JP2007321376A - エアテントシステム - Google Patents

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田中  誠
Shigeru Nanbara
滋 南原
Masashi Murata
真史 村田
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Abstract

【課題】組立て、分解、運搬等の作業性を低下させる要因となる骨格部材を必須とせず、しかも送風機等の電力を要するエア供給手段や、多大な労力を要する手動ポンプを用いることなく、自動的にエアを供給してテントを設営することができるエアテントシステムを提供する。
【解決手段】ガスハイドレート3と、ガスハイドレートに熱を加えて分解することにより高圧ガス4、及び冷水5を生成するハイドレート分解装置2と、可撓性膜体から成る外装部材11、及び外装部材の少なくとも一部に設けられて流体圧により膨張、収縮する袋体12を有したテント本体10と、ハイドレート分解装置により生成されたガス、又は冷水を袋体内に供給して膨張させる供給手段20と、を備え、袋体が膨張した際に外装部材はその内部に空間を形成するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明はアウトドアーレジャーにおいて使用される小型テント、屋外で開催されるイベント等において使用される中・大型テント、災害時の非難者の収容手段等として利用されるテント(仮設家屋)等の改良に関し、特に取扱いに不便な骨格材などを使用することなく、ガスハイドレートを分解することにより発生した高圧ガスを利用して家屋としての形態を維持したり、冷水を利用して快適な居住環境を得ることができるエアテントシステムに関する。
アウトドアーでの生活や、災害による非難時等において居住空間を確保する手段として、比較的小型のテントが一般に使用される。また、屋外で開催されるイベント等においては大人数を収容するための中・大型テントが使用される。
このような用途に用いられるテントは、非使用時には、折り畳むことによってコンパクト化した状態で運搬、保管されるため、可能な限り構成部品数が少なく、重量が小さいことが求められるが、従来のテントは金属等の剛性材料からなる骨格材と、合成樹脂等の可撓性を有したシート材等から構成されていたため、上記の如き要求を満たしているとは言い難かった。また、テントの設営時には金属パイプ等からなる骨格材を組み立てた上でシート材を骨格材に組み付ける作業が必要となり、解体時にはシート材の骨格材からの取外し、骨格材の分解等の煩雑な作業が必要とされる。
特に、大人数を収容するイベント用のテントにあっては、使用する骨格材の本数、重量が膨大になるため、設営、分解、運搬といった各種作業に多大な労力を要していた。
特許文献1には、金属等の剛性材料からなる線材から構成した支持枠体に可撓性膜体を組み付けて内部を気密化した状態で、送風機から供給されるエアによって可撓性膜体を膨張させて設営できるようにしたエアテントハウスが開示されている。このエアテントハウスは主として農業用ハウスに関するものである。
しかし、テント設営時の形態を適切に維持するためには、送風機を常時稼動して内圧を高く保つ必要があり、設営時間が長期になればなるほど、多量の電力を消費するという問題があった。また、送風機を稼動するには電力が必要となるため、電力を確保できない場所においてはテントを設営できなくなる。更に、停電した場合には送風機を稼動できなくなり、テントの設営状態が悪化するという問題がある。
また、骨格部材を用いずに、小型ポンプを手動操作することによって、テントを構成する可撓性膜体内部に設けた空隙内にエアを供給して空隙を膨らませるようにした小型テントがキャンプ用のテントとして知られている。しかし、この種のテントは、設営時に小型ポンプを繰り返し押圧操作する作業者の労力、負担が大きくなるという問題がある。
また、夏場のキャンプではテント内部の温度が高温化する点も問題であった。
特開2002−10714公報
以上のように従来のテントは、重量の大きい剛性材料から成る骨格部材を必須としていたため、組立て、分解作業、及び折り畳んだ状態における運搬作業が繁雑であり、また保管に場所をとるという問題があった。また、電力により稼動する送風機により常時テント内に風圧を加えてテントの形状を保持するタイプのテントにあっては、電力コストの増大、電力を利用できない条件下では使用できないという問題がある。