JP2007313750A - 金属と樹脂の複合体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に金属酸化物等の結晶を含むマグネシウム合金又はマグネシウム合金製の金属部品と樹脂を強固に一体化して接合(固着)する。
【解決手段】化成処理済みのマグネシウム合金部品が使用できる。金属酸化物、金属炭酸化物、又は金属リン酸化物の結晶層が出来た表面層に、樹脂組成物がポリフェニレンサルファイド(PPS)70〜99重量%とポリオレフィン系樹脂1〜30重量%とを含むものを一体に固着する。ポリフェニレンサルファイド単独系より射出接合力が優れている。マグネシウム合金部品の表面を化成処理し、これを金型にインサートし、前記樹脂組成物を射出させて接合して複合体を得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子機器の筐体、家電機器の筐体、構造用部品、機械部品等に用いられる金属部品と樹脂組成物からなる複合体、及びその製造方法に関する。更に詳しくは、各種機械加工で作られた金属部品と熱可塑性樹脂組成物を一体化した構造物及びその製造方法に関し、モバイル用の各種電子機器、家電製品、医療機器、車両用構造部品、車両搭載用品、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品等に用いられる金属部品と熱可塑性樹脂組成物との複合体、及びその製造方法に関する。
金属と樹脂を一体化する技術は、自動車、家庭電化製品、産業機器等の広い産業分野から求められており、このために両者を固着するための多くの接着剤が開発されている。常温、又は加熱により機能を発揮する接着剤は、金属と合成樹脂の間に介在させて両者を一体化するものであり、この方法は現在では一般的な接合(固着)技術である。しかしながら、接着剤を使用しない、より合理的な接合方法も従来から研究されてきた。
マグネシウム、アルミニウムやその合金である軽金属類、又、ステンレスなど鉄合金類に対し、接着剤の介在なしで高強度のエンジニアリング樹脂を一体化する方法がその一例である。例えば、射出等の方法で同時に接合する方法(以下、射出接合という。)として、本発明者等は、アルミニウム合金に対しポリブチレンテレフタレート樹脂(以下「PBT」という。)、又はポリフェニレンサルファイド樹脂(以下「PPS」という。)を、射出成形させる製造技術を提案している(例えば特許文献1参照。)。又、他にアルミニウム材の陽極酸化皮膜に大きめの孔を形成し、この孔に合成樹脂体を食い込ませ固着させる接合技術が開示されている(例えば特許文献2参照。)。
特許文献1の提案におけるこの射出接合の原理は、推定であるが以下のように考えられる。この射出接合は、前処理として、アルミニウム合金製の金属部品を水溶性アミン系化合物の希薄水溶液に浸漬させる。この金属部品の浸漬により、その弱塩基性水溶液によって、アルミニウム合金の表面がエッチングされ超微細な凹部が形成され、同時にアルミニウム合金表面にアミン系化合物分子が吸着させる。
この吸着処理がなされた金属部品を、射出成形金型にインサートし、溶融した熱可塑性樹脂を高圧でその金型に射出させる。この射出のとき、前述したPBT、又はPPSと、アルミニウム合金の表面に吸着していたアミン系化合物分子が遭遇して発熱する。このときアルミニウム合金は低温の金型温度に保たれたているが、この発熱により急冷固化せんとした樹脂は、固化が遅れて超微細なアルミニウム合金面上の凹部にも潜り込むことになる。そのことにより、アルミニウム合金と熱可塑性樹脂は樹脂がアルミニウム合金表面から剥がれることなく強固に接合(固着)する。即ち、PBT、又はPPSと、アミン化合物との間の発熱反応により、強固な射出接合ができるものを提案した。本発明者等は、実際にアミン系化合物と発熱反応できるPBT、又はPPSがこのアルミニウム合金と射出接合ができることを確認している。
特開2004−216425号 WO2004−055248 A1号
本発明者等は、前記した発明を更に有効にすべく射出接合に適した樹脂組成物の開発を行った。即ち、金属表面に微細凹部を無数に設けて接着させる技術をさらに発展させその開発を行った。その結果、アルミニウム合金と線膨張率を合わせただけの単純なPPS系組成物ではなく、PPSの結晶性に関する性質を変化させた組成物が特に有効である現象を発見した。
そして、本発明者等は、前述の発明を発展させ、樹脂組成物を改良することで金属部品に必要な前述した前処理の制限を少なくできないか検討した結果、特定のPPS製の樹脂組成物と金属部品とからなる複合体が、この金属部品とPPS製の樹脂組成物の間で優れた接着性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、前述の技術背景のもとになされたものであり、下記の目的を達成する。本発明の目的は、アルミニウム合金製の金属部品のみならずマグネシウム合金製の金属部品にも使用できようにしたものであり、化成処理したマグネシウム合金に関してPPS組成物との接合性を得ることのできる技術の提供にある。
そこで、マグネシウム合金につきその特徴について若干述べる。即ち、マグネシウム合金は実用金属中で最も軽量で、かつ機械的な強度が高いという特筆すべき特徴があり、軽量で重宝されているアルミニウム合金(比重2.7)に比較しても比重1.7付近と非常な軽さである。しかしながら、一方でアルミニウム合金より一段と化学的に活性であり、このために機械加工、表面処理等の点で取り扱いが難しい。
即ち、マグネシウム合金では、研磨等でむき出しの金属面とした直後に自然酸化層が生じ、しかもその表面の自然酸化層の化学的な安定度や機械的な強度は、アルミニウム合金の表面の酸化層より格段に劣る。アルミニウム合金では自然酸化層の上に防錆剤としての油膜、又は塗装塗膜が存在すれば、結露がない室内放置では十年以上の安定が保たれるが、マグネシウム合金では1年もしない内に脹れや錆が生じる。
この理由は、マグネシウム合金表面上の油膜や塗膜を介して拡散してくる炭酸ガスや水分子が、マグネシウム自然酸化層と反応するのである。要するにマグネシウム合金を実際に使用する場合、自然酸化層膜に代わる丈夫な皮膜でまず覆うことが必要である。具体的には化成処理、電解酸化の何れかの手法でマグネシウム合金を処理することである。本発明者等は、まず化成処理がされたマグネシウム合金に対して樹脂を射出接合できる技術を確立しようとしたものである。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
即ち、本発明1の金属と樹脂の複合体は、表層に金属酸化物、金属炭酸化物、及び金属リン酸化物から選択される何れか1種の結晶を含むマグネシウム合金又はマグネシウム合金製の金属部品において、
前記結晶は、クロム、マンガン、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、チタン、及びバナジウムから選択される1種以上の金属を含んだものであり、
前記結晶にポリフェニレンサルファイド樹脂70〜99重量%及びポリオレフィン系樹脂1〜30重量%を含む樹脂組成物が固着されていることを特徴とする。
本発明2の金属と樹脂の複合体は、本発明1において、前記樹脂組成物は、ポリフェニレンサルファイド樹脂80〜97重量%及びポリオレフィン系樹脂3〜20重量%であることを特徴とする。
本発明3の金属と樹脂の複合体は、本発明1又は2において、前記マグネシウム又はマグネシウム合金製部品の表層には、電子顕微鏡観察で1μm当りに板状結晶が2個以上認められることを特徴とする。
本発明4の金属と樹脂の複合体は、本発明1又は2において、前記マグネシウム又はマグネシウム合金製部品の表層には、電子顕微鏡観察で見て針状や棒状結晶、又は針状や棒状結晶外皮を有する塊状結晶が覆う面積の比が30%以上であることを特徴とする。
