JP2007303324A - タービン排気装置及びその改造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設のタービン排気装置の圧力回復性能を効率良く向上させることができるタービン排気装置及びその改造方法を提供する。
【解決手段】タービンロータ1を内包する内部ケーシング3と、タービンロータ1の最終段動翼出口環帯4の外周部に連続して設けられたフローガイド5と、最終段動翼出口環帯4の内周部に連続して設けられたベアリングコーン6と、ベアリングコーン6と内部ケーシング3とともに、復水器に接続する排気室7を形成する外部ケーシング8と、フローガイド5及びベアリングコーン6によって形成される環状のディフューザ流路9と、このディフューザ流路9の有効流断面積を縮小するための板状の部材であり、ディフューザ流路9に臨むようにベアリングコーン6に設けられた流路調整部材とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明はタービンロータを駆動させた後の排気を復水器に導くタービン排気装置及びその改造方法に関する。
復水器を有する蒸気タービン設備は、タービン内部で仕事をした蒸気を排気装置へ排出して、その排気装置内で圧力回復させた後に復水器へ供給している。排気装置による圧力回復幅が大きいと、タービン出口圧力が低くなってタービンの仕事量が増加し、タービンの駆動によって得られるエネルギーは増加する。このように排気装置による蒸気の圧力回復性能はタービンプラント性能に大きく影響を与える。
上記のような排気装置には、タービンロータの最終段動翼出口環帯の外周部と連続して設けられたフローガイドと、最終段動翼出口環帯の内周部と連続して設けられたベアリングコーン等から形成された環状流路であって、下流側に向かって断面積が徐々に拡大するディフューザ流路を有するものがある。この種の排気装置には、ディフューザ流路を形成する部材自体の形状(例えば、フローガイドの形状や、ベアリングコーンの形状)を工夫することによってディフューザ流路形状を適正化したものがあり(特許文献1等参照)、排気がディフューザ流路を通過する際に生じる圧力損失を低減させて排気装置の圧力回復性能の向上を図っている。
特開2005−233154号公報
ところで、上記のような技術を既設の排気装置に適用する場合、フローガイド若しくはベアリングコーン、又はその両方を交換してディフューザ流路形状を適正化することが考えられる。しかし、その場合の交換作業は、使用材料の量、加工性、施工性等の点からみると、どうしても大掛かりとなってコストがかさんでしまう。また、排気装置全体を交換する場合には、部材のみを交換する場合と比較して、より一層大掛かりな作業になることは言うまでもない。
本発明の目的は既設のタービン排気装置の圧力回復性能を効率良く向上させることができるタービン排気装置及びその改造方法を提供することにある。
(1)本発明は、上記目的を達成するために、タービンロータを駆動させた後の排気を復水器に導くタービン排気装置において、前記タービンロータを内包する排気室内部ケーシングと、前記タービンロータの最終段動翼出口環帯の外周部に連続して設けられたフローガイドと、前記最終段動翼出口環帯の内周部に連続して設けられたベアリングコーンと、このベアリングコーンと前記排気室内部ケーシングとともに、前記復水器に接続する排気室を形成する排気室外部ケーシングと、前記フローガイド及び前記ベアリングコーンによって形成される環状流路であって、前記タービンロータを駆動して前記最終段動翼出口環帯を通過した排気を前記排気室に吹き出させるディフューザ流路と、このディフューザ流路の有効流断面積を縮小するための板状の部材であり、前記ディフューザ流路に臨むように前記ベアリングコーンに設けられた流路調整部材とを備えるものとする。
(2)本発明は、上記目的を達成するために、タービンロータを駆動させた後の排気を復水器に導くタービン排気装置において、前記タービンロータを内包する排気室内部ケーシングと、前記タービンロータの最終段動翼出口環帯の外周部に連続して設けられたフローガイドと、前記最終段動翼出口環帯の内周部に連続して設けられたベアリングコーンと、このベアリングコーンと前記排気室内部ケーシングとともに、前記復水器に接続する排気室を形成する排気室外部ケーシングと、前記フローガイド、前記ベアリングコーン、及び前記排気室外部ケーシングの内壁面のうち前記最終段動翼出口環帯と対向する内部側面によって形成される環状流路であって、前記タービンロータを駆動して前記最終段動翼出口環帯を通過した排気を前記排気室に吹き出させるディフューザ流路と、このディフューザ流路の有効流断面積を縮小するための板状の部材であり、前記ディフューザ流路に臨むように前記内部側面に設けられた流路調整部材とを備えるものとする。
