JP2007315203A - エンジン制御装置 - Google Patents

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晋 加藤
Atsushi Kodama
敦 児玉
Tokuji Udagawa
篤司 宇田川
Yoshitomo Tsuka
義友 塚
Shigeru Ando
滋 安藤
Kenji Hijikata
賢二 土方
Teruhiro Honda
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Abstract

【課題】駆動系の共振周波数成分を逐一抽出することなく、駆動系振動の制振制御を行うことができるようにする。
【解決手段】クランク角センサ32の信号に基づいて演算したエンジン回転数Neと当該信号を駆動系の共振周波数成分を減衰させるフィルタ処理した後の信号に基づいて演算したフィルタ後エンジン回転数Nefとの差分から差回転ΔNeを演算し(S21)、差回転ΔNeに基づいて駆動系の振動を制振させる点火時期補正量adv_aを演算する(S25)。そしてフィルタ後エンジン回転数Nefと基本燃料噴射量Tpとに基づいて設定した基本点火時期adv_baseに点火時期補正量adv_aを加算して最終点火時期advを設定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両に発生するサージをエンジンの出力トルクを制御することで抑制するエンジン制御装置に関する。
一般に、自動車等の車両では、エンジンのトルク変動によって動力伝達系が共振し、車両前後方向に低周波の振動(サージ)が発生することが知られている。すなわち、駆動系は、変速機、ドライブシャフトやプロペラシャフト等の動力伝達系で構成されるが、こうした各動力伝達系は、固有の共振周波数(1〜数十Hz程度)を有しており、エンジンのトルク変動成分が共振周波数と一致すると、当該トルク変動成分が増幅されて駆動輪に伝達され、車両の前後方向の振動となって現れる。
サージの発生を抑制する技術としては、振動源であるエンジンを制御する技術、或いは駆動系を代表とする振動伝達系及びその周辺部品を制振構造とする技術が考えられる。しかし、振動伝達系全体を制振構造とするには装置全体が大型化するばかりでなく、コスト高となるため、一般的には、エンジンの点火時期や燃料噴射量を制御することで、サージの発生を抑制している。
例えば、特許文献1(特開2003-41987号公報)には、エンジンの点火時期及び燃料噴射量を補正してサージの発生を回避する技術が開示されている。すなわち、同文献では、先ず、現在のギア位置の共振周波数とエンジン回転数とに基づいてバンドパスフィルタのフィルタ係数を設定し、このバンドパスフィルタにて共振周波数成分を抽出する。次いで、抽出した共振周波数成分の位相合わせを行い、位相合わせ後の共振周波数成分をトルクに変換して要求トルクダウン量を決定する。その後、この要求トルクダウン量に応じて点火時期を遅角補正すると共に、燃料噴射量を減量補正して、駆動系の振動周波数を共振周波数から外すようにしている。
特開2003-41987号公報
上述した文献に開示されている技術では、駆動系の共振を抑制するに際し、抽出した共振周波数成分のトルクを燃料噴射タイミングに適合させるために位相合わせを行い、共振周波数成分のトルク分だけエンジントルクを低減するように制御している。
しかし、動力伝達系の共振周波数は、ギア位置、駆動系のねじり剛性、車重等の影響を受けて変化し、更に、消耗部品の交換等の使用環境が変化した場合や経時劣化等によっても変化する。
