JP2007303936A - センサチップ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料をチップ内に導入し、チップ内での化学反応を利用するセンサチップであって、反応部の容積が小さい場合であっても高い感度を有する電極系を備え、微量の試料であっても優れた測定精度を達成でき、かつ製造コストの上昇を招かずに製造可能なセンサチップ、及び、このセンサチップの製造方法を提供する。
【解決手段】反応部及びその中に設けられる検知用電極系を有するセンサチップであって、該検知用電極系が、金属線よりなる電極を有し、該金属線の長手方向の表面が該電極の表面であることを特徴とするセンサチップ、及び複数の金属線を、ワイヤーボンディング装置又は布線機により、基板上に配線する工程を有することを特徴とする前記のセンサチップの製造方法
【選択図】 図2

Description

本発明は、化学物質の定量又は検出に用いられるセンサチップに関する。本発明はさらに、このセンサチップの製造方法に関する。
センサチップは、それが有する反応部に試料を導入し、該反応部内で生じる、該試料中の化学物質の反応により得られる電気信号を、反応部内に設けた検知用電極系で検知し、チップ外へ出力するものであり、微量の化学物質の迅速かつ簡便な測定を可能にするものとして注目されている。特に、バイオセンサは、生体の持つ優れた分子識別機能を利用するものであり、例えば、血糖値を測定する血糖値センサとして、糖尿病を自己管理し予防する家庭内健康診断(セルフケア)に使用されている。
このようなセンサチップの検知用電極系は、従来、絶縁性の基板上に、蒸着、エッチング、印刷等の手段により形成されていた。特に、コスト面よりカーボンを印刷した電極が広く採用されている。
センサチップには、試料量の低減、その感度の向上が求められる。より微量の試料に対応するため、容積の小さい反応部が求められるが、小さい反応部では、反応部内に設けられている検知用電極系を構成する電極の表面積(電極表面積)も小さく、その結果、電極の感度が低下し、ひいては測定精度が低下する問題が生じる。
この問題の解決方法として、電極の表面(電極表面)を粗化処理して電極表面積を大きくする方法が考えられている。しかし、この方法には、粗化処理に伴うコスト増とともに、粗化処理の均一性を保つことが難しく測定値のバラツキが増加するとの問題があった。
又、検知用電極系を構成する作用極と対極のそれぞれを、複数の細い導体で構成し、各導体を交互に配列する櫛形電極を採用することにより、感度の向上を図る方法も考えられている。しかし、この細い導体からなる電極を、従来の、蒸着、エッチング、印刷等の手段により形成する場合には、コスト増の問題や、電極形成の精度が低いことから測定値のバラツキが増加する問題があった。
本発明は、反応部の容積が小さい場合であっても高い感度を有する電極系を備え、測定値のバラツキも小さく、その結果、微量の試料であっても優れた測定精度を達成でき、かつ製造コストの増加を招かずに製造可能なセンサチップを提供することを課題とする。本発明は、さらにこのセンサチップを、容易に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、検知用電極系を構成する電極を金属線で形成し、該金属線の長手方向を電極表面とすることにより、前記の課題が達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、その請求項1として、反応部及びその中に設けられる検知用電極系を有するセンサチップであって、該検知用電極系が、金属線よりなる電極を有し、該金属線の長手方向の表面が該電極の表面であることを特徴とするセンサチップを提供する。
反応部とは、センサチップ内の中空部であって、この中に試料が導入され、ここで生じる化学物質の反応が、検知用電極系により検知される。従って反応部は、試料を導入するための試料導入口と連通している。バイオセンサチップの場合、反応部は生化学反応が起きる部分である。通常、この部分、特に後述する作用極部分には、触媒、酵素等の薬剤が固定されており、これにより化学反応が促進される。
反応部の少なくとも一方の端は、試料導入口に連通されているが、その反対側の端にも試料導入口を有することが好ましい。反応部を、このようなストロー状の構造とすることで、毛管現象を利用して試料の反応部への充填を容易にすることができる。
検知用電極系は、反応を検知し電気信号を取り出す作用とともに、反応部に所定の電圧を印加する作用も有する。検知用電極系は、少なくとも、作用極及び対極の1対の電極からなるが、さらに参照極等の他の電極を有してもよい。