(3)上記(1)又は(2)は、好ましくは、前記流路調整部材は、前記ディフューザ流路の有効流断面積が前記最終段動翼出口環帯からの距離に比例して徐々に拡大するように前記ベアリングコーンに設けられているものとする。
(4)上記(1)又は(2)は、好ましくは、前記流路調整部材は、前記ディフューザ流路の排気流通方向における流路断面積の変化を測定した結果に基づいて、前記ディフューザ流路の有効流断面積が前記最終段動翼出口環帯からの距離に比例して徐々に拡大するように前記ベアリングコーンに設けられているものとする。
(5)上記(1)から(4)いずれかは、好ましくは、前記流路調整部材は前記タービンロータの回転軸心を中心に放射状に前記ベアリングコーンに取り付けられているものとする。
(6)上記(1)から(5)いずれかは、好ましくは、前記流路調整部材は前記ベアリングコーンに左右対称に取り付けられていることを特徴とするタービン排気装置。
(7)本発明は、上記目的を達成するために、タービンロータを駆動させた後の排気を復水器に導くタービン排気装置の改造方法において、前記タービンロータを内包する排気室内部ケーシングと、前記タービンロータの最終段動翼出口環帯の外周部に連続して設けられたフローガイドと、前記最終段動翼出口環帯の内周部に連続して設けられたベアリングコーンと、このベアリングコーンと前記排気室内部ケーシングとともに前記復水器に接続する排気室を形成する排気室外部ケーシングと、前記フローガイド及び前記ベアリングコーンによって形成される環状流路であって、前記タービンロータを駆動して前記最終段動翼出口環帯を通過した排気を前記排気室に吹き出させるディフューザ流路とを備える既設のタービン排気装置の前記ベアリングコーンに、板状の部材である流路調整部材を前記ディフューザ流路に臨むように追設して前記ディフューザ流路の有効流断面積を縮小するものとする。
本発明によれば、既設のタービン排気装置の全体又はこれを構成する部材を交換することなくディフューザ流路形状を適正化できるので、既設のタービン排気装置の圧力回復性能を効率良く向上させることができる。
以下、図面を用いて本発明のタービン排気装置の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態のタービン排気装置の基本構造を模式的に表す側断面図であり、図2は図1中のII−II断面における断面図であり、図3は本発明の実施の形態のタービン排気装置におけるタービン最終段落付近を拡大して詳細に示す側断面図であり、図4は図1中の矢印IV方向から見た矢視斜視断面図である。
図示したタービン排気装置は、タービンロータ1を駆動させた後の排気を下方に設けた復水器(図示せず)に排気室出口2を介して導くものである。このタービン排気装置は、タービンロータ1を内包する排気室内部ケーシング(内部ケーシング)3と、タービンロータ1の最終段動翼出口環帯(出口環帯)4(後述)の外周部に連続して設けられたフローガイド5と、出口環帯4の内周部に連続して設けられ、タービンロータ1の軸受(図示せず)を覆うベアリングコーン6と、ベアリングコーン6と排気室内部ケーシング3とともに、復水器に接続する排気室7を形成する排気室外部ケーシング(外部ケーシング)8と、フローガイド5及びベアリングコーン6によって形成される環状流路であって、タービンロータ1を駆動して出口環帯4を通過した排気を排気室7に吹き出させるディフューザ流路9と、ディフューザ流路9の有効流断面積(後述)を縮小するための板状の部材であり、ディフューザ流路9内に臨むようにベアリングコーン6に設けられた流路調整部材40とを備えている。
タービンロータ1は、タービンロータ1の周方向に複数配された動翼(図1及び図3では簡略して最終段動翼10のみを示す。)を有している。動翼はここを通過する蒸気によって駆動され、タービンロータ1に軸回転力を与える。