本発明5の金属と樹脂の複合体は、本発明1ないし4において、前記樹脂組成物は、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂とポリオレフィン系樹脂の合計樹脂分100重量部に対して、さらに多官能性イソシアネート化合物0.1〜6重量部及び/又はエポキシ樹脂1〜25重量部を配合してなる樹脂組成物であることを特徴とする。
本発明6の金属と樹脂の複合体は、本発明1ないし5において、前記樹脂組成物は、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂とポリオレフィン系樹脂の合計樹脂分100重量部に対して、さらに充填剤1〜200重量部を配合してなるものであることを特徴とする。
本発明7の金属と樹脂の複合体は、本発明6の複合体において、前記充填剤は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、及びガラス粉から選ばれる1種以上であることを特徴とする。
本発明8の金属と樹脂の複合体は、本発明1ないし7の複合体において、前記ポリオレフィン系樹脂が、無水マレイン酸変性エチレン系共重合体、グリシジルメタクリレート変性エチレン系共重合体、グリシジルエーテル変性エチレン系共重合体、及びエチレンアルキルアクリレート共重合体から選択される少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする。
本発明9の金属と樹脂の複合体は、本発明1ないし7の複合体において、ポリオレフィン系樹脂が、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレートニ元共重合体から選択される少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする。
本発明10の複合体の製造方法は、マグネシウム又はマグネシウム合金素材を鋳造物や中間材からの機械加工で形状部品化する形状加工工程と、前記形状化した形状部品を、クロム、マンガン、カルシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、チタン、バナジウム、カリウム、及びナトリウムから選択される1種以上の金属を含んだ水溶液又は水性懸濁液に浸漬することにより、前記形状部品の表層に、金属酸化物、金属炭酸化物、及び金属リン酸化物から選択される1種以上の被膜を形成する液処理工程と、前記液処理工程後の前記形状部品を射出成形金型にインサートしてポリフェニレンサルファイド70〜99重量%及びポリオレフィン系樹脂1〜30重量%を含む樹脂分組成の樹脂組成物を射出し前記形状部品と前記樹脂組成物とを一体に固着する固着工程とからなる。以下、上記手段を構成する各要素について具体的に説明する。
〔金属部品〕
本発明で使用されるマグネシウム又はマグネシウム合金は、表層に金属酸化物、金属炭酸化物、及び金属リン酸化物から選択される何れか1種の結晶を含むものである。又、この結晶は、クロム、マンガン、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、チタン、バナジウムから選択される1種以上の金属を含んだものである。
このマグネシウム又はマグネシウム合金は、日本工業規格で規定されているAZ31等の展伸用合金、AZ91、AZ92合金等のように、規格化、又は市販されている全てのマグネシウム又はマグネシウム合金が対象である。マグネシウム又はマグネシウム合金で作られる形状部品としては、鋳造用合金等であれば、ダイカスト、チクソモールド、射出成形等の方法で形状化した部品、更にはそれらを機械加工して所望の形状に加工した部品を用いる。又、展伸用合金等では、板材、管材、棒材等の中間材をプレス加工、切削、研削加工等の機械加工を加えて形状化した部品を使用する。
〔金属部品の表面〕
通常、マグネシウム合金の表面は、イオン化傾向が高く空気中の湿気からでも腐食酸化し易いので表面処理が必要とされる。このためにマグネシウム又はマグネシウム合金は、異種金属の塩や酸の水溶液に浸漬することで、その表面に異種金属を含む金属酸化物、金属炭酸化物、金属リン酸化物等の安定層を形成させ、その層の存在によって内部金属の防食を行うという措置が一般に採用されている。金属業界ではこのような浸漬型表面処理を化成処理と称されているが、その前に行う脱脂や化学エッチングも含めて化成処理と言うことも多い。なお、本発明では混同することがないよう、化成処理は耐食層を作るための狭い意味での処理を示すことを意味し、その前に通常は行う脱脂やエッチング等の処理は前処理と称し、更に、前処理と化成処理の双方を含む全体を液処理と称することにする。
マグネシウムやマグネシウム合金に対して為す化成処理として知られているのは、クロム酸を含んだ水溶液に浸漬し、クロム酸化物やクロムのリン酸化物を主成分とする防食層を表面に設ける化成処理であり、一般にクロメート処理と呼ばれている(例えば、米国特許2438877号参照)。最近では、マンガン塩又はマンガン酸塩とリン酸等の混合水溶液に浸漬して表層として酸化マンガンやリン酸マンガンを主成分とする防食層を設ける処理が多く使用されている。
これらクロム系以外の化成処理はノンクロメート処理と呼ばれている(例えば、特開平7−126858号、特開2001−123274号参照)。この他に、アルミニウム、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、チタン等の複合酸化物層を防食層として、表面に設ける方法(例えば、特開2000−199077号参照)もノンクロメート処理として知られている。歴史的には、クロム化合物を使用するクロメート処理法が耐食性に優れた処理法として長く使用されてきた。
しかしながら、クロメート処理用のクロム酸水溶液を用いるので、これが環境上で問題ある6価クロムを含むことから問題となり、現在はクロムを使用しない化成処理法が求められていた。そこで、前述したマンガンやその他の金属を使用した方法が開発された。最近では、マンガン化合物を使った方法がクロメート処理に代替し得る方法と見られているようである。本発明で用いる金属部品は、これらの何れの方法で表面処理されたものであっても使用できる。
本発明者らの研究結果によれば、より好ましい要件は、(1)防食性が十分あること、(2)化成処理で得られた表面層に凹凸があり、且つ電子顕微鏡で見て表面に多くの結晶状物が認められることである。(1)及び(2)の双方が必要だが、本発明では特に(2)に注目する。マグネシウム又はマグネシウム合金が金属酸化物や金属炭酸化物や金属リン酸化物の硬く丈夫な表層を有することが好ましいからである。これは射出された結晶性熱可塑性樹脂が、前述した硬く丈夫な凹凸のある表層に食い込んで結晶化固化することが強い接合力を生むことから来ている。
化成処理で得られた硬く丈夫な表面層が、1μm以下の長さ単位で凹凸形状を有していたり、50〜100nm程度の深さの凹部形状で覆われている等の形状であれば、樹脂が金属の表面で係止されることになり、即ち樹脂が金属表面層の凹凸に引っかかり、即ち、アンカー効果を生むのに好ましい。更には、1μm当りに板状結晶が2個以上認められる場合や、針状や棒状結晶が表面を広く覆っているか又は針状や棒状結晶を外皮とする塊状結晶が連結して表面を覆っている場合が好ましい。1μm当りに板状結晶が2個以上認められる場合、板状結晶が凹凸部の壁の役割を為し、丈夫な凸部の壁となって射出接合力を高くするのに有効である。一方、針状や棒状結晶が表面を30%以上覆っていると、自然と丈夫な凹凸を為し且つ樹脂との引っかかりを良くして射出接合力を高くするのに有効である。以下、各工程の具体的な実施法とその考え方について述べる。
〔マグネシウム又はマグネシウム合金部品の表面処理/前処理〕
マグネシウム又はマグネシウム合金からなる金属部品は、まず脱脂槽に浸漬して機械加工で付着した油剤や指脂を除くのが好ましい。具体的には、市販のマグネシウム用脱脂材を、その薬剤メーカーの指定通りの濃度でマグネシウム用脱脂材を湯に投入した水溶液を用意し、これに金属部品を浸漬した後に、更に水洗するのが好ましい。通常の市販品では、濃度5〜10%として液温を50〜80℃とし5〜10分浸漬する。次いで、酸性水溶液に浸漬してエッチングし、マグネシウム合金部品の表層を溶かして汚れと残存した油剤や界面活性剤の残分を除く。
