近年、外枠と内枠との間から金属片等を無理やり遊技機内部にねじ込む等して前面扉を開放させるといった不正行為が発生している。これに対し、前面扉の開放を報知する報知手段を設けたり、ビデオカメラを設置したりする等の対策がとられている。ところが、雑多な業務の中で常に監視を行っていくことは困難であり、このため、上記不正行為を発見できないことが懸念される。つまり、遊技機が設置されたホールには店員が配置されているのであるが、上記不正行為が短時間で行われる場合には、かかる不正行為の発見が難しく、不正行為が行われたことに気付かないといった事態も起こり得る。また、ホールコンピュータによる監視にあっては、直接遊技機を監視しているわけではないので、対処が遅れてしまうおそれがあり、結局不正行為者の思い通りになってしまうおそれがある。
なお、上述した課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン、パチンコ機とスロットマシンとの複合機等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、不正に前面扉が開放されたことを発見しやすくすることのできる遊技機を提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.遊技機本体の前面側に設けられ、前記遊技機本体の側部において開閉可能に支持される前面扉と、
前記前面扉を前記遊技機本体に施錠する施錠手段とを備え、
前記施錠手段は、
施錠状態にある前記前面扉を開放可能な解錠状態とする際に所定の解錠操作が行われる錠部材と、
前記前面扉と前記遊技機本体とが略当接状態となる前記前面扉の閉状態において前記前面扉の開方向への移動を規制する第1係止手段と、
前記前面扉が所定角度だけ開き、前記前面扉と前記遊技機本体とが離間した状態において前記前面扉の開方向及び閉方向への移動を規制する第2係止手段とを備え、
前記錠部材の解錠操作を行わずに開状態にある前記前面扉を閉方向に移動させた場合には、前記第2係止手段によって当該前面扉の移動を規制可能とし、
前記錠部材の解錠操作を行いつつ開状態にある前記前面扉を閉方向に移動させた場合には、前記前面扉の移動が前記第2係止手段によって規制されることなく、前記前面扉を閉状態とすることができることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、施錠手段は、閉状態にある前面扉の開放を規制する第1係止手段の他、前面扉が開いた状態において該前面扉の開方向及び閉方向への移動を規制する第2係止手段を備えている。そして、錠部材の解錠操作を行わずに開状態にある前面扉を閉方向に移動させると、前面扉が閉状態とされる前に、第2係止手段によって当該前面扉の移動が規制されることとなる。このように第2係止手段によって前面扉の移動が規制された場合、錠部材の解錠操作を行わなければ、前面扉を閉め切ることができない。従って、例えば、不正行為者が前面扉を不正に開放した後に前面扉を閉めようとしても閉めることができないため、前面扉が不正開放されたことを発見しやすくなる。結果として、前面扉の不正開放、ひいては、前面扉と遊技機本体との間の隙間から遊技機内部に対して行われる不正行為を抑制することができる。
また、前面扉が開いた状態において保持されたことに気付いた不正行為者が前面扉を閉状態とするためには、第2係止手段による前面扉の移動規制状態を解除しなければならず、すぐに閉め切ることができない。このため、前面扉が不正に開放されたことを発見しやすいといった効果が確実に奏される上、さらに、不正行為者に対して上記解除作業を行わなければならないと認知させることで心理的な作用が働き、前面扉の不正開放の抑制に繋がる。尚、所定角度とは若干量といった意味を含む趣旨であり、例えば、5度以上15度以下であることが望ましい。もちろん、「所定角度」が一定の範囲を有していてもよい(例えば10度±2度)。
尚、本手段1では、錠部材の解錠操作を行わずに開状態にある前面扉を閉方向に移動させた場合に、第2係止手段によって前面扉の移動が毎回必ず規制されるといった構成だけではなく、前面扉を閉方向に移動させる勢い(スピード)によっては規制されない場合もある構成についても含む趣旨であるため、「規制する」ではなく「規制可能」と記載している。また、錠部材としては、鍵が挿入されて回動操作されるシリンダ錠や、カード状の鍵が挿入されるカードキー等が挙げられる。
手段2.前記第1係止手段及び前記第2係止手段を、前記前面扉又は前記遊技機本体のうち一方側に設けられた共通の鉤部材と、他方側に設けられた共通の受部材とで構成し、
前記鉤部材又は前記受部材のうち一方は、前記前面扉を閉じる際に他方に設けられた支持部と摺接する案内辺部と、前記前面扉の閉状態において前記支持部を係止する係止辺部と、前記案内辺部を分断するようにして形成された係止凹部とを有し、
前記錠部材の解錠操作を行わずに開状態にある前記前面扉を閉方向に移動させた場合には、前記前面扉が閉状態とされる前に、前記係止凹部において前記支持部を係止可能とし、
前記錠部材の解錠操作を行いつつ開状態にある前記前面扉を閉方向に移動させた場合には、前記支持部が前記係止凹部に係止されることなく、前記前面扉を閉状態とすることができることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、係止凹部を有する鉤部材と支持部を有する受部材とで第1係止手段及び第2係止手段が構成される。そして、錠部材の解錠操作を行わずに前面扉を閉じる場合には、前面扉が閉状態とされる前に、係止凹部において支持部が係止されることとなる。支持部が係止凹部に嵌り込んで係止された場合には、錠部材の解錠操作を行わなければ、前面扉を閉め切ることができない上、前面扉をそれ以上開放させることもできなくなる。結果として、上記手段1の作用効果が確実に奏される。また、例えば、係止辺部と係止凹部とが別々の鉤部材に設けられ、各鉤部材がそれぞれ個別に対応する受部材と係合するような構成に比べ、部品点数の増加を防止することができる。従って、製造効率の低下やコストの増加等を抑制することができる。
手段3.前記案内辺部は、前記支持部が前記係止凹部内に位置する状態よりも前記前面扉が大きく開放されたときに前記支持部が摺接して案内される開放側案内部と、前記支持部が前記係止凹部内に位置する状態よりも前記前面扉が閉じられたときに前記支持部が摺接して案内される閉鎖側案内部とを備え、
前記支持部と前記開放側案内部とが接触した状態からさらに前記前面扉を閉方向に移動させて、前記支持部を前記開放側案内部から前記閉鎖側案内部側に向けて相対移動させる際に、前記係止凹部において前記支持部を係止可能としたことを特徴とする手段2に記載の遊技機。
手段3によれば、上記手段2の作用効果が確実に奏されることとなる。
尚、「前記係止凹部に前記支持部が嵌り込んで係止された状態よりも前記前面扉が大きく開放されたときに前記支持部が摺接して案内される開放側案内部と、前記係止凹部に前記支持部が嵌り込んで係止された状態よりも前記前面扉が閉じられたときに前記支持部が摺接して案内される閉鎖側案内部」とあるのは、開放側案内部及び閉鎖側案内部と支持部とが前面扉の開閉に際して必ず接触するのではなく、前面扉の開閉に際して接触可能といった意味を含み、錠部材の解錠操作を行いつつ前面扉を開閉する場合等においては、開放側案内部及び閉鎖側案内部と支持部とが接触しなくてもよい。尚、前記案内辺部は、前記錠部材の解錠操作を行わずに前記前面扉を閉鎖する際に最初に前記支持部に接触して案内される開放側案内部と、前記係止凹部を挟んで前記開放側案内部の反対側に位置する閉鎖側案内部とを備えることとしてもよい。
手段4.遊技機本体の前面側に設けられ、前記遊技機本体の側部において開閉可能に支持される前面扉と、
前記前面扉を前記遊技機本体に施錠する施錠手段とを備え、
前記施錠手段は、
施錠状態にある前記前面扉を開放可能な解錠状態とする際に所定の解錠操作が行われる錠部材と、
前記前面扉又は前記遊技機本体のうち一方側に設けられ、他方側に向けて突出形成された鉤部材、及び、他方側に設けられ、前記鉤部材と係合可能な受部材とを備え、
前記鉤部材又は前記受部材のうち一方は、前記錠部材の解錠操作に連動して、前記鉤部材と前記受部材とが係合状態とされる施錠位置から前記係合状態が解除される解錠位置へと移動するとともに、前記施錠位置側に付勢され、
前記鉤部材は、前後方向に延びる鉤本体と、前記鉤本体の先端部において突出形成された爪部とを備え、
前記爪部は、前記鉤本体の先端部から前記鉤本体と交差する方向に向けて前記鉤本体の基端部側に傾斜しつつ延びる案内辺部と、前記案内辺部のうち前記鉤本体の基端部側の端部と前記鉤本体とを連結するようにして前記鉤本体と略直交して延びる係止辺部と、前記案内辺部を分断するようにして形成された係止凹部とを有し、
前記受部材は、前記前面扉の閉状態において前記係止辺部に係止される支持部を備え、
前記前面扉を閉鎖する際には、先ず前記案内辺部のうち前記係止凹部よりも前記鉤本体の先端側に位置する部位である開放側案内部に前記支持部が接触した後、前記支持部が前記案内辺部と摺接するようにして前記開放側案内部から前記案内辺部のうち前記係止凹部よりも前記鉤本体の基端側に位置する部位である閉鎖側案内部側に相対移動する際に、前記鉤部材又は前記受部材のうち施錠位置と解錠位置とに移動可能に設けられた一方が、他方に押されて解錠位置に向けて移動するよう構成され、
前記錠部材の解錠操作を行わずに開状態にある前記前面扉を閉方向に移動させた場合には、前記前面扉が閉状態とされる前に、前記係止凹部において前記支持部を係止可能とし、
前記錠部材の解錠操作を行いつつ開状態にある前記前面扉を閉方向に移動させた場合には、前記支持部が前記係止凹部に係止されることなく、前記前面扉を閉状態とすることができることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、施錠手段が、係止辺部及び係止凹部を有する鉤部材と、支持部を有する受部材とを具備している。さらに、鉤部材又は受部材のうちの一方には、施錠位置側に向けて常に付勢力が作用する。この付勢力により、支持部が係止凹部上に位置した場合には、支持部が係止凹部に嵌り込んで係止されるよう鉤部材と受部材とが相対移動し、支持部が係止辺部よりも鉤本体の基端部側に位置した場合には支持部が係止辺部に係止されるよう鉤部材と受部材とが相対移動する。そして、支持部が係止辺部に係止されることで閉状態にある前面扉の移動が規制され、支持部が係止凹部に係止されることで開いた状態にある前面扉の移動が規制されることとなる。結果として、比較的簡単な構成を採用しつつ、上記手段1の作用効果が確実に奏される。
また、本手段によれば、係止凹部が係止辺部を有する鉤部材に一体形成されている。このため、例えば、係止辺部と係止凹部とが別々の鉤部材に設けられ、各鉤部材がそれぞれ個別に対応する受部材と係合するような構成に比べ、部品点数の増加を防止することができる。従って、製造効率の低下やコストの増加等を抑制することができる。
尚、錠部材が解錠操作された状態を保持せずに前面扉を開方向に移動させる場合においても、支持部が係止凹部に嵌り込んで係止されることとなる。また、前記鉤部材又は前記受部材のうち施錠位置と解錠位置とに移動可能に設けられる方に負荷される付勢力を強めることによって、実質的に、錠部材の解錠操作を行わずに開状態にある前面扉を閉方向に移動させた場合に、係止凹部において支持部が必ず係止される構成とすることができる。
手段5.前記鉤部材又は前記受部材のうち一方は、前記支持部が前記係止辺部に係止された第1施錠位置にある場合には、前記錠部材の解錠操作に連動して、前記支持部の係止状態が解除される第1解錠位置へと移動し、前記支持部が前記係止凹部内に位置する第2施錠位置にある場合には、前記錠部材の解錠操作に連動して、前記支持部が前記係止凹部外に位置する第2解錠位置へと移動し、
前記鉤部材又は前記受部材のうち移動可能に設けられた一方は、
前記第2施錠位置から、前記前面扉に対してその閉方向に力を加えることによって前記支持部が前記閉鎖側案内部に案内される閉鎖側案内位置に移動するまでの移動距離が、
前記第2施錠位置から、前記前面扉に対してその開方向に力を加えることによって前記支持部が前記開放側案内部に案内される開放側案内位置に移動するまでの移動距離よりも長く構成されていることを特徴とする手段3又は4に記載の遊技機。
手段5によれば、係止凹部による支持部の係止状態を解除して、支持部を開放側案内部側又は閉鎖側案内部側に移動させようとした場合、閉鎖側案内部側への移動を解除するときの鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の移動距離の方が、開放側案内部側への移動を解除するときの鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の移動距離よりも長くなっている。
従って、前面扉を閉じようとした場合、支持部が開放側案内部から閉鎖側案内部側へと相対移動するときに、該支持部が係止凹部を構成する壁部のうち、支持部と接触することで支持部の閉鎖側案内部への移動を規制する閉鎖側壁部と接触しやすい。つまり、支持部が係止凹部を跳び越すことができずに係止凹部に嵌り込みやすい。従って、この場合、前面扉を閉状態とするために錠部材の解錠操作が必要となるため、不正行為者が、係止凹部よりも開放側案内部側に支持部が位置するように前面扉を不正開放できたとしても、その後すぐに前面扉を閉め切ることができない。結果として、上記手段1に記載の作用効果が確実に奏される。特に、上記手段4のように、前面扉を閉じる際に、前記鉤部材又は前記受部材のうち一方が他方に押されて解錠位置に向けて移動する構成の場合、どんなに勢いよく前面扉を閉めても支持部と案内辺部とが必ず摺接するため、上記作用効果がより確実に奏される。