内部ケーシング3は内周側に環状に設けられたダイヤフラム11(図3参照)を有し、タービンロータ1を内包している。図3において、ダイヤフラム11は、タービンロータ1からその径方向外側に適当な間隔を介して設けられた内輪13と、この内輪13からタービンロータ1径方向外側に適当な間隔を介して設けられた外輪14とを有している。内輪13と外輪14との間の空間は、蒸気が流通する蒸気流通路15となっており、この蒸気流通路15にはタービンロータ1に配された動翼に対向するように静翼(図3では簡略して最終段静翼16のみを示す)が設けられている。動翼とこれに対応して設けられた静翼とは対となって1つのタービン段落を構成し(最終段動翼10と最終段静翼16は最終段落を構成している)、このようなタービン段落がタービンロータ1の軸方向に沿って所定の間隔で複数連なっている。また、最終段動翼出口環帯4は最終段動翼10の先端径と根元径で形成される環状の開口部であり、蒸気流通路15を通過しながらタービンロータ1を駆動させた後の排気(蒸気)はここを介してディフューザ流路9に流入する。
ベアリングコーン6は、軸方向における一方端部が出口環帯4の内周部に連続して設けられ、他方端部が外部ケーシング8の内壁面のうち出口環帯4と対向する内部側面17まで延びており、軸方向の断面形状が内部側面17に向かうにつれて徐々に大きくなるような錘状部材である。また、ベアリングコーン6の内部にはタービンロータ1の軸を支持する軸受(図示せず)が設けられている。
フローガイド5は、軸方向における一方端部が出口環帯4の外周部に連続して設けられ、他方端部が排気室7中に臨むように設けられており、ベアリングコーン6の出口環帯4の一部を外周から取り囲むように配されている。
ディフューザ流路9は、ベアリングコーン6とフローガイド5とによって形成される環状流路であり、排気流通方向の下流側に向かって徐々に流路断面積が拡大する形状を成している。このディフューザ流路9は、タービンロータ1を駆動して最終段動翼10の出口環帯4を通過した排気を復水器に向かって吹き出させている。出口環帯4から排出された蒸気(排気)は、前記のように徐々に拡大するディフューザ流路9を通過しながら減速する一方で、その減速分のエネルギーを圧力に変換することにより圧力回復される。ディフューザ流路9における圧力回復幅を向上させると、タービン出口圧力が低くなってタービンの仕事量が増加するので、タービンの駆動によって得られるエネルギーが増加する。タービンプラント性能を向上させるために排気装置(排気室)の圧力回復性能を改良する方法が様々研究されているが、その中でもディフューザ流路9を適正化することが特に効果的であることが知られている。
ここで流路調整部材40について詳しく説明する。
図4において、流路調整部材40は、ディフューザ流路9の有効流断面積を縮小するための板状の部材であり、ベアリングコーン6に取り付けられている方の端面(取り付け端面)が取り付け箇所におけるベアリングコーン6の曲面に沿うように成形されており、取り付け端面の反対側に位置し流路9内に臨む端面が有効流断面積を縮小するために必要な分だけディフューザ流路9の流路中心方向に突き出すように成形されている。この調整部材40は、あくまで板状であるので幾何学形状としての流路断面積を積極的に縮小するものではないが、排気が通過する際の障害物としては効果的に作用するので流路内に形成される排気流(蒸気流)の断面積(有効流路断面積)を縮小することができる。この調整部材40は、ディフューザ流路9の排気流通方向における流路断面積変化の測定結果(後述)に基づいて成形・配置され、ディフューザ流路9の有効流断面積が出口環帯4からの距離に比例して徐々に拡大するようにベアリングコーン6に設けられており、例えば溶接等によってベアリングコーン6の周方向に適宜の枚数が取り付けられている。なお、図4においては、簡略して調整部材40を3枚(40a,40b,40c)のみ示す。
調整部材40は、1枚のみ取り付けても有効流断面積を縮小する効果を発揮するが、通常は、図4における調整部材40a〜40cのように、ベアリングコーン6の周方向に所定の間隔で複数枚の調整部材40を並列して取り付ける。このように適当な間隔で並列して取り付けると、ベアリングコーンを交換する場合と比較して容易に有効流断面積を縮小することができる。これは、排気流が流体として有する粘性の作用を利用するものであり、部材40の取り付け間隔を適当に調整するとその間隙に排気流が流れ込みにくくなり、ベアリングコーンを交換して流路断面積を縮小させた場合と同様の効果を数枚の調整部材40だけで容易に得ることができる。このように、本実施の形態では、既設のベアリングコーン6に調整部材40を追設するだけでベアリングコーン6を交換することなく有効流断面積を縮小することができるので、既設の排気装置の圧力回復性能を向上させる改造が容易にできる。