使用液は、PH2.0〜5.0の、有機カルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸等の弱酸性水溶液が使用できる。マグネシウム純度が100%に近い高純度マグネシウム以外は、マグネシウム合金に異種金属が含まれている。例えば、AZ31、AZ91ではアルミニウムが3〜9%、亜鉛が1%程度含まれており、アルミニウムや亜鉛は弱酸性水溶液を使ったこのエッチング工程では溶け難く不溶物として表面に沈着するから、これら沈着物を溶かして除去して清浄にする工程が必要である。
いわゆるスマット除去と呼ばれている除去技術である。AZ31やAZ91では、まず弱塩基性水溶液に浸漬してアルミニウムのスマットを溶解し(第一スマット処理)、次に強塩基性水溶液に浸漬して亜鉛のスマットを溶かし去る(第二スマット処理)のが普通である。前記第一スマット処理では市販のアルミニウム合金用の脱脂材水溶液が弱塩基性にて使用でき、本発明者等は、そのような市販されているアルミ用脱脂剤を5〜10%濃度で60〜80℃の水溶液として数分浸漬する方法を取った。又、第二スマット処理としては、15〜25%濃度の苛性ソーダ水溶液を70〜80℃として、5〜10分間浸漬する方法を取った。
〔マグネシウム又はマグネシウム合金部品の表面処理/本処理〕
次いで液処理の中で本処理と言える処理を行う。本処理は通常2段階の浸漬処理、即ちまず、弱酸性水溶液に極短時間浸漬して微細エッチングを行い、次いで従来技術である各種マグネシウム合金用の化成処理法を改善して実施することである。微細エッチング工程には、PH2.0〜6.0の有機カルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、フェノール、フェノール誘導体、等の弱酸性水溶液が使用でき、浸漬時間も15〜40秒と極短時間が好ましい。
又、化成処理工程は従来知られている化成処理と基本的には同じ工程である。即ち、この化成処理方法は多数の特許が出願され公知技術であり、例えばクロム、マンガン、カルシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、チタン、バナジウム、カリウム、及びナトリウムから選択される1種以上の金属を含んだ水溶液、水性懸濁液に浸漬することにより、表層に金属酸化物、金属炭酸化物、又は金属リン酸化物を形成させてマグネシウム合金の耐食性を向上させるものも提案されている。一方、実際に商業化されている化成処理は、本発明者等が知る限りにおいて、クロム酸系の水溶液に浸漬して酸化クロム、又はマグネシウムを含むクロム酸化物で表面を覆うクロメート法か、リン酸マンガン系水溶液に浸漬してマンガンのリン酸化物で覆う方法の2種のようである。
現在、6価クロムの使用は人体への影響から敬遠されており、前述した表面処理では後者が主流になってノンクロメート法として呼ばれているものに変わりつつある状況である。本発明者等にとって本処理の目的は、耐食性を与えるだけでなく、射出接合されたとき材料力学的に機械強度が高い表面を形成することにある。本発明者等の検討結果によると、前記微細エッチング工程を省き、前述した特許出願されているタイプの化成処理や、クロメート、ノンクロメート処理法の何れも十分な耐食性が与えられ、且つ必要程度の強固な射出接合物が得られた。その中でも、特に射出接合によりその金属表面と樹脂との間で、より強固な表面形状は電子顕微鏡で見て結晶が多く明確に観察された物であり、電子顕微鏡で見て結晶が多く観察された物を調整するには微細エッチング工程を経たものが好ましい。
前処理を終わったマグネシウム合金部品を、再度、40℃前後とした0.1〜0.5%濃度の水和クエン酸水溶液に15〜60秒浸漬し微細エッチングし、イオン交換水で水洗する。次いで化成処理液として、過マンガン酸カリ1〜5%、酢酸1〜3%、水和酢酸ナトリウム0.1〜1.0%を含む水溶液を40〜60℃として用意し、これに先ほどのマグネシウム合金部品を0.5〜2分浸漬し水洗する。これを60〜90℃とした温風乾燥機に5〜20分入れて乾燥する。
一方、耐食性として最も優れていると一般に認められるクロメート処理法で本発明を実施するに好ましい方法の一例を示す。前記前処理を終わったマグネシウム合金部品を、再度、40℃前後とした0.1〜0.5%濃度の水和クエン酸水溶液に15〜60秒浸漬し微細エッチングし、イオン交換水で水洗する。次いで化成処理液として、無水クロム酸(三酸化クロム)の15〜20%濃度の水溶液を60〜80℃として用意し、これに先ほどのマグネシウム片を2〜4分浸漬し水洗する。これを60〜90℃とした温風乾燥機に5〜20分入れて乾燥する。表面が灰色となったマグネシウム合金部品が得られる。
〔樹脂組成物〕
本発明を構成する樹脂組成物は、PPS70〜99重量%、及びポリオレフィン系樹脂1〜30重量%を含む樹脂分組成物からなり、好ましくは接合性に優れた複合体とするにはPPS80〜97重量%、及びポリオレフィン系樹脂3〜20重量%を含む樹脂分組成とすることが良い。ここで、PPSが70重量%未満である場合、又は、99重量%を越える場合、得られる複合体は金属部品と樹脂組成物との接合性(固着性)に劣るものとなる。
PPSとしては、PPSと称される範疇に属するものであればよく、その中でも樹脂組成物とする際の成形加工性に優れることから直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下、測定した溶融粘度が100〜30,000ポイズであるものであることが好ましい。また、PPSはアミノ基やカルボキシル基等で置換したものや、重合時にトリクロロベンゼン等で共重合したものであってもよい。
また、PPSとしては、直鎖状のものであっても、分岐構造を導入したものであっても、不活性ガス中で加熱処理を施したものであってもかまわない。更に、このPPSは、加熱硬化前又は後に脱イオン処理(酸洗浄や熱水洗浄等)、或いはアセトン等の有機溶媒による洗浄処理を行うことによって、イオン、オリゴマー等の不純物を低減させたものであってもよいし、重合反応終了後に酸化性ガス中で加熱処理を行って硬化を進めたものであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、通常知られているエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂等であり、市販されているものであってもよい。その中でも、特に接着性に優れた複合体を得るという観点から、無水マレイン酸変性エチレン系共重合体、グリシジルメタクリレート変性エチレン系共重合体、グリシジルエーテル変性エチレン共重合体、エチレンアルキルアクリレート共重合体等であることが好ましい。
この無水マレイン酸変性エチレン系共重合体としては、例えば無水マレイン酸グラフト変性エチレン重合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体等をあげることができ、その中でも特に優れた複合体が得られることから、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体であることが好ましく、このエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体の具体的例示としては、「ボンダイン(アルケマ社(大阪府大阪市)製)」等が挙げられる。
このグリシジルメタクリレート変性エチレン系共重合体としては、グリシジルメタクリレートグラフト変性エチレン重合体、グリシジルメタクリレート−エチレン共重合体を挙げることができ、その中でも特に優れた複合体が得られることからグリシジルメタクリレート−エチレン共重合体であることが好ましく、このグリシジルメタクリレート−エチレン共重合体の具体例としては、「ボンドファースト(住友化学社(東京都中央区)製)」等が挙げられる。