その結果、駆動系の共振周波数を一義的に抽出することが困難となり、上述した変動要因による影響を吸収して、車両に発生するサージを効率よく減衰させることができなくなる問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、駆動系の共振周波数成分を抽出することなく、しかも使用環境の変化や経時劣化の影響を受けること無く、駆動系振動の制振制御を行うことのできるエンジン制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明によるエンジン制御装置は、クランク軸の回転に基づいてエンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、駆動系の共振周波数成分を減衰させるフィルタ手段と、前記クランク軸の回転を検出する信号を前記フィルタ手段にてフィルタ処理した後の信号に基づいてフィルタ後エンジン回転数を演算するフィルタ後エンジン回転数演算手段と、前記エンジン回転数と前記フィルタ後エンジン回転数との差回転を演算する差回転演算手段と、前記差回転に基づいて前記駆動系の振動を制振させる補正量を演算する補正量演算手段と、前記補正量でエンジンの出力トルク制御量を補正して最終出力トルク制御量を設定する最終出力トルク制御量設定手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、エンジン回転数とフィルタ後エンジン回転数との差回転に基づいて、駆動系振動を制振させるための補正量を演算するようにしたので、駆動系の共振周波数成分を逐一抽出することなく、しかも使用環境の変化や経時劣化の影響を受けること無く、駆動系振動の制振制御を行うことができる。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1にエンジンの全体構成図、図2に電子制御装置の回路構成図を示す。
図1の符号1はエンジンで、本実施形態においては水平対向エンジンを示す。尚、このエンジン1の出力軸に、エンジン1と共にパワープラントを構成する自動変速機(図示せず)が連設されている。このエンジン1のシリンダブロック1aの左右両バンクにシリンダヘッド2がそれぞれ設けられ、各シリンダヘッド2に吸気ポート2aと排気ポート2bとが形成されている。
シリンダヘッド2の各吸気ポート2aに吸気マニホルド3が連通され、この吸気マニホルド3の上流側がエアチャンバ4に集合されている。更に、このエアチャンバ4の上流にスロットルチャンバ5が連通され、このスロットルチャンバ5にスロットル弁5aが介装されている。尚、このスロットル弁5aはアクセルペダル(図示せず)と機械的にリンクされ通常のスロットル機構を構成しているもの、或いはスロットルアクチュエータ(図示せず)を介して弁開度が電子的に制御される電子制御スロットルを構成するものの何れであっても良い。
更に、スロットルチャンバ5の上流側に吸気管6を介してエアクリーナ7が取り付けられ、エアクリーナ7がエアインテークチャンバ8に連通されている。又、吸気マニホルド3の各気筒の吸気ポート2aの直上流側にインジェクタ11が配設されている。更に、シリンダヘッド2の各気筒毎に、先端の放電電極を燃焼室に露呈する点火プラグ17が取り付けられ、この点火プラグ17にイグナイタ18が接続されている。
一方、シリンダヘッド2の各排気ポート2bに排気マニホルド20が連通され、この排気マニホルド20の集合部に排気管21が連通され、この排気管21の下流端がマフラ23に連通されている。又、排気管21の上流側と下流側とに触媒22A,22Bが各々介装されている。
又、吸気管6のエアクリーナ7の直下流に吸入空気量センサ24が臨まされ、スロットル弁5aに、このスロットル弁5aの開度を検出するスロットル開度センサ25が連設されている。更に、エンジン1のクランク軸1bに軸着するクランクロータ1cの外周に、クランクロータ1c(クランク軸1b)の回転からクランク角を検出するクランク角センサ32が対設されている。尚、後述するように、このクランク角センサ32で検出したクランク角に基づいてエンジン回転数Neが算出される。
又、図2の符号40は、エンジン1を制御するエンジン制御装置(ECU)であり、インジェクタ11、イグナイタ18等のアクチュエータ類に対する制御量の演算や制御信号の出力、すなわち、燃料噴射制御、点火時期制御等のエンジン1の運転状態が制御される。
