JP2007300513A - マイクロフォン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 近接音源に対して平坦な周波数応答特性を有するマイクロフォン装置を提供する。
【解決手段】 組をなす第1のマイクロフォン7と第2のマイクロフォン8を、近接音源9により生成される球面波音場に配置し、前記第1のマイクロフォン7を近接音源9に接近する位置にセットし、前記第2のマイクロフォン8を、前記マイクロフォン7と前記近接音源9との間の距離に比して遠方にセットした構成に構築されている。以上の構成により、近接音源に対して平坦な周波数応答特性を得ることができ、しかも低周波域での騒音抑圧効果を十分に確保することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、近接音源に対する周波数応答性を改善するマイクロフォン装置に関する。
ヘッドセットは話者に手軽にハンズフリー通話を可能にするものであり、コールセンターのオペレータ用のみならず、携帯電話のオプション、パーソナルコンピュータ(PC)を介した音声通信用端末として広く用いられている。
コールセンターで用いられるヘッドセットは図13に示すように、話者20がヘッドバンド21を利用してレシーバ22を話者20の耳に宛がい、レシーバ22から伸びるアーム23の先端に取り付けられたマイクロフォン24を口元付近に位置させ、話者20の音声情報をマイクロフォン24で拾い、話者が相手方と会話をする際に用いられる。図13に示す前記ヘッドセットが使用される環境は、周囲騒音の影響が大きい環境であることが多い。特に、コールセンターでは、多くのオペレータがパーテションのない室内に比較的隣接して配置される場合が多く、特定話者のヘッドセットのマイクロフォンが、その前後左右のオペレータの声を拾ってしまうという問題が生じる。この問題を解決するために、ヘッドセット用マイクロフォンには接話型のマイクロフォンカプセルを用いて、マイクロフォンの指向性及び近接効果によって周囲騒音の影響を低減している場合が多い。
前記接話型のマイクロフォンカプセルの一例を模式化して図14に示す。図14に示すように接話型マイクロフォンカプセルは、ケース25内を振動膜26で前後2室に分離し、前記振動膜26の前方に前面音孔27を開口し、前記振動膜26の後方に背面音孔28を開口した構造に構成されている。
ケース25の前面側から入来する波長λの音波をケース25の前面音孔27からケース25内に引き込み、その音波の音圧P1を前記振動膜26の前面に作用させている。またケース25の前面側から入来する波長λの音波をケース25の外側に迂回させて、ケース25の背面音孔28からケース25内に引き込み、その音波の音圧P2を前記振動膜26の背面に作用させている。前記振動膜26は、前面と背面に作用する音圧P1,P2の差に比例する出力信号を出力している。
図14に示す接話型のマイクロフォンカプセルにおいて、L=1mの距離に位置する遠距離音場の周波数応答は図15に実線で示す応答特性を示しており、近距離音場内での近接音源に対してL=2.5cmの距離に位置する前記マイクロフォンカプセルの周波数応答は図15に点線で示す応答特性を示しており、低周波帯域での騒音抑圧効果を発揮している。
しかし、コールセンターの音環境は千差万別であり、接話型マイクロフォンカプセルの使用が必ずしも十分に効果的とは言えないのが現状である。また前記接話型マイクロフォンカプセル単独での使用では図15に示すように、低周波域の音圧の出力レベルが高周波数域と比較して不足し、周波数応答も高域が持ち上がった形を示すため、音質の点でも問題がある。
また従来、開発されている複数のマイクロフォンを使用して收音するマイクロフォン装置について検討すると、図16に示すタイプと、図17に示すタイプとに分類される。それぞれのタイプに属する先行技術の代表例を掲げると、図16に示すタイプには、特開8−213936号、特開平9−327084号、特開平5−256776号などに開示されたマイクロフォン装置が含まれる。図17に示すタイプには、特許第2897230号に開示されたマイクロフォン装置が含まれる。ただし、これらの公報に開示されたマイクロフォン装置は一部であって、これ以外にも多数の公報に開示されたマイクロフォン装置が開発されている。
図16に示すタイプのマイクロフォン装置は、遠方に位置する音源からの音情報を收音するために開発されたものであり、第1のマイクロフォン30と第2のマイクロフォン31を組み合わせている。
図16に示すタイプのマイクロフォン装置はビデオテープレコーダなどに使用されるものであり、マイクロフォン装置を取り囲む環境としては、近距離に前記ビデオテープレコーダから発せられる騒音源が存在し、遠方距離に收音すべき撮影すべき人物が発する收音対象の音源が存在する。
図16に示すタイプのマイクロフォン装置は、ビデオテープレコーダなどの付属品として取り付けられるものであり、しかも前記ビデオテープレコーダは撮影者の手のひらサイズまで小型化されている。したがって、前記マイクロフォン装置のサイズとしては、ビデオテープレコーダのサイズに対応させた小型化サイズが要求されており、前記第1のマイクロフォン30と前記第2のマイクロフォン31の間隔dを極力狭く設定している。因みに、前記間隔dは約10mm程度に設定されている。
さらに図16に示すタイプのマイクロフォン装置には、遠方距離音場での人物などの発する音情報を收音することが要求され、しかも、近距離音場でのビデオテープレコーダから生じる騒音を抑圧することが要求されている。そのため、図16に示すように、第1のマイクロフォン30が收音した音情報から、第2のマイクロフォン31が收音した音情報を減算処理して、遠方距離音場における音源からの音情報のみを收音することは不可能である。