このグリシジルエーテル変性エチレン共重合体としては、例えばグリシジルエーテルグラフト変性エチレン共重合体、グリシジルエーテル−エチレン共重合体を挙げることができ、該エチレンアルキルアクリレート共重合体の具体例としては、「ロトリル(アルケマ社製)」等が挙げられる。
本発明の複合体においては金属部品と樹脂組成物との接合性がより優れたものとなることから、樹脂組成物はPPS70〜99重量%及びポリオレフィン系樹脂1〜30重量%を含む樹脂分合計100重量部に対し、さらに多官能性イソシアネート化合物0.1〜6重量部及び/又はエポキシ樹脂1〜25重量部を配合してなるものであることが好ましい。
この多官能性イソシアネート化合物は、市販の非ブロック型、ブロック型のものが使用できる。該多官能性非ブロック型イソシアネート化合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートフェニル)スルホン等が例示される。また、該多官能性ブロック型イソシアネート化合物としては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有し、そのイソシアネート基を揮発性の活性水素化合物と反応させて、常温では不活性としたものであり、該多官能性ブロック型イソシアネート化合物の種類は特に規定したものではなく、一般的には、アルコール類、フェノール類、ε−カプロラクタム、オキシム類、活性メチレン化合物類等のブロック剤によりイソシアネート基がマスクされた構造を有する。該多官能性ブロック型イソシアネートとしては、例えば「タケネート(三井竹田ケミカル社製)」等が挙げられる。
このエポキシ樹脂としては、一般にビスフェノールA型、クレゾールノボラック型等として知られているエポキシ樹脂を用いることができ、該ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば「エピコート(ジャパンエポキシレジン社製)」等が挙げられ、該クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、「エピクロン(大日本インキ化学工業社(東京都中央区)製)」等が挙げられる。
また、本発明の複合体は、金属部品と樹脂組成物の線膨張率差の調整及び樹脂組成物の機械的強度を向上することを目的として、PPS70〜99重量%及びポリオレフィン系樹脂30〜1重量%を含む樹脂分合計100重量部に対し、さらに充填剤1〜200重量部、より好ましくは10〜150重量部を含んでなる樹脂組成物であることが好ましい。
この充填剤としては繊維状充填剤、粒状充填剤、板状充填剤等の充填剤を挙げることができ、該繊維状充填剤としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などが挙げられ、ガラス繊維の具体的例示としては、平均繊維径が6〜14μmのチョップドストランド等が挙げられる。また、該板状、粒状充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、マイカ、ガラスフレーク、ガラスバルーン、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、炭素繊維やアラミド繊維の粉砕物等が挙げられる。該充填剤は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤で処理したものあることが好ましい。
〔複合体の製造方法〕
本発明の複合体の製造方法は金属部品を射出成形金型にインサートする射出成形法であり、以下のように行う。射出成形金型を用意し、金型を開いてその一方に前述の液処理を行ったマグネシウム合金部品をインサートし、金型を閉じ、PPS70〜99重量%及びポリオレフィン系樹脂1〜30重量%を含む樹脂分組成の熱可塑性樹脂組成物を射出し、固化した後に金型を開き離型することにより、複合体の製造を行う。
射出条件について説明する。金型温度としては特に固化後樹脂強度への影響が少なく、複合体の生産効率に優れることから100℃以上が好ましく、より好ましくは120℃以上である。一方、射出温度、射出圧、射出速度は特に通常の射出成形と変わらないが、強いて言えば、射出速度と射出圧は高目にする。
〔作用〕
以上詳記したように、本発明の接合方法を適用することにより、接合性の向上、効率化、適用範囲の拡大等を図ることができた。この結果、モバイル電子機器や家電機器の軽量化や、自動車の搭載機器用部品の軽量化、産業用であるロボットの腕や足等の軽量化、その他多くの産業分野に使用されている部品、筐体の供給、軽量化、生産性に寄与することができる。
以上詳記したように、本発明の複合体は、樹脂組成物と金属部品とが容易に剥がれることなく一体化されたものである。マグネシウム合金部品に特定の化成処理をしたもの、及び、PPS70〜99重量%とポリオレフィン系樹脂1〜30重量%を含む樹脂分組成を有する熱可塑性樹脂組成物を使用することにより、接合性を保ちつつ金属側の環境安定性が高まった。
以下、本発明の実施の形態を実施例によって説明する。図1は、後述する実施例で使用した射出成形金型の断面を図式的に示すものである。図2は、射出成形金型で成形された金属と樹脂の複合体7の外観を示す外観図である。射出成形金型10は、可動側型板2、固定側型板3、キャビティー部、ピンポイントゲート5、ランナー等からなる通常の金型である。複合体7の成形は、可動側型板2を開いて、固定側型板3のキャビティー部にアルミニウム合金片1をインサートし、可動側型板2を閉じる。
ピンポイントゲート5を介して溶融した樹脂をキャビティ内に射出し、樹脂部4を成形して、複合体7が得られる。複合体7は、アルミニウム合金片1と樹脂部4との接合面5を有しており、この接合面5の面積は、後述するように5mm×10mmである。即ち、接合面の面積は0.5cmである。
以下、本発明の実施例を詳記する。
以下に実施例より得られた複合体の評価・測定方法を示す。
〜PPSの溶融粘度測定〜
直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスター「CFT−500(島津製作所社製)」にて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で溶融粘度の測定を行った。
〜X線表面観察(XPS観察)〜
数μm径の表面を深さ数nmまでの範囲で観察する形式のESCA「AXIS−Nova(クラトス/島津製作所社製)」を使用した。
〜電子顕微鏡観察〜
SEM型の電子顕微鏡「S−4800(日立製作所社製)」及び「JSM−6700F(日本電子)」を使用し1〜2KVにて観察した。
〜走査型プローブ顕微鏡観察〜
「SPM−9600(島津製作所社製)」を使用した。
〜複合体の接合強度の測定〜
引っ張り試験機「モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)」を使用し、引っ張り速度10mm/分でせん断破断力を測定した。
[調整例1](PPS組成物の調製例)
この調整例1は、PPSとポリオレフィン系樹脂の混合した調整例を示すものである。攪拌機を装備する50リットルオートクレーブに、NaS・2.9HO6214g、及びN−メチル−2−ピロリドン17000gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、1355gの水を留去した。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン7160gとN−メチル−2−ピロリドン5000gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて2時間重合させた後、30分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。
