JP2007308861A - スポーツ用リストバンド - Google Patents

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Abstract

【課題】
野球、テニス、ラグビー、陸上競技などのスポーツ時に使用され、各スポーツの運動特性に応じて前腕の回内・回外運動や手首関節の屈伸・内外転運動の助勢をなし、上肢運動がより効率よくスムーズに行えるようサポートするスポーツ用リストバンドを提供すること。
【解決手段】
伸縮性を有した生地が外周部と内周部の二重構造をなした筒状のリストバンド本体と、前記リストバンド本体の外周部及び/又は内周部に固定され、平面形状が2回回転対称性をなした複数のアフィン合同形の弾性片とからなることによる。
【選択図】 図13

Description

本発明は、野球、テニス、ラグビー、陸上競技などのスポーツ時に使用され、各スポーツの運動特性に応じて前腕の回内・回外運動や手首関節の屈伸・内外転運動の助勢をなし、上肢運動がより効率よくスムーズに行えるようサポートするスポーツ用リストバンドに関する。
従来、野球やテニスなどのスポーツにおいて、汗留めや前腕への圧迫感の付与の目的で編地のリストバンドを前腕に装着してプレーすることが行われており、また近年、その他の機能を付加したリストバンドがいくつか提案されている。
例えば、特開2003−286606号公報に記載の肘用サポーターは、筒状のサポーターに伸縮阻害部を設けて筋組織を直接圧迫刺激せしめ、運動神経細胞を興奮させて、腕・手首などの運動性を高めることができるものとしており、意匠登録第1053824号公報に掲載されているリストバンドは、手首に接する部分に格子状のリブを設け、手首表面を押圧して指圧効果を発揮するものとしている。
また、特許第2846798号公報に記載の上肢保護用衣料は、上腕の屈筋と伸筋部位に相当する部分は、伸縮力の弱い伸縮性素材で構成され、それらの筋の両脇に相当する部分は、伸縮力の強い伸縮性素材で構成され、ほぼ筒状の形状を有する上肢保護用衣料を上腕に装着することにより、筋肉の収縮などを妨げず、従ってスポーツなどでの腕のスムーズな動きを妨げることなく、かつ腕のひねり(回内、回外)にも比較的追従しやすく、上肢筋肉の筋肉疲労を軽減、予防することができるものとしている。
しかしながら、前記のサポーター又はリストバンドは、特定の部位を圧迫して筋の活性化を図ろうとするものであるが、上肢には多くの筋が存在するため、たとえ特定の筋を活性化できたとしても、より複雑で速い動きが求められるスポーツにおいては、逆にその動きが妨げられる恐れが生じてしまうことになりかねない。
また、上肢保護用衣料においても特定の箇所に伸縮性の強弱を付けるものであるが、筋と皮膚との間にはかなりの流動性を有しており、上腕の回内位と回外位とでは、それらの位置関係が大きくずれてしまうことから、上腕のポジションによっては伸縮力の弱い又は伸縮力の強い伸縮性素材が、当初予定した部位に該当しない恐れが生じ、目的を達することが難しくなってしまうものである。
特開2003−286606号公報 意匠登録第1053824号公報 特許第2846798号公報
ここで簡単に、上肢の構成及び運動特性を説明すると、まず上肢は上腕、前腕及び手の部分に大別され、肩甲骨の関節窩で肩関節を形成した上腕骨は、遠位側で前腕の橈骨及び尺骨とで肘関節を形成する。そして、前腕の橈骨と尺骨は上・下橈尺関節を形成し、さらに橈骨はその遠位端と手根骨とで橈骨手根関節形成する。また、前記橈骨手根関節と手根骨間の手根中央関節とで手首関節を形成している(図35、図36参照)。
各関節はその関節の形成の特徴によって、それぞれ特徴をもった関節運動を行うことができ、肩関節では前方挙上・後方挙上、外転・内転、外旋・内旋及び水平屈曲・水平伸展運動を、肘関節では屈曲・伸展運動を、上・下橈尺関節では前腕の回内・回外運動を、手首関節では屈曲・伸展運動及び内転・外転運動を行うことができる。
これらの関節運動を可能とするため、筋がそれぞれの関節を跨いで各骨に付着し、筋の収縮によって各関節運動がなされ、一方向への関節運動は、その運動に対して主動的に働く主動筋とそれに協力的に働くいくつかの共同筋の働きで行われる。そして、この一方向の運動を司る主動筋とは反対方向に働くいくつかの拮抗筋が必ず対応している。例えば、肘関節において肘を屈曲させる場合は上腕二頭筋が主動筋となり、上腕筋・腕橈骨筋・長橈側手根伸筋・円回内筋が共同筋として働いて、上腕三頭筋が拮抗筋として働く。
また、別の作用筋として、より遠位の関節を支持するため近位の関節を固定する固定筋や、ある筋の働きを中和するように働く中和筋など、特定の役割を果たす働きをすることがあげられる。
更にこれらの各筋の中には、一つの関節運動にだけに係わるのではなく、その他の関節運動の共同筋や拮抗筋などとしても兼ねている。例えば、肘関節で屈曲運動の主動筋として働く上腕二頭筋は、前腕の回外運動では共同筋として働き、肘関節で屈曲運動の共同筋として働いた長橈側手根伸筋は、手首関節の外転運動では主動筋として働く。これらのことは、筋が二つ以上の関節を跨いで付着していることに起因するもので、二関節筋又は多関節筋と呼ばれている(図37参照)。
また、前腕の回内運動の特徴として、異なる2つの運動のタイプに分かれる。1つは手の中指を軸に回内する動きで、尺骨は撓骨と連動して多少動くことになる。この場合、肘関節の動きと複合すると、尺骨が動くことによって肘関節に影響を及ぼすことになる。もう1つは手の小指を軸に回内する動きで、尺骨は動かずに固定した状態で行う(図38参照)。
このように上肢の筋の働きや運動は画一的なものではなく、スポーツなど一連の動作を行う時は、上記の上肢関節運動が順次或いは複合的に働いて複雑な動きを可能としている。更にそれぞれの関節間の運動連鎖によって、より複雑な全身運動へと繋がっていくことになる。
しかるに、前述のように従来のリストバンドやサポーター等においては、単に特定の筋の活性化を図ることや、単独の筋の役割についてのみ或いは単独の関節運動しか考慮されておらず、複雑な運動をサポートするスポーツ用としては、適切を欠いているものと言わざるを得ない。
そこで本発明においては、各スポーツ時の上肢の動きを総花的に観るのではなく、野球、テニス、ラグビー、陸上競技など各スポーツの運動特性を充分に分析し、その動きに適した上肢運動に対して的確に助勢をなし、上肢運動がより効率よくスムーズに行えるようサポートをなさしめ、ひいては身体全身の運動能力の向上へと繋げていくという課題に取り組むものである。
