JP2007308643A - 色素化合物及び記録用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】発色性、透明性等の分光反射特性に優れ、しかも堅牢性の高い色素化合物の提供、良好な色調を有し、しかも保存安定性に優れた画像を与えるインクジェット用に適した水性インクの提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする色素化合物、該化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする記録用インク。
Figure 2007308643

【選択図】なし

Description

本発明は、色素化合物及び記録用インクに関する。
近年における目覚ましい記録技術の発展により、非常に簡便に、高品質なカラー記録、画像出力が可能になっている。特に、パーソナルコンピュータ及び入出力機器として、デジタルカメラやスキャナ、インクジェットプリンタ、カラーレーザープリンタ等を利用することが一般化している。上記した中でもインクジェット記録方法を用いた記録装置は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、カラー記録が容易に得られることから急速に普及しており、更なる発展が要望されている。即ち、より高精細な画像や書面をより簡便に出力することができ、しかも色再現にも優れた画像が得られ、更に長期間にわたってこの状態が保持されることが求められている。
インクジェット用インクには、水性インクを用いるのが一般的である。又、インクジェット用インクに使用される色素としては、染料及び顔料の何れも用いることができる。そして、インクに用いる色素は、インクジェット記録方式に対する適性の点から適宜に選択することが好ましい。例えば、サーマルジェット方式と呼ばれる熱によるインク液の発泡をインクを吐出するエネルギー源とする方式では、該インクジェット記録方式の適性の点から顔料よりも水溶性染料をインクの色材に用いるのが一般的である。これは、顔料を色材に用いたインクは、印字後の画像の耐久性という面では優れているが、インクの保存安定性の問題や吐出特性の不規則性等、上記のようなインクジェット方式へ適用するには困難を伴う場合が多いためである。一方、水溶性染料を含有するインクは、インクジェットによる吐出特性や保存安定性にはメリットがあるものの、該インクによって形成された記録画像は、一般的に画像の保存安定性に劣る(即ち、耐候性に劣る)という問題があった。
これに対し、これらの問題を解決し、画像の色再現性及び透明性を保ちつつ、保存安定性をも満足した画像形成を可能とする目的で種々の検討がなされている。例えば、光や空気中の酸化性ガス(NOX、SOX、オゾン等)に対する堅牢性が高い画像を与える水溶性染料を、インクジェット用インクの色材に用いる方法が検討されている。しかしながら、上記の方法でこれまで使用されてきた水溶性染料は、色調が十分ではなく、画像の更なる高画質化のためには、優れた色再現性を有する色素の開発が強く求められている。又、アゾ系の色素の中には、製造工程に特殊なカップラーを用いるものもあり、より簡便な方法で入手が可能な色素が求められている。
これまでに検討された中では、高発色の黄色水溶性染料化合物として、アゾピリドン系色素についての提案がある(特許文献1参照)。更に、この系の耐候性を向上させた系として、ジアゾ成分のo−位にカルボキシル基を有する色素が、高堅牢な色素として提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、これらの色素は、いまだ、全ての性能を満足する十分なものであるとは言い難く、又、十分な耐水性の画像が得られるものでもなかった。更に、例えば、特許文献3に開示されている色素は、高い堅牢性を有する画像を与えることができるが、十分な色調の画像が得られるものではなかった。
又、本発明者らが検討した結果、特許文献2に記載の化合物は非常に広範であり、確かに良好な堅牢性を示す画像を与える化合物が存在するものの、十分な堅牢性を発揮し得ない化合物も含まれているという問題があった。又、特許文献2に記載の化合物は、インクの色材として用いた場合、画像の湿潤堅牢度に関しても十分な性能が得られるものではなかった。
又、カラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタを、インクジェット記録方式で作成する方法についての提案がある(例えば、特許文献4参照)。カラーフィルタを利用する画像形成では、一般に、赤、青、緑の光の3原色からなるセルを有するカラーフィルタを、液晶セルを選択的に透過してきた光によって観察する方法で液晶セルをカラー化している。このため、カラーフィルタを形成するインクには、赤、青、緑系の色素が用いられる。近年、液晶ディスプレイ画像における画質の向上、出力機器の高性能化が進んでいるため、これに対応できる発色性や透明性に優れ、より良好な色調で且つ堅牢性の高い緑色インクが求められている。
特開2001−288393公報 特表2003−510398公報 特表2002−504613公報 特開平7−072325号公報