本発明は、この該検知用電極系が金属線よりなる電極を有し、該金属線の長手方向の表面が、該電極の表面であることを特徴とする。長手方向の表面とは、例えば、図3の例での面21に該当し、金属線の端面(断面)ではないことを意味する。金属線の長手方向の表面を電極表面とすることにより、蒸着、エッチング、印刷等の手段により形成された電極に比べて、電極の長さあたりの電極表面積が大きくなり、反応部の容積が小さい場合であっても高い感度を有する電極系を得ることができる。
金属線であるボンディングワイヤーを用いた電極は、従来でも酸素センサ等として大気成分測定への使用が提案されている(US4514276号公報)。しかし、該公報に記載の電極は、ボンディングワイヤー断面のみを電極とするものであり、長手方向の表面を利用した電極ではない。又、該公報に記載のセンサは、反応部を有するものではない点で本発明のセンサチップと異なるものでありかつ液体を対象とするセンサチップではない。
本発明のセンサチップの検知用電極系は、金属線よりなる電極を少なくとも1つ有する。例えば、作用極を金属線で形成し、対極や参照極等を印刷等により形成してもよい。しかし、好ましくは、作用極が金属線よりなる電極であるとともに、対極等の他の電極の少なくとも一部も金属線よりなる。この場合検知用電極系は複数本の金属線よりなる。さらに、後述するように、複数本の金属線を結線して一電極として使用してもよく、この場合検知用電極系は2を超える多数本の金属線から構成される。
ここで用いられる金属線は、導電性の金属からなり、かつ導電性の金属がその表面に露出しているものである。金属線の径(直径)が小さい場合は、後述するワイヤーボンディング法等を配線に使用することができ、配線が容易になる点では好ましい。又、径が小さいほど多数本の金属線を反応部内に配線することができる。具体的には、径が500μm以下の金属線が好ましく用いられ、中でも、ワイヤーボンディング法で配線を行う場合は、配線の容易さから径150μm程度以下の金属線が好ましい。一方、径が小さい程、所望の電極表面積(感度)を達成するために、より多数本の金属線が必要となり、配線のコストが増加する場合もある。そこで、配線のコストを考慮すると、径が15μm程度以上の金属線が好適である。
金属線の径が小さい場合は、1本の金属線では、高い感度を達成するために充分な電極表面積を得ることができない。この場合は、複数本の金属線を結線し、短絡して、同電位の一電極とすることにより、充分な電極表面積を有する電極とすることができ、高い感度が達成される。すなわち、配線の容易さ等を考慮した細い金属線を使用しながら、充分な電極表面積、高い感度を達成することができるので、好ましい。請求項2は、この好ましい態様に該当し、前記のセンサチップであって、金属線よりなる電極が、互いに結線されている複数本の金属線より構成されていることを特徴とするセンサチップを提供するものである。
前記のように、作用極と対極のそれぞれを複数の細い電極で構成し、各電極を交互に配列する櫛形電極を採用することにより、感度の向上が図られることは知られている。櫛形電極を構成する細い電極を、前記金属線で形成すると、複数本の金属線の長手方向表面を電極表面として利用できるので電極表面積が増大し、表面積増加による感度の向上効果と櫛形電極による感度の向上効果が合わさって、さらに感度を向上させることができる。又、従来の、蒸着、エッチング、印刷等の手段により電極を形成する場合と異なり、コスト増の問題もなく、又細い電極を高い精度で形成することができ、従って測定値バラツキの問題が低減される。
この場合、作用極は、検知用電極系を構成する複数本の金属線中の、一部の複数本の金属線、すなわち一群の金属線で形成され、この金属線は、互いに結線、短絡され、同電位の一電極、すなわち作用極を形成する。対極も同じであり、検知用電極系を構成する複数本の金属線中の他の金属線(作用極を形成する前記の金属線とは異なる金属線)の複数本、すなわち他の一群の金属線で形成され、この金属線は、互いに結線、短絡され、同電位の一電極、すなわち対極を形成する。
請求項3は、この好ましい態様に該当するものであり、前記のセンサチップであって、前記検知用電極系の作用極及び対極のそれぞれが、互いに結線されている複数本の金属線より構成され、作用極を構成する各金属線と対極を構成する各金属線が、交互に配列されることを特徴とするセンサチップを提供するものである。
なお、本発明のセンサチップの検知用電極系は、作用極及び対極以外に、参照極等の他の電極を有してもよく、この場合、他の電極も、作用極及び対極を形成する金属線以外からなる一群の複数本の金属線を結線して形成することができる。