調整部材40は、好ましくは、調整部材40a〜40cのように、板面がタービンロータ1径方向に倣うように、タービンロータ1の回転軸心に対して放射状にベアリングコーン6に取り付けると良い。これは排気(蒸気)が出口環帯4からタービンロータ1の回転軸心に対して放射状に排出されることを考慮したものであり、このように配列するとディフューザ流路9内で排気の速度成分が変更されて、圧力損失が発生したりすることを抑制することができる。
また、調整部材40は、好ましくは、調整部材40b,40cのように、ベアリングコーン6に対して配置と形状が左右対称となるように取り付けるとよい。これは、一般的に、ディフューザ流路9がタービンロータ1の回転軸心を通過する鉛直な直線を対称軸として線対称(左右対称)に形成されているからであり、このように構成すると流路7内で乱流が発生することを抑制できる。図4においては、調整部材40bと調整部材40cがベアリングコーン6にそれぞれ左右対称かつ放射状に取り付けられている。
なお、排気流の流れの解析結果等からディフューザ流路9内において左右非対称な流れが発生していることが判明した場合には、上記のような放射状配置や対称配置をすることなく、乱流を解消するように調整部材40を適宜配置すれば、乱流を解消しながら有効流断面積を調整することもできる。
次に、図5から図9を用いて、ディフューザ流路9の排気流通方向における流路断面積変化の計測方法、及び流路調整部材40の取り付け箇所の特定方法について説明する。
ここでは流路断面積の計測方法の理解を容易にするために、ディフューザ流路9の流路形状はタービンロータ1の回転軸心を中心としてロータ1の周方向に対称であり、その流路内の排気流も同じであると仮定し、このような仮定によって簡略化したディフューザ流路9Aにおいて排気流の主流(後述)に直交する流路断面を定義し、その断面積の変化を計測するものとする。
図5は本発明の実施の形態におけるディフューザ流路9下半側をタービンロータ1の回転軸心を通る鉛直面で切断した断面図であり、図6は図5に示した断面図に流路断面積の計測位置の一例を付した図であり、図7は本発明の実施の形態における簡略化したディフューザ流路9Aの内部空間を立体的に表したものを示す図であり、図8は本発明の実施の形態における簡略化したディフューザ流路9Aの流路断面積の変化を表す図であり、図9は本発明の実施の形態における流路調整部材追設後の簡略化したディフューザ流路9Aの有効流断面積の変化を表す図である。
図5において、円Rk(k=1,2,3,・・・,n)は、フローガイド5の切断面5S及びベアリングコーン6の切断面6Sの両方に内接する円であり、切断面5Sとは接点Fkにおいて、切断面6Sとは接点Bkにおいて接している。主流点Pkは接点Bkと接点Fkとを結んだ直線Lkの中点である。このように定める主流点Pkを、図6に示すように、ディフューザ流路9の開始部である出口環帯4(P1)からディフューザ流路9の終了部(Pn)に至るまで適当な間隔で設定する。ここで主流とはディフューザ流路9内においてフローガイド5及びベアリングコーン6から等距離のところを流れる排気流のことを指し、上記主流点Pkは主流上に位置する点である。
このように主流点Pを設定すると、ディフューザ流路9Aの開始部からk番目に位置する主流点Pkにおける流路断面積(Skとする)は、直線Lkをタービンロータ1の回転軸心回りに回転させて得ることができる回転体の面積となる。図7(c)に示した立体は、主流点P1〜Pnの間隔を極限まで小さくして各点における回転体を求め、その各回転体を滑らかに繋げたものであり、図7(a)はその側面図、図7(b)はその断面図である。即ち、この立体は簡略化したディフューザ流路9Aの内部空間を示している。
各主流点Pkにおける流路断面積Skを上記のように算出し、ディフューザ流路9の排気流通方向における流路断面積Sの変化をまとめたものが図8である。図8において、横軸は出口環帯4(開始点P1)からの距離を示し、縦軸は各主流点における流路断面積Sを示す。図8中の流路断面積Sは、ディフューザ流路9Aの開始部(P1)から終了部(Pn)に向かって概ね比例して拡大している(比例部30)が、一部、流路断面積が急拡大してグラフの形状が上に凸になっている部分(凸部)31が見られる。
本発明の発明者らは、ディフューザ流路の有効流断面積が出口環帯からの距離に比例して徐々に拡大するようにディフューザ流路を形成すれば、排気がディフューザ流路を通過する際に生じる圧力損失を低減できることを知見した。この知見に基づくと、前記の比例関係が成立していない図8中の凸部31は、流路断面積が急拡大して有効流断面積も急拡大するため排気流に圧力損失が生じている箇所であり、流路調整部材40を設けて有効流断面積を縮小すべき箇所(断面積調整箇所)であると特定できる。