一方、前面扉を開放するときは、支持部が係止凹部を構成する壁部のうち、支持部と接触することで支持部の開放側案内部への移動を規制する開放側壁部と接触しにくくなるため、係止凹部に嵌り込みにくくなる。このため、前面扉を比較的素早く移動させることで、鉤部材と受部材とが離間するまで錠部材が解錠操作された状態を保持していなくても、支持部が係止凹部に係止される前に、該支持部を閉鎖側案内部側から開放側案内部へと相対移動させることができるようにも構成することができる。この場合、前面扉を開放するときの作業性の向上が図られる。もちろん、前面扉を比較的ゆっくりと開放させる場合には、支持部が係止凹部に係止されることとなる。
尚、開放側案内位置(閉鎖側案内位置)とは、支持部と開放側壁部(閉鎖側壁部)とが接触する状態から、支持部と開放側案内部(閉鎖側案内部)とが接触する状態へと切替わるときの、鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の位置である。また、係止凹部の側壁部を構成する開放側壁部(閉鎖側壁部)は、支持部が係止凹部に嵌り込んで前面扉を開放(閉鎖)できない状態のときに、前面扉に対してその開方向(閉方向)に力を加えることで、該支持部が接触し得る部位であり、開放側案内部(閉鎖側案内部)は、支持部が係止凹部を抜け出して前面扉を開放(閉鎖)できる状態のときに、前面扉に対してその開方向(閉方向)に力を加えることで、該支持部が接触(摺接)し得る部位である。
例えば、開放側壁部(閉鎖側壁部)と、開放側案内部(閉鎖側案内部)との境界部が尖っている場合であって、かつ、支持部のうち、その先端部(先端面)と、該支持部が係止凹部に嵌り込んだ状態において開放側壁部(閉鎖側壁部)に対向する開放側対向面(閉鎖側対向面)との境界部(以下、支持部のコーナー部と称する)が尖っている場合には、鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の移動方向において、支持部のコーナー部が、開放側壁部(閉鎖側壁部)と開放側案内部(閉鎖側案内部)との境界部と同じ高さ位置となるときの、鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の位置が開放側案内位置(閉鎖側案内位置)である。
尚、開放側壁部(閉鎖側壁部)と開放側案内部(閉鎖側案内部)との境界部は必ずしも尖っていなくてもよく、曲線上の一点が、開放側壁部(閉鎖側壁部)から開放側案内部(閉鎖側案内部)へと切替わる点となる場合もある。例えば、開放側壁部(閉鎖側壁部)と開放側案内部(閉鎖側案内部)との境界部をR加工した場合には、該R加工されて湾曲した境界部上の一点よりも係止凹部側の部位に対して支持部が接触した状態であっても、前面扉を開放(閉鎖)できない構成となることがある。つまり、この場合には、前記境界部上の一点よりも係止凹部側の部位については開放側壁部(閉鎖側壁部)である。従って、鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の移動方向において、支持部のコーナー部が、開放側壁部(閉鎖側壁部)から開放側案内部(閉鎖側案内部)へと切替わる点(前記境界部上の一点)と同じ高さ位置となるときの、鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の位置が開放側案内位置(閉鎖側案内位置)である。
尚、前記支持部のコーナー部は必ずしも尖っていなくてもよく、曲線上の一点が、支持部の先端面から開放側対向面(閉鎖側対向面)へと切替わる点となる場合もある。この場合、鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の移動方向において、支持部の先端面から開放側対向面(閉鎖側対向面)へと切替わる点が、開放側壁部(閉鎖側壁部)から開放側案内部(閉鎖側案内部)へと切替わる点(前記境界部上の一点)と同じ高さ位置となるときの、鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の位置が開放側案内位置(閉鎖側案内位置)である。
尚、開放側壁部(閉鎖側壁部)と開放側案内部(閉鎖側案内部)との境界部や支持部のコーナー部をR加工した場合には、前記境界部と支持部との接触に際して、前記境界部や支持部が損傷してしまうといったおそれを抑制することができる。
手段6.前記鉤部材又は前記受部材のうち一方は、前記支持部が前記係止辺部に係止された第1施錠位置にある場合には、前記錠部材の解錠操作に連動して、前記支持部の係止状態が解除される第1解錠位置へと移動し、前記支持部が前記係止凹部内に位置する第2施錠位置にある場合には、前記錠部材の解錠操作に連動して、前記支持部が前記係止凹部外に位置する第2解錠位置へと移動し、
前記施錠手段は、前記鉤部材又は前記受部材のうち移動可能に設けられた一方を、前記解錠位置側から前記施錠位置側に付勢する付勢手段を備え、
前記鉤部材又は前記受部材のうち移動可能に設けられた一方は、
前記第2施錠位置から、前記前面扉に対してその開方向に力を加えることによって前記支持部が前記開放側案内部に案内される開放側案内位置に移動するまでの移動距離が、
前記第2施錠位置から、前記前面扉に対してその閉方向に力を加えることによって前記支持部が前記閉鎖側案内部に案内される閉鎖側案内位置に移動するまでの移動距離よりも長く構成されていることを特徴とする手段3又は4に記載の遊技機。
手段6によれば、係止凹部による支持部の係止状態を解除して、支持部を開放側案内部側又は閉鎖側案内部側に移動させようとした場合、開放側案内部側への移動を解除するときの鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の移動距離の方が、閉鎖側案内部側への移動を解除するときの鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の移動距離よりも長くなっている。
従って、前面扉を開けようとした場合、支持部が閉鎖側案内部から開放側案内部側へと相対移動するときに、該支持部が係止凹部を構成する壁部のうち、支持部と接触することで支持部の開放側案内部への移動を規制する開放側壁部と接触しやすい。つまり、支持部が係止凹部を跳び越すことができずに係止凹部に嵌り込みやすい。従って、この場合、前面扉を開くために錠部材の解錠操作が必要となるため、不正行為者によって前面扉が比較的大きく開放されてしまうといったおそれを抑制することができるとともに、前面扉が不正に開放されたことを発見しやすくなるといった効果が確実に奏される。
一方、前面扉を閉鎖するときは、支持部が係止凹部を構成する壁部のうち、支持部と接触することで支持部の閉鎖側案内部への移動を規制する閉鎖側壁部と接触しにくくなるため、係止凹部に落ち込みにくく(嵌りにくく)なる。このため、前面扉を素早く移動させることで、支持部が係止凹部に係止される前に、該支持部を開放側案内部側から閉鎖側案内部へと相対移動させることができるようにも構成することができる。この場合、前面扉を閉じるときの錠部材の解錠操作を省略することができ、作業性の向上が図られる。もちろん、比較的ゆっくりと前面扉を閉めようとした場合には、支持部が係止凹部に嵌り込んで係止されることとなる。
手段7.遊技機本体の前面側に設けられ、前記遊技機本体の側部において開閉可能に支持される前面扉と、
前記前面扉を前記遊技機本体に施錠する施錠手段とを備え、
前記施錠手段は、
施錠状態にある前記前面扉を開放可能な解錠状態とする際に所定の解錠操作が行われる錠部材と、
前記前面扉又は前記遊技機本体のうち一方側に設けられた鉤部材、及び、他方側に設けられた受部材とを備え、
前記鉤部材又は前記受部材のうち一方は、前記前面扉を閉じる際に他方に設けられた支持部と摺接する案内辺部と、前記前面扉の閉状態において前記支持部を係止する係止辺部と、前記案内辺部を分断するようにして形成された係止凹部とを有し、
前記案内辺部は、前記支持部が前記係止凹部内に位置する状態よりも前記前面扉が大きく開放されたときに前記支持部が摺接して案内される開放側案内部と、前記支持部が前記係止凹部内に位置する状態よりも前記前面扉が閉じられたときに前記支持部が摺接して案内される閉鎖側案内部とを備え、
前記鉤部材又は前記受部材のうち一方は、前記支持部が前記係止辺部に係止された第1施錠位置にある場合には、前記錠部材の解錠操作に連動して、前記支持部の係止状態が解除される第1解錠位置へと移動し、前記支持部が前記係止凹部内に位置する第2施錠位置にある場合には、前記錠部材の解錠操作に連動して、前記支持部が前記係止凹部外に位置する第2解錠位置へと移動し、
前記施錠手段は、前記鉤部材又は前記受部材のうち移動可能に設けられた一方を、前記解錠位置側から前記施錠位置側に付勢する付勢手段を備え、
前記鉤部材又は前記受部材のうち移動可能に設けられた一方は、
前記第2施錠位置から、前記前面扉に対してその閉方向に力を加えることによって前記支持部が前記閉鎖側案内部に案内される閉鎖側案内位置に移動するまでの移動距離が、
前記第2施錠位置から、前記前面扉に対してその開方向に力を加えることによって前記支持部が前記開放側案内部に案内される開放側案内位置に移動するまでの移動距離よりも長く構成されていることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、施錠手段が、鉤部材及び受部材を備え、鉤部材又は受部材のうちの一方には、施錠位置側に向けて付勢力が作用する。該付勢力により、鉤部材又は受部材のうちの一方に設けられた係止凹部に対し、他方に設けられた支持部が嵌り込んで係止される。そして、支持部が係止凹部に係止されることで前面扉をそれ以上開閉できないようになる。結果として、比較的簡単な構成を採用しつつ、上記手段1の作用効果が確実に奏される。
また、係止凹部による支持部の係止状態を解除して、支持部を開放側案内部側又は閉鎖側案内部側に移動させようとした場合、閉鎖側案内部側への移動を解除するときの鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の移動距離の方が、開放側案内部側への移動を解除するときの鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の移動距離よりも長くなっている。さらには、付勢手段により、支持部が係止凹部に嵌り込む側に相対移動するような力が作用している。
従って、前面扉を閉じようとした場合、支持部が開放側案内部から閉鎖側案内部側へと相対移動するときに、該支持部が係止凹部を構成する壁部のうち、支持部と接触することで支持部の閉鎖側案内部への移動を規制する閉鎖側壁部と接触し、係止凹部に嵌り込むこととなる。これにより、前面扉を閉状態とする場合に錠部材の解錠操作が必要となるため、不正行為者が、係止凹部よりも開放側案内部側に支持部が位置するように前面扉を不正開放できたとしても、その後すぐに前面扉を閉め切ることができない。結果として、上記手段5の作用効果がより確実に奏される。
手段8.遊技機本体の前面側に設けられ、前記遊技機本体の側部において開閉可能に支持される前面扉と、
前記前面扉を前記遊技機本体に施錠する施錠手段とを備え、
前記施錠手段は、
施錠状態にある前記前面扉を開放可能な解錠状態とする際に所定の解錠操作が行われる錠部材と、
前記前面扉又は前記遊技機本体のうち一方側に設けられた鉤部材、及び、他方側に設けられた受部材とを備え、
前記鉤部材又は前記受部材のうち一方は、前記前面扉を閉じる際に他方に設けられた支持部と摺接する案内辺部と、前記前面扉の閉状態において前記支持部を係止する係止辺部と、前記案内辺部を分断するようにして形成された係止凹部とを有し、
前記案内辺部は、前記支持部が前記係止凹部内に位置する状態よりも前記前面扉が大きく開放されたときに前記支持部が摺接して案内される開放側案内部と、前記支持部が前記係止凹部内に位置する状態よりも前記前面扉が閉じられたときに前記支持部が摺接して案内される閉鎖側案内部とを備え、
前記鉤部材又は前記受部材のうち一方は、前記支持部が前記係止辺部に係止された第1施錠位置にある場合には、前記錠部材の解錠操作に連動して、前記支持部の係止状態が解除される第1解錠位置へと移動し、前記支持部が前記係止凹部内に位置する第2施錠位置にある場合には、前記錠部材の解錠操作に連動して、前記支持部が前記係止凹部外に位置する第2解錠位置へと移動し、
前記施錠手段は、前記鉤部材又は前記受部材のうち移動可能に設けられた一方を、前記解錠位置側から前記施錠位置側に付勢する付勢手段を備え、
前記鉤部材又は前記受部材のうち移動可能に設けられた一方は、
前記第2施錠位置から、前記前面扉に対してその開方向に力を加えることによって前記支持部が前記開放側案内部に案内される開放側案内位置に移動するまでの移動距離が、
前記第2施錠位置から、前記前面扉に対してその閉方向に力を加えることによって前記支持部が前記閉鎖側案内部に案内される閉鎖側案内位置に移動するまでの移動距離よりも長く構成されていることを特徴とする遊技機。