この金属線としては、半導体のワイヤーボンディングに用いられるボンディングワイヤーと同様な金属線を用いることができる。ボンディングワイヤーと同様な金属線を使用することにより、ワイヤーボンディング装置等を用いて、容易に低製造コストで、多数本の金属線からなる電極を形成することができるので好ましい。
従って、金属線の材質としては、ワイヤーボンディングがされやすいものが好ましい。又、金属線の製造における細線化されやすさの観点から、展性のある材質が望ましい。又、金属自身の酸化還元反応を、検知反応の一部として積極的に利用する場合は、該金属を材質とする金属線が用いられるが、他の場合(通常の場合)は、検知反応の行われる電位において不活性な金属線が好ましい。以上の点を考慮すると通常の場合は、少なくともその表面に露出する部分が、金、白金、もしくはパラジウム、又はそれらの合金からなる金属線が好ましい。請求項4は、この好ましい態様に該当する。
又、低価格の導電性金属からなる芯材に、前記の不活性な金属を被覆して表面層とした金属線も使用可能であり、金属線を不活性にするとともに、その製造コストを低減できるので好ましい。芯材の材質としては、銀、銅が好ましい。又、前記の不活性な金属の中でも、白金、パラジウムは特に活性が低く、種々の有機物、ハロゲン化物と反応しにくいのでより好ましい。請求項5は、この好ましい態様に該当し、前記のセンサチップであって、前記金属線が、銅又は銀からなる芯材、及び白金もしくはパラジウム又はそれらの合金からなる表面層を有することを特徴とするセンサチップを提供する。白金やパラジウムの合金とは、白金及び/又はパラジウムを主成分とし、金属線表面を不活性にするとの目的が損なわれない範囲で他の金属等を含む合金を意味する。又、芯材及び表面層に加え、これらの間に中間層、例えば両者の密着性を向上させるための金属層、を有していてもよい。
金属線を基板上に配線する方法として、後述するように、所謂ボールボンディング法、すなわち金属線の一端を溶融して球を形成した後、その球を、ボンディングツールを用いて基板に押しつけて接合する方法を採用する場合には、コスト、及びボール形成性の観点からも、銅を芯材とし、白金もしくはパラジウム又はそれらの合金からなる表面層を有する金属線が、特に好ましく用いられる。
本発明のセンサチップは、必要な試料容積に比して感度が高いことを特徴とする。バイオセンサチップは、生体や生体分子の持つ優れた分子認識能力を活用して、微量な化学物質量を検知するものであり、本発明のセンサチップをバイオセンサチップとして適用することにより、より微量な試料で優れた感度が得られ、その特徴を十分に活かすことができる。従って、本発明のセンサチップは、バイオセンサチップとして好適である(請求項6)。
本発明のバイオセンサチップが好適に適用されるセンサとしては、例えばグルコースバイオセンサや、尿酸センサ、尿素センサ、脂質センサ、フルクトースセンサ、肝機能検査のセンサ等が挙げられる。
血液中のグルコース量を測定するグルコースバイオセンサの場合は、固定される薬剤として、グルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、グルコースオキシダーゼ−電子受容体(メディエータ)混合物、グルコースオキシダーゼ−アルブミン混合物、又はグルコースオキシダーゼ−電子受容体−アルブミン混合物等が例示される。いずれの場合でも、グルコースを含んだ試料を、反応部で所定時間反応させた後、そこに所定の電圧を印加し、さらに所定時間後の電流値を測定することによりグルコース濃度を求めることができる。
本発明のセンサチップにおいて、金属線を、その端部が反応部外に位置するように設けると、反応部内に端子等を設ける必要がなく、又、反応部の壁面(金属線が交差する面)に至るまで、金属線の長手方向表面を電極表面として使用することができ、電極表面積を大きくすることができる(すなわち、同じ電極表面積を得るためには、反応部が小さくてもよい。)ので好ましい。請求項7は、この好ましい態様に該当し、前記のセンサチップであって、金属線の少なくとも一方の端部が、反応部外にあることを特徴とするセンサチップを提供するものである。金属線の両端部が反応部外にある場合は、さらに反応部を小さくできるのでより好ましい。
本発明のセンサチップは、例えば、基板上に金属線を配線した後、金属線の長手方向をその中に含むように、反応部を形成することにより製造することができる。又は、基板上に反応部となる溝等を形成した後、その中に金属線を配線してもよい。
