JP2007320322A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウォームホイールとウォームシャフトの各歯部同士の充分な噛み合い効率を確保し得るパワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】このパワーステアリング装置は、ハウジング11内に収容されたウォームシャフト15と該ウォームシャフトと噛合するウォームホイール16とからなる減速機構10と、ウォームシャフトの下端部15bの外周側に配設され、該ウォームシャフトの下端部を保持する保持部材27と、該保持部材の軸方向位置を調整する調整部材29と、保持部材の外周側に設けられて、調整部材の進出移動に伴いウォームシャフトの下端部を、保持部材を介してテーパ面34によって案内移動させる案内部材31と、を備えている。そこで、ウォームシャフトの下端部に減速機構の噛み合い方向と一致する力を作用させることにより、該減速機構のバックラッシ調整の際の歯車の噛み合い効率を向上させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両用の電動パワーステアリング装置に関し、減速機構におけるギヤ間のバックラッシの調整が可能なパワーステアリング装置に関するものである。
従来のパワーステアリング装置としては、例えば、操舵軸の外周側に設けられたウォームホイールと、該ウォームホイールと噛合すると共に一端部が電動モータに連結されたウォームシャフトと、からなる減速機構を備え、前記減速機構を介して伝達される電動モータの駆動力によって、操舵軸の回転トルクに応じた補助トルクを付与して操舵力をアシストする電動パワーステアリング装置が知られている。
このような電動パワーステアリング装置にあっては、前記ウォームホイールとウォームシャフトの各歯部間のバックラッシが大きい場合に、車輪から伝達される振動によってウォームホイールとウォームシャフトの歯打音が発生してしまうという問題があり、この問題を解決するために、例えば以下の特許文献1に記載された前記減速機構のバックラッシを調整可能なパワーステアリング装置が提案されている。
このパワーステアリング装置は、一端部にウォームシャフトの先端部に圧入固定された軸受を保持する凹溝を有し、他端面に軸方向に沿って傾斜状に設けられた第1カム面を有する円筒状の第1カム部材と、該第1カム部材と対を成して設けられ、一端面に前記第1カム面に対応する第2カム面が形成されて前記第1カム部材と係合する円筒状の第2カム部材と、からなるいわゆる斜板カム機構と、前記第2カム部材を軸方向(第1カム部材側)に付勢する付勢部材と、該付勢部材を第2カム部材に押し付けて付勢部材の付勢力を調整する調整ねじと、を備えている。
そして、前記調整ねじを進出させることによって、前記第2カム部材を軸方向に付勢する前記付勢部材の付勢力を、前記斜板カム機構によって軸直角方向、つまりウォームホイールの径方向の力に変換して、前記第1カム部材の軸直角方向への偏倚に伴ってウォームシャフトの先端部をウォームホイール側に偏倚させるようになっている。
このような構成から、前記調整ねじの進退量によって前記付勢部材の付勢力、すなわち前記第2カムに対する軸方向の押圧力を調整することにより、ウォームシャフトの径方向の偏倚量が調整されて、ウォームホイールとウォームシャフトの各歯部間のバックラッシを調整することができるようになっている。
特開2002−145082号公報
しかしながら、前記従来のパワーステアリング装置にあっては、前記付勢部材による付勢力が前記斜板カム機構によってウォームホイールの径方向の力のみに変換され、例えばウォームホイールの厚さ方向には規制力が作用しないことから、前記押圧力は、単にウォームシャフトをウォームホイールに押し付けるのみで、ウォームシャフトとウォームホイールの噛み合い方向と必ずしも一致しない場合がある。これにより、ウォームホイールとウォームシャフトの各歯部同士の充分な噛み合い効率が得られないという問題があった。
本発明は、このような技術的課題に着目して案出されたものであって、ウォームホイールとウォームシャフトの各歯部同士の充分な噛み合い効率を確保し得るパワーステアリング装置を提供するものである。