手段8によれば、施錠手段が、鉤部材及び受部材を備え、鉤部材又は受部材のうちの一方には、施錠位置側に向けて付勢力が作用する。該付勢力により、鉤部材又は受部材のうちの一方に設けられた係止凹部に対し、他方に設けられた支持部が嵌り込んで係止される。そして、支持部が係止凹部に係止されることで前面扉をそれ以上開閉できないようになる。結果として、比較的簡単な構成を採用しつつ、上記手段1の作用効果が確実に奏される。
また、係止凹部による支持部の係止状態を解除して、支持部を開放側案内部側又は閉鎖側案内部側に移動させようとした場合、開放側案内部側への移動を解除するときの鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の移動距離の方が、閉鎖側案内部側への移動を解除するときの鉤部材又は受部材のうち移動可能に設けられた一方の移動距離よりも長くなっている。さらには、付勢手段により、支持部が係止凹部に嵌り込む側に相対移動するような力が作用している。
従って、前面扉を開放しようとした場合、支持部が閉鎖側案内部から開放側案内部側へと相対移動するときに、該支持部が係止凹部を構成する壁部のうち、支持部と接触することで支持部の開放側案内部への移動を規制する開放側壁部と接触し、係止凹部に嵌り込むこととなる。従って、この場合、前面扉を開くために錠部材の解錠操作が必要となるため、不正行為者によって前面扉が比較的大きく開放されてしまうといったおそれを防止することができるとともに、前面扉が不正に開放されたことを発見しやすくなるといった効果が確実に奏される。結果として、上記手段6の作用効果がより確実に奏される。
手段9.前記係止凹部は、当該係止凹部に前記支持部が嵌り込んで係止された状態において、前記前面扉を開放しようとした場合に前記支持部と接触して、前記遊技機本体に対する前記前面扉の開方向への移動を規制する開放側壁部と、前記前面扉を閉鎖しようとした場合に前記支持部と接触して前記遊技機本体に対する前記前面扉の閉方向への移動を規制する閉鎖側壁部とを備え、
前記開放側壁部及び前記閉鎖側壁部は、前記前面扉の開閉方向と略直交して、又は、前記前面扉の開閉方向において、前記開放側壁部のうち前記係止凹部の底部側の部位よりも先端部側の部位が前記閉鎖側案内部側に位置するとともに、前記閉鎖側壁部のうち前記係止凹部の底部側の部位よりも先端部側の部位が前記開放側案内部側に位置するようにして延び、
前記支持部のうち前記開放側壁部と接触する第1接触面及び前記閉鎖側壁部と接触する第2接触面は、前記前面扉の開閉方向と略直交して、又は、前記支持部が前記係止凹部に係止された状態において、前記第1接触面のうち先端側の部位よりも基端側の部位が前記前面扉の開閉方向において前記閉鎖側案内部側に位置するとともに、前記第2接触面のうち先端側の部位よりも基端側の部位が前記前面扉の開閉方向において前記開放側案内部側に位置するようにして延びることを特徴とする手段3乃至8のいずれかに記載の遊技機。
例えば、前面扉の開閉方向において、閉鎖側壁部のうち係止凹部の底部側の部位が先端部側の部位よりも開放側案内部側に位置するように傾斜して延びている場合、又は、支持部が係止凹部に係止された状態において、支持部の第2接触面のうち先端側の部位が基端側の部位よりも前面扉の開閉方向において開放側案内部側に位置するように傾斜している場合には、第2接触面と閉鎖側壁部とが圧接された際に、閉鎖側壁部又は第2接触面に案内されるようにして、支持部が係止凹部から抜け出る方向に相対移動してしまうおそれがある。
また、前面扉の開閉方向において、開放側壁部のうち係止凹部の底部側の部位が先端部側の部位よりも閉鎖側案内部側に位置するように傾斜して延びている場合、又は、支持部が係止凹部に係止された状態において、支持部の第1接触面のうち先端側の部位が基端側の部位よりも前面扉の開閉方向において閉鎖側案内部側に位置するように傾斜している場合には、第1接触面と開放側壁部とが圧接された際に、開放側壁部又は第1接触面に案内されるようにして、支持部が係止凹部から抜け出る方向に相対移動してしまうおそれがある。
この点、本手段9の構成を採用することで上記不具合を防止することができ、支持部の係止凹部への係止状態の安定化を図ることができる。尚、係止凹部が鉤部材に設けられる場合には、前記開放側壁部及び前記閉鎖側壁部は、前記前面扉の開閉方向と略直交して、又は、前記前面扉の開閉方向において、前記開放側壁部のうち前記係止凹部の底部側の部位が先端部側の部位よりも前記鉤部材(鉤本体)の先端部側に位置するとともに、前記閉鎖側壁部のうち前記係止凹部の底部側の部位が先端部側の部位よりも前記鉤部材の基端部側に位置するようにして延び、前記支持部のうち前記開放側壁部と接触する第1接触面及び前記閉鎖側壁部と接触する第2接触面は、前記前面扉の開閉方向と略直交して、又は、前記支持部が前記係止凹部に係止された状態において、前記第1接触面のうち基端側の部位が先端側の部位よりも前記前面扉の開閉方向において前記鉤部材の基端部に位置するとともに、前記第2接触面のうち先端側の部位が基端側の部位よりも前記前面扉の開閉方向において前記鉤部材の基端部側に位置するようにして延びることとしてもよい。
尚、例えば、開放側壁部と第1接触面との傾斜角度が異なる場合や、閉鎖側壁部と第2接触面との傾斜角度が異なる場合には、開放側壁部又は閉鎖側壁部と支持部との接触面積が小さくなることが懸念される。これに起因して、支持部と開放側壁部又は閉鎖側壁部とが接触した際に、開放側壁部又は閉鎖側壁部(の角部)や支持部(の角部)が損傷してしまうおそれがある。このため、開放側壁部と第1接触面との傾斜角度を同じく構成するとともに、閉鎖側壁部と第2接触面との傾斜角度を同じく構成することが望ましい。この場合、両側壁部及び支持部の耐久性の低下を抑止することができる。
また、前面扉の開閉方向において、開放側壁部のうち係止凹部の底部側の部位よりも先端部側の部位が閉鎖側案内部側に位置するように延びたり、閉鎖側壁部のうち係止凹部の底部側の部位よりも先端部側の部位が開放側案内部側に位置するようにして延びたりする場合には、開放側壁部や閉鎖側壁部の角部が先細り形状となって同角部の剛性が低下してしまうことが懸念される。このため、開放側壁部及び閉鎖側壁部は、前面扉の開閉方向と略直交して延びることが望ましい。
手段10.前記遊技機本体の前面側には、前記前面扉の閉状態において、該前面扉が内側に嵌り込むリブが突設され、
少なくとも前記支持部が前記係止凹部に係止された状態においては、前記リブによって前記前面扉の後面側周縁部が覆われていることを特徴とする手段3乃至9のいずれかに記載の遊技機。
手段10によれば、少なくとも支持部が係止凹部に係止された状態(支持部が閉鎖側案内部よりも開放側案内部側に位置する場合)においては、前面扉の周囲がリブによって覆われている。このため、支持部が閉鎖側案内部上に位置し、支持部が係止凹部に係止されることなく前面扉を閉状態に戻せる状態や、支持部が係止凹部に係止された状態では、前面扉と遊技機本体との間の隙間から針金等を侵入させるといった不正行為が不可能又は困難となる。従って、前面扉を開放させての不正行為を抑制することができる。
手段11.前記前面扉の後面側周縁部には、後方に向けて突出する突条部が形成され、
前記遊技機本体の前面側には、前記前面扉の閉状態において、前記突条部が嵌り込む溝部が形成され、
少なくとも前記支持部が前記係止凹部に係止された状態においては、前記突条部によって前記溝部が覆われていることを特徴とする手段3乃至10のいずれかに記載の遊技機。
手段11によれば、少なくとも支持部が係止凹部に係止された状態においては、溝部が突条部によって覆われる。従って、前面扉を開放させての不正行為を抑制するといった作用効果が奏される。さらに、上記手段10の構成を併せて採用することで、上記作用効果が相乗的に奏されることとなる。
手段12.前記前面扉の後面側周縁部には、後方に向けて突出する突条部が形成され、
前記遊技機本体の前面側周縁部には、前記前面扉の閉状態において、前記突条部が外側に嵌り込む段差部が設けられ、
少なくとも前記支持部が前記係止凹部に係止された状態においては、前記突条部によって前記段差部が覆われていることを特徴とする手段3乃至10のいずれかに記載の遊技機。
手段12によれば、少なくとも支持部が係止凹部に係止された状態においては、段差部(遊技機本体の周囲)が突条部によって覆われる。従って、前面扉を開放させての不正行為を抑制するといった作用効果が奏される。尚、手段10に対応しては、前記遊技機本体は、前記遊技機本体の前面側周縁部を構成する側辺部のうち所定の側辺部から前方に延びるリブと、前記リブが形成されていない側辺部に形成された段差部とを備え、前記前面扉は、その閉状態において前記遊技機本体の前記段差部に嵌り込む突条部を備え、少なくとも前記支持部が前記係止凹部に係止された状態においては、前記突条部によって前記段差部が覆われるとともに、前記リブによって前記前面扉の周縁部のうち前記突条部が設けられていない部位が覆われることとしてもよい。
尚、遊技機本体が、遊技機の外郭を構成する外枠と、前記外枠の一側部において開閉可能に支持される内枠とを備える場合、前記内枠の前面側周縁部を凹ませることで前記段差部を一体的に形成してもよいし、前記内枠の外周と前記外枠の前側の辺部とで前記段差部を構成してもよい。
手段13.少なくとも前記支持部が前記係止凹部に係止された状態において、前記前面扉の開放を検知する開放検知手段を設けたことを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機。
手段13によれば、開放検知手段によって前面扉の開放が検知された場合には、当該検知情報に基づいて、前面扉が開放された旨をホール関係者等に報知することができる。従って、前面扉の不正開放を発見しやすくなるといった効果が奏される。さらに、支持部が係止凹部に係止された状態においては、すぐに前面扉を閉状態とすることができないため、前面扉が不正開放されている間に該不正行為の発見及び対処できる可能性が高まり、上記作用効果が相乗的に奏される。尚、報知としては、点灯手段における点灯態様、音声手段における音声態様、表示装置における表示態様等による報知が挙げられる。また、ホールが管理するホールコンピュータに繋がるケーブルを介して、前面扉が開放された旨の信号をホールコンピュータに出力することで報知(通報)が行われてもよい。
加えて、上記手段10乃至12に記載のリブや突条部を設ける場合、支持部が閉鎖側案内部上に位置する状態では針金を遊技機内部に侵入させることが非常に困難又は不可能であるため、開放検知手段は、支持部が閉鎖側案内部よりも開放側案内部側に位置した場合(支持部が係止凹部に係止された状態も含まれる)にその旨を検知可能としてもよい。このような構成を採用することで、開放検知手段の検知精度をそれほど高める必要がなく、構成の簡素化やコストの削減等を図ることができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する始動操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該指導操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ、発射ソレノイド等)と、当該発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レールユニットの球案内通路)と、前記遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口、可変入賞装置、作動口、可変表示ユニット等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機。」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は、可変表示装置を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する始動操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該指導操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ、発射ソレノイド等)と、当該発射された遊技球を所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)に導く球通路(レールユニットの球案内通路)と、前記遊技領域内に配置された作動口、可変表示装置及び可変入賞装置とを備え、前記作動口へ遊技球の入賞が検知されることに基づいて、前記可変表示装置に表示される識別情報(図柄)を変動表示せしめ、所定時間後停止表示させるとともに、停止表示された識別情報(図柄)が特定態様である場合に前記可変表示装置を所定態様で開放させるように構成した弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報の付された複数の回転体を回転させた後に識別情報を確定停止表示する可変表示装置を備え、始動操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して回転体の回転が開始され、停止操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して(又は所定時間経過することにより)回転体が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技媒体が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報の付された複数の回転体を回転させた後に識別情報を確定停止表示する可変表示装置を備え、始動操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して回転体の回転が開始され、停止操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して(又は所定時間経過することにより)回転体が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技球が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出装置とを備え、前記投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機」が挙げられる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。図2は、外枠11と内枠12とに対して、前面枠セット14及び下皿ユニット13を開放した状態を示す斜視図である。図3は外枠を示す斜視図である。図4は、パチンコ機10より前面枠セット14を取外した状態を示す正面図である。但し、図2では、遊技盤30及びガラスユニット137を省略して示している。また、図4では、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。