よって本発明の目的は、野球、テニス、ラグビー、陸上競技などのスポーツ時に使用され、各スポーツの運動特性に応じて前腕の回内・回外運動や手首関節の屈伸・内外転運動の助勢をなし、上肢運動がより効率よくスムーズに行えるようサポートするスポーツ用リストバンドを提供することにある。
上記課題を解決するための第1発明のスポーツ用リストバンドは、伸縮性を有した生地が外周部と内周部の二重構造をなした筒状のリストバンド本体と、前記リストバンド本体の外周部及び/又は内周部に固定され、平面形状が2回回転対称性をなした複数のアフィン合同形の弾性片と、からなるものである。
スポーツ時の身体運動の特徴は、関節の往復運動である。例えばテニスのフォアハンドストロークを行う場合、ラケットを後方に振り出す時は、前腕は回内位に運動し、手首は伸展、外転位に運動する。次にボールを打つためにラケットを前方に振り出す時は、前腕は一旦、回外運動を行った後に再度回内運動を行って、腕を前方に振り出していく。また、手首関節においても一旦内転運動した後、屈曲運動と伴って外転運動して、ボールを打ち抜くことになる。
このような各関節運動がスムーズに行われることによって、より高度な上肢運動の発現となり、技術の向上へと繋がっていくことになるが、初心者や握力が低い女性などは、この一連の動作よりもラケットを強く握ることが優先されてしまい、結果的にぎこちない動きになってしまうことが多くみられる。そして、従来の均一に圧迫するリストバンドでは、この初心者などの動きを助長しかねないものとなってしまっている。
一般に伸縮性を有するリストバンドを腕に装着する場合、一度筒状の外側方向に伸ばした後に装着されたリストバンドは、その周の中心方向に縮もうとする力が働いて、前腕にフィットさせることになる。そして、リストバンド内に残留する中心方向に縮もうとする力が前腕への圧迫力となり、皮膚や筋肉内の感覚器によってその圧迫が知覚され、筋活動に影響力を与えるものである。
リストバンドを前腕に装着することは、この前腕への圧迫力により、筋の収縮に影響を与え、筋の収縮力の増加現象を生むなどの利点がある反面、前腕を被うリストバンドの長さが長くなるほど、前腕の回内・回外運動の捻れの動きに対して抵抗する働きとなり、それらの運動を遅くさせるという欠点も出てくることになる。
そこで、第1発明のスポーツ用リストバンドは、単にリストバンドの周の中心方向への伸縮力だけではなく、リストバンド本体の外周部及び/又は内周部に複数の弾性片を設けることによって、不均等な中心方向への縮む力を付与することにより、前腕の回内・回外運動や手首の屈伸、内外転運動の際に生じる前腕の外形の変化に対応し、前記の欠点を生じさせずに各スポーツの上肢運動に適した動きへと導くよう作用する。
また、リストバンド本体を外周部と内周部の二重構造にすることにより、直接弾性片の影響がある部とない部に分けることができることから、リストバンドの周の中心方向への伸縮力を弾性片の影響のない部が受け持つことができ、従来の利点をあまり損なわず、また弾性片の影響を強調したり緩和したりして様々な上肢運動に対応することができ、関節運動の往復運動をスムーズに行えるよう作用する。
弾性片においては、2回回転対称性の平面形状にすることによって、前腕の回内・回外運動のスムーズな動きを助ける働きをする。この2回回転対称性とは、図形をある軸のまわりに1回転の1/2だけ回転させたとき、もとの図形と一致するという性質を言い表しており、弾性片をこの平面形状にすることで、前腕の正反対の動きとなる回内・回外運動時において、スポーツ用リストバンドの肘関節側と手首関節側における捻れに対抗する力が等しく働くことになり、回内・回外運動を繰り返して行うスポーツ動作に対して、その運動を等しく行えるように作用する。逆に、リストバンドの肘関節側と手首関節側とに働く力が偏るような形状のものであると、回内・回外運動のうち一方向についてはその運動が促進されたとしても、他方向については運動が阻害されることになり、スポーツ用のリストバンドとしては、好ましいものとは言えないものとなってしまう。
また、弾性片が弾性の性質を有することの働きについても前記と同様に、前腕の回内・回外運動のスムーズな動きを助ける働きをする。弾性片は伸縮性を有するリストバンド本体に固定されており、そのリストバンド本体の一部に捻れなどの力が働いたとき、弾性片の一部にもその力が作用し歪みが生じることになるが、弾性を有する弾性片にはこのとき、その歪みが生じると共にその歪みが無くなるように弾性片の他の部分に力が働くことになる。この作用によりリストバンド本体自体においても、その動きの自由度が失われずに、ある一定の方向に力が作用することとなり、前腕の回内・回外運動をスムーズに行えるよう誘導することが可能となる。もし弾性を有しない部材の場合は、その部材に部分的な変形が起こらず、その結果その部材がリストバンド本体の一部に生ずる捻れなどの抵抗となって、リストバンド本体自体の自由度が損なわれることとなってしまう。故に弾性片が弾性を有することで、その効果を発揮することができる。
また、アフィン合同形とは、2つの形を比べたとき、一方の形を一様に平行移動、引き伸ばしやずれ変形、及び回転させてみて重なり合う形のことであり、複数のアフィン合同形の弾性片をリストバンド本体に固定することで、様々な上肢の運動に対応することが可能となる。また、複数ある弾性片をアフィン合同形にすることで、リストバンド本体に捻れなどの力が働いたとき、どの弾性片にも同じような歪みが生じることになり、前腕の回内・回外運動をスムーズに行うことが可能となる。
第2発明のスポーツ用リストバンドは、前記複数の弾性片が、前記リストバンド本体の母線に対して左右対称及び/又は併進対称に配置されたことを特徴とする。
ここでいう母線とは、筒状をなしたリストバンド本体の側面を形づくっている線のことをさし、リストバンド本体に実際に線があるわけではなく、面上にある1つの仮想直線のことを言い表している。
この発明によれば、複数の弾性片が左右対称及び/又は併進対称に配置されることによって、リストバンド本体にある一定方向に縮む力を付与することができ、各スポーツの上肢運動において、特定の関節運動を促進又は抵抗となるよう働きかけ、スムーズな動作を導き出すことができることになる。
第3発明のスポーツ用リストバンドは、前記複数の弾性片が等間隔に固定されたことを特徴とする。
この発明によれば、弾性片の働きがリストバンド本体に対して均等に働きかけるため、より確実な縮む力の方向づけが可能となる。例えば、弾性片の数を2つにすると弾性片同士が対向することになり、前腕の尺骨側及び撓骨側と弾性片を配置するなどして、弾性片の働きかけを両サイドに確実に及ぼすことができ、前腕の回内・回外運動を的確に制御することが可能となる。
