JP2007310108A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】定着性、耐高温オフセット性、現像性に優れ、かつワックス分散性に優れた、感光体にトナー融着の発生しないトナーを提供することにある。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナーにおいて、該結着樹脂はハイブリッド樹脂を含有し、該ハイブリッド樹脂はビニル系モノマーで変性したパラフィンワックスの存在下で重合したものであることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電印刷法、及びトナージェット法の如き画像形成方法に用いられるトナー、及びトナー用結着樹脂に関するものである。
従来、トナー用結着樹脂としてはポリエステル樹脂等の縮重合樹脂、及びスチレン系樹脂などのビニル系樹脂が主に使用されている。ポリエステル樹脂は定着性に優れた性能を有しているが、高分子量化が難しく、高温でのオフセット現象を発生しやすいという欠点を併せ持っている。
この欠点を補うために、ポリエステル樹脂に架橋成分を含有させて樹脂の溶融粘度を上げ、高温オフセットの改良を行おうとすると、定着性を損なうばかりでなく、トナー製造時の粉砕性も悪化してしまう。また、ポリエステル樹脂はワックス成分を均一に分散することが難しく、ワックスの分散不良による現像性の悪化等の問題も発生し易い。
一方、スチレン系樹脂などのビニル系樹脂は、トナー製造時の粉砕性に優れており、高分子量化が容易なため、耐高温オフセット性には優れており、ワックスの分散性に関してもポリエステル樹脂と比較すると均一に分散させやすい利点を持っている。定着性を向上させるために低分子量化や低Tg化を行うと、耐ブロッキング性や現像性が悪化する傾向がある。
また、トナーの定着性改良のために、低融点のパラフィンワックスを添加する試みも行われている。特に定着性に優れるポリエステル樹脂に低融点パラフィンワックスを組合せることで定着性の大幅な向上が期待できるが、この組合せはトナー中にワックスを均一に分散させることが難しく、現像性に影響を与えずに定着性を改良することが難しかった。
特許文献1には、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有しているハイブリッド樹脂とスチレン系モノマーで変性した変性パラフィンワックスとを組み合わせたトナーについて開示されている。
特許文献2には、特定の分子量分布を有するスチレン系モノマーで処理した炭化水素ワックスについて開示されている。
特許文献3には、BET比表面積の異なる二種の無機微粉体と、スチレン系モノマーによって処理されたスチレン系ユニットを有する処理ワックスを組み合わせたトナーについて開示されている。
これらの提案によれば確かに定着性や耐高温オフセット性は向上するものの、本体のスピードアップや定着器の小型化に伴って要求される定着性能を充分に満たすには至っていない為、更なるトナーの改良が望まれている。
特開2003−84483号公報 特開2004−21112号公報 特開2005−84580号公報
定着性、耐高温オフセット性、現像性に優れ、かつワックス分散性に優れた、感光体にトナー融着の発生しないトナーを提供することにある。
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナーにおいて、該結着樹脂はハイブリッド樹脂を含有し、該ハイブリッド樹脂はビニル系モノマーで変性したパラフィンワックスの存在下で重合したものであることを特徴とするトナーに関する。
上記目的を達成するため、本出願に係る第2の発明は、該ハイブリッド樹脂はビニル系モノマーと反応可能な不飽和ポリエステル樹脂の存在下で、ビニル系モノマーを重合したものであることを特徴とするトナーに関する。
上記目的を達成するため、本出願に係る第3の発明は、該結着樹脂は、少なくともポリエステルユニットを50質量%以上含有することを特徴とするトナーに関する。
定着性、耐高温オフセット性、現像性に優れ、かつワックス分散性に優れた、感光体にトナー融着の発生しないトナーを提供することにある。
本発明者らは、上記のようにビニル系モノマーで変性したパラフィンワックスの存在下で重合したハイブリッド樹脂を用いることで、ポリエステル樹脂の定着性とビニル樹脂の耐高温オフセット性という両者の優れた性能を最大限に発揮し、かつ、ワックス分散性に優れ、感光体へのトナー融着を発生させない、現像性に優れたトナーを得られることを見出した。この効果発現のメカニズムについてはまだ明確になっていないが、以下のように推測される。
ビニル系モノマーで変性したパラフィンワックス(以下変性パラフィンワックスと称す)の存在下でハイブリッド樹脂を重合すると、ハイブリッド樹脂中のビニル系ユニットと変性パラフィンワックス中のビニル系ユニットが分子レベルで非常に近い位置に存在することが可能になり、変性パラフィンワックスがハイブリッド樹脂中に均一に分散され、一部相溶することができる。その結果、ハイブリッド樹脂とワックスの親和性が高まり、トナー中でワックスが均一に分散するので、トナー粒子の表面にワックスが偏在することがなくなり、トナーの帯電を阻害する因子が減少し、高い帯電性を有するトナーが得られるようになる。また、変性パラフィンワックスが分子レベルでビニル系ユニットの近傍に存在することで、定着時にビニル系ユニットが少ない熱量でも溶融することが可能になり、トナーのシャープメルト性が向上するので、定着性を大幅に改良することが可能になる。これにより、樹脂成分の低分子量化や低Tg化を行わなくても定着性の改良が可能になるので、高温オフセット性も維持することが可能になる。さらに、ハイブリッド樹脂と変性パラフィンワックスが一部相溶することで、トナー粒子の表面にワックスの離型性を均一に持たせることが出来る為、クリーニング部や接触帯電部でトナーが感光体に押圧されてもトナーが感光体に付着しにくくなり、感光体へのトナー融着を防止できる。
これに対し、変性パラフィンワックスを存在させずにハイブリッド樹脂を重合した後に、変性パラフィンワックスを添加した場合、ハイブリッド樹脂の分子が固定されて分子運動の自由度が低い為、ハイブリッド樹脂中のビニル系ユニットと変性パラフィンワックス中のビニル系ユニットが分子レベルで近付くことが出来にくく、ハイブリッド樹脂とワックスの親和性を高めることが難しくなる。その結果、ワックスをトナー中に均一に分散させることが難しくなり、ワックスの偏在によるトナーの帯電量の低下が起こりやすく、現像性が低下する。また、ワックスがビニル系ユニット近傍に存在しにくくなるので、定着時にビニル系ユニットの溶融を促進させにくく、定着性改良の効果が得られない。さらに、ハイブリッド樹脂と変性パラフィンワックスが相溶出来なくなる為、トナー粒子の表面に離型性を持たせることが出来ず、感光体へのトナー融着が発生しやすくなる。
これらの現象は、特にゲル成分を含むハイブリッド樹脂を使用した場合に、架橋構造により樹脂分子の分子運動が制限される為、より顕著となる。
本発明で用いられる結着樹脂は、ハイブリッド樹脂単独で用いることも可能であるが、少なくとも変性パラフィンワックス存在下で重合されたハイブリッド樹脂を含有していれば、他の樹脂成分を含有する混合物であっても良い。
例えば、ハイブリッド樹脂とビニル系樹脂との混合物、又はハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、又はポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂とビニル系樹脂の混合物などが挙げられる。
ハイブリッド樹脂は、ポリエステル成分と(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマー成分を重合したビニル系重合体成分とがエステル交換反応によって形成されるもの、ポリエステル成分と(メタ)アクリル酸の如きカルボン酸基を有するモノマー成分を重合したビニル系重合体成分とがエステル化反応によって形成されるもの、あるいはフマル酸のような不飽和基を持つモノマーを用いて重合された不飽和ポリエステル樹脂成分の存在下でビニル系モノマーを重合して形成されるものなどがある。
ハイブリッド樹脂は、ビニル系樹脂成分及び/又はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含有させ、それらを反応させることによって得ることができる。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうち、ビニル系樹脂成分と反応し得るものとしては、例えば、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系樹脂成分を構成するモノマーのうちポリエステル成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
本発明で用いられるハイブリッド樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(5)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系樹脂成分とポリエステル樹脂成分を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行って、ポリエステル樹脂成分とビニル系樹脂成分を有するハイブリッド樹脂を得ることが出来る。
