデューサおよび回路基板を覆うように設けられる枠体とを含む超音波センサ装置を有してなる鉛蓄電池の残存容量センサであって、超音波センサ装置は、一対の超音波トランスデューサが枠体を介して鉛蓄電池の溶液に浸漬されるように、鉛蓄電池の所定の箇所に固定されてなる、鉛蓄電池の残存容量センサである。
このような鉛蓄電池の残存容量センサにおいて、回路基板に、鉛蓄電池内の溶液の温度を測定するための温度測定手段を設けることが好ましい。
また、一対の超音波トランスデューサは、所定の間隔を隔てて配置される2つの端部を有する支持部材の端部に固定されることが好ましい。
さらに、枠体には、鉛蓄電池の蓋取付部またはインジケータ取付部に取り付けるためのねじ部が形成されることが好ましい。
また、この発明は、鉛蓄電池のケースから引き出される配管と、配管の外側において対向するように配置される一対の超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサの音波の送受を制御する回路基板とを含む超音波センサ装置を有してなる、鉛蓄電池の残存容量センサである。
このような鉛蓄電池の残存容量センサにおいて、回路基板に、配管内の溶液の温度を測定するための温度測定手段を設けることが好ましい。
また、配管は鉛蓄電池のケースの2箇所を結ぶように形成され、配管中を前記鉛蓄電池の溶液が循環するように形成されることが好ましい。
さらに、配管の内部に、鉛蓄電池の溶液に発生する気泡を除去するための気泡フィルタを取り付けることが好ましい。
また、この発明は、上述のいずれかの鉛蓄電池の残存容量センサを取り付けた、鉛蓄電池である。
所定の間隔を隔てて一対の超音波トランラスデューサを配置し、一方の超音波トランスデューサを送波用として用い、他方の超音波トランスデューサを受波用として用いることにより、超音波の送受に要する時間から、一対の超音波トランスデューサ間の音速を算出することができる。したがって、鉛蓄電池の溶液中で超音波の送受を行えば、溶液中における音速を測定することができる。鉛蓄電池の溶液の比重と溶液中における音速との間には、一定の関係があることから、溶液中における音速を知ることができれば、溶液の比重を知ることができる。さらに、溶液の比重と鉛蓄電池の残存容量との間には、一定の関係があるため、溶液の比重を知ることにより、鉛蓄電池の残存容量を把握することができる。ここで、超音波トランスデューサと音波の送受を制御する回路基板とが、枠体で覆われているため、鉛蓄電池の溶液である希硫酸から超音波トランスデューサや回路基板が保護される。
回路基板に温度測定手段を設けることにより、鉛蓄電池内の溶液の温度を測定して、溶液の比重と溶液中における音速との間の温度に関する関係を補正することができる。
超音波トランスデューサが、所定の間隔を隔てて配置される支持部材の端部に固定されることにより、一対の超音波トランスデューサ間の距離を決定することができる。そのため、一対の超音波トランスデューサ間における超音波の送受による音速測定が容易となる。
枠体にねじ部を形成することにより、鉛蓄電池の蓋やインジケータを取り外して、これらの取付部に残存容量センサを取り付けることができる。
また、鉛蓄電池のケースから配管を引き出して、配管の外側において対向するように一対の超音波トランスデューサを配置することにより、鉛蓄電池の溶液をケースから配管に引き出して音速を測定することができる。そのため、鉛蓄電池のケース内において、溶液の温度が上昇しても、配管に溶液を引き出すことにより、溶液を冷却することができる。それにより、溶液の比重の測定精度が良好な温度範囲において、比重を測定することができる。
このような鉛蓄電池の残存容量センサにおいても、回路基板に温度測定手段を設けることにより、配管内の溶液の温度を測定して、溶液の比重と溶液中における音速との間の温度に関する関係を補正することができる。
ここで、ケースの2箇所を配管で結んで、溶液が配管中を循環するようにすることにより、溶液の自然冷却または冷却装置による冷却が容易となる。
さらに、配管内部に気泡フィルタを取り付けることにより、溶液中に気泡が発生してもそれを除去することができ、配管中において確実に溶液内に超音波を通過させることができる。
このような残存容量センサを取り付けた鉛蓄電池においては、溶液の比重すなわち鉛蓄電池の残存容量を電気信号として取り出すことができ、充電の必要性の有無などを判断するためのデータを得ることができる。