図1、図2等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、例えば木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。内枠12は、パチンコ機10の正面から見て左側に上下に延びる開閉軸線を軸心に、前方側に開放できるようになっている。
ここで、外枠11について図3を参照しつつ説明する。外枠11の左辺部には、上ヒンジ81及び下ヒンジ82が設けられている。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能に支持されている。また、外枠11の右辺部には、後述する施錠装置G1の内枠鉤部材192,193に対応して、上下一対の爪馬83,84が取付固定されている。爪馬83,84は、その先端部が後側に向けて略直角に折り曲げられることにより所謂折り返し部83a,84aを備えている。
さらに、本実施形態における外枠11下部には、樹脂製の幕板飾り85が取着されている。幕板飾り85上面には、金属製の滑り部材86,87が設けられ、これにより内枠12開閉時における摺動の円滑性が確保されている。また、幕板飾り85の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。該リブ88の上端には前面側に屈曲形成された図示しない返し部が一体形成されており、これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。また、外枠11の内面には、内枠12を閉状態とする際に、内枠12の背面側に設けられた金具類等の外枠12内側への挿通を許容するべく、切欠き部89が形成されている。
図1、図2の説明に戻り、内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が開閉可能に取付けられているとともに、下皿ユニット13を除く範囲に対応して、前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。下皿ユニット13及び前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側に上下に延びる開閉軸線を軸心に、前方側に開放できるようになっている。
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。尚、符号24はスピーカSPからの音出力口であり、符号25は下皿15内から遊技球を下方へと排出する球抜きレバーである。本実施形態では、スピーカSPは、音出力口24の直裏面側に設けられている(図2参照)。
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(電気抵抗の変化を検出することで操作量を検出できるようになっている)が設けられている。
一方、下皿15の上方においては、上皿19が前面枠セット14に対し一体的に設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置(球発射手段)の方へ導出する球受皿である。尚、上皿19から溢れる遊技球は、後記するファール球通路63、球排出部29、及び排出口16を介して下方側に案内されて下皿15に貯留される(図4参照)。
図4等に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30(図5参照)が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検出手段としての開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
尚、本実施形態では、開放検知センサ22又は開放検知スイッチによって前面枠セット14又は内枠12の開放が検知された場合には、当該検知情報に基づいて、前面枠セット14の前面に設けられたエラー表示ランプ106が点灯制御されるとともに、ホールが管理するホールコンピュータに繋がるケーブルを介して、前面枠セット14又は内枠12が開放された旨の信号がホールコンピュータに出力されるようになっている。また、後述する装飾図柄表示装置42における表示態様やスピーカSPから出力される音声によって、前面枠セット14又は内枠12が開放された旨を報知してもよい。
尚、内枠12の前面側には、その周囲(前面枠セット14に対応する部分)においてリブR1が突設されている。そして、前面枠セット14の閉時には、前面枠セット14がリブR1の内側に嵌まり込んだ状態となる。この構成により、前面枠セット14と内枠12との間の隙間から針金等を侵入させることが困難となり、不正防止の役割を果たす。
次に、遊技盤30の構成について図5を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33に遊技球が入球(入賞)すると、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33)に入賞しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応口33への入賞をトリガとしてLEDを色換え表示(変動表示)する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて装飾図柄を変動表示する可変表示装置としての装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)し、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合に第1契機対応口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、普通図柄表示装置41による普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
なお、普通図柄は、複数のランプの点灯態様を切換えることにより変動表示される構成の他、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であってもよい。保留ランプ44も同様に、装飾図柄表示装置42の一部で表示される構成であってもよい。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の普通図柄の右側方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されている。この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。本実施形態では、この特別表示装置43によって大当たりか否かが確定的に表示されるようになっている。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。なお、本実施形態では、装飾図柄表示装置42は8インチサイズの液晶ディスプレイを備える。また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態とされる。より詳しくは、第1契機対応口33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。このとき、大当たり抽選に当選したことを意味する赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)されると、大当たり状態が発生する。また、特別表示装置43が3色LEDを赤又は緑で決定表示する場合、これを受けて、装飾図柄表示装置42には、特定の図柄の組合わせが補助的に表示されることになる。そして、可変入賞装置32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応口33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応口33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50は内レール構成部51と外レール構成部52とを有する。
内レール構成部51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール構成部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻される。尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール構成部51,52)により略円形状に区画された領域である(但し、内外レール構成部51,52の並行部分である球案内通路の領域を除く)。
図4の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置としての遊技球発射ユニット70が取付けられている。遊技球発射ユニット70は、樹脂ベース20に固定された金属製のベース板71と、ベース板71に取付けられた発射装置72と、発射装置72の先端側において発射装置72の長手方向に平行に延びるようにしてベース板71に取付けられた発射レール73とを備えている。さらに、遊技球発射ユニット70は、上皿19側から案内されてくる遊技球を発射レール73の基端部(図の右端部)に1球ずつ案内するべくベース板71に取付けられた球送り機構74と、発射レール73の基端部上に載置される遊技球を支持して位置決めするべくベース板71に取付けられた位置決め部材75とを備えている。
発射レール73は、発射装置72より発射された直後に遊技球を案内するためのものであって、所定の発射角度(打ち出し角度)となるよう直線的に延びている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール73に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、本実施形態では、発射装置72として、従来一般的に採用されていたモータ及び発射槌の組み合わせではなく、リニアソレノイドを採用している。すなわち、発射装置72は、発射レール73と平行に延びるプランジャ76を具備している。そして、発射装置72が励磁状態と非励磁状態とに交互に切替えられることにより、プランジャ76が出没することとなる。そして、プランジャ76の突出の度に、位置決め部材75によって所定位置に位置決めされた遊技球が発射レール73から発射されるのである。なお、ハンドル18の操作量に基づき、プランジャ76の突出速度が適宜調整され(ストローク量はほぼ一定)、これにより、遊技球の発射速度ひいては飛翔量が調整されるようになっている。
また、発射レール73とレールユニット50との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。当該ファール球通路63は、下皿ユニット13の閉状態において排出口16と連通される球排出部29と連通している。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63、球排出部29、及び排出口16を介して下皿15に排出される。
また、図4中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。当該シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となっており、前面枠セット14を開放した状態(図2の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態(図1の状態)では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)により、シャッタ68が押し開けられるようになっており、排出口67と上皿19とが連通された状態となる。なお、前面枠セット14の開放状態(但し、下皿ユニット13は閉状態)においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。