従って、本発明の目的は、発色性、透明性等の分光反射特性に優れ、しかも堅牢性の高い色素化合物を提供することにある。又、本発明の別の目的は、インクジェット用インクとした場合に、良好な色調を有し、しかも保存安定性に優れた画像を与える水性インクを提供することである。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする色素化合物である。
Figure 2007308643
[上記一般式(1)中、Xは、−CONH2又は−SO3M、Yは、水素原子又は−COOMを表す。Mは、カウンターイオンを表す。]
本発明の色素化合物であるピリドンアゾ系染料は、優れた耐光性と、高い湿潤堅牢度と、広い色再現範囲を有する画像を与える酸性黄色染料として有用である。又、本発明の色素化合物は、特にインクジェット記録用のインクの色材として有効に用いることができる。更に、本発明の色素化合物は、発色性、透明性等の分光特性に優れることから、カラーフィルタの画素を形成するためのインクの色材としても有用である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、下記一般式(1)で表される色素化合物は、発色性、透明性等の分光反射特性に優れ、光や空気中の酸化性ガスに対する堅牢性の高い色素であることを見出して、本発明に至った。該色素化合物を用い、水性インクとした場合には、良好な色調を有するインクジェット記録に好適なインクの提供が可能となる。以下、下記一般式(1)について詳細に説明する。
[一般式(1)で表される色素化合物]
Figure 2007308643
[上記一般式(1)中、Xは、−CONH2又は−SO3M、Yは、水素原子又は−COOMを表す。Mは、カウンターイオンを表す。]
上記一般式(1)中のYは、カルボキシル基(−COOM)又は水素原子のいずれかであるが、インクジェット用インクへの適用を考えると、より水溶性の高いカルボキシル基の方が好ましい。置換位置に関しては、アゾ基に連結している部位を1、o−カルボキシル基の結合部位を2とすると、3から5の位置にカルボキシル基を有する化合物が好適に用いられる。これに対して6位に嵩高な置換基を有する化合物を用いると耐光性が低下するため、好ましくない。前記一般式(1)中のXとしては、カルバモイル基(−CONH2)、スルホン基(−SO3M)が挙げられる。前記したYが水素原子である場合には、化合物に必要な水溶性を確保するために、Xをスルホン酸とすることが好ましい。
後述の一般式(5)及び(6)も含めた各一般式中のMはカウンターイオンを表す。好ましいカウンターイオンとしては、下記のものが挙げられる。即ち、水素原子;
リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のイオン;
アンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム;
エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム;
n−プロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム;
n−ブチルアンモニウム、テトラn−ブチルアンモニウム、イソブチルアンモニウム;
モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等のアンモニウム又は有機アンモニウムが挙げられる。上記した中でも特に好ましいのは、水素原子、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムである場合である。
尚、式中のMは、例えば、本発明の色素化合物を用いてインクジェット記録用の水性インクとした場合には解離してカウンターイオンとなると考えられるため「カウンターイオンを表す」としたが、インク中で解離していないものを排除する意味ではない。他の色素化合物における「カウンターイオンを表す」の語も同様である。
本発明の一般式(1)で表される色素化合物は、公知の方法に従って合成することができる。以下に合成スキームの一例を示す。先ず、カップラーとして使用される下記構造のピリドン化合物は、以下のようにして合成できる。
Figure 2007308643
例えば、シアノ酢酸メチル(NC−CH2−COO−CH3)を、先ず、エチルアミン(H2N−C25)と反応させて、シアノ酢酸エチルアミド(NC−CH2−CO−NH−C25)を合成する。
Figure 2007308643
次いで、これと、アセト酢酸エチル(CH3−CO−CH2−COO−C25)と反応させて、下記の構造のピリドン化合物(1)[1−Nエチル−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−2−ピリドン]を合成する。

Figure 2007308643
更に、例えば、このピリドン化合物(1)(表2中、(3))のシアノ基を常法に基づき加水分解することで、目的とするピリドンカップラーを得ることができる。例えば、置換基Xとして−CONH2を有するピリドンカップラー(表2中、(2))が得られる。また、加水分解条件を適宜選択することにより、Xがスルホン基であるピリドンカップラー(表2中、(3))の合成も可能である。