更に、骨格部材を持たずにエア圧だけで形状を維持するタイプのテントにあっては、組立て時に人力によりポンプを操作する必要があるために作業者に大きな負担がかかるという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、組立て、分解、運搬等の作業性を低下させる要因となる骨格部材を必須とせず、しかも送風機等の電力を要するエア供給手段や、多大な労力を要する手動ポンプを用いることなく、自動的に気体を供給することによりテントを膨張させて設営作業を完了し、撤収時にはエアを抜気するだけで作業を完了することができるエアテントシステムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係るエアテントシステムは、ガスハイドレートと、該ガスハイドレートに熱を加えて分解することにより高圧ガス、及び冷水を生成するハイドレート分解装置と、可撓性膜体から成る外装部材、及び該外装部材の少なくとも一部に設けられて流体圧により膨張、収縮する袋体を有したテント本体と、前記ハイドレート分解装置により生成された高圧ガス、又は冷水を前記袋体内に供給して膨張させる供給手段と、を備え、前記袋体が膨張した際に前記外装部材はその内部に空間を形成するように構成されていることを特徴とする。
ガスとは気体一般を含む概念であり、例えば、ハイドレート化することが可能な天然ガス、メタン、酸素、炭素、窒素、ヘリウム等々を含むものである。外装部材はそれ自体が袋体である場合と、袋体間を連設するシート部材等を含むものである。供給手段は、ハイドレート分解装置と袋体との間に介在する吸入口、管体等の流体供給手段を広く含む概念である。袋体の膨張により外装部材が拡張することによりその内部には居住空間、収納空間、植物栽培、生物飼育空間等の空間が形成されて一定の利用目的に供される。テント本体のサイズ、形態に制限はなくあらゆる形態を含む。
請求項2の発明は、請求項1において、前記袋体は、前記テント本体を構成する側壁、天幕、床部材、又は支柱のうちの少なくとも一つに設けられていることを特徴とする。
テントの形態として、側壁、天幕、床部材、支柱を全て含むタイプ、天幕だけのタイプ、床部材と天幕だけのタイプ、支柱と天幕(屋根)だけのタイプ等々、種々存在するが、本発明の適用範囲には限定がない。
請求項3の発明は、請求項1又は2の何れか一項において、複数の前記袋体間、或いは一つの袋体内部に設けた複数の区画領域間に、流体圧力により開閉する圧力調整弁を設けたことを特徴とする。
一つの袋体に損傷が発生したり、一つの袋体内の一部(区画領域)に損傷が発生した場合であっても、他の袋体、或いは一つの袋体内の他の箇所(区画領域)には損傷による抜気等の不具合が発生しないように配慮している。
請求項4の発明は、請求項1又は2において、前記テント本体は互いに連通しない複数の袋体を備え、前記供給手段は、一部の袋体内には前記高圧ガスを供給すると共に、他の袋体内には前記冷水を供給することを特徴とする。
袋体は高圧ガスを供給することにより外装部材を拡張させる機能の他に、ハイドレートに由来する冷水を充填、通水されることにより冷房効果を発揮して居住環境を整備するのに役立てることができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか一項において、前記袋体内に、前記冷水を封入するか、或いは前記冷水が循環するように構成したことを特徴とする。
袋体内に冷水を供給する際に冷水を封入してもよいし、供給と排出を並行して、或いはタイミングを異ならせて行うことにより循環させるようにしてもよい。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか一項において、前記冷水を前記テント本体の外面に散布する冷水散布手段を備えたことを特徴とする。
冷水は、袋体内に供給する以外に、テント本体の外面に散布することによりテント内の冷房効果を得たり、テント外面を清掃するために使用することができる。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れか一項において、前記袋体には、前記テント本体内に前記ガスを送風する送風口を設けたことを特徴とする。
ガスハイドレートとして酸素ガス等の人体に無害な、或いは人体の健康に有益なハイドレートを使用することにより、テント本体内の居住環境を高めることができる。或いは、テント本体を植物の栽培用に使用する場合には植物の生育に適した二酸化炭素ハイドレートを使用し、二酸化炭素を適量ずつ供給するようにしてもよい。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか一項において、前記ガスハイドレートの分解により生成されるガスは、空気より軽い気体であることを特徴とする記載のエアテントシステム。
ガスハイドレートとしてヘリウムガスハイドレートを使用することにより生成されたヘリウムガスを袋体内に充填することによってテント本体の浮力を高めることができ、設営時の作業性を高め、設営後の形態維持性を高めることができる。