また、樹脂ベース20には窓孔21の左上方において略小判形状の小窓97が設けられ、小窓97に対応して遊技盤30の左上部にも略小判形状の孔部98(図5参照)が設けられている。そして、後述する前面枠セット14の環状電飾部102等と接続される各種電気配線(図示略)が小窓97及び孔部98を通して本パチンコ機10の背面側から導かれている。
加えて、内枠12の左端部には、前面枠セット14及び下皿ユニット13の支持機構として、支持金具101,102,103が取付けられている。支持金具101,102にて前面枠セット14の上下部が回動可能に支持されており、これにより前面枠セット14が開閉可能に支持されている。また、支持金具102,103にて下皿ユニット13の上下部が回動可能に支持されており、これにより下皿ユニット13が開閉可能に支持されている。
次に、前面枠セット14について図1を参照しつつ説明する。前面枠セット14には遊技領域(レールユニット50の内周部により略円形状に区画形成された領域)のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。
また、前面枠セット14にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。遊技場等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図られる。
続いて、前面枠セット14の背面構成について、図2を参照しつつ説明する。前面枠セット14の裏側の上部コーナー部には、前記発光手段用の発光基板124が取付けられている。また、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の左右上下の外側には補強板131,132,133,134が相互に接触するようにして取付けられている。加えて、発光基板124を覆うようにして、樹脂パーツ135が設けられている。これにより、発光基板124と補強板131との接触(発光基板124への通電)を防止することができ、発光基板124におけるノイズや磁界の発生等の抑制が図られている。なお、補強板131〜134は、図示しない接地機構により接地されている。
また、図2の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12aに係合される。この構成により、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。また、図2の左側の補強板132には、前面枠セット14の背面側に延びる上下一対の前面枠セット鉤部14a,14bが一体形成されている。
併せて、下側の補強板134には、発射レール73に対向する位置にレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール73の側壁となる。故に、発射レール73から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
さらに、前面枠セット14の背面側には、図6に示すガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対を為して別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
図6に示すように、ガラスユニット137は、窓部101の形状にほぼ対応して略円形状をなす前後一対の板ガラス151,152と、板ガラス151,152の周縁を囲むようにして設けられた保持フレーム153とを備えている。板ガラス151,152は、保持フレーム153によって、板ガラス151,152間に所定の間隙が形成された状態で保持されている。保持フレーム153は、複数箇所において外方に突出する取付部155を備えている。該取付部155が、前面枠セット14の背面側に設けられた被取付部(図示略)に取着されることで、ガラスユニット137が前面枠セット14に取付けられている。また、保持フレーム153はその一部において外方に膨出しており、該膨出部分の内側に収容部156が形成されている。収容部156には、乾燥剤157(ゼオライドやシリカゲル等)が収容されており、ガラスユニット137内における結露等の発生が防止されるようになっている。なお、収容部156は、窓部101の輪郭線よりも外周側に配設されており、これにより、乾燥材157が外部から視認されることがないようになっている。
次に、内枠12の施錠機構、並びに、前面枠セット14及び下皿ユニット13の施錠機構について図9乃至図16を参照して説明する。本実施形態では、前面枠セット14の施錠機構及び下皿ユニットの施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっている。つまり、本実施形態における各施錠機構は、単一の施錠装置G1によって具現化されている。図9は、外枠11に対して内枠12を開放した状態を示す背面側の斜視図である。図10は施錠装置G1の正面図、図11はその右側面図、図12はその左側面図、図13はその背面図である。さらに、図14は施錠装置G1の正面右側の斜視図、図15は施錠装置G1の背面左側の斜視図、図16は施錠装置G1の背面右側の斜視図である。尚、図10〜図13では、説明の便宜上、後述する施錠カバー401の図示を省略している。また、図9では、前面枠セット14、下皿ユニット13、及び、内枠12の背面側に設けられる遊技盤30や各種制御基板等の図示を省略している。尚、本実施形態では、施錠装置G1及び前面枠セット鉤部14a,14bが施錠手段に相当する。
図9等に示すように、施錠装置G1は、内枠12の背面右側部(図9では左側)に沿って縦方向に取付固定される取付板187と、取付板187の内側(窓孔21側)の端縁から後方に延びる支持板188とを具備する断面略L字状の基枠186を備えている。
図10、図14等に示すように、取付板187には複数の取付孔187aが穿設され、さらにその上部と下部に、矩形状の挿入孔189,190が形成されている。また、内枠12には、施錠装置G1の取付状態において挿入孔189、190と相対する位置に、連通孔90、91が形成されている(図4参照)。そして、前面枠セット14の閉時においては、前面枠セット14の背面側に延びる前面枠セット鉤部14a,14b(図2参照)が、連通孔90、91を介して、挿入孔189,190に進入するようになっている。
また、図11、図16等に示すように、施錠装置G1は、支持板188の内面(図9、図16では左側の面)に沿って上下に摺動可能に設けられた摺動部材としての摺動杆191と、摺動杆191の内面(図9、図16では左側の面)に沿って上下に摺動可能な上下一対の内枠鉤部材192,193とを備えている。摺動杆191及び内枠鉤部材192,193は、それぞれ上下一対のコイルばねC1により、常には下方位置側に引っ張られている。本実施形態では、内枠鉤部材192,193の摺動範囲のうち、下方位置が内枠鉤部材192,193の施錠位置に相当し、上方位置が内枠鉤部材192,193の解錠位置に相当する。
内枠12の閉状態においては、外枠11の内側に固定された爪馬83,84の上辺部に対して内枠鉤部材192,193が係合する(図3、図9参照)。これにより、閉状態にある内枠12の開放が規制される。尚、爪馬83,84に形成された折り返し部83a,84aの存在により、内枠鉤部材192,193の係止状態の安定化を図ることができる。尚、内枠12を閉じるときの内枠鉤部材192,193の動きを簡単に説明すると、内枠鉤部材192,193は、爪馬83,84と接触することによって上方に押され、コイルばねC1の引張力に抗して一旦解錠位置に向けて摺動する。その後、コイルばねC1の引張力で下方の施錠位置に戻り、爪馬83,84と係合する。
また、内枠鉤部材192,193は、摺動杆191の上方への摺動に連動して、両方同時に上方に向けて摺動するよう構成されている。一方、摺動杆191は、内枠鉤部材192、193に対して直接応力が加えられることにより該内枠鉤部材192、193が摺動したとしても、連動して摺動しないよう構成されている。つまり、内枠鉤部材192,193は、それぞれ独立して移動可能となっており、例えば、内枠鉤部材192、193のどちらか一方を上方に移動させたとしても、他方は移動せずに施錠位置のままである。
また、図13、図16等に示すように、施錠装置G1は、取付板187の内面(後面)に沿って摺動可能な上下一対の前面枠セット施錠部材194,195を備えている。前面枠セット施錠部材194,195は、金属板を断面コ字状に折曲げることにより形成されており、そのうち取付板187側の面には矩形状の係止孔194a,195aが形成されている。図14に示すように、係止孔194a,195aは、取付板187に形成された挿入孔189,190と相対配置されている。また、摺動杆191及び前面枠セット施錠部材194,195は上下一対のコイルばねC2により、常には上方位置側に引っ張られている。本実施形態では、前面枠セット施錠部材194,195の摺動範囲のうち、上方位置が前面枠セット施錠部材194,195の施錠位置に相当し、下方位置が前面枠セット施錠部材194,195の解錠位置に相当する。尚、摺動杆191は、コイルばねC1及びC2により、上方及び下方のどちらにも移動可能な中間位置において緊張状態とされている。
前面枠セット14の閉状態においては、前面枠セット14に設けられた前面枠セット鉤部14a,14b(図2参照)が、内枠12の連通孔90、91(図4参照)及び取付板187の挿入孔189,190(図14参照)を介して、係止孔194a,195aに挿通され、前面枠セット施錠部材194,195(係止孔194a,195aの下縁部)に係合される。これにより、閉状態にある前面枠セット14の開放が規制される。尚、前面枠セット14を閉じるときの前面枠セット施錠部材194,195の動きを簡単に説明すると、前面枠セット施錠部材194,195は、前面枠セット鉤部14a,14bと接触することによって下方に押され、コイルばねC2の引張力に抗して一旦解錠位置に向けて摺動する。その後、コイルばねC2の引張力で上方の施錠位置に戻り、前面枠セット鉤部14a,14bと係合する。
さらに、前面枠セット施錠部材194,195は、摺動杆191の下方への摺動に連動して、両方同時に下方に向けて摺動するよう構成されている。一方、摺動杆191は、前面枠セット施錠部材194,195に直接応力が加えられることにより前面枠セット施錠部材194,195が摺動したとしても、連動して摺動しないよう構成されている。つまり、前面枠セット施錠部材194,195は、それぞれ独立して下方に移動可能となっており、例えば、前面枠セット施錠部材194,195のどちらか一方を下方に移動させたとしても、他方は移動せずに施錠位置のままである。
また、図11、図13、図16等に示すように、施錠装置G1は、内枠12及び前面枠セット14の施錠状態を解除するための錠部材としてのシリンダ錠196を備えている。シリンダ錠196は、取付板187の後面(取付面)に当接状態で固定される固定部161と、固定部161から前方に向けて取付板187を貫通して延び、鍵穴を有する錠本体162と、図示しない錠軸に取付けられ、鍵穴に挿入された鍵の回転動作を摺動杆191に伝達する伝達部材としてのカム板163とを備えている。
カム板163は、上下一対の係止爪165a、165bを備えている。一方、摺動杆191のうちカム板163と対向する部位には、上下一対の係止孔171a、171bが形成されている。
そして、鍵穴に挿入した鍵を図10の時計方向に回転させた場合、カム板163が同方向に回動することにより、下側の係止爪165bが下側の係止孔171bの上縁部に接触し、該係止爪165bに持ち上げられるようにして摺動杆191が上方に摺動させられる。これにより、内枠鉤部材192、193が連動して同時に上方に摺動させられる。このとき、内枠鉤部材192,193と爪馬83,84との係合が解除され、内枠12が解錠される。
一方、鍵穴に挿入した鍵を図10の反時計方向に回転させた場合、カム板163が同方向に回動することにより、上側の係止爪165aが上側の係止孔171aの下縁部に接触し、該係止爪165aに押し下げられるようにして摺動杆191が下方に摺動させられる。これにより、前面枠セット施錠部材194,195が連動して同時に下方に摺動させられる。このとき、前面枠セット施錠部材194,195と前面枠セット鉤部14a,14bとの係合が解除され、前面枠セット14が解錠される。
尚、上記した摺動杆191は、その略中間位置において、シリンダ錠196側(図16の左側)に突出する摺動操作部199を備えている。当該摺動操作部199の存在により、内枠12を開放した状態において、シリンダ錠196の回動操作を行わなくても、摺動操作部199を押下げることで動杆191を下方に摺動させ、前面枠セット14を開放させることができるようになっている。
加えて、図11、図16に示すように、摺動杆191の内面には、下側の係止孔171bの下縁部からシリンダ錠196側に突出する規制突起172が形成されている。当該規制突起172は、例えば、シリンダ錠196の回動操作(鍵穴に挿入された鍵を時計回りに回転させる)を行わずに、摺動操作部199を押上げるようにして摺動杆191を上方に摺動させようとした場合に係止爪165bと接触するよう構成されており、これにより、摺動杆191の上方への摺動が規制されるようになっている。つまり、内枠12は、シリンダ錠196の回動操作が伴わないと開放できないようになっている。尚、規制突起172を省略することとしてもよい。