又、本発明の色素化合物の製造方法としては、例えば、下記のような方法が挙げられる。先ず、塩酸中で、表1に挙げたようなアニリン類に亜硝酸ナトリウム水溶液を加え、ジアゾ化物を得る。次に、先に説明したような方法等で合成されるピリドンカップラーに、該ジアゾ化物を加え、カップリングさせることによりピリドンアゾ系染料を得ることができる。
Figure 2007308643
Figure 2007308643
Figure 2007308643
上記の方法により、以下の一般式(1)で表される構造を有する、式中のX、Y及びMが、それぞれ表3に示したものである例示化合物1〜10を得た。
Figure 2007308643
[上記一般式(1)中、Xは、−CONH2又は−SO3M、Yは、水素原子又は−COOMを表す。Mは、カウンターイオンを表す。]
Figure 2007308643
尚、上記に例示したような、一般式(1)で表される構造を有する化合物の製造方法は、前記した製造方法に限定されるものではない。又、先に説明したような反応によって得られる最終生成物は、通常の有機合成反応の後処理にしたがって処理した後、精製を行うことで目的の用途に用いる。
得られた反応生成物は、下記に挙げるような装置を用いて各種の分析を行うことによって、同定を行った。即ち、1H及び13C核磁気共鳴分光分析(ECA−400、日本電子(株)製)、高速液体クロマトグラフィー(LC−20A、(株)島津製作所製)、LC/TOF MS(LC/MSD TOF、Agilent Technologies社製)、UV/Vis分光光度計(U−3310形分光光度計、(株)日立製作所製)を用いた。
本発明の色素化合物は、鮮やかな色調を有し、その分光特性により着色用色材、好ましくは画像情報の記録用材料として用いることができる。具体的には以下に詳述する、インクジェット方式の記録用インクを始めとして、その他、印刷用インク、塗料又は筆記具用インクの材料として用いることができる。特に好ましくは、インクジェット方式の記録用インクの色材として有用である。以下、インクジェット記録用の水性インクについて説明する。
[インクジェット用インク]
次に、インクジェット用インクとして好適に用いることができる、本発明の色素化合物を含有する水性インクの製造方法について説明する。前記一般式(1)で表される構造を有する色素化合物は、水性媒体に溶解又は(及び)分散させることで、記録用インクとして利用可能なインク組成物を作製できる。特に好ましくは、水性媒体を用いる水性インクの場合である。インクジェット用インクとする場合は、インク100質量部中に、前記一般式(1)で表される構造を有する色素化合物を0.2質量部以上10質量部以下含有させることが好ましい。
水性インクを調製する場合に使用する水性媒体としては、水、又は水と水溶性有機溶剤との混合媒体が挙げられる。この際に使用する水溶性有機溶剤としては、水溶性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶剤、含硫黄極性溶剤等が挙げられる。
本発明の一実施態様にかかる好ましい記録用インクとしては、下記の構成のものが挙げられる。水、水溶性有機溶剤、及び色素化合物を含有するインクであって、色素化合物に、本発明の色素化合物を含むことを一つの特徴とする。更に、かかるインクは、インクに含まれる水溶性有機溶剤のうち少なくとも一つが沸点120℃以上であり、且つ、該水溶性有機溶剤のインク中における含有量が10質量%以上であることを特徴とする。
上記における沸点120℃以上である水溶性有機溶剤は、インクの保湿性維持や色材の溶解性向上、インクの記録紙への効果的な浸透等を考慮すると、水溶性有機溶剤の含有量を、インク全体の10質量%以上40質量%以下の範囲とすることが好ましい。より好ましくは、10質量%以上30質量%以下の範囲とする。又、インク中の水の含有量は、30質量%以上95質量%以下の範囲とすることが好ましい。このようにすれば、本発明の色素化合物を含む色材のインク中における分散性或いは溶解性を良好なものとし、インクジェット記録用とした場合に安定したインク吐出のための粘度を有し、且つノズル先端における目詰まりを生じさせないインクにすることができる。
本発明のインク中には、インクの浸透性を制御する目的で、界面活性剤を添加してもよい。この場合には、イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤、高分子界面活性剤のような化学合成された界面活性剤を用いることができる。その他、天然物由来及びこれを酵素等により改質したものも用いることができる。これら界面活性剤は、単独若しくは併用して用いることができ、界面活性剤の総含有量は、インク全体の0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
更に、インクとする場合には、上記成分以外にも、必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー等、種々の添加剤を含有させてもよい。