この発明によれば、簡単な構造で、鉛蓄電池の溶液によって破損することなく、鉛蓄電池の残存容量を把握することができる、鉛蓄電池の残存容量センサを得ることができる。
また、この発明によれば、残存容量に関するデータを電気信号として出力することができる鉛蓄電池を得ることができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
図1は、この発明の鉛蓄電池の一例を示す斜視図である。鉛蓄電池10は、合成樹脂製のケース12を含む。ケース12内には、電極と溶液とが収納される。電極としては、正極として二酸化鉛が用いられ、負極として鉛が用いられる。また、溶液としては、希硫酸が用いられる。ケース12の上部には、正極および負極に接続される2つの端子14,16が形成される。さらに、ケース12の蓋取付部またはインジケータ取付部には、鉛蓄電池の残存容量センサ20が取り付けられる。
残存容量センサ20は、超音波センサ装置をもって構成される。この残存容量センサ20(超音波センサ装置)は、図2および図3に示すように、ケース12の蓋取付部またはインジケータ取付部にねじ込むことができるように形成される。残存容量センサ20は、超音波送受波器24を含む。超音波送受波器24は、図4(a)に示すように、コ字状の支持部材26を含む。支持部材26の2つの脚部には、それぞれ圧電振動子28,30が形成される。圧電振動子28は、圧電体層28aと、その両面に形成される電極28b,28cとで構成される。電極28b,28cとしては、たとえば図5(a)に示すように、圧電体層28aの両面をほぼ覆うように四角形に形成してもよいし、図5(b)に示すように、円形の電極としてもよい。これらの電極28b,28cは、支持部材26の2つの脚部を連結する連結部側に引き出される。このとき、電極28b,28cの引き出し部は、支持部材26の幅方向の両側に分けて引き出される。
同様に、圧電振動子30は、圧電体層30aと、その両面に形成される電極30b,30cとで構成される。電極30b,30cも、図5(a)または図5(b)に示すように、四角形または円形などに形成され、支持部材26の幅方向の両側に分けて引き出される。これらの圧電振動子28,30の一方の電極28b,30bが、それぞれ支持部材26の2つの脚部側に配置される。そして、圧電振動子28,30の他方の電極28c,30cが、支持部材26の脚部の反対側に配置される。さらに、電極28c,30cの上面には、バッキング材32,34が形成される。これらの圧電振動子28とバッキング材32によって超音波トランスデューサ36が構成され、圧電振動子30とバッキング材34によって超音波トランスデューサ38が構成される。
これらの支持部材26、圧電振動子28,30、バッキング材32,34を作製するには、たとえば圧電体材料で形成したセラミックグリーンシートを準備し、積層することによって立方体状あるいは直方体状の積層体が形成される。このとき、電極28b,28c,30b,30cが形成される部分には、セラミックグリーンシート上に電極ペーストが印刷される。得られた積層体を焼成することにより、電極28b,28c,30b,30cが形成されたブロック体が形成される。このブロック体を電極28bと電極30bとの間で切削加工してコ字状に形成し、電極28b,28c間および電極30b,30c間を分極処理することにより、支持部材26、圧電振動子28,30、バッキング材32,34が形成される。このような方法を採用することにより、別個に超音波トランスデューサを作製してから組み立てる必要がなく、容易に超音波送受波器24を作製することができ、しかも小型化が可能である。
支持部材26の連結部外側において、超音波送受波器24には、図4(b)に示すように、4つの外部電極40a,40b,42a,42bが形成される。外部電極40a,40bには、電極28b,28cが接続され、外部電極42a,42bには、電極30b,30cが接続される。そして、たとえば外部電極40a,40bに駆動信号を入力することにより、超音波トランスデューサ36から超音波が送波され、その超音波が超音波トランスデューサ38で受波される。超音波トランスデューサ38では、受波した超音波が電気信号に変換され、外部電極42a,42bから出力される。超音波の送受に際して、バッキング材32,34があることによって、バッキング材32,34側に放射される超音波が減衰させられる。
