JP2007320832A - グラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタル - Google Patents

グラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタル Download PDF

Info

Publication number
JP2007320832A
JP2007320832A JP2006155662A JP2006155662A JP2007320832A JP 2007320832 A JP2007320832 A JP 2007320832A JP 2006155662 A JP2006155662 A JP 2006155662A JP 2006155662 A JP2006155662 A JP 2006155662A JP 2007320832 A JP2007320832 A JP 2007320832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
grout
cement
expansion material
mortar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006155662A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuma Igarashi
数馬 五十嵐
Toru Shiraiwa
亨 白岩
Tetsuo Otsuka
哲雄 大塚
Toru Yagi
徹 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2006155662A priority Critical patent/JP2007320832A/ja
Publication of JP2007320832A publication Critical patent/JP2007320832A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B22/00Use of inorganic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. accelerators, shrinkage compensating agents
    • C04B22/008Cement and like inorganic materials added as expanding or shrinkage compensating ingredients in mortar or concrete compositions, the expansion being the result of a recrystallisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/34Non-shrinking or non-cracking materials
    • C04B2111/346Materials exhibiting reduced plastic shrinkage cracking
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/70Grouts, e.g. injection mixtures for cables for prestressed concrete

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

【課題】 温度依存性が小さく、無収縮性を有し、良好な流動性を保持し、ブリーディングや材料分離を発生せず、水和熱抑制により温度ひび割れを防止し、乾燥収縮の低減によりひび割れ防止性能を有するグラウト組成物やそのグラウトモルタルを提供する。
【解決手段】 セメント、膨張材、収縮低減剤、繊維、減水剤、発泡物質、及び細骨材からなり、膨張材が、カルシウムアルミノフェライト系膨張材とカルシウムサルフォアルミネート系膨張材からなり、該膨張材が、セメント100部に対して、2〜10部であるグラウト組成物、カルシウムアルミノフェライト系膨張材の粉末度が、ブレーン比表面積値で、2,000〜6,000cm2/gである、カルシウムサルフォアルミネート系膨張材の粉末度が、ブレーン比表面積値で、4,000〜11,000cm2/gである該グラウト組成物、該グラウト組成物と水とを配合してなるグラウトモルタルを構成とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主に、土木・建築分野において使用されるグラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタルに関する。
従来、グラウト用のセメント混和材あるいはセメント系グラウト組成物としては、膨張物質と減水剤を主成分とするものが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
これらの材料は、いずれも作業性や充填性に優れ、グラウト工事を円滑に完了させる材料であった。
最近では、グラウト材料に要求される性能は益々高まってきている。
グラウト材料の要求物性としては、(1)無収縮であること、(2)流動性が良好でその保持性が優れること、(3)ブリーディングや材料分離がないこと、及び(4)水和熱抑制による温度ひび割れがないことなどが挙げられる。
