JP2007304283A - 顔料含有硬化性組成物、並びに、カラーフィルタ、画像記録材料、および、カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体と、顔料とを含み、全固形分中の顔料濃度が50質量%以上100質量%未満であることを特徴とする顔料含有硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
一方、近年では、シェーディング低減による画質向上の観点から、カラーフィルタに対しては更なる薄膜化が求められている。
<1> 側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体と、顔料とを含み、全固形分中の顔料濃度が50質量%以上100質量%未満であることを特徴とするである。
本発明の顔料含有硬化性組成物は、側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体と、顔料とを含み、全固形分中の顔料濃度が50質量%以上100質量%未満である。ここで、顔料含有硬化性組成物の全固形分とは、顔料含有硬化性組成物から溶剤を除いた全成分をいう。
本発明の顔料含有硬化性組成物の好ましい態様は、側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体と、顔料とを含む顔料分散液を、全固形分中の顔料濃度が50質量%以上100質量%未満となる範囲で含む態様である。
本発明の顔料含有硬化性組成物は、側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体(以下、「特定共重合体」ということがある)の少なくとも一種を含む。
ここで、モノマーユニットとは、共重合体中に含まれる、モノマー由来の繰り返し単位をいう。
本発明においては、酸性基を有するモノマーを上述のアリル基を有するモノマーと共重合させた共重合体が好ましく用いられる。
塩基性基を有するモノマーとしては、N,N−ジメチルラウリルアミン、N,N−ジメチルパルミチルアミンが好ましく、N,N−ジメチルパルミチルアミンが更に好ましい。
本発明においては、塩基性基を有するモノマーを上述のアリル基を有するモノマーと共重合させた共重合体が好ましく用いられる。
上記の中でも、アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、アリルメタクリレート/イタコン酸共重合体が好ましい。
本発明の共重合体の顔料に対する比率は、0.5〜100質量%が好ましく、1〜90質量%がより好ましく、3〜80が特に好ましい。
本発明における顔料分散液又は顔料含有硬化性組成物においては、塗布膜厚の調節等の観点から、前記特定共重合体に加えて、前記特定共重合体以外のバインダーを用いてもよい。前記バインダーとしては、アルカリ可溶性であることは必要とせず、有機溶剤に可溶であればよい。
また、親水性を有するモノマーを共重合してもよく、この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級または3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
本発明における顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。また本発明における顔料としては、無機であれ有機であれ、なるべく細かいものを用いることが好ましい。ハンドリング適性をも考慮すると、前記顔料粒子の粒子径としては、平均粒子径で0.001μm〜0.1μmが好ましく、0.005μm〜0.05μmがさらに好ましい。また、本発明における顔料は、粒子径が0.01±0.005μmの範囲内にある顔料粒子が、顔料粒子の総質量に対して75質量%以上含まれていることが特に好ましい。かかる粒子径分布を達成するためには後述する分散方法によって顔料を分散することが特に好ましい。
C.I.Pigment Yellow 11,24,31,53,83,93,99,108,109,110,138,139,147,150,151,154,155,167,180,185,199;
C.I.Pigment Orange 36,38,43,71;
C.I.Pigment Red 81,105,122,149,150,155,171,175,176,177,209,220,224,242,254,255,264,270;
C.I.Pigment Violet 19,23,32,39;
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
C.I.Pigment Green 7,36,37;
C.I.Pigment Brown 25,28;
等を挙げることができる。
C.I.Pigment Orange 36,71;
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264;
C.I.Pigment Violet 19,23,32;
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
本発明の顔料含有硬化性組成物の全固形分中における顔料濃度は、50質量%以上100質量%未満である。本発明の顔料含有硬化性組成物の全固形分に対する顔料濃度としては、60質量%以上98質量%以下がより好ましく、65質量%以上95質量%以下が特に好ましい。前記の範囲であると、分光特性及び色再現性が良く、硬化性が良好である点で好ましい。
また、本発明の顔料含有硬化性組成物中に顔料分散液を含む場合の顔料分散液の含有量についても、上記顔料濃度を基準に決定される。