重合終了後、室温まで冷却しポリマーを遠心分離機により単離した。該固形分を温水でポリマーを繰り返し洗浄し100℃で一昼夜乾燥することにより、溶融粘度が280ポイズのPPS(以下、PPS(1)と記す。)を得た。このPPS(1)を、さらに窒素雰囲気下250℃で3時間硬化を行いPPS(以下、PPS(2)と記す。)を得た。得られたPPS(2)の溶融粘度は、400ポイズであった。
得られたPPS(2)を6.0kgと、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体1.5kg「ボンダインTX8030(アルケマ社製)」、エポキシ樹脂「エピコート1004(ジャパンエポキシレジン社製)」0.5kgをあらかじめタンブラーにて均一に混合した。その後、二軸押出機「TEM−35B(東芝機械社製)」にて、平均繊維径9μm、繊維長3mmのガラス繊維「RES03−TP91(日本板硝子社製)」を、サイドフィーダーから添加量が20重量%となるように供給しながら、シリンダー温度300℃で溶融混練してペレット化したPPS組成物(1)を得た。得られたPPS組成物(1)を175℃で5時間乾燥した。
[調整例2](PPS組成物の調製)
調整例1で得られたPPS(1)を、酸素雰囲気下250℃で3時間硬化を行いPPS(以下、PPS(3)と記す。)を得た。得られたPPS(3)の溶融粘度は、1800ポイズであった。得られたPPS(3)5.98kgとポリエチレン0.02kg「ニポロンハード8300A(東ソー社製)」をあらかじめタンブラーにて均一に混合した。その後、二軸押出機「TEM−35B」にて、平均繊維径9μm、繊維長3mmのガラス繊維「RES03−TP91」をサイドフィーダーから添加量が40重量%となるように供給しながら、シリンダー温度300℃で溶融混練してペレット化したPPS組成物(2)を得た。得られたPPS組成物(2)を175℃で5時間乾燥した。
[調整例3](PPS組成物の調製)
実施例1で得られたPPS(2)7.2kgとグリシジルメタクリレート−エチレン共重合体0.8kg「ボンドファーストE(住友化学社製)」をあらかじめタンブラーにて均一に混合した。その後、二軸押出機「TEM−35B」にて、平均繊維径9μm、繊維長3mmのガラス繊維「RES03−TP91」をサイドフィーダーから添加量が20重量%となるように供給しながら、シリンダー温度300℃で溶融混練してペレット化したPPS組成物(3)を得た。得られたPPS組成物(3)を175℃で5時間乾燥した。
[調整例4](PPS組成物の調製)
調整例1で得られたPPS(2)4.0kgとエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体4.0kg「ボンダインTX8030(アルケマ社製)」をあらかじめタンブラーにて均一に混合した。その後、二軸押出機「TEM−35B」にて、平均繊維径9μm、繊維長3mmのガラス繊維「RES03−TP91」をサイドフィーダーから添加量が20重量%となるように供給しながら、シリンダー温度300℃で溶融混練してペレット化したPPS組成物(4)を得た。得られたPPS組成物(4)を175℃で5時間乾燥した。
[実施例1]
最終処理が湿式バフ掛けの、平均の金属結晶粒径が7μmである0.8mm厚のAZ31Bマグネシウム合金(日本金属社製)を購入し、18mm×45mm(0.8mm厚)の長方形片多数に切断し、金属板1であるマグネシウム合金片とした。この合金片の端部に穴を開け、十数個に対し塩化ビニルでコートした銅線を通し、合金片同士が互いに重ならないように銅線を曲げて加工し、全てを同時にぶら下げられるようにした。
槽に市販のマグネシウム合金用脱脂剤「クリーナー160(メルテックス社製)」を水に投入して75℃、濃度10%の水溶液とした。これに前記合金片を5分浸漬しよく水洗した。
続いて別の槽に40℃とした2%酢酸水溶液を用意し、これに前記の合金片を2分浸漬してよく水洗した。黒色のスマットが付着していた。続いて別の槽に75℃としたアルミニウム合金用脱脂剤「NE−6(メルテックス社製)」7.5%水溶液を用意し、5分浸漬してよく水洗した。この液の弱塩基性でスマットの内のアルミニウム分が溶解できたものと見られた。続いて別の槽に75℃とした20%苛性ソーダ水溶液を用意し、これに前記の合金片を5分浸漬してよく水洗した。これでスマットの内の亜鉛分が溶解できたものとみた。
続いて別の槽に用意した40℃の2%の硝酸水溶液に1.5分浸漬してよく水洗した。次いで別の槽に45℃としたリン酸マンガン系のノンクロメート化成処理液を用意した。即ち、重リン酸マンガン2.5%、85%濃度リン酸を2.5%、トリエチルアミンを2%含む水溶液を用意し、これに5分浸漬し、よく水洗して60℃にした温風乾燥機に10分入れて乾燥した。乾燥後、きれいなアルミ箔の上でマグネシウム合金片から銅線を抜いて置き、まとめて包み、更にこれをポリ袋に入れて封じ保管した。このとき、接合すべき面(穴を開けたのと反対側の端部)に指は触れなかった。
2日後、このうち1個を電子顕微鏡観察した。表面層は板状結晶層が多く見え、その他に不定形の付着物が見えた。これを図3に示す。又、板状結晶同士は空隙部を作っており、その間隔は300〜1000nmで400〜600nmが多かった。この金属板を走査型プローブ顕微鏡で観察し、表面凹凸具合と凹部の深さを観察した。その凹部の深さは50〜150nmが多かった。電子顕微鏡観察によって10箇所を観察したが、1μmに確認できる板状結晶は2〜5個であった。又、同日、別の1個をESCAで観察しマンガンと燐、酸素が大量に観察され、微量のマグネシウム、亜鉛、アルミニウムが観察され、主成分はリン酸マンガンであることが確認された。
更に1日後に残りのマグネシウム合金片を取り出し、油分等が付着せぬよう穴のある方を手袋で摘まみ140℃とした射出成形金型にインサートした。金型を閉じ調製例1により得られたPPS組成物(1)を射出温度310℃で射出した。金型温度は140℃であり、図2で示す一体化した複合体7を20個を得た。樹脂部の大きさは10mm×45mm×5mmであり、接合面6は10mm×5mmの0.5cmであった。成形当日に4個を引っ張り破断試験したところ、平均のせん断破断力は13MPaであった。又、成形当日に170℃の熱風乾燥機に1時間投入してアニールした5個は、更にその1日後に引っ張り試験したが、平均のせん断破断力は12.8MPaであった。
残った一体化品10個に塗料「オーマック/シルバーメタリック(大橋化学社製)」を10μm厚の設定で塗装し170℃×30分焼き付けた。5%塩水を使用して35℃での8時間塩水噴霧を行い水洗して乾燥したが、何れも外観上で異常は認められなかった。
[比較例1]
調製例1により得られたPPS組成物(1)の代わりに、調製例2により得られたPPS組成物(2)を用いた以外は、実施例1と全く同様にしてマグネシウム合金片を作成し、射出成形し、複合体を得た。得られた複合体を170℃で1時間アニールした。要するに、ポリオレフィン系ポリマーを僅かしか含まないPPSとフィラーのみのPPS系樹脂組成物を使用した実験である。1日後、これらを引っ張り試験したところ、せん断破断力は10個の平均で9.0MPaであった。実施例1の数値の約70%に過ぎず使用した樹脂材料の差異が結果として出たものである。
[比較例2]
化成処理をしなかった他は実施例1と全く同様にしてマグネシウム合金片を得た。即ち、AZ31マグネシウム合金片を作り、脱脂し、荒エッチングし、脱スマットし、微細エッチングし、脱スマットまでした。要するに、リン酸マンガン系のノンクロメート処理だけせず水洗して乾燥した。電子顕微鏡観察で結晶は観察されず、表面はマグネシウムの自然酸化物層であった。
2日後に残りのマグネシウム合金片を取り出し、油分等が付着せぬよう穴のある方を手袋で摘まみ140℃とした射出成形金型にインサートした。金型を閉じ調製例1により得られたPPS組成物(1)を射出温度310℃で射出した。金型温度は140℃であり、図2で示す一体化した複合体14個を得た。樹脂部の大きさは10mm×45mm×5mmであり、接合面6は10mm×5mmの0.5cmであった。成形当日に4個を引っ張り破断試験したところ、平均のせん断破断力は11.3MPaであった。