(2)ビニル系樹脂成分製造後に、この存在下にポリエステル樹脂成分を反応させ、ポリエステル樹脂成分とビニル系樹脂成分を有するハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はビニル系樹脂成分(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)及び/またはポリエステル樹脂成分との反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステル樹脂成分製造後に、この存在下にビニル系樹脂成分を生成し、反応させポリエステル樹脂成分とビニル系樹脂成分を有するハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はポリエステル樹脂成分(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系樹脂成分との反応により製造される。
(4)ビニル系樹脂成分及びポリエステル樹脂成分製造後に、これらの重合体成分存在下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂が製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系樹脂成分、ポリエステル樹脂成分及びポリエステル樹脂成分とビニル系樹脂成分を有するハイブリッド樹脂が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)〜(5)の製造方法において、ビニル系樹脂成分及び/またはポリエステル樹脂成分は複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体成分を使用することができる。
本発明で特に好ましく用いられる製造方法としては(3)が挙げられ、なかでも使用されるポリエステル樹脂成分が不飽和ポリエステル樹脂であることが好ましい。
不飽和ポリエステル樹脂の存在下でビニル系モノマーを重合することで、ビニル系ユニットを主鎖とし、ビニル系ユニットと反応した不飽和ポリエステル樹脂由来のポリエステルユニットが分岐鎖として存在する構造のハイブリッドユニットを得る事が出来る。変性パラフィンワックス存在下でこのハイブリッドユニットを重合すると、ビニル系モノマーと変性パラフィンワックスが分子レベルで均一に分散された状態からビニル系モノマーの重合が始まるので、重合されたビニル系ユニットの近傍に変性パラフィンワックスが存在した状態でハイブリッドユニットが生成でき、ワックスとの親和性の高いハイブリッドユニットが重合できる。そのため、このハイブリッドユニットを含有する結着樹脂をトナー化すると、ワックス分散を飛躍的に向上させることが可能になるとともに、トナー粒子表面に均一に離型性を持たせることが出来、感光体へのトナー融着を防止する効果も得られる。
本発明で用いられるハイブリッド樹脂の重合法としては、上記(3)に記載の方法が好ましく用いられる。具体的には、有機溶剤にポリエステル樹脂成分と変性パラフィンワックスを溶解し、ビニル系モノマーと重合開始剤を添加して重合を行う溶液重合法、有機溶剤を用いず、加熱溶融したポリエステル樹脂成分に、変性パラフィンワックスとビニル系モノマーを添加混合し、重合開始剤を添加して重合を行う塊状重合法、ポリエステル樹脂成分と変性パラフィンワックスをビニル系モノマーに溶解し、必要に応じて有機溶剤を添加し、重合開始剤を添加して水中に分散させて重合を行う懸濁重合法などが挙げられ、特に本発明では塊状重合法が好ましく用いられる。
塊状重合法は、溶液重合法と比較して溶媒の留去などの工程が必要ないため低コストで結着樹脂を得ることができる、また、懸濁重合法と比較して、分散剤等の不純物を含まない為、トナーの帯電性などへの影響が少なく優れた現像性を得られる等、トナー用結着樹脂としてのメリットが大きく、好ましい。
本発明で用いる結着樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂の存在下でビニル系モノマーを、不飽和ポリエステル樹脂:ビニル系モノマー=50:50〜90:10(好ましくは60:40〜80:20)の質量比で塊状重合することにより得られるハイブリッド樹脂成分を含有することが好ましい。不飽和ポリエステル樹脂の質量比が50:50よりも少ないと定着性が悪化しやすく、90:10よりも多いと耐高温オフセット性が悪化しやすい。
本発明のハイブリッド樹脂に用いられる不飽和ポリエステル樹脂成分としては、THF可溶分のGPC分子量分布において、分子量2,000〜30,000(好ましくは3,000〜20,000、より好ましくは5,000〜15,000)の範囲にメインピークを有する低分子量不飽和ポリエステル樹脂成分が好ましく用いられ、さらには、ゲル成分を含まない線状の不飽和ポリエステル樹脂成分が特に好ましい。メインピーク分子量が2,000より小さいと現像性が悪化しやすく、30,000より大きいと定着性が悪化しやすい。また、不飽和ポリエステル樹脂成分が非線状分子であったり、ゲル成分を含んでいたりすると、ハイブリッドユニットを形成した際に架橋点が多くなり、ハイブリッド樹脂中に柔軟性のない硬いゲル成分を生成してしまい、定着性を悪化させやすいので好ましくない。
さらに、本発明で用いられる不飽和ポリエステル樹脂成分としては、数平均分子量(Mn)が2,000〜20,000、好ましくは3,000〜10,000のものが良い。数平均分子量(Mn)が2,000より小さいと、ハイブリッド樹脂にゲル成分が生成しにくく、耐高温オフセット性や現像耐久性が悪化しやすい。数平均分子量(Mn)が20,000よりも大きいと、不飽和ポリエステル樹脂成分のビニル系モノマーへの溶解性が低くなって塊状重合によりハイブリッド樹脂を得ることが難しくなり、ポリエステル系樹脂成分とビニル系樹脂成分が分離したり、トナーの帯電性が悪化したりする場合がある。
また、本発明で用いる不飽和ポリエステル樹脂成分は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比、Mw/Mnが1.0〜5.0、好ましくは1.0〜3.0のものが、定着時のシャープメルト性の観点から好ましい。Mw/Mnが5.0より大きいと、定着性が悪化しやすい。
また、本発明で用いられる不飽和ポリエステル樹脂成分は、酸価が0.1〜30mgKOH/g(好ましくは1〜20mgKOH/g、より好ましくは1〜10mgKOH/g)、水酸基価が10〜60mgKOH/g(好ましくは20〜60mgKOH/g、より好ましくは30〜50mgKOH/g)である場合に、トナーが優れた帯電性を示す為、好ましい。この範囲よりも酸価や水酸基価が小さいと、トナーの帯電性が不十分になり、現像性が悪化しやすく、この範囲よりも大きいと、結着樹脂の水分吸着性が高くなり、トナーの帯電が不安定になりやすいのでカブリが悪化する。
このような不飽和線状ポリエステル樹脂成分の存在下でビニル系モノマーを重合することで、分子量が大きくて直鎖性の高いビニル系樹脂成分を主鎖として、低分子量ポリエステル樹脂成分がビニル系樹脂成分から分岐した形の分子構造を持つ、ハイブリッドユニットを得ることが出来る。更に、この分岐構造を持つハイブリッドユニット中の酸基や水酸基が、ハイブリッドユニット間でエステル結合することによりゲル成分を形成する。
こうして得られたハイブリッド樹脂により形成されるゲル成分は、架橋点間分子量が大きく、熱により軟化しやすい。また、分子構造にポリエステルユニットを多量に含むため、ハイブリッド化していない低分子量ポリエステル系樹脂成分をゲル構造内に多量に取り込むことができる。その結果、軟化点の低い低分子量ポリエステル系樹脂成分を多量に添加しても、トナーの機械的強度を維持することが可能となり、優れた定着性と現像耐久性を両立させることが可能になる。さらに、架橋点間分子量が大きく、直鎖性の高いゲル成分は、分子構造に柔軟性があるため剪断力に強く、トナー化の混練工程でゲル成分の分子切断が起こりにくい。そのため、混練条件によらず一定のゲル成分をトナーに含有させることが可能となり、優れた耐高温オフセット性をトナーに安定して与えることが出来る。
本発明のトナーは、結着樹脂由来のテトラヒドロフラン不溶分(ゲル成分)を1〜50質量%(好ましくは1〜40質量%、より好ましくは3〜30質量%)含有し、さらにこのようなゲル成分中にポリエステル系樹脂成分とビニル系樹脂成分の反応生成物であるハイブリッド樹脂を含有することが好ましい。テトラヒドロフラン不溶分が1質量%未満であると、高温オフセットが悪化する場合がある。テトラヒドロフラン不溶分が50質量%より多いと、着色剤などの材料をトナー中に均一に分散させることが難しくなり、トナーの帯電性が悪化し、カブリや画像濃度の低下が起こる場合がある。
また、テトラヒドロフラン不溶分中に含まれるポリエステル系樹脂成分を加水分解し、残留物として得られる成分のTHF可溶分が、分子量50,000〜500,000(好ましくは50,000〜300,000、より好ましくは50,000〜200,000)の範囲にメインピークを有することが好ましい。このような構造は、分子量の大きいビニル系ユニットにポリエステルユニットがハイブリッド化されており、架橋点間分子量が大きく、分子量の大きなゲル構造が得られていることを示している。
このようなテトラヒドロフラン不溶分を含有するトナーは、定着時に少ない熱量でもゲル成分であるテトラヒドロフラン不溶分が分子運動をしやすくなり、架橋点間分子量が小さいゲル成分を含有する場合と比較して結着樹脂が熱で軟化しやすくなるため、定着性が向上する。さらに、このようなゲル成分は、高温でも高い粘度を維持することが可能になり、耐高温オフセット性を改良することができる。また、少量のゲル成分でも耐高温オフセット性を維持できる為に、低分子量成分を多く含有させることが出来、更に定着性を改良することも可能となる。