さらに最近では、コンクリート構造物の補修・補強工事における断面修復や断面の増し打ち部に使用されることが多くなる傾向にあり、(5)乾燥収縮の低減によるひび割れ防止も求められるようになり、これら全ての要求性能を満足することが必要とされている。
しかしながら、従来のグラウト材料は、上記(1)〜(4)については要求を満たすものの、(5)の乾燥収縮の低減によるひび割れ防止についてはあまり検討がされず、性能をまだ充分に満足していないのが現状である。
また、充填箇所によっては、さらなる高流動化が要求される場合もあり、特に高温下では著しく泡が発生することがある。
多量に泡が発生するとグラウト材料とコンクリートとの付着がとれなくなるだけではなく、材料分離を起こす可能性があり、グラウト材料とコンクリートとの間に間隙が生じることが考えられ、施工上の課題となっている(非特許文献1参照)。
一方、土木・建築分野で使用される膨張材は一般に、水和反応でエトリンガイトを生成するエトリンガイト系膨張材と、水酸化カルシウムを生成する石灰系膨張材の2種類に大別される。
膨張材は、主にコンクリートの収縮補償によるひび割れ防止、充填、及びケミカルプレストレスの導入等を目的に使用される。
ひび割れ防止を目的とする場合、大部分が現場打ちコンクリート用途であり、乾燥収縮を膨張により補償したり、水和熱による温度ひび割れを防止する。
また、充填を目的とする場合、PC桁のジョイント部、橋梁の支承部、及び機械据付部等の充填用モルタル又はコンクリートへ使用される。
これらの用途では、高流動性、ノンブリーディング性、及び無収縮性等の要求性能が必要なため、品質確保の面から、セメント、砂、膨張材、及び混和剤が、あらかじめプレミックスされた無収縮グラウト材として工場で製造された製品が多く使用されている。
そして、ケミカルプレストレスの導入を目的とする場合、ヒューム管やボックスカルバートなどの工場製品への利用が主である。
特開2003−171162号公報 特開2001−329263号公報 「高強度グラウト材の充填性に関する実験研究」、日本建築学会大会学術講演梗概集、No.1313、1995年8月
本発明者は、前記課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、特定のグラウト組成物を採用することにより前記課題が解決できるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、セメント、膨張材、収縮低減剤、繊維、減水剤、発泡物質、及び細骨材からなり、膨張材が、カルシウムアルミノフェライト系膨張材とカルシウムサルフォアルミネート系膨張材からなり、該膨張材が、セメント100部に対して、2〜20部であるグラウト組成物であり、カルシウムアルミノフェライト系膨張材が、セメント100部に対し、1〜10部である該グラウト組成物であり、カルシウムアルミノフェライト系膨張材の粉末度が、ブレーン比表面積値で、2,000〜6,000cm2/gである該グラウト組成物であり、カルシウムサルフォアルミネート系膨張材が、セメント100部に対し、1〜10部である該グラウト組成物であり、カルシウムサルフォアルミネート系膨張材の粉末度が、ブレーン比表面積値で、4,000〜11,000cm2/gである該グラウト組成物であり、さらに、デキストリンを含有してなる該グラウト組成物、該グラウト組成物と水とを配合してなるグラウトモルタル、水が、セメントと膨張材からなる結合材100部に対して、30〜55部である該グラウトモルタルである。
本発明のグラウト組成物を使用することにより、温度依存性が小さく、無収縮性を有し、良好な流動性を保持し、ブリーディングや材料分離を発生せず、水和熱抑制により温度ひび割れを防止し、乾燥収縮の低減によりひび割れ防止性能を有するグラウトモルタルを提供することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明で使用する部や%は特に規定のない限り質量規準である。
本発明は、セメント、膨張材、収縮低減剤、繊維、減水剤、発泡物質、及び細骨材からなり、膨張材が、カルシウムアルミノフェライト系膨張材とカルシウムサルフォアルミネート系膨張材からなり、セメント100部に対して、2〜10部であるグラウト組成物であり、該グラウト組成物と水とを混練りして、グラウトモルタルを調製するものである。
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカ、又は石灰石粉末等を混合した各種混合セメント、並びに、廃棄物利用型セメント、いわゆるエコセメントなどが挙げられる。
本発明で使用する膨張材としては、主に、膨張性、流動性、及び保水性保持の面からカルシウムアルミノフェライト系膨張材と、主に、膨張性や泡の発生を抑制させる効果の面からカルシウムサルフォアルミネート系膨張材を併用する。
膨張材は、CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料、及びCaSO4原料を所定の割合になるよう配合し、電気炉やロータリーキルンなどを用いて、一般的には、1,100〜1,600℃で熱処理して製造される。1,100℃未満では得られた膨張材の膨張性能が充分でない場合があり、1,600℃を超えると無水石膏が分解する場合がある。
CaO原料としては石灰石や消石灰等が、Al2O3原料としてはボーキサイトやアルミ残灰等が、Fe2O3原料としては銅カラミや市販の酸化鉄等が、並びに、CaSO4原料としては二水石膏、半水石膏、及び無水石膏等が挙げられる。
