JP2007317770A - 気相成長装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜品質に大きく寄与する気相反応をより広範囲にわたりより均一な条件にすることにより成膜品質が向上する装置を提供する。
【解決手段】仕切り板によって成膜原料成分を含有する複数の原料ガスおよび不活性ガスを、それぞれ分離して反応管に導入し、反応管内部に設置した被処理基板付近で混合させ、混合させた原料ガスを加熱することによって化学反応させながら、被処理基板の成膜される面に沿う方向に流すことで、成膜原料成分を被処理基板上に成長させる横型の気相成長装置において、被処理基板側の前記仕切り板の終端部には、仕切り板で隔てられた両領域の原料ガスを混合させるための貫通口を一つないしは複数配置した気相成長装置に関する。貫通口を備える仕切り板は、反応管に1つないしは2つ以上配置されており、貫通口を備える仕切り板の終端は、被処理基板よりも上流側に位置することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、気相成長による成膜品質を向上させることが可能な気相成長装置に関する。
発光ダイオード(LED)、半導体レーザなどの半導体デバイスの製造方法として、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)等のIII族有機金属ガス、アンモニア(NH3)、ホスフィン、アルシン、シラン等の水素化合物とを原料として化合物半導体薄膜を形成する有機金属化学気相蒸着法(MetalOrganic Chemical Vapor Deposition:略称MOCVD法)が利用されている。MOCVD法は、前述の原料を反応炉内に導入して混合し、被処理基板上で熱化学反応させることによって被処理基板上に薄膜を形成するものである。MOCVD法を用いる薄膜成長装置の1つとして、横型MOCVD装置がある。横型MOCVD装置は、原料ガスを流す反応管内に載置される被処理基板に対し、水平方向に原料を導入して被処理基板上で反応・成膜させるものである。したがって、原料ガスの流れが、被処理基板の成膜される面に沿った層流状になるので、横型MOCVD装置は一般的に広く用いられている(特許文献1参照)。
図10は、従来の典型的な横型MOCVD装置の反応炉まわりの構成を説明する断面図である。従来の横型MOCVD装置1では、反応炉2内に筒状の反応管3が設けられる。反応管3は、一端部が反応炉2外に臨んで開口し、成膜原料成分を含有する原料ガスを反応管3内に導入するガス導入口4、5を構成し、また他端部が反応炉2外に臨んで開口し、成膜原料成分を含有する原料ガスを反応管3外に排出するガス排出口6を構成する。反応管3の長手方向の略中央部には被処理基板7を載置するサセプタ8が設けられる。
また、サセプタ8の下部には、被処理基板7を加熱するためのヒータ9が設けられる。被処理基板7の表面に成膜するに際しては、原料ガスをガス導入口4、5から矢符10に示す方向に反応管3内へ導入し、サセプタ8の下部に設けられるヒータ9によって被処理基板7を加熱し、成膜化学反応を促進して被処理基板7上に薄膜形成を行なう。薄膜形成に使用され、被処理基板7上を通過した原料ガスはガス排出口6から矢符10方向に排出される。また薄膜の均一性を高めるために、基板回転機構11が設置され、基板を回転させながら薄膜形成が行われる。
このような従来の横型MOCVD装置1においては、前述のように成膜時に反応管3内に導入された原料ガスが、被処理基板7の周辺において、ヒータ9によって加熱された被処理基板7およびサセプタ8によって間接的に昇温され、気相において熱化学反応が促進することによって被処理基板7上に薄膜が形成される。成膜品質向上にはこの原料ガスの気相中での熱化学反応すなわち気相反応の制御が重要となるが、気相反応は原料ガスの組み合わせによって異なり、成膜品質向上のためには抑制しなければならないものもある。たとえばTMG、NH3の2種の原料ガスからGaN膜を成膜する場合、混合された状態で流れる時間を短くするために、基板近傍まではTMGとNH3は混合しないでガス導入口4、5よりそれぞれ別々に供給して事前に起こる反応を抑制する方式などが提案されている(特許文献2)。
また、これらの横型MOCVD装置の概念を踏襲したまま量産性を向上させるためには例えば基板を複数枚並べる、あるいはより大径の被処理基板を用いる方法が提案されている。