また第4発明のスポーツ用リストバンドは、前記複数の弾性片のうち、少なくとも1つの弾性片の伸び剛性が、他の弾性片の伸び剛性より大きくなされたことを特徴とする。
伸び剛性とは、弾性を有したものを引っ張るときの、フックの法則における弾性限度内において、長さL、一様断面積Aで縦弾性係数(ヤング率)がEの弾性体が、荷重Pを受けX伸びる場合の関係式は、X=PL/AEで表され、この式のAEが伸び剛性と呼ばれるものである。
この発明によれば、前記第3発明の作用に加え更に、前記に記載した前腕の回内・回外運動時の2つの運動を制御することが可能となる。例えば弾性片の数を2つにしたとき、それら対向した弾性片の一方が伸び剛性が大きいことであり、言い換えればひずみ難いことである。これにより、前腕の尺骨側と撓骨側とに弾性片を配置し、尺骨側の弾性片の伸び剛性が大きい場合は、尺骨側より撓骨側のリストバンドの抵抗が小さくなり、わずかに早く撓骨が回内若しくは回外運動することになって、テニスラケットを振る動作など、より的確な上肢運動へと繋げていくことができる。
また第5発明のスポーツ用リストバンドは、エラストマーを液状の状態で前記リストバンド本体の外周部及び/又は内周部に直接塗布後、固形化することにより弾性片となしたことを特徴とする。
この発明によれば、前記伸び剛性を様々に変化させることが容易となり、より一層の様々なスポーツの上肢運動に対応することができる。また、着色等を施すことによって、外観上の彩色や風合いのバリエーションを増加することができる。
また第6発明のスポーツ用リストバンドは、母線に垂直な面で2等分されるリストバンド本体の上底部と下底部において、腕に装着した際に生じるリストバンド本体の腕への締め付け力を、上底部及び下底部のどちらか一方の部が他方の部より強くなしたことを特徴とする。
前腕の回内・回外運動は上・下橈尺関節によって行われるが、その際リストバンドにより前腕の肘関節側の締め付け力が強くなると、上橈尺関節が基点となり手首側の回内・回外運動がよりスムーズに行われやすくなる。また逆に前腕の手首側の締め付け力が強くなると、運動の基点が手首側になりモーメントアームが短くなることから、前腕の回内・回外運動が鈍くなる。
従って本発明によれば、前腕の回内・回外運動の遅速を制御するよう作用し、各スポーツの特有な動きに対して対応することが可能となり、上肢運動をより効率よくスムーズに行えるようにすることが可能となる。
スポーツをする楽しみのひとつは、そのスポーツに見合った動作が上手くこなせることにある。例えば、テニスならある程度ラリーができるようになること、野球なら素早い外野からの返球ができる、コンスタントにヒットや長打が打てるようになること、ゴルフなら飛距離が出て曲がらないボールが打てるようになること、ラグビーならダウンボールを素早くピックアップして華麗なステップワークが踏めるようになること等々。
このようなことができるようになれば、そのスポーツがもっと楽しくなり、技術もどんどん向上していくことになるであろう。
本発明のスポーツ用リストバンドは、各スポーツ時の上肢の動きを総花的に観るのではなく、野球、テニス、ラグビー及び陸上競技など各スポーツの運動特性を充分に分析し、その運動に適した上肢の動作となるようにするために、色々な形態のリストバンド本体と多種な弾性片とを組み合わせることにより、様々な不均等な伸縮力をリストバンド本体に付与することができ、特定のスポーツの上肢運動に適したスポーツ用リストバンドとなるようしたものである。
そのため、スポーツの初心者であっても、より高度な上肢運動を行うことが可能となるほか、握力が弱い女性などがテニスなどある程度握力の必要な時には、強くグリップが握れるポジションに手首関節を導くことができるなど数多くのケースに対応できるものである。また、前腕におけるリストバンドの弾性片の位置を変えることにより、個々の癖や筋力に応じて、より最適なポジションや関節運動となるよう助勢することができる。
そして、上肢運動だけには留まらず、全身の運動は、筋活動による関節運動の運動連鎖によって成り立っており、ひとつの関節だけであったとしてもスムーズな関節運動がなされるようになるなならば、この運動連鎖によって、身体全身の運動能力も向上することになる。
これらのことにより、本発明のスポーツ用リストバンドを装着することによって、上肢運動がより効率よくスムーズに行えるようになり、身体全身の運動能力も向上することとなって、前記のようなスポーツをする楽しみを、提供することができるものである。そして、本発明のスポーツ用リストバンドが一般に普及されることにより、スポーツの発展にも少なからず寄与することができるものと考えられる。
また更には、上肢の関節運動がスムーズに行われるようになることから、テニス肘などの関節傷害の予防にも役立つものと考えられ、またスポーツする機会が増えることによって、健康の増進にも繋がるものと期待される。
以下、図1〜図37を用いて本発明の実施の形態について説明していくものとするが、はじめに本発明のスポーツ用リストバンドの共通項目で、それらのスポーツ用リストバンドを構成するリストバンド本体と弾性片について、図1〜図6を用い説明するものとする。
本発明のリストバンド本体は、伸縮性を有した生地が使用されるものであるが、生地の種類としては、編地、織地、不織布があげられる。編地は広く一般的に汗留め用のリストバンドでも使用されており、伸縮性に富むため本発明においても最も望まれる生地である。織地は縦横に織られた布地であるため伸縮性があまりないため、ゴム糸やスパンデックス等の弾性糸をその繊維として使用することが望まれる。また、不織布についても繊維を絡み合わせや接着などの方法で直接布にしたもので一般的に伸縮性があまりないため、その繊維自体に伸縮性の富むもの、例えばポリウレタンなどの弾性系(スパンデックス)を使用することが望まれる。
編地は糸で輪(ループ)を作り、その輪にまた糸を通して輪を作ることを繰り返してつくられたもので、伸び縮みしやすく弾力性があることが特徴で、本発明のスポーツ用リストバンドにおいては、最も適した生地である。
編地の種類としては編む方向により、よこ編とたて編に大別でき、よこ編の中では丸編と横編に分類される。よこ編は1本の糸でループを作り、それをよこに連ねることによって生地を作る。それに対して、たて編は1本の糸でループを作り、それをたてに連ねて鎖状にし、何本か並べて一枚の生地にするものである。何れの場合も伸縮性は得られることから、本発明のリストバンド本体に使用することは可能であるが、本発明のリストバンド本体においては、筒状の形状であることをその特徴となすものであり、編地の反物を縫製して筒状にするよりは、編む段階で筒状を形成できる丸編が経済性の上からも最も望まれるものである。
