JP2007299962A - 薄ディスクレーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、極薄ディスクをレーザ媒質とした場合でも簡便な調整で安定かつ高効率な励起がなしえる薄ディスクレーザ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】厚さが0.1mm以下のYAG透明セラミックス接合体11と、このYAG透明セラミックス接合体11と光学的に接合されたYAG透明セラミックス接合体12を具備することを特徴とする薄ディスクレーザ装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、薄ディスクレーザ装置に関する。
産業用の加工機等に使用される高出力固体レーザ装置は、従来のランプ励起に比べてより長寿命、高効率、かつ信頼性が高い半導体レーザ(レーザダイオード。以下、LDと呼ぶ)を励起光源としたLD励起固体レーザ装置へと移行しつつある。これはLDの高出力化、低価格化が大きく進んだためである。LDの性能向上とともに利得媒質の形状も従来主流のロッド形状だけでなく、ファイバー、ディスク等のこれまでにない様々な形状が出現し、非常に高性能なレーザ装置が提案されている。連続発振(以下、CW発振)レーザ装置では、光ファイバーのコア部にレーザ活性イオンをドープしたファイバーレーザにおける出力の延びが目覚しく、現在ではシングルモードでCW1kW以上の出力が得られるものも得られている。輝度の点においても、従来の高出力レーザの代名詞であったCOレーザを超える出力が得られようになった。
しかし、ファイバーレーザは直径1mm以下のコアを通してレーザ光の伝搬・増幅を行うため、エネルギー密度が高くなりやすく、ピークパワーの高いパルスレーザヘの応用では損傷閾値(特にファイバー端面)の問題からハイパワー化が難しい。また、ファイバーレーザでは一般に数メートルオーダーのファイバーを用いるため、レーザ光が長い光路を通過する際に生じる光誘導ラマン散乱、ブリルアン散乱等の非線形光学効果の影響が大きくなり、分散補償の面からも短パルス化が難しいといったデメリットも存在する。
それに対し、バルクの利得媒質を用いる固体レーザにおいては、ビーム径を大きくとることで利得媒質やミラー等の光学部品上におけるレーザ光のパワー密度を低く抑えることが可能となり、ハイパワーパルスの発生が可能である。さらに、ディスクレーザにおいては、利得媒質中のレーザ光路長が短くなるため、ファイバーレーザとは反対に非線形光学効果の影響が小さく分散補償も比較的容易になり、フェムト秒クラスの超短パルス・高ピークパワーレーザの発振も可能である。このように、ディスクレーザは高出力レーザ用の構成として非常に大きな可能性を持っている。
ところで、ディスクレーザにおいては、ディスク片面にミラーコーティングが施されたものは特にアクティブミラー型と呼ばれ、ミラーコーティング面をヒートシンク等と接合することにより高効率な利得媒質の冷却が可能となる。また、このような形式のディスクレーザは利得媒質を薄くするほど冷却効率が高くなり、利得媒質の厚さが数百μm程度のものは特に薄ディスクレーザと呼ばれている。この薄ディスクレーザは理論的には優れた特性が得られる構造であるが、利得媒質の薄さから励起光を効率的に吸収させることが難しい。そこで、ディスク側面から励起光を導入しディスク面内方向に光を伝搬させることで吸収長を稼ぐ側面励起方式のレーザ装置(特許文献1)、ミラーを用いて利得媒質中で励起光を反復させる端面往復励起方式のレーザ装置(特許文献2)、励起光を導くための導波光学系を接合したレーザ装置(特許文献3)など、様々な励起方式が検討されている。特許文献2による方法では、数kWクラスのCW出力が得られるレーザ装置も市販されている。なお、特許文献1のように側面励起方式のレーザ装置としては、例えば非特許文献1が知られている。
特開2004−356479 特開平11−121855 特開2004−152817 「側面励起型高出力Yb:YAGコンポジットディスクレーザー」,社団法人レーザ学会,第33巻第4号,2005年4月発行