本発明で使用するカルシウムアルミノフェライト系膨張材(以下、C4AF膨張材という)は、CaO-Al2O3-Fe2O3 系化合物、遊離石灰、及び石膏類を主体とする膨張材を総称するものであり特に限定されるものではない。
CaO-Al2O3-Fe2O3 系化合物は、一般的に、CaOをC、Al2O3 をA、Fe2O3をFとすると、C4AFやC6AF2 などと示される化合物がよく知られている。通常はC4AFとして存在していると考えて良い。
本発明のC4AF膨張材の粉末度は、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で2,000cm2/g以上が好ましく、2,000〜6,000cm2/gがより好ましい。2,000cm2/g未満では、膨張量が大きく、圧縮強度が小さくなるだけでなく、ブリーディングが生じやすくなる場合があり、6,000cm2/gを超えると良好な流動性を保持する時間が短くなる場合があるだけでなく、膨張量が小さく、充分な収縮低減効果が得られない場合がある。
C4AF膨張材の使用量は、セメント100部に対して、1〜10部が好ましく、2〜8部がより好ましい。1部未満では良好な流動性が得られない場合があるだけでなく、収縮低減効果が小さくなる場合があり、10部を超えると圧縮強度が小さくなる場合があるだけでなく、凝結遅延を生じる場合がある。
本発明で使用するカルシウムサルフォアルミネート系膨張材(以下、CSA膨張材という)は、CaO-CaSO4-Al2O3系からなり、遊離石灰、アウイン、及び無水石膏を主体とする膨張材を総称するものであり特に限定されるものではないが、一般的に、CaO をC、Al2O3 をA、CaSO4をSとすると、CSAと示される化合物が良く知られている。
CSA膨張材の粉末度は、ブレーン値で4,000cm2/g以上が好ましく、4,000〜11,000cm2/gがより好ましい。4,000cm2/g未満では泡の発生、ブリーディングの抑制効果が小さい場合があり、11,000cm2/gを超えると良好な流動性を保持する時間が短くなる場合がある。
CSA膨張材の使用量は、セメント100部に対して、1〜10部が好ましく、2〜8部がより好ましい。1部未満では泡の発生、ブリーディングの抑制効果が小さい場合があり、10部を超えると流動性保持時間が短くなる場合がある。
C4AF膨張材とCSA膨張材からなる膨張材の使用量は、セメント100部に対して、2〜20部が好ましく、4〜15部がより好ましい。2部未満では収縮低減効果が小さい場合があり、20部を超えても収縮低減効果が期待できないばかりか、圧縮強度が小さくなる場合がある。
本発明で使用する収縮低減剤は、硬化後のグラウトモルタルの乾燥収縮を抑制し、ひび割れの発生を抑制するために用いる。
収縮低減剤を構成する収縮低減成分としては、R0(A0)nH(Rは炭素数4〜6のアルキル基、Aは炭素数2〜3の一種又は二種のアルキレン基、nは1〜10の整数)で示される低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を主体としたものや、一般式X{0(A0)nR}m(ただし、Xは2〜8個の水素基を有する化合物の残基、A0は炭素数2〜18のオキシアルキレン基、Rは水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又は炭素数2〜18のアシル基、nは30〜1,000、mは2〜8)で示され、そのオキシアルキレン基の60モル%以上はオキシエチレン基であるポリオキシアルキレン誘導体等を使用することが可能である。
収縮低減剤の使用量は、セメント100部に対して、1〜6部が好ましく、2〜5部がより好ましい。1部未満では乾燥収縮低減効果が小さい場合があり、6部を超えると、凝結遅延や強度の低下を生じる場合がある。
本発明で使用する繊維は、繊維を混入していないモルタルでは引張強度が圧縮強度に比して小さいこと、そのため、ひび割れが発生しやすいこと、さらに、破壊時の挙動が脆性的になることを改善する目的で使用するもので特に限定されるものではなく、一般に市販されているものが使用可能であり、具体的には、高強度のビニロン繊維やポリエチレン繊維等が挙げられる。
繊維の使用量は、グラウト組成物100容量部中、0.01〜1.0容量部が好ましく、0.05〜0.5容量部がより好ましい。0.01容量部未満ではひび割れ抑制効果が得られない場合があり、1.0容量部を越えると流動性が低下する場合がある。
本発明で使用する減水剤は、セメントに対する分散作用や空気連行作用を有し、流動性改善や強度増進するものであり、具体的には、ポリアルキルアリルスルホン酸塩の縮合物、ナフタレンスルホン酸塩の縮合物、リグニンスルホン酸塩の縮合物、メラミンスルホン酸塩の縮合物、及びポリカルボン酸塩の縮合物等が挙げられる。これらの減水剤は全て粉末状で使用することができ、本発明ではこれらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
減水剤の使用量は、セメント100部に対して、0.05〜4部が好ましい。0.05部未満では所定の流動性が得られない場合があり、4部を超えると材料分離の発生や圧縮強度が低下する場合がある。
本発明で使用する発泡物質は特に限定されるものではないが、グラウトモルタルの初期膨張性を得るため、水と混練後に気体を発生する物質であり、この作用によりグラウトモルタルの沈下現象を防止し、構造物との一体化を図る目的で使用される。その具体例としては、例えば、金属粉末や過酸化物質等が挙げられる。なかでもアルミニウム粉末が好ましいが、アルミニウム粉末の表面は酸化されやすく酸化皮膜で覆われると反応性が低下するため、植物油、鉱物油、又はステアリン酸等で表面処理したアルミニウム粉末が好ましい。