テトラヒドロフラン不溶分中に含まれるポリエステル系樹脂成分を加水分解し、残留物として得られるビニル系樹脂成分のTHF可溶分のメインピーク分子量が50,000未満であると、ゲル成分が硬くなりやすく、定着性が悪化する場合がある。また、架橋点間分子量が小さくなるので、ゲル成分に柔軟性がなくなり、トナー化の混練時の剪断力でゲル成分が切れやすくなり、耐高温オフセット性が悪化する場合がある。メインピーク分子量が500,000より大きいと、ゲル成分をトナー中に均一に分散させることが難しくなり、現像性が悪化しやすい。テトラヒドロフラン不溶分中に含まれるポリエステル系樹脂成分を加水分解し、残留物として得られる成分のTHF可溶分の分子量分布は、以下のような手順で測定できる。
まず、トナーから結着樹脂由来のテトラヒドロフラン不溶分を取り出し、このテトラヒドロフラン不溶分をアルカリ性水溶液中で加熱し、ポリエステル系樹脂成分を加水分解して取り除く。ビニル系樹脂成分は加水分解されずに樹脂成分として残留するため、残留物を抽出してGPCにより分子量分布を測定する。具体的な測定法を以下に示す。
(1)テトラヒドロフラン不溶分の分離
トナーを秤量し、円筒ろ紙(例えばNo.86Rサイズ28×10mm 東洋ろ紙社製)に入れてソックスレー抽出器にかける。溶媒としてテトラヒドロフラン200mlを用いて、テトラヒドロフラン可溶分を16時間抽出する。このとき、テトラヒドロフランの抽出サイクルが約4〜5分に1回になるような還流速度で抽出を行う。抽出終了後、円筒ろ紙を取り出し、円筒ろ紙上のトナーのテトラヒドロフラン不溶分を採取する。
トナーが磁性体を含有する磁性トナーの場合、この採取したテトラヒドロフラン不溶分をビーカーに入れ、テトラヒドロフランを加えてに充分に分散させた後、ビーカー底部に磁石を近づけて磁性体をビーカー底部に沈殿、固定させる。この状態でテトラヒドロフランとテトラヒドロフランに分散されたゲル成分を別の容器に移し替えることで磁性体を取り除き、テトラヒドロフランをエバポレートすることで、結着樹脂由来のテトラヒドロフラン不溶分を分離する。
(2)加水分解によるビニル系樹脂成分の分離
得られた結着樹脂由来のテトラヒドロフラン不溶分を2mol/lのNaOH水溶液に1質量%の濃度で分散させ、耐圧容器、150℃、24時間の条件でポリエステル系樹脂成分を加水分解する。この加水分解液から以下の手順でビニル系樹脂成分を分離する。
i)加水分解液をメンブランフィルターを用いて吸引ろ過して残留物であるビニル系樹脂成分を分離した。これにより、ポリエステル系樹脂成分の分解物であるモノマー成分ををろ液中に除去する。
ii)残留物であるビニル系樹脂成分は、ビニル系樹脂成分に含まれるアクリル酸エステル成分が加水分解することでナトリウム塩となっている為、残留物を水中に分散し、塩酸を加えてpH=2に調整し、ビニル系樹脂成分に含まれるアクリル酸エステル成分が加水分解することにより生じたCOO-基をプロトン化した後、メンブランフィルターでろ過分離した。
(3)ビニル系樹脂成分のGPC測定
加水分解により分離したテトラヒドロフラン不溶分中に含まれるビニル系樹脂成分をテトラヒドロフランに溶解し、GPCにより分子量分布の測定を実施する。
また、本発明のトナーは、トナーのTHF可溶分のGPC分子量分布において、分子量2,000〜30,000(好ましくは3,000〜20,000、より好ましくは5,000〜15,000)の範囲にメインピークを有し、分子量40,000〜1,000,000の範囲の成分を3〜30面積%(好ましくは5〜25面積%、より好ましくは5〜20面積%)含有することが好ましい。
トナーのTHF可溶分の分子量分布において、低分子量域にメインピークを有し、高分子量域の成分を一定量含有し、さらには前述したようなゲル成分を持たせることで、高いレベルの定着性と耐高温オフセット性を維持しながら、長期の使用にわたり安定した現像性(高耐久性)を与えることが可能になる。
架橋点間分子量の大きいハイブリッド樹脂成分は、2,000〜30,000にピーク分子量を持つような低分子量成分を架橋構造内に取り込みやすいため、ゲル成分が熱による溶融をしやすくなり、定着性が向上する。また、分子量40,000〜1,000,000の範囲の高分子量成分が、低分子量成分とゲル成分の混合性を高める為、耐高温オフセット性を向上させる。また、ゲル成分がトナー中に均一に混合されることでトナー製造時の粉砕性が向上し、粉砕時に発生する超微粉や粗大粉が大幅に少なくなる。その結果、トナーの帯電を阻害する因子が減少し、優れた現像耐久性を持たせることが可能になる。
メインピークが分子量2,000未満であると、トナーの保存性や現像性が悪化しやすく、30,000より大きいと、定着性が悪化しやすい。分子量40,000〜1,000,000の範囲の成分が3面積%未満であると、ゲル成分の均一混合性が低下しやすく、粉砕時に超微粉や粗大粉が発生しやすくなり、現像耐久性が悪化しやすい。分子量40,000〜1,000,000の範囲の成分が30面積%より多いと、トナー粘度が高くなりすぎて定着性が悪化しやすい。
本発明に用いられるポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
Figure 2007310108
(式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0〜10である。)
また(B)式で示されるジオール類;
Figure 2007310108
2価の酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
また、不飽和ポリエステル樹脂を得る為の不飽和基を持つ酸成分として、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル等が好ましく用いられる。
これら不飽和ジカルボン酸は、ポリエステルモノマーの全酸成分に対して、0.1〜10mol%(好ましくは0.3〜5mol%、より好ましくは0.5〜3mol%)の割合で添加することが好ましい。この範囲で不飽和ジカルボン酸を添加した場合に、低分子量ポリエステル分子中に占める不飽和基濃度が最適となる。不飽和ジカルボン酸が0.1mol%より少ないと、ポリエステル系樹脂成分とビニル系樹脂成分のハイブリッド化が起こりにくく、定着性や現像性の改良効果が得られにくくなる。不飽和ジカルボン酸が10mol%より多いと、ポリエステル樹脂1分子に含まれる不飽和基が多くなる為、ポリエステル樹脂1分子とハイブリッド化するビニル系樹脂が多くなり、架橋点間分子量が小さくなるため、ゲル成分が硬くなりやすい。その結果、定着性が悪化したり、トナー化時の混練でゲル成分が剪断されて耐高温オフセット性が悪化したりする。
本発明で使用されるポリエステル樹脂は線状のものが好ましいが、必要に応じて3価以上のアルコール成分や3価以上の酸成分を使用することも可能である。
3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;次式
Figure 2007310108
(式中、Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5〜30のアルキレン基又はアルケニレン基)
で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。なかでも、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸およびこれらの無水物、低級アルキルエステルが好ましい。
本発明に用いられるアルコール成分としては40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは55〜45mol%であることが好ましい。また三価以上の多価の成分は、全成分中の0.1〜60mol%であることが好ましい。
該ポリエステル樹脂は通常一般に知られている縮重合によって得られる。ポリエステル樹脂の重合反応は通常触媒の存在下150〜300℃、好ましくは170〜280℃程度の温度条件下で行われる。また反応は常圧下、減圧下、もしくは加圧下で行うことができるが、所定の反応率(例えば30〜90%程度)に到達後は反応系を200mmHg以下、好ましくは25mmHg以下、更に好ましくは10mmHg以下に減圧し、反応を行うのが望ましい。
上記触媒としては、通常ポリエステル化に用いられる触媒、例えばスズ、チタン、アンチモン、マンガン、ニッケル、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、カルシウム、ゲルマニウム等の金属;およびこれら金属含有化合物(ジブチルスズオキサイド、オルソジブチルチタネート、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、酢酸亜鉛、酢酸鉛、酢酸コバルト、酢酸ナトリウム、三酸化アンチモンなど)が挙げられる。
本発明では、重合反応の制御のしやすさや、ビニル系モノマーとの反応性の高さからチタン化合物が好ましく用いられ、特に好ましいものとしてテトライソプロピルチタネート、シュウ酸チタン酸二カリウム、テレフタル酸チタン酸カリウムが挙げられる。この際、結着樹脂の着色防止として酸化防止剤(特にリン系酸化防止剤)や、反応促進剤として助触媒(マグネシウム化合物が好ましく、特に酢酸マグネシウムが好ましい)を添加することが特に好ましい。
反応物の性質(例えば酸価、軟化点等)が所定の値に到達した時点、あるいは反応機の撹拌トルクまたは撹拌動力が所定の値に到達した時点で反応を停止させることによって本発明のポリエステル系樹脂を得ることができる。本発明において、ビニル系樹脂成分とは、ビニル系ホモポリマーもしくはビニル系コポリマーを意味するものである。
ビニル系樹脂成分を得る為のモノマーとしては、次のようなものが挙げられる。
例えばスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン,イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、臭化ビニル、沸化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸誘導体もしくはメタクリル酸誘導体が挙げられる。これらのビニルモノマーは単独もしくは2つ以上のモノマーを混合して用いられる。
これらの中でもスチレン系共重合体、スチレンアクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合せが好ましい。
さらに、結着樹脂の酸価を調整するモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸などのアクリル酸及びそのα−或いはβ−アルキル誘導体、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水マレイン酸などがあり、このようなモノマーを単独、或いは混合して、他のモノマーと共重合させることにより所望の結着樹脂を作ることができる。この中でも、特に不飽和ジカルボン酸のモノエステル誘導体を用いることが酸価をコントロールする上で好ましい。
より具体的には、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノアリル、マレイン酸モノフェニル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノフェニルなどのようなα,β−不飽和ジカルボン酸のモノエステル類;n−ブテニルコハク酸モノブチル、n−オクテニルコハク酸モノメチル、n−ブテニルマロン酸モノエチル、n−ドデセニルグルタル酸モノメチル、n−ブテニルアジピン酸モノブチルなどのようなアルケニルジカルボン酸のモノエステル類;フタル酸モノメチルエステル、フタル酸モノエチルエステル、フタル酸モノブチルエステルなどのような芳香族ジカルボン酸のモノエステル類;などが挙げられる。
以上のようなカルボキシル基含有モノマーは、ビニル系樹脂成分を構成している全モノマーに対し0.1〜30質量%添加すればよい。
本発明のゲル成分中に含まれるビニル系樹脂成分は、直鎖性が高いものが好ましい為、架橋性モノマーは含有しないものがより好ましいが、本発明の目的を達成する為に、以下に例示する様な架橋性モノマーを添加することも可能である。
架橋性モノマーとしては主として2個以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いられる。芳香族ジビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等);アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグルコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);ポリエステル型ジアクリレート化合物類(例えば、商品名MANDA(日本化薬))が挙げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のビニル系モノマー成分100質量部に対して、1質量部以下、好ましくは0.001〜0.05質量部の範囲で用いることが好ましい。
結着樹脂の調製に使用されるビニル系樹脂成分は、本発明の目的を達成する為に以下に例示する様な多官能性重合開始剤単独あるいは単官能性重合開始剤と併用して生成することが好ましい。
多官能構造を有する多官能性重合開始剤の具体例としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−アミルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス−(ネオデカノールパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(2−エチルヘキサノールパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(m−トルオールパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−アミルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロドデカン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックアシッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロイソフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、ジーt−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−t−ブチルパーオキシオクタン及び各種ポリマーオキサイド等の1分子内に2つ以上のパーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基を有する多官能性重合開始剤、及びジアリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びt−ブチルパーオキシイソプロピルフマレート等の1分子内に、パーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基と重合性不飽和基の両方を有する多官能性重合開始剤が挙げられる。
これらの内、より好ましいものは、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、及び2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
これらの多官能開始剤は、効率の点からモノマー100質量部に対し0.01〜10質量部用いるのが好ましい。
さらに、これらの多官能性重合開始剤は、トナー用バインダーとして要求される種々の性能を満足する為には、単官能性重合開始剤と併用されることも可能である。特に該多官能性重合開始剤の半減期10時間を得る為の分解温度よりも低い半減期10時間を有する重合開始剤と併用することが好ましい。
具体的には、ベンゾイルパーオキシド、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジーt−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾおよびジアゾ化合物等が挙げられる。
これらの単官能性重合開始剤は、前記多官能性重合開始剤と同時にモノマー中に添加しても良いが、該多官能性重合開始剤の効率を適正に保つ為には、重合工程においてビニル系モノマーの重合添加率が50%以上に達した後に添加するのが好ましい。
本発明の結着樹脂は、前記のような不飽和ポリエステル樹脂成分存在下で、溶媒などを使わずにビニル系モノマーを重合する、塊状重合法によりハイブリッド樹脂を得ることが好ましい。特に、重合開始剤として、10時間半減期温度が100〜150℃のものを用い、重合開始剤の10時間半減期温度よりも30℃低い温度から、10時間半減期温度よりも10℃高い温度の範囲で、ビニル系モノマーの重合転化率が60%、好ましくは80%以上に達するまで重合反応を行い、塊状重合により生成するビニル系樹脂成分の分子量を大きくすることが好ましい。さらに、重合転化率が60%(好ましくは80%)以上に達した後に、10時間半減期温度よりも10℃以上高い温度で重合反応を行い、反応を終了させることが良い。このようにして得られた結着樹脂は酸価が0.1〜50mgKOH/g(好ましくは1〜40mgKOH/g、より好ましくは1〜30mgKOH/g)、水酸基価が5〜80mgKOH/g(好ましくは5〜60mgKOH/g、より好ましくは10〜50mgKOH/g)の範囲であることが、トナーの帯電性を安定させる点で好ましい。
さらに、本発明で用いられる結着樹脂は、テトラヒドロフラン不溶分が1〜50質量%であることが、トナーの現像性、耐高温オフセット性を高めるうえで好ましい。
本発明に用いられる結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50〜75℃であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移温度が50℃未満であると、トナーの保存安定性が不十分となることがあり、75℃よりも大きいとトナーの定着性が不十分となることがある。
本発明で用いられる結着樹脂は、ビニル系モノマーで変性したパラフィンワックスの存在下で重合したハイブリッド樹脂であることを特徴としており、この変性パラフィンワックスが本発明においては重要な役割を持っている。
パラフィンワックスをビニル系モノマーで変性する方法としては、水素引き抜き能力の高い重合開始剤を用いて、ラジカル重合反応としては比較的高温の条件でワックス存在下でビニル系モノマーを重合する方法が挙げられる。
具体的には、130℃以上(好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上)の高温で溶融状態としたパラフィンワックスを撹拌しながら、重合開始剤を混合したビニル系モノマーを1〜10時間かけて滴下し、滴下終了後さらに数時間撹拌を続けてモノマーの重合とワックスの変性反応を終了させる。130℃以上の高温で反応を行うことで、パラフィンワックスとビニル系モノマーとの反応が効率的に行われ、変性率が高まるので好ましい。
特に180℃以上の高温で反応を行うと、ハイブリッド樹脂中での変性パラフィンワックスの分散性が飛躍的に向上するため、好ましい。