以上説明したようにして、本発明の色素化合物を用いて調製されたインクは、熱エネルギーの作用により液滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録方式に好適に用いられる。本発明の色素化合物は、他のインクジェット記録方法に適用することが可能であり、更には、一般の筆記用具等に使用することも可能である。
(フタロシアニン系染料を併用するインク)
本発明の別の一実施態様にかかる記録用インクとしては、上記した特有の構造を有する色素化合物(水溶性アゾピリドン系染料)に加えて、更に、下記一般式(4)で表されるようなフタロシアニン系染料を含有するインクが挙げられる。特に好ましくは、水溶性アゾピリドン系染料と、フタロシアニン系染料が、両者の質量比で3:1乃至1:3の範囲で含有されて、緑色色調用に調製されている記録用インクが挙げられる。
Figure 2007308643
(上記一般式(4)中、R1乃至R4はそれぞれ独立して、水素原子、スルホン基、スルホアミド基、カルボキシル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ホスホノ基、トリフルオロメチル基、直鎖或いは分岐のアルキル基、直鎖或いは分岐のアルコキシ基、置換基を有してもよい、アリール基、フェノキシ基、チオフェノキシ基又はフェニル基及びこれらの塩の何れかを表し、Mは、2個の水素原子、2個のNa原子、2個のLi原子、2個の金属、或いは3価又は4価の金属誘導体の何れかを表し、且つ、その構造中に少なくとも2つ以上のスルホン基又はその塩を有する。)
上記した中でも特に、Mが銅である銅フタロシアニン化合物を用いることが好ましい。銅フタロシアニン化合物としては、既存のものも含めて何でも使用可能だが、特に好ましくは、下記一般式(5)、及び(6)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物は特に、堅牢性、発色性に優れており、先に説明した本発明の水溶性アゾピリドン系染料と混合した際の効果が大きいためである。銅フタロシアニン化合物の使用に関しては、例えば、下記の一般式(5)及び(6)で表されるフタロシアニン化合物から選択して1種単独で又は2種以上を混合して用いることも可能である。
Figure 2007308643
(上記一般式(5)中、l=0乃至2、m=1乃至3、n=1乃至3、但し、l+m+n=3乃至4、置換基の置換位置は、4若しくは4’位を表し、Mは、カウンターイオンであり、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、スルホン基、カルボキシル基を表し(但し、R1及びR2は、同時に水素原子となる場合を除く。)、Yは、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基を表す。)
一般式(5)においては、下記例示化合物11が、その発色性と耐環境ガス性のバランスから最も好適な化合物である。
Figure 2007308643
(上記例示化合物11中、l=0乃至2、m=1乃至3、n=1乃至3、但し、l+m+n=3乃至4、置換基の置換位置は、4若しくは4’位を表す。)
下記一般式(6)の構造の銅フタロシアニン化合物も好適である。
Figure 2007308643
(上記一般式(6)中、Mはスルホン酸基のカウンターイオンを表す。)
上記一般式(6)で示される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるフタロシアニン化合物は、下記の例に限定されるものではない。
Figure 2007308643
(被膜化成分を含有するインク)
本発明の一実施態様にかかる記録用インクとしては、インク付与後に、熱又は光、或いはその両方を照射することによって被膜化できるように、前記した構成成分に加えて更に、インク中に被膜化成分を含有してなるインクが挙げられる。この際に使用できる好適な被膜化成分としては、下記のものが挙げられる。例えば、少なくとも1種或いは数種のアクリルモノマ若しくはアクリルモノマ単位を有する共重合体、ビニルモノマ若しくはビニルモノマ単位を有する共重合体である。更には、上記のアクリルモノマ単位の一つが、少なくとも下記一般式(7)で示されるものを被膜化成分として含有する記録用インクが好適なものとして挙げられる。
Figure 2007308643
(上記一般式(7)中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、水素原子又はアルキル基を示す。)
本発明の一実施態様にかかるインクジェット記録方法は、インクジェット記録用に調製された上記で説明した構成の記録用インクを用いてインクジェット記録を行うことを特徴とするものである。
又、本発明の一実施態様にかかるカラーフィルタの製造方法は、例えば、上記した被膜化成分を含有する形態のインクを用い、インクジェット記録方法でパターンを形成する方法が挙げられる。より具体的には、下記の方法が挙げられる。例えば、インク受容層を有する透明基板のインク受容層に、インクジェット方式により光の3原色である赤、青、緑のインクを付与してパターンを形成し、該パターン面に透明保護膜を設ける方法がある。又、インク滴を撥インク性を有する光透過性基板上の所定の位置に付着させた後、付着したインクを硬化させて着色画素を形成する画素形成工程を含む方法等がある。
