JP2007314670A - ポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体、及びその製造方法 - Google Patents

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登志夫 宮川
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敬介 大熊
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文信 廣瀬
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Abstract

【課題】 耐熱性が改善されたポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体及び、その製造方法を提供すること。
【解決手段】 L体とD体のモル比が5/95〜95/5であるポリ乳酸系樹脂からなる樹脂発泡粒子を50体積%を超えて99体積%以下と、ポリ乳酸系樹脂と異なる樹脂からなる樹脂発泡粒子1体積%以上50体積%未満とを略均一に混合し、互いに融着してなるポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体。
【選択図】 なし

Description

ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を含んでなる発泡粒子成形体、及びその製造方法に関する。
近年、軽量性、緩衝性、断熱性、成形性等の点に特徴を有するプラスチック発泡体は機能性、取り扱い性等が良く、主に包装容器、緩衝材等に多く用いられている。一方、プラスチックは分解しないか、あるいは分解しても長い年月が必要であり、これらが自然界に放置された場合、自然環境汚染に繋がる可能性を有し社会問題となっている。このために自然環境中で微生物により分解処理される生分解性プラスチックが研究され、これまでにポリ乳酸やポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル発泡体や、澱粉発泡体等が商品化されている。
その中でも、植物を原料とした生分解性プラスチックは石油資源を使用せず、かつ、植物の成長に伴う二酸化炭素の吸収、固定化効果が地球温暖化防止策の手段の一つとして期待されている。
その植物由来の生分解性プラスチックとしては、(1)ポリヒドロキシアルカノエート(本発明においては特にポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)、即ちP3HAを示す)といった微生物産生系脂肪族ポリエステル、(2)とうもろこし等の植物から得られる乳酸の重合により得られるポリ乳酸が挙げられる。特に、(2)のポリ乳酸は現在最も実用化に近い植物由来の生分解性プラスチックとして、盛んに研究開発が行われている。特徴としては、植物を原料とする環境適合性に優れた素材であり、例えばポリスチレンに似た比較的硬質系の性質を得ることができる。しかしながら、ポリ乳酸を発泡させた発泡粒子及びその成形体は、高温高湿条件下で著しく体積膨張し、海外輸出等の過酷な条件下では使用できないといった課題があった。その課題解決に向けた取り組みとして、例えば、ポリ乳酸にポリ酢酸ビニルを混合した樹脂組成物を発泡粒子とすることで、ポリ乳酸の発泡ガスや空気に対するバリアー性を低下させる(特許文献1)、ポリ乳酸のL体、D体比率を調整し、かつ、成形時の熱処理を施す(特許文献2)等が挙げられる。しかしながら、特許文献1のように、樹脂の混合物として樹脂特性を改善し発泡粒子にする場合、樹脂ブレンド系では、完全に混ざった状態を作り出す事が難しいため、バリアー性を低下させる反面、発泡倍率の向上が見込まれない等、発泡性を阻害することが見受けられる。又、特許文献2では、成形時に熱処理時間を要することでトータルの成形時間が長くなり、その結果、製造コストが高くなるといった課題が残される。
特開2006−22242号公報 特開2003−301068号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、耐熱性が改善されたポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体及びその製造方法を提供することにある
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子と他の樹脂からなる発泡粒子を略均一混合し、金型に充填し、加熱成形することで、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子からなる発泡成形体が有していた耐熱性の課題を解決しうることを見出し本発明の完成に至った。
即ち、本発明の第1は、L体とD体のモル比が5/95〜95/5であるポリ乳酸系樹脂からなる樹脂発泡粒子を50体積%を超えて99体積%以下と、ポリ乳酸系樹脂と異なる樹脂からなる樹脂発泡粒子1体積%以上50体積%未満とを略均一に混合し、互いに融着してなるポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体に関する。