そこで、図16に示すように、前記第1のマイクロフォン30と前記第2のマイクロフォン31の出力側に指向性形成・周波数特性補正回路32を設けている。そして、前記指向性形成・周波数特性補正回路32により、遠方距離音場の音源からの音情報を收音し、近距離音場の騒音を收音しないように指向性を形成している。さらに、前記指向性形成・周波数特性補正回路32により收音した音情報の音声品質を向上させるために、周波数特性の補正を行っている。
以上のように図16に示すタイプのマイクロフォン装置は、前記指向性形成・周波数特性補正回路32が存在するため、小型化に限界がある。またマイクロフォン装置を小型化するためには、前記第1のマイクロフォン30と前記第2のマイクロフォン31の間隔dを極力狭く設定する必要がある。
しかし、前記第1のマイクロフォン30と前記第2のマイクロフォン31の間隔dは、收音可能な周波数域の上限値で決定されるものであるため、前記間隔dを狭く設定するということは、音声のエネルギーが集中する主要な周波数帯域での感度が低くなり、ひいては、收音すべき音情報の音品質の劣化を招くこととなる。
図17に示すタイプのマイクロフォン装置は、第1のマイクロフォン40と第2のマイクロフォン41とを組み合わせ、前記第1のマイクロフォン40をヘッドセットで話者42の口元にセットし、前記第2のマイクロフォン41を、雑音を收音すべき位置にセットしている。
図17に示すタイプのマイクロフォン装置は、前記第1のマイクロフォン40を收音すべき音源に接近させて設置し、前記第2のマイクロフォン41を前記收音対象の音源から引き離して雑音源に接近させて設置するため、雑音が前記第1のマイクロフォン40に伝達される過程を考慮して、前記雑音が前記第1のマイクロフォンに伝達される際に通過する経路の伝達関数を伝達関数模擬回路43で推定し、前記伝達関数模擬回路43で推定した伝達関数に相当する時間分だけ前記第2のマイクロフォン41で收音した雑音の音情報を遅延させて、前記雑音の音情報を減算器44に入力し、前記第1のマイクロフォン40が收音した音情報と前記第2のマイクロフォン41が收音した雑音の音情報の間で減算処理を行い、雑音による抑圧効果を確保する必要がある。
以上のように図17に示すタイプのマイクロフォン装置は、前記伝達関数模擬回路43及び前記減算器44が存在するため、サイズの小型化を図るには限界がある。さらに、前記第1のマイクロフォン40と前記第2のマイクロフォン41は、特性の異なる收音対象の音源と雑音の音源とに接近させてそれぞれ設置する必要があるため、前記第1のマイクロフォン40と前記第2のマイクロフォン41の間隔dを極端に広く取らなければならず、この点からもサイズの小型化には限界がある。
以上のように、従来開発されている各種のマイクロフォン装置の特性を検討すると、近接音源に対しても平坦な周波数応答特性を得ることはできない、すなわち音情報の音質に難があり、しかも低周波域での騒音抑圧効果が不十分であるという問題がある。
特開平8−213936号公報 特開平9−327084号 特開平5−256776号公報 特許第2897230号公報
本発明の目的は、近接音源に対して平坦な周波数応答特性を得ることができ、しかも低周波域での騒音抑圧効果を十分に確保することができるマイクロフォン装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係るマイクロフォン装置は、組をなす第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンとを、近接音源により生成される球面波音場に配置し、前記近接音源に対するマイクロフォン装置の周波数応答性を大幅に改善したことを特徴とするものである。
具体的には、本発明に係るマイクロフォン装置は、組をなす第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンを、近接音源により生成される球面波音場に配置し、
前記第1のマイクロフォンを近接音源に接近する位置にセットし、
前記第2のマイクロフォンを、前記マイクロフォンと前記近接音源との間の距離に比して遠方にセットしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、組をなす第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンは、近接音源により生成される球面波音場に配置されているため、図16に示すマイクロフォン装置の場合に考慮する必要があった、雑音が通過する経路の伝達係数を推定する必要がなく、伝達関数模擬回路が不要となり、マイクロフォン装置の構造を簡素化することが可能となる。さらに、前記第1のマクロフォンと前記第2のマイクロフォンから出力される音情報を減算処理するだけで騒音抑圧効果が得られることとなる。
さらに、前記第1のマイクロフォンを近接音源に接近する位置にセットし、前記第2のマイクロフォンを、前記マイクロフォンと前記近接音源との間の距離に比して遠方にセットすることにより、前記第1のマイクロフォンと前記第2のマイクロフォンの間隔である音響端子間距離を比較的広く確保することが可能となり、近接音源に対するマイクロフォン装置の周波数応答性が向上することとなる。
一般的にマイクロフォンの收音可能な周波数域は、平面波に対する応答で定義するため、本発明においては、前記第1のマイクロフォンと前記第2のマイクロフォンの間の音響端子間距離は、平面波の音圧で收音可能な周波数域の上限値に基づいて決定すればよいものである。