次に、本発明のインクジェット記録方法に用いることができる記録装置について説明する。本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な記録装置としては、これらのインクが収容されるインク収容部を有する記録ヘッドの室内のインクに、記録信号に対応した熱的又は力学的エネルギーを与え、該エネルギーによりインク液滴を発生させる装置が挙げられる。
図2に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示した。図2において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端は、ブレード保持部材によって保持されて、固定端となりカンチレバーの形態をなす。ブレード61は、記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設され、又、図2に示した例の場合は、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して、吐出面と当接しキャッピングを行う構成を具える。更に、図2中の63は、ブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵やほこり等の除去が行われる。65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は、記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動されるベルト69と接続している。これにより、キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
51は、被記録媒体を挿入するための給紙部、52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録媒体が給紙され、記録が進行するにつれて、排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
上記構成において、記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中へ突出するように移動する。
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても、記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上記した記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って、上記ワイピングが行われる。
図3は、ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す断面図である。ここで40は供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にできる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図4に示すようにそれらが一体になったものも好適に用いられる。図4において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。72は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は、図2で示す記録ヘッド65に代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
図5に、上述のインクジェット記録装置に搭載可能なインクジェットカートリッジの一例を示した。本例におけるカートリッジ1012は、シリアルタイプのものであり、インクジェット記録ヘッド100と、インク等の液体を収容するための液体タンク1001とで主要部が構成されている。インクジェット記録ヘッド100は、液体を吐出するための多数の吐出口832が形成されており、インク等の液体は、液体タンク1001から図示しない液体供給通路を介して液体吐出ヘッド100の共通液室へと導かれるようになっている。図5に示したカートリッジ1012は、インクジェット記録ヘッド100と液体タンク1001とを一体的に形成し、必要に応じて液体タンク1001内に液体を補給できるようにしたものであるが、この液体吐出ヘッド100に対し、液体タンク1001を交換可能に連結した構造を採用するようにしてもよい。
以下に、実施例及び比較例を用いて本発明をより具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」は特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。又、残分とは全体を100%とし、各成分を差し引いた残りをいう。
[実施例1]
(下記の例示化合物4の合成)
Figure 2007308643
1)ピリドンカップラーの合成
<1−(N−エチル)−3−カルバモイル−4−メチル−6−ヒドロキシ−2−ピリドンカップラーの合成>