ECU40は、CPU41、ROM42、RAM43、バックアップRAM44、カウンタ・タイマ群45、及びI/Oインターフェイス46がバスラインを介して互いに接続されるコンピュータ(マイクロコンピュータ)を中心として構成され、各部に安定化電源を供給する定電圧回路47、I/Oインターフェイス46に接続される駆動回路48及びA/D変換器49等の周辺回路が内蔵されている。尚、カウンタ・タイマ群45は、フリーランカウンタ、気筒判別センサ信号(気筒判別パルス)の入力計数用カウンタ等の各種カウンタ、燃料噴射用タイマ、点火用タイマ、定期割り込みを発生させるための定期割り込み用タイマ、クランク角センサ信号の入力間隔計時用タイマ、及びシステム異常監視用のウオッチドッグタイマ等の各種タイマを便宜上総称するものであり、その他、各種のソフトウエアカウンタ・タイマが用いられる。
定電圧回路47は、2回路のリレー接点を有する電源リレー50の第1のリレー接点を介してバッテリ51に接続されると共に、直接、バッテリ51に接続されており、イグニッションスイッチ52がONされて電源リレー50の接点が閉になると、ECU40内の各部へ電源を供給する一方、イグニッションスイッチ52のON/OFFに拘らず、常時、バックアップRAM44にバックアップ用の電源を供給する。更に、電源リレー50の第2のリレー接点には、バッテリ51から各アクチュエータに電源を供給するための電源線が接続される。
I/Oインターフェイス46の入力ポートには、イグニッションスイッチ52、クランク角センサ32、及び、車速を検出する車速センサ36等が接続されていると共に、エンジン1に連設する自動変速機(図示せず)の変速制御及びトルクコンバータに設けられているロックアップクラッチのON/OFF制御を行うトランスミッション制御装置(TCU)31からの変速信号、及びロックアップ信号が入力される。
更に、このI/Oインターフェイス46の入力ポートには、A/D変換器49を介して、吸入空気量センサ24、スロットル開度センサ25、及びアクセルペダルの踏込み量からアクセル開度を検出するアクセル開度センサ28等が接続されると共に、バッテリ電圧VBが入力されてモニタされる。
一方、I/Oインターフェイス46の出力ポートには、電源リレー50のリレーコイル、及び、インジェクタ11等が駆動回路48を介して接続されると共に、イグナイタ18が接続されている。
CPU41では、ROM42に記憶されている制御プログラムに従い、I/0インターフェイス46を介して入力されるセンサ・スイッチ類からの検出信号、及びバッテリ電圧等を処理し、RAM43に格納される各種データ、及びバックアップRAM44に格納されている各種学習値データ、ROM42に記憶されている固定データ等に基づき、燃料噴射量、点火時期に対する駆動信号のデューティ比等を演算し、燃料噴射制御、点火時期制御等のエンジン制御を行う。
点火時期制御では、クランク角センサ32で検出したクランク角信号の間隔時間から算出したエンジン回転数Neと、当該クランク角信号をフィルタ処理して駆動系振動周波数を減衰させた後の信号に基づいて算出したフィルタ後エンジン回転数Nefとの差回転ΔNe、及びフィルタ後エンジン回転数Nefの変化率dNefに基づいて駆動系振動を制振させるトルクを発生させるための補正量としての点火時期補正量adv_aを算出する。そして、この点火時期補正量adv_aで、出力トルク制御量としての基本点火時期adv_baseを補正して、最終出力トルク制御量としての最終点火時期advを算出する(adv←adv_base+adv_a)。
上述したECU40にて実行される点火時期制御は、具体的には、図3〜図5に示すフローチャートに従って処理される。
イグニッションスイッチ52をONし、ECU40を起動させると、先ず、図3に示す点火時期制御ルーチンが実行され、ステップS1〜S6の判定条件に従い、運転領域がサージ制御領域にあるか否かを調べる。車両に発生するサージは、エンジン1のトルク変動成分が駆動系の有する固有の共振周波数と一致したとき、トルク変動成分が増幅されて現れる。駆動系の共振周波数は1〜数十Hz程度と低く、又、搭乗者の振動に対する体感は、2〜7Hz程度の帯域であり、それ以上の振動は感度が低下する傾向にある。ステップS1〜S5では、車両に発生するサージが問題となる領域にあるか否か、すなわち、運転領域が、サージ発生により搭乗者が不快を感じる領域(制御領域)にあるか否かを調べる。