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れか一項において、剛性材料からなる骨格材により前記テント本体の少なくとも一部を支持したことを特徴とする。
外装部材、及び袋体のみから成るテント本体の構造に機械的強度上の不安がある場合には骨格材を併用してもよい。
本発明のエアテントシステムによれば、ガスハイドレートを分解することにより生成される高圧ガス、及び冷水を用いて仮設テントを設営し、継続使用することができる。テント本体の一部に袋体(エアチューブ、エアバッグ)を設けておき、この袋体内にガスハイドレート由来のガスを供給して膨張させることで、大気圧よりも高い圧力を容易に調達することができる。これにより、特に送風機を常時稼動しなくても、電力源なしで長期間にわたりテントの形態を保持することができる。また、送風機が必要ないので、テントの設営が容易である。本発明のエアテントシステムを小型テントに適用した場合は、ポンプを用いる必要がなくなり、設置者の作業負担が軽減される。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明のエアテントシステムの原理を説明する図である。
エアテントシステム1は、ガス分子(気体分子)と水分子が結合した氷状物質であるガスハイドレート3と、ガスハイドレート3に熱を加えて分解することにより高圧ガス4、及び冷水5を生成するハイドレート分解装置2と、少なくとも一部に流体圧により膨張、収縮する袋体12を有した可撓性膜体から成り拡張したときにテント(家屋)の形状を形成するテント本体10と、ハイドレート分解装置2により生成された高圧ガス(高圧気体)4、又は冷水5をテント本体10の袋体12内に供給して膨張させる供給手段20と、を備えている。そして、袋体12がハイドレート分解装置2により生成され供給手段20により供給されたガス4,又は冷水5によって膨張(拡張)した際にテント本体10はその内部に居住空間、収納空間、その他の一定の用途に供される空間Sを形成するように構成されている。
ハイドレート分解装置2は、槽内を上下に仕切る網2a上にガスハイドレート3を載置することにより、ガスハイドレート3を熱(ハイドレートの自己保存温度よりも高い温度)により分解させて高圧ガス4、冷水5を生成する。
高圧ガス4及び冷水5はテント本体10に配設された袋体12内に供給される。高圧ガス4は特定の袋体12内に充填され、封入されることによってテント本体10がテント(家屋)の形態を保持するのに用いられる。冷水5は特定の袋体12内に充填、或いは循環されることによって例えばテント本体10内の温度調整やテントとしての形態保持に用いられる。
テント本体10は例えば合成繊維等の可撓性、防水性を有したシート材料からなる外装部材11と、外装部材11の適所に配置されて空隙を形成する袋体12と、を備えており、テント(家屋)の形状を構成する側壁13、天幕(屋根、或いは天井)14、床部材15、支柱等のうちの少なくとも一つを含んでいる。袋体12はその空隙内にガス4,冷水5等の流体を充填することによって膨張したときにテント本体全体の骨格部材、断熱部材、クッション等々として機能し、外装部材11を拡張させて家屋の形状を形成することができるようにテント本体10の適所に配置される。
図1の例では、テント本体10の側壁13に上下方向へ延びる支柱としての袋体12を配置すると共に、天幕14にも補強用の骨格としての袋体12を配置している。又、床部材15としても袋材12を用いている。
袋体12の形状、配置箇所等々は任意に設定可能であり、例えば柱状(エアチューブ状)の袋体を交差させて筋交いを構築したり、格子状にすることにより風力等の外力に対する強度を高めることができる。また、袋体12を任意形状のエアバッグとして構成することにより、床面を構成するクッションとしたり、壁板、屋根板を構成する断熱部材として構成してもよい。
ガス4をテント本体の上部に溜め、冷水5をテント本体の下部(側壁13の下部、床部材15)に溜めることにより冷水を重りとして利用することが可能となり、設営時に使用する杭打の本数を低減して強風等に対する設置安定性を確保するようにしてもよい。
なお、ガスとして空気より軽いヘリウム等を使用することによりガスの浮力によりテント本体10の屋根が押し上げられ、テント本体全体としての保形力を確保するようにしてもよい。この場合には、ガスハイドレート3としてヘリウムガスハイドレートを使用することは勿論である。空気より軽いガスによりテント本体を浮上させることにより、外装部材や袋体を構成するシート材料として厚肉の生地を使用して強度を高めることが可能となる。
また、分解装置2により生成された冷水5を袋体内に循環させたり、外装部材、或いは袋体の一部に冷水散布手段(冷水散布ノズル等)を設けて外装部材11の外面に冷水を散布することによりテント本体内を冷房したり、テント外面を清掃するようにしてもよい。或いは、この冷水をテント本体外に設けたシャワー用の水として利用したり、水栓トイレ用の洗浄水として利用してもよい。