通常、所望とする分光特性を維持しつつ薄膜化を図るためには、組成物中の顔料の濃度を上げる必要がある。
このため、フォトリソ法で所望の分光特性を得たまま薄膜化を行うと、顔料以外の固形分を下げることとなり、その結果、硬化不良やこれに伴うアルカリ現像でのパターンの消失(現像、リンス工程での流れ)が起きる。このため、フォトリソ法による薄膜化には、顔料濃度に限界があり、顔料濃度が65質量%以上では、殆どパターンを形成することができなかった。
高顔料濃度の硬化性組成物をスピンコータやスリット塗布で塗布し、熱硬化で薄膜を作製する方法は、熱硬化樹脂等を添加する分蒸着法に比べ、若干膜厚は厚くなるが、アルカリ現像性が不要のため、フォトリソ法では成し得ない高顔料濃度の硬化液の調製が可能である。
加えて、顔料以外の成分に密着性を持たせることで、蒸着法では得られなかった密着性能が高顔料濃度のものでも実現できる。
本発明における顔料含有硬化性組成物においては、顔料と併せて染料を用いてもよい。
前記染料としては、特に制限なく使用することができ、従来カラーフィルタ用として公知の染料などが挙げられる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に記載の色素が挙げられる。化学構造の観点からは、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、等の染料が使用でき、特に好ましくは、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アントラキノン系、アンスラピリドン系の染料である。
前記酸性染料について説明する。酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸やフェノール性水酸基等の酸性基を有する色素であれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
Acid alizarin violet N;
Acid black 1,2,24,48;
Acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,42,45,51,62,70,74,80,83,86,87,90,92,96,103,112,113,120,129,138,147,150,158,171,182,192,210,242,243,256,259,267,278,280,285,290,296,315,324:1,335,340;
Acid chrome violet K;
Acid Fuchsin;
Acid green 1,3,5,9,16,25,27,50,58,63,65,80,104,105,106,109;
Acid orange 6,7,8,10,12,26,50,51,52,56,62,63,64,74,75,94,95,107,108,169,173;
Acid violet 6B,7,9,17,19;
Acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,38,40,42,54,65,72,73,76,79,98,99,111,112,113,114,116,119,123,128,134,135,138,139,140,144,150,155,157,160,161,163,168,169,172,177,178,179,184,190,193,196,197,199,202,203,204,205,207,212,214,220,221,228,230,232,235,238,240,242,243,251;
Direct Orange 34,39,41,46,50,52,56,57,61,64,65,68,70,96,97,106,107;
Direct Red 79,82,83,84,91,92,96,97,98,99,105,106,107,172,173,176,177,179,181,182,184,204,207,211,213,218,220,221,222,232,233,234,241,243,246,250;
Direct Violet 47,52,54,59,60,65,66,79,80,81,82,84,89,90,93,95,96,103,104;
Direct Green 25,27,31,32,34,37,63,65,66,67,68,69,72,77,79,82;
Mordant Yellow 5,8,10,16,20,26,30,31,33,42,43,45,56,50,61,62,65;
Mordant Orange 3,4,5,8,12,13,14,20,21,23,24,28,29,32,34,35,36,37,42,43,47,48;
Mordant Violet 2,4,5,7,14,22,24,30,31,32,37,40,41,44,45,47,48,53,58;
Mordant Blue 2,3,7,8,9,12,13,15,16,19,20,21,22,23,24,26,30,31,32,39,40,41,43,44,48,49,53,61,74,77,83,84;
Mordant Green 1,3,4,5,10,15,19,26,29,33,34,35,41,43,53;
Food Yellow 3;
およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
Acid black 24;
Acid blue 23,25,29,62,80,86,87,92,138,158,182,243,324:1;
Acid orange 8,51,56,63,74;