ステップS1では、アクセルペダルの踏込み量の変化から、走行状態が定速走行中か否かを調べる。すなわち、定速走行中は加減速走行時に比し、搭乗者は車両に発生するサージを不快と感じ易い。そのため、アクセル開度センサ28からの信号に基づいて演算したアクセル開度θaccの演算周期毎の変化量Δaccと、予め設定した小開度変化量判定用しきい値とを比較する。そして、変化量Δaccが小開度変化判定用しきい値よりも小さいときは定速運転中と判定し、ステップS2へ進む。又、変化量Δaccが小開度変化判定用しきい値よりも大きいときは、加減速走行中と判定し、ステップS8へジャンプする。
ステップS2では、エンジン回転数Neが低回転数領域にあるか否かを調べる。低回転数領域ではエンジンの回転変動が比較的大きく現れ、駆動系の有する固有の共振周波数と一致し易いためである。そして、エンジン回転数Neが低回転数量領域にあると判定したときは、ステップS3へ進み、又、中高回転数領域にあると判定したときはステップS8へジャンプする。
ステップS3では、クランク角センサ32で検出したクランク角信号に基づいて演算したエンジン回転数Neと吸入空気量センサ24で検出した吸入空気量Qとに基づき、エンジン負荷を示す単位回転数当たりの吸入空気量Q/Neを演算し、この単位回転数当たりの吸入空気量Q/Neが設定範囲にあるか否かで、エンジン負荷が低負荷状態か否かを調べる。一般に、低負荷領域では空燃比をリーン化して燃費向上を図る制御が行われる。そのため、低負荷領域ではトルク変動が大きくなり易くサージが発生し易くなる。
そして、単位回転数当たりの吸入空気量Q/Neが設定範囲のサージが発生し易い領域にあるときは、ステップS4へ進み、又、単位回転数当たりの吸入空気量Q/Neが設定範囲から外れている中高負荷領域と判定したときは、ステップS8へジャンプする。
ステップS4では、TCU31からの変速信号を読込み、自動変速機のギア位置が予め設定した指定範囲にあるか否かを調べる。駆動系の共振周波数はギア位置毎に相違しており、ギア位置の指定範囲は、エンジン1のトルク変動成分が駆動系の共振周波数と一致し易いギア位置(例えばR,1速、2速、3速)に設定されている。そして、ギア位置が指定範囲にあるときは、ステップS5へ進み、ギア位置が指定範囲から外れているときはステップS8へジャンプする。
ステップS5では、ロックアップクラッチが締結されているか否かを、TCU31からのロックアップ信号に基づいて判定する。ロックアップ信号がONのロックアップクラッチ締結状態では、エンジン1と駆動輪との間が直結されるため搭乗者がサージを体感し易くなる。一方、ロックアップ信号がOFFのロックアップクラッチ開放状態では、エンジン1と駆動輪との間にトルクコンバータが介装されるため、このトルクコンバータによりサージに対する体感が低くなる。
従って、ロックアップ信号がONのロックアップクラッチ締結状態のときはステップS6へ進み、ロックアップ信号がOFFのロックアップクラッチ開放状態のときはステップS8へ進む。
尚、本実施形態は手動変速機に適用することができる。この場合、ステップS4では、エンジン回転数Neと車速Vとの比に基づいてギア位置を判定し、ステップS5ではクラッチペダルの踏込みを検出するクラッチスイッチの信号に基づき、クラッチスイッチがONのクラッチ開放状態か、クラッチスイッチがOFFのクラッチ締結状態かを判定する。
ステップS6へ進むと、エンジン制御、或いはトランスミッション制御において、干渉するトルク制御が行われているか否かを調べる。干渉するトルク制御とは、結果として駆動系振動が制振される制御が行われる制御であり、例えばスリップロックアップ制御、加減速制御、点火時期におけるノック制御がある。そして、干渉するトルク制御が行われていないときはステップS7へ進み、干渉するトルク制御が行われているときはステップS8へ進む。
そして、ステップS1〜S6の条件が全て満足され、運転領域がサージ制御領域にあると判定して、ステップS7へ進むと、サージの発生を点火時期を遅角させることで抑制すべく、点火時期補正制御を実行してルーチンを抜ける。一方、ステップS1〜S6の条件が1つでも満足されず、運転領域がサージ制御領域から外れていると判定して、ステップS7へ進むと、通常の点火時期制御を実行してルーチンを抜ける。尚、通常の点火時期制御は、既に知られている技術を採用しているに過ぎないため説明を省略する。