先に説明したようにして得た1−エチル−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−2−ピリドンを9.2g用い、これを、96%の濃硫酸31gに撹拌しながら、20℃以下で1時間要して加えた。次いで、60℃〜65℃に昇温し、同温度で30時間反応した。これを冷却し、氷水270gに排出した。この液を5℃〜10℃で5時間撹拌し、濾過、冷水で洗浄し、60℃で乾燥した。乾燥した結晶をエタノールから再結晶して精製し、60℃で真空乾燥し、白色結晶として上述のピリドンカップラー9.8gを得た。
2)アゾ化合物の合成
2−Aminoterephthalic acid(2,5−ジカルボキシアニリン)(東京化成工業製)13.2gを、イオン交換水100gに溶解した。次に、バス中で溶液を冷却し5℃以下に保ち、濃塩酸を20g添加した。更に、亜硝酸ナトリウムを18.4g添加し、反応混合物を10℃以下で30分間攪拌した。その後、スルファミン酸(0.4g)を添加することにより、過剰の亜硝酸を分解してジアゾニウム塩溶液(ジアゾ化物)を得た。
先に調製したピリドンカップラーを11g、水100mlに溶解した後、1Nの水酸化ナトリウム溶液でpH8になるように調節した。この溶液に、上記で調製したジアゾニウム塩溶液を滴下し、3時間反応させた。次に、黄色の溶液をpHが1になるまで濃塩酸で酸析し、得られた沈殿を濾過により集めた。得られた沈殿を冷水で洗浄した後、水200g中に分散し、2Nの水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを8に調整し溶解させた。最後に、生成物を透析して無機化合物を取り除き、0.45μmフィルタで濾過した後、エバポレーターで濃縮し、アセトンを添加し、生じた沈殿を60℃で真空乾燥させて黄色粉末として、前記した構造の例示化合物4を得た。得られた化合物の構造は、1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル及びマススペクトルにより確認した。
[例示化合物(4)についての分析結果]
[1]1H−NMR(400MHz、D2O、室温)の結果(図1):
δ[ppm]=0.89(1H、s)、2.22(1H、s)、2.57(1H、s)、3.46(1H、br s)、7.44(1H、d)、7.72(1H、d)、8.18(1H、s)
[2]13C−NMR(100MHz、DMSO−d6、室温)の結果:
δ[ppm]=13.13、14.33、33.72、115.30、123.52、124.10、125.26、127.78、131.82、134.76、142.97、144.32、158.82、160.98、166.65、167.46、168.66
[3]質量分析(ESI−TOF)の結果:
m/z=409.08(M−2H+Na)-、387.09(M−H)-、193.04(M−2H)2-
[4]HPLCの結果:
純度=96.7面積%、保持時間10.6分(0.1mM TFA溶液−MeOH)
[5]UV/Vis分光分析の結果:
λmax=427nm(溶剤:H2O、室温中)
[実施例2]
(下記の例示化合物8の合成)
Figure 2007308643
1)ピリドンカップラーの合成
<1−(N−エチル)−3−スルホニル−4−メチル−6−ヒドロキシ−2−ピリドンの合成>
先に説明したようにして得た1−エチル−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−2−ピリドンを10g、90gの2%−発煙硫酸中で20℃〜25℃で15時間反応させた。反応後、冷却し、氷水100gに排出した。この液を5℃〜10℃で5時間撹拌し、濾過、冷水で洗浄し、60℃で乾燥した。乾燥した結晶をエタノールから再結晶して精製し、60℃で真空乾燥し、白色結晶として上述のピリドンカップラー(下記構造)を4.6g得た。
Figure 2007308643
ピリドンカップラーとして、上記で得た1−(N−エチル)−3−スルホニル−4−メチル−6−ヒドロキシ−2−ピリドンを用い、ジアゾ成分(ジアゾ化物)の出発原料としてアントラニル酸を用いた以外は実施例1と同様にして、前記した構造の例示化合物8を合成した。該色素化合物の構造は、1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、マススペクトル(下記参照)により確認した。
質量分析(ESI−TOF)の結果:
m/z=380.09(M−H)-、189.54(M−2H)2-
又、水溶液の吸収極大波長は429nmであった。
[実施例3及び4]
(表3中の例示化合物6及び5の合成)
実施例1にて合成した色素を中和する際に、水酸化ナトリウムを使用する代わりにそれぞれ、水酸化リチウム、アンモニア水を用いることで、Li塩、アンモニウム塩を得た。その後の精製は実施例1と同様に行い、下記の例示化合物6及び5を得た。
Figure 2007308643
[比較例1〜3]
ジアゾ成分(ジアゾ化物)の出発原料として、表4に記載の官能基を有するアニリン類を用いた以外は実施例1と同様にして、各比較色素化合物を合成した。得られた各比較例の比較化合物1〜3の構造をそれぞれ示した。