丸編は、丸編機によって円筒状(チューブ状)に編まれるもので、平編、ゴム編(リブ編)、パール編及び両面編などがあり、伸縮性の点で、ゴム編(リブ編)や両面編が好ましい。また、伸ばされた後の縮む力の強化を図るため、よこ方向にゴム糸を挿入することで、より好ましいリストバンド本体となる。また、スポーツ用であるため、吸汗性及び/又は水分の放出性を持たせるため、編地の片面又は両面にパイル状を表現したパイル編みもリストバンド本体として好ましいものである。
編地の糸は、綿、麻、毛などの天然繊維やポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維の単独或いは混紡したものが使用される。例えば、綿・アクリル・ポリエステル・ポリウレタンの繊維を混紡したものを用い、肌触りや価格面といった各繊維の特徴を考慮してリストバンド本体を形成するようにする。また、その他ゴム糸やスパンデックス等の弾性糸を加えてあってもよい。
図1及び図2はリストバンド本体の第1形態で、丸編機で編まれたパイル編の編地を中央付近で折り返して二重にし、その両端をつき合わせ、伸縮性を阻害しないようウーリーナイロン糸や弾性糸など用いて縫着し、外周部と内周部の二重構造をなした筒状のリストバンド本体として表されている。
また、図3及び図4はリストバンド本体の第2形態で、外周側がパイル編で内周側がリブ編の編地を入れ子状にして重ね合わせ、一方及び他方の端部を、それぞれ伸縮性を阻害しないようウーリーナイロン糸や弾性糸など用いて縫着し、外周部と内周部の二重構造をなした筒状のリストバンド本体として表されている。
これらリストバンド本体の第1形態及び第2形態は例としてあげたもので、本発明のリストバンド本体はこれらに限定されるものではなく、例えば外周部及び内周部ともリブ編で形成したり、ツーウエイトリコットなど伸縮性を有する反物から外周部と内周部の二重構造をなした筒状のリストバンド本体を形成すればよいものである。
また、リストバンド本体の大きさは、高さを4cm程度〜16cm程度とし、横幅が7cm〜8cmを基本とするが、個々の体格や各スポーツの上肢運動特性を考慮して決めればよい。また横幅は、子供や前腕の太い人向けに多少前後させたサイズを用意して、首又は前腕の太さに合わせて適度な圧迫感が付与されるよう製作されれば差し支えない。また二重をなしたその厚さは、0.1cm程度〜1.5cm程度までとし、運動に際して差し支えない程度の厚さにすれば良い。例えばパイル編で0.8cm程度、リブ編で0.4cm程度の厚さがスポーツ用のリストバンドとして好ましいものである。が、必ずしもこの厚さに拘る必要はなく、運動に際して差し支えない程度の厚さにすればよい。
弾性片については、リストバンド本体と一体となってスポーツ用リストバンドの機能を果たすために、弾性を有する弾性素材よりなるものである。
弾性とは、外力によって、形や体積に変化を生じた物体が、力を取り去ると再びもとの状態に回復する性質をいい、体積弾性と形状弾性とがある。体積弾性はゴムの固体など、その物質の体積が変化することにより現れる弾性のことをいい、形状弾性はつるまきバネのようにその形状や構造が変化するときに現れる弾性のことをいう。
本発明のスポーツ用リストバンドの弾性片は、体積弾性及び/又は形状弾性の性質を有するものであり、成人男性が両腕で引っ張ることのできる力の範囲内で弾性変形するものであればよい。その素材は、リストバンド本体に記述した繊維による編地又は織地及び不織布の布類、合成又は人工皮革及び天然皮革の皮革類、シリコン、ウレタン、塩化ビニルなどのエラストマー類、天然ゴム又は合成ゴムのゴム類等、運動に差し支えない程度の固体であればよい。従って、金属や硬質プラスチックは除外して差し支えない。
編地又は織地については、その繊維にゴム弾性糸やポリウレタン弾性糸などの弾性糸をそのまま裸で用いるか、弾性糸の周りを他の繊維でカバーしたカバリング弾性糸を用いることにより弾性を付与することができる。また、コイル状の高捲縮によるサイドバイサイド型コイル状弾性糸を用いてもよい。
不織布については、ポリウレタンやポリエステルなどの弾性を有する素材を、繊維の元の原料自体からじかに繊維を紡糸して作るスパンボンド法や、熱により繊維どうしを接着させるサーマルボンド法などの製法により弾性を付与することができる。
合成又は人工皮革についてはポリエステルやポリウレタンの超極細繊維が、天然皮革についてはコラーゲン繊維が、三次元的な絡合状態で絡み合った構造により弾性を有する。また、エラストマー類及びゴム類は、その素材自体が弾性を有するものである。
図5及び図6に弾性片の平面形状と断面のバリエーションを示すものである。弾性片の大きさは、リストバンド本体の大きさにも依存するが、長さ3〜15cm、幅0.5〜3cm、厚さ1cm以内で運動に差し支えないことを考慮し、各スポーツの上肢運動の特性に合わせてリストバンド本体と組み合わせるようにする。
また、弾性片の平面形状は図5に示すように、2回回転対称性をなしていることを特徴とする。2回回転対称性とは、図形をある軸のまわりに1回転の1/2だけ回転させたとき、もとの図形と一致する性質をいい、別名2回対称性あるいは点対称性ともいわれるものである。図5のバリエーションで言い表すと、何れの場合も天地を逆転させても同じ平面形状となっていることがわかる。しかしながら、製図では正確な2回回転対称性を画くのは簡単なことであるが、製造工程の中では寸分違わずというのは必ずしも容易なことではない。また、正確な2回回転対称性でないと効果が全くなくなるのかと言えばそうではなく、2回回転対称性の平面形状からずれる度合いが大きくなるにつれ、その効果が減少していくものである。従って、製造工程の中でもできる限り2回回転対称性の平面形状を保つ必要はあるが、多少の製造誤差は許容範囲となすものである。