ステップS7で実行される点火時期補正制御は、図4に示す点火時期補正制御サブルーチンに従って処理される。
このルーチンでは、先ず、ステップS11でクランク角センサ32で検出したクランク角信号に基づきエンジン回転数Neを演算する。従って、ステップS11の処理がエンジン回転数演算手段に相当する。
次いで、ステップS12でクランク角信号を、デジタルフィルタ(ローパスフィルタ、若しくはバンドパスフィルタ)処理(当該処理がフィルタ手段に相当する)により駆動系の振動周波数成分を減衰し、当該振動周波数成分を減衰した後のクランク角信号に基づきエンジン回転数(以下「フィルタ後エンジン回転数」と称する)Nefを演算する。従って、ステップS12の処理がフィルタ後エンジン回転数演算手段に相当する。尚、この振動周波数成分として、本実施形態では搭乗者がサージとして感じやすい周波数帯域(例えば2〜7Hz程度)に設定されているが、これよりも広い帯域に設定されていても良い。
次いで、ステップS13へ進み、エンジン負荷として代用する基本燃料噴射量Tpを読込む。この基本燃料噴射量Tpは、燃料噴射制御系で演算されるもので、吸入空気量Qとエンジン回転数Neとに基づいて算出される(Tp←K*Q/Ne、但し、Kはインジェクタ特性補正定数)。
その後、ステップS14へ進み、フィルタ後エンジン回転数Nefと基本燃料噴射量Tpとに基づき、基本点火時期マップを補間計算付で参照し、基本点火時期adv_baseを設定する。基本点火時期マップは、基本燃料噴射量Tpとエンジン回転数Neとを格子軸とする3次元マップであり、各格子点には、予めシミュレーション或いは実験等により求めた最適な基本点火時期adv_baseが格納されている。尚、この基本点火時期adv_baseは、圧縮上死点(TDC)を基準とする進角値として与えられる。
次いで、ステップS15へ進み、点火時期補正量adv_aを設定する。この点火時期補正量adv_aは、図5に示す点火時期補正量設定サブルーチンに従って設定される。
このルーチンでは、先ず、ステップS21でエンジン回転数Neとフィルタ後エンジン回転数Nefとの差回転ΔNeを演算する(ΔNe←Ne−Nef)。従って、ステップS21の処理が差回転演算手段に相当する。
駆動系の振動周波数成分は、当該駆動系に直結するエンジン1のクランク軸1bに現れるため、クランク軸1bの回転変動から予測することが可能であり、差回転ΔNeには駆動系の振動成分が表出される。又、本実施形態では、フィルタ後エンジン回転数Nefを、ECU40内でフィルタ処理したクランク角信号に基づいて算出しているため、例えばクランク角信号をフィルタ回路(LPF、もしくはBPF)にて処理した後の信号に基づいて算出した場合に比し、ノイズ成分が混入し難く、差回転ΔNeから駆動系の振動周波数成分をより高い精度で表出させることができる。
そして、ステップS22へ進み、差回転ΔNeに基づいて第1点火補正量adv_a1を次式から演算する。
adv_a1←ΔNe*K1
ここで、K1は逆位相係数である。振動を減衰させる場合、振動周波数(本実施形態では差回転ΔNe)に逆位相を掛ける手法が多く用いられている。従って、本実施形態による逆位相係数K1はマイナスの所定値に設定されており、第1点火補正量adv_a1は、差回転ΔNeに対して逆位相となり、従って、後述する最終点火時期advは第1点火補正量adv_a1の分だけ遅角される。
次いで、ステップS23へ進むと、フィルタ後エンジン回転数Nefの演算周期当たりの変化率dNefを演算し(dNef←Nef(今回)/Nef(前回))、ステップS24へ進み、変化率dNefに基づきテーブルを補間計算付きで参照し、或いは演算式から第2点火補正量adv_a2を演算する。フィルタ後エンジン回転数Nefは、フィルタ処理されたクランク角信号に基づいて演算されるため信号がなまされており、第2点火補正量adv_a2は、信号のなまされた分を補正するもので、基本的に変化率dNefに比例した値に設定される。
