JP2007297636A - 異方性導電用樹脂組成物 - Google Patents

異方性導電用樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】接着性、耐熱性、耐湿性、低吸水性、誘電特性(低誘電率、低誘電正接)、長期信頼性に優れた異方性導電用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】極性基を有し、かつ、主鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位を30重量%以上の割合で含有する脂環式構造含有重合体と導電性フィラーとを含有する異方性導電用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、異方性導電用樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、接着性、耐熱性、耐湿性、低吸水性、誘電特性(低誘電率、低誘電正接)、長期信頼性に優れた異方性導電用樹脂組成物に関する。本発明の異方性導電用樹脂組成物は、ワニスまたは異方性導電用シート(フィルムを含む)として、例えば、配線基板へのベアチップの実装、リジッド基板とフレキシブル基板との接続などの用途に使用することができる。
従来より、プリント配線基板やセラミック基板などの配線基板に抵抗器、コンデンサ、コイルなどの一般電子部品や半導体素子を実装する場合、配線基板上に電子部品類を搭載し、はんだ付け接合を行っている。はんだ付け工程では、リフローソルダリングに続いてフローソルダリングを行う必要があるため、工程が煩雑であり、また、耐熱性のない部品を搭載することができない。さらに、電子部品の接着・接合において、接合部の微小化が進んでいるため、はんだ接合での対応が困難となっている。
そこで、電子機器の高密度実装化や小型化、電気性能の向上、製造コストの低減、組立の自動化などの要請に応えるため、様々な表面実装技術が開発されている。近年、エレクトロニクス実装技術として、電子部品の接着・接合や基板間の接続に、異方性導電材を用いた接続方式が注目を集めている。電子部品の接着・接合技術の分野では、可能な限り短い距離にて配線基板側の電極と半導体集積回路素子側の電極とを接続する技術が開発されている。その具体例として、半導体集積回路素子にバンプ(金属凸起;Auバンプやはんだバンプなど)を形成し、配線基板上の導体パターンとの間隙に異方性導電用シートを介在させ、押えつけることにより、バンプと配線基板上の導体パターンとを圧接接合し、電気的接続を形成する方法が開発されている。
基板間の接合技術では、異方性導電膜を介して、フレキシブル基板とリジッド基板とを接続する方式が採用されている。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)モジュールの実装形態では、半導体チップが組み込まれたテープキャリアパッケージ(TCP)とLCDパネルとを異方性導電材を介して接続する方式が採用されている。
異方性導電材は、バインダー樹脂中に金属微粒子や表面に導電膜を設けた樹脂ボール(微粒子)などの導電性フィラーを分散させた材料である。異方性導電材を用いた接合の機構は、異方性導電材中に分散された導電性フィラーがある確率を持って接続端子上に存在し、ボンディング時に熱と圧力を加えることにより、導電フィラーが端子間で点接触から面接触に近い状態にまで押しつぶされ、それによって、導電性を得ると共に、被着体を充分に接着し、安定した接合を行うというものである。導電性フィラーの充填量が多すぎると、端子間リークや接着力の低下を招き、少なすぎると、接続抵抗に問題が生じる。すなわち、導電性フィラーの分散量を調整することにより、横方向の絶縁性と上下の端子間の導電性とのバランスをとり、さらには、接着力の制御も行っている。
従来、異方性導電材のバインダー樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂と、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が使用されている。これらの樹脂の中でも、エポキシ樹脂は、高温条件下での接続抵抗値の変動が小さいので、熱可塑性の異方性導電材に比べて、長期信頼性に優れているとされている。
前記の如き熱可塑性樹脂をバインダーとする異方性導電材は、接着力や耐熱性が不充分であり、特に高温・高湿条件下での長期信頼性に劣っている。一方、熱硬化性樹脂をバインダーとする異方性導電材は、組立工程上で発生した接合不良によるリペア性に問題があった。例えば、LCDモジュールの実装において、接合不良が発生した場合、TCPを剥離した後の異方性導電材の残渣を取り除くことが難しい。また、半導体デバイスの場合、一部の欠陥のために全体をスクラップすることは、コスト的に多大の損失となる。したがって、配線修理や半導体チップの交換、再使用などの技術の確立が求められている。
また、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をバインダーとする異方性導電材は、熱可塑性樹脂をバインダーとするものに比べて長期信頼性が良好であるというものの、高温・高湿度条件下でのプレッシャークッカー試験(PCT)や温度サイクル試験(TCT)などで厳しいストレスを加えた場合、特性が変化し、接続抵抗値が大幅に上昇するという問題がある。さらに、熱硬化性樹脂をバインダーとする異方性導電材は、長期保存性に劣る。したがって、従来の異方性導電材は、厳しい使用条件を満足することが要求される広い分野に普及することが困難であった。
一方、電子部品の小型化や高密度実装が進むにつれて、端子間隔が縮小してきており、電極の微細ピッチ化への対応と接続部の高信頼性の確保が求められている。ところが、従来の異方性導電材では、微細ピッチ化への対応を充分に行うことができない。微細ピッチ化に対応する方法として、例えば、金属膜被覆樹脂ボールに絶縁膜被覆処理を行うなどの特殊加工をした導電性フィラーを大量に樹脂中に分散させる方法が知られている。しかし、微細ピッチ化の進展により、例えば、ビームリードタイプのICチップの場合、ビームリードの幅は50〜100μmで、リード間隔も50〜100μm程度となっている。このような微細ピッチ化した電子部品に対し、従来の異方性導電材を用いてバンプ接合する場合、バンプ相互間の絶縁性を確保することが困難である。したがって、誘電特性に優れた接着性樹脂材料が求められている。