好ましい実施態様としては、
(1)ポリ乳酸系樹脂と異なる樹脂が、式(1)
[−O−CHR−CH2−CO−] (1)
(ここでRはCn2n+1で表されるアルキル基で、nは1以上15以下の整数である。)
で示される一種以上の単位からなる共重合体(以下、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート):略称はP3HA)である、
(2)P3HAが、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)(以下、略称はPHBH)である、
(3)PHBHの共重合成分の組成中、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート)が1mol%以上20mol%以下である、
前記記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体に関する。
本発明の第2は、ポリ乳酸系樹脂からなる樹脂発泡粒子と、ポリ乳酸と異なる樹脂からなる樹脂発泡粒子とを略均一に混合して、金型に充填し、次いで加熱成形してなる、前記記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体の製造方法に関する。
本発明により、耐熱性が改善され、かつ、発泡性を阻害することなく、発泡粒子の混合割合により、所望する発泡倍率を得ることが可能となった、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体を得ることが出来る。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。
本発明におけるポリ乳酸系樹脂とは、例えば、とうもろこしやサツマイモ等の植物資源から得られる澱粉を酵素分解して得たグルコースを乳酸菌で発酵して乳酸とし、単量体単位として、樹脂中70重量%以上含有したものを言う。単量体単位として、乳酸を70重量%以上含んでいれば、乳酸のホモポリマーは勿論のこと、他のヒドロキシカルボン酸単位等との共重合体でも、他の樹脂とのブレンドでもよい。
又、発泡に用いるポリ乳酸系樹脂としては、出来る限り結晶性を小さくすることが好ましい。その理由に関して、結晶性樹脂は発泡剤を含浸する工程で結晶化が進行し、発泡を阻害するからである。結晶性を小さくするためには、光学異性体を有するポリ乳酸系樹脂のL体とD体のモル比を5/95〜95/5であることが必要であり、好ましくは、L体とD体のモル比が60/40〜95/5、又は5/95〜40/60の範囲の実質的に非晶性のポリ乳酸系樹脂である。L体とD体のモル比が95/5を超えるもの、或いは5/95未満のものは結晶性が高く、発泡倍率が上がらなかったり、発泡が不均一になり使用できない。さらに好ましくはL体とD体のモル比が90/10〜70/30、又は30/70〜10/90の範囲が良い。
本発明において、ポリ乳酸系樹脂と異なる樹脂とは、特に、限定はなく公知の樹脂を使用することが出来る。例えば、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂からなる発泡粒子が挙げられる。中でも、脂肪族ポリエステル系樹脂を使用する事が、ポリ乳酸系樹脂と熱融着しやすいため好ましい。さらには、環境適合性、耐熱性の改善という観点から、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)を用いることが好ましい。
本発明においてポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)とは、式(1)で示される3−ヒドロキシアルカノエートよりなる繰り返し構造を有し、かつ微生物から生産される脂肪族ポリエステルである、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)(以下、P3HAと称す場合がある)からなる組成物である。
[−CHR−CH2−CO−O−]………式(1)
ここで、RはCn2n+1で表されるアルキル基で、n=1〜15の整数である。
本発明におけるP3HAとしては、前記3−ヒドロキシアルカノエートのホモポリマー、またはnの異なる2種以上の3−ヒドロキシアルカノエート組み合わせからなる共重合体、つまりジ−コポリマー、トリ−コポリマー、テトラ−コポリマーなど、またはこれらホモポリマー及び共重合体から選ばれる2種以上のブレンド物が挙げられ、中でもn=1の3−ヒドロキシブチレート、n=2の3−ヒドロキシバリレート、n=3の3−ヒドロキシヘキサノエート、n=5の3−ヒドロキシオクタノエート、n=15の3−ヒドロキシオクタデカノエートなどのホモポリマー、又はこれら前記nが異なる3−ヒドロキシアルカノエート単位2種以上の組み合わせからなる共重合体、又はこれらのブレンド物が好ましく使用できる。P3HAとしては、n=1の3−ヒドロキシブチレートとn=3の3−ヒドロキシヘキサノエートの共重合体であるポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)がより好ましく、さらにその組成比としては、3−ヒドロキシブチレート/3−ヒドロキシヘキサノエート=99/1〜80/20(mol/mol)であるのが更に好ましい。3−ヒドロキシブチレート/3−ヒドロキシヘキサノエート組成比が当該範囲内であると、高温に加熱せずとも加工できるため、加熱加工時の熱分解による分子量低下を抑制することが出来、また加熱加工時の再結晶化に多くの時間を要さない傾向にある。