前記音響端子間距離を設定するにあたっては、上述のように平面波の音圧で收音可能な周波数域の上限値に基づいて決定することに加えて、騒音抑圧量を加味して決定する。100Hzにおける騒音抑圧量を30dB以上に設定したとき、前記第1のマイクロフォンと前記第2のマイクロフォンとの間の音響端子間距離dを、30mm付近<d<50mm付近の範囲に設定することが望ましいものである。
またマイクロフォンの配置については、前記第1のマイクロフォンは、前記近接音源の前方に配置し、前記第2のマイクロフォンは、前記第1のマイクロフォンの位置に対して横方向にずれた位置に配置してもよいものである。また前記第1のマイクロフォンと前記第2のマイクロフォンは、前記近接音源に対して一直線上に配列してもよいものである。
前記マイクロフォンとしては、無指向性或いは指向性のいずれであってもよいが、マイクロフォン装置の構成を簡素化するという面からすると、前記第1のマイクロフォン及び前記第2のマイクロフォンは、無指向性の收音特性を有するものであることが望ましいものである。
以上説明したように本発明によれば、組をなす第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンを、近接音源により生成される球面波音場に配置するため、従来のように雑音が通過する経路の伝達係数を推定する必要がなく、伝達関数模擬回路が不要となり、マイクロフォン装置の構造を簡素化することができる。さらに、前記第1のマクロフォンと前記第2のマイクロフォンから出力される音情報を減算処理するだけで騒音抑圧効果を得ることができる。
さらに、前記第1のマイクロフォンを近接音源に接近する位置にセットし、前記第2のマイクロフォンを、前記マイクロフォンと前記近接音源との間の距離に比して遠方にセットすることにより、前記第1のマイクロフォンと前記第2のマイクロフォンの間隔である音響端子間距離を比較的広く確保して、近接音源に対するマイクロフォン装置の周波数応答性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
次に、本発明に係るマイクロフォン装置をヘッドセットのマイクロフォン装置に適用した例を実施形態として説明する。
コールセンター等で用いられるヘッドセットについて考察すると、前記ヘッドセットは図1に示すように、話者1がヘッドハンド2を利用してレシーバ3を話者1の耳に宛がい、レシーバ3から伸びるアーム4の先端に取り付けられたマイクロフォン装置5を口元1a付近に位置させ、話者1の音声情報をマイクロフォン装置5で拾い、話者と相手方が会話を際などに用いられる。
図1に示す前記ヘッドセットが使用される環境においては、話者1のマイクロフォン装置5にとっては騒音となる雑音源6が複数存在し、騒音の影響が大きい環境であることが多い。特に、コールセンターでは、多くのオペレータがパーテションのない室内に比較的隣接して配置される場合が多く、特定話者のヘッドセットのマイクロフォン装置5に対して、その前後左右に配置されたオペレータの音声は雑音源6となり、特定話者のヘッドセットのマイクロフォン装置5が他のオペレータの声を拾ってしまうという問題が生じる。
本発明は、近接音源により生成される球面波音場に特化し、近接音源に対して平坦な周波数応答性を得るとともに、低周波域での騒音抑圧効果を十分に確保することを特徴とするものである。
本発明における周囲騒音低減の基本的考え方について説明する。携帯電話などに一般的に用いられる無指向性マイクロフォンは、前面に設けた音孔で受けた音圧に比例する電圧を出力するものであり、変換器のタイプとしては圧力型に分類される。無指向性マイクロフォンの音圧感度は、音波の到来方向及びマイクロフォンの音源からの距離に依存しないため、周囲騒音低減という観点からは何ら効果を示さない。
これに対して、接話型マイクロフォンは、マイクロフォンカプセルの前後に2つの音孔を有しており、これらの音孔が受けた音圧の差に比例するため、変換器としては圧力傾度型に分類される。
前記接話型マイクロフォンでは、前面の音孔で受けた音圧と背面の音孔で受けた音圧の差を取るという動作を機械的に実現している。マイクロフォンが受ける音波が平面波として扱うことができる場合(以下、遠距離音場という。)は、圧力傾度型マイクロフォンの出力は、前後の音孔位置での音波の位相差に比例することとなる。これに対して、マイクロフォンが音源に近くマイクロフォンが受ける音波が球面波である場合(以下、近距離音場(球面波音場)という。)では、前記位相差に加えて前後の音孔位置での音波の振幅差も併せて圧力傾度となる。
したがって、前記振幅差がマイクロフォンの出力に寄与する分、接話型マイクロフォンの音圧感度は遠距離音場よりも近距離音場の方が大きくなり、これを近接効果と呼んでいる。すなわち、接話型マイクロフォンを話者の口元において置いて使用すれば、話者から離れた音源の発する音波は拾い難く、マイクロフォンの近接効果によって周囲騒音を低減することができる。接話型マイクロフォンにおける前後の音孔の距離を簡易的な音響端子間距離とすると、近接効果による周囲騒音の低減効果は、音響端子間距離に依存する。
しかしながら、従来の技術の欄において説明したとおり、従来の接話型マイクロフォンは、遠距離音場を生成する音源に対する周波数応答を改善するものであり、しかも小型化を目的とするため、前記音響端子間距離は長くても10mm程度であり、マイクロフォンカプセル単体で前記音響端子間距離に見合う以上の周囲騒音低減効果を期待することはできないのが実情である。
本発明は、無指向性マイクロフォンを2個組み合わせて、接話型マイクロフォンが保有する周波数応答性を実現し、かつ音響端子間距離を比較的長く確保できる構成を実現したものである。