この理由はまだ明確になっていないが、ビニル系モノマーの高温重合により、変性パラフィンワックス中に存在するビニル系重合体の分子末端に不飽和結合が生成されるためと予想される。この不飽和基を有する変性パラフィンワックスの存在下でハイブリッド樹脂を重合すると、不飽和基がビニル系モノマーと反応し、ハイブリッドユニットの分子構造中に変性パラフィンワックスが組み込まれる為、ワックス分散が改良されるものと考えられる。またこのようにして得られたハイブリッド樹脂は、分子構造中にワックス成分を含有する為、トナー粒子表面が優れた離型性を持つことが出来、感光体へのトナー融着を防止する効果も飛躍的に向上するものと思われる。
本発明で変性パラフィンワックスの原料として用いられるものは、石油ワックスから得られるパラフィンワックスであるが、特にDSCで測定される吸熱曲線において最大吸熱ピークのピークトップ温度が60〜100℃(好ましくは65〜90℃、より好ましくは70〜85℃)であるものが、定着性向上効果が大きい為好ましい。ピークトップ温度が60℃未満になると保存性が低下しやすく、100℃を超えると大きな定着性向上効果が望めない。
特に本発明においては、DSCで測定される吸熱ピークにおいて始点オンセット温度が50℃以上で、終点オンセット温度が110℃以下であることが、ワックスのシャープメルト性を高める上で好ましい。始点オンセット温度が50℃未満であると、保存性に劣るようになり、終点オンセット温度が110℃を超えると定着性向上効果が小さくなる。
本発明においては、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法、融液晶析法等を利用し精製、分留を精度よく行うことで分子量分布をシャープにしたパラフィンワックスとすることができる。なかでも、ワックスに対する貧溶剤を用いて精製を行う溶剤法を応用した方法が好ましい。たとえば、ベンゼンもしくはトルエンとケトン(アセトンまたはメチルエチルケトン);メチルイソブチルケトン;液化プロパン;トリクロロエチレンとベンゼン;ジクロロエタンとジクロロメタンの如き溶剤が用いられる。
例えば、次のような方法が応用できる。原料ワックスに溶剤を加えて加熱し、ワックス成分を完全に溶解した後、冷却機で冷却してワックスを結晶化させる。目的とするワックスのDSC最大級熱ピークのピークトップ温度に応じて、所定の温度まで冷却し、ろ過する。さらに、ワックスのケークを溶剤で洗い、油分、イソパラフィン、ナフテン、芳香族等を分離する。この工程を繰り返し、分子量分布をシャープにすることができる。最終的に、溶剤回収装置で溶剤を分離して、ワックスを得る。さらにこのあと、必要に応じて、水素精製、活性白土処理、脱臭処理を行う。
本発明でパラフィンワックスの変性に用いられるビニル系モノマーとしては、前記のビニル系樹脂成分を得る為のモノマーとして例示されているものが使用可能であるが、特にスチレン単独重合体、あるいはスチレンアクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合せが好ましい。さらに、変性パラフィンワックスの極性を結着樹脂により近付ける為に、例えば、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水マレイン酸などのモノマーを単独、或いは混合して、他のモノマーと共重合させることも可能である。これらパラフィンワックスの変性に用いられるビニル系モノマーは、パラフィンワックス100質量部に対し、5〜200質量部(好ましくは10〜150質量部、より好ましくは20〜100質量部)の割合で用いられる。
本発明でパラフィンワックスの変性に用いられる重合開始剤としては、1分半減期温度が130℃以上(好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上)のものが好ましく用いられる。具体的には、前記ビニル系樹脂成分を重合する際に用いられる重合開始剤として例示されているもののうち、1分半減期温度が130℃以上のものがよく、特にジ−t−ブチルパーオキシド(1分半減期温度=186℃)が好ましく使用される。これら重合開始剤はビニル系モノマー100質量部に対し0.01〜10質量部用いるのが好ましい。
本発明で用いられる変性パラフィンワックスは、ハイブリッド樹脂100質量部に対し、0.1〜20質量部の割合で用いるのが好ましい。
本発明のトナーは、変性パラフィンワックス以外にワックスを含有していてもよい。
本発明に用いられる変性パラフィンワックス以外のワックスとしては次のようなものがある。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪族エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪族エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、或いは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カウナビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、或いは更に長鎖のアルキル基を有するアルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪族アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪族ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
離型剤として使用できるワックスの具体的な例としては、ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)等があげられる。これらワックスは必要に応じて樹脂製造時に添加し、更に分散性を改良することも好ましい形態である。
本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。
本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或はこれらの金属アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物等が挙げられる。
これらの磁性材料は平均粒子径が2μm以下、好ましくは0.05〜0.5μmのものが好ましい。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100質量部に対し約20〜200質量部、特に好ましくは樹脂成分100質量部に対し40〜150質量部が良い。
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック,グラフト化カーボンや以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用可能である。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物等が用いられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物等が用いられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
本発明のトナーには、荷電制御剤を含有させることが好ましい。トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。
例えば有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
また、次に示した一般式(1)で表わされるアゾ系金属化合物が好ましい。
Figure 2007310108
〔式中、Mは配位中心金属を表わし、Sc、Ti、V、Cr、Co、Ni、Mn、Fe等があげられる。Arはアリール基であり、フェニル基、ナフチル基などがあげられ、置換基を有してもよい。この場合の置換基としては、ニトロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アニリド基および炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基などがある。X,X’、Y,Y’は−O−、−CO−、−NH−、−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)である。A+は水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオン、それらの混合物或いはなしを示す。〕
特に、中心金属としてはFe又はCrが好ましく、置換基としてはハロゲン、アルキル基、アニリド基が好ましく、カウンターイオンとしては水素イオン、アルカリ金属アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオンが好ましい。またカウンターイオンの異なる化合物の混合物も好ましく用いられる。
あるいは、次の一般式(2)に示した塩基性有機酸金属化合物も負帯電性を与えるものであり、本発明に使用できる。
Figure 2007310108
特に、中心金属としてはFe,Cr,Si,Zn,Zr,Alが好ましく、置換基としてはアルキル基、アニリド基、アリール基、ハロゲンが好ましく、カウンターイオンは水素、アンモニウム、脂肪族アンモニウムが好ましい。
そのうちでも、式(1)で表されるアゾ系金属化合物がより好ましく、とりわけ、下記式(3)で表されるアゾ系鉄化合物が最も好ましい。
Figure 2007310108
次に、該化合物の具体例を示す。
Figure 2007310108
Figure 2007310108