また、図13、図16等に示すように、シリンダ錠196は、固定部161から後方に突出し、鍵穴形状(キーコード)を変更する際に押圧操作されるリセットピン166を具備している。キーコードの変更手順について説明すると、まず、リセットピン166を押圧した状態で鍵穴に現状の鍵を挿入して回転操作した後、該鍵を引き抜く。そして、リセットピン166を押圧したまま、新たに設定したい鍵を鍵穴に挿入し、前記現状の鍵とは逆向きに回転操作した後、リセットピン166の押圧状態を解除してから鍵を引き抜く。以上のような操作を行うことで、新たに設定したい鍵に合ったキーコードとすることができるようになっている。これにより、遊技場単位で鍵を統一できるとともに、不正防止のため、定期的に鍵を変更することができるようになっている。
さらに、図12、図15等に示すように、施錠装置G1は、支持板188の外面(窓孔21側の面)に沿って摺動可能な下皿ユニット施錠部材197を備えている。下皿ユニット施錠部材197は、上下一対の下皿ユニット鉤部197a,197bと、最上部に位置する下皿ユニット操作部198とを備えている。下皿ユニット施錠部材197は、コイルばねC3により、常には上方に引っ張られている。これにより、下皿ユニット13の閉状態にあっては、下皿ユニット13の背面側に設けられた係止孔13a,13b(図2参照)に下皿ユニット鉤部197a,197bが係止され、下皿ユニット13の開放が規制される。下皿ユニット操作部198は、前面枠セット14を開状態とした場合にのみ露出し、この場合に限り操作可能となっている。そして、該下皿ユニット操作部198をコイルばねC3の引張力に抗して押下げることにより、下皿ユニット鉤部197a,197bと係止孔13a,13bとの係止状態が解除され、下皿ユニット13が解錠されることとなる。換言すれば、下皿ユニット13は、前面枠セット14が開かれた場合に限り、下皿ユニット操作部198を操作することによってその開放が許容されるようになっている。
さて、本実施形態では、前面枠セット14の施錠機構、具体的には、前面枠セット14に設けられた前面枠セット鉤部14a,14bに特徴を有している。以下、かかる特徴的部位に関して、図17等を参照しつつ説明する。図17は、前面枠セット14が開放された状態における前面枠セット鉤部14aと前面枠セット施錠部材194との位置関係を説明するための模式断面図である。
図17に示すように、前面枠セット鉤部14aは、前面枠セット14の背面に設けられた補強板132から前面枠セット14の開閉方向に沿って真直ぐ後方に延びる鉤本体411と、鉤本体411の先端部から下方に突出する爪部412とを備えている。
爪部412は、鉤本体411の先端部から下方に向けて鉤本体411の基端部側(図17では左側)に傾斜しつつ延びる案内辺部414と、案内辺部414のうち鉤本体411の基端部側の端部と鉤本体411とを連結するようにして該鉤本体411と直交して延びる係止辺部415とを有している。前面枠セット14(補強板132等)と内枠12とが略当接状態となる前面枠セット14の閉状態においては、爪部412が、内枠12の連通孔90及び取付板187の挿入孔189を介して係止孔194aに挿通され、係止辺部415が前面枠セット施錠部材194の後面に係止される(図19参照)。これにより、閉状態における前面枠セット14の開方向への移動が規制される。本実施形態では、前面枠セット施錠部材194のうち係止孔194aの下縁部を含み、前面枠セット鉤部14aと接触する部位が支持部(以下、支持部421と称する)に相当する。また、本実施形態では、鉤本体411の下縁部の高さ位置と、施錠位置にある前面枠セット施錠部材194の支持部421の先端部(上縁部)の高さ位置とがほぼ同じくなっており、前面枠セット14の閉状態(支持部421と係止辺部415との係止状態)においては、鉤本体411の下縁部と支持部421の先端部とが略当接状態とされる。尚、本実施形態では、鉤本体411の下縁部と支持部421の先端部とが略当接状態とされたときの前面枠セット施錠部材194の高さ位置が、第1施錠位置に相当し、支持部421の先端部が係止辺部415と案内辺部414との境界部よりも下方に位置したときの前面枠セット施錠部材194の高さ位置が、第1解錠位置に相当する。
また、爪部412には、案内辺部414の中間部位において上方に凹む係止凹部416が形成されている。係止凹部416は、鉤本体411の長手方向と略平行して延びる底壁部417と、底壁部417のうち前面枠セット鉤部14aの先端側端部から当該底壁部417と直交して延びる開放側壁部としての先端側壁部418と、底壁部417のうち前面枠セット鉤部14aの基端側端部から当該底壁部417と直交して延びる閉鎖側壁部としての基端側壁部419とによって構成されている。つまり、案内辺部414は、前面枠セット14の開閉方向に対して傾斜して延びている(本例では前面枠セット14の開閉方向に対する案内辺部414のなす角度が35度程度)のに対し、係止凹部416は前面枠セット14の開閉方向に対して直交して形成されている。
尚、上記のように、支持部421を有する前面枠セット施錠部材194は、前面枠セット14の開閉方向(水平方向)と直交する方向である上下方向に沿って、上方の施錠位置と下方の解錠位置との間で移動可能に構成されている。
底壁部417の高さ位置は、鉤本体411の下縁部の高さ位置とほぼ同じとなっており、支持部421が係止凹部416に嵌り込んで係止された状態においては、底壁部417と支持部421の先端部とが略当接状態とされる。尚、本実施形態では、底壁部417と支持部421の先端部とが略当接状態とされたときの前面枠セット施錠部材194の高さ位置が、第2施錠位置に相当し、支持部421の先端部が係止凹部416(先端側壁部418及び基端側壁部419)よりも下方に位置したときの前面枠セット施錠部材194の高さ位置が、第2解錠位置に相当する。
加えて、底壁部417の前後幅は、支持部421の前後幅よりも若干大きく構成されている。そして、前面枠セット14が若干(所定角度)開き、前面枠セット14と内枠12とが離間した状態において、支持部421が係止凹部416に嵌り込むことで、前面枠セット14の開方向及び閉方向への移動が規制されることとなる。本実施形態では、内枠12に対して、前面枠セット14が例えば7度〜9度の範囲内で開いている状態において、支持部421が係止凹部416において係止可能に構成されている。
また、案内辺部414は、係止凹部416によって、係止凹部416よりも前面枠セット鉤部14aの先端部側に位置する開放側案内部425と、係止凹部416よりも前面枠セット鉤部14aの基端部側に位置する閉鎖側案内部426とに分断されている。施錠位置にある前面枠セット施錠部材194の支持部421の先端部(係止孔194aの下縁部)の高さ位置は、開放側案内部425のうち鉤本体411の基端部側の端部よりも高く、かつ、開放側案内部425のうち鉤本体411の先端部側の端部よりも低くなっている(図17参照)。つまり、前面枠セット14を閉じる際には、まず、支持部421が開放側案内部425と接触することとなる。また、開放側案内部425及び閉鎖側案内部426は、それぞれ平坦面となっている。加えて、本実施形態では、開放側案内部425が閉鎖側案内部426の延長線上に延びるよう、つまり、両案内部425、426が同一直線上に位置するよう構成されている。換言すれば、基端側側壁部419が先端側側壁部418よりも長くなっており、開放側案内部425と先端側壁部418との境界部が、閉鎖側案内部426と基端側壁部419との境界部よりも若干下方に位置している。尚、本実施形態では、支持部421の先端部が基端側壁部419と閉鎖側案内部426との境界部と同じ高さ位置(若干下方)となったときに、支持部421が係止凹部416から閉鎖側案内部426側に移動可能となり、このときの前面枠セット施錠部材194の高さ位置が閉鎖側案内位置に相当する。また、支持部421の先端部が先端側壁部418と開放側案内部425との境界部と同じ高さ位置(若干下方)となったときに、支持部421が係止凹部416から開放側案内部425側に移動可能となり、このときの前面枠セット施錠部材194の高さ位置が開放側案内位置に相当する。
また、係止辺部415及び先端側壁部418と接触する支持部421の後面、及び、基端側壁部419と接触する支持部421の前面は、鉤本体411の延在方向(前面枠セット14の開閉方向)と略直交して延びている。つまり、先端側壁部418、基端側壁部419、支持部421の前面及び後面が互いに平行に延びている。本実施形態では、支持部421の後面が第1接触面に相当し、支持部421の前面が第2接触面に相当する。
加えて、上記のように、内枠12の前面側には、前面枠セット14の閉時に前面枠セット14が内側に嵌まり込むリブR1が設けられており(図2等参照)、本実施形態では、図22に示すように、少なくとも支持部421が係止凹部416に嵌り込んで係止された状態(支持部421が開放側案内部425よりも閉鎖側案内部426側に位置する場合)においては、前面枠セット14の周縁部がリブR1に覆われる構成となっている。
さらに、上記のように、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。本実施形態では、支持部421が閉鎖側案内部426よりも開放側案内部425側に位置した場合(支持部421が係止凹部416に係止された状態も含まれる)に、開放検知センサ22が前面枠セット14の開放を検知するとともに、かかる検知信号が後述するサブ制御装置262の入出力ポート554、及び外部中継端子板230に入力されることとなる(図21参照)。これにより、開放検知センサ22の検知情報に基づいて、前面枠セット14の前面に設けられたエラー表示ランプ106が点灯制御されたり、前面枠セット14が開放された旨の信号がホールコンピュータに出力されたりする。尚、支持部421が閉鎖側案内部426上に位置しているときには、開放検出センサ22による検知が行われないようになっている。
尚、下側の前面枠セット鉤部14b、前面枠セット施錠部材195についても、前面枠セット鉤部14a、前面枠セット施錠部材194と同様の構成を具備している。また、本実施形態では、前面枠セット鉤部14a,14b及び前面枠セット施錠部材194,195が、第1係止手段及び第2係止手段を構成する。さらに、前面枠セット鉤部14a,14bが鉤部材に相当し、前面枠セット施錠部材194,195が受部材に相当する。
次に、前面枠セット14を閉じるときの前面枠セット鉤部14a及び前面枠セット施錠部材194の動きについて、図17〜図20を参照しつつ説明する。
図17に示すような開状態にある前面枠セット14を、同図矢印方向に向けて閉じていくことで、前面枠セット鉤部14aの先端部(爪部412)が、内枠12の連通孔90及び取付板187の挿入孔189を介して係止孔194aに挿通される。
このとき、図17の二点鎖線で示すように、まず、案内辺部414のうち開放側案内部425が、施錠位置にある前面枠セット施錠部材194の支持部421の先端部(係止孔194aの下端縁)と接触する。さらに、前面枠セット14を閉じていくことで、図18に示すように、施錠位置と解錠位置との間で移動可能に設けられた前面枠セット施錠部材194が、支持部421の先端部において摺接する案内辺部414に押され、コイルばねC2の引張力に抗して下方の解錠位置に向けて移動することとなる。
さて、本実施形態では、開放側案内部425と閉鎖側案内部426との間に係止凹部416が形成されている。このため、シリンダ錠196の回動操作を行うことなく前面枠セット14を閉めていくと、図20に示すように、支持部421がコイルばねC2の引張力によって係止凹部416内に嵌り込み、該係止凹部416に係止されることとなる。これにより、前面枠セット14を開方向に移動させようとしても、支持部421の後面が係止凹部416の先端側壁部418と接触してその移動が規制され、前面枠セット14を閉方向に移動させようとしても、支持部421の前面が係止凹部416の基端側壁部419と接触してその移動が規制されることとなる。つまり、これ以降における前面枠セット14の開閉が事実上困難となる。
一方、シリンダ錠196の回動操作を行いつつ(施錠状態を解除するために鍵穴に挿入して回動させた鍵の回動位置を保持したまま)、前面枠セット14を閉めていく場合には、前面枠セット施錠部材194が下がっている(解錠位置とされている)ので、支持部421が係止凹部416に係止されることなく、図19に示すように、爪部412が係止孔194aに完全に挿通され、かつ、前面枠セット14(補強版132等)と内枠12とが略当接状態とされるまで前面枠セット14を押し込むことができる。そして、シリンダ錠196(シリンダ錠196の鍵穴に挿入され回動された鍵)から手を放すと、コイルばねC2の引張力によって、前面枠セット施錠部材194が上方に移動して施錠位置に戻り、係止辺部415が支持部421の後面に係止される。以上のようにして、前面枠セット施錠部材194と前面枠セット鉤部14aとが係合状態とされ、閉状態における前面枠セット14が施錠される。尚、シリンダ錠196の鍵穴に挿入されて回動された鍵から手を放すと、付勢力によって鍵が回動前の基準位置に戻されるようになっている。
また、前面枠セット14を開放する際には、先ず、シリンダ錠196の回動操作を行って係止辺部415と支持部421との係止状態を解除してから、支持部421を閉鎖側案内部426側に位置させるようにして前面枠セット14を引っ張っていく。このとき、支持部421が係止凹部416よりも開放側案内部425側に位置する前にシリンダ錠196から手を放した場合には、コイルばねC2の引張力によって支持部421が係止凹部416内に嵌り込んで係止されることとなる。