本発明の実施形態では図2及び図3に示すように、マイクロフォン装置5を構成する無指向性の第1のマイクロフォン7及び第2のマイクロフォン8を、近接音源9により生成される球面波音場内に設置している。ここで、図2及び図3に示すヘッドセットのマイクロフォン装置として適用した場合、前記近接音源9は、話者1が発する音声(音源)であり、前記球面波音場は、前記話者1の音声が伝搬することにより生成される音場である。
前記第1のマイクロフォン7及び前記第2のマイクロフォン8は、無指向性であるため、前記球面波音場に配置されたとき、前記マイクロフォン7及び8の音圧感度は、前記近接音源9からの音波の到来方向及びマイクロフォンの音源9からの距離に依存しない。そのため、前記マイクロフォン7及び8は、近接音源9からの音レベルが高い場合に大きな電圧信号を出力し、音レベルが低い場合に小さな電圧信号を出力することとなる。
さらに前記マイクロフォン7及び8を中心として考察する。ヘッドセットのマイクロフォン装置5には、近接音源9に対して近距離位置に生成される球面波音場(近距離音場)と、近接音源9に対して遠距離位置に近接音源9とは異なる図1に示す雑音源6により生成される遠距離音場とに同時に置かれることになる。近距離音場においては、前記マイクロフォン7と8が拾う音圧レベルには大きな差がある。
これに対し、遠距離音場においては、前記マイクロフォン7と8に到達する音情報のレベル差は極めて小さい。
本発明の実施形態では、以上説明した特性を利用して騒音抑圧効果を向上させるため、前記球面波音場に配置される第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクオフォン8の位置関係を規制している。具体的に説明すると、前記第1のマイクロフォン7は図2及び図3に示すように、前記球面波音場内で前記近接音源9に接近する位置Aにセットしている。これに対して前記第2のマイクロフォン8は、前記球面波音場内で前記マイクロフォン7と前記近接音源9との間の距離に比して遠方の位置Bにセットしている。
前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8は、図2及び図3に示す位置関係にセットされるため、その位置関係によって出力信号に相違が生じる。すなわち、前記第1のマイクロフォン7では、前記近接音源9に接近する位置にセットされるため、前記近接音源9からの音情報の音圧レベルが、前記第2のマイクロフォン8が前記近接音源9から拾う音情報の音圧レベルより大きいため、前記近接音源9からの音情報に対応して大きい電圧信号を出力する。
前記第1のマイクロフォン7及び8は、無指向性であるため、前記球面波音場からの音情報ばかりでなく、前記遠距離音場からの音情報をも拾うこととなる。しかし、前記遠距離音場は、前記球面波音場に対して離れた遠方距離の位置に生成されるため、前記マイクロフォン7及び8が前記遠距離音場から到来する音情報を拾った場合、前記マイクロフォン7と8が拾う音情報のレベルに殆ど差が無い。
したがって、前記第1のマイクロフォン7は図6(b)に示すように、前記近接音源9からの音情報に対応した大きい出力値P1の電圧信号S1と、前記遠距離の雑音源6からの音情報に対応した出力値P2の電圧信号N1とを出力する。また前記第2のマイクロフォン8は図6(c)に示すように、前記近接音源9からの音情報に対応した比較的小さい出力値P3(P1>>P3)の電圧信号S2と、前記距離の雑音源6からの音情報に対応した出力値P4(P2≒P4)の電圧信号N2を出力する。
したがって、図6(a)に示すように、前記第1のマイクロフォン7が出力する電圧信号S1,N1から前記第2のマイクロフォン8が出力する電圧信号S2,N2を減算器10で減算処理した場合、図7(b)に示すようにS/N比が大幅に改善され、さらに近接音源8に対して平坦な応答特性を得るとともに、低周波域での騒音抑圧効果を十分に確保することができる。参考までに掲げると、従来の接話型マイクロフォンの場合、近接音源に対する出力レベルは、−10dB付近である。本発明の実施形態における出力レベルが大幅に向上されていることが分かる。
次に、前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8との間の音響端子間距離dについて説明する。
一般的にマイクロフォンの收音可能な周波数域は、平面波に対する応答で定義するため、本発明においては、前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8の間の音響端子間距離は、平面波の音圧で收音可能な周波数域の上限値に基づいて決定する。さらに、前記音響端子間距離を設定するにあたっては、上述のように平面波の音圧で收音可能な周波数域の上限値に基づいて決定することに加えて、騒音抑圧量を加味して決定する。100Hzにおける騒音抑圧量を30dB以上に設定したとき、前記第1のマイクロフォンと前記第2のマイクロフォンとの間の音響端子間距離dを、30mm付近<d<50mm付近の範囲に設定することが望ましいものである。この根拠について説明する。
マイクロフォンの特性測定では、マイクロフォン、本発明の実施形態に係るマイクロフォン装置では、第1のマイクロフォン7と第2のマイクロフォン8を結ぶ線分の中点をマイクロフォン位置として定義する。図12は、第1のマイクロフォン7と第2のマイクロフォン8の間隔である音響端子間距離dと騒音抑圧量との関係を示す特性図である。図12では、騒音抑圧量を、近接音源からマイクロフォンまでの距離が25cmと1mのときの100Hzにおけるマイクロフォン装置の感度差で示している。望ましい騒音抑圧量を30dB以上とすると、音響端子間距離の少なくとも約30mm以上に設定することが分かる。また、前記マイクロフォン装置の定義より、音響端子間距離dが50mm以上になると、第1のマイクロフォン7と近接音源が同一位置になるため、音響端子間距離dの上限を50mm未満とする。