Acid red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217,249;
Acid violet 7;
Acid yellow 17,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,134,155,169,172,184,220,228,230,232,243;
Acid Green 25;
などの染料およびこれらの染料の誘導体が好ましい。
含窒素化合物は、塩またはアミド化合物の有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、染料の吸光度・色価、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、着色剤としての耐熱性および耐光性等の全てを勘案して選択される。吸光度・色価の観点のみで選択する場合には、前記含窒素化合物としてはできるだけ分子量の低いものが好ましく、中でも分子量300以下のものが好ましく、分子量280以下のものがより好ましく、分子量250以下のものが特に好ましい。
酸性染料と含窒素化合物との塩における、含窒素化合物/酸性染料のモル比(以下、nという。)について説明する。nは、酸性染料分子と対イオンであるアミン化合物とのモル比率を決定する値であり、酸性染料−アミン化合物の塩形成条件によって自由に選択することができる。具体的には、酸性染料中の酸の官能基数の0<n≦5の間の数値が実用上多く用いられ、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等、必要とする性能の全てを考慮して選択される。吸光度のみの観点で選択する場合には、前記nは0<n≦4.5の間の数値をとることが好ましく、0<n≦4の間の数値をとることがさらに好ましく、0<n≦3.5の間の数値をとることが特に好ましい。
酸性染料は、アルカリ現像の際に好適に作用する場合もあるが、一方で過現像となってしまうこともあり、非酸性染料を好適に使用する場合もある。
本発明の顔料含有硬化性組成物は、補助的に熱硬化性化合物を含んでいてもよい。本発明に使用可能な熱硬化性化合物としては、加熱により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、熱硬化性官能基を有する化合物を用いることができる。前記熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ基、メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基を有するものが好ましい。
以下、前記(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物およびウレア化合物を総じて、(b)における(メチロール基、アルコキシメチル基またはアシロキシメチル基含有)化合物という。
前記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物、などが挙げられる。
これら(b)における化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
前記ナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
前記(c)におけるアルコキシメチル基含有化合物は、(c)におけるメチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱することにより得られる。
前記(c)におけるアシロキシメチル基含有化合物は、(c)におけるメチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
これら(c)における化合物は、単独で使用してもよく、組合わせて使用してもよい。
本発明における顔料分散液又は顔料含有硬化性組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ、各種添加物、例えば、前述のバインダー、開始剤、硬化剤、硬化触媒、溶剤、充填剤、前記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、分散剤、等を配合することができる。
本発明の顔料含有硬化性組成物においては、補助的に開始剤を含有してもよい。
開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物及びハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも一つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、オキシム系化合物、等が挙げられる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−エトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンジルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(又はミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
本発明において、熱硬化性化合物として、エポキシ樹脂を使用する場合、硬化剤を添加することが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤は種類が非常に多く、性質、樹脂と硬化剤の混合物との可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが使用する硬化剤の種類によって非常に異なるため、硬化剤の使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ばねばならない。前記硬化剤に関しては垣内弘編「エポキシ樹脂(昇晃堂)」第5章に詳しく解説されている。前記硬化剤の例を挙げると以下のようになる。