本発明のポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体とは、前記ポリ乳酸系樹脂からなる樹脂発泡粒子と、ポリ乳酸系樹脂と異なる樹脂からなる樹脂発泡粒子とを略均一混合し互いに融着してなるものであり、両者の樹脂発泡粒子の混合割合は、目的に応じて適宜調整可能であるが、ポリ乳酸系樹脂からなる樹脂発泡粒子を50体積%より大きく99体積%以下用い、ポリ乳酸系樹脂と異なる樹脂からなる樹脂発泡粒子1体積%以上50体積%未満を用いる。この様に混合して発泡成形体とすることで、発泡性を阻害することなく、発泡粒子の混合割合により、所望する発泡倍率を得ることが可能となり、かつ、耐熱性を向上させることが可能となる。
本発明のポリ乳酸系樹脂を発泡させてなる樹脂発泡粒子は例えば以下のようにして製造する事ができる。
まず、ポリ乳酸系樹脂に発泡剤を含浸させるが、その方法としては、所望の発泡性が得られる発泡剤の存在下で、十分な圧力がかかる条件さえそろっていれば特に限定されるものではなく、水系、非水系のいずれでも含浸が可能である。
発泡性を付与するために用いられる発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の炭化水素系発泡剤に加え、フロンガスも好適に用いることが可能であるが、上述同様に、環境適合性を考えるとハロゲン化炭化水素以外の発泡剤が好ましい。
本発明で使用する、ポリ乳酸系樹脂と異なる樹脂からなる樹脂発泡粒子の製造方法は公知の方法を用いることが出来る。例えば、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)を発泡させてなる樹脂発泡粒子は、以下のようにして製造する事ができる。
まず基材樹脂であるP3HAを押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどを用いて加熱溶融混錬し、次いで円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状などの本発明の発泡に利用しやすい粒子形状に成形することにより得られるP3HA樹脂粒子を使用する。粒子1個当たりの重量は0.1mg以上、好ましくは0.5mg以上が好ましい。0.1mg未満ではP3HA樹脂粒子自体の製造が困難な場合がある。
又、発泡性を向上させるために、変性剤等を用い、樹脂変性を行うことも可能である。変性剤として、発泡性を向上させるものであれば、何ら限定されるものではないが、例えば、反応性の点からイソシアネート化合物を好ましく使用することができる。イソシアネート化合物としては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するものであり、種類としては芳香族、脂環族、脂肪族系のイソシアネート等がある。例えば、芳香族イソシアネートとしてはトリレン、ジフェニルメタン、ナフチレン、トリジン、キシレン、トリフェニルメタンを骨格とするイソシアネート化合物、脂環族イソシアネートとしてはイソホロン、水素化ジフェニルメタンを骨格とするイソシアネート化合物、脂肪族イソシアネートとしてはヘキサメチレン、リジンを骨格とするイソシアネート化合物等がある。更に、これらイソシアネート化合物を2種類以上組み合わせたものも使用可能であるが、汎用性、取扱い性、耐候性等からトリレン、ジフェニルメタン、特にジフェニルメタンのポリイソシアネートが好ましく使用される。
こうして得られたP3HA樹脂粒子を、分散剤とともに密閉容器内で水系分散媒に分散後、発泡剤を密閉容器内に導入し、該P3HA樹脂粒子の軟化温度以上に加熱し、必要で有れば発泡させる温度付近で一定の時間保持した後、密閉容器の一端を解放し、該P3HA樹脂粒子と水系分散媒とを密閉容器の圧力よりも低圧の雰囲気下に放出して、P3HA樹脂発泡粒子が製造される。
前記分散剤としては、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、塩基性炭酸亜鉛等の無機物と、アニオン界面活性剤たとえば、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ、ノルマルパラフィンスルフォン酸ソーダ等を組み合わせて使用される。無機物の量はP3HA樹脂100重量部に対して0.1〜3.0重量部、アニオン界面活性剤量はP3HA樹脂100重量部に対し0.001〜0.2重量部が通常である。また、分散媒としては経済性、取り扱い性の点から通常は水が好ましいが、これに限られたものではない。