このように成膜品質向上のためには、気相および被処理基板表面での化学反応をいかに制御するか、つまり化学反応を支配する材料の濃度・温度・反応時間をいかに制御するかが課題となり、こうした場所・時間によって変化する現象が起こる中で所望の被処理基板全域にわたり高品質かつ均一な成膜を実現しなければならない。
しかしながら、前述の特許文献2のように2つの原料ガスを分離供給すると、混合から被処理基板に運ばれるまでの反応時間を短くすることができるが、一度混合され始めると、下流へ向かうほど、ガスは加熱され反応は進行してしまうため、流れ方向に均一な成膜は得られない。これは例えば2インチの被処理基板一枚の面内でも均一な結果を得ることは難しく、さらに一度に複数枚の基板を処理できる量産型の横型MOCVD装置ではより一層深刻な問題となる。
ここで、図11を用いて従来の気相成長装置における原料ガスの流れを説明する。仕切り板25で隔てられた上の領域からはTMAなどの有機金属原料、下の領域からはNH3が導入される場合を例にする。まず、NH3と接触していないTMAの未反応状態51は、NH3と混合され反応が始まり反応初期状態52となる。そして加熱されるとともに成長に最適な最適反応状態53となるが、さらに加熱され反応が進行すると、結晶成長に寄与できない過反応状態54へと遷移していく。図11の例では被処理基板の下流側では気相反応が進行しすぎた過反応状態54が被処理基板26に接触することになるため、所望の混晶膜を得ることはできない。
この図11のように例えばTMAなどは結晶成長に最適な最適反応状態53は流れ方向に非常に短く、被処理基板26全域で高品質結晶成長を実現するのは困難である。これを回避するために一般的に流速を上げて成長されているが、常圧成長では現実的な流量で十分な流速を得るのは難しく、また、減圧成長において流速を下げると結晶性が悪くなるなど根本的な解決には至っていない。
また例えばAlGaN膜などの3種以上の元素の混晶膜を成長させるため、3種以上の原料ガスを用いる場合に、Al原料として例えばTMAを、Ga原料として例えばTMGを全く同じように供給したとしたら、個々の拡散速度や反応性の差のために被処理基板など被処理領域の上流側と下流側で均一な組成比を得ることは非常に困難である。例えばTMAのように気相反応の激しい原料ガスは、上流側で反応が進行しすぎて、下流側では全く膜として成長しない場合も見られる。
こういった問題を回避しつつ量産性を確保するために、横型MOCVD装置ではなく例えば特許文献3のように被処理基板を円形に並べて円の中心から原料ガスを導入し、放射状に供給する手法も多く研究されている。しかし、この手法では、被処理基板付近での流速を確保するためには円の中心で相当な流速を稼ぐ必要が出てくるため、常圧条件では必要流量を安定的に流すことは困難である。また原料ガスは放射状に流れるため、流路断面積が半径に比例して大きくなる、つまり流速が半径に反比例して小さくなっていくため、流れ方向に均一な膜を成長させるのは難しい。
特開2001−185488号公報 特開平8−139034号公報 特開2001−220288号公報
以上の理由から、これまで提案されている手法では、被処理基板全面にわたり、あるいは広範囲で気相反応を効率よく制御することは難しい。本発明の目的は、成膜品質に大きく寄与する気相反応をより広範囲にわたりより均一な条件にすることにより成膜品質が向上する装置を提供することにある。
本発明は、仕切り板によって成膜原料成分を含有する複数の原料ガスおよび不活性ガスを、それぞれ分離して反応管に導入し、反応管内部に設置した被処理基板付近で混合させ、混合させた原料ガスを加熱することによって化学反応させながら、被処理基板の成膜される面に沿う方向に流すことで、成膜原料成分を被処理基板上に成長させる横型の気相成長装置において、被処理基板側の前記仕切り板の終端部には、仕切り板で隔てられた両領域の原料ガスを混合させるための貫通口を一つないしは複数配置したことを特徴とする気相成長装置に関する。本発明の気相成長装置において、貫通口を備える仕切り板は、反応管に1つないしは2つ以上配置されていることが好ましい。
また、本発明の気相成長装置において、貫通口を備える仕切り板の終端は、被処理基板よりも上流側に位置することが好ましく、また、前記貫通口の開始位置から仕切り板の終端までの距離は、被処理基板の上流端から下流端までの距離以下であることが好ましい。
また、本発明の気相成長装置は、仕切り板で隔てられたガス導入口から被処理基板に隣接する側から窒素分子を含む原料ガス、III族元素からなる有機金属化合物を含む原料ガスを導入させることでIII族窒化物半導体を製造することが好ましい。