触媒的に作用するものとしては、第3アミン類、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、エポキシ樹脂の官能基と化学量論的に反応するものとして、ポリアミン、酸無水物等;また、常温硬化のものとして、ジエチレントリアミン、ポリアミド樹脂、中温硬化のものの例としてジエチルアミノプロピルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;高温硬化の例として、無水フタル酸、メタフェニレンジアミン等がある。また化学構造別に見るとアミン類では、脂肪族ポリアミンとしてはジエチレントリアミン;芳香族ポリアミンとしてはメタフェニレンジアミン;第二および第三アミンとしてはトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;酸無水物としては無水フタル酸、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三フッ化ホウ素−モノエチルアミンコンプレックス;合成樹脂初期縮合物としてはフェノール樹脂、その他ジシアンジアミド等が挙げられる。
本発明の顔料含有硬化性組成物には硬化触媒を使用することができる。前記硬化性化合物等にエポキシ樹脂を用いた場合、有用な硬化触媒としては、イミダゾール化合物、三フッ化ホウ素錯体(特にアミン錯体)、第三アミン類(グアニジン、ビグアニド、チタン酸エステルなどが挙げられる。中でもイミダゾール化合物が硬化速度の点で好ましい。またホスフィン誘導体なども硬化触媒として使用できる。前記硬化触媒の添加量としてはエポキシ当量が150〜200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10〜1/1000程度、好ましくは1/20〜1/500程度さらに好ましくは1/30〜1/250程度のわずかな量で硬化させることが可能である。
本発明における顔料分散液又は顔料含有硬化性組成物においては、水の他、溶剤の少なくとも1種を用いることができる。本発明の顔料含有硬化性組成物に用いられるそれぞれの溶剤は、各成分の溶解性や顔料含有硬化性組成物の塗布性、安全性等を考慮して選ばれることが好ましい。尚、前記溶剤は、2種以上を混合することが好ましい。
本発明における顔料分散液又は顔料含有硬化性組成物においては、顔料の分散性を向上させるために分散剤を補助的に添加することができる。前記分散剤としては、公知のものを適宜選定して用いることができ、例えば、カチオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、高分子分散剤等が挙げられる。
上述したその他各種添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
本発明において好ましい本発明の顔料含有硬化性組成物の調製方法について説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、以下において、特定共重合体(及び、必要に応じてバインダー)を「硬化性樹脂」ということがある。
顔料の粒子サイズ分布を上述の範囲に調整するためには、顔料の分散方法が重要である。そのような分散方法としては、例えば、ニーダーや二本ロールなどのロールミルを用いて高粘度状態で分散する乾式分散(混練分散処理)と三本ロールやビーズミル等を用いて比較的低粘度状態で分散する湿式分散(微分散処理)とを組み合わせた分散方法が挙げられる。また、前記分散方法においては、2種以上の顔料を共分散したり、混練分散処理時には、溶剤を使用しないか若しくは使用量をできるだけ少なくすることも好ましい。ソルベントショックを和らげるために硬化性樹脂成分を前記混練分散処理時と微分散処理時とに分けて添加(2分割使用)したりすることが好ましく、また、混練分散処理から微分散処理に移行する際に顔料粒子が再凝集するのを防止するために溶解性に優れた硬化性樹脂成分を用いるのが好ましい。更に、微分散処理時に使用するビーズミルのビーズに高硬度のセラミックスを使用したり、粒径の小さいビーズを使用したりする手段も有効である。
一般に、これら顔料は合成後、種々の方法で乾燥を経て供給される。通常は水媒体から乾燥させて粉末体として供給されるが、水が乾燥するには大きな蒸発潜熱を必要とするため、乾燥して粉末とさせるには大きな熱エネルギーを与える。そのため、顔料は一次粒子が集合した凝集体(二次粒子)を形成しているのが普通である。
具体的には、顔料に、硬化性樹脂を混練分散処理後の粘度が50,000mPa・s以上(好ましくは50,000〜100,000mPa・s)の比較的高粘度になるように混練分散処理を施すのが好ましい。ここで、混練分散処理は、高粘度分散であってもよいし、乾式分散であってもよい。
本発明の画像記録材料は、前記顔料含有硬化性組成物を用いてなる着色層上に、感光性樹脂層を積層してなるものである。
着色層は、例えば、本発明の顔料含有硬化性組成物を、直接または他の層を介して支持体上に回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して形成することができる。
前記着色層の具体的な厚さとしては、0.005μm〜0.9μmが好ましく、0.01μm〜0.65μmが好ましく、0.02μm〜0.6μmで作製されることが更に好ましい。