前記音響端子間距離dの一例を示す。マイクロフォン7及び8が拾う周波数帯域を電話音声帯域、すなわち300Hz〜3.4KHzとし、前記平面波の音圧で收音可能な周波数の上限値を4KHz近傍とすると、求めた音響端子間距離dは42.5mmとなる。前記音響端子間距離dはシミュレーションにより算出する。なお、前記数値は一例であって、平面波の音圧で收音可能な周波数の上限値が変化すれば、それに伴って変化するものであり、マイクロフォン装置が收音するための周波数の上限値に基づいて適宜設定する。本発明の実施形態において一例として掲げた音響端子間距離dは42.5mmであり、従来の接話型マイクロフォンの簡易的な音響端子間距離が10mmであるのに対して、大幅に拡大されていることが分かる。
次に、前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8との配置関係について説明する。
図2に示すように、前記第1のマイクロフォン7は、前記近接音源9の前方位置に配置し、前記第2のマイクロフォン8は、前記近接音源9と前記第1のマイクロフォン7とを結ぶ一直線上に配置する。この場合、前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8は、前記音響端子間距離dだけ離して設置する。
また図3に示すように、前記第1のマイクロフォン7を前記近接音源9の前方位置に配置し、前記第2のマイクロフォン8を、前記第1のマイクロフォン7の位置に対して横方向にずらした位置に配置してもよいものである。図3の場合も同様に、前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8は、前記音響端子間距離dだけ離して設置する。図3の例では、前記第2のマイクロフォン8は、横方向にずらして設置されるため、ヘッドセットに装着した場合に話者1にとって邪魔にならず、使用感が良好になるという利点を有している。
図2及び図3に示すマイクロフォン7及び8の配置関係の場合、図5(a)、(b)に示す近接音源9との関係で周波数応答性を調べたところ、図5(c)に示すように、それらの周波数応答性に差異が生じないことを確かめている。
具体的に説明する。図2に示すマイクロフォン7,8を備えたマイクロフォン装置5を近接音源9の前方位置にセットし、近接音源9と第1のマイクロフォン7との間の距離をLに設定する。この場合、第2のマイクロフォン8は、前記近接音源9に対して前記第1のマイクロフォン7より遠方に配置している。この状態において、前記近接音源9から信号を20Hz〜20KHzの範囲で周波数を変化させて出力し、その信号に対するマイクロフォン7及び8の周波数応答性を評価した。その評価結果を図5(c)に一点鎖線でケース1として示す。
また図3に示すマイクロフォン7,8を備えたマイクロフォン装置5を近接音源9の前方位置にセットする。この場合、第2のマイクロフォン8は、第1のマイクロフォン7に対して横方向に配置されており、近接音源9と第1のマイクロフォン7及び8との間の距離をLにそれぞれ設定する。この状態において、前記近接音源9から擬似音声を20Hz〜20KHzの範囲で周波数を変化させて出力し、その擬似音声をマイクロフォン7及び8で再生した場合の周波数応答性を評価した。その評価結果を図5(c)に実線でケース2として示す。
図5(c)に示す評価結果から明らかなように、図2に示すように第1のマイクロフォン7と第2のマイクロフォン8を一直線上に配列した構成と、図3に示すように第2のマイクロフォン8を第1のマイクロフォン7に対して横方向にずらせて配置した構成との場合、それぞれの周波数応答性は近似している。したがって、マイクロフォン装置5が適用される対象物によって、第1のマイクロフォン7と第2のマイクロフォン8の配置関係を、図2或いは図3に示すいずれかの配置関係に選択しても良いことが分かる。さらに、その場合にも、周波数応答性が変化することはないのである。
次に、本発明の実施形態に係るマイクロフォン装置5をヘッドセットに取り付ける場合の構造について説明する。図4に示すマイクロフォンの取り付け構造は図3に対応するものである。
図4に示すように、ヘッドセットのアーム4の先端には、略S字状ピース11が取り付けられている。前記ピース1には、前記アーム4の軸線に対して角度θをもつ平坦面11a,11bが背中合わせに形成されている。前記ピース1の平坦面11a,11bのうち、先端側の平坦面11aは、図2及び図3に示すように話者1がヘッドセットを装着した場合に矢印で示すように話者1の口元1a側を向くように形成されている。また手前側の平坦面11bは、話者1の口元1aとは反対側の外側に向けて形成されている。
第1のマイクロフォン7は前記ピース11内に組み込まれ、前記第1のマイクロフォン7の受圧部が前記平坦面11a内に開放されている。したがって、前記第1のマイクロフォン7は、主に話者1からの音声による音圧を前記受圧部で受けて、音情報としての電圧信号を出力する。
第2のマイクロフォン8は前記ピース11内に組み込まれ、前記第2のマイクロフォン8の受圧部が前記平坦面11b内に開放されている。したがって、前記第2のマイクロフォン8は、話者1の口元1aに対して外側に向けてセットされるため、前記第2のマイクロフォン8は、話者1からの音声に加えて、遠距離音場の雑音源6から発生される雑音などによる音圧を前記受圧部で受けて、音情報としての電圧信号を出力する。
図4に示すマイクロフォンの取り付け構造によれば、話者1がヘッドセットを装着した場合、話者1の口元1aには第1のマイクロフォン7のみがセットされ、第2のマイクロフォン8は、第1のマイクロフォン7から離れてアーム4側にセットされることとなり、違和感を話者に与えることはない。