また、本発明の気相成長装置は、仕切り板で隔てられたガス導入口から被処理基板に隣接する側から窒素分子を含む原料ガス、III族元素からなる有機金属化合物を含む原料ガス、さらに気相反応の激しいIII族元素からなる有機金属化合物を含む原料ガスを供給して、3元系のIII族窒化物半導体を製造することが好ましい。
また、本発明の気相成長装置は、不活性ガスは、被処理基板に最も離れたガス導入口から導入することが好ましい。
本発明の気相成長装置は、反応前の原料ガスを複数の仕切り板によりいくつかに分離して反応管に導入し、被処理基板付近で仕切り板に備える貫通口から徐々に拡散させることで段階的に混合させることにより被処理基板への成膜品質を向上することができる。また、成膜可能面積の大型化も達成できる。
<気相成長装置の基本形態>
図1は、本発明の気相成長装置の構成を簡略化して示す側面から見た断面図である。以下、図1に基づいて本発明の気相成長装置の基本的な形態について説明する。気相成長装置21は、大略、反応炉22と、例えば石英などからなる反応管23と、被処理基板26を載置するサセプタ33と、サセプタ33を保持、基板回転機構31と、サセプタ33を加熱するためのRFコイル32を備える。気相成長に用いられる原料ガスは、ガス導入口35A、35B、35Cより、不活性ガスは不活性ガス導入口34より、それぞれ反応管23内に供給される。それぞれのガス導入口は仕切り板25によって分離されており、隔てられた原料ガスどうしがガス導入口において混合されることはない。また、図1においては原料ガスのガス導入口は3つ示されているが、該ガス導入口は2つ以上であれば差し支えなく、数は特に限定されない。異種の原料ガスどうしを隔てる仕切り板25には、終端部に貫通口28が1つないし複数配置されている。不活性ガスと原料ガスを隔てる仕切り板25には、該貫通口28が形成される必要はない。
加熱されたサセプタ33およびその周辺の反応管23や被処理基板26などにより原料ガスは温められ、気相反応を経て、被処理基板26に成膜される。成膜に使用されなかった原料ガス、および不活性ガスはガス排出口38より排出される。
この気相成長装置21としては、たとえば半導体基板に薄膜形成処理を施すことに用いられる半導体処理装置などとして利用が可能である。また図1ではRFコイル32によってサセプタは誘導加熱される例を示しているが、抵抗加熱ヒータなどをサセプタ33の下や周辺に配置してサセプタ33および被処理基板26を加熱することも可能であり、加熱手段は特に限定されない。また、基板回転機構31は、備えることが好ましい。
反応炉22は、直方体形状を有する筐体であり、たとえば金属製の殻体に耐火物等が内張りされて形成される。反応炉22の図中左右方向の両端において対向する側面部には、互いに対向する位置に反応管23が装着される。反応管23は、円筒あるいは略角筒形状を有し、耐熱性を有する材料、例えば石英、ボロンナイトライドやシリコンカーバイドといったセラミック、モリブデンなどの金属などが使用される。サセプタ33は基板回転機構31を備える場合、略円形状を有するが、基板回転機構31を備えない場合、その限りではない。サセプタ33については、RFコイル32による誘導加熱方式を用いる場合、カーボンなどの誘電体が使用されるが、前記のように抵抗加熱方式を採用した場合、耐熱性を有する材料、例えば石英、ボロンナイトライドやシリコンカーバイドといったセラミック、モリブデンなどの金属なども使用される。反応管23の不活性ガス導入口34、原料ガスのガス導入口35A、35B、35Cへは、高圧ガスボンベ等のガス供給源、ガス供給源に接続される圧力/流量調整弁およびガス供給源と反応管23とに接続されるガス供給管路を含んで構成されるガス供給手段によって、原料ガスおよび不活性ガスが供給されるが、このガス供給手段については図示を省略する。
また貫通口28を備える仕切り板25は加熱された被処理基板26、サセプタ33等の熱が伝わることで加熱され原料ガス由来の不純物が付着することを避けるため、仕切り板終端は被処理基板よりも上流側に配置する。また図1の不活性ガス導入口34からは不活性ガスが導入されるが、これは基板に対向する反応管23に不純物が付着しにくくするために導入する。前記不純物が、反応管23、仕切り板25に付着しにくくすることで、原料ガスの流路の乱れ、不純物の原料ガスとの化学反応、付着した不純物の肥大化による落下などが起こり、気相成長に悪影響を与えることを避けることができる。