感光性樹脂層は、例えば、ポジ型あるいはネガ型の感光性樹脂組成物を用いて好適に形成することができる。
例えば、上述のように、本発明の顔料含有硬化性組成物を用いた着色層を形成し、これを加熱することによって硬化させた後、該層上にポジ型あるいはネガ型の感光性樹脂組成物を用いた感光性樹脂層を設けることができる。感光性樹脂層を着色層上に設ける方法としては特に限定はないが、例えば、前記着色層と同様の塗布方法により設けることができる。
本発明の画像記録材料は、通常、支持体上に着色層が形成される。
前記支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの支持体には、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
本発明のカラーフィルタは、前記顔料含有硬化性組成物を用いてなるものである。
ここで、カラーフィルタの材料として、上述した画像記録材料を有効に用いることができる。その製造方法を以下に詳述する。本発明のカラーフィルタの製造においては、既に述べた通り、ドライエッチング法により好適にパターン形成を行なうことができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、ドライエッチング法によりパターン形成を行なう。ドライエッチング法の代表的な例としては、特開昭59−126506号、特開昭59−46628号、同58−9108号、同58−2809号、同57−148706号、同61−41102号などの公報に記載のように着色剤を蒸着した後、マスクのレジストを塗布し、パターニングを行いエッチングする方法等が挙げられる。
本工程のドライエッチングでは、酸素やCF4などのCF系ガス、CO、CO2ガスなどを用い、異方性エッチングすることが可能であり、矩形性に優れたパターン(カラーフィルタ)を形成することができる。
圧力としては、10Pa以下が好ましい。
高周波としては、400kHz、60MHz、13.56MHz、2.45GHz等から選択可能であり、50〜2000W好ましくは100〜1000WのRFパワーで処理できる。
処理時間としては、10分以内で一色のエッチングを行なう事が好ましく、更に好ましくは7分以内で処理できるのが好ましい。
≪カラーフィルタ用顔料含有熱硬化性組成物の調製≫
<顔料分散液の調製>
緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の各色について、それぞれ下記表1に示す各素材をそれぞれニーダーで均一に混練した後に、混練物を二本ロールで乾式分散処理(混練分散処理)した。
次いで、乾式分散処理を施された分散物に、溶剤成分として下記表1に示す量のプロピレングリコールモノメチルエチルアセテートを加えた。その後、ホモジナイザーにて2000rpmで30分間攪拌処理し、顔料が均一に分散した、緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の各色の分散組成物を調製した。得られた分散組成物を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:アイガーミル、アイガー社製)にて微分散処理を施した。
尚、顔料の粒子径の測定は、日機装(株)製のMICROTRAC UPA 150を用い、顔料含有硬化性組成物をプロピレングリコールモノメチルエチルアセテートで希釈したものをサンプルとして測定した。
<画像記録材料の作製>
富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製の下塗り層用レジスト「CT−2000L」を用いてなる下塗り層を有するシリコンウェハー基板の下塗り層上に、上記で得られたRGB各色の顔料含有熱硬化性組成物を、スピンコータにて各々膜厚が0.5μmの塗布膜となるように塗布した。次に、ホットプレートにて100℃で2分間の加熱処理を行ない、塗布膜の乾燥を行なった。さらに、ホットプレートを使用して、220℃で7分間の加熱を行い、塗布膜の硬化を行なった。
以上により、感光性樹脂層/着色層/下塗り層/シリコンウェハーの構成からなる、画像記録材料(R)、画像記録材料(G)、及び画像記録材料(B)を得た。
上記で得られたRGB各色の画像記録材料の感光性樹脂層について、i線ステッパーを用いて、1.5μm×1.5μmパターンを有するフォトマスクを介し、露光量200mJでパターン露光を行った。
次いで、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製の現像液「FHD−5」で1分間の現像処理を行い、1.5μm×1.5μmサイズのエッチング用マスク(感光性樹脂組成物からなるパターン画像)を形成した。
これらのサンプルについて、CF4/O2/Ar=2/2/1の比率の混合ガスにて、以下の条件で、非マスク部のドライエッチングを行ない、着色層のパターン形成を行なった。この後、レジスト(エッチング用マスク)の剥離を富士フイルムエレクトロマテリアルズ社製の剥離液「MS−230」を用いて行い、各色について、矩形性の高い1.5μm四方のパターンを得た。
以上により、RGB各色について、単色のカラーフィルタを得た。
・使用ガス:CF4/O2/Ar=2/2/1(流量比)
・圧力:1.0Pa
・高周波:400kHz
・RFパワー:500W
・モード:ICP
上記で得られた顔料含有熱硬化性組成物及びカラーフィルタについて、下記の評価を行なった。結果を表3に示す。
(1)分散性
各顔料分散液を、粘度計を用いて5rpmと50rpmでの粘度差を比較し、下記判定基準に従って評価した。
粘度の測定は、(株)トキメック製のRE80型粘度計にて行った。
<判定規準>