このように特定した断面積調整箇所に流路調整部材40をベアリングコーン6の周方向に放射状かつ左右対称に複数取り付ける。取り付ける各流路調整部材40の形状は、前述した方法によって計測した流路断面積の変化を目安にして決定する。計測結果が図8のようになった本実施の形態の場合には、凸部31の形状に合わせて、排気流の上流側では先太るような形状に、排気流の下流側では先細るような形状に流路調整部材40を成形すると良い。図9に流路調整部材40追設後のディフューザ流路9Aの有効流断面積の変化を表す。図9において、流路調整部材40を追設したことにより図8中で凸部31となっていた部分が無くなり、有効流断面積が出口環帯4からの距離に比例して徐々に拡大するような流路が形成されている。また、流路調整部材40の形状、取り付け位置、及び取り付け枚数を更に最適化する際には、ディフューザ流路9内における排気流の数値解析を行い、その解析結果に基づき微調整を加えることにより最終的な形状等を決定すると良い。
なお、以上においては、簡略化した流路断面積の計測方法を用いて説明してきたが、流路断面積をより正確に計測しても勿論良い。この場合には、例えば、図5のようなディフューザ流路9の一部分の断面を利用して、主流点Pkにおける接点Bkと接点Fkの距離(即ち、直線Lkの長さ)を算出し、これをディフューザ流路9のタービンロータ1の周方向における全ての断面について個別に算出し、その結果を合計すれば、Pkにおける流路断面積をより正確に算出できる。このようにディフューザ流路9の全周に渡って正確な流路断面積を求めてディフューザ流路9の流路断面積の変化を明確にすれば、その断面積変化に基づいて正確な調整部材の形状、配置位置、配置枚数等を特定することができる。これにより一層ディフューザ流路9における圧力低減を低減することができ、排気装置の圧力回復性能を向上することができる。
次に本実施の形態の効果について説明する。
配置等を考慮しても流路を比較的長く設定できるような一般的なディフューザ流路の最適化の研究は実験を主体に従来から行われており、圧力回復を効果的に行わせるための条件について詳しく検討されている。一方、本実施の形態で対象としているようなタービン排気装置内のディフューザ流路の場合、建屋の制限や他の装置との配置等の関係上、タービンロータ軸方向に排出される蒸気の進行方向を非常に短い距離で復水器の設置された下方側に転向させながら圧力回復させる必要がある。そのため上記の一般的なディフューザ流路の最適化条件を直接適用することができず、フローガイドの形状やベアリングコーンの形状を工夫することにより性能向上が行われてきた。
ところで、過去から用いられている既設のタービンプラントの排気装置におけるディフューザ流路部は、主に実験を主体に改良が施されてきたものが多く、数値解析等が発達した現在の視点から再検討すると改善の余地が残されていることが少なくない。
このような既設の排気装置のディフューザ流路部の根本的な改善策として上記のように形状を工夫したベアリングコーン等の部材を利用する場合には、フローガイド若しくはベアリングコーン、又はその両方を交換してディフューザ流路形状を適正化することが考えられる。しかし、その場合の交換作業は、使用材料の量、加工性、施工性等の点からみると、どうしても大掛かりとなってコストがかさんでしまう。また、排気装置全体を交換する場合には、部材のみを交換する場合と比較して、より一層大掛かりな作業になることは言うまでもない。
これに対して、本実施の形態のタービン排気装置は、ディフューザ流路9の有効流断面積を縮小するための板状の部材であり、ベアリングコーン6に設けられた流路調整部材40を備えている。このように流路調整部材40をディフューザ流路9に設けると有効流断面積を縮小することによって既設のタービン排気装置の全体又はこれを構成する部材を交換することなくディフューザ流路形状を適正化して圧力損失を低減できるので、既設のタービン排気装置の圧力回復性能を効率良く向上させることができる。