また、貫通口28の開始位置から仕切り板終端までの距離は、被処理基板設置長さよりも長くする必要は無い。貫通口28を形成する面積が大きすぎると、原料ガスが必要以上に拡散するため、原料ガスが不必要に消費されることを防ぐ必要があるからである。
<原料ガス>
原料ガスは、MOCVD法に一般的に用いられるガスであれば特に制限されないが、III族元素からなる有機金属化合物と窒素分子を含む原料ガスを用いることが好ましい。III族元素からなる有機金属化合物には、例えばトリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム、トリエチルアルミニウム、トリエチルガリウム、トリエチルインジウムなどが挙げられる。窒素分子を含む原料ガスには、例えばアンモニア(NH3)、トリメチルアミン、モノメチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン、ホスフィン、アルシン、シランが挙げられる。本発明の気相成長装置は、III族元素からなる有機金属化合物にはトリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)を、窒素分子を含む原料ガスには、アンモニア(NH3)を用いて、3元系の成膜を製造することに用いることが好ましい。
<気相成長装置>
以下、被処理基板26への成膜手順について図1に基づいて説明する。まず原料ガスは、ガス導入口35A、35B、35Cより反応管23内へ導入される。導入された原料ガスは、当初仕切り板25によって分離供給される。まずガス導入口35Bおよびガス導入口35Cより供給された原料ガスが仕切り板25の貫通口28から混合され始め、仕切り板25終端より完全に混合される。同様にガス導入口35Aより供給された原料ガスはさらに被処理基板に近い位置で貫通口28から随時混合が始まり、仕切り板25終端より完全に混合される。不活性ガス導入口34から導入されたガスは貫通口28の無い仕切り板25に分離されているため、仕切り板25の終端から混合されることになる。
RFコイル32により400〜1400℃に加熱されたサセプタ33、およびサセプタ33によって温められた反応管23を介して放射される輻射熱および、熱伝導により原料ガスは温められ、気相反応が進行しながら被処理基板26付近に到達し、表面反応を経て成膜される。なお、図1の不活性ガス導入口34からは不活性ガスが導入されるが、貫通口を備える仕切り板によって段階的に混合させる必要は無い。
ここで、図2に本発明の気相成長装置における原料ガスの流れを説明する詳細図を示す。また、窒素分子を含む原料ガスとしてNH3、有機金属化合物に例えばTMAを用いたこととする。このとき、図2において、貫通口28を備える仕切り板25で隔てた下の領域からはNH3を流速1〜200cm/secで、上の領域からはTMAを流速1〜200cm/secで導入するとする。まず、NH3と接触していないTMAの未反応状態51は、NH3と混合され反応が始まり、反応初期状態52となる。そして加熱されるとともに結晶成長に最適である最適反応状態53となるが、さらに時間を経て加熱されると気相反応が進行し結晶成長に寄与できない過反応状態54へと遷移していく。
図2では最も上流の貫通口から下方に拡散した原料ガスは、被処理基板の上流側では結晶成長に最適な最適反応状態53であるが、被処理基板26の下流側に到達するころには全て過反応状態54へと反応が進行してしまっている。しかし、これに対して、図3に示す本発明の気相成長装置における原料ガスの流れを説明する詳細図のように下流側、ここでは仕切り板25終端以降で混合されたガス原料は、被処理基板26の下流側でようやく結晶成長に最適な最適反応状態26となり、被処理基板26の下流側で成膜されることとなる。
つまり、仕切り板25の貫通口28によって混合に時間差を設けられているため、最も上流側の貫通口28から混合され気相反応が進行している原料ガスと仕切り板25の終端から初めて混合されて気相反応を始める原料ガスが存在し、最も上流から混合された原料ガスが下方向の被処理基板26に向かって拡散し被処理基板26の最も上流側で最適な気相反応を経た条件で成膜され、最も下流で混合された原料ガスが被処理基板の最も下流側で最適な条件で成膜される。
貫通口28を備える仕切り板25によって隔てられた原料ガスが、最適化学反応状態で被処理基板26の表面に到達するための距離、貫通口28の形態は、使用する原料ガスの種類、原料ガスの流速によっても変化するため、条件を変えて成長実験することで条件検討を行なう。