次に、本発明の実施形態に係るマイクロフォン装置5の特性評価を行った結果について説明する。この評価は、図11に示す従来の接話型マイクロフォンの周波数応答性との差異を評価するために行った。
前記評価は、次のようにして行った。すなわち、図7(a)に示すように、擬似の近接音源9を用意した。またマイクロフォン装置5として、図2に示すマイクロフォン装置5を用いた。前記マイクロフォン装置5は、前記近接音源9の前方位置にセットし、近接音源9と第1のマイクロフォン7との間の距離をLに設定した。この場合、第2のマイクロフォン8は、前記近接音源9に対して前記第1のマイクロフォン7より遠方に配置されている。この状態において、前記近接音源9から信号を20Hz〜20KHzの範囲で周波数を変化させて出力し、マイクロフォン7及び8の周波数応答性を評価した。
さらに、前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8の間の中心位置と前記近接音源9との間の距離をL1,L2に変化させた。前記距離がL1の場合、本発明の実施形態に係るマイクロフォン装置5の第1のマイクロフォン7及び第2のマイクロフォン8は、前記近接音源9により生成される球面波音場内にセットされることを意味する。また前記距離がL2の場合、本発明の実施形態に係るマイクロフォン装置5の第1のマイクロフォン7及び第2のマイクロフォン8は、前記近接音源9に対して遠方に位置する雑音源6により生成される遠距離音場内にセットされることを意味する。また距離L1は2.5cm、距離L2は1mにそれぞれ設定した。
図7(b)において、前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8の間の中心位置と前記近接音源9との距離をL2に設定した場合、実線で示すように、低周波域の応答が極めて劣化しており、高周波数域に移行するにつれて徐々に改善される特性を示している。さらに、8KHZを超える領域では大きなピークとディップが発生している。このような周波数応答性では、近接音源に対して平坦な周波数応答性が要求されるマイクロフォン装置としては不的確なものであることが分かる。
図7(b)において、前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8の間の中心位置と前記近接音源9との距離をL1に設定した場合、すなわち、第1のマイクロフォン7及び第2のマイクロフォン8を近接音源9により生成される球面波音場内にセットした場合、一点鎖線で示すように、低周波域から高周波数域に渡って周波数応答性が平坦になっていることが分かる。また、高周波域でのダンピング現象も極めて小さく抑圧されていることが分かる。
さらに、本発明の実施形態に係るマイクロフォン装置5では、次のことに注目すべきである。すなわち、低周波域での騒音抑圧効果が極めて大きく、周波数応答性における出力レベルが18dB付近まで大幅に改善されている。しかも、前記約18dBの出力レベルは、図7(b)から明らかなように、低周波域から高周波域に渡って維持されている。さらには、高周波域の上限は約20KHzまで延長されており、その付近でも周波数応答性が平坦であって、かつ出力レベルも大幅に改善されている。
図7(b)に示す評価結果は、本発明の実施形態において、組をなす第1のマイクロフォン7と第2のマイクロフォン8を、近接音源9により生成される球面波音場に配置し、前記第1のマイクロフォン7を近接音源9に接近する位置にセットし、前記第2のマイクロフォン8を、前記マイクロフォン7と前記近接音源9との間の距離に比して遠方にセットした構成に基づくものであると考えられる。また前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8の間の音響端子間距離dは、平面波の音圧で收音可能な周波数域の上限値に基づいて決定され、その評価結果が図7(b)に示す結果であるため、前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8の間の音響端子間距離dが比較的広く確保されていることが立証されている。
以上のように音発明の実施形態によれば、近接音源に対して平坦な応答特性を得ることができ、しかも低周波域での騒音抑圧効果を十分に確保することができるものである。さらに、第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンからの出力信号を減算処理するだけで騒音抑圧効果を得ることができるため、マイクロフォン以外に余分な回路を必要とせず、小型化を計ることができる。
なお、本発明の実施形態では、コールセンターで使用されるヘッドセットのマイクロフォン装置に本発明を適用した場合を説明したが、これに限られるものではない。コールセンターばかりでなく、騒音環境下での音声通信、例えば店舗・遊技場、オフィス、工場・屋外作業場などで使用するマイクロフォン装置にも同様に本発明を適用することができるものである。
また、本発明の実施形態では、第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンに無指向性のものを用いたが、これらのマイクロフォンとして指向性を持つものを用い、回路構成にて周波数応答等を補正するようにしてもよいものである。
以上の説明では、周囲騒音抑圧をオン(ON)した場合について説明しているが、これに限られるものではない。相手に周囲の雰囲気を伝えたい場合、或いは風が非常に強くて風雑音レベルが高くマイクロフォン装置を使用した会話が困難な場合などには、図8に示すように、音源近くの第1のマイクロフォン7で拾った音のみを出力し、第2のマイクロフォン8の出力が減算器10に供給されないように、スイッチ12でマイクロフォン8の動作をOFFに切り替えるようにしてもよいものである。