アクティブミラー型ディスクレーザの高性能化には、レーザ媒質の薄肉化による冷却効率向上と励起効率向上が必要となる。側面励起方式はシンプルな光学系で高効率な励起を実現できるが、ディスクが薄くなるほど励起光を導入する利得媒質側面の面積も狭くなるため、励起光の導入も困難になる。往復端面励起においてはディスク端面から励起光を導入するため、ディスク厚が薄くなっても励起光照射部の面積は変わらない。しかし、十分な励起光の吸収を得るためには反復回数を増やす必要があり、光学系が複雑になるうえ往復用のミラーにも精密な調整が要求されるようになる。このようにディスクの薄肉化と励起の高効率化は相反する関係にあり、これまでの方法では両者を追及すると非常にシビアな調整が要求されるシステムとなっていた。
ディスク厚を薄くした際に生じる弊害としては、上記励起方式の問題以外にも、薄ディスクの光学研磨の困難さがある。また、ディスクはヒートシンクに貼り付けられてはいるものの、高出力励起時にはどうしてもディスク内部の熱分布によって反りが生じ、それがレンズ効果を生み出し出力レーザ光のビーム品質を劣化させてしまうといった問題点も潜在的に存在していた。
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、極薄ディスクをレーザ媒質とした場合でも簡便な調整で安定かつ高効率な励起がなしえる薄ディスクレーザ装置を提供することを目的とする。
本発明の薄ディスクレーザ装置は、厚さが0.1mm以下のディスクレーザ媒質と、このディスクレーザ媒質と光学的に接合された励起光閉じ込め部を具備することを特徴とする。
また、本発明の薄ディスクレーザ装置は、前記励起光閉じ込め部と前記ディスクレーザ媒質の屈折率の差が±10%以下であることを特徴とする。
更に、本発明の薄ディスクレーザ装置は、前記励起光閉じ込め部と前記ディスクレーザ媒質のホスト材料が同一、もしくはお互いの屈折率が同じであることを特徴とする。
更には、本発明の薄ディスクレーザ装置は、前記励起光閉じ込め部の一部に励起光導入窓を有し、該励起光導入窓1個あたりの面積が0.8mm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、本発明の構造を用いることにより、従来の側面励起・端面励起ディスクレーザと比較して、効率、ビーム品質の面で優れたディスクレーザ装置を得られることが可能。また、光学系の調整も他の方式に比べて非常に容易になる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明における薄ディスクレーザ装置の構成を図1(A)〜(C)に示す。ここで、図1(A)は薄ディスクレーザ装置の構成を示す概略図、図1(B)は図1(A)のX部の断面図、図1(C)は図1(A)のY部の断面図を示す。
本発明の薄ディスクレーザ装置は、厚さ0.1mm以下の薄ディスクレーザ媒質1と、励起光閉じ込め部としての励起光閉じ込め用コア部2と、励起光閉じ込め用クラッド部3を備えている。薄ディスクレーザ媒質1は、遷移金属、希土類などのレーザ活性イオンが添加されたYAG、Y等の単結晶もしくはセラミックスのレーザホスト材料からなる。励起光閉じ込め用コア部2は、励起光波長、レーザ発振波長に対して透明な材質からなり、前記薄ディスクレーザ媒質1と接合、一体化されている。励起光閉じ込め用クラッド部3は、励起光閉じ込め用コア部2よりも低屈折率な材料からなり、前記薄ディスクレーザ媒質1と励起光閉じ込め用コア部2の接合体側面を取り囲むように接合されている。
前記薄ディスクレーザ媒質1,励起光閉じ込め用コア部2,励起光閉じ込め用クラッド部3の接合体の接合界面は、光の散乱等が十分に小さい光学的な接合とする。また、前記薄ディスクレーザ媒質1,励起光閉じ込め用コア部2,励起光閉じ込め用クラッド部3の接合体の上下端面は、光学研磨されている。前記薄ディスクレーザ媒質1が接合されている側の端面には、励起波長およびレーザ発振波長に対する高反射コーティング層(誘電多層膜)4を形成することでアクティブミラーを形成している。
前記高反射コーティング層4の端面は、高熱伝導接着剤やはんだ等によって冷却用ヒートシンク5に接合されて固定されている。誘電多層膜4の反対側に位置する前記励起光閉じ込め用コア部2及び励起光閉じ込め用クラッド部3の端面には、励起光波長に対しては高反射で、レーザ発振波長に対しては低反射のダイクロイックコーティング層(誘電多層膜)6が形成され、そこに近接するように出力ミラー7を配置して高反射コーティング層4との間でレーザ共振器を構成する。前記誘電多層膜6には、図1(B)に示すように、励起光導入用窓8として面積0.8mm以下の無コーティング部(又は励起光波長に対する低反射コーティング部)が形成され、集光した励起光をそこから励起光閉じ込め用コア部2に導入するようになっている。