その後、ステップS25へ進むと、第1点火補正量adv_a1に第2点火補正量adv_a2を加算して、点火時期補正量adv_aを算出する(adv_a←adv_a1+adv_a2)。
次いで、ステップS26,S27で、点火時期補正量adv_aをリミッタ処理する。ステップS26では、点火時期補正量adv_aと点火下限値adv_minとを比較する。そして、点火時期補正量adv_aが点火下限値adv_min以上のときは(adv_a≧adv_min)、ステップS27へ進み、点火時期補正量adv_aが点火下限値adv_min未満のときは(adv_a<adv_min)、ステップS28へ分岐する。ステップS28へ進むと、点火時期補正量adv_aを点火下限値adv_minで設定して(adv_a←adv_min)、図4のステップS16へ進む。
一方、ステップS27へ進むと、点火時期補正量adv_aと点火上限値adv_maxとを比較する。そして、点火時期補正量adv_aが点火上限値adv_min以下のときは(adv_a≦adv_max)、そのまま図4のステップS16へ進む。又、点火時期補正量adv_aが点火上限値adv_maxより高いときは(adv_a>adv_max)、ステップS29へ分岐し、点火時期補正量adv_aを点火上限値adv_maxで設定して(adv_a←adv_max)、図4のステップS16へ進む。
上述した点火下限値adv_min、及び点火上限値adv_maxは、予めシミュレーションによって或いは実験等から求めたもので、点火時期補正量adv_aを、駆動系振動を制振させる適切なトルク範囲に収めることができる値に設定されている。尚、ステップS25〜S28で行われる処理が補正量演算手段に相当する。
そして、図4のステップS16へ進むと、基本点火時期adv_baseに点火時期補正量adv_aを加算して、圧縮上死点(TDC)を基準とする進角値で与えられる最終点火時期advを設定する(adv←adv_base+adv_a)。尚、このステップS16での処理が最終出力トルク制御量設定手段に相当する。
そして、ステップS17へ進み、最終点火時期advを点火タイマにセットしてルーチンを抜ける。最終点火時期advは、基本点火時期adv_baseが、駆動系振動を制振させるための点火時期補正量adv_aで補正されるので、エンジン1のトルク変動成分は、駆動系の共振周波数から外れた最適な周波数に設定される。
このように、本形態によれば、駆動系振動を制振させるに際し、駆動系の共振周波数成分を逐一抽出することなく、エンジン回転数Neとフィルタ後エンジン回転数Nefとの差回転ΔNeに基づいて、駆動系振動を制振させるための点火時期補正量adv_aを設定するようにしたので、使用環境の変化や経時劣化の影響を受けること無く、最適な駆動系振動の制振制御を行うことができる。
図6に本実施形態による点火時期補正を行った点火時期と、そのときのエンジン回転数Ne、及び車体前後G(加速度)との変化を示す。又、図7に点火時期補正を行わなかった点火時期と、そのときのエンジン回転数Ne、及び車体前後Gとの変化を示す。
図7に示すように、点火時期補正を行わなかった場合、エンジン回転数に駆動系の共振に伴う変動が検出され、それによって車体前後Gが、P1.5m/s(P-P)で大きく振動している。一方、図6に示すように、本実施形態による点火時期補正を行った場合は、点火時期が点火時期補正量adv_a分だけ細かく振動している。これによってエンジン回転数Neの変動である駆動系共振に伴う変動が抑制され、その結果、車体前後Gが、0.5m/s(P-P)程度に抑制され、搭乗者に与える不快感を減少させることができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、例えばフィルタ処理は、クランク角センサ32から出力されるクランク角信号について行っているが、ECU40では、フィルタ処理前のクランク角信号に基づいて演算したエンジン回転数Neをフィルタ処理してフィルタ後エンジン回転数Nefを演算するようにしても良い。或いは、ECU40に入力されるクランク角信号に、外乱等によるノイズ成分が混入し難い環境が設定されていれば、ECU40に入力される前のクランク角信号をフィルタ回路を用いてアナログ処理してもよい。この場合、このフィルタ回路がフィルタ手段となる。