○:粘度差が5mPa・s以下であった。
△:粘度差が5mPa・sを超えているが、10mPa・s以下であった(実用上許容範囲内)。
×:粘度差が10mPa・sを超えていた。
硬化後の顔料含有硬化性組成物の塗布膜をシクロヘキサノン中に5分間浸漬し、大塚電子株式会社製MCPD2000により、分光の変化ΔEabを測定し、下記判定基準に従って評価した。△であれば実用上許容範囲内である。
<判定規準>
○:ΔEab<5
△:5≦ΔEab≦10
×:10<ΔEab
得られたパターンの断面を、SEMによって観察し(倍率:10万倍)、下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:断面が矩形状であった。
△:断面の矩形性がやや損なわれていたが、実用上の許容範囲内であった。
×:テーパー状になる等、断面の矩形性が顕著に損なわれており、実用上の許容範囲を超えていた。
マスクレジスト(感光性樹脂層)の現像前後において、着色膜の溶解程度を光学顕微鏡(倍率:1500倍)により観察し、下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:溶解及び現像欠陥が見られなかった。
△:溶解及び現像欠陥がわずかに見られたが、実用上の許容範囲内であった。
×:溶解及び現像欠陥が顕著に見られ、実用上の許容範囲を超えていた。
得られたパターンの表面及び側面を、SEMによって観察し(倍率:10万倍)、下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:表面及び側面に、凹凸がほとんど見られなかった。
△:表面及び側面に、凹凸がわずかに見られたが、実用上の許容範囲内であった。
×:表面及び側面に、明らかな凹凸が見られ、実用上の許容範囲を超えていた。
得られた各カラーフィルタについて、CMP(Chemical mechanical polishing)を用いて、以下の条件で研磨耐性を確認し、下記判定基準に従って着色層と下層の密着性を評価した。
<判定基準>
○:着色層の剥がれが無かった。
△:着色層の剥がれが、CMPで処理した面積の20%未満であった(実用上許容範囲内)。
×:着色層の剥がれが、CMPで処理した面積の20%以上であり、実用上の許容範囲を超えていた。
<CMP条件>
回転数:60rpm
スラリー:0.02μmコロイダルシリカ
まず、実施例1に従って、青色(B)のパターンを形成した。次いで、このサンプルについて、以下のようにして二色目(緑色(G))および三色目(赤色(R))のパターンを形成した。
まず、実施例1の緑色(G)の顔料含有熱硬化性組成物を、青色(B)のパターンを形成したシリコンウェハー基板上に塗布した。その後、ホットプレートで100℃・2分間の加熱処理を行なった。次にホットプレートで、220℃、7分間の加熱処理を行い、緑色(G)の塗布膜の硬化を行なった。
実施例2と同様にしてRGB三色のカラーフィルタを作製した。但し、緑色(G)の顔料分散液については、イエローの顔料をPY−139からPY−150に代えるとともに、緑色(G)の塗布膜のエッチングに用いられるエッチングガスをCO/O2=1/1の混合ガスに代えた。
実施例1の≪カラーフィルタ用顔料含有熱硬化性組成物の調製≫における顔料分散液の組成を、下記表2に示す組成に変えて、各顔料分散液(各顔料含有熱硬化性組成物)を調製した。
混練分散処理時および微分散処理時における混練物(分散物)の粘度、並びに、各顔料分散液における顔料の平均粒子径および粒子径0.01±0.005μmの範囲にある顔料粒子は表2に示す値であった。
実施例1において用いた特定共重合体を、表3に示すように代えた以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製し、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例1において用いた特定共重合体を、表3に示すように代えた以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製し、評価を行った。評価結果を表3に示す。
一方、側鎖に重合性基を有するモノマーユニットを有しない重合体を用いた比較例1(G)においては、耐溶剤性、密着性、及び表面状態が悪化した。また、側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有しない重合体を用いた比較例1(B)においては、分散性、現像性、及び矩形性が悪化した。
また、全固形分中の顔料濃度が50質量%未満の顔料硬化性組成物を用いてカラーフィルタを作製したところ、所望の分光特性が得られなかった。
Claims (4)
- 側鎖に重合性基を有するモノマーユニット及び側鎖に酸性基または塩基性基を有するモノマーユニットを有する共重合体と、顔料とを含み、全固形分中の顔料濃度が50質量%以上100質量%未満であることを特徴とする顔料含有硬化性組成物。
- 請求項1に記載の顔料含有硬化性組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項1に記載の顔料含有硬化性組成物を用いてなる着色層上に、感光性樹脂層を積層してなることを特徴とする画像記録材料。
- 請求項3に記載の画像記録材料を用いたカラーフィルタの製造方法であって、少なくとも前記画像記録材料における感光性樹脂層にパターン画像を形成した後、ドライエッチング処理し、前記画像記録材料における着色層にパターンを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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