発泡物質の使用量は、セメント100部に対して、0.0001〜0.003部が好ましい。0.0001部未満では膨張量が極めて少なくなる場合があり、0.003部を超えると膨張量が大きく強度定価が著しくなる場合がある。
本発明で使用する細骨材としては特にその材質は限定されるものではないが、通常使用されている川砂、海砂、砕砂、及び珪砂等が使用可能であり、プレミックス製品として使用する際にはそれらの乾燥砂が好ましく、その最大粒径は5.0mm以下であることが好ましい。
細骨材の使用量は、セメントと膨張材からなる結合材100部に対して、90〜250部が好ましい。90部未満では収縮量が多くなる場合があり、250部を超えると強度や流動性が低下する場合がある。
本発明では、グラウト組成物と水を混練りして、グラウトモルタルを調製する。
本発明で使用する練混ぜ水量は特に限定されるものではないが、通常、結合材100部に対して、30〜55部が好ましく、35〜50部がより好ましい。この範囲外では、流動性が低下したり、材料分離が発生する場合があり、強度発現性が低下する場合もある。
本発明では、部材断面の大きな箇所へ多量のグラウトを行う際に発生する水和熱を抑制する目的でデキストリンを使用することが好ましい。
本発明で使用するデキストリンとは、デンプンを酸と共に加熱分解して得られる可溶性デンプンを総称するものであり、別名ばい焼デンプンとも呼ばれている。特に、冷水可溶分が5〜55%のものが好ましく、10〜50%のものがより好ましい。冷水可溶分が10%未満では充分な水和熱抑制効果が得られない場合があり、55%を超えると強度発現性が低下する場合がある。
本発明で言う冷水可溶分とは、デキストリンが温度21℃の蒸留水に溶解した量を意味するものであり、具体的には、デキストリン10gを200mlのフラスコに入れ、温度21℃の蒸留水150mlを加えて1時間後にろ別し、そのろ液を蒸留乾固して得られたデキストリンを供試デキストリンに対する割合で示したものである。
デキストリンの使用量は、セメント100部に対して、0.05〜1.5部が好ましく、0.1〜1.0部がより好ましい。0.05部未満では充分な水和熱抑制効果が発揮できない場合があり、1.5部を超えると強度発現性が低下する場合がある。
本発明では、さらに、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、急硬材、及び凝結調整剤のうちの一種又は二種以上を、また、高分子エマルジョン、ポゾラン微粉末、ベントナイトなどの粘土鉱物、及びハイドロタルサイトなどのアニオン交換体等のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
本発明において、各材料の混合方法は特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合してもよく、また、あらかじめその一部あるいは全部を混合しておいてもよい。
混合装置としては、既存のいかなる装置の使用も可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウターミキサなどが使用可能である。
以下に実験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実験例に限定されるものではない。
実験例1
セメント100部に対して、表1に示す膨張材Aと膨張材B、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対して、細骨材180部と水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を添加して、高速ハンドミキサを用い練り混ぜしグラウトモルタルを作製し、その流動性とブリーディング率を測定し、作製したグラウトモルタルを型枠に打設し、長さ変化率、体積膨張率、凝結時間、及び圧縮強度を測定した。結果を表1に併記する。
<使用材料>
セメント :普通ポルトランドセメント、密度3.15g/cm3、市販品
膨張材A :C4AF膨張材、密度3.05g/cm3、ブレーン値3,000cm2/g、市販品
膨張材B :CSA膨張材、密度2.83g/cm3、ブレーン値6,000cm2/g、市販品
収縮低減剤:粉末収縮低減剤、市販品
繊維 :ビニロン繊維、密度1.30g/cm3、市販品
減水剤 :ナフタレンスルホン酸系減水剤、市販品
発泡物質 :アルミニウム粉末、市販品
細骨材 :石灰石砕砂、密度2.62g/cm3
<測定方法>
流動性 :土木学会標準示方書(JSCE-F541-1999)「充てんモルタルの流動性試験方法」に準じてJ14漏斗流下値を練混ぜ直後と30分後に測定
ブリーディング率:土木学会標準示方書(JSCE-F542-1999)「充てんモルタルのブリーディング率および膨張率試験方法」に準じてブリーディング率を測定
長さ変化率:日本道路公団試験方法(JHS 416 1999)「断面修復材の品質規格試験方法」に準じて、グラウトモルタルを、20℃、80%RHの恒温恒湿室で型枠に打設し、2日脱型後、20℃、50%RHの気中養生として測定
体積膨張率:土木学会標準示方書(JSCE-F542-1999)「充てんモルタルのブリーディング率および膨張率試験方法」に準じて、グラウトモルタルを、20℃、80%RHの恒温恒湿室で型枠に打設し、打設後1日に測定