トナーを正荷電性に制御するものとして下記の物質がある。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
また、一般式(4)
Figure 2007310108
〔式中、R1はH又はCH3を示し、R2及びR3は置換または未置換のアルキル基(好ましくは、C1〜C4)を示す〕
で表わされるモノマーの単重合体;前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
特に下記一般式(5)で表わされる化合物が本発明の構成においては好ましい。
Figure 2007310108
〔式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、R7、R8及びR9は、各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表し、A-は、硫酸イオン、硝酸イオン、ほう酸イオン、りん酸イオン、水酸イオン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機りん酸イオン、カルボン酸イオン、有機ほう酸イオン又はテトラフルオロボレートから選択される陰イオンを示す。〕
負帯電用として好ましいものは、例えばSpilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(オリエント化学社)があげられ、正帯電用としては好ましいものとしては、例えばTP−302、TP−415(保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)N−01、N−04、N−07、P−51(オリエント化学社)、コピーブルーPR(クラリアント社)が例示できる。
荷電制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添加する方法と外添する方法がある。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
本発明のトナーには、流動性向上剤を添加しても良い。流動性向上剤は、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものである。このような流動性向上剤としては、例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフウルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理微粉末;酸化亜鉛、酸化スズの如き酸化物;チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウムやジルコン酸カルシウムの如き複酸化物;炭酸カルシウム及び、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩化合物等が挙げられる。
好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉末であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次のようなものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカとしてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒径として、0.001〜2μmの範囲内であることが好ましく、特に0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用することが好ましい。
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えばAEROSIL(日本アエロジル社)130、200、300、380、TT600、MOX170、MOX80、COK84、Ca−O−SiL(CABOT Co.社)M−5、MS−7、MS−75、HS−5、EH−5、Wacker HDK N 20(WACKER−CHEMIE GMBH社)V15、N20E、T30、T40、D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社)、Fransol(Fransil社)等の商品名で市販されているものがあり、本発明ではこれらも好適に用いることができる。
さらには、本発明に用いられる流動性向上剤としては、前記ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。前記処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応或いは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
前記有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ブロモメトリジメチルクロロシラン、α−クロロエチルトリクロロシラン、β−クロロエチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。さらに、ジメチルシリコーンオイルの如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは一種或いは二種以上の混合物で用いられる。
前記流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー100質量部に対して流動性向上剤を総量で0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部使用することが良い。
本発明のトナーは、前記流動性向上剤と混合して、また必要に応じてさらに他の外添剤(例えば荷電制御剤等)と混合して一成分現像剤として用いることができ、またキャリアと併用して二成分現像剤として用いることができる。二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものがすべて使用可能であるが、具体的には、表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物等の、平均粒径20〜300μmの粒子が好ましくは使用される。
また、それらキャリア粒子の表面に、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂等の物質を付着又は被覆させたもの等が好ましく使用される。
本発明のトナーを作製するには、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する混合物が材料として用いられるが、必要に応じて磁性体やワックス、荷電制御剤、その他の添加剤等が用いられる。これらの材料をヘンシェルミキサー又はボールミルの如き混合機により十分混合してから、ロール、ニーダー及びエクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、ワックスや磁性体を分散せしめ、冷却固化後、粉砕及び分級を行ってトナーを得ることができる。
本発明のトナーは、公知の製造装置を用いて製造することができ、例えば、状況に応じて以下の製造装置を用いることができる。
トナー製造装置としては、例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)等が挙げられる。
混練機としては、例えばKRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)等が挙げられる。
粉砕機としては、例えばカウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)等が挙げられる。
分級機としては、例えばクラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラッシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボジェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)等が挙げられる。
粗粒等をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、例えばウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
本発明のトナーに係る各種物性の測定について以下に説明する。本発明では、トナー、及び樹脂のTHF可溶分の分子量分布、テトラヒドロフラン不溶分の含有量、酸価、水酸基価、及びワックスのDSC測定は、以下に示す方法によって測定することができる。
THF可溶分の分子量の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合せを挙げることができるが、特に昭和電工社製のshodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連カラムの組み合せが好ましい。
一方で、トナー、樹脂或いはトナーのテトラヒドロフラン不溶分中に含まれるポリエステル系樹脂成分を加水分解し、残留物として得られるビニル系樹脂成分をテトラヒドロフランに分散し溶解後、1晩静置した後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)で濾過し、その濾液を試料として用いる。試料濃度として樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整したトナーのTHF溶液を50〜200μl注入して測定する。なお、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