本発明の目的は、接着性、耐熱性、耐湿性、低吸水性、誘電特性(低誘電率、低誘電正接)、長期信頼性に優れた異方性導電用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、前記従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、極性基を有する脂環式構造含有重合体と導電性フィラーとを含有する樹脂組成物が異方性導電用樹脂組成物として優れた諸特性を示すことを見いだした。この樹脂組成物は、ワニスとして配線基板などに塗布して塗膜(異方性導電膜)とすることができ、また、異方性導電用シート(フィルムを含む)として使用することができる。本発明の異方性導電用樹脂組成物は、特に長期信頼性に優れ、誘電特性にも優れている。本発明の異方性導電用樹脂組成物のバインダー樹脂は、硬化剤を配合することにより、硬化型樹脂として使用することができるが、硬化剤を配合しないで熱可塑性樹脂として使用することもできる。この熱可塑性樹脂をバインダーとする本発明の異方性導電用樹脂組成物は、リペア性が要求されるフリップチップの配線基板への接合等の用途に好適に適用することができる。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、極性基を有し、かつ、主鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位を30重量%以上の割合で含有する脂環式構造含有重合体と導電性フィラーとを含有する異方性導電用樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、極性基を有し、かつ、主鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位を30重量%以上の割合で含有する脂環式構造含有重合体と導電性フィラーを有機溶媒に溶解ないしは分散させてなる異方性導電用ワニスが提供される。
さらに、本発明によれば、極性基を有し、かつ、主鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位を30重量%以上の割合で含有する脂環式構造含有重合体と導電性フィラーとを含有する樹脂組成物からなる異方性導電用シートが提供される。
本発明によれば、接着性、耐熱性、耐湿性、低吸水性、誘電特性(低誘電率、低誘電正接)、長期信頼性に優れた異方性導電用樹脂組成物が提供される。本発明の異方性導電用樹脂組成物は、ワニスまたは異方性導電用シートとして、例えば、配線基板へのベアチップの実装、リジッド基板とフレキシブル基板との接続などの用途に使用することができる。
極性基を有する脂環式構造含有重合体
本発明で使用される脂環式構造含有重合体の極性基としては、格別な限定はないが、通常は、ヘテロ原子、またはヘテロ原子を有する原子団などを挙げることができる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ハロゲン原子などが挙げられるが、接着性の観点から、酸素原子及び窒素原子が好ましく、酸素原子が特に好ましい。また、本発明においては、活性水素を有する極性基が、特に接着性に優れるので好適である。極性基の具体例としては、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、カルボニルオキシカルボニル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン基などが挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基、ヒドロキシル基、シラノール基、アミノ基などが好ましく、カルボキシル基及びヒドロキシル基がより好ましく、カルボキシル基が特に好ましい。
本発明に使用される極性基を有する脂環式構造含有重合体は、主鎖に脂環式構造を有するものであり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有する。脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、誘電特性(低誘電率、低誘電正接)や耐熱性の観点から、シクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の特性が高度にバランスされ好適である。
本発明に使用される脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、誘電特性、耐熱性、及び長期信頼性に劣り好ましくない。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
かかる極性基を有する脂環式構造含有重合体としては、例えば、脂環式構造含有重合体に変性反応で極性基を導入した脂環式構造含有重合体が、高分子量でかつ極性基を多く含有し、接着性が高く、好適に用いられる。
脂環式構造含有重合体の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及び(5)これらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物がより好ましい。
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122137号公報などに開示されている方法によって、ノルボルネン系モノマーを(共)重合したものが用いられる。具体的には、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物の付加共重合体などの熱可塑性ノルボルネン系樹脂が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や誘電特性を高度にバランスさせる上で、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合体可能なビニル化合物との付加共重合体などが好ましく、ノルボルネン系モノマーの開重合体水素添加物が特に好ましい。
ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名「ノルボルネン」)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名「ジシクロペンタジエン」)、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(慣用名「テトラシクロドデセン」)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.0.110,13.02,7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタシクロ[6.5.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン、シクロペンタジエンの4量体以上の付加物、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[6.5.0.12,5.08,13]トリデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[6.6.0.12,5.08,13]テトラデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)などの極性基を有さないノルボルネン系モノマーが挙げられる。
ノルボルネン系モノマーは、極性基を有するものであってもよい。極性基としては、例えば、ヘテロ原子またはヘテロ原子を有する原子団などが挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ハロゲン原子などが挙げられるが、接着性の観点から、酸素原子及び窒素原子が好ましい。極性基の具体例としては、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、カルボニルオキシカルボニル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン基などが挙げられる。
極性基を有するノルボルネン系モノマーの具体例としては、例えば、5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン; 5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。ノルボルネン系重合体中のノルボルネン系モノマー単位の結合量の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上であるものが、誘電特性、耐熱性、及び長期信頼性が高度にバランスされ好適である。
共重合可能なビニル化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらのビニル化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ノルボルネン系モノマーまたはノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化合物との重合方法、及び水素添加方法は、格別な制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
ノルボルネン系モノマーの開環重合体は、ノルボルネン系モノマーを、開環重合触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cmの重合圧力で開環(共)重合させることにより得ることができる。触媒系に、分子状酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などの第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を高めることができる。
ノルボルネン系モノマーとビニル化合物との付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中または無溶媒で、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cmの重合圧力で共重合させる方法により得ることができる。水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環重合体を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法により得ることができる。
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開昭64−66216号公報に開示されているシクロロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−136057号公報や特開平7−258318号公報に開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体、及びその水素添加物などを用いることができる。
(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体
ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、特開昭51−59989号公報に開示されているビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素単量体の重合体及びその水素添加物、特開昭63−43910号公報や特開昭64−1706号公報などに開示されているスチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素添加物などを用いることができる。
これらの脂環式構造含有重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で好適に使用される変性脂環式構造含有重合体は、これらの脂環式構造含有重合体に変性反応で極性基を導入したものである。変性反応としては、格別な制限はなく、常法に従って行うことができる。変性脂環式構造含有重合体の具体例としては、脂環式構造含有重合体の塩素化物、クロロスルフォン化物、極性基含有不飽和化合物のグラフト変性物などが挙げられ、好ましくは極性基含有不飽和化合物のグラフト変性物である。