請求項1に記載の発明は、操舵軸に連係されたウォームホイールと、ハウジング内に収容されて、前記ウォームホイールと噛合するウォームシャフトと、からなるウォーム歯車機構を備えたパワーステアリング装置であって、前記ウォームシャフトの一端部を保持する保持部材と、前記保持部材の軸方向位置を調整する調整部材と、前記保持部材の外周側に設けられて、前記調整部材の進出移動に伴って前記ウォームシャフトの一端部側を、前記保持部材を介してウォームホイールとの噛み合い方向へテーパ面によって偏倚させる案内突部と、を備え、前記調整部材の進退移動に伴って、前記ウォームシャフトにおける前記ウォームホイールとの噛み合い方向への偏倚量を調整可能にしたことを特徴としている。
この発明によれば、前記調整部材の進退移動によって前記ウォームシャフトの一端部を前記ウォームホイール側へ押圧して、前記ウォームシャフトを前記ウォームホイールとの各歯部同士の噛み合い方向へ偏倚可能にしたため、前記ウォーム歯車機構の噛み合い効率の向上が図れる。
また、前記調整部材の進退量を調整することによって、前記ウォームシャフトの前記ウォームホイールとの噛み合い方向への偏倚量を調整可能にしたため、前記ウォーム歯車機構のバックラッシを所望の値(範囲)に設定することができる。
請求項2に記載の発明は、前記案内突部を、前記ウォームシャフトと前記ウォームホイールの噛み合い部分に対して前記ウォームシャフトを挟んだ反対側の位置に設け、前記調整部材の進出時に、前記案内突部のテーパ面が前記保持部材の外周面に摺接するように設けたことを特徴としている。
この発明によれば、前記調整部材の進出に伴い、前記保持部材が軸方向に沿って摺動進出することにより、前記ウォームシャフトの一端部には、前記調整部材による押圧力が作用すると同時に、この押圧力が前記案内突部のテーパ面によって分解されて、その反力の分力として軸直角方向、すなわちウォームホイール側への力が作用する。これにより、これら各力の合成ベクトルの方向が、前記ウォーム歯車機構の噛み合い方向と一致するため、該ウォーム歯車機構の噛み合い効率を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、前記保持部材をほぼ円筒状に形成する一方、前記案内突部のテーパ面を、前記保持部材の外周面に沿ったほぼ円弧状に形成しかつ前記保持部材の軸方向に沿って傾斜状に形成したことを特徴としている。
この発明によれば、前記保持部材の外周面に沿ってほぼ円弧状に形成した前記案内突部のテーパ面によって、ほぼ円筒状の前記保持部材には、前記ウォーム歯車機構の噛み合い方向への押圧力に加えて、前記ウォームホイールの厚さ方向の力、すなわち前記保持部材を前記ウォームシャフトの軸心位置に保持しようとする力(向心力)が作用する。これにより、前記ウォームシャフトの一端部に作用する力の合力が前記ウォームホイールの外周面の幅方向中心へ作用することから、前記ウォームシャフトがより確実に前記ウォームホイールとの噛み合い方向に向かって押圧され、前記ウォーム歯車機構の噛み合い効率がさらに向上する。
以下、本発明に係るパワーステアリング装置の実施の形態を図面に基づいて詳述する。なお、本実施の形態は、このパワーステアリング装置を、例えば車両の電動ラックピニオン式パステアリング装置に適用したものを示している。
このパワーステアリング装置1は、図5に示すように、ステアリングホイール2に結合された操舵軸3と、該操舵軸3に連結された入力軸4と、該入力軸4に図外のトーションバーを介して同軸線上に相対回転可能に連結され、先端側にピニオンギヤが形成された出力軸5と、該出力軸5のピニオンギヤと噛合するラックギヤが軸方向の所定範囲に形成されたラック軸6と、該ラック軸6の両端部と各車輪WL,WRに連結された図外のナックルを連結するタイロッド7,7と、を備えている。
そして、周知のように、ステアリングホイール2を回転させると、前記操舵軸3に同期して入力軸4が回転することによって前記トーションバーが捩られて、該トーションバーの弾性力により入力軸4に追従して出力軸5が回転する。そうすると、ラックピニオン構造により前記出力軸5の回転運動がラック軸5の直線運動に変換されることから、該ラック軸6が左右方向へ移動するため、タイロッド7,7を介して前記ナックルが左右に引っ張られ、両車輪WL,WRが操舵されるようになっている。