Figure 2007308643
Figure 2007308643
Figure 2007308643
Figure 2007308643
<評価>
〔インク処方1〕
・染料 5%
・グリセリン 5%
・エチレングリコール 5%
・イソプロピルアルコール 2%
・尿素 5%
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社)0.8%
・イオン交換水 残分
上記のインク処方1に基づき、染料に、上記例示化合物4〜6、8及び比較化合物1〜3の何れかをそれぞれ用いてインク液を作成した。これらのインクを、キヤノン(株)製バブルジェット(登録商標)プリンタPIXUS950iのインクカートリッジにそれぞれ充填した。そして、上記インクジェットプリンタにて、キヤノン(株)製写真光沢紙プロフェッショナルフォトペーパー(PR−101紙)及びキヤノン(株)製普通紙PPC用紙に、2cm四方のベタ画像を印字させ記録物を作成した。次に、得られた記録物を24時間自然乾燥して試験する記録物とした。
[色調]
上記方法で得た写真光沢紙上の各記録物を反射濃度計Spectrolino(GretagMacbeth社製)にてL***表色系における光学濃度及び色度(L*、a*、b*)を測定した。彩度は色特性の測定値に基づき、下記式によって算出した。
彩度(c*)=√{(a*2+(b*2
評価基準は以下の通りである。即ち、c*=80のときのL*が90以上であれば、高品質な記録物が得られると判断した。そして、得られた結果を表5に示した。
◎:L*≧92
○:92>L*≧90
×:L*<90
[耐光性]
得られた記録物をキセノン試験装置(AtlasCi4000、スガ試験機(株)製)に投入し、(照度:0.39W/m2@340nm、温度:50℃、相対湿度:70%)の条件下、50hr曝露した。印字物の反射濃度を試験前後で測定した。初期のイエロー画像濃度M0、曝露後のイエロー画像濃度Mfからイエロー濃度残存率({Mf/M0}×100[%])を算出した。そして、得られた結果を表5に示した。
評価基準は以下の通りである。
◎:イエロー濃度残存率80%以上
○:イエロー濃度残存率50%以上、80%未満
×:イエロー濃度残存率50%以下
[耐オゾン性]
得られた各記録物を、オゾンウェザーメーター[OMS−H(商品名)、スガ試験機(株)製]にて、オゾン濃度3ppm、温度40℃、相対湿度55%の雰囲気下で、2時間曝露した。記録物の反射濃度を試験前後で測定した。評価基準は上記の耐光性の評価の場合と同様である。評価結果を表5に示した。
[耐湿潤性]
実施例1〜4及び比較例1〜3の各インクを使用し、夫々、被記録媒体に単一ドットを50個独立に印刷して印字物を得た。そして、得られた印字物を12時間常温常湿下に放置した後、更に、該印字物を30℃で80%RHの環境下に2週間放置した。このようにして高温高湿下に保持された印字物について、被記録媒体上のドット径を保存前後で目視で比較し、耐湿潤性の評価を行って下記の基準で評価した。評価結果を表5に示した。
◎:優
○:良好
×:劣
Figure 2007308643
表5に示した通り、本発明の色素化合物を用いた実施例のインク液によって得られた記録物は、色調、耐光性、耐オゾン性及び耐湿潤性が何れも良好であることがわかった。このことから、インクジェット用イエローインクの着色剤として有用であることが確認された。
[実施例5〜8]
〔インク処方2〕
・染料(それぞれ表6に示した種類及び含有量)
・グリセリン 5%
・エチレングリコール 5%
・イソプロピルアルコール 2%
・尿素 5%
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社)0.8%
・イオン交換水 残分
Figure 2007308643
表6に記載の染料セットを用い、インク処方2のインクを作成した。何れも良好な緑色調のインクであった。又、得られた各グリーンインクについて、実施例1〜4及び比較例1〜3のインクと同様に評価した。ただし、色調については、c*=70のときのL*で評価し、L*が60以上であれば高品質な印字物が得られると判断した。評価結果を表7に示した。
(色調についての評価基準)
◎:L*≧70
○:70>L*≧60
×:L*<60
Figure 2007308643
表7に示した通り、本発明の色素化合物を用いた実施例のグリーンインク液によって得られた記録物は、色調、耐光性、耐オゾン性及び耐湿潤性の何れについても良好であった。このことから、本発明のインクは、インクジェット用グリーンインクの着色剤として有用であることが確認された。
[実施例9]
(カラーフィルタの作成)
熱又は光、或いはその両方を照射することによって被膜化される被膜化成分を含有してなるインク処方3にて記録用インクを調製して、得られたインクを用いて、下記のようにしてカラーフィルタを作製した。被膜化成分には、アクリル系共重合体を用いた。該アクリル系共重合体は、次のモノマーの質量組成からなる。即ち、N−メチロールアクリルアミド20部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート10部、メタクリル酸メチル25部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート40部、アクリル酸5部の組成からなるものを用いた。