また、流路調整部材40の取り付け作業の施工性を更に向上させるためには、ベアリングコーン6と外部ケーシング8を直接結合することを避け(例えば、ベアリングコーン6が内部側面17に近接する部分において、両部材6,8を溶接等で接合することを避ける。)、両部材6,8が互いに独立した部材となるように構成すると良い。このように構成すると、取り付け作業の際にベアリングコーン6に加えられる外力(例えば、荷重や熱ひずみ)が外部ケーシング8に容易に伝わることが避けられ、事後的にその外力が外部ケーシング8に残留しないように処置する作業(例えば、外部ケーシング8全体を熱して徐々に冷やして熱ひずみを取る。)が不要若しくは軽減するので、取り付け作業の施工性を向上することができる。また、排気室7を構成する外部ケーシング8内は圧力が低くなるため熱ひずみ等の残留応力が生じると損傷する可能性が高くなるが、上記のように構成すれば、そのような損傷の可能性も低減することができるので、改造後も排気装置の信頼性を維持することができる。この点について、上記した部材交換によってディフューザ流路形状を適正化する技術が、交換作業の際にフローガイドやベアリングコーン等を支持するガイド鋼材を内部ケーシングや外部ケーシングから切り離す作業によって外部ケーシング等に熱ひずみを残留させる場合があることを鑑みても、本実施の形態が優れた効果を発揮することが指摘できる。
また、本実施の形態の流路調整部材40は、形状に充分注力して製作する交換用部材を利用する場合と比較して、加工が容易な板状の部材を利用しているので製作が容易であり、また、ベアリングコーン6の周方向に所定間隔を介して複数配せば有効流断面積を縮小する効果を奏するので使用材料量も低減することができる。
さらに、本実施の形態の流路調整部材40は、ディフューザ流路9の排気流通方向における流路断面積の変化を測定した結果に基づいて、ディフューザ流路9の有効流断面積が出口環帯4からの距離に比例して徐々に拡大するようにベアリングコーン6に設けられている。このように流路断面積変化の測定結果を基に、出口環帯4からの距離と流路断面積との関係が比例関係から外れて急拡大している箇所を調整部材40の取り付け箇所であると特定し、さらに、両者の関係が他の箇所と同様な比例関係になるように、部材40の形状や個数を決定することによって、より的確かつ効果的に排気装置の性能を向上させることができる。
以上においては、ディフューザ流路9がベアリングコーン6とフローガイド5によって構成されるものに限って説明してきたが、外部ケーシング8の一部である上記内部側面17がディフューザ流路9の一部を構成し、その周辺で流路断面積が上記のように急拡大しているような場合もある。このような場合には、ベアリングコーン6に取り付ける場合と同様に内部側面17に流路調整部材40を取り付ければ、上記同様、有効流断面積を適正化することができる。なお、内部側面17に直接流路調整部材40を溶接等で取り付ける際には、外部ケーシングに熱ひずみが残留しないように処置(例えば、外部ケーシング8全体を熱して徐々に冷やしてひずみを取る。)をすることが必要となる。このような処置を避けてさらに施工性を向上させるには、例えば、外部ケーシング8に調整部材40を直接取り付けることを避けて、内部側面17の排気室7側(内側)に調整部材40を取り付けるための板部材(取り付け部材)を外部ケーシング8とは独立している部材に接合(例えば溶接)し、この取り付け部材を介して調整部材40を適宜取り付けても良い。なお、このように外部ケーシング8に調整部材40を取り付ける場合(又は、上記取り付け部材を介して取り付ける場合)としては、ベアリングコーン6に相当する部材(錘状の形状を有するタービンロータ1の軸受カバー部材)が備えられていない排気装置も含まれる。
本発明の実施の形態のタービン排気装置の基本構造を模式的に表す側断面図である。 図1中のII−II断面における断面図である。 本発明の実施の形態のタービン排気装置におけるタービン最終段落付近を拡大して詳細に示す側断面図である。 図1中の矢印IV方向から見た矢視斜視断面図である。 本発明の実施の形態のタービン排気装置におけるディフューザ流路下半側をタービンロータの回転軸心を通る鉛直面で切断した断面図である。 図5に示した断面図に流路断面積の計測位置の一例を付した図である。 本発明の実施の形態のタービン排気装置における簡略化したディフューザ流路の内部空間を立体的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態のタービン排気装置における簡略化したディフューザ流路の流路断面積の変化を表す図である。 本発明の実施の形態のタービン排気装置における流路調整部材追設後の簡略化したディフューザ流路の有効流断面積の変化を表す図である。
符号の説明
1 タービンロータ
3 排気室内部ケーシング
4 最終段動翼出口環帯
5 フローガイド