極性基含有不飽和化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、p−スチリルカルボン酸グリシジル、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジカルボン酸、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、o−アリルフェノールのグリシジルエーテル、m−アリルフェノールのグリシジルエーテル、p−アリルフェノールのグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ化合物;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸化合物;無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸などの不飽和無水カルボン酸化合物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどの不飽和エステル化合物;アリルアルコール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール、2−アリルシフェノール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オールなどの不飽和アルコール化合物;クロロジメチルビニルシラン、トリメチルシリルアセチレン、5−トリメチルシリル−1,3−シクロペンタジエン、3−トリメチルシリルアリルアルコール、トリメチルシリルメタクリレート、1−トリメチルシリロキシ−1,3−ブタジエン、1−トリメチルシリロキシ−シクロペンテン、2−トリメチルシリロキシエチルメタクリレート、2−トリメチルシリロキシフラン、2−トリメチルシリロキシプロペン、アリロキシ−t−ブチルジメチルシラン、アリロキシトリメチルシランなどの不飽和シラン化合物;などが挙げられる。これらの中でも、不飽和エポキシ化合物及び不飽和無水カルボン酸化合物が変性率を高める上で好適である。
極性基含有不飽和化合物を効率よくグラフト共重合させるためには、通常、ラジカル開始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。ラジカル開始剤としては、例えば、有機ペルオキシド、有機ペルエステルなどが好ましく使用される。このようなラジカル開始剤の具体的な例としては、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3,1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルベルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレ−ト、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピパレート、クミルペルピパレート及びtert−ブチルペルジエチルアセテートを挙げることができる。さらに本発明においては、ラジカル開始剤としてアゾ化合物を使用することもできる。アゾ化合物の具体的な例としては、アゾビスイソブチロニトリル及びジメチルアゾイソブチレートを挙げることができる。
これらのラジカル開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。ラジカル開始剤の使用割合は、未変性脂環式構造含有重合体樹脂100重量部に対して通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜2.5重量部の範囲である。グラフト変性反応は、特に限定はなく、常法に従って行うことができる。反応温度は、通常0〜400℃、好ましくは60〜350℃で、反応時間は、通常1分間〜24時間、好ましくは30分間〜10時間の範囲である。
本発明において好適に用いられる活性水素含有極性基を有する脂環式構造含有重合体は、例えば、上記不飽和エポキシ化合物や不飽和無水カルボン酸化合物、不飽和エステル化合物をグラフト変性させた後に、(a)活性水素含有化合物を反応させる方法、(b)活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を反応させ、次いで、加水分解させる方法などの方法によっても得ることができる。
活性水素含有化合物としては、電気陽性の炭素に求核攻撃可能な物質であれば特に限定されないが、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物が好ましく用いられる。具体的には、水;アンモニア;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アリルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、メタリルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ゲラニオール、シトロネロール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;モノメチルアミン、モノエチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、ゲラニルアミン、ベンジルアミン、アニリン、エタノールアミン、ジエチルアミン、ジフェニルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピペリジン、ピロリジンなどのアミン類;メタンチオール、エタンチオール、ベンゼンチオール、チオフェノール、メルカプトアセチックアシド、2−メルカプトニコチックアシド、2−メルカプトベンゾイックアシド、3−メルカプトプロピオニックアシド、2−メルカプトプロピオニックアシド、メルカプトサクシニックアシド、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシンなどのチオール類;2−アミノ−2−ノルボルナンカルボキシリックアシド、2−アミノ−1−ナフタレンスルフォニックアシド、4−アミノ−1−ナフタレンスルフォニックアシド、5−アミノ−2−ナフタレンスルフォニックアシド、8−アミノ−2−ナフタレンスルフォニックアシド、4−アミノ−1,8−ナフタリックアンヒドリド、3−アミノ−2−ナフトイックアシド、3−アミノ−2,7−ナフタレンジスルフォニックアシド、7−アミノ−1,3−ナフタレンジスルフォニックアシド、2−アミノ−a−(メトキシイミノ)−4−チアゾレアセチックアシド、1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボキシリックアシド、1−アミノ−1−シクロペンタンカルボキシリックアシド、1−アミノ−1−シクロプロパンカルボキシリックアシド、イソニペコティックアシド、ニコペチックアシド、ピペコリニックアシド、p−アミノ安息香酸などのアミノ酸類;などが挙げられる。