集光したビームは、ビームウェスト(焦点)より遠い位置では発散するようになる。しかし、発散ビームが励起光閉じ込め用コア部2と励起光閉じ込め用クラッド部3の接合界面に対して入射する角度を全反射角以上にすることで、励起光導入用窓8より外に出てしまう一部の励起光を除いた大部分の励起光を励起光閉じ込め用コア部2の中に閉じ込めることが出来る。閉じ込められた励起光は、励起光閉じ込め用コア部2の中で反射を繰り返すうちに、底面に接合されている薄ディスクレーザ媒質1に吸収される。ここで、薄ディスクレーザ媒質1と励起光閉じ込め用コア部2の接合界面は何度も光が通過するため、素材の屈折率の違いに起因する反射損失(フレネル反射)を小さくするためにも同じ素材であることが好ましい。
本発明において、前記励起光閉じ込め部と前記ディスクレーザ媒質の屈折率の差は±10%以下であることが好ましい。ここで、両者の屈折率の差が小さければ小さいほどレーザの特性が向上する。また、本発明においては、励起光閉じ込め部と前記ディスクレーザ媒質のホスト材料が同一、もしくはお互いの屈折率が同じであることが好ましい。具体的な材料としては、例えばYAG,Yが挙げられる。
本発明において、前記励起光導入窓8のサイズは大きいほど励起光の導入は容易になるが、励起光の閉じ込め効率も低下する。また、励起用に用いられる高出力LDは、ビーム品質が低く集光性も悪いが、φ1mm程度までなら容易に集光が可能である。そのため、励起光導入窓1個あたりのサイズは0.8mm(約φ1mm)以下であることが好ましい。ここで、励起光導入窓のサイズが0.8mmを超えると、励起光の閉じ込め効率が低下する。
また、厚み0.1mm以下の自立薄ディスクレーザ媒質を得るのは、加工の面で非常に困難である。しかし、本発明では、薄ディスクレーザ媒質1は励起光閉じ込め用コア部2と接合されているため、レーザ媒質自体の厚みが薄くなっても剛性が高く、高精度の光学研磨が可能となる。更に、本発明の場合、高出力動作時における熱歪に対しても自立型薄ディスクに比べて強くなる利点を持つ。
以下に、本発明の具体的な実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1に係る薄ディスクレーザ増幅装置の構成を図2(A)〜(C)に示す。ここで、図2(A)は薄ディスクレーザ増幅装置の構成を示す概略図、図2(B)は図2(A)のX部の断面図、図2(C)は図2(A)のY部の断面図を示す。
薄ディスクレーザ増幅装置は、厚さ約50μmのYAG透明セラミックス接合体(薄ディスクレーザ媒質)11と、励起光閉じ込め部としてのYAG透明セラミックス接合体(励起光閉じ込め用コア部)12と、光学接着剤層(励起光閉じ込め用クラッド部)13を備えている。一方のYAG透明セラミックス接合体(以後、第1の接合体と呼ぶ)11にはレーザ活性イオンとしてイッテルビウム(Yb)が20at%添加され、他方のYAG透明セラミックス接合体(以後、第2の接合体と呼ぶ)12は無添加である。また、光学接着剤層13の屈折率nはn=1.5である。
第1の接合体11及び第2の接合体12は当初φ15mm×40mm(第1の接合体11は約2mm×0.5mm、波長632.8nmにおける屈折率は1.83)であり、第1の接合体11の厚みが約100μm前後になるように第1の接合体11を研削加工した後、全体のサイズがφ12×30mmになるように形状加工および全面に対して光学研磨を施した。なお、第1の接合体11は、最終的には厚みが約50μm前後になるように調整した。
前記第1の接合体11及び第2の接合体12のレーザ媒質部側には、励起波長(940nm)と発振波長(1030nm)に対してR>99.5%の高反射率が得られる,高熱伝導率の導電接着剤からなる誘電多層膜14がスパッタ法により形成されている。同様にして、第1の接合体11及び第2の接合体12のレーザ媒質部と対向する面には、励起波長(940nm)に対してR>99.5%の高反射率、発振波長(1030nm)に対してはR<0.2%の低反射率が得られる,誘電多層膜15が形成されている。
誘電多層膜15には、図2(B)に示すように、φ0.8mmの励起光導入用窓16が4個形成されている。これらの励起光導入用窓16より、光ファイバー17から集光レンズ(f=50mm)18,出力ミラー19を経た集光した励起光を導入し、第1の接合体11に導入するようになっている。なお、誘電多層膜15の形成時、励起光導入窓16となる部分にはマスキングを施し、その部分のみコーティングがされないようにした。