ここで、前述したように使用する原料ガスによって、例えばTMAとTMGでは最適な気相反応も拡散速度も異なるため、それぞれ分離した状態で仕切り板25の貫通口により時間差供給すると、AlGaNなどの混晶膜についても広範囲にわたり均一な成膜ができる。例えば、図1のガス導入口35Aからは気相反応の激しい物質例えばTMAを含むガスを、ガス導入口35Bからは気相反応の激しくない物質例えばTMGを含むガスを、ガス導入口35Cからは窒素分子を含む例えばNH3ガスを導入する。それぞれ仕切り板25によって分離供給されるが、仕切り板25に設けられた貫通口28に到達するとその貫通口28より拡散により段階的に混合され始める。原料ガスは段階的に混合されるため、最適な反応状態であるAlGaN混合物が、被処理基板26全面と接触することができるため、均一かつ高品質なAlGaNからなる混晶膜を形成することができる。
なお、前述した原料ガスの流れの説明は被処理基板1枚用のものであるが、複数枚同時成長用に関しても同様の効果が期待できる。
以上より、本発明の気相成長装置を用いることで原料ガスの混合のタイミングをずらすことにより、原料が最適な気相の状態にある領域を長く確保でき、被処理基板26全域にわたり高品質な結晶成長が可能となる。
<貫通口>
図4〜図9に仕切り板の貫通口の形状について示し、原料ガスの混合を段階的に行なう機構の実施形態の例を挙げる。まず、図4(a)は仕切り板の一形態の平面図を示し、図4(b)はIV−IV方向における仕切り板の断面図を示す。この仕切り板25は、貫通口28として複数の穴を空ける方式で、流れ・拡散を考慮して穴の直径は0.5〜5mmが望ましい。穴の直径が0.5mm未満の場合には、原料ガスの拡散が不十分となり、原料ガスどうしが混合されにくくなり、均一な膜が形成されにくい傾向がある。そして、5mm以上の場合には、原料ガスの拡散が被処理基板の上流で過剰に起こるため、段階的に原料ガスどうしが混合されにくくなり均一な膜が形成されにくい傾向がある。
図5(a)は仕切り板の一形態の平面図を示し、図5(b)はV−V方向における仕切り板の断面図を示す。この仕切り板25は、貫通口28として原料ガスの流れに垂直方向にスリットを空ける方式で、スリット幅は0.5〜5mmが望ましい。スリットの幅が0.5mm未満の場合には、原料ガスの拡散が不十分となり、原料ガスどうしが混合されにくくなり、均一な膜が形成されにくい傾向がある。そして、5mm以上の場合には、原料ガスの拡散が被処理基板の上流で過剰に起こるため、段階的に原料ガスどうしが混合されにくくなり均一な膜が形成されにくい傾向がある。
図6(a)は仕切り板の一形態の平面図を示し、図6(b)はVI−VI方向における仕切り板の断面図を示す。この仕切り板25は、貫通口28として流れ方向に平行にスリットを空ける方式で、スリット幅は0.5〜5mmが望ましい。スリットの幅が0.5mm未満の場合には、原料ガスの拡散が不十分となり、原料ガスどうしが混合されにくくなり、均一な膜が形成されにくい傾向がある。そして、5mm以上の場合には、原料ガスの拡散が被処理基板の上流で過剰に起こるため、段階的に原料ガスどうしが混合されにくくなり均一な膜が形成されにくい傾向がある。
図7は仕切り板の一形態の断面図を示し、仕切り板25における貫通口28を、仕切り板25平面に垂直ではなく、ガス流れ方向に傾斜させることにより、原料ガスの流れの乱れを抑えて混合させる方式である。傾斜は、仕切り板に対して30〜90度であることが好ましい。加工精度上の理由からである。図8は仕切り板の一形態の断面図を示し、仕切り板25の貫通口28は、原料ガスの誘導板29を高さ方向に複数枚重ねてその終端位置を連続的に変化させることで形成した方式である。このとき、貫通口28の幅は0.5〜3mmが好ましい。
図9は仕切り板の一形態の断面図を示す。この仕切り板25をその上に位置する仕切り板25あるいは反応管壁面と密着させることにより、貫通口28を無視して仕切り板終端まで直進して混合される原料ガス分がなくなり、貫通口28からの原料ガスの混合量が増やすことができる。
このように一度に全ての原料ガスを混合するのではなく、障害物を段階的に挟むことにより原料ガスの混合を抑制し、時間差を設けることにより、高品質成長可能領域を大きくすることができる。なお、図4〜図9に示したのはほんの一例であり、穴が円形ではなく楕円形でも長方形でも網目状でももちろん問題は無く、ガスを一度に混合するのではなく時間差をつけることができれば、本発明の効果を得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