次に、本発明に係るマイクロフォン装置を携帯端末に組み込んだ実施形態を説明する。この実施形態では、携帯端末の1つである携帯電話に本発明に係るマイクロフォン装置を組み込んでいる。なお、携帯端末は、携帯電話に限られるものではなく、本発明に係るマイクロフォン装置は、携帯電話以外の携帯端末に組み込んでも良いものである。
図9に示す携帯電話13は、ユーザが携帯して必要なときに使用されるものであり、人混みの中などで使用する場合、携帯電話13のマイクロフォンは、周囲の話し声などを拾ってしまい、相手方の声が聞きづらいものである。
そこで、本発明の実施形態では、携帯電話13のマイクロフォンを第1のマイクロフォン7として用い、第2のマイクロフォン8をアーム14に取り付け、前記アーム14を携帯電話13に繰り出し可能に取り付けている。
図9に示す携帯電話13を使用する場合には、ユーザの発する声が近接音源となる。図9に示す携帯電話13からアーム14を繰り出す構成としては、図10(a)に示すように携帯電話13に形成した図示しないスライド溝に沿ってアーム14を直線状に引き出す構成、或いは図10(b)に示すようにアーム14の一端をピボット支持して回転可能に取り付け、アーム14を回転させて第2のマイクロフォン8を携帯電話13の外部に繰り出すように構築する。
図10(a)或いは図10(b)に示すように、携帯電話13の使用時に第2のマイクロフォン8を携帯電話13の外部に引き出してセットした場合、第2のマイクロフォン8は、第1のマイクロフォン7と近接音源との間の距離に比して遠方にセットされ、第1のマイクロフォン7と第2のマイクロフォン8との間の距離は、上述した音響端子間距離dに設定される。
図10(a)及び図10(b)に示す本発明の実施形態によれば、上述したように、組をなす第1のマイクロフォン7と第2のマイクロフォン8は、近接音源(ユーザの声)により生成される球面波音場に配置されているため、図13に示すマイクロフォン装置の場合に考慮する必要があった、雑音が通過する経路の伝達係数を推定する必要がなく、伝達関数模擬回路が不要となり、マイクロフォン装置の構造を簡素化することが可能となる。さらに、前記第1のマクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8から出力される音情報を減算処理するだけで騒音抑圧効果が得られることとなる。
さらに、前記第1のマイクロフォン7を近接音源に接近する位置にセットし、前記第2のマイクロフォン8を、前記マイクロフォン7と前記近接音源との間の距離に比して遠方にセットすることにより、前記第1のマイクロフォン7と前記第2のマイクロフォン8の間隔である音響端子間距離dを比較的広く確保することが可能となり、近接音源に対するマイクロフォン装置の周波数応答性が向上することとなる。
なお、図10(a)及び図10(b)に示す実施形態では、第2のマイクロフォン8を取り付けたアーム14を携帯電話13内に折り畳んだ状態で、第2のマイクロフォン8が図8に示すようにスイッチ12で回路から切り離され、逆に、アーム14を引き出して第2のマイクロフォン8を定位置にセットした場合、第2のマイクロフォン8がスイッチ12で回路に接続される構成としてもよいものである。
図9及び図10に示す実施形態では、第2のマイクロフォン8を取り付けたアーム14を携帯電話13に外側に引き出し可能に取り付けたが、これに限られないものである。前記第2のマイクロフォン8を取り付けたアーム24を携帯電話13に着脱自在に取り付け、第2のマイクロフォン8を用いる場合に、前記アーム24を携帯電話13に取り付け、第2のマイクロフォン8を、前記第1のマイクロフォン7と近接音源との間の距離に比して遠方にセットするようにしてもよいものである。
また図11に示すように、第1のマイクロフォン7を、近接音源であるユーザの声を拾う位置で携帯電話13に固定し、第2のマイクロフォン8を、前記第1のマイクロフォン7と近接音源との間の距離に比して遠方にセットして携帯電話13に固定してもよいものである。この場合にも、第2のマイクロフォン8を使用しない場合には、第2のマイクロフォン8を図8に示すようにスイッチ12で回路から切り離し、逆に、第2のマイクロフォン8を使用する場合、第2のマイクロフォン8をスイッチ12で回路に接続する構成としてもよいものである。この場合においても、第1のマイクロフォン7と第2のマイクロフォン8との間の距離は、上述した音響端子間距離dに設定される。
図11に示す実施形態の場合、ユーザが携帯電話13を握ったときに、第1のマイクロフォン7及び第2のマイクロフォン8の開口部がユーザの手で覆われてしまう可能性がある。そこで、図11に示すように、第1のマイクロフォン7に近接音源からの音声を導く第1の音導15の一端を接続し、その音導15の他端をユーザの手で塞がれない位置に開口している。同様に、第2のマイクロフォン8に第2の音導16の一端を接続し、その音導15の他端をユーザの手で塞がれない位置に開口している。
図11に示す実施形態によれば、第1のマイクロフォン7及び第2のマイクロフォン8が携帯電話13に組み込まれ、これらのマイクロフォン7,8が携帯電話13の外部に突出しないため、汎用の携帯電話として違和感なく使用することができる。また、第1のマイクロフォン7及び第2のマイクロフォン8は、音導15,16の存在によって音情報を確実に拾うことができ、第1のマイクロフォン7及び第2のマイクロフォン8による騒音抑圧効果を十分に発揮させることができる。