凝結時間 :JIS A 1147 2001 「コンクリートの凝結時間試験方法」に準じて、グラウトモルタルを、20℃、80%RHの恒温恒湿室で型枠に打設し終結時間を測定
圧縮強度 :土木学会標準示方書(JSCE-G541-1999) 「充てんモルタルの圧縮強度試験方法」に準じて、グラウトモルタルを、20℃、80%RHの恒温恒湿室で型枠に打設し、1日後からの養生を20℃水中養生として、材齢28日の圧縮強度を測定
Figure 2007320832
実験例2
セメント100部に対して、表2に示す膨張材A5部、膨張材B5部、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対して、細骨材180部と水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を混合してグラウトモルタルを調製したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
Figure 2007320832
実験例3
セメント100部に対して、膨張材A5部、表3に示す膨張材B5部、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対して、細骨材180部と水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を混合してグラウトモルタルを調製したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
Figure 2007320832
実験例4
セメント100部に対して、表4に示す膨張材Aと膨張材Bの等量混合物からなる膨張材、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対して、細骨材180部と水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を混合してグラウトモルタルを調製し、その流動性とブリーディング率を測定し、調製したグラウトモルタルを型枠に打設し、長さ変化率、体積膨張率、凝結時間、及び圧縮強度を測定し、ひび割れ抵抗性の評価を行ったこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
<測定方法>
ひび割れ抵抗性:JIS A 1132「コンクリートの強度試験用供試体の作り方」記載の直径10cm×高さ20cmの円柱鋼製型枠に外径6cm、内径5.2cmの鋼製円筒管を中心にセットし、円柱鋼製型枠と鋼製円筒管の間隙に調整したグラウトモルタルを流し込み、翌日に脱型後、20℃、50%RHの気中養生でひび割れ発生の観察を行った。材齢91日後の観察時にひび割れ発生がないものを良、材齢28日後の観察時にひび割れ発生があるものを可、材齢7日後の観察時にひび割れ発生があるものを不可として評価した。
Figure 2007320832
実験例5
セメント100部に対して、膨張材A5部、膨張材B5部、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対して、細骨材180部、表5に示すデキストリン、及び水温30℃の水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を混合してグラウトモルタルを調製し、その流動性とブリーディング率を測定し、作製したグラウトモルタルを型枠に打設し、長さ変化率、体積膨張率、及び断熱温度上昇量を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表5に併記する。
<使用材料>
デキストリンa:冷水可溶分5%
デキストリンb:冷水可溶分10%
デキストリンc:冷水可溶分30%
デキストリンd:冷水可溶分50%
デキストリンe:冷水可溶分55%
<測定方法>
断熱温度上昇量:試料容量0.01m3の断熱ポットを小型の変温室に入れ、モルタル温度と変温室の温度が常に同じになるように制御する東京理工社製の断熱温度上昇量測定装置を用いて測定した。
Figure 2007320832
実験例6
セメント100部に対して、膨張材A5部、膨張材B5部、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対して、細骨材180部と表6に示す水、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を混合してグラウトモルタルを調製したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表6に併記する。
Figure 2007320832
表1〜表6により本発明のグラウト組成物は、適切な体積膨張率を保持し、優れた流動性や流動保持性を得て、ブリーディングの発生や凝結遅延もなく、水和熱抑制があり、低収縮性であり、高いひび割れ抵抗性を有することが分かる。
本発明のセメント系グラウト組成物を使用することにより、従来にない低収縮性、高いひび割れ抵抗性を付与することが可能となる。
本発明のグラウト組成物を用いることにより、無収縮性を有し、流動性が良好で、に優れ、ブリーディングや材料分離がなく、水和熱抑制効果が大きく、しかも、乾燥収縮量が小さく、ひび割れ抵抗性の高いグラウト材料が得られ、土木・建築構造物の一般工事から補修工事の広範囲の用途に利用可能である。

Claims (8)

  1. セメント、膨張材、収縮低減剤、繊維、減水剤、発泡物質、及び細骨材からなり、膨張材が、カルシウムアルミノフェライト系膨張材とカルシウムサルフォアルミネート系膨張材からなり、該膨張材が、セメント100部に対して、2〜20部であるグラウト組成物。