曲率50mmの出力ミラー19は、誘電多層膜14と平行になるように設置されて、レーザ共振器を構成している。出力ミラー19は、励起波長(940nm)に対してR<0.2%の低反射率、発振波長(1030nm)に対してはR<97%の反射率となる。集光レンズ18は出力ミラー19の上方に位置し、光ファイバー17の端から出力されるレーザ光をスポットサイズφ0.4mmに集光するようになっている。図示しないが、波長940nm、出力100Wの励起用ファイバー結合型半導体レーザは4台準備され、夫々の半導体レーザのLDに前記ファイバー17が接続されている。
前記第1の接合体11,第2の接合体12、光学接着剤13及び誘電多層膜14,15を一体化したものは、φ13mm、深さ30mmの穴20aが開いた銅製の水冷ヒートシンク20に収納されている。
こうした構成の薄ディスクレーザ増幅装置は、第1の接合体11と、第2の接合体12と、光学接着剤層13と、第2の接合体12及び光学接着剤層13の上下部に夫々配置された誘電多層膜14,15と、これらの各部材を収納する水冷ヒートシンク20と、誘電多層膜15の上方に配置された出力ミラー19,集光レンズ18と、光ファイバー17を具備した構成となっている。
こうした装置においては、励起導入窓16のサイズ(φ0.8mm)が励起光の集光スポットサイズ(φ0.4mm)の2倍であるため、光軸調整が非常に容易である。また、第1の接合体11の屈折率はn=1.83、光学接着剤層13の屈折率はn=1.5であるため、第1の接合体11から光学接着剤層13に光が出射する際の全反射角θはθ=sin−1(1.5/1.83)=55°となる。ここで、導入した励起光を第1の接合体11の内部に閉じ込めるためには、励起光の界面に対する入射角を全反射角θ以上にすることで光の閉じ込めを行うことが出来る。レーザ出力特性を評価したところ、励起光出力トータル250W時に、CWレーザ出力100W、M<35、スロープ効率61%を得た。
(比較例1)
実施例と全く同様の系で、励起光導入窓16のサイズをφ2mmとしたものを作製し、レーザ出力特性を評価した。その結果、励起光出力ト一夕ル250W時にCWレーザ出力60W、M<36、スロープ効率36%を得た。比較例1の場合、励起光導入窓のサイズは励起光の集光スポットサイズの5倍となり、実施例と比較してもさらに光軸調整は容易になった。しかし、励起光導入窓16のサイズの増加と共に励起光の閉じ込め効率が低下し、出力と効率が低下した。
(比較例2)
比較例2に係るレーザ発振光学系を、図3を参照して説明する。但し、図2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番21は、銅製の水冷ヒートシンクを示す。この水冷ヒートシンク2の上部には高反射の誘電多層膜22が高熱伝導接着剤(図示せず)を介して形成され、その上に薄ディスクレーザ媒質23が形成されている。薄ディスクレーザ媒質23には、イッテルビウム(Yb)が20at%添加されている。前記薄ディスクレーザ媒質23の上方には、曲率50mmの出力ミラー19が誘電多層膜22と平行になるように設置されて、レーザ共振器を構成している。出力ミラー19は、励起波長(940nm)に対してR<0.2%の低反射率、発振波長(1030nm)に対してはR<97%の反射率となる。なお、図示しないが、波長940nm、出力100Wの励起用ファイバー結合型半導体レーザは4台準備され、夫々の半導体レーザのLDにファイバー17が接続されている。
こうした構成の薄ディスクレーザ装置において、薄ディスクレーザ媒質23としてYbが20at%添加されている□2mm×0.5mmのYAG単結晶を準備し、表面全体に対して光学研磨を施した。また、半導体レーザの夫々のLDに接続されたファイバー17の端から出力されるレーザ光をf=50mmの集光レンズ18で薄ディスクレーザ媒質23の厚み以下のスポット径まで集光し、薄ディスクレーザ媒質23に対して側面励起が可能な光学系を構築し、薄ディスクレーザ増幅装置を得た。励起光は、薄ディスクレーザ媒質23に対して4方向から均等に入射される。
上記レーザ装置のレーザ出力特性を評価したところ、励起光出力トータル250W時にCWレーザ出力90W、M<45、スロープ効率43%を得た。
(比較例3)
実施例2と全く同様の系で、薄ディスクレーザ媒質の厚さを0.1mmとしたものを作製し、レーザ出力特性を評価した。その結果、励起光出力トータル250W時にCWレーザ出力5W、M<48、スロープ効率10%を得た。出力と効率の低下原因は、薄ディスクレーザ媒質の厚さに対して励起光のスポットサイズが十分に小さくなっていないため、励起光が蹴られて結合効率が大幅に低下したことによると推定される。なお、光軸調整も非常に困難であった。