一方、シリンダ錠196の回動操作を行いつつ前面枠セット14を引っ張ることで、支持部421が係止凹部416に係止されることなく、前面枠セット14を大きく開放させることができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前面枠セット鉤部14aに係止凹部416が形成されている。そして、シリンダ錠196の回動操作を行わずに開状態にある前面枠セット14を閉方向に移動させると、前面枠セット14が閉状態とされる前に、支持部421が係止凹部416に嵌り込んで係止されることとなる。また、シリンダ錠196が回動操作された状態を保持せずに前面枠セット14を開方向に移動させる場合においても、支持部421が係止凹部416に嵌り込んで係止されることとなる。このように支持部421が係止凹部416に係止された場合、シリンダ錠196の回動操作を行わなければ、前面枠セット14をそれ以上開放させることができないし、閉め切ることもできない。つまり、前面枠セット14が開いた状態で保持されることとなる。従って、例えば、不正行為者が前面枠セット14を不正に開放した後に該前面枠セット14を閉めようとしても、前面枠セット14が開いた状態で保持されることとなるため、パチンコ機10等が設置されたホールに配置される店員等が、前面枠セット14が不正開放されたことを発見しやすくなる。結果として、前面枠セット14の不正開放、ひいては、前面枠セット14と内枠12との間の隙間から針金等を侵入させ、遊技盤30面上の釘調整を不正に行ったり、各種入賞口を強制的に開放させたりするといった不正行為を抑制することができる。
また、前面枠セット14が開いた状態において保持されたことに気付いた不正行為者が、前面枠セット14を閉状態とするためには、支持部421と係止凹部416との係止状態を解除しなければならず、すぐに閉め切ることができない。このため、前面枠セット14が不正に開放されたことを発見しやすいといった効果が確実に奏される上、さらに、不正行為者に対して、上記解除作業を行わなければならないと認知させることで心理的な作用が働き、前面枠セット14の不正開放の抑制に繋がる。
加えて、本実施形態では、基端側壁部419が先端側壁部418よりも長く、基端側壁部419と閉鎖側案内部426との境界部が、先端側壁部418と開放側案内部425との境界部よりも下方に位置している。従って、前面枠セット14を閉じようとした場合、コイルばねC2の引張力によって上方の施錠位置側に付勢される前面枠セット施錠部材194の支持部421が開放側案内部425から閉鎖側案内部側426へと相対移動するときに、該支持部421が基端側側壁部419と必ず接触して係止凹部416に嵌り込むこととなる。これにより、前面枠セット14を閉状態とする場合にシリンダ錠196の回動操作が必要となるため、不正行為者が、係止凹部416よりも開放側案内部425側に支持部421が位置するように前面枠セット14を不正開放できたとしても、その後すぐに前面枠セット14を閉め切ることができない。結果として、上記作用効果がより確実に奏される。
さらに、係止凹部416が、係止辺部415を有する前面枠セット鉤部14aに一体形成されている。このため、例えば、係止辺部415と係止凹部416とが別々の前面枠セット鉤部に形成され、当該各前面枠セット鉤部がそれぞれ個別に対応する前面枠セット施錠部材と係合するような構成に比べ、部品点数の増加を防止することができる。従って、製造効率の低下やコストの増加等を抑制することができる。
また、例えば、基端側壁部419が底壁部417側から先端側に向けて鉤本体411の基端部側(前方、図17では左側)に傾斜して延びている場合、又は、支持部421の前面が支持部421の先端側に向けて基端側壁部419から離れる側(後方、図17では右側)に傾斜している場合には、支持部421と基端側壁部419とが圧接された際に、基端側壁部419又は支持部421の前面に案内されるようにして、支持部421が係止凹部416から抜け出る方向に相対移動してしまうおそれがある。
さらに、先端側壁部418が底壁部417側から先端側に向けて鉤本体の先端部側(後方、図17では右側)に傾斜して延びている場合、又は、支持部421の後面が支持部421の先端側に向けて先端側壁部418から離れる方向(前方、図17では左側)に傾斜している場合には、支持部421と先端側壁部418とが圧接された際に、先端側壁部418又は支持部421の後面に案内されるようにして、支持部421が係止凹部416から抜け出る方向に相対移動してしまうおそれがある。
この点、本実施形態によれば、係止凹部416の先端側壁部418、基端側壁部419、支持部421の前面及び後面が、鉤本体411の長手方向(前面枠セット14の開閉方向)と直交する方向に延びている。このため、上記不具合を防止することができ、支持部421の係止凹部416への係止状態の安定化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、先端側壁部418、基端側壁部419、支持部421の前面及び後面が平行して延びている。このため、例えば、先端側壁部418と支持部421の後面との傾斜角度が異なる場合や、基端側壁部419と支持部421の前面との傾斜角度が異なる場合に比べ、先端側壁部418支持部421との接触面積、及び、基端側壁部419と支持部421との接触面積を極力大きくすることができる。従って、支持部421と先端側壁部418又は基端側壁部419とが接触した際に、先端側壁部418又は基端側壁部419(の角部)や支持部421(の角部)が損傷してしまうといったおそれを抑制することができ、両側壁部418,419及び支持部421の耐久性の低下を抑止することができる。
また、内枠12の前面側には、前面枠セット14の閉時に前面枠セット14が内側に嵌まり込むリブR1が設けられており、少なくとも支持部421が係止凹部416に係止された状態においては、前面枠セット14の背面側周縁部がリブR1に覆われている。つまり、支持部421が係止凹部416に係止されることなく前面枠セット14を閉状態に戻せるといった状態や、支持部421が係止凹部416に係止された状態では、前面枠セット14と内枠12との間の隙間から針金等を侵入させることが困難又は不可能となる。従って、前面枠セット14を開放させての不正行為を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、支持部421が係止凹部416に係止された状態において、開放検知センサ22が前面枠セット14の開放を検知する構成となっており、さらに、開放検知センサ22の検知情報に基づいて、前面枠セット14の前面に設けられたエラー表示ランプ106が点灯制御されるとともに、前面枠セット14が開放された旨の信号がホールコンピュータに出力される構成となっている。従って、前面枠セット14の不正開放を発見しやすくなるといった効果が一層奏される。さらに、支持部421が係止凹部416に係止された状態においては、すぐに前面枠セット14を閉状態とすることができないため、ホールコンピュータによる監視等によって、パチンコ機10の設置された場所から離れた場所で前面枠セット14の不正開放を確認してから、不正が行われたパチンコ機10の設置場所に駆けつけるまでに多少の時間が掛かる場合であっても、前面枠セット14が不正に開放されている現場を押さえられる可能性が高まり、上記作用効果が相乗的に奏される。
加えて、支持部421が閉鎖側案内部426上に位置しているときには、開放検出センサ22による検知が行われないようになっている。上記のように、本実施形態では、リブR1の存在により前面枠セット14がごく僅かしか開いていないときには不正行為が非常に困難又は不可能であるため、支持部421が閉鎖側案内部426上に位置するときには前面枠セット14の開放を検知しなくても特に支障が生じない。このような構成を採用することで、開放検知センサ22の検知精度をそれほど高める必要がなく、構成の簡素化やコストの削減等を図ることができる。
また、例えば、閉鎖側案内部426及び開放側案内部425のうち係止凹部416周縁部位の角度をそれ以外の部位と変えたり、開放側案内部425や閉鎖側案内部426の係止凹部416側の端部をR加工したりする場合、支持部421と案内辺部414との摺動具合の変化により、不正行為者にもうすぐ支持部421が係止凹部416に嵌り込むと事前に認知されてしまうことが懸念される。これに対し、本実施形態では、開放側案内部425及び閉鎖側案内部426が平坦面となっているため、上記不具合を回避することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を図7に基づいて説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合において、主基板とサブ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
なお、第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で工具等を用いずとも着脱できるよう構成されており、さらに、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。
図8は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態における構成を示す背面図である。同図に示すように、遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図5参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33(それぞれ図5参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30よりも下方の内枠12には、樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内する排出通路218が形成されている。従って、図8に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図5参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図21は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)にはCPU501が搭載されている。CPU501には、各種の制御プログラム等を記憶したROM502と、制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
CPU501には、バスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、RAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、その他図示しないスイッチ等が接続されている。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、CPU551、各種の制御プログラム等を記憶したROM552、制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、各種電飾部及びランプ102〜106等が接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、制御プログラム等を記憶したROM512とバックアップエリア513aが設けられたRAM513とを備えている。CPU511には、バスライン514を介して入出力ポート515が接続され、入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358a等が接続されている。
発射制御装置312は、発射装置72による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の出力ポート556が接続され、入力ポート527には、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には装飾図柄表示装置42が接続されている。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
以上、本発明は、上記実施の形態には何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の形態で実施できることは言うまでもない。
(a)上記実施形態では、開放側案内部425が閉鎖側案内部426の延長線上に延びるよう構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。
例えば、図26に示すように、開放側案内部425と先端側壁部418との境界部上の点と、該境界部以外の開放側案内部425上の点とを通る直線(開放側案内部425の延長線)が、基端側壁部419と交わるよう構成してもよい。この場合、前面枠セット14の開閉方向と直交する方向(鉛直方向)において、閉鎖側案内部426と基端側壁部419との境界部と、開放側案内部425と先端側壁部418との境界部とが大きく離間することとなる。この場合、シリンダ錠196の回動操作を行いつつ前面枠セット14を閉じていかなければ、支持部421が基端側壁部426とより大きな面積で接触し、確実に係止凹部416に嵌り込むこととなる。従って、不正行為者が前面枠セット14を開放できたとしても直ぐには閉鎖できなくなり、前面枠セット14が不正に開放されている現場を発見しやすくなるといった効果がより確実に奏される。