これらの活性水素含有化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。活性水素含有化合物の使用量は、反応条件により適宜選択されるが、グラフト反応で導入されたオキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基またはカルボニルオキシカルボニル基に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.3〜50当量、より好ましくは0.5〜20当量の範囲である。
活性水素含有化合物の反応は、常法に従えばよく、グラフト反応終了後、グラフト変性ポリマーを単離し反応させてもよいし、グラフト反応終了後の反応溶液に直接活性水素含有化合物を添加させて反応させることもできる。反応条件は、反応温度が通常0〜250℃、好ましくは50〜200℃、反応時間が通常10分〜15時間、好ましくは30分〜5時間である。
活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、例えば、上記活性水素含有化合物のリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩等の化合物が挙げられる。活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩反応は、常法に従えばよく、グラフト反応終了後、グラフト変性ポリマーを単離し反応させてもよいし、グラフト反応終了後の反応溶液に直接活性水素含有化合物を添加させて反応させることもできる。反応条件は、反応温度が通常−50〜200℃、好ましくは0〜100℃、反応時間が通常10分〜24時間、好ましくは30分〜10時間である。加水分解は、通常、活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩反応後の反応液に、加水分解試薬を添加して行うことができる。加水分解試薬としては、特に限定されず、例えば、水、希塩酸、塩化アンモニウム飽和水溶液、有機酸類を用いることができる。加水分解の反応は、反応温度が通常−50℃〜100℃、好ましくは0〜50℃、反応時間が通常1分〜24時間、好ましくは10分〜10時間である。
また、本発明においては、前記極性基含有モノマーを(共)重合した脂環式構造含有重合体を用いてもよい。
極性基含有の脂環式構造含有重合体中の極性基の割合は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、重合体全繰り返し単位当り、通常0.1〜100モル%、好ましくは0.2〜50モル%、より好ましくは1〜30モル%の範囲であるときに、誘電特性、接着性、及び長期信頼性の特性が高度にバランスされて好適である。極性基がカルボキシル基やヒドロキシル基などの活性水素含有の極性基である場合の含有量は、重合体全繰り返し単位当り、通常0.1〜50モル%、好ましくは0.2〜20モル%、より好ましくは1〜10モル%の範囲であるときに、接着性、長期信頼性などの特性が高度にバランスされ好適である。
グラフト変性率は、下式(1)で表される。
グラフト変性率(モル%)=(X/Y)×100 (1)
X:グラフトした不飽和化合物による重合体中の変性基の全モル数
Y:重合体の総モノマー単位数
Xは、グラフトモノマー変性残基全モル数ということができ、H−NMRにより測定することができる。Yは、重合体の重量平均分子量(Mw)/モノマーの分子量に等しい。共重合の場合には、モノマーの分子量は、モノマーの平均分子量とする。
本発明で使用される極性基を有する脂環式構造含有重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法で測定したポリスチレン換算の数平均分子量で、5,000以上、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは8,000〜200,000、特に好ましくは10,000〜100,000の範囲である。極性基を有する脂環式構造含有重合体の数平均分子量が過度に小さいと、接着強度や長期信頼性に劣り好ましくない。一方、極性基を有する脂環式構造含有重合体の数平均分子量が過度に大きいと、導電性フィラーの分散性、微細な凹凸面に対する接着性が低下する。
本発明で使用される極性基を有する脂環式構造含有重合体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、接着された電子部品の使用環境から高い方が好ましく、通常50℃以上、より好ましくは70℃以上、好ましくは100℃以上である時に、長期信頼性に優れ好適である。
導電性フィラー
本発明で使用される導電性フィラーとしては、従来から使用されているものが特に制限なく使用できる。導電性フィラーの具体例としては、(1)ニッケル、アルミニウム、銀、銅、錫、鉛、金、亜鉛、白金、コバルト、及びこれらの合金(例えば、はんだ)などの金属粒子、(2)凝集金属粒子、(3)溶融金属粒子、(4)導電性カーボンブラック、(5)樹脂粒子にNi、Auなどの金属メッキ処理をした金属被覆樹脂粒子、(6)樹脂と金属粒子とを複合化した複合樹脂粒子などが挙げられる。
本発明で使用される導電性フィラーの形状は、特に限定されはないが、球状、粒状、または扁平状であることが、加熱加圧により端子間で面接触効果を充分に得る上で好ましい。本発明で使用される導電性フィラーの平均粒径は、使用目的に応じて適宜選択されればよく、(長径+短径)/2の平均粒径で、通常0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm、より好ましくは5〜15μmの範囲である。
これらの導電性フィラーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができる。導電性フィラーの配合割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、極性基を有する脂環式構造含有重合体100重量部当り、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.3〜30重量部、より好ましくは1〜25重量部の範囲であるときに、誘電特性、接着性、及び長期信頼性が高度にバランスされて好適である。導電性フィラーの配合割合が過小であると、端子間接合が不充分となり、特に微細ピッチ化に対応することが困難となる。導電性フィラーの配合割合が過大であると、接着力が低下したり、横方向の絶縁性が損なわれるおそれが生じる。
異方性導電用樹脂組成物
本発明の異方性導電用樹脂組成物は、極性基を有する脂環式構造含有重合体及び導電性フィラーを必須成分として含有する樹脂組成物である。この樹脂組成物には、所望により、エラストマーや樹脂などのその他のポリマー、及びその他の配合剤を添加することができる。