残った一体化品10個に塗料「オーマック/シルバーメタリック(大橋化学社製)」を10μm厚の設定で塗装し170℃×30分焼き付けた。翌日、この塗装品に対し、5%塩水を使用して35℃での8時間塩水噴霧を行い水洗して乾燥したところ、全ての一体化品で細かい塗膜脹れが観察された。この10個全てについて引っ張り破断試験をしたところせん断破断力は平均で7.0MPaとなった。破断面にも脆い酸化膜が浸入しており、化成処理をしていない場合は塗装のみでは実使用に耐えないことが確認された。
[実施例2]
調製例1により得られたPPS組成物(1)の代わりに、調製例3により得られたPPS組成物(3)を用いた以外は、実施例1と全く同様の方法にして複合体を得た。成形した日に170℃×1時間のアニールをし、その2日後にこの複合体を引っ張り試験機でせん断破断力を測定したところ、平均で12.5MPaであった。 残った一体化品10個に塗料「オーマック/シルバーメタリック(大橋化学社製)」を10μm厚の設定で塗装し170℃×30分焼き付けた。5%塩水を使用して35℃での8時間塩水噴霧を行い水洗して乾燥したが、何れも外観上で異常は認められなかった。
[比較例3]
PPS組成物(1)の代わりに、調製例4により得られたPPS組成物(4)とした以外は、実施例1と同様の方法により複合体の製造を試みた。要するに、ポリオレフィン系ポリマーをごく大量に含むPPS系樹脂組成物を使用した実験である。しかしながら、成形時に多量のガスが発生し、成形を中断した。
[実施例3]
仕上げ表面加工が湿式バフ掛けであり、平均の金属結晶粒径が16μmである0.8mm厚のAZ31Bマグネシウム合金板を入手し、化成処理での液レシピーを以下に変えた以外は実施例1と全く同様にして、切断して長方形片とし、液処理をした。 即ち、液処理は微細エッチングをせず、重リン酸マンガン2.5%、85%濃度リン酸を2.5%、トリエチルアミンを2%含む45℃の水溶液に1分浸漬することで化成処理とした。
乾燥2日後に、処理したうちの1個を電子顕微鏡で観察した。その写真を図4に示すが、板状結晶が図3に比較してずっと少なく、1μm当たり0〜1個であった。写真で明らかな様に不定形の付着物が多く見えた。又、同日、別の1個をESCAで観察しマンガンと燐、炭素、酸素が大量に観察され、微量のマグネシウム、亜鉛、アルミニウム、珪素が観察され、主成分はリン酸マンガンであることが確認された。更に1日後に残りのマグネシウム合金片を取り出し、実施例1と全く同様にしてインサート射出成形した。
成形当日に150℃の熱風乾燥機に1時間投入してアニールし、更にその1日後に引っ張り試験したが、平均のせん断破断力は10.0MPaであった。接合していたが接合力は十分高いと言えなかった。材料AZ31B合金の結晶粒径の違いと液処理法の違いによって、実施例1による液処理後の表面結晶状態が変わっていたのが原因とみられた。
残った一体化品10個に塗料「オーマック/シルバーメタリック(大橋化学社製)」を10μm厚の設定で塗装し170℃×30分焼き付けた。5%塩水を使用して35℃での8時間塩水噴霧を行い水洗して乾燥したが、何れも外観上で異常は認められなかった。
[実施例4]
平均の金属結晶粒径が7μmである厚さ0.8mmのAZ31合金板を使用した。実施例1と同様に切断して長方形片とし、これを75℃とした脱脂剤「クリーナー160」10%濃度の水溶液に5分浸漬し、よく水洗した。続いて別の槽に40℃とした酢酸2%の水溶液を用意し、これに前記の合金片を2分浸漬してよく水洗した。黒色のスマットが付着していた。続いて別の槽に75℃としたアルミニウム合金用脱脂剤「NE−6(メルテックス社製)」7.5%水溶液を用意し、5分浸漬してよく水洗した。続いて別の槽に75℃とした20%苛性ソーダ水溶液を用意し、これに前記の合金片群を5分浸漬してよく水洗した。ここまでが前処理であり、処理法は実施例1と同じであった。
続いて別の槽に用意した40℃で0.5%濃度の水和クエン酸水溶液に15秒浸漬し、水洗した。次いで、過マンガン酸カリ3%、酢酸1%、水和酢酸ナトリウム0.5%を含む水溶液を45℃として用意し、1分浸漬し、よく水洗した。褐色となっていた。60℃にした温風乾燥機に10分入れて乾燥した。綺麗なアルミ箔の上でマグネシウム合金片から銅線を抜いて置き、まとめて包み、さらにこれをポリ袋に入れて封じ保管した。この作業で、接合すべき面(穴を開けたのと反対側の端部)に指は触れなかった。
2日後、このうち1個を電子顕微鏡と走査型プローブ顕微鏡による観察を行ったところ、個数平均径100nmの球状結晶が観測され、且つ、これらの球状結晶が連結して表層全面を為していた。電子顕微鏡観察の結果を図5に示す。又、同日、別の1個をESCAで観察しマンガンと酸素が大量に観察され微量のマグネシウム、亜鉛、アルミニウム、炭素、珪素も観察された。主成分は二酸化マンガンを主成分とする酸化マンガンとみられた。色調も褐色でこれを裏付けた。
更に1日後に残りのマグネシウム合金片を取り出し、油分等が付着せぬよう穴のある方を手袋で摘まみ140℃とした射出成形金型にインサートした。実施例1と全く同様にして図2に示す一体化した複合体7を20個得た。成形当日に170℃の熱風乾燥機に1時間投入してアニールし、更にその1日後に引っ張り試験したが、平均のせん断破断力は15.1MPaであった。
残った一体化品10個に塗料「オーマック/シルバーメタリック(大橋化学社製)」を10μm厚の設定で塗装し170℃×30分焼き付けた。5%塩水を使用して35℃での8時間塩水噴霧を行い水洗して乾燥したが、何れも外観上で異常は認められなかった。
[比較例4]
調製例1により得られたPPS組成物(1)に代えて調製例2により得られたPPS組成物(2)を使った以外は、実施例4と全く同様の方法にして複合体を得た。成形した日に170℃×1時間のアニールをし、その2日後にこの複合体を引っ張り試験機でせん断破断力を測定したところ、平均で8.0MPaであった。これは実施例4の約66%であった。
[実施例5]
平均の金属結晶粒径が7μmである厚さ0.8mmのAZ31合金板を入手した。実施例1と同様に切断して長方形片とし前処理を行った。前処理法も実施例1と同じであった。続いて別の槽に用意した40℃で0.25%濃度の水和クエン酸水溶液に30秒浸漬し、水洗した。次いで三酸化クロム20%を含む75℃とした水溶液に前記マグネシウム片を5分間浸漬し、よく水洗した。次いで60℃とした温風乾燥機に10分入れて乾燥した。綺麗なアルミ箔の上でマグネシウム合金片から銅線を抜いて置き、まとめて包み、さらにこれをポリ袋に入れて封じ保管した。この作業で、接合すべき面(穴を開けたのと反対側の端部)に指は触れなかった。
1日後、1個をESCAで観察した。クロムと酸素が大量に観察された。
更に1日後、マグネシウム合金片を取り出し、油分等が付着せぬよう穴のある方を手袋で摘まみ140℃とした射出成形金型にインサートした。実施例1と全く同様にして図2で示す一体化した複合体20個を得た。そのまま170℃の熱風乾燥機に1時間投入してアニールし、更にその1日後に引っ張り試験したが、平均のせん断破断力は13MPaであった。
残った一体化品10個に塗料「オーマック/シルバーメタリック(大橋化学社製)」を10μm厚の設定で塗装し170℃×30分焼き付けた。5%塩水を使用して35℃での8時間塩水噴霧を行い水洗して乾燥したが、何れも外観上で異常は認められなかった。
[比較例5]
調製例1により得られたPPS組成物(1)に代えて調製例2により得られたPPS組成物(2)である以外は、実施例5と全く同様の方法にして複合体を得た。成形した日に170℃×1時間のアニールをし、その2日後にこの複合体を引っ張り試験機でせん断破断力を測定したところ、平均で5.8MPaであった。これは実施例5の約50%であった。
[実施例6]