  2. カルシウムアルミノフェライト系膨張材が、セメント100部に対し、1〜10部である請求項1に記載のグラウト組成物。
  3. カルシウムアルミノフェライト系膨張材の粉末度が、ブレーン比表面積値で、2,000〜6,000cm2/gである請求項1又は請求項2に記載のグラウト組成物。
  4. カルシウムサルフォアルミネート系膨張材が、セメント100部に対し、1〜10部である請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のグラウト組成物。
  5. カルシウムサルフォアルミネート系膨張材の粉末度が、ブレーン比表面積値で、4,000〜11,000cm2/gである請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載のグラウト組成物。
  6. さらに、デキストリンを含有してなる請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載のグラウト組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載のグラウト組成物と水とを配合してなるグラウトモルタル。
  8. 水が、セメントと膨張材からなる結合材100部に対して、30〜55部である請求項7に記載のグラウトモルタル。
JP2006155662A 2006-06-05 2006-06-05 グラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタル Pending JP2007320832A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006155662A JP2007320832A (ja) 2006-06-05 2006-06-05 グラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006155662A JP2007320832A (ja) 2006-06-05 2006-06-05 グラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007320832A true JP2007320832A (ja) 2007-12-13

Family

ID=38853959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006155662A Pending JP2007320832A (ja) 2006-06-05 2006-06-05 グラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007320832A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013234101A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Ube Industries Ltd 耐硫酸性グラウト組成物及びこれを用いた充填工法
JP2017007898A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 宇部興産株式会社 水硬性組成物、モルタル組成物及びモルタル硬化体
JP2017165625A (ja) * 2016-03-17 2017-09-21 太平洋マテリアル株式会社 グラウト組成物
JP2019085304A (ja) * 2017-11-07 2019-06-06 株式会社Seric Japan 無収縮グラウト組成物、及び無収縮グラウト材
JP2019156701A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 太平洋マテリアル株式会社 グラウト組成物及びグラウト
CN114644490A (zh) * 2022-03-22 2022-06-21 南京兴佑交通科技有限公司 一种道路加固与修复用注浆材料
JP7360673B1 (ja) 2022-11-08 2023-10-13 学校法人 名古屋電気学園 ケミカルプレストレストコンクリート及びケミカルプレストレストコンクリートの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08333145A (ja) * 1995-06-01 1996-12-17 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和材、セメント組成物、及びグラウト材料
JP2000128604A (ja) * 1998-10-19 2000-05-09 Denki Kagaku Kogyo Kk 高流動性モルタル
JP2003128449A (ja) * 2001-10-19 2003-05-08 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和材、セメント組成物及びそれを用いたコンクリート
JP2003171162A (ja) * 2001-12-05 2003-06-17 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント系グラウト組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08333145A (ja) * 1995-06-01 1996-12-17 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和材、セメント組成物、及びグラウト材料