〔インク処方3〕
・染料(実施例7で使用した混合比率の染料セット)
・上記質量組成のアクリル系共重合体 10.0%
・エチレングリコール(沸点197.9℃)36.0%
・エチルアルコール(沸点78℃) 6.0%
・水 43.0%
先ず、ガラス基板上に富士ハント(株)製の黒色顔料レジストCK−S171Bをスピンコート法により塗布し、その後、露光、現像、熱処理によって、基板上に厚さ1.0μmのブラックマトリクスを形成した。
次いで、前記インク処方3に基づいて調製した硬化性インクを使用して、インクジェットプリンタにより開口部からインクを吐出してパターンを形成した。次に、230℃、30分の熱処理により該インクを被膜化させ、液晶素子用カラーフィルタを形成した。
<評価方法>
(評価1:密着性)
先ず、上記のカラーフィルタを、出力100W(35kHz)の超音波洗浄器を用いて水浴中で5分間洗浄した。次いで、目視で観察して洗浄部の密着性を下記の3段階の等級にて評価した。
A:密着性良好(中心部100画素中での剥がれの発生なし)
B:やや密着性が劣る(中心部100画素中での剥がれが5画素以下)
C:密着性が劣る(中心部100画素中での剥がれが6画素以上発生)
(評価2:着色部のくすみ)
上記のカラーフィルタの特定のセルを分光測定しておき、60℃の温純水に10分間浸漬し、120度のホットプレートで1分間乾燥した。同一のセルを分光測定し、初期の吸収最大波長における吸光度からの吸光度の減少率を以下のように評価した。
A:着色部の吸光度の減少が1%未満
B:着色部の吸光度の減少が1%以上3%未満
C:着色部の吸光度の減少が3%以上
(評価3:耐熱性)
上記のカラーフィルタを250℃のオーブンに1時間放置し、変退色の大きさをCIEで定めたΔEとして算出し、下記の基準で評価した。
A:ΔEが3以下
B:ΔEが3を超え10以下
C:ΔEが10より大
(評価4:吐出安定性)
上記で調製したグリーンインクをインクジェットプリンタ(キヤノン製、商品名BJ−10V)に装填し、A4用紙にキャラクタパターンを300枚印字した。300枚目の印字されたA4用紙を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
A:全く問題なし
B:若干のかすれが生じた
C:殆ど吐出せず
実施例9で作成したカラーフィルタの評価は以下表8の通りであり、好適に用いることが可能である。尚、各々の評価においてB判定以上の物が使用に耐え得ると判断し、A判定の物は特に好適に用いられるものと判断した。
Figure 2007308643
本発明にかかる例示化合物4のD2O中、室温、400MHzにおける1H−NMRスペクトルを表す図である。 インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。 インクカートリッジの縦断面図である。 記録ユニットの斜視図である。 液体吐出ヘッドを備えたインクジェットカートリッジの一例を示す概略斜視図である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする色素化合物。
    Figure 2007308643
    [上記一般式(1)中、Xは、−CONH2又は−SO3M、Yは、水素原子又は−COOMを表す。Mは、カウンターイオンを表す。]
  2. 下記一般式(2)で表される構造を有する色素化合物を含有することを特徴とする着色組成物。
    Figure 2007308643
    [上記一般式(2)中、Yは、水素原子又は−COOMを表す。Mは、カウンターイオンを表す。]
  3. 下記一般式(3)で表される構造を有する色素化合物を含有することを特徴とする着色組成物。
    Figure 2007308643
    [上記一般式(3)中、Yは、水素原子又は−COOMを表す。Mは、カウンターイオンを表す。]
  4. 水、水溶性有機溶剤、及び色素化合物を含有する記録用インクであって、色素化合物が請求項1乃至3の何れか1項に記載の色素化合物を含み、インクに含まれる水溶性有機溶剤のうち少なくとも一つは沸点120℃以上であり、且つ、該水溶性有機溶剤のインク中における含有量が10質量%以上であることを特徴とする記録用インク。
  5. 更に、フタロシアニン系染料を含有し、緑色色調用に調製されている請求項4に記載の記録用インク。
  6. 更に、熱又は光、或いはその両方を照射することによって被膜化される被膜化成分を含有してなる請求項4又は5に記載の記録用インク。
  7. 請求項4乃至6の何れか1項に記載の記録用インクを用いたことを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 請求項6に記載の記録用インクを用いて複数の着色画素を形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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