多数本の金属線を配列する場合は、その配列間隔を小さくすることにより、所定の寸法に配列できる金属線の本数を増やすことができ、感度の向上を図ることができるので好ましい。そこで、電極の製法としては、金属線を狭い間隔で精度よく配線できる方法が好ましい。このような好ましい方法としては、従来のプリント配線板等の製造において採用されている方法が例示される。金属線の径、配線間隔、配線数は、所望の電極表面積(すなわち感度)、及び生産性やコストを考慮して適宜選択される。
好ましい配線方法として、具体的には、半導体用のワイヤーボンディング装置や布線機を使用して基板の上に配設する方法を挙げることができる。本発明は、請求項8において、この好ましい方法を使用したセンサチップの製造方法、すなわち、複数の金属線を、ワイヤーボンディング装置又は布線機により、基板上に配線する工程を有することを特徴とする、前記本発明のセンサチップの製造方法を提供するものである。
ワイヤーボンディング装置や布線機の中でも、半導体用のワイヤーボンディング装置は、その使用により、高精度の配線が可能となる、より径の小さい金属線が使用可能である、配線設計変更が容易(配線間隔の変更が容易)である、配線速度が速い、低コスト、等の利点があり、より好ましい。
布線機の使用は、使用可能な金属線の径、配線速度、コストの面では、ワイヤーボンディング装置に比べ劣る場合があるが、レーザー剥離等絶縁被覆層を剥離する手段を共に用いることにより、表面が樹脂で被覆された絶縁被覆金属線を使用できる利点を有している。その結果、配線設計、チップ構造に関する自由度を増すことができる。
金属線の少なくとも一方の端部が、反応部外にあるセンサチップにおいては、金属線の一部が、反応部の壁面を形成するスペーサ層内に埋め込まれることになるので、スペーサ層には、金属線の埋め込みを可能にする柔らかさが要求される。しかし、一方で、センサチップの形状を保持するためには、スペーサ層は強靱であることが要求される。この相矛盾する要求に対する解決手段としては、例えば、粘弾性を有する材料を用いてスペーサ層を形成する方法が考えられる。
又、常温では強靱だが加熱により軟化する材料(例えば半硬化のエポキシ樹脂)や、電子線や紫外線等の照射により硬化又は増粘化する粘液状材料を、次のような方法で使用してもよい。
1)常温では強靱だが加熱すると軟化する材料を用いてスペーサ層を形成し、加熱してスペーサ層を軟化させた後、金属線を該スペーサ層に埋め込むように配線し、常温まで冷却、硬化する方法。
2)電子線や紫外線等の照射により硬化又は増粘化する粘液状材料を基板上に塗布してスペーサ層とし、金属線を該スペーサ層に埋め込むように配線した後に、電子線や紫外線等を照射して硬化する方法。
3)金属線を配線した後、その金属線上に、常温では強靱だが加熱すると軟化する材料を加熱して塗布し、又は、その金属線上に、前記材料を予め塗布したフィルムを加熱して被せることにより、前記材料中に金属線を埋め込み、その後常温まで冷却、硬化する方法。
4)金属線を配線した後、その金属線上に、電子線や紫外線等の照射により硬化又は増粘化する粘液状材料を塗布、又は、その金属線上に、前記材料を予め塗布したフィルムを被せることにより、前記材料中に金属線を埋め込み、その後、電子線や紫外線等を照射して硬化する方法。
本発明のセンサチップは、反応部の容積が小さい場合であっても高い感度を有し、又測定値のバラツキも小さく、その結果、微量の試料についても優れた測定精度を達成できる。又、製造コストの増加を招かずに製造可能なセンサチップである。又、このセンサチップは、本発明の製造方法により容易に製造することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、本発明はこの形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない限り、他の形態へ変更することができる。
先ず、各図で表される具体的な例の前に、本発明のセンサチップの代表的な構成について説明する。
本発明のセンサチップとしては、基板と、その上に形成された反応部と、該反応部の中に配線された複数本の金属線を有するものを挙げることができる。図1、2、4及び5に示されているセンサチップは、いずれも、この構成のセンサチップに該当する。例えば、金属線の一端は、反応により生じた電気信号をセンサチップ外へ出力するための外部出力端子に固定されており、他方の端は、他の端子(以後、固定端子と言う。)により基板に固定されている。