また、前記パワーステアリング装置1は、前記入力軸4と出力軸5の接続部外周側に設けられたハウジング11と、該ハウジング11内に収容されて、入力軸4と出力軸5の相対回転変位量によって操舵トルクを検出するトルクセンサ8と、該トルクセンサ8の検出結果に基づいて補助トルクを付与する電動モータ9と、該電動モータ9の駆動力を該出力軸5に伝達するウォーム歯車機構である減速機構10と、を備え、入力軸4の操舵トルクに応じた補助トルクを出力軸5に付与することによって操舵力をアシストしている。
前記ハウジング11は、図1に示すように、図中上端面に凹溝が形成され、該凹溝内に、前記電動モータ9を駆動制御する制御回路13を収容し、その開口部がサイドハウジング12によって閉塞されている。
前記減速機構10は、前記電動モータ9の駆動軸9aの図中下端部に連結部材14を介して連結されて、軸方向の所定範囲に歯部(ウォーム)15aが形成されたウォームシャフト15と、前記出力軸5の外周部に係合固定され、外周に前記ウォームシャフト15の歯部15aに噛合する歯部16aを有するウォームホイール16と、によって構成されている。
そして、前記ハウジング11には、前記電動モータ9の駆動軸9aの同軸線上に貫通形成され、ウォームシャフト15を収容するシャフト収容部21と、周方向の所定の範囲が前記シャフト収容部21に臨むように形成され、前記ウォームホイール16を収容するギヤ収容部22と、が設けられている。
前記ウォームシャフト15は、図中の下端部15bが前記シャフト収容部21の下端側開口部23(図中下側)に収容された第1軸受17によって回転自在に支持されていると共に、上端部15cにはピン挿通孔15dが軸直角方向に貫通形成されている。
前記連結部材14は、ほぼ円筒状に形成され、その周壁の図中下端部にウォームシャフト15のピン挿通孔15dに対応するピン係止孔14aが貫通形成されている一方、上端部の内周面にはセレーション溝が形成されている。そして、前記連結部材14は、下端部がウォームシャフト15の上端部15cに嵌合して前記ピン挿通孔15dから前記ピン係止孔14aに内に跨って圧入されたピン19によって係止固定されている一方、上端部が前記駆動軸9aの下端部に形成されたセレーション溝に係合することによってセレーション結合され、前記駆動軸9aとウォームシャフト15を同軸線上に連結している。
また、前記連結部材14は、外周部に第2軸受18が圧入固定されており、該第2軸受18が前記シャフト収容部21の上端側開口部24に形成された凹状の第2軸受保持部23aに嵌合保持されることによって、該連結部材14、つまり前記駆動軸9aの下端部及びウォームシャフト15の上端部15cが回転自在に支持されている。
なお、前記第1、第2軸受17,18は、いずれも、複数のボールと、該各ボールを保持するインナーレースと、該インナーレースを保護するアウターレースと、から構成されたボールベアリングである。
前記シャフト収容部21の下端側開口部23は、図2に示すように、軸方向下方へ向かって段差拡径状に形成されてウォームシャフト15の下端部15bが臨む拡径部24aと、該拡径部24aの下端側に形成された大径部と、を有し、この大径部の内周面に雌ねじ24bが形成されている。また、前記拡径部24aの内周面には、後述する案内部材31を収容保持する円弧溝24cが周方向に沿って所定範囲に切欠形成されている。なお、前記雌ねじ24bのピッチは1mmに設定されている。
この円弧溝24cは、前記拡径部24aの外端部から軸方向に沿って所定の位置まで、その軸方向の終端部が拡径部24aの底部から若干離間して形成され、前記案内部材31と前記付勢部材26が干渉しないように設けられている。また、前記円弧溝24cは、前記雌ねじ24bの内径とほぼ同一の内径となるような径方向の溝深さに設定されている。
そして、前記シャフト収容部21の下端側開口部23には、ウォームシャフト15の歯部15a及びウォームホイール16の歯部16aの各歯面の加工精度や摩耗などに起因して発生するバックラッシを調整するバックラッシ調整機構25が設けられている。