エラストマーは、ガラス転移温度が40℃以下の重合体であって、通常のゴム質重合体及び熱可塑性エラストマーが含まれる。なお、ブロック共重合したゴム質重合体などでガラス転移温度が2点以上ある場合は、最も低いガラス転移温度が40℃以下であれば本発明のガラス転移温度が40℃以下のゴム質重合体として用いることができる。
エラストマーの例としては、イソプレン・ゴム、その水素添加物;クロロプレンゴム、その水素添加物;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体などの飽和ポリオレフィンゴム;エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、α−オレフィン・ジエン共重合体、ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合体、イソブチレン・ジエン共重合体などのジエン系共重合体、これらのハロゲン化物、ジエン系重合体またはそのハロゲン化物の水素添加物;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、その水素添加物;フッ化ビニリデン・三フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン・四フッ化エチレン共重合体、プロピレン・四フッ化エチレン共重合体などのフッ素ゴム;ウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチレンアクリルゴムなどの特殊ゴム;ノルボルネン系単量体とエチレンまたはα−オレフィンの共重合体、ノルボルネン系単量体とエチレンとα−オレフィンの三元共重合体、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物などのノルボルネン系ゴム質重合体;乳化重合または溶液重合したスチレン・ブタジエン・ゴム、ハイスチレンゴムなどのランダムまたはブロック・スチレン・ブタジエン系共重合体、これらの水素添加物;スチレン・ブタジエン・スチレン・ゴム、スチレン・イソプレン・スチレン・ゴム、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン・ゴムなどの芳香族ビニル系モノマー・共役ジエンのランダム共重合体、これらの水素添加物;スチレン・ブタジエン・スチレン・ゴム、スチレン・イソプレン・スチレン・ゴム、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン・ゴムなどの芳香族ビニル系モノマー・共役ジエンの直鎖状または放射状ブロック共重合体、それらの水素添加物などのスチレン系熱可塑性エラストマーをはじめ、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー;等のものが挙げられる。
これらの中でも、芳香族ビニル系モノマーと共役ジエン系モノマーの共重合体、およびその水素添加物が、脂環式構造含有熱可塑性樹脂との分散性が良く、好ましい。芳香族ビニル系モノマーと共役ジエン系モノマーの共重合体は、ブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。耐熱性の点から、芳香環以外の部分を水素添加しているものがより好ましい。具体的には、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・ランダム共重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。
また、その他のポリマーとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド;ポリカーボネート、ポリイミド、エポキシ樹脂などのその他の樹脂;などが挙げられる。
これらのその他のポリマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その他のポリマーの配合量は、極性基を有する脂環式構造含有重合体100重量部に対して、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以下、より好ましくは50重量部以下である。
その他の配合剤としては、例えば、硬化剤、硬化促進剤、硬化助剤、難燃剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどが挙げられ、その配合量は、本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
本発明の樹脂組成物は、リペアー性が要求されるフリップチップボンディング等の用途においては、硬化剤を配合せずに、熱可塑性樹脂組成物として用いられる。一方、高度な耐熱性や長期信頼性が要求される用途では、硬化剤、必要に応じて硬化促進剤、硬化助剤を配合させた硬化型樹脂組成物が用いられる。
硬化剤としては、例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,α,α′−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、オクタノイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、ペルオキシジカーボネートなどの有機過酸化物;ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン;ジアミノシクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン;1,3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジアミン、イソホロンジアミンN−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環族ポリアミン;4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、メタフェニレンジアミン、メタキシシリレンジアミンなどの芳香族ポリアミン;4,4−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、4,4′−ジアジドジフェニルスルホン、4,4′−ジアジドジフェニルメタン、2,2′−ジアジドスチルベンなどのビスアジド;無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどの酸無水物;フマル酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