前記端子の材質としては、金、パラジウム、白金、銀、アルミ、ハンダ等が好適である。異方性導電ペースト・シートにより、金属線を電気的に接続してもよい。前記端子は、反応部内に設けられることがある。この場合、端子は試料と接触するが、端子自体を電極の一部として機能させてもよい。端子自体が電極の一部となることを望まない場合には、金属線を端子に接続後、該端子の表面を絶縁処理してもよい。
反応部での反応により生じた電気信号は、前記金属線により構成される検知用電極系を通して検知される。該検知用電極系と外部出力端子は、電気的に導通されており、検知された信号は、外部出力端子に送られ、該外部出力端子を通して外部に出力される。
反応部は、溝を有した形状で成型した基板(リードフレーム、セラミック基板等)や、エッチング等により溝を形成した基板(シリコン基板等)を用いて形成してもよいが、フィルムを予め反応部の形状にくりぬいた後、基板に貼付する方法、分割されたフィルムのそれぞれを、反応部を形成するように間隔をおいて基板に貼付する方法、フィルムを基板に貼付後、反応部に相当する部分をエッチング等の手段によって取り除く方法、等により形成することもできる。又、UV硬化樹脂を基板に塗布し、反応部に相当する部分以外が硬化するように露光して硬化後、非硬化部分を除去する方法によってもよい。このようにして基板上に溝が形成されるが、この溝の上をカバー層で覆うことにより孔が形成され、この孔が反応部となり、その端の開口部が試料導入口となる。
基板としては、半導体デバイス・プリント回路基板に用いられるシリコンチップやリードフレーム、セラミック基板、樹脂製のプリント回路用基板等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記の反応部の形成に用いられるフィルムやUV硬化樹脂の硬化物は、基板及びカバー層間に挟装されるスペーサを形成する。この場合、すなわち前記フィルムやUV硬化樹脂の硬化物がスペーサを形成する場合は、基板及びカバー層とスペーサは別個のものであるが、スペーサと、基板又はカバー層が一体化したものでもよい。
スペーサは、基板及びカバー層を接合する機能をするとともに、反応部の側壁を形成するものである。スペーサは、複数層より構成されていてもよい。例えば、比較的強固な材質で厚みを増す層(すなわち、反応部の側壁を形成する機能を有する層)と、基板及びカバーとの接合の役割を担う層からなる複数層の構成とすれば、設計の自由度が増すとともに、精度よく側壁を形成できるので好ましい。
スペーサが複数層から構成され、基板及びカバー層等との接合を担う層を有する場合は、その接合を担う層の材質は、接合される層(基板、カバー層、スペーサを構成する他の層等)の材質に応じて、樹脂系接着剤、粘着剤、水ガラス等の無機接着剤、ハンダ等のロウ付け等から、適宜選定される。
このような複数層からなるスペーサの形成には、接着剤(粘着剤)付き樹脂フィルムを用いる方法が、扱いが簡単でありしかも低コストであるので好適である。この樹脂フィルムを構成する樹脂の材質としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
一方、スペーサに接合を担う層を設けずに、レーザー、電子ビーム等の溶接、圧力、熱、超音波印加などの拡散接合により、スペーサの接合をしてもよい。
次に、各図で示されるセンサチップの例の、それぞれの構成について説明する。
図1は、本発明のセンサチップの一例の構成を示し、センサチップの厚さ方向に平行な端面図である。又、図2は、図1で示されるセンサチップの平面(センサチップの基板表面に平行な面)構造を示す説明図である。この説明図(図2及び後述の図4〜図6)は、下記のカバー層7を取り除いたときの平面図に相当する。
図1及び図2において、1は基板であり、7はカバー層であり、基板1とカバー層7間には、スペーサ6が挟装されている。スペーサ6内には反応部10が設けられ、これはスペーサ6を両壁面とし、上下を基板1とカバー層7で囲まれた空洞部である。
基板1には、導電性金属を配線した2本の外部出力端子5が設けられ、それぞれ作用極、対極と接続する。外部出力端子5の上は絶縁層8で覆われているが、センサチップ外部の端子と接続される部分(外部接続端51とする。)及びパッド3の部分は、絶縁層8で覆われず、外部出力端子5の金属が露出している。基板1には、他の金属露出部であるパッド4が設けられている。
スペーサ6は、樹脂層61とその両面にある粘着剤層62よりなり、粘着剤層62により、基板1とカバー層7との接合がされている。反応部10内には、化学反応を促進するための薬剤15が塗布されており、図1に示されるように、検知用電極系2が、薬剤15を跨ぐように設けられている。