前記の発泡剤としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等の炭素数3〜5の飽和炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、及びメチルエチルエーテル等のエーテル、モノクロルメタン、ジクロロメタン、ジクロロジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素、二酸化炭素、窒素、空気などの無機ガス、水等が挙げられるが、これらを少なくとも1種使用してもよい。環境適合性を考えるとハロゲン化炭化水素以外の発泡剤が好ましい。発泡剤の添加量は目的の予備発泡粒子の発泡倍率、発泡剤の種類、ポリエステル系樹脂の種類、樹脂粒子と分散媒の比率、容器の空間容積、含浸または発泡温度などによって異なるがP3HA樹脂粒子100重量部に対し、通常2〜10000重量部の範囲である。
本発明に使用する樹脂発泡粒子には、その要求性能を阻害しない範囲において、各種添加剤を加えても良い。ここで添加剤とは、たとえば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料などの着色剤、可塑剤、滑剤、結晶化核剤、無機充填剤等目的に応じて使用できるが、中でも生分解性を有する配合剤が好ましい。添加剤としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素等の無機化合物や、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸バリウム等の脂肪酸金属塩、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などが挙げられるが、これらに限定された物ではない。また、発泡粒子の気泡径を調節する必要がある場合は気泡調整剤を添加する。気泡調整剤としては無機造核剤には、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪藻土、クレイ、重曹、アルミナ、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ベントナイト等があり、その使用量は通常0.005〜2重量部を添加する。
以上のようにして得られた、ポリ乳酸系樹脂からなる樹脂発泡粒子と、ポリ乳酸系樹脂とは異なる樹脂からなる樹脂発泡粒子は、必要であれば加圧空気で加圧熟成して発泡粒子に発泡能を付与し、略均一に混合して、金型に、充填し、次いで、金型内に水蒸気を導入することにより、樹脂発泡粒子同士を加熱融着させ、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体が製造される。成形加熱条件等は、用いる樹脂発泡粒子の種類、混合比等によって適宜選択することができる。
このようにして得られたポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体は、耐熱性が改善され、かつ、発泡粒子の混合割合により、発泡性を阻害することなく、所望の発泡倍率とすることができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。また、実施例において「部」は重量基準である。本発明で使用した物質は以下の様に略した。
PLA:ポリ乳酸系樹脂
P3HA:ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)
PHBH:ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)
HH率:PHBH中のヒドロキシヘキサノエートのモル分率(mol%)
<PLA発泡粒子及び成形体の発泡倍率測定法>
23℃のエタノールの入ったメスシリンダーを用意し、該メスシリンダーに相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて7日間放置した500個以上のPLA発泡粒子、PHBH発泡粒子、(発泡粒子群の重量W(g))及び、適当な大きさに切り出した樹脂発泡粒子成形体を金網などを使用して沈め、エタノール水位上昇分より読みとられる発泡粒子群及び、成形体の容積V(cm3)としたときに、樹脂密度ρ(g/cm3)から次式で与えられる。
発泡倍率=V/(W/ρ)
<PLA発泡粒子及び成形体の独立気泡率測定法>
マルチピクノメーター(ベックマン・ジャパン(株)社製)を用い、ASTM D−2856に準じて測定した。
<PLA発泡粒子成形体の耐熱性>
PLA発泡粒子成形体より、100×100×30mmの試験片を切り出し、恒温恒湿槽(60℃、相対湿度80%)中に24時間処理し、処理前後の縦、横、厚みの測定値からの体積変化率を算出した。
<PLA発泡粒子の製造>