本発明のエアテントシステムによれば、テントの形態を保持するのに送風機を必要としないので、災害時であっても仮設テントの設営が容易で、また電力を使用せずに長期間にわたる形態の保持が可能である。
次に、図2(a)及び(b)は本発明のエアテントシステムの他の形態例の外観斜視図、及び内部構成図である。
この実施形態に係るエアテントシステム1は、ガスハイドレートを収容して分解するガスハイドレート分解装置2と、テント本体10と、供給手段20と、から構成されている。
ガスハイドレート分解装置2の構成は図1に示したものと同様である。
なお、ガスハイドレート分解装置2自体をカートリッジタイプの形態としておき、このカートリッジを供給手段20を介してテント本体10に対して着脱できるようにしておくのが好ましい。
テント本体10は、ドーム型の外装部材11と、外装部材の適所に空隙を形成する袋体12と、ガスハイドレート分解装置2から袋体12内にガスを供給する供給手段20としてのエア吸入口21と、を備えている。
ガスハイドレートは、ハイドレート分解装置2内で分解されることにより、高圧ガス(ガス)と冷水を生成する。高圧ガス4はエア吸入口21を介して、テント本体の袋体12に充填され、テント本体の拡張および形態の保持に活用される。
この実施形態では、所定幅を有した複数の板状の袋体12をテント本体10を構成する天幕や床部材に設けて隣接配置したものであり、各袋体12は境界領域16によって非連通状態に保持されている。
また、図2(b)に示す床部材15のように個々の袋体12を境界領域26によって複数の区画領域25に区画し、境界領域26間の仕切り25aに図示しない圧力調整弁を設けることにより個々の区画領域25が所定圧力以上になった時に圧力調整弁が開放して連通するように構成してもよい。従って、一つの区画領域25を構成する袋体材料が損傷したとしても、他の区画領域25内のガスが抜けることがないのでテント本体の形態が大きく損なわれずにすむこととなる。
なお、テント本体の適所には、補強のために、例えば金属製の支持体を組み込んでも良い。
ガスハイドレートとしては、酸素ガスハイドレート、窒素ハイドレート、ヘリウムハイドレート、炭酸ガスハイドレート等の人体に無害なガスを使用することができる。仮に、袋体が損傷することにより充填ガスが漏洩したとしても基本的に無害であるため、人体に安全である。特に、ヘリウムが袋体内に存在する場合には、テント全体に浮力が加わり、テントの形成が容易になるので好ましい。
人体に無害なガスを使用する際には、袋体の適所に設けた送風穴からテント本体内に冷風を送風することにより冷房することもできる。
酸素ガスハイドレートを使用する場合には、酸素ガスの一部をテント本体内に供給することにより内部の人間に酸素浴をさせて疲労回復を促進することができる。
炭酸ガスハイドレートを使用する場合には、植物を栽培するためのビニールハウスに適用することが好ましい。炭酸ガスハイドレートから生成される炭酸ガス(二酸化炭素)をテントの形成だけでなく、炭酸ガスと水を植物に供給することにより植物を育成するために利用することができる。
また、ガスハイドレートの分解速度の調整に利用するため、別途、天然ガスハイドレート(NGH)を分解させる装置を設け、得られた天然ガスをハイドレート分解装置によるハイドレート加熱のために燃焼させてもよい。
次に、図3は本発明のエアテントシステムをキャンプ地等に設置される小型テントに適用した例を示す図である。
小型テントには種々の形態があるが、この実施形態に係るエアテントシステム1では、図示のように天幕14と床部材15とから構成された折り畳み自在なテント本体10を例示している。このテント本体10を構成する天幕14は、外装部材11と、外装部材11の梁部や稜線に相当する部位に一体化した柱状(エアチューブ状)の袋体12と、を備えている。また床部材15にはエアマット、或いは冷水マットを構成するように全面的に袋体12が配置されている。
このテント本体10の天幕14を構成する袋体12内に、供給手段20としての吸入口21を介して接続したガスハイドレート分解装置2からガスを供給して膨張させることにより、外装部材11を拡張させて一定の形状を形成し、且つ保形することができる。一方、ガスハイドレート分解装置2から床部材15を構成する袋体12内に冷水を供給することにより冷水マットを形成すると共に、冷水により重くなった床部材を重りとすることができる。冷水は排水口22から排出させることにより冷水の量を調整したり、床部材内で冷水を新たなものと入れ替えて床部材の昇温を防ぐことができる。