被処理基板への成膜品質を向上することができ、かつ成膜可能面積の大型化も達成できる。
本発明の実施の形態である気相成長装置の反応炉まわりの構成を簡略化して示す側面から見た断面図である。 本発明の効果を説明する気相成長装置の仕切り板から基板への原料ガスの流れを示す概念図である。 本発明の効果を説明する気相成長装置の仕切り板から基板への原料ガスの流れを示す概念図である。 (a)は、本発明の気相成長措置の仕切り板および貫通口の一形態の簡略した平面図であり、(b)は(a)のIV−IV方向の断面図である。 (a)は、本発明の気相成長措置の仕切り板および貫通口の一形態の簡略した平面図であり、(b)は(a)のV−V方向の断面図である。 (a)は、本発明の気相成長措置の仕切り板および貫通口の一形態の簡略した平面図であり、(b)は(a)のVI−VI方向の断面図である。 本発明の気相成長措置の仕切り板および貫通口の一形態の簡略した断面図である。 本発明の気相成長措置の仕切り板および貫通口の一形態の簡略した断面図である。 本発明の気相成長措置の仕切り板および貫通口の一形態の簡略した断面図である。 従来の気相成長装置を示す簡略化された断面図である。 従来の気相成長装置における原料ガスの流れを示す概念図である。
符号の説明
1 横型MOCVD装置、2,22 反応炉、3,23 反応管、4,5 ガス導入口、6,38 ガス排出口、7,26 被処理基板、8,33 サセプタ、9 ヒータ、10 矢符、11,31 基板回転機構、21 気相成長装置、25 仕切り板、28 貫通口、29 誘導板、32 RFコイル、34 不活性ガス導入口、35A,35B,35C ガス導入口、51 未反応状態、52 反応初期状態、53 最適反応状態、54 過反応状態。

Claims (7)

  1. 仕切り板によって成膜原料成分を含有する複数の原料ガスおよび不活性ガスを、それぞれ分離して反応管に導入し、反応管内部に設置した被処理基板付近で混合させ、混合させた原料ガスを加熱することによって化学反応させながら、被処理基板の成膜される面に沿う方向に流すことで、成膜原料成分を被処理基板上に成長させる横型の気相成長装置において、
    被処理基板側の前記仕切り板の終端部には、仕切り板で隔てられた両領域の原料ガスを混合させるための貫通口を一つないしは複数配置したことを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記貫通口を備える仕切り板は、反応管に1つないしは2つ以上配置されていることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
  3. 前記貫通口を備える仕切り板の終端は、被処理基板よりも上流側に位置することを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
  4. 前記貫通口の開始位置から仕切り板の終端までの距離は、被処理基板の上流端から下流端までの距離以下であることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
  5. 仕切り板で隔てられたガス導入口から被処理基板に隣接する側から窒素分子を含む原料ガス、III族元素からなる有機金属化合物を含む原料ガスを導入させることでIII族窒化物半導体を製造することを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
  6. 仕切り板で隔てられたガス導入口から被処理基板に隣接する側から窒素分子を含む原料ガス、III族元素からなる有機金属化合物を含む原料ガス、さらに気相反応の激しいIII族元素からなる有機金属化合物を含む原料ガスを供給して、3元系のIII族窒化物半導体を製造することを特徴とする請求項5に記載の気相成長装置。
  7. 不活性ガスは、被処理基板に最も離れたガス導入口から導入することを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011138895A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Sumitomo Electric Ind Ltd 結晶の製造方法および発光素子の製造方法
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