又、本実施形態では、出力トルク制御を点火時期制御で行う場合について説明したが、出力トルク制御は燃料噴射制御によって行うこともできる。この場合、図5に示すステップS22の第1点火補正量adv_a1は、第1噴射補正量adv_a1と読み換えられ、ステップS24の第2点火補正量adv_a2は、第2噴射補正量adv_a2と読み換えられ、ステップS25の点火時期補正量adv_aは、噴射補正量adv_aと読み換えられる。更に、図4に示すステップS14は不要となり、ステップS16では、基本燃料噴射量Tpに噴射補正量adv_aを加算することで、最終出力トルク制御量である最終燃料噴射量advを算出することになる(adv←Tp+adv_a)。
エンジンの全体構成図 エンジン制御装置の回路構成図 点火時期制御ルーチンを示すフローチャート 点火時期補正制御サブルーチンを示すフローチャート 点火時期補正量設定サブルーチンを示すフローチャート 点火時期とエンジン回転数及び車体前後Gとの変化を示すタイムチャート 従来の点火時期とエンジン回転数及び車体前後Gとの変化を示すタイムチャート
符号の説明
1…エンジン、
1b…クランク軸、
5a…スロットル弁、
11…インジェクタ、
17…点火プラグ、
18…イグナイタ、
24…吸入空気量センサ、
25…スロットル開度センサ、
28…アクセル開度センサ、
32…クランク角センサ、
36…車速センサ、
40…エンジン制御装置、
ΔNe…差回転、
Δacc…変化量、
θacc…アクセル開度、
K1…逆位相係数、
Ne…エンジン回転数、
Nef…フィルタ後エンジン回転数、
Q…吸入空気量、
Tp…基本燃料噴射量、
adv_base…基本点火時期、
adv…最終点火時期、
adv_max…点火上限値、
adv_min…点火下限値、
adv_a…点火時期補正量、
adv_a1…第1点火補正量、
adv_a2…第2点火補正量、
dNef…変化率

Claims (5)

  1. クランク軸の回転に基づいてエンジン回転数を演算するエンジン回転数演算手段と、
    駆動系の共振周波数成分を減衰させるフィルタ手段と、
    前記クランク軸の回転を検出する信号を前記フィルタ手段にてフィルタ処理した後の信号に基づいてフィルタ後エンジン回転数を演算するフィルタ後エンジン回転数演算手段と、
    前記エンジン回転数と前記フィルタ後エンジン回転数との差回転を演算する差回転演算手段と、
    前記差回転に基づいて前記駆動系の振動を制振させる補正量を演算する補正量演算手段と、
    前記補正量でエンジンの出力トルク制御量を補正して最終出力トルク制御量を設定する最終出力トルク制御量設定手段と
    を備えることを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 前記補正量演算手段では、前記差回転に基づいて該差回転とは逆位相の第1補正量を演算すると共に、前記フィルタ後エンジン回転数の変化率に基づき該変化率に比例する第2補正量を算出し、該第1補正量と該第2補正量とを加算して前記補正量を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載のエンジン制御装置。
  3. 前記補正量演算手段では、前記補正量と予め設定した下限値及び上限値とを比較し、該補正値が該下限値より低いときは該補正値を該下限値で固定し、又該補正値が該上限値より高いときは該補正値を該上限値で固定する
    ことを特徴とする請求項1或いは2記載のエンジン制御装置。
  4. 前記出力トルク制御量は点火時期であり、前記補正量は点火時期補正量である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジン制御装置。
  5. 前記出力トルク制御量は燃料噴射量であり、前記補正量は噴射補正量である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジン制御装置。
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