6 ベアリングコーン
7 排気室
8 排気室外部ケーシング
9 ディフューザ流路
10 最終段動翼
11 ダイヤフラム
15 蒸気流通路
16 最終段静翼
17 内部側面
30 比例部
31 凸部
40 流路調整部材
P 主流点
S 流路断面積

Claims (7)

  1. タービンロータを駆動させた後の排気を復水器に導くタービン排気装置において、
    前記タービンロータを内包する排気室内部ケーシングと、
    前記タービンロータの最終段動翼出口環帯の外周部に連続して設けられたフローガイドと、
    前記最終段動翼出口環帯の内周部に連続して設けられたベアリングコーンと、
    このベアリングコーンと前記排気室内部ケーシングとともに、前記復水器に接続する排気室を形成する排気室外部ケーシングと、
    前記フローガイド及び前記ベアリングコーンによって形成される環状流路であって、前記タービンロータを駆動して前記最終段動翼出口環帯を通過した排気を前記排気室に吹き出させるディフューザ流路と、
    このディフューザ流路の有効流断面積を縮小するための板状の部材であり、前記ディフューザ流路に臨むように前記ベアリングコーンに設けられた流路調整部材とを備えることを特徴とするタービン排気装置。
  2. タービンロータを駆動させた後の排気を復水器に導くタービン排気装置において、
    前記タービンロータを内包する排気室内部ケーシングと、
    前記タービンロータの最終段動翼出口環帯の外周部に連続して設けられたフローガイドと、
    前記最終段動翼出口環帯の内周部に連続して設けられたベアリングコーンと、
    このベアリングコーンと前記排気室内部ケーシングとともに、前記復水器に接続する排気室を形成する排気室外部ケーシングと、
    前記フローガイド、前記ベアリングコーン、及び前記排気室外部ケーシングの内壁面のうち前記最終段動翼出口環帯と対向する内部側面によって形成される環状流路であって、前記タービンロータを駆動して前記最終段動翼出口環帯を通過した排気を前記排気室に吹き出させるディフューザ流路と、
    このディフューザ流路の有効流断面積を縮小するための板状の部材であり、前記ディフューザ流路に臨むように前記内部側面に設けられた流路調整部材とを備えることを特徴とするタービン排気装置。
  3. 請求項1又は2記載のタービン排気装置において、
    前記流路調整部材は、前記ディフューザ流路の有効流断面積が前記最終段動翼出口環帯からの距離に比例して徐々に拡大するように前記ベアリングコーンに設けられていることを特徴とするタービン排気装置。
  4. 請求項1又は2記載のタービン排気装置において、
    前記流路調整部材は、前記ディフューザ流路の排気流通方向における流路断面積の変化を測定した結果に基づいて、前記ディフューザ流路の有効流断面積が前記最終段動翼出口環帯からの距離に比例して徐々に拡大するように前記ベアリングコーンに設けられていることを特徴とするタービン排気装置。
  5. 請求項1乃至4いずれか記載のタービン排気装置において、
    前記流路調整部材は前記タービンロータの回転軸心を中心に放射状に前記ベアリングコーンに取り付けられていることを特徴とするタービン排気装置。
  6. 請求項1乃至4いずれか記載のタービン排気装置において、
    前記流路調整部材は前記ベアリングコーンに左右対称に取り付けられていることを特徴とするタービン排気装置。
  7. タービンロータを駆動させた後の排気を復水器に導くタービン排気装置の改造方法において、
    前記タービンロータを内包する排気室内部ケーシングと、前記タービンロータの最終段動翼出口環帯の外周部に連続して設けられたフローガイドと、前記最終段動翼出口環帯の内周部に連続して設けられたベアリングコーンと、このベアリングコーンと前記排気室内部ケーシングとともに前記復水器に接続する排気室を形成する排気室外部ケーシングと、前記フローガイド及び前記ベアリングコーンによって形成される環状流路であって、前記タービンロータを駆動して前記最終段動翼出口環帯を通過した排気を前記排気室に吹き出させるディフューザ流路とを備える既設のタービン排気装置の前記ベアリングコーンに、
    板状の部材である流路調整部材を前記ディフューザ流路に臨むように追設して前記ディフューザ流路内の有効流断面積を縮小することを特徴とするタービン排気装置の改造方法。
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