最終処理が湿式バフ掛けの、平均の金属結晶粒径が7μmである0.8mm厚のAZ31Bマグネシウム合金(日本金属社製)を切断して実施例1と同じ形の長方形片とし、前処理を行った。前処理法は実施例5と同じであった。続いて別の槽に用意した40℃で0.25%濃度の水和クエン酸水溶液に30秒浸漬し、水洗した。次いで、ジルコンアセチルアセトナート0.12%、弗化チタン酸の40%水溶液を0.05%含む60℃とした水溶液に2分浸漬し、よく水洗した。
60℃にした温風乾燥機に10分間入れて乾燥した。清浄なアルミ箔の上でマグネシウム合金片から銅線を抜いて置き、まとめて包み、さらにこれをポリ袋に入れて封じ保管した。この作業で、接合すべき面(穴を開けたのと反対側の端部)に指は触れなかった。1日後、1個をESCAで観察した。ジルコニウムとチタン及び酸素が大量に、又少量のマグネシウムが観察された。主成分はジルコニウムとチタンの酸化物とみられた。
更に、1日後に残りのマグネシウム合金片を取り出し、油分等が付着せぬよう穴のある方を手袋で摘まみ140℃とした射出成形金型にインサートした。実施例1と全く同様にして射出成形し、図2に示す一体化した複合体20個を得た。成形当日に170℃の熱風乾燥機に1時間投入してアニールし、更にその1日後に引っ張り試験したが、平均のせん断破断力は11.2MPaであった。
残った一体化品10個に塗料「オーマック/シルバーメタリック(大橋化学社製)」を10μm厚の設定で塗装し170℃×30分焼き付けた。5%塩水を使用して35℃での8時間塩水噴霧を行い水洗して乾燥したが、何れも外観上で異常は認められなかった。
[比較例6]
調製例1により得られたPPS組成物(1)に代えて調製例2により得られたPPS組成物(2)である以外は、実施例6と全く同様の方法にして複合体を得た。成形した日に170℃×1時間のアニールをし、その2日後にこの複合体を引っ張り試験機でせん断破断力を測定したところ、平均で6.8MPaであった。これは実施例6の約60%であった。
[実施例7]
最終処理が湿式バフ掛けの、平均の金属結晶粒径が7μmである0.8mm厚のAZ31Bマグネシウム合金(日本金属社製)を切断して実施例1と同じ形の長方形片とし、前処理を行った。前処理法は実施例6と同じであった。続いて別の槽に用意した40℃で0.25%濃度のクエン酸水溶液に30秒浸漬し、水洗した。次いで、炭酸カリウム1%を含む70℃とした水溶液に5分浸漬し、よく水洗した。
60℃にした温風乾燥機に10分入れて乾燥した。清浄なアルミ箔の上でマグネシウム合金片から銅線を抜いて置き、まとめて包み、さらにこれをポリ袋に入れて封じ保管した。この作業で、接合すべき面(穴を開けたのと反対側の端部)に指は触れなかった。1日後、1個を電子顕微鏡で観察した。その結果を図6に示す。微細網目模様の綺麗な結晶構造であった。一方、ESCAによる分析ではマグネシウム、酸素、炭素、及び微量の亜鉛、アルミニウム、珪素が認められた。使用した薬品から、酸化マグネシウムと炭酸マグネシウム、又はその錯化合物が主成分で表層を為していると推定した。
更に、1日後に残りのマグネシウム合金片を取り出し、油分等が付着せぬよう穴のある方を手袋で摘まみ140℃とした射出成形金型にインサートした。実施例1と全く同様にして射出成形し、図2に示す一体化した複合体20個を得た。成形当日に170℃の熱風乾燥機に1時間投入してアニールし、更にその1日後に引っ張り試験したが、平均のせん断破断力は10.1MPaであった。残った一体化品10個に塗料「オーマック/シルバーメタリック(大橋化学社製)」を10μm厚の設定で塗装し170℃×30分焼き付けた。5%塩水を使用して35℃での8時間塩水噴霧を行い水洗して乾燥したが、何れも外観上で異常は認められなかった。
[比較例7]
調製例1により得られたPPS組成物(1)に代えて調製例2により得られたPPS組成物(2)を使用した以外は、実施例7と全く同様の方法にして複合体を得た。成形した日に170℃×1時間のアニールをし、その2日後にこの複合体を引っ張り試験機でせん断破断力を測定したところ、平均で6.0MPaであった。これは実施例7の約60%であった。
[実施例8]
実施例7と全く同様にして、平均の金属結晶粒径が7μmである0.8mm厚のAZ31Bマグネシウム合金(日本金属社製)片を使って前処理まで行った。 次いで別の槽に用意した40℃で0.25%濃度のクエン酸水溶液に30秒浸漬し、水洗した。次いで、水和硝酸カルシウム1%、水和硝酸ストロンチウム1%、塩素化ナトリウム0.05%、及び80%リン酸を0.95%含む65℃とした水溶液に10分浸漬し、よく水洗した。60℃にした温風乾燥機に10分入れて乾燥した。
清浄なアルミ箔の上でマグネシウム合金片から銅線を抜いて置き、まとめて包み、さらにこれをポリ袋に入れて封じ保管した。この作業で、接合すべき面(穴を開けたのと反対側の端部)に指は触れなかった。1日後、1個をESCAで観察した。マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及び酸素が大量に、又、少量の燐、微量の亜鉛、アルミニウム、炭素、珪素が観察された。主成分はマグネシウムとカルシウムとストロンチウムの酸化物かリン酸化物かこれらの錯化合物とみられた。
更に、1日後に残りのマグネシウム合金片を取り出し、油分等が付着せぬよう穴のある方を手袋で摘まみ140℃とした射出成形金型にインサートした。実施例1と全く同様にして射出成形し、図2に示す一体化した複合体20個を得た。成形当日に170℃の熱風乾燥機に1時間投入してアニールし、更にその1日後に引っ張り試験したが、平均のせん断破断力は10.0MPaであった。残った一体化品10個に塗料「オーマック/シルバーメタリック(大橋化学社製)」を10μm厚の設定で塗装し170℃×30分焼き付けた。5%塩水を使用して35℃での8時間塩水噴霧を行い水洗して乾燥したが、何れも外観上で異常は認められなかった。
[比較例8]
調製例1により得られたPPS組成物(1)に代えて調製例2により得られたPPS組成物(2)を使用した以外は、実施例8と全く同様の方法にして複合体を得た。成形した日に170℃×1時間のアニールをし、その2日後にこの複合体を引っ張り試験機でせん断破断力を測定したところ、平均で4.8MPaであった。これは実施例8の約50%であった。
[実施例9]
実施例8と全く同様にして、平均の金属結晶粒径が7μmである0.8mm厚のAZ31Bマグネシウム合金(日本金属社製)片を使って前処理まで行った。 次いで別の槽に用意した40℃で0.25%濃度のクエン酸水溶液に30秒浸漬し、水洗した。次いで、三塩化バナジウム1%を含む45℃とした水溶液に2分浸漬し、よく水洗した。60℃にした温風乾燥機に10分入れて乾燥した。清浄なアルミ箔の上でマグネシウム合金片から銅線を抜いて置き、まとめて包み、さらにこれをポリ袋に入れて封じ保管した。
この作業で、接合すべき面(穴を開けたのと反対側の端部)に指は触れなかった。1日後、1個をESCAで観察した。バナジウム、酸素が大量に、マグネシウムが少量、又ごく少量の亜鉛、アルミニウム、珪素が観察された。主成分はバナジウム酸化物かバナジウムとマグネシウムの酸化物とみられた。
更に、1日後に残りのマグネシウム合金片を取り出し、油分等が付着せぬよう穴のある方を手袋で摘まみ140℃とした射出成形金型にインサートした。実施例1と全く同様にして射出成形し、図2に示す一体化した複合体20個を得た。成形当日に150℃の熱風乾燥機に1時間投入してアニールし、更にその1日後に引っ張り試験したが、平均のせん断破断力は11.0MPaであった。
残った一体化品10個に塗料「オーマック/シルバーメタリック(大橋化学社製)」を10μm厚の設定で塗装し170℃×30分焼き付けた。5%塩水を使用して35℃での8時間塩水噴霧を行い水洗して乾燥したが、何れも外観上で異常は認められなかった。
[比較例9]
調製例1により得られたPPS組成物(1)に代えて調製例2により得られたPPS組成物(2)を使用した以外は、実施例9と全く同様の方法にして複合体を得た。成形した日に170℃×1時間のアニールをし、その2日後にこの複合体を引っ張り試験機でせん断破断力を測定したところ、平均で8.0MPaであった。これは実施例9の約70%であった。