一方、前面枠セット14を開放するときは、支持部421が係止凹部416に嵌り込みにくくなる。このため、前面枠セット14を比較的素早く移動させることで、前面枠セット鉤部14a,14bと前面枠セット施錠部材194,195とが離間するまでシリンダ錠196が回動操作された状態を保持していなくても、支持部421が係止凹部416に係止される前に、該支持部421を閉鎖側案内部426側から開放側案内部426へと相対移動させることができる。この場合、前面枠セット14を開放するときの作業性の向上が図られる。もちろん、前面枠セット14を比較的ゆっくりと開放させる場合には、支持部421が係止凹部416に係止されることとなる。
尚、上記実施形態の構成を採用する場合であっても、前面枠セット14を開放する際に前面枠セット14を勢いよく引っ張ると、シリンダ錠196が回動操作された状態を保持していなくても、支持部421が係止凹部416に係止されることなく、前面枠セット14を開放させることが可能である。但し、支持部421が係止凹部416を跳び越す際に、支持部421と先端側壁部418とが接触して損傷してしまったり、衝突音が発生してしまったりするおそれがあるため、上記実施形態においては、シリンダ錠196の回動操作を行いつつ前面枠セット14を開くことが望ましい。
また、先端側側壁部418と基端側側壁部419とをほぼ同じ長さとし、閉鎖側案内部426と基端側壁部419との境界部と、開放側案内部425と先端側壁部418との境界部とをほぼ同じ高さ位置とすることも可能である。
(b)また、図27に示すように、先端側側壁部418を基端側側壁部419よりも長く構成し、開放側案内部425と先端側壁部418との境界部を、閉鎖側案内部426と基端側壁部419との境界部よりも下方に位置させてもよい。この場合、前面枠セット14を開けようとした場合、支持部421が閉鎖側案内部426から開放側案内部425側へと相対移動するときに、該支持部421が先端側壁部418と接触してその移動が規制されることとなる。つまり、支持部421が係止凹部416を跳び越すことができずに係止凹部416に嵌り込むこととなる。従って、不正行為者によって前面枠セット14が比較的大きく開放されてしまうといったおそれを抑制することができるとともに、前面枠セット14が不正に開放されたことを発見しやすくなるといった効果が確実に奏される。
一方、前面枠セット14を閉じる際には、支持部421が開放側案内部425から閉鎖側案内部426に向けて相対移動するときに係止凹部416に落ち込みにくく(嵌りにくく)なっている。このため、前面枠セット14を素早く移動させることで、支持部421が係止凹部416に係止される前に、該支持部421を開放側案内部側425から閉鎖側案内部426へと相対移動させることができる。この場合、前面枠セット14を閉じるときのシリンダ錠196の回動操作を省略することができ、作業性の向上が図られる。もちろん、比較的ゆっくりと前面枠セット14を閉めようとした場合には、支持部421が係止凹部416に嵌り込んで係止されることとなる。
(c)また、上記実施形態では、係止凹部416の先端側壁部418、基端側壁部419が底壁部417と直交する方向、すなわち鉤本体411の延在方向と直交する方向に延びているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、先端側壁部418を底壁部417側の端部から先端部に向けて(パチンコ機10の)前方に傾斜させてもよいし、基端側壁部419を底壁部417側の端部から先端部に向けて(パチンコ機10の)後方に傾斜させてもよい。但し、先端側壁部418が後方に傾斜していたり、基端側壁部419が前方に傾斜していたりする場合には、支持部421が先端側壁部418や基端側壁部419と圧接した際に、該支持部421が係止凹部416から抜け出る方向に相対移動してしまうおそれがあるため、このような傾斜角度には設定しない方が望ましい。
さらに、支持部421の前面及び後面の傾斜角度についても特に限定されるものではなく、例えば、支持部421の前面を支持部421の先端部(係止孔194a)に向けて前方に傾斜させてもよいし、支持部421の後面を支持部421の先端部に向けて後方に傾斜させてもよい。
もちろん、先端側壁部418又は基端側壁部419(支持部421の前面又は後面)のどちらか一方が鉤本体411の延在方向と直交して延びているからといって、他方も鉤本体411の延在方向と直交して延びるよう構成しなければいけないというわけではなく、各側壁部(面)毎に傾斜角度を設定することができる。但し、接触面積が小さくなることに起因する耐久性の低下を抑止するべく、先端側壁部418と支持部421の後面との傾斜角度が同じ(平行して延びている)で、かつ、基端側壁部419と支持部421の前面との傾斜角度が同じであることが望ましい。
また、先端側壁部418が、底壁部417側の端部から先端部側に向けて前方に傾斜している場合、又は、基端側壁部419が、底壁部417側の端部から先端部側に向けて後方に傾斜している場合には、先端側壁部418や基端側壁部419の角部が先細り形状となって同角部の剛性が低下してしまうことが懸念される。このため、先端側壁部418及び基端側壁部419は、上記実施形態のように前面枠セット14の開閉方向と略直交して延びることが望ましい。
(d)図23に示すように、上記実施形態において、内枠12のリブR1の内側に沿って溝部491を形成するとともに、前面枠セット14の後面周縁部に対し、該前面枠セット14の閉状態において、前記溝部491に嵌り込む突条部R2を突設してもよい。さらに、少なくとも支持部421が係止凹部416に係止された状態においては、突条部R2によって溝部491(内枠12の周囲)が覆われていることとしてもよい。この場合、支持部421が係止凹部416よりも閉鎖側案内部426側に位置するといった前面枠セット14を閉状態に戻せる状態や、支持部421が係止凹部416に係止された状態において、内枠12と前面枠セット14との間の隙間から針金等を侵入させることがより困難又は不可能となる。従って、前面枠セット14を開放させての不正行為をより確実に抑制することができる。尚、リブR1を省略することとしてもよい。
(e)また、上記実施形態のリブR1に代えて、図24に示すように、前面枠セット14の後面側周縁部に対して、後方に向けて突出する突条部R3を設けるとともに、内枠12の前面側周縁部に対して、前面枠セット14の閉状態において、前記突条部R3が外側に嵌り込む段差部492を形成し、少なくとも支持部421が係止凹部416に係止された状態においては、突条部R3によって段差部492が覆われる構成を採用してもよい。この場合も、上記実施形態のリブR1を設ける場合と同様にして、前面枠セット14を開放させての不正行為を抑制するといった作用効果が奏される。
尚、内枠12前側の右縁部にのみリブR1を設けるとともに、上下縁部に段差部492を形成し、前面枠セット14後側の上下縁部に突条部R3を設け、少なくとも支持部421が係止凹部416に係止された状態においては、突条部R3によって段差部492が覆われるとともに、リブR1によって前面枠セット14の周縁部のうち突条部R3が設けられていない部位が覆われることとしてもよい。
また、段差部492は内枠12を凹ませて該内枠12と一体形成されるものに限定されず、図25に示すように、内枠12の前側外周形状を外枠11の外周形状よりも1回り小さく構成し、内枠12の外周と外枠11の前側の辺部とで、前面枠セット14の突条部R3が外側に嵌る段差部493を構成してもよい。
(f)上記実施形態では、内枠12に施錠装置G1が設けられているが、前面枠セット14に施錠装置G1を設けてもよい。また、上記実施形態では、前面枠セット14に爪部412を具備する鉤部材(前面枠セット鉤部14a)が設けられ、施錠装置G1に爪部412と係合する受部材(前面枠セット施錠部材194)が設けられているが、前面枠セット14に受部材を設け、施錠装置G1に鉤部材を設けてもよい。この場合、鉤部材が施錠位置と解錠位置との間で移動することとなる。
(g)さらに、上記実施形態では、係止凹部416が鉤部材(前面枠セット鉤部14a)側に形成されているが、受部材(前面枠セット施錠部材194)側に設けることとしてもよい。例えば、図28に示すように、支持部421の先端部において、後方に向けて上方に傾斜しつつ延びる案内辺部471を形成するとともに、案内辺部471の中間位置に下方に凹むようにして略長方形状をなす係止凹部472を形成する。また、爪部412を略長方形状に構成し、鉤本体411の延在方向に対して直交するように突出させる。さらに、前面枠セット14を閉じる際に、先ず、爪部412が案内辺部471のうち係止凹部472よりも前側に位置する部位と接触するよう構成する。この場合、シリンダ錠196の回動操作を行わずに前面枠セット14を閉めた場合には、爪部412が係止凹部472に嵌り込んで係止される。また、シリンダ錠196の回動操作を行いつつ前面枠セット14を閉めた場合には、爪部412が係止凹部472に係止されることなく、前面枠セット14を閉状態とすることができ、爪部412を支持部421の後面に係止させることができる。従って、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。尚、前面枠セット鉤部材194の軽量化を図るべく、案内辺部471が形成される部位のみを肉厚に構成することとしてもよい。
(h)また、係止辺部415を具備する鉤部材(前面枠セット鉤部14a)とは別に、係止凹部416を具備する鉤部材を設け、係止辺部415を具備する鉤部材と係合する受部材(前面枠セット施錠部材194)と、係止凹部416を具備する鉤部材と係合する受部材とを設けてもよい。この場合においても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。但し、部品点数の増加を抑制するという観点からは、上記実施形態のように、係止辺部415を具備する鉤部材(前面枠セット鉤部14a)に係止凹部416を形成することが望ましい。尚、当該(h)の構成を採用する場合、係止辺部415を具備する鉤部材によって、係止凹部を具備する鉤部材とこれに対応する受部材との係合が阻害されないよう構成することとする。
(i)加えて、内枠12の施錠機構についても、前面枠セットの施錠機構と同様の構成を具備することとしてもよい。つまり、内枠鉤部材192,193の爪部を構成する傾斜辺部の中間位置に、上方に凹む係止凹部を形成してもよい。
(j)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等として実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当り図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、羽根モノと称されるパチンコ機に適用することも可能である。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機や、それに類する雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。ただし、これらの遊技機には、液晶表示装置やドットマトリクス表示装置等の可変表示装置が搭載されているものとする。
(k)パチンコ機以外の遊技機として、可変表示装置としての補助表示装置(液晶表示装置、ドットマトリクス表示装置)を備える回胴式遊技機としてのスロットマシンとしても、もちろん実施可能である。なお、スロットマシンは、複数の図柄が付された回転体を備えており、例えばコインを投入して、図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動し、停止ボタンを操作することで図柄が停止される周知のものである。この場合、補助表示装置は、回転体の回転に伴って各種演出態様を表示する。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機として実施してもよい。具体例としては、複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その際になされる抽選結果により、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が払い出されるものである。
10…遊技機としてのパチンコ機、11…外枠、12…遊技機本体としての内枠、14…前面扉としての前面枠セット、14a,14b…第1係止手段、第2係止手段、鉤部材を構成する前面枠セット鉤部、22…開放検出手段としての開放検知センサ、30…遊技盤、90,91…挿通孔、186…基枠、187…取付板、189,190…挿通孔、194,195…第1係止手段、第2係止手段、受部材を構成する前面枠セット施錠部材、194a,195a…係止孔、196…シリンダ錠、411…鉤本体、412…爪部、414…案内辺部、415…係止辺部、416…係止凹部、418…先端側壁部、419…基端側壁部、421…支持部、425…開放側案内部、426…閉鎖側案内部、G1…施錠手段を構成する施錠装置。