さらに、残存容量センサ20は、超音波送受波器24による音波の送受を制御するための回路基板40を含む。回路基板40では、たとえば一方の超音波トランスデューサ36に駆動信号を与え、他方の超音波トランスデューサ38に向かって超音波が送波される。他方の超音波トランスデューサ38では、受波した超音波が電気信号に変換され、回路基板40に送られる。そして、超音波の送受に要した時間から、超音波トランスデューサ36,38間における音速が算出される。さらに、回路基板40には、温度センサなどの温度測定手段が設けられ、回路基板40の周囲の温度が測定される。
超音波送受波器24および回路基板40は、枠体42で覆われる。枠体42は、たとえばアクリル樹脂などの耐希硫酸性を有する樹脂材料で形成される。枠体42は、全体として円柱状に形成され、その頭部42aの直径が大きくなるように形成される。頭部42aの下部には、ケース12の蓋取付部またはインジケータ取付部にねじ込むためのねじ部42bが形成される。さらに、超音波送受波器24の一対の超音波トランスデューサ36,38は枠体42の最下部に配置され、支持部材26のコ字状にあわせて、枠体42にも空隙部44cが設けられる。
この残存容量センサ20は、鉛蓄電池10のケース12に取り付けられる。このとき、超音波送受波器24および回路基板40を内蔵する部分が溶液中に浸漬されるように、ねじ部42bが蓋取付部またはインジケータ取付部にねじ込まれる。このとき、溶液が外に洩れないように、枠体42の頭部42aとケース12との間に、リング状のパッキング46が嵌め込まれる。
この鉛蓄電池10では、残存容量センサ20により、溶液の比重が測定される。つまり、超音波送受波器24によって、一対の超音波トランスデューサ36,38間における音速が測定されるため、超音波送受波器24がケース12に取り付けられた状態においては、溶液中における音速が測定される。溶液の比重と溶液中における音速との間には、一定の関係があるため、溶液中における音速を測定することにより、溶液の比重を知ることができる。さらに、溶液の比重と鉛蓄電池10の残存容量との間には、一定の関係があるため、溶液の比重を知ることにより、鉛蓄電池の残存容量を把握することができる。したがって、この鉛蓄電池10では、残存容量センサ20で溶液中における音速を測定することにより、溶液の比重に関するデータ、すなわち鉛蓄電池の残存容量に関するデータを電気信号として出力させることができる。
なお、溶液の温度によって、溶液の比重と溶液中における音速との関係が変わってくるため、回路基板40に設けられた温度測定手段によって、溶液の温度が測定される。そして、測定した溶液の温度により補正を行って、測定した音速に対する正確な溶液の比重が算出される。また、この残存容量センサ20では、2つの超音波トランスデューサ36,38がコ字状の支持部材26によって所定の間隔に配置されているため、溶液中を伝わる音波の伝播時間の測定誤差が小さく、溶液の比重と温度のみの関数から音速を求めることができる。
この鉛蓄電池の残存容量センサ20において、バッキング材32,34は、対向する圧電振動子28,30の背面側に放射される超音波を減衰させるために用いられる。このとき、圧電振動子28,30を構成する圧電体層28a,30aとバッキング材32,34とが同じ材料であれば、これらの音響インピーダンスが同じとなり、圧電振動子28,30とバッキング材32,34との間で反射の発生を抑えることができる。そのため、超音波トランスデューサ36,38内部における共振が抑えられ、共振に起因して振動が短時間に収束せずに尾を引く現象、いわゆるリンギングを防止することができる。それにより、超音波トランスデューサ36,38間で音波を送受して溶液中における音速を測定する際の時間分解能が高くなり、精度の良好な音速測定を行うことができる。なお、音速測定にあたって、厳しい精度が要求されない場合には、バッキング材32,34は、圧電体層28a,30aと異なる材料で形成されてもよいし、バッキング材が形成されていなくてもよい。