このバックラッシ調整機構25は、図1及び図2に示すように、前記第1軸受17を軸方向の図中下方に付勢する付勢部材である皿ばね26と、前記下端側開口部23内に上下軸方向へ摺動自在に設けられて前記第1軸受17を嵌合保持する保持部材27と、該保持部材27の外周に形成された環状凹溝27aに嵌着された弾性部材であるOリング28と、前記保持部材27を軸方向上方へ押圧して前記下端側開口部23内における保持部材27の軸方向位置を調整する調整部材29と、前記下端側開口部23の端縁に設けられて前記調整部材29を固定するロックナット30と、前記保持部材27の外周側に設けられて前記調整部材29の進出に伴って上方へ摺動進出する保持部材27を軸直角方向(図中右側)へ案内して偏倚させる案内部材31と、によって構成されている。
前記皿ばね26は、前記拡径部24aの底部に配置されて、前記第1軸受17の前記アウターレースの上面に弾接することによって、該第1軸受17を軸方向下方へ付勢している。
前記保持部材27は、ほぼ円筒状に形成され、上端開口部に凹状の第1軸受保持部27bが形成されている。そして、上端側外周面には、先細り状のテーパ面27cが形成されている。
前記Oリング28は、前記保持部材27の外周面と前記拡径部24aの内周壁との間をシールし、前記シャフト収容部21内に封入された前記減速機構10を潤滑する潤滑油の漏れを防止すると共に、外部からシャフト収容部21内への水や粉塵などの侵入を防止している。
前記調整部材29は、有底円筒状に形成され、外周面に前記雌ねじ24bに螺合する雄ねじ29aが形成されていると共に、上端面が前記保持部材27の下端面に当接している。また、前記調整部材29は、外底面に形成された六角溝29bに六角レンチなどの工具を係合して回転させることによって軸方向へ進退移動を行うようになっており、下端部外周に螺着された前記ロックナット30によって回り止め固定されている。
前記案内部材31は、図2〜図4に示すように、例えば焼結材料又は合成樹脂材料などからほぼ円弧状に折曲形成され、下端部32の内周面32aが外周面と平行に形成されると共に、上端部33の内周面が内方へ突出形成された横断面ほぼ扇状に形成されている。
前記下端部32は、その厚さ寸法が前記円弧溝24cの径方向の溝深さ寸法とほぼ同一に設定されると共に、内周面32aの曲率が前記拡径部24aの内周面の曲率とほぼ同一に設定されていて、前記円弧溝24cに取り付けた際に拡径部24aの内径が均一となるように形成されている。
前記上端部33は、上端縁33aが前記下端部32の内周面32aよりも内方へ突出するようにその内周面が上端側に向かって漸次突出する傾斜状に設けられた横断面平坦状のテーパ面34が形成されている。また、前記テーパ面34は、その曲率が前記下端部32の内周面の曲率とほぼ同一に設定されていると共に、そのテーパ角度αが10.2°に設定されている。
このようにして、前記調整部材29のねじ込みによって前記保持部材27が軸方向に進出し、前記テーパ面34上を摺動することによって図1及び図2中の右方向に押圧案内されて偏倚するようになっている。すなわち、この保持部材27の径方向の偏倚量は、前記案内部材31の上端部33のテーパ角度αと調整部材29のねじピッチとの関係から、調整部材29の単位回転角度1°あたり0.5μmに設定されている。
次に、本実施の形態に係るパワーステアリング装置1の特徴的な作用について、図1〜図3に基づいて説明する。
まず、ウォームシャフト15とウォームホイール16の各歯部15a,16a間のバックラッシは、過大であれば走行中の振動によって前記各歯部15a,16aが互いに衝突する歯打音が発生してしまい、過小であれば噛み合い抵抗が大きくなり運転者に疲労をもたらしてしまうため、適切なバックラッシの範囲に調整する必要がある。なお、一般的にバックラッシの適切な範囲は0〜10μmとされている。
そこで、前記バックラッシ調整機構25は、ウォームシャフト15及びウォームホイール16の各歯部15a,16aの摩耗などによりバックラッシが過大となった場合には、ロックナット30を緩めて前記調整部材29を時計方向に回転させ、前記保持部材27を前記付勢部材26の付勢力に抗して所定量だけ進出させる。そうすると、ウォームシャフト15の下端部15bには、保持部材27の進出に伴って前記第3軸受17を介して軸方向上方への押圧力F1が作用する。それと同時に、前記保持部材27が軸方向に沿って摺動進出することによって、該保持部材27のテーパ面27cが案内部材31のテーパ面34に圧接することから、前記押圧力F1による反力がテーパ面34によって分解されて、その分力として軸直角方向(図1、2中右側)への力F2がウォームシャフト15の下端部15bに作用する。これにより、ウォームシャフト15の下端部15bは、調整部材29による押圧力F1と該押圧力F1によって案内部材31から受ける反力F2との合力F3によって図中右上方向に偏倚することになる。