D体比率10%、数平均分子量10万、重量平均分子量21万のPLA(比重1.2g/ml)100重量部と、上記同様のポリイソシアネート化合物2重量部とを溶融混練し、水中カッターを用いて約1mm径のビーズ状樹脂組成物を作製した。次いで、ビーズ状樹脂組成物を各々42℃の温水中で15時間熟成・二次架橋した後、脱水、乾燥し、発泡剤含浸を行った。発泡剤含浸は、各熟成ビーズを各々10L回転ドラム型密閉容器に4.3kg仕込み、メタノール215g、イソブタン1720gを添加して、85℃にて3時間含浸を行い、常温で通気風乾して、発泡剤含浸したビーズ状樹脂組成物を得た。それを発泡スチロール用予備発泡機(ダイセン工業(株)製DYHL−300)にて発泡し、発泡倍率が35倍、独立気泡率98%のPLA発泡粒子を得た。
<PHBH発泡粒子の製造>
微生物として、Alcaligenes eutrophusにAeromonas caviae由来のPHA合成酵素遺伝子を導入したAlcaligenes eutrophus AC32(J.Bacteriol.,179,4821(1997))を用いて原料、培養条件を適宜調整して生産されたPHBH、HH率12mol%のPHBH(比重1.2g/ml)100重量部とポリイソシアネート化合物2重量部(日本ポリウレタン製、ミリオネートMR-200(イソシアネート基2.7〜2.8当量/モル))とをハンドブレンドした後、ニーダー付きφ35mm単軸押出成形機(笠松加工製ラボ万能押出機)でシリンダー温度145℃にて溶融混練し、押出機先端に取り付けられた3mmφの小孔ダイより押し出されたストランドを、ペレタイザーでカットして粒重量5mg、融点135℃のPHBH樹脂組成物を作製した。
該樹脂組成物100重量部を、4.5L耐圧容器に仕込んだ後、発泡剤としてイソブタン25重量部を添加、攪拌し、容器内温度が119℃となるまで昇温(発泡温度とする)後、容器内圧が1.8MPaの状態で1時間保持したのち、耐圧容器下部に設けた小孔ノズルを通して大気圧下に放出発泡し、発泡倍率が18倍、独立気泡率98%のPHBH発泡粒子を得た。
(実施例1)
該PLA発泡粒子60体積%と該PHBH発泡粒子40体積%とを予め混合し、混合した樹脂発泡粒子を300×400×30mmの金型に充填し、0.10〜0.32MPa(ゲージ)の水蒸気を金型に導入し、両者の樹脂発泡粒子を加熱、融着させ、発泡倍率30倍、独気率93%のPLA発泡粒子成形体を得た。又、樹脂発泡粒子成形体の熱膨張率は10%であった。比較例1と比べると、熱膨張率が抑制され、耐熱性が改善された樹脂発泡粒子成形体を得ることができた。結果を表1に示す。
(実施例2)
該PLA発泡粒子75体積%と該PHBH発泡粒子25体積%と、混合割合が異なる以外は、実施例1と同様に行った。水蒸気導入後、発泡倍率33倍、独気率93%のPLA発泡粒子成形体を得た。又、樹脂発泡粒子成形体の熱膨張率は15%であった。比較例1と比べると、熱膨張率が抑制され、耐熱性が改善された樹脂発泡粒子成形体を得ることができた。結果を表1に示す。
(比較例1)
該PLA発泡粒子のみを用いた以外は、実施例1と同様に行った。水蒸気導入後、発泡倍率35倍、独気率98%のPLA発泡粒子成形体を得た。又、樹脂発泡粒子成形体の熱膨張率は40%であった。結果を表1に示す。
Figure 2007314670

Claims (5)

  1. L体とD体のモル比が5/95〜95/5であるポリ乳酸系樹脂からなる樹脂発泡粒子を50体積%を超えて99体積%以下と、ポリ乳酸系樹脂と異なる樹脂からなる樹脂発泡粒子1体積%以上50体積%未満とを略均一に混合し、互いに融着してなるポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体。
  2. ポリ乳酸系樹脂と異なる樹脂が、式(1)
    [−O−CHR−CH2−CO−] (1)
    (ここでRはCn2n+1で表されるアルキル基で、nは1以上15以下の整数である。)
    で示される一種以上の単位からなる共重合体(以下、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート):略称はP3HA)である、請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体。
  3. P3HAが、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)(以下、略称はPHBH)である、請求項1または2に記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体。
  4. PHBHの共重合成分の組成中、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート)が1mol%以上20mol%以下である、請求項3に記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体。
  5. ポリ乳酸系樹脂からなる樹脂発泡粒子と、ポリ乳酸と異なる樹脂からなる樹脂発泡粒子とを略均一に混合して、金型に充填し、次いで加熱成形してなる、請求項1〜4何れか1項に記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子成形体の製造方法。
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