このような残存容量センサ20は、従来用いられてきた比重計と外観寸法を一致させることにより、現行品の鉛蓄電池に装着されている従来の比重計に置き換えることが可能である。また、鉛蓄電池の残存容量を測定する際に、超音波送受波器24や回路基板40が枠体42で覆われているため、超音波送受波器24や回路基板40が溶液に非接触となり、溶液による破損を防止することができる。さらに、超音波トランスデューサ36,38が溶液と非接触であるため、溶液に対して余計な副生成物や化学反応を発生させることがない。また、溶液の液面が低下して残存容量センサ20が溶液に浸漬されなくなった場合、音波は空気中で大きく減衰することから、受波側の超音波トランスデューサから出力される信号が大きく減衰するため、液面の低下を検知することができる。
また、図6に示すように、鉛蓄電池10のケース12から配管50を引き出してもよい。配管50は、ケース12の2箇所を結ぶように形成される。配管50は、図7に示すように、たとえば断面が四角形の筒状となるように形成される。そして、配管50の対向する面に、一対の超音波トランスデューサ52,54が形成される。超音波トランスデューサ52,54は、たとえば、圧電体層の両面に電極を形成した圧電振動子の一方面にバッキング材が形成されたものである。さらに、超音波トランスデューサ52,54上には、これらの超音波トランスデューサ52,54間の超音波の送受を制御するための回路基板56が設けられる。この回路基板56には、配管50内の溶液の温度を測定するために、温度センサなどの温度測定手段が設けられている。
このような鉛蓄電池10では、ケース12内の溶液が配管50によって引き出され、ケース12と配管50との間で溶液が循環する。そして、超音波トランスデューサ52,54による超音波の送受によって、配管50部分における溶液中の音速が測定される。この鉛蓄電池10では、ケース12内の溶液の温度が上昇しても、配管50に引き出されることによって自然冷却され、低温での音速測定が可能である。溶液の比重と溶液中における音速との関係は、低温で測定するほうが顕著に現れるため、配管50を形成した鉛蓄電池10では、より正確な残存容量の把握が可能となる。なお、自然冷却では十分に溶液の温度が低下しない場合、配管50部分において冷却装置などで溶液を冷却することができる。
また、ケース12内において、溶液に気泡が発生した場合、配管50に気泡が入り込むと、気泡を超音波が通過するため、溶液中における正確な音速を測定することができない。そこで、配管50内に気泡フィルタを設けて、音速を測定する部分に気泡が入らないようにすることができる。このような気泡フィルタを設けることにより、確実に溶液中において音速を測定することができ、正確に鉛蓄電池10の残存容量を把握することができる。
このような残存容量センサ20を設けた鉛蓄電池10は、たとえば自動車などに搭載される。この場合、残存容量センサ20の出力信号により、鉛蓄電池10の残存容量を自動車内に表示することができ、充電の必要性の判断材料とすることができる。
図1に示す鉛蓄電池10について、溶液中における音速を測定した。そして、溶液を取り出し、その比重を測定して、溶液の比重と溶液中における音速との関係を調べた。また、鉛蓄電池10に負荷を接続し、電池残存容量を低下させて、溶液濃度が低下していく過程における溶液の比重と溶液中における音速との関係を調べた。これらの測定では、溶液の温度を変えて、0℃から80℃までの液温の変化に対して、音速がどのように変化するかを測定した。このようにして得られた結果を、図8および図9に示した。
図8は、複数の比重を有する溶液について、溶液温度と溶液中における音速との関係を示すグラフである。図8からわかるように、それぞれの比重を有する溶液について、溶液温度が変化すると、溶液中における音速も変化している。このことから、溶液の温度を検出することにより、溶液中における音速から、溶液の比重すなわち鉛蓄電池10の残存容量に換算できることがわかる。つまり、図8から、鉛蓄電池10の容量低下を検知する指標として、これまで一般的であった溶液の比重ではなく、溶液中における音速を指標にできることがわかる。
また、図9は、複数の温度を有する溶液について、溶液の比重と溶液中における音速との関係を示すグラフである。図9からわかるように、溶液温度が60℃を超えると、溶液の比重に対して、溶液中における音速がほとんど変化しないことがわかる。このことから、溶液中における音速により溶液の比重を測定するためには、溶液の温度を60℃以下にする必要があることがわかる。