このように本実施形態に係る小型テントにあっては、折り畳んだ状態から設営状態に移行させるためには、カートリッジタイプの分解装置2を吸入口21に取り付けて吸入口21からのガス供給を実施することで設営が可能となる。カートリッジ内でガスハイドレートが分解し、高圧ガスと冷水が生成される。吸入口21から高圧ガスを袋体内に供給させて、高圧ガスがエアチューブ状の袋体12内に充満することで、膨張した袋体12がテントの支持体となり、テント形態の保持ができる。従って、従来のようにテント設営に際して手動ポンプを用いて膨らませる必要がなく、設置者の作業負担が軽減する。
また、ハイドレートにより生成された冷水は、吸入口21からテント本体の床部材15の袋体内部に供給される。冷水の量を調節できるように排水口22が設けられている。ガスハイドレートからの冷水は0〜5℃と低温であるので、夏場のテント内の温度調整に最適である。また、冷水はテントの重りになるため、テントを固定するために杭を打つ等の作業を行う必要がなくなる。更に冷水はクッションとしても機能する。
なお、吸入口21としては、高圧ガス用の吸入口と冷水用の吸入口を設ける。
カートリッジタイプの分解装置2の外面を黒く塗れば、太陽熱の吸収を促進できるために効果的に分解を促進できる。また、海辺、キャンプ地等では、カートリッジに水や湯をかけたり、カートリッジ内部に水等を供給することで、ガスハイドレートの分解を促進することができる。
次に、図4は本発明のエアテントシステムを開放型のテントに適用した例を示す構成図である。
この実施形態に係るエアテントシステム1は、ハイドレート分解装置2と、ハイドレート分解装置2にハイドレートを供給するハイドレートタンク30と、テント本体10と、供給手段20と、を備えている。
テント本体10は、十分な太さを有したエアチューブ状の複数本の支柱(脚部)35と、支柱35によって支持された天幕14と、を備えている。
複数本の支柱35は合成樹脂等から成る可撓性膜体を筒状に構成した袋体であり、吸入口21を介してハイドレート分解装置2からの高圧ガスと冷水の供給を受けることにより膨張して剛性を有した支柱となる。高圧ガスのみを支柱35内部に充填するだけでもよいが、冷水を充填することにより天幕14を支持するのに十分な重量と強度を確保することが可能となる。支柱35の底部を図示のように大径の台座35aとして構成し、この台座35a内に冷水を充填するように構成すれば、設置時の安定性を高めることができる。このように冷水はテント本体の支柱35に溜められ、テント本体の重りになるため、テント本体を固定するために杭を打つ等の作業を行う必要がなくなる。
天幕14はその適所に袋体12を備えており、袋体12内にガスハイドレート由来の高圧ガスを充填することにより膨張し、天幕を形態を保持することができる。天幕を構成する袋体内に冷水を供給することにより太陽熱を遮断しつつ冷房効果を発揮させることもできる。
天幕14には、高圧ガスを充填する袋体部分を複数設けておき、各袋体間が所定圧力以上で連通するように圧力調整弁を設けておくことにより、袋体の一部が損傷しても、テント本体の形態が大きく損なわれずにすむ。テント本体のサイズが大きい場合、補強のために、例えば金属製の支持体40を適所に入れてもよい。
なお、支柱35に対する吸入口21と天幕に対する吸入口を共通化してもよいし、別個に設けても良い。
このテント本体10の支柱35や天幕14を構成する袋体12内に、供給手段20としての吸入口21を介して接続したガスハイドレート分解装置2から高圧ガス、冷水を供給して膨張させることにより、外装部材11を拡張させて設営を行うと共に、その後の保形を行うことができる。
以上のように本発明のエアテントシステムによれば、ガスハイドレートを分解することにより生成される高圧ガス、及び冷水を用いて、仮設の家屋、例えばテントを設営することができる。即ちテント本体の一部に袋体(エアチューブ、エアバッグ)を設けておき、この袋体内にガスハイドレート由来のガス、或いは冷水を供給して膨張させることで、大気圧よりも高い圧力を容易に調達してテントを設営することができる。これにより、特に送風機を常時稼動しなくても、長期間にわたり、テントの形態を保持することができる。また、送風機が必要ないので、テントの設営が容易である。
本発明のエアテントシステムを小型テントに適用した場合には、手動ポンプを用いて設営作業を行う必要がなくなり、設置者の作業負担が軽減される。
また、冷水を袋体内に充填、循環したり、冷水循環用の配管を設けて通水することにより、テント本体内を冷房することができる。
冷水はテント外面に散布することによりテント本体を冷却したり、洗浄することができる。また、冷水はテント外部においてシャワー水、トイレ洗浄水等々として利用することもできる。冷水をテントの床部材内部に充填することにより冷房効果を発揮するとともに、水の重量により設定安定性を高め杭打ち作業等を省略、低減できる。
冷風をテント内に送風して冷房したり、ガスが酸素である場合にはリラックス効果、疲労回復効果を得ることができる。