また、アフィン合同形とは、2つの形を比べたとき、一方の形を一様に平行移動、引き伸ばしやずれ変形、及び回転させてみて重なり合う形のことで、不変定数は平行性と複比である。つまり一方の形で互いに平行な二辺は、他方も互いに平行な二辺を有し、一直線上の比は変わらない。そして、この平行性と複比に角と比を不変定数に加えたものが相似形であり、更に長さを不変定数に加えたものが合同形である。つまり、アフィン合同形は相似形と合同形を包含するものである。また前記2回回転対称性と同じく、製図では正確なアフィン合同形を画くのは簡単なことであるが、製造工程の中では寸分違わずというのは必ずしも容易なことではない。また、正確なアフィン合同形でないと効果が全くなくなるのかと言えばそうではなく、アフィン合同形の平面形状からずれる度合いが大きくなるにつれ、その効果が減少していくものである。従って、製造工程の中でもできる限りアフィン合同形の平面形状を保つ必要はあるが、多少の製造誤差は許容範囲となすものである。
これら平面形状が2回回転対称性をなした複数のアフィン合同形の弾性片が、前記のリストバンド本体の外周部及び/又は内周部に固定されることにより、本発明のスポーツ用リストバンドとなるが、その固定方法としては、縫着、接着、粘着、熱圧着又は熱融着等があげられ、弾性片の素材により適宜選択すればよい。但し、前述の弾性片が弾性変形する力の範囲を超えて堅くなるような固定は避けるようにする。
次に、図7〜図9を用いて実施例1について説明をする。図7は本発明実施例1におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)平面図、(B)正面図、(C)側面図である。図8及び図9は図7のスポーツ用リストバンドの断面と展開を表した図である。
ここに表されたリストバンド本体の生地は、前述の丸編のパイル編を用い、筒状の編地を折り返して外周部と内周部の二重構造をなしている。そして本実施例においては、2つの前記弾性片がリストバンド本体の外周部の外側に縫着方法にて固定されており、2つの弾性片の平面形状はそれぞれ2回回転対称性をなし、そして互いに長さと角が異なり平行性と複比が保たれたアフィン合同形の平面形状をなしている。
ここに表された弾性片の長さは、リストバンド本体の高さの概ね2/3程度で表されているが、各スポーツの上肢運動特性に応じて、リストバンド本体の高さの概ね1/3以上の長さであることが望ましい。また、リストバンドの高さを超えた弾性片の長さとしも差し支えはないが、スポーツ用であることを考えると、リストバンド本体の高さに納まるものが望ましい。
この実施例1の形態では、2つの弾性片の間隔が不均等であるため、その狭い方を前腕の撓骨側にして装着することにより、前腕の回内・回外運動を行う際に、その撓骨側が基軸となって、わずかな差であるが尺骨側からそれらの運動を開始することになる。
この実施例1のスポーツ用リストバンドは、例えば、弓道における弓を持つ腕に装着すると、肘関節を伸ばす動きをとるときに、前腕を一定の肢位に保つ働きをする。
次に、図10〜図13を用いて実施例2について説明をする。図10は本発明実施例2におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)平面図、(B)正面図、(C)側面図である。図11及び図12は図10のスポーツ用リストバンドの断面と展開を表した図である。図13は図10のスポーツ用リストバンドを前腕に装着したときの斜視図である。
本実施例においての2つ弾性片は、リストバンド本体の母線に対して左右対称に配置され、前記リストバンド本体の外周部の外側に接着方法にて固定されており、2つ弾性片の平面形状はそれぞれ2回回転対称性をなし、幅が異なるアフィン合同形をなした平面形状となっている。
本実施例においては、弾性片の固定方法を接着によるものとしたが、有機系の接着剤で天然系又は合成系の何れの場合であってもよく、またその形態も溶液形、エマルジョン形又はホットメルト形で差し支えないが、弾性片が弾性を失わないよう、例えばホットメルト形であれば、ドット方式にて接着するなどの工夫をすることが望ましい。
また、空間において1つの直線が、同一方向に向かって1つの曲線、いわゆる先導曲線上を動くと柱面を画くことになるが、この1つの直線のことを母線といい、ここでいう母線も同義とし、筒状をなしたリストバンド本体の側面を形づくっている線のことをさしている。図12で示されている通り、筒状のリストバンド本体における縦の仮想線のことを示している。
そして、このリストバンド本体の母線に対して傾いた2つの弾性片が、前記母線に対して左右対称に配置されており、図12の展開図でその様態が理解される。この弾性片の傾きは、リストバンド本体の周の中心方向に縮もうとする力を不均等にするためであり、本実施例の場合は、弾性片がハの字型に開いていることから、天地において縮もうとする力が異なることになる。この不均等に縮もうとする力が手首関節の屈曲又は伸展運動を助けるものである。
図13に示すように、2つの弾性片が手首の部位の両側面に位置させ、2つの弾性片の間がすぼまっている方を手首関節の背側にして装着し使用する。このように装着することにより、一度伸ばされた後、手首の部位の径に合わせて収縮されたリストバンド本体の外周部に、背側及び腹側の遠位部と近位部とにおいて不均等な縮む力が周方向に与えられることになり、腹側遠位部の伸びの余力が背側遠位部に比べ大きくなる。このことにより、手首関節の伸展運動を助ける働きをなすものである。
しかしながら、このリストバンド本体の不均等な力だけでは、手首関節を伸展方向のみに導くだけの働きになってしまい、常に往復の関節運動を繰り返して成り立つスポーツには適さないことになってしまう。そこで、リストバンド本体を二重にすることと、弾性片に弾性を持たしたことの意味が出てくることになる。これら二つのことは、弾性片によって導かれる動きとは相反する動きをスムーズに行えるように作用するものである。
弾性片の傾きの角度は、その天地の不均等さの強弱を調整するものであり、リストバンド本体の母線に対しての傾きが概ね45度以内の範囲で、調整することにより各スポーツの運動特性や個々の筋力の差などに対応することができるものである。
本実施例のスポーツ用リストバンドは、その弾性片の位置する部分を前腕の撓骨側と尺骨側に位置するように装着することで、手首関節を伸展位に導くように作用し、例えば野球の内野手がゴロのボールを捕球する動作に適したスポーツ用リストバンドである。
次に、図14〜図16を用いて実施例3について説明をする。図14は本発明実施例3におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)平面図、(B)正面図、(C)側面図である。図15及び図16は図14のスポーツ用リストバンドの断面と展開を表した図である。
本実施例においての2つ弾性片は等間隔で、リストバンド本体の母線に対して併進対称に配置され、前記リストバンド本体の外周部の外側に固定されており、2つ弾性片の平面形状はそれぞれ2回回転対称性をなし、0.8対1.0のアフィン合同形のなかに含まれる相似形をなした平面形状となっている。