検知用電極系2は、図2に示されるように、2本の金属線20よりなり、それぞれが作用極、対極を構成している。この作用極、対極からなる検知用電極系2により、化学反応の検知が行われる。それぞれの金属線20の一端はパッド3に接続され、従って、外部出力端子5と導通しており、検知された電気信号は外部出力端子5を通して、センサチップ外に出力される。又、外部出力端子5を通して検知用電極系2に電圧が印加され、反応が行われる。それぞれの金属線20の他の端は、固定端子によりパッド4に接続され、基板1上に固定されている。
図3は、図2における作用極部分の拡大図である(ただし、薬剤15は図示が省略されている。)。検知用電極系2は、金属線20の長手方向の表面21をその電極表面とし、この長手方向の表面21が試料と接し、この部分を通して反応により生じた電気信号の検知が行われる。従って、この長手方向の表面21には導電性の金属が露出しており、通常の場合は、この金属は、反応に不活性であることが好ましい。
図4、図5、図6は、本発明のセンサチップの他の例の平面構造を示す説明図である。図1、図2の例では、作用極、対極はそれぞれ1本の金属線20で形成されているが、図4の例では、それぞれが複数本(3本)の金属線20で形成されている。3本の金属線20は、等間隔をおいて互いに平行に配列されており、又同一のパッド3、パッド4に接続されている。パッド3、パッド4は、金属からなり、導体であるので、3本の金属線20は、互いに結線、短絡されており、同電位の電極を形成している。このように金属線20を、結線、短絡することにより、細い電線を用いる場合であっても、広い電極表面積を得ることができ、感度を向上させることができる。
図5の例は、作用極、対極のそれぞれを構成する3本の金属線20が、センサチップの長さ方向に垂直な方向に配線されている例である。他の点では、図4の例と同じであるので詳細な説明は割愛する。
図6の例は、作用極、対極のそれぞれを構成する金属線20が、センサチップの長さ方向に垂直であるとともに、いわゆる櫛形電極を形成するように配線された例である。平行に配列されている4本の金属線20の中の2本は、一方の外部出力端子5と導通するパッド3に接続して、作用極を構成しており、他の2本は、他方の外部出力端子5と導通するパッド3に接続して、対極を構成している。そして、作用極を構成する金属線20と、対極を構成する金属線20は、交互に配列されており、櫛形電極を形成している。この例のセンサチップは、作用極、対極のそれぞれが、複数の金属線の長手方向の表面を電極表面としているので大きな電極表面積が得られるとともに、櫛形電極を形成しているので、高い感度が得られる。
次に、本発明のセンサチップの製造方法について説明する。図7は、図1や図4等に示されるセンサチップの製造方法の一態様を示す、センサチップの厚さ方向に平行な端面図である。
先ず、基板1としては、外部出力端子5、その上を覆う絶縁層8、パッド3及びパッド4を有するプリント基板が用いられている。図7(a)が示すように、先ず、基板1のパッド3及びパッド4間に、ワイヤーボンディング装置を用いて、金属線20を配線する。続いて、図7(b)が示すように、スペーサ6を形成する2枚のフィルムを、基板1上に、外部接続端51を覆わないように、かつパッド3及びパッド4を覆わないように間隔をおいて、貼付する。スペーサを形成するフィルムとしては、接着剤(粘着剤)付き樹脂フィルムが好ましく用いられるが、この例のスペーサ6も、PETからなる樹脂層61の両面に粘着剤層62を有したフィルムが用いられている。
次に、図7(c)が示すように、パッド3及びパッド4間の位置に、薬剤15を塗布する。最後に、図7(d)が示すように、カバー層7を貼付すると、その中に金属線20(検知用電極系2)及び薬剤15を含む反応部10が形成され、本発明のセンサチップが得られる。カバー層7としては、PETフィルムが好ましく用いられる。
図8、図9は、本発明のセンサチップの他の例の構成を示し、センサチップの厚さ方向に平行な端面図である。図8、図9の例は、金属線20の両端部が、反応部10の外部にある場合に該当する。
図8、図9の例で使用される基板11は、図1、図2等の例で使用された基板1と、ほとんど同じ構成の基板であるが、パッド4の代わりに金属バンプ42を有する点、パッド3の上に金属バンプ33を有する点が異なっている。(なお、他の構成要素であって、図1、図2等の例の構成要素と同機能を有する構成要素は、図1、図2と同じ番号を付している。)