また、前記案内部材31が保持部材27の外周面に沿って円弧状に形成されていることから、保持部材27には、案内部材31のテーパ面34から受ける反力として、前述のようなウォームホイール16の径方向の力F2の他に、図3中の矢印に示すように、保持部材27をウォームシャフト15の軸心位置に保持しようとする力(向心力)F4が作用する。これにより、ウォームシャフト15は、ウォームホイール16に対してその外周面の幅方向の中心位置に保持されることになる。
このように、前記ウォームシャフト15の下端部15bに複数作用する各力F1,F2,F4の合成ベクトルF3の方向は、ウォームシャフト15の歯部15aとウォームホイール16の歯部16aの噛み合い方向と一致するようになっている。したがって、前記パワーステアリング装置1は、前記バックラッシ調整機構25によってウォームシャフト15の歯部15aをウォームホイール16の歯部16aとの噛み合い方向に確実に押圧することができる。
そして、前記保持部材27の進退移動の調整手段としてねじ構造を用いたことによって、該保持部材27の進退量を小さくすることができ、該保持部材27の軸方向位置の微調整を行うことが可能となっている。すなわち、前記調整部材29のねじピッチ1mmに対して案内部材31のテーパ面34のテーパ角度αを10.2°に設定し、保持部材27のウォームホイール16側への偏倚量を調整部材29の単位回転角度あたり0.5μmとしたため、ウォームシャフト15とウォームホイール16の各歯部15a,16a間のバックラッシを、前述の0〜10μmという狭い適正範囲内に確実に調整することができ、所望とする値に調整することが可能となっている。
したがって、本実施の形態の発明によれば、前記バックラッシ調整機構25によりウォームシャフト15とウォームホイール16の各歯部15a,16a間のバックラッシを調整可能とし、ウォームシャフト15の下端部15bに、前記各歯部15a,16a同士の噛み合い方向と一致する力を作用させたことによって、該各歯部15a,16a間のバックラッシ調整の際の前記減速機構10の噛み合い効率を向上させることができる。
また、前記案内部材31を保持部材27の周方向に沿って湾曲した形状にしたことによって、ウォームシャフト15の下端部15bに、該ウォームシャフト15の歯部15aをウォームホイール16の歯部16aの幅方向の中心位置に保持する力を作用させたことから、ウォームシャフト15をウォームホイール16との噛み合い方向に向かってより確実に押圧させることができ、前記減速機構10の噛み合い効率をさらに向上させることができる。
さらに、前記案内部材31のテーパ面34の内周面の曲率を下端部32の内周面の曲率とほぼ同一に設定したことによって、前記保持部材27の摺動抵抗が低減され、該保持部材27を滑らかに進退摺動させることができる。しかも、前記下端部32の内周面の曲率を前記シャフト収容部21の拡径部24aの内周面の曲率とほぼ同一に設定したため、前記保持部材27の同軸性を確保することができると共に、組み付け時における保持部材27の挿入性が良好となり前記パワーステアリング装置1の組立作業性の向上が図れる。
また、前記案内部材31のテーパ面34のテーパ角度αを鋭角に設定したことによって、保持部材27の進退量に対して、該保持部材27の前記減速機構10が噛み合う方向への偏倚量を小さくすることができるため、ウォームシャフト15の噛み合い方向への偏倚量を微調整することができる。
そして、前記保持部材27の外周にOリング28を設けたことによって、ウォームシャフト15がウォームホイール16から受ける噛み合い力の反力を吸収することができると共に、前記出力軸5を介して伝達される車輪からの振動や保持部材27の加工寸法誤差などを吸収することが可能になるため、ウォームシャフト15の下端部15bのがたつきやこれに起因する部品同士の衝突を抑制することができる。