高圧ガスが空気よりも軽いヘリウム等である場合には、テント本体の浮力を高めることができるので、保形性を高めることができる。
剛性を有した線材等からなる骨格部材(支持枠)をテント本体の適所に配置することにより機械的強度を高めることが可能である。
また、本発明のエアテントシステムは、通常の仮設テント、仮設家屋のみならず、年間を通して、或いは季節的に常設される植物栽培用のハウス(温室)等にも利用することができる。
本発明のエアテントシステムの原理を説明する図である。 (a)及び(b)は本発明のエアテントシステムの他の形態例の外観斜視図、及び内部構成図である。 本発明のエアテントシステムをキャンプ地等に設置される小型テントに適用した例を示す図である。 本発明のエアテントシステムを開放型のテントに適用した例を示す構成図である。
符号の説明
1…エアテントシステム、2…ハイドレート分解装置、3…ガスハイドレート、4…高圧ガス(高圧気体)、5…冷水、10…テント本体、11…外装部材、12…袋体、13…側壁、14…天幕、15…床部材、16…境界領域、20…供給手段、21…吸入口、22…排水口、25…区画領域、26…境界領域、30…ハイドレートタンク、35…支柱、35a…台座、40…支持体。

Claims (9)

  1. ガスハイドレートと、該ガスハイドレートに熱を加えて分解することにより高圧ガス、及び冷水を生成するハイドレート分解装置と、
    可撓性膜体から成る外装部材、及び該外装部材の少なくとも一部に設けられて流体圧により膨張、収縮する袋体を有したテント本体と、
    前記ハイドレート分解装置により生成された高圧ガス、又は冷水を前記袋体内に供給して膨張させる供給手段と、を備え、
    前記袋体が膨張した際に前記外装部材はその内部に空間を形成するように構成されていることを特徴とするエアテントシステム。
  2. 前記袋体は、前記テント本体を構成する側壁、天幕、床部材、又は支柱のうちの少なくとも一つに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアテントシステム。
  3. 複数の前記袋体間、或いは一つの袋体内部に設けた複数の区画領域間に、流体圧力により開閉する圧力調整弁を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエアテントシステム。
  4. 前記テント本体は互いに連通しない複数の袋体を備え、前記供給手段は、一部の袋体内には前記高圧ガスを供給すると共に、他の袋体内には前記冷水を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載のエアテントシステム。
  5. 前記袋体内に、前記冷水を封入するか、或いは前記冷水が循環するように構成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のエアテントシステム。
  6. 前記冷水を前記テント本体の外面に散布する冷水散布手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のエアテントシステム。
  7. 前記袋体には、前記テント本体内に前記ガスを送風する送風口を設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のエアテントシステム。
  8. 前記ガスハイドレートの分解により生成されるガスは、空気より軽い気体であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のエアテントシステム。
  9. 剛性材料からなる骨格材により前記テント本体の少なくとも一部を支持したことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のエアテントシステム。
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KR101247158B1 (ko) * 2010-06-30 2013-03-25 주식회사 스마트에어 챔버 다단식 에어백 충격 흡수 시스템 및 그 방법
JP2016035159A (ja) * 2014-08-01 2016-03-17 株式会社竹中工務店 造形物
JP2021066395A (ja) * 2019-10-28 2021-04-30 株式会社大林組 インフレータブル構造物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101247158B1 (ko) * 2010-06-30 2013-03-25 주식회사 스마트에어 챔버 다단식 에어백 충격 흡수 시스템 및 그 방법
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