併進対称とは、図形を一定方向に一定の長さだけずらせたとき、もとと一致するという性質を並進対称性といい、図16の展開図でそのことが理解される。また、弾性片の傾きについては実施例2と同様の働きを持つものであり、傾きの左右の方向は本実施例に限定されず、傾きの左右方向の違いは、右用と左用に対応するものである。
弾性片をリストバンド本体の母線に対して併進対称に配置することは、リストバンド本体の周の中心方向に縮もうとする力を、一部斜め方向に対しての力とするためである。また、2つの弾性片を等間隔に配置することで、縮もうとする力の方向づけを確実なものとするよう作用するものである。また、弾性片の傾きについては実施例2と同様の働きを持つものである。
本実施例のスポーツ用リストバンドは、前腕の回内・回外運動を助けるように作用し、
野球の返球動作などに対して、その効果を発揮する。
次に、図17〜図19を用いて実施例4について説明をする。図17は本発明実施例4におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)平面図、(B)正面図、(C)側面図である。図18及び図19は図17のスポーツ用リストバンドの断面と展開を表した図である。
本実施例は、実施例2のからのバリエーションで、リストバンド及び弾性片の組合せの変化によって、スポーツの運動特性に合わせたスポーツ用リストバンドが可能となる例を示したものである。
本実施例の弾性片の平面形状は楕円形で、リストバンド本体の外周部の内側に、かがり縫いにて縫着されており、弾性片の素材はウレタンの不織布を用いている。これら2つの弾性片は、それらの縫着の外形が2回回転対称性をなし、アフィン合同形のなかに含まれる合同形をなした平面形状となっている。弾性片を先に刺繍によってリストバンド本体に固定した後に弾性片をカットする場合は、弾性片が歪にカットされるとスポーツ用リストバンドとしの機能が低下することになるので、できるだけ2回回転対称性の楕円形になるようにカットすることが望ましい。しかしながら、弾性片を固定するかがり縫いの縫着の外形が2回回転対称性をなしている場合は、多少のカット誤差は製造誤差として許容されうるものである。
そして、図17(B)及び図19に示すように、一方の弾性片及びリストバンド本体の外周部に伸び剛性増加刺繍が施されている。これは弾性片の一部に刺繍の糸が通ることにより、その伸び剛性を大きくする目的でなされたもので、一方の弾性片にだけに例えばロゴマークなどの刺繍を施すことによって、それぞれの弾性片の伸び剛性に変化を持たせることができる。
この伸び剛性とは、弾性を有したものを引っ張るときの、フックの法則における弾性限度内において、長さL、一様断面積Aで縦弾性係数(ヤング率)がEの弾性体が、荷重Pを受けX伸びる場合の関係式は、X=PL/AEで表され、この式のAEが伸び剛性と呼ばれるものであり、伸び剛性を大きくするには断面積を大きくするか、縦弾性係数を大きくするかである。
図6に弾性片の断面バリエーションを列挙したが、複数の弾性片のうち、少なくとも1つの弾性片の伸び剛性が、他の弾性片の伸び剛性より大きくするには、前記のごとく弾性片の断面積を大きくするか、縦弾性係数を大きくするかであるが、弾性片の全体一様に変化させる必要はなく一部の変化であってもよい。従って本実施例の刺繍による変化も伸び剛性をより大きくするものである。
少なくとも1つの弾性片の伸び剛性を、他の弾性片の伸び剛性より大きくなしたことの作用としては、伸び剛性の大きい方の弾性片を撓骨側又は尺骨側に位置することにより、その何れかが基軸となり、前腕の回内運動の特徴である2つの異なる運動のタイプを制御するように働くものである。
本実施例のスポーツ用リストバンドは、手首関節の屈伸運動を激しく繰り返すテニス用やバスケット用として、その効果を発揮する。
次に、図20〜図22を用いて実施例5について説明をする。図20は本発明実施例5におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)平面図、(B)正面図、(C)側面図である。図21及び図22は図20のスポーツ用リストバンドの断面と展開を表した図である。
本実施例のスポーツ用リストバンドは、アフィン合同形の3つの弾性片が、リストバンド本体の内周部の内側と外周部の外側に逢着の方法によって固定されている。本実施例のスポーツ用リストバンドは陸上の砲丸投げの上肢運動に適し、肘関節伸展と同時に回内運動をスムーズにする働きをもつ。
次に、図23〜図25を用いて実施例6について説明をする。図23は本発明実施例6におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)平面図、(B)正面図、(C)側面図である。図24及び図25は図23のスポーツ用リストバンドの断面と展開を表した図である。
本実施例のスポーツ用リストバンドは、アフィン合同形の4つの弾性片が左右対称及び併進対称に配置され、リストバンド本体の内周部の外側に粘着の方法によって固定されている。本実施例のスポーツ用リストバンドは陸上競技のやり投げの上肢運動に適し、その作用は前腕を回外位に、手首関節を伸展位に保つ働きをなすものである。
次に、図26〜図28を用いて実施例7について説明をする。図26は本発明実施例7におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)平面図、(B)正面図、(C)側面図である。図27及び図28は図26のスポーツ用リストバンドの断面と展開を表した図である。
本実施例のスポーツ用リストバンドは、ウレタンのスパンボンド法による不織布からなる4つの弾性片が併進対称に配置され、リストバンド本体の外周部の外側に固定されている。本実施例のスポーツ用リストバンドは野球のバッティング運動に適し、その作用は前腕をやや回内位に保ちながら構えることができ、多関節筋である上腕二頭筋の不必要な働きを抑えるよう作用する。
次に、図29〜図31を用いて実施例8について説明をする。図29は本発明実施例8におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)平面図、(B)正面図、(C)側面図である。図30及び図31は図29のスポーツ用リストバンドの断面と展開を表した図である。
本実施例のスポーツ用リストバンドは、リブ編のリストバンド本体に2つの弾性片が併進対称に配置され、前記リストバンド本体の外周部の外側に縫着の方法で固定されており、一方の弾性片には、剛性増加片が熱圧着の方法によって取り付けられている。