以上説明したように本発明によれば、コールセンターばかりでなく、騒音環境下での音声通信、例えば店舗・遊技場、オフィス、工場・屋外作業場などで使用するマイクロフォン装置として最適である。
本発明の実施形態に係るマイクロフォン装置が使用される一例の環境を示す図である。 本発明の実施形態におけるマイクロフォンの配置関係を示す図である。 本発明の実施形態におけるマイクロフォンの配置関係を示す図である。 本発明の実施形態におけるマイクロフォンの取り付け状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面側から見た図、(c)は話者側から見た図である。 (a)及び(b)は、図2及び図3に示したマイクロフォン装置の特性の相違を評価するための配置関係を示す図、(c)は、評価結果を示す特性図である。 (a)は、第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンが出力する信号に対して減算処理を行う場合を示す回路図、(b)及び(c)は、第1及び第2のマイクロフォンが出力する信号の一例を示す波形図である。 (a)は、本発明の実施形態に係るマイクロフォン装置の評価を行う状態を示す図、(b)は評価結果を示す特性図である。 本発明の別の実施形態に係るマイクロフォン装置を示す回路図である。 本発明に係るマイクロフォン装置を携帯電話に組み込んだ実施形態であって、マイクロフォン装置を折り畳んだ状態を示す正面図である。 (a)は本発明に係るマイクロフォン装置を携帯電話に組み込んだ実施形態であって、アームを直線状に繰り出して第2のマイクロフォンを携帯電話の外部に引き出す構成を示す正面図、(b)は、アームを回転させて第2のマイクロフォンを携帯電話の外部に引き出す構成を示す正面図である。 (a)は、本発明に係るマイクロフォン装置を携帯電話に組み込んだ別の実施形態を折り畳んだ状態を示す正面図、(b)は同側面図である。 第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンの間隔である音響端子間距離と騒音抑圧量との関係を示す特性図である。 従来のヘッドセットに組み込まれたマイクロフォン装置を示す図である。 従来の接話型マイクロフォンを示す断面図である。 図10に示す接話型マイクロフォンによる周波数応答性を示す特性図である。 従来のマイクロフォン装置を示す図である。 従来のマイクロフォン装置を示す図である。
符号の説明
5 マイクロフォン装置
6 雑音源(遠距離音源)
7 第1のマイクロフォン
8 第2のマイクロフォン
9 近接音源
12 スイッチ

Claims (12)

  1. 組をなす第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンを、近接音源により生成される球面波音場に配置し、
    前記第1のマイクロフォンを近接音源に接近する位置にセットし、
    前記第2のマイクロフォンを、前記第1のマイクロフォンと前記近接音源との間の距離に比して遠方にセットしたことを特徴とするマイクロフォン装置。
  2. 前記第1のマイクロフォンと前記第2のマイクロフォンの間の音響端子間距離は、平面波の音圧で收音可能な周波数域の上限値に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン装置。
  3. 前記第1のマイクロフォンと前記第2のマイクロフォンとの間の音響端子間距離dを、
    30mm付近<d<50mm付近の範囲に設定したことを特徴とする請求項2に記載のマイクロフォン装置。
  4. 前記第1のマイクロフォンは、前記近接音源の前方に配置し、
    前記第2のマイクロフォンは、前記第1のマイクロフォンの位置に対して横方向にずれた位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン装置。
  5. 前記第1のマイクロフォンと前記第2のマイクロフォンは、前記近接音源に対して一直線上に配列したことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン装置。
  6. 前記第1のマイクロフォン及び前記第2のマイクロフォンは、無指向性の收音特性を有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン装置。
  7. 前記第2のマイクロフォンの動作をON/OFF切替可能としたことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン装置。
  8. 前記第1のマイクロフォン及び前記第2のマイクロフォンは、携帯端末に装備されたマイクロフォンであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン装置。
  9. 前記第2のマイクロフォンは、前記携帯端末から繰り出されて、前記第1のマイクロフォンと前記近接音源との間の距離に比して遠方にセットされることを特徴とする請求項8に記載のマイクロフォン装置。
  10. 前記第2のマイクロフォンは、前記携帯端末に着脱可能に取り付けられ、前記第1のマイクロフォンと前記近接音源との間の距離に比して遠方にセットされることを特徴とする請求項8に記載のマイクロフォン装置。
  11. 前記第1のマイクロフォン及び前記第2のマイクロフォンは、前記携帯端末に固定して取り付けられたことを特徴とする請求項8に記載のマイクロフォン装置。
  12. 前記第2のマイクロフォンの動作をON/OFF切替可能としたことを特徴とする請求項8に記載のマイクロフォン装置。
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