[実施例10]
実施例9と全く同様にして、平均の金属結晶粒径が7μmである0.8mm厚のAZ31Bマグネシウム合金(日本金属社製)片を使って前処理まで行った。 続いて別の槽に用意した40℃で0.25%濃度の水和クエン酸水溶液に30秒浸漬し、水洗した。次いで、過マンガン酸カリ2%、酢酸1%、水和酢酸ナトリウム0.5%を含む水溶液を45℃として用意し、30秒浸漬した。
次いで、過マンガン酸カリ2%、酢酸1%、水和酢酸ナトリウム0.5%を含む水溶液を10℃として用意し、5分浸漬した。褐色となっていた。60℃にした温風乾燥機に10分入れて乾燥した。綺麗なアルミ箔の上でマグネシウム合金片から銅線を抜いて置き、まとめて包み、さらにこれをポリ袋に入れて封じ保管した。この作業で、接合すべき面(穴を開けたのと反対側の端部)に指は触れなかった。
3日後にこのマグネシウム合金片を取り出し、油分等が付着せぬよう穴のある方を手袋で摘まみ140℃とした射出成形金型にインサートした。実施例1と全く同様にして図2に示す一体化した複合体20個を得た。同日、170℃の熱風乾燥機に1時間投入してアニールし、更にその1日後に引っ張り試験したが、平均のせん断破断力は18.0MPaであった。
残った一体化品10個に塗料「オーマック/シルバーメタリック(大橋化学社製)」を10μm厚の設定で塗装し170℃×30分焼き付けた。5%塩水を使用して35℃での8時間塩水噴霧を行い水洗して乾燥したが、何れも外観上で異常は認められなかった。この実験は、実施例4の結果が良かったので化成処理の温度条件を若干修飾して実施したものである。
図1は、マグネシウム板片と樹脂組成物との複合体を製造する過程を模式的に示した金型構成図である。 図2は、マグネシウム板片と樹脂組成物との複合体を模式的に示す単体の外観図である。 図3は、酢酸水溶液を荒エッチング剤として使用し、微細エッチング剤として希硝酸を使用し、更にリン酸マンガン系の化成処理をして得た金属結晶平均粒径7μmのAZ31Bマグネシウム合金の表面写真である。 図4は、酢酸水溶液を荒エッチング剤として使用し、微細エッチング剤として希硝酸を使用し、更にリン酸マンガン系の化成処理をして得た金属結晶平均粒径16μmのAZ31Bマグネシウム合金の表面写真である。 図5は、酢酸水溶液を荒エッチング剤として使用し、微細エッチング剤としてクエン酸を使用し、更に過マンガン酸カリ系の化成処理をして得た金属結晶粒径7μmのAZ31Bマグネシウム合金の表面写真である。 図6は、酢酸水溶液を荒エッチング剤として使用し、微細エッチング剤としてクエン酸を使用し、更に炭酸カリ系の化成処理をして得た金属結晶粒径7μmのAZ31Bマグネシウム合金の表面写真である。
符号の説明
1:金属板
2,3:金型
4:樹脂組成物
5:ピンポイントゲート
6:接合面
7:複合体

Claims (10)

  1. 表層に金属酸化物、金属炭酸化物、及び金属リン酸化物から選択される何れか1種の結晶を含むマグネシウム合金又はマグネシウム合金製の金属部品において、
    前記結晶は、クロム、マンガン、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、チタン、及びバナジウムから選択される1種以上の金属を含んだものであり、
    前記結晶にポリフェニレンサルファイド樹脂70〜99重量%及びポリオレフィン系樹脂1〜30重量%を含む樹脂組成物が固着されている
    ことを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  2. 請求項1に記載の金属と樹脂の複合体において、
    前記樹脂組成物は、ポリフェニレンサルファイド樹脂80〜97重量%及びポリオレフィン系樹脂3〜20重量%である
    ことを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  3. 請求項1又は2に記載の金属と樹脂の複合体において、
    前記マグネシウム又はマグネシウム合金製部品の表層には、電子顕微鏡観察で1μm当りに板状結晶が2個以上認められることを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  4. 請求項1又は2に記載の金属と樹脂の複合体において、
    前記マグネシウム又はマグネシウム合金製部品の表層には、電子顕微鏡観察で見て針状や棒状結晶、又は針状や棒状結晶外皮を有する塊状結晶が覆う面積の比が30%以上である
    ことを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  5. 請求項1ないし4から選択される1項に記載の金属と樹脂の複合体において、
    前記樹脂組成物は、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂の合計樹脂分100重量部に対して、さらに多官能性イソシアネート化合物0.1〜6重量部及び/又はエポキシ樹脂1〜25重量部を配合してなる
    ことを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  6. 請求項1ないし5から選択される1項に記載の金属と樹脂の複合体において、
    前記樹脂組成物は、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂の合計樹脂分100重量部に対して、さらに充填剤1〜200重量部を配合してなるものであることを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  7. 請求項6に記載の金属と樹脂の複合体において、
    前記充填剤は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、及びガラス粉から選ばれる1種以上であることを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  8. 請求項1ないし7から選択される1項に記載の金属と樹脂の複合体において、
    前記ポリオレフィン系樹脂が、無水マレイン酸変性エチレン系共重合体、グリシジルメタクリレート変性エチレン系共重合体、グリシジルエーテル変性エチレン系共重合体、及びエチレンアルキルアクリレート共重合体から選択される少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  9. 請求項1ないし7から選択される1項に記載の金属と樹脂の複合体において、
    ポリオレフィン系樹脂が、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレートニ元共重合体から選択される少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする金属と樹脂の複合体。
  10. マグネシウム又はマグネシウム合金素材を鋳造物や中間材からの機械加工で形状部品化する形状加工工程と、
    前記形状化した形状部品を、クロム、マンガン、カルシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、チタン、バナジウム、カリウム、及びナトリウムから選択される1種以上の金属を含んだ水溶液又は水性懸濁液に浸漬することにより、前記形状部品の表層に、金属酸化物、金属炭酸化物、及び金属リン酸化物から選択される1種以上の被膜を形成する液処理工程と、
    前記液処理工程後の前記形状部品を射出成形金型にインサートしてポリフェニレンサルファイド70〜99重量%及びポリオレフィン系樹脂1〜30重量%を含む樹脂分組成の樹脂組成物を射出し前記形状部品と前記樹脂組成物とを一体に固着する固着工程と、
    からなる金属と樹脂の複合体の製造方法。
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