テトラヒドロフラン不溶分量
結着樹脂又はトナーを秤量し、円筒ろ紙(例えばNo.86Rサイズ28×10mm 東洋ろ紙社製)に入れてソックスレー抽出器にかける。溶媒としてテトラヒドロフラン200mlを用いて、16時間抽出する。このとき、テトラヒドロフランの抽出サイクルが約4〜5分に1回になるような還流速度で抽出を行う。抽出終了後、円筒ろ紙を取り出し、秤量することによって結着樹脂又はトナーの不溶分を得る。
トナーが樹脂成分以外の磁性体又は顔料の如き、テトラヒドロフラン不溶分を含有している場合、円筒ろ紙に入れたトナーの質量をW1gとし、抽出されたTHF可溶樹脂成分の質量をW2gとし、トナーに含まれている樹脂成分以外のテトラヒドロフラン不溶成分の質量をW3gとすると、トナー中の樹脂成分のテトラヒドロフラン不溶分の含有量は下記式から求められる。
テトラヒドロフラン不溶分(質量%)=[{W1−(W3+W2)}/(W1−W3)]×100
樹脂の酸価の測定法
本発明における結着樹脂の酸価の測定は、下記のように実施することができる。基本操作はJIS K0070に準ずる。
1)結着樹脂の粉砕品0.5乃至2.0(g)を精秤し、結着樹脂の重さW(g)とする。
2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
3)0.1規定のKOHのメタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(win workstation)とABP−410電動ビュレットとを用いての自動滴定が利用できる。)
4)この時のKOH溶液の使用量S(ml)とし、同時にブランクを測定しこの時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
5)次式により結着樹脂の酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)=((S−B)×f×5.61)/W
樹脂の水酸基価の測定法
本発明における結着樹脂の水酸基価の測定は、下記のように実施することができる。
(A)試薬
(a)アセチル化試薬:無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス及び酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b)フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95vol%)100mlに溶かす。
(c)0.5モル/リットル−水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとし、2〜3日間放置後ろ過する。標定はJIS K8006によって行う。
(B)操作
試料0.5〜2.0gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱を受けて温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エチルアルコール5mlで漏斗及びフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.5モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行
(C)計算式
次式によって結着樹脂の水酸基価を算出する。
A=[{(B+C)×f×28.05}/S]+D
但し、
A:樹脂の水酸基価
B:空試験の0.5モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
C:本試験の0.5モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.5モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料の質量(g)
D:樹脂の酸価
(5)ワックスのDSC測定法
本発明におけるDSC測定では、例えば、TA Instruments社製のQ−1000が利用できる。測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで降温、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。各温度の定義は次のように定める。
・最大吸熱ピークのピークトップ温度
ベースラインからの高さが最も高いピークのピークトップ温度。
・吸熱ピークの始点オンセット温度
昇温時曲線の微分値が最大となる点における曲線の接線とベースラインとの交点の温度
・吸熱ピークの終点オンセット温度
昇温時曲線の微分値が最小となる点における曲線の接線とベースラインとの交点の温度
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。
[変性パラフィンワックス製造例1]
最大吸熱ピークのピークトップ温度=76℃、吸熱ピークの始点オンセット温度=62℃、吸熱ピークの終点オンセット温度=84℃のパラフィンワックス100質量部を、190℃で溶融し撹拌した。ここに、スチレン100質量部、開始剤としてジ−t−ブチルパーオキシド4質量部を混合したものを10時間かけて滴下した。190℃に保持したまま撹拌を5時間続けた後に重合を終了し、変性パラフィンワックス−1を得た。
[変性パラフィンワックス製造例2]
最大吸熱ピークのピークトップ温度=76℃、吸熱ピークの始点オンセット温度=62℃、吸熱ピークの終点オンセット温度=84℃のパラフィンワックス100質量部を、160℃で溶融し撹拌した。ここに、スチレン50質量部、開始剤としてジ−t−ブチルパーオキシド2質量部を混合したものを5時間かけて滴下した。160℃に保持したまま撹拌を5時間続けた後に重合を終了し、変性パラフィンワックス−2を得た。
[変性パラフィンワックス製造例3]
最大吸熱ピークのピークトップ温度=66℃、吸熱ピークの始点オンセット温度=46℃、吸熱ピークの終点オンセット温度=75℃のパラフィンワックス100質量部を、120℃で溶融し撹拌した。ここに、スチレン50質量部、開始剤として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン2質量部を混合したものを5時間かけて滴下した。120℃に保持したまま撹拌を5時間続けた後に重合を終了し、変性パラフィンワックス−3を得た。
[結着樹脂製造例]
(ポリエステル樹脂製造例1)
ポリエステルモノマーを下記比率で混合する。
・式(A)で表されるビスフェノール誘導体(R:プロピレン基2.2モル付加)
1.150mol
・テレフタル酸 0.420mol
・イソフタル酸 0.400mol
・フマル酸 0.010mol
・ドデセニル無水琥珀酸 0.170mol
これらに触媒としてテトラブチルチタネート0.1質量%を添加し、220℃で縮合重合して、不飽和ポリエステル樹脂P−1(Tg=60℃、ピーク分子量=8500、数平均分子量=4600、Mw/Mn=2.2、酸価=7mgKOH/g、水酸基価=32mgKOH/g)を得た。
(ポリエステル樹脂製造例2)
ポリエステルモノマーを下記比率で混合する以外は、ポリエステル樹脂製造例1と同様にして、不飽和ポリエステル樹脂P−2(Tg=55℃、ピーク分子量=4700、数平均分子量=1800、Mw/Mn=3.7、酸価=14mgKOH/g、水酸基価=57mgKOH/g)を得た。
・式(A)で表されるビスフェノール誘導体(R:プロピレン基2.2モル付加)
1.100mol
・テレフタル酸 0.420mol
・イソフタル酸 0.380mol
・フマル酸 0.040mol
・ドデセニル無水琥珀酸 0.160mol
(ポリエステル樹脂製造例3)
ポリエステルモノマーを下記比率で混合する以外は、ポリエステル樹脂製造例1と同様にして、飽和ポリエステル樹脂P−3(Tg=55℃、ピーク分子量=7700、数平均分子量=5100、Mw/Mn=2.6、酸価=4mgKOH/g、水酸基価=38mgKOH/g)を得た。
・式(A)で表されるビスフェノール誘導体(R:プロピレン基2.2モル付加)
1.150mol
・テレフタル酸 0.420mol
・イソフタル酸 0.410mol
・ドデセニル無水琥珀酸 0.170mol
(ハイブリッド樹脂製造例1)
不飽和ポリエステル樹脂P−1:75質量部と、ビニル系モノマーとして、スチレン:18質量部、アクリル酸ブチル:6.5質量部、マレイン酸モノブチル:0.5質量部、変性パラフィンワックス−1:5質量部、開始剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキシン−3(10時間半減期温度128℃):0.08質量部を混合した。このビニル系モノマー/ポリエステル樹脂混合物を120℃で20時間かけてビニル系モノマーの重合転化率が98%になるまで重合後、さらに150℃に温度を上げて5時間保持して未反応のビニル系モノマーを重合させ、ハイブリッド樹脂を得た。これを結着樹脂1とする。この樹脂は、THF可溶分のGPC分子量分布において、メインピーク分子量が8600であり、分子量4万〜100万の範囲の成分を11面積%含有し、テトラヒドロフラン不溶分を24質量%含有していた。
(ハイブリッド樹脂製造例2)
変性パラフィンワックス−1を変性パラフィンワックス−2に変更する以外はハイブリッド樹脂製造例1と同様にして、ハイブリッド樹脂を得た。これを結着樹脂2とする。この樹脂は、THF可溶分のGPC分子量分布において、メインピーク分子量が8500であり、分子量4万〜100万の範囲の成分を9面積%含有し、テトラヒドロフラン不溶分を21質量%含有していた。