図8、図9のいずれの例においても、基板11の上に2枚のフィルムからなるスペーサ6、さらにその上にカバー層7が貼合わされ、スペーサ6を両壁とし、基板11、カバー層7で囲まれた空洞部からなる反応部10が形成されている。スペーサ6、カバー層7及び反応部10の機能やその形成方法等は、図1、図2等の例の場合と同様であるが、図1、図2等の例の場合では、反応部10がパッド3及びパッド4を含むようにスペーサ6が貼付されるのに対し、図8、図9のいずれの例においても、金属バンプ33、金属バンプ42が、スペーサ6の外側に来るように、スペーサ6が貼付されている。なお、図1、図2等の例の場合と同様に、反応部10内には薬剤15が塗布されている。
図8、図9の例では、金属線20は、その両側がスペーサ6を貫通するように設けられており、その一端は、金属バンプ33と金属接合され、金属バンプ33を通して外部出力端子5と導通されており、他端は金属バンプ42と接続され、基板11上に固定されている。なお、この例では、金属バンプ33、42との金属接合により、金属線20の接続が行われているが、異方性導電フィルム等を用いて金属線20の接続を行うこともできる。
図8の例では、金属線20の配線は、ワイヤーボンディングを用いて行なわれている。ワイヤーボンディングを用い、スペーサ6を貫通するように配線する方法として、スペーサ6を、加熱により軟化する材質により形成し、加熱により軟化したスペーサ6に、金属線20をくぐらせるように配線した後、冷却して硬化する方法や、基板11上に金属線20を配線し、その上に、加熱により軟化する材質を加熱して塗布し、金属線20をくぐらせた後、冷却して硬化しスペーサ6を形成する方法等が採用できる。又、加熱により軟化する材質の代わりに、電子線や紫外線等の照射により硬化又は増粘化する粘液状材料を用い、この材料の硬化前に、金属線20をくぐらせるように配線した後、硬化する方法等も採用できる。
図9の例のセンサチップでは、金属線20は、布線機を用いて直線状に配線されている。その他の点では、図8の例と同様である。図8、図9の例のセンサチップでは、反応部10内に、金属線20の端部は含まれないので、反応部を小さくすることができる。
本発明のセンサチップの一例の端面図である。 本発明のセンサチップの一例の説明図である。 本発明のセンサチップの一例の作用極を示す拡大説明図である。 本発明のセンサチップの他の一例の説明図である。 本発明のセンサチップの他の一例の説明図である。 本発明のセンサチップの他の一例の説明図である。 本発明のセンサチップの製造方法の一例を示す説明図である。 本発明のセンサチップの他の一例の説明図である。 本発明のセンサチップの他の一例の説明図である。
符号の説明
1、11 基板
2 検知用電極系
3、4 パッド
5 外部出力端子
51 外部接続端
6 スペーサ
61 樹脂層
62 粘着剤層
7 カバー層
8 絶縁層
10 反応部
15 薬剤
20 金属線
21 長手方向の表面
33、42 金属バンプ

Claims (8)

  1. 反応部及びその中に設けられる検知用電極系を有するセンサチップであって、該検知用電極系が、金属線よりなる電極を有し、該金属線の長手方向の表面が該電極の表面であることを特徴とするセンサチップ。
  2. 前記金属線よりなる電極が、互いに結線されている複数本の金属線より構成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサチップ。
  3. 前記検知用電極系の作用極及び対極のそれぞれが、互いに結線されている複数本の金属線より構成され、作用極を構成する各金属線と対極を構成する各金属線が、交互に配列されることを特徴とする請求項2に記載のセンサチップ。
  4. 前記金属線が、金、白金もしくはパラジウム、又はそれらの合金からなる表面を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のセンサチップ。
  5. 前記金属線が、銅又は銀からなる芯材、及び白金もしくはパラジウム又はそれらの合金からなる表面層を有することを特徴とする請求項4に記載のセンサチップ。
  6. バイオセンサチップであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のセンサチップ。
  7. 前記金属線の少なくとも一方の端部が、前記反応部外にあることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のセンサチップ。
  8. 複数の金属線を、ワイヤーボンディング装置又は布線機により、基板上に配線する工程を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のセンサチップの製造方法。
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