(比較例4)
比較例4に係るレーザ発振光学系を、図4を参照して説明する。但し、図2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図中の符番24は、集光レンズ19からの励起光(波長940nm)が入射される,中心に穴24aが開けられた放物面ミラーを示す。この放物面ミラー24は、薄ディスクレーザ媒質23に重なるように配置されている。また、符番25は、放物面ミラー24で反射された光を受ける8個の励起光折り返し用90度プリズムを示す。なお、図示しないが、波長940nm、出力300Wの励起用ファイバー結合型半導体レーザが準備され、半導体レーザのLDにファイバー17が接続されている。
こうした構成の薄ディスクレーザ装置において、薄ディスクレーザ媒質23としてYbが20at%添加されているφ2mm×0.5mmのYAG単結晶を準備し、両端面に対して光学研磨を施した。また、半導体レーザのLDに接続されたファイバー17の端から出力されるレーザ光を、集光レンズ18で平行光として放物面ミラー24に対し垂直に入射した。レーザ光(励起光)は放物面ミラー24によって薄ディスク媒質23上に集光・吸収され、吸収されなかったレーザ光は誘電多層膜22によって反射され、放物面ミラー24に垂直な方向へ出射される。ここで、前記90度プリズム25の設置により、励起光を180度方向転換させ、再び放物面ミラー24に入射し、薄ディスクレーザ媒質23の励起を行う。
なお、90度プリズム25を複数個用いることで、その個数分だけ反復の回数を増加させることができる。
比較例4の薄ディスクレーザ装置について、レーザ出力特性を評価したところ、励起光出力250W時にCWレーザ出力90W、M<40、スロープ効率53%を得た。しかし、プリズムの調整にはかなりの時間を要した。下記表1は、上記実施例及び比較例1〜4の結果のまとめを示す。
Figure 2007299962
本発明によれば、励起光吸収効率の向上、剛性の向上、ディスクの薄肉化に寄る冷却性能の向上などの寄与により、従来の側面励起ディスクレーザ、端面励起ディスクレーザと比較しても、効率、ビーム品質の面で優れたディスクレーザ装置が得られることが確認できた。また、光学系の調整も他の方式に比べて非常に容易である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。具体的には、上記実施形態ではCW発振の例のみ取り上げたが、共振器中にQスイッチ等を配置することによりパルスレーザ発振も可能である。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合せてもよい。
図1は、本発明に係る薄ディスクレーザ増幅装置の説明図を示す。 図2は、本発明の実施例に係る薄ディスクレーザ増幅装置の説明図を示す。 図3は、比較例2に係る薄ディスクレーザ増幅装置(側面励起型)のレーザ発信光学系の説明図を示す。 図4は、比較例4に係る薄ディスクレーザ増幅装置(端面励起型)のレーザ発信光学系の説明図を示す。
符号の説明
11…YAG透明セラミックス接合体(第1の接合体)、12…YAG透明セラミックス接合体(第2の接合体)、13…光学接着剤層、14,15…誘電多層膜、16…励起光導入窓、17…光ファイバー、18…集光レンズ、19…出力ミラー、20…水冷ヒートシンク。

Claims (4)

  1. 厚さが0.1mm以下のディスクレーザ媒質と、このディスクレーザ媒質と光学的に接合された励起光閉じ込め部を具備することを特徴とする薄ディスクレーザ装置。
  2. 前記励起光閉じ込め部と前記ディスクレーザ媒質の屈折率の差が±10%以下であることを特徴とする請求項1記載の薄ディスクレーザ装置。
  3. 前記励起光閉じ込め部と前記ディスクレーザ媒質のホスト材料が同一、もしくはお互いの屈折率が同じであることを特徴とする請求項1もしくは2記載の薄ディスクレーザ装置。
  4. 前記励起光閉じ込め部の一部に励起光導入窓を有し、該励起光導入窓1個あたりの面積が0.8mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の薄ディスクレーザ装置。
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