JP2000128604A (ja) * 1998-10-19 2000-05-09 Denki Kagaku Kogyo Kk 高流動性モルタル
JP2003128449A (ja) * 2001-10-19 2003-05-08 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和材、セメント組成物及びそれを用いたコンクリート
JP2003171162A (ja) * 2001-12-05 2003-06-17 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント系グラウト組成物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013234101A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Ube Industries Ltd 耐硫酸性グラウト組成物及びこれを用いた充填工法
JP2017007898A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 宇部興産株式会社 水硬性組成物、モルタル組成物及びモルタル硬化体
JP2017165625A (ja) * 2016-03-17 2017-09-21 太平洋マテリアル株式会社 グラウト組成物
JP2019085304A (ja) * 2017-11-07 2019-06-06 株式会社Seric Japan 無収縮グラウト組成物、及び無収縮グラウト材
JP2019156701A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 太平洋マテリアル株式会社 グラウト組成物及びグラウト
JP7118527B2 (ja) 2018-03-16 2022-08-16 太平洋マテリアル株式会社 グラウト
CN114644490A (zh) * 2022-03-22 2022-06-21 南京兴佑交通科技有限公司 一种道路加固与修复用注浆材料
JP7360673B1 (ja) 2022-11-08 2023-10-13 学校法人 名古屋電気学園 ケミカルプレストレストコンクリート及びケミカルプレストレストコンクリートの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4502298B2 (ja) セメント組成物及びそれを用いた耐酸性セメント・コンクリート
JP5154435B2 (ja) グラウト用セメントモルタル組成物及びそれを用いたグラウトモルタル
KR100928841B1 (ko) 그라우트용 시멘트 조성물 및 이를 이용한 그라우트 재료
JP5165873B2 (ja) 鉄筋継手用充填材を用いた鉄筋継手充填施工方法
JP2008247677A (ja) グラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタル
JP2006131488A (ja) 耐酸性グラウト組成物
JP2007320832A (ja) グラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタル
JP2007238745A (ja) グラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタル
JP5748271B2 (ja) 無収縮aeコンクリート組成物
WO2020100925A1 (ja) セメント混和材、膨張材、及びセメント組成物
JP2003119066A (ja) 自己充填性モルタル組成物
JP4976819B2 (ja) グラウト組成物、グラウトモルタル及びグラウト工法
JP5110774B2 (ja) 高流動混和材
JP5160762B2 (ja) グラウト用セメントモルタル組成物
JP2022111343A (ja) グラウト
JP6641057B1 (ja) セメント混和材、膨張材、及びセメント組成物
JP6133598B2 (ja) 速硬性グラウト組成物及び速硬性グラウト材
JPH11302047A (ja) 膨張材組成物及び膨張セメント組成物
JP6959151B2 (ja) モルタル組成物及びモルタル
JP5073688B2 (ja) 吹付け材料及び吹付け工法
JP5595068B2 (ja) セメント組成物及びその硬化体
JP5383045B2 (ja) グラウト用セメント組成物およびそれを用いたグラウト材料
JP7150405B2 (ja) グラウト組成物及びグラウト
JP2019119656A (ja) 膨張セメント組成物
JP5160763B2 (ja) セメントモルタル組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100325

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110222

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110301

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20110415