また、前記付勢部材26を前記第3軸受17に弾接させることによって、保持部材27を調整部材29側へ付勢状態に保持したため、該保持部材27が調整部材29に対して追従して進退移動を行うことが可能となり、保持部材27の軸方向位置を調整する際の位置決め性が向上する。
さらに、ウォームシャフト15の下端部15bを、前記第3軸受17を介在させて保持部材27によって支持したことによって、該ウォームシャフト15の軸受性を向上させることができる。
また、前記案内部材31を前記拡径部24aの内周壁とは別に独立して設けたことによって、該拡径部24aの内周壁と一体に形成する場合と比べて、案内部材31の加工を容易に行うことが可能となり、前記パワーステアリング装置1の生産性の向上が図れる。しかも、前記案内部材31を取り付ける前記円弧溝24cを除いてほぼ円筒状に形成し、前記雌ねじ24bの内径とほぼ同一の内径となるような径方向の溝深さに設定したことから、前記シャフト収容部21における拡径部24a内の加工作業も容易に行うことができる。
前記実施の形態から把握される前記各請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
請求項(1) 前記調整部材を前記ハウジングに対して螺着し、該調整部材の回転に伴って前記保持部材が軸方向に進退することを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
この発明によれば、前記保持部材の軸方向の移動量を小さくすることができ、該保持部材の軸方向位置の微調整を行うことができる。
請求項(2) 前記保持部材の外周に弾性部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
この発明によれば、前記保持部材の外周に弾性部材を設けたことによって、前記ウォームシャフトが受ける前記ウォームホイールからの反力を吸収することができる。
請求項(3) 前記弾性部材を、前記ウォームシャフトの外周側に全周に渡って設けたことを特徴とする請求項(2)に記載のパワーステアリング装置。
この発明によれば、前記操舵軸を介して伝達される車輪からの振動や前記保持部材の寸法誤差などを吸収することが可能となり、前記ウォームシャフトの外周側の部材同士の衝突音を軽減することができる。
請求項(4) 前記弾性部材として、前記保持部材の外周にOリングを設け、該Oリングの外周面を前記ハウジングの内周面に密着させたことを特徴とする請求項(3)に記載のパワーステアリング装置。
この発明によれば、前記保持部材の外周面と前記ハウジングの内周面との間をシールすることによって、前記ハウジング内に封入された前記ウォーム歯車機構を潤滑する潤滑油の漏れを防止すると共に、外部から前記ハウジング内への水や粉塵などの侵入を防止することができる。
請求項(5) 前記ウォームシャフトの一端部の外周面と前記保持部材の内周面との間に軸受を介在させたことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
この発明によれば、前記ウォームシャフトの一端部の外周面と前記保持部材の内周面との間に軸受を介在させたことによって、前記ウォームシャフトの軸受性を向上させることができる。
請求項(6) 前記軸受は、インナーレースとアウターレースを有するボールベアリングであって、前記保持部材を挟んで前記調整部材の軸方向反対側に設けられ、該調整部材側に向かって前記アウターレースを付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする請求項(5)に記載のパワーステアリング装置。
この発明によれば、前記保持部材が前記調整部材に対して追従して進退移動を行うことが可能となり、該調整部材による前記保持部材の軸方向位置の位置決め性が向上する。
請求項(7) 前記案内突部を、前記ハウジングとは別部材によって形成したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
この発明によれば、前記案内突部を前記ハウジングとは別に形成したことによって、該ハウジングと一体に形成する場合に比べて前記案内突部の加工を容易に行うことができ、装置の生産性の向上が図れる。