(ハイブリッド樹脂製造例3)
不飽和ポリエステル樹脂P−2:75質量部、変性パラフィンワックス−2:5質量部をメチルエチルケトン:75質量部に加熱溶解し、冷却後、スチレン:16質量部、アクリル酸ブチル:7.5質量部、マレイン酸モノブチル1.5質量部、開始剤として2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン:0.5質量部を混合した。
モノマー混合ポリエステル溶液を、予め作製したポリビニルアルコール0.2質量%水溶液150質量部に撹拌しながら添加し、水中へ分散させて懸濁液とした。
この懸濁液を窒素気流下で加熱し、メチルエチルケトンを蒸留しながら昇温した。フラスコ内温を85℃に保ち、メチルエチルケトンを留去しながら20時間重合を行なった。その後、更に開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.05質量部を添加して5時間重合を行い、充分に重合率を高めた後に、冷却した。得られた懸濁スラリーを脱水・乾燥してハイブリッド樹脂を得た。これを結着樹脂3とする。この樹脂は、THF可溶分のGPC分子量分布において、メインピーク分子量が4800であり、分子量4万〜100万の範囲の成分を4面積%含有し、テトラヒドロフラン不溶分を16質量%含有していた。
(ハイブリッド樹脂製造例4)
変性パラフィンワックス−2を変性パラフィンワックス−3に変更する以外はハイブリッド樹脂製造例3と同様にしてハイブリッド樹脂を得た。これを結着樹脂4とする。この樹脂は、THF可溶分のGPC分子量分布において、メインピーク分子量が4600であり、分子量4万〜100万の範囲の成分を2面積%含有し、テトラヒドロフラン不溶分を11質量%含有していた。
(ハイブリッド樹脂製造例5)
キシレン300重量部に不飽和ポリエステル樹脂P−2:45質量部、変性パラフィンワックス−3:5質量部を加えて昇温して還流させた。この還流下で、スチレン:37質量部、アクリル酸−n−ブチル:10質量部、マレイン酸モノブチル:8質量部及び、ジ−tert−ブチルパーオキサイド:2質量部の混合液を4時間かけて滴下後、2時間保持し重合を完了した。その後、有機溶剤を留去し、ハイブリッド樹脂を得た。これを結着樹脂5とする。この樹脂は、THF可溶分のGPC分子量分布において、メインピーク分子量が4900であり、分子量4万〜100万の範囲の成分を42面積%含有し、テトラヒドロフラン不溶分を17質量%含有していた。
(ハイブリッド樹脂製造例6)
ビニル系モノマーとして、スチレン270g、2−エチルヘキシルアクリレート60g、アクリル酸20g、及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル13gを滴下ロートに入れる。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:780g、イソドデセニル無水コハク酸:76g、テレフタル酸:180g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸:30g、変性パラフィンワックス−3:65g、及びジブチル錫オキシド2gをフラスコに入れ、135℃の温度で撹拌しつつ、滴下ロートよりビニル系モノマー及び重合開始剤を3時間かけて滴下し、ビニル系樹脂成分の重合を行った。135℃に保持したまま5時間熟成した後、220℃に昇温してポリエステル系樹脂成分の重合を行い、ハイブリッド樹脂を得た。これを結着樹脂6とする。この樹脂は、THF可溶分のGPC分子量分布において、メインピーク分子量が5200であり、分子量4万〜100万の範囲の成分を31面積%含有し、テトラヒドロフラン不溶分を26質量%含有していた。
(比較樹脂製造例1)
キシレン300重量部に不飽和ポリエステル樹脂P−2:40質量部を加えて昇温して還流させた。この還流下で、スチレン:39質量部、アクリル酸−n−ブチル:12質量部、マレイン酸モノブチル:9質量部及び、ジ−tert−ブチルパーオキサイド:2質量部の混合液を4時間かけて滴下後、2時間保持し重合を完了した。その後、変性パラフィンワックス−3:5質量部を添加し、3時間撹拌を行って変性パラフィンワックスを均一に分散させた後、有機溶剤を留去し、ハイブリッド樹脂を得た。これを比較結着樹脂1とする。この樹脂は、THF可溶分のGPC分子量分布において、メインピーク分子量が4700であり、分子量4万〜100万の範囲の成分を46面積%含有し、テトラヒドロフラン不溶分を14質量%含有していた。
(比較樹脂製造例2)
キシレン300重量部に不飽和ポリエステル樹脂P−2:60質量部、最大吸熱ピークのピークトップ温度=66℃、吸熱ピークの始点オンセット温度=46℃、吸熱ピークの終点オンセット温度=75℃のパラフィンワックス:5質量部を加えて昇温して還流させた。この還流下で、スチレン:27質量部、アクリル酸−n−ブチル:7質量部、マレイン酸モノブチル:6質量部及び、ジ−tert−ブチルパーオキサイド:1.5質量部の混合液を4時間かけて滴下後、2時間保持し重合を完了した。その後、有機溶剤を留去し、ハイブリッド樹脂を得た。これを比較結着樹脂2とする。この樹脂は、THF可溶分のGPC分子量分布において、メインピーク分子量が4600であり、分子量4万〜100万の範囲の成分を28面積%含有し、テトラヒドロフラン不溶分を16質量%含有していた。
<実施例1>
・結着樹脂1 105質量部
・マグネタイト(平均粒径0.18μm) 100質量部
・例示のモノアゾ鉄化合物(1) 2質量部
・フィッシャートロプシュワックス(DSCピーク温度103℃) 2質量部
上記原材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、130℃、200rpmに設定した二軸混練押し出し機(PCM−30:池貝鉄工所社製)によって混練した。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた粉砕機を用いて微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均径(D4)6.9μmの負帯電性磁性トナーを得た。このトナー100質量部に負帯電性疎水性シリカ1.0質量部をヘンシェルミキサーで外添混合しトナー1を得た。トナー1の物性を表1に示す。このトナーを以下の項目について評価した。評価結果は、表2に示す。
[定着試験]
ヒューレットパッカード社製レーザービームプリンタ:LaserJet4350の定着器を取り出し、定着装置の定着温度を任意に設定できるようにし、かつプロセススピードを400mm/secとなるようにした外部定着器を用いた。この外部定着器を140〜220℃の範囲で5℃おきに温調し、普通紙(75g/m2)紙に現像したベタ黒(紙上トナー現像量を0.6mg/cm2に設定)未定着画像の定着を行い、得られた画像を4.9kPaの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10%以下になる点を定着温度とした。この温度が低いほど低温定着性に優れたトナーである。
耐高温オフセット性については、プロセススピードを100mm/secにし、200〜240℃の範囲で5℃おきに温調し、未定着画像の定着を行い、画像上のオフセット現象による汚れを目視で確認し、発生した温度を耐高温オフセット性とした。この温度が高いほど耐高温オフセット性に優れたトナーである。
[現像試験]
市販のレーザービームプリンタLaserJet 4350(Hewlett Packard社製)を65枚機に改造して、常温常湿(23℃、60%RH)環境にて、A4サイズの画像面積率が2%の原稿で、A4サイズの75g/m2の転写紙を用いて画出し試験を行い、1,000枚及び20,000枚通紙時のベタ黒画像濃度とカブリの測定を行った。
画像濃度の測定は、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して反射濃度を測定することにより行い、5点平均で算出した。
[感光体へのトナー融着試験]
現像試験で用いた試験機を使用して、高温高湿(32.5℃、80%RH)環境にて、2ドットの縦線パターンを10,000枚連続通紙し、感光体へのトナー融着を以下の基準で評価した。
A:トナー融着なし
B:感光体にわずかにトナー融着がある(5個所未満)
C:感光体にトナー融着がある(5箇所以上20箇所未満)
D:感光体全面にトナー融着がある
E:感光体全面に雨降り状の激しいトナー融着がある
<実施例2〜6及び比較例1〜2>
結着樹脂1の代わりに結着樹脂2〜6及び比較結着樹脂1〜2を用いる以外は実施例1と同様にしてトナー2〜8を得た。トナー2〜8の物性を表1に示す。試験結果を表2に示す。
Figure 2007310108
Figure 2007310108

Claims (3)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナーにおいて、
    該結着樹脂はハイブリッド樹脂を含有し、該ハイブリッド樹脂はビニル系モノマーで変性したパラフィンワックスの存在下で重合したものであることを特徴とするトナー。
  2. 該ハイブリッド樹脂はビニル系モノマーと反応可能な不飽和ポリエステル樹脂の存在下で、ビニル系モノマーを重合したものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該結着樹脂は、少なくともポリエステルユニットを50質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
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