本実施例のスポーツ用リストバンドは、走運動時の腕振りのポジションをやや後方に保つ働きをなし、ランニングなどの走運動やラグビー、サッカーの運動に適すものである。
次に、図33〜図35を用いて実施例9について説明をする。図33は本発明実施例9におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)平面図、(B)正面図、(C)側面図である。図34及び図35は図33のスポーツ用リストバンドの断面と展開を表した図である。
本実施例のスポーツ用リストバンドは、4つの弾性片が2段で併進対称に配置され、リストバンド本体の内周部の内側に固定されている。弾性片を2段にすることで、リストバンド本体が不均等に縮む方向を微調整することができ、個々の筋力の差などに対応することが可能となる。
実施例10のスポーツリストバンドは特に図示していないが、実施例1〜実施例9において示された弾性片を、エラストマーを液状の状態でリストバンド本体の外周部及び/又は内周部に直接塗布後、室温乾燥や熱又は紫外線照射などの方法によって固形化することにより弾性片となしたものである。
エラストマーの液状化は、有機溶剤に溶かすことや水で分散させたものにより行われたものでよく、実施例におけるエラストマーは塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリエチレンなどの合成系に限らず、例えば天然ゴム、アスファルト、たん白質系などの天然系であっても差し支えないものである。また、エマルジョンやジェル状態についても液状化の範疇に入れても差し支えないものである。
次に、図35〜図37を用いて実施例11について説明する。図35〜図37は形態が異なるものの何れもスポーツ用リストバンドの縦方向断面を表した図である。それらの正面図や平面図は省略したが、本実施例ではリストバンド本体の母線に垂直な面で2等分されるリストバンド本体の上底部と下底部の関係に特徴があり、断面図だけで理解されよう。また、母線と母線に垂直な面(X−X面)の関係は図1に示してあるので参照されたし。
図35のスポーツ用リストバンドでは、リストバンド本体が上底部側の挿入口が窄まった台形をなしており、図では1つしか現れていないが母線に対して併進対称の2つの弾性片がリストバンド本体外周部の内側に縫着にて固定されている。リストバンド本体を台形状にする方法は、生地にする段階でも生地から形成しても伸縮性が阻害されない方法であれば差し支えない。この台形状のスポーツ用リストバンドの上底部を肘関節側にして前腕に装着すると、下底部より上底部の周長が短いことから、前腕の手首側より肘側により強い締め付け力が生じることになり、肘関節側の上橈尺関節が基点となって、遠位の手首側をよりスムーズに回内・回外運動をすることが可能になる。
図36のスポーツ用リストバンドでは、リストバンド本体内周部の生地の肉厚が一部太くなっており、生地の肉厚が太くなっている部分が上底部より下底部の方が多くなっている。そして、図では1つしか現れていないが母線に対して左右対称の2つの弾性片がリストバンド本体外周部の内側に縫着にて固定されている。生地の肉厚を一部太くする方法としては、生地の糸やゴム糸の量を増やしたものや太さを大きくしたものが用いられ、図では別体の生地を逢着しているが、生地を作る段階で一部肉厚を太くしたものをリストバンド本体として形成しても差し支えない。このスポーツ用リストバンドを腕に装着すると、下底部の内周部の肉厚が太くなっていることから、外周部においては上底部より下底部の締め付け力が強くなることになる。
図37のスポーツ用リストバンドでは、リストバンド本体の内周部の生地を折り返して一部3重をなし、下底部の肉厚を太くなしている。そして、図では1つしか現れていないが母線に対して併進対称の2つの弾性片がリストバンド本体外周部の内側に縫着にて固定されている。この形態の別のバリエーションとしては、リストバンド本体の内周部と外周部の間に、上底部又は下底部の位置に別体の伸縮性を有する生地を挿入することや、リストバンド本体外周部の外側の上底部又は下底部の位置に、別体の伸縮性を有する生地を付加することが上げられる。
また、図では表せないが、リストバンド本体の上底部又は下底部の生地に挿入されるゴム糸を短くしたり伸び率を低くしたり、また編地であれば目を細かくしたり粗くしたりすること等によっても、母線に垂直な面で2等分されるリストバンド本体の上底部と下底部において、腕に装着した際に生じるリストバンド本体の腕への締め付け力を、上底部及び下底部のどちらか一方の部が他方の部より強くなすことが可能である。
一般的に前腕の形状は手首側より肘側の方が太くなっており、寸胴型のリストバンドであっても必然的にリストバンドの肘側の締め付け力が強くなり、その締め付け力の均一化を図るためにリストバンドを台形状に形成するのは周知技術である。そこで本発明は、単なる腕への圧迫感の均等化を図るものだけでなく、弾性片の機能と相俟って前腕の回内・回外運動を遅速させる機能を持たせ、各スポーツの特有な動きに対応した上肢運動を、より効率よくスムーズに行えるようにすることを可能とするものである。
一般的に普及している従来技術のリストバンドは、安価で一般スポーツ競技者又は愛好家に広く使用されているものである。そして、前記説明の通り、本発明に係わるスポーツ用リストバンドにおいては、従来技術より製造工程が増えるものの、各スポーツの運動に即した手首及び上肢運動を、より効率よくスムーズに行えるようサポートするという効果が実現されるものであり、一つの動作に多くの時間を割いて練習するスポーツ競技者にとって、その使用価値は計りしれないほど高いものである。さらに昨今スポーツ界において自己実現を果たそうとする人々が多くなってきていることからも、本発明のような用品を多くの人々が待望しており、利用者に多大なる貢献をもたらすものと期待される。
また、手首関節の屈伸運動や前腕の回内・回外運動がスムーズに行えるようになることから、肘関節回りの特定の筋又は関節の酷使によるテニス肘など、上肢のスポーツ傷害予防にも役立つものと考えられ、広くスポーツ界の発展に貢献できるものである。