さらに、図9からわかるように、60℃以下の溶液について、音速1540m/sec付近において曲線に交差点が見られる。つまり、この点は、溶液の温度にほとんど依存しないことがわかる。この交差点は、鉛蓄電池では、再充電を行う必要の有無を見極める際の要注意点である。したがって、この発明の残存容量センサ20を取り付けることにより、鉛蓄電池10の使用とともに音速の低下を観測することができるが、溶液の温度に無関係に、ある一定の要注意点になったら再充電を促すことができる。
この発明の鉛蓄電池の一例を示す斜視図である。 図1に示す鉛蓄電池に用いられる残存容量センサの一例を示す斜視図である。 図2に示す残存容量センサの図解図である。 (a)は図3に示す残存容量センサに用いられる超音波送受波器を示す斜視図であり、(b)はその側面図である。 (a)および(b)は、図4に示す超音波送受波器の内部に形成される圧電振動子の電極を示す平面図である。 この発明の鉛蓄電池の他の例を示す斜視図である。 図6に示す鉛蓄電池に形成される配管の一部を示す図解図である。 鉛蓄電池の溶液を測定した結果を示すグラフであり、複数の比重を有する溶液について、溶液温度と溶液中における音速との関係を示すグラフである。 鉛蓄電池の溶液を測定した結果を示すグラフであり、複数の温度を有する溶液について、溶液の比重と溶液中における音速との関係を示すグラフである。 従来の鉛蓄電池の残存容量センサの一例を示す図解図である。 溶液中における音速を測定することができる超音波送受波器を示す斜視図である。
符号の説明
10 鉛蓄電池
12 ケース
20 残存容量センサ
24 超音波送受波器
26 支持部材
28,30 圧電振動子
32,34 バッキング材
36,38 超音波トランスデューサ
40 回路基板
42 枠体
50 配管
52,54 超音波トランスデューサ
56 回路基板

Claims (9)

  1. 所定の間隔を隔てて配置される一対の超音波トランスデューサ、
    前記超音波トランスデューサの音波の送受を制御する回路基板、および
    前記超音波トランスデューサおよび前記回路基板を覆うように設けられる枠体を含む超音波センサ装置を有してなる鉛蓄電池の残存容量センサであって、
    前記超音波センサ装置は、前記一対の超音波トランスデューサが前記枠体を介して鉛蓄電池の溶液に浸漬されるように、前記鉛蓄電池の所定の箇所に固定されてなる、鉛蓄電池の残存容量センサ。
  2. 前記回路基板に、前記鉛蓄電池内の溶液の温度を測定するための温度測定手段が設けられた、請求項1に記載の鉛蓄電池の残存容量センサ。
  3. 前記一対の超音波トランスデューサは、所定の間隔を隔てて配置される2つの端部を有する支持部材の端部に固定される、請求項1または請求項2に記載の鉛蓄電池の残存容量センサ。
  4. 前記枠体には、前記鉛蓄電池の蓋取付部またはインジケータ取付部に取り付けるためのねじ部が形成された、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の鉛蓄電池の残存容量センサ。
  5. 鉛蓄電池のケースから引き出される配管、
    前記配管の外側において対向するように配置される一対の超音波トランスデューサ、および
    前記超音波トランスデューサの音波の送受を制御する回路基板を含む超音波センサ装置を有してなる、鉛蓄電池の残存容量センサ。
  6. 前記回路基板に、前記配管内の溶液の温度を測定するための温度測定手段が設けられた、請求項5に記載の鉛蓄電池の残存容量センサ。
  7. 前記配管は前記鉛蓄電池のケースの2箇所を結ぶように形成され、前記配管中を前記鉛蓄電池の溶液が循環するようにした、請求項5または請求項6に記載の鉛蓄電池の残存容量センサ。
  8. 前記配管の内部に、前記鉛蓄電池の溶液に発生する気泡を除去するための気泡フィルタを取り付けた、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の鉛蓄電池の残存容量センサ。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の鉛蓄電池の残存容量センサを取り付けた、鉛蓄電池。
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