請求項(8) 前記ハウジング内の前記保持部材を収容する収容部を、前記案内突部の取付位置を除いてほぼ円筒状に形成したことを特徴とする請求項(7)に記載のパワーステアリング装置。
この発明によれば、前記案内突部の取付位置を除いてほぼ円筒状に形成したことによって、前記収容部の加工作業性の向上が図れる。
請求項(9) 前記収容部内に前記案内突部を取り付けた際に、前記収容部の内周がほぼ円筒状となるように形成したことを特徴とする請求項(8)に記載のパワーステアリング装置。
この発明によれば、前記保持部材の同軸性が確保できると共に、該保持部材を挿入し易くなり、装置の組立作業性の向上が図れる。
請求項(10) 前記案内突部のテーパ面を、軸方向に対して鋭角に形成したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
この発明によれば、前記保持部材の軸方向の移動量に対して噛み合い方向の偏倚量を小さくすることができ、前記ウォームシャフトの噛み合い方向の偏倚量の微調整を行うことができる。
本発明は、前記実施の形態の構成に限定されるものではなく、例えば前記保持部材27や案内部材31の形状及び大きさを、自動車の仕様や大きさなどによって自由に変更することができる。
また、前記案内部材31の周方向長さについても、前記実施の形態の構成に限定されるものではなく、ウォームホイール16に対してウォームシャフト15を挟んで反対側に設けられ、前記保持部材27の半周よりも短い周方向長さであれば、前記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、前記皿ばね26は、例えばコイルスプリングであってもよく、円筒形状からなる付勢力を有するものであればいずれも前記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
本発明に係るパワーステアリング装置の実施の形態を示し、本発明の主要部を説明する装置の部分断面図である。 同パワーステアリング装置の実施の形態を示し、本発明の主要部を説明する図1の部分拡大図である。 図2のA−A線断面図である。 同パワーステアリング装置の実施の形態を示し、案内部材の斜視図である。 同パワーステアリング装置の実施の形態を示し、装置全体の概略図である。
符号の説明
3…操舵軸
10…減速機構(ウォーム歯車機構)
11…ハウジング
15…ウォームシャフト
15b…ウォームシャフトの下端部(ウォームシャフトの一端部)
16…ウォームホイール
27…保持部材
29…調整部材
31…案内部材(案内突部)
34…テーパ面

Claims (3)

  1. 操舵軸に連係されたウォームホイールと、ハウジング内に収容されて、前記ウォームホイールと噛合するウォームシャフトと、からなるウォーム歯車機構を備えたパワーステアリング装置であって、
    前記ウォームシャフトの一端部を保持する保持部材と、
    前記保持部材の軸方向位置を調整する調整部材と、
    前記保持部材の外周側に設けられて、前記調整部材の進出移動に伴って前記ウォームシャフトの一端部側を、前記保持部材を介してウォームホイールとの噛み合い方向へテーパ面によって偏倚させる案内突部と、を備え、
    前記調整部材の進退移動に伴って、前記ウォームシャフトにおける前記ウォームホイールとの噛み合い方向への偏倚量を調整可能にしたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記案内突部を、前記ウォームシャフトと前記ウォームホイールの噛み合い部分に対して前記ウォームシャフトを挟んだ反対側の位置に設け、前記調整部材の進出時に、前記案内突部のテーパ面が前記保持部材の外周面に摺接するように設けたことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  3. 前記保持部材をほぼ円筒状に形成する一方、前記案内突部のテーパ面を、前記保持部材の外周面に沿ったほぼ円弧状に形成しかつ前記保持部材の軸方向に沿って傾斜状に形成したことを特徴とする請求項2に記載のパワーステアリング装置。
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