第1形態のリストバンド本体を斜め上方から表した斜視図である。 図1のリストバンド本体をX−Xで切断した断面図である。 第2形態のリストバンド本体を斜め上方から表した斜視図である。 図3のリストバンド本体をX−Xで切断した断面図である。 弾性片の平面形状のバリエーションを表した図である。 図5(a)のX−Xで切断した断面のバリエーションを表した図である。 本発明実施例1におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)は平面を、(B)は正面を、(C)は側面を表した図である。 図7(B)のX−X切断における断面図である。 図7(A)のY−Y切断における展開図である。 本発明実施例2におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)は平面を、(B)は正面を、(C)は側面を表した図である。 図10(B)のX−X切断における断面図である。 図10(A)のY−Y切断における展開図である。 本発明実施例2におけるスポーツ用リストバンドを前腕に装着したときの斜視図である。 本発明実施例3におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)は平面を、(B)は正面を、(C)は側面を表した図である。 図14(B)のX−X切断における断面図である。 図14(A)のY−Y切断における展開図である。 本発明実施例4におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)は平面を、(B)は正面を、(C)は側面を表した図である。 図17(B)のX−X切断における断面図である。 図17(A)のY−Y切断における展開図である。 本発明実施例5におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)は平面を、(B)は正面を、(C)は側面を表した図である。 図20(B)のX−X切断における断面図である。 図20(A)のY−Y切断における展開図である。 本発明実施例6におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)は平面を、(B)は正面を、(C)は側面を表した図である。 図23(B)のX−X切断における断面図である。 図23(A)のY−Y切断における展開図である。 本発明実施例7におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)は平面を、(B)は正面を、(C)は側面を表した図である。 図26(B)のX−X切断における断面図である。 図26(A)のY−Y切断における展開図である。 本発明実施例8におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)は平面を、(B)は正面を、(C)は側面を表した図である。 図29(B)のX−X切断における断面図である。 図29(A)のY−Y切断における展開図である。 本発明実施例9におけるスポーツ用リストバンドを3方向から見た図で、(A)は平面を、(B)は正面を、(C)は側面を表した図である。 図32(B)のX−X切断における断面図である。 図32(A)のY−Y切断における展開図である。 本発明実施例11におけるスポーツ用リストバンド(A0)の縦方向断面図である。 本発明実施例11におけるスポーツ用リストバンド(B0)の縦方向断面図である。 本発明実施例11におけるスポーツ用リストバンド(C0)の縦方向断面図である。 上肢の骨格を表した図である。 手首関節の関節運動を表した図である。 上肢筋の走行特徴を表した図である。 前腕の2つの回内軸を表した図である。
符号の説明
011、012 リストバンド本体
021、022 外周部
031、032 内周部
04、 弾性片
10、20、30、40、50、60、70、80、90 スポーツ用リストバンド
11、21、31、41、51、61、71、81、91 リストバンド本体
12、22、32、42、52、62、72、82、92 外周部
13、23、33、43、53、63、73、83、93 内周部
141、142 弾性片
241、242 弾性片
341、342 弾性片
441、442 弾性片
45 伸び剛性増加刺繍
541、542、543 弾性片
641、642、643、644 弾性片
741、742、743、744 弾性片
841、842 弾性片
85 伸び剛性増加片
941、942、943、944 弾性片
0GL、2GL、3GL、4GL、5GL、6GL、7GL、8GL、9GL 母線
A0、B0、C0 スポーツ用リストバンド
A1、B1、C1 リストバンド本体
A2、B2、C2 外周部
A3、B3、C3 内周部
A41、B41、C41 弾性片
A6a、B6a、C6a 上底部
A6b、B6b、C6b 下底部
AGL、BGL、CGL 母線
a 上腕骨、b 橈骨、c 尺骨、d 手根骨
e 肘関節、f 上橈尺関節、g 下橈尺関節
h 手首関節、i 橈骨手根関節、j 手根中央関節
k1 回内運動、k2回外運動
l 中間位、m 外転位、n 内転位、o 屈曲位、p 伸展位
q 肩関節、r 指節間関節、s 上腕筋、t 上腕二頭筋、u 浅指屈筋

Claims (6)

  1. 伸縮性を有した生地が外周部と内周部の二重構造をなした筒状のリストバンド本体と、前記リストバンド本体の外周部及び/又は内周部に固定され、平面形状が2回回転対称性をなした複数のアフィン合同形の弾性片と、からなるスポーツ用リストバンド。
  2. 前記複数の弾性片が、前記リストバンド本体の母線に対して左右対称及び/又は併進対称に配置された請求項1に記載のスポーツ用リストバンド。
  3. 前記複数の弾性片が等間隔に固定された請求項1又は請求項2に記載のスポーツ用リストバンド。
  4. 前記複数の弾性片のうち、少なくとも1つの弾性片の伸び剛性が、他の弾性片の伸び剛性より大きくなされた請求項1から請求項3の何れかに記載のスポーツ用リストバンド。
  5. エラストマーを液状の状態で前記リストバンド本体の外周部及び/又は内周部に直接塗布後、固形化することにより弾性片となした請求項1から請求項4の何れかに記載のスポーツ用リストバンド。
  6. 母線に垂直な面で2等分されるリストバンド本体の上底部と下底部において、腕に装着した際に生じるリストバンド本体の腕への締め付け力を、上底部及び下底部のどちらか一方の部が他方の部より強くなした請求項1から請求項5の何れかに記載のスポーツ用リストバンド。
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KR200488436Y1 (ko) * 2017-09-18 2019-01-30 강호언 관절 보호대

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