ハイミック酸などのジカルボン酸;1,3′−ブタンジオール、1,4′−ブタンジール、ヒドロキノンジヒドロキシジエチルエーテル、トリシクロデカンジメタノールなどのジオール;1,1,1−トリメチロールプロパン等のトリオール;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などの多価フェノール;ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−612、ナイロン−12、ナイロン−46、メトキシメチル化ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミドなどのポリアミド;ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネートなどのジイソシアネート;などが挙げられる。これらの硬化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。硬化剤の配合割合は、極性基を有する脂環式構造含有重合体100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは2〜30重量部の範囲である。
硬化促進剤としては、例えば、ピリジン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、ジメチルホルムアミド、イミダゾールなどのアミン類などが挙げられる。これらの硬化促進剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。硬化促進剤の配合割合、極性基を有する脂環式構造含有重合体100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲である。
硬化助剤としては、特に限定されるものではないが、特開昭62−34924号公報等で公知のものでよく、例えば、キノンジオキシム、ベンゾキノンジオキシム、p−ニトロソフェノール等のオキシム・ニトロソ系硬化助剤;N,N−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系硬化助剤;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系硬化助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート系硬化助剤;ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどのビニル系硬化助剤;等が例示される。
これらの硬化助剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。硬化助剤の配合割合は、硬化剤100重量部に対して、通常1〜1,000重量部、好ましくは10〜500重量部の範囲である。
本発明の樹脂組成物は、極性基を有する脂環式構造含有重合体及び導電性フィラーを必須成分として、所望によりその他のポリマー及びその他の配合剤を添加したものを常法に従って混合して用いることができる。
使用形態
本発明の異方性導電用樹脂組成物の使用形態は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、精密電子部品等の微細凹凸面の接着に用いる場合は、ワニス(異方性導電接着剤)やシート(異方性導電用シート)の形状で用いるのが好適である。
本発明のワニスは、前記樹脂組成物を有機溶媒に溶解ないしは分散させて調製される。有機溶媒としては、各成分を溶解または分散させ得るものであれば格別な限定はないが、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;クロロベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;メチルエチルケトン、2−ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;エーテル類;アルコール類;等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。有機溶媒の使用量は、極性基を有する脂環式構造含有重合体、導電性フィラー、及び必要に応じて含有されるその他の成分を均一に溶解ないしは分散するに足る量比であればよいが、通常、固形分濃度が1〜80重量%、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%になる範囲で用いられる。
本発明の異方性導電用シートは、前記樹脂組成物を成形して得ることができる。シートの成形方法としては、常法に従えばよく、例えば、上記ワニスを鏡面処理した金属板や樹脂製のキャリアフィルム等の平滑面に塗布した後、溶媒を乾燥させる方法、あるいは、前記樹脂組成物を溶融押出する方法などが選択される。本発明のシートの厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常1〜1,000μm、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜100μmの範囲であるときに、接着性と長期信頼性が高度にバランスされ、好適である。
接着方法
被着体同士を接着する方法としては、例えば、(1)本発明のワニスを一方の被着体に塗布した後、溶剤を乾燥させて異方性導電層を形成し、次いで、該異方性導電層に他方の被着体を加熱圧着させる方法、(2)一方の被着体上に本発明の異方性導電用シートを積層し、その上に他方の被着体を設置した後、加熱圧着させる方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物、ワニス、及びシートは、長期信頼性に優れるので、異方性導電材(異方性導電接着剤)として好適に用いることができる。具体的な用途としては、例えば、プリント配線基板やセラミック基板などの配線基板と一般電子部品類や半導体素子との接着・接合、半導体チップ電極と配線基板電極とのバンプ接合、集積回路部品のリードと配線基板電極との接着・接合、液晶パネルとTCPの透明導電膜(ITO)との接着・接合、水晶振動子の電極膜への接着などを挙げることができる。
以下に、合成例、実施例、及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、これらの例中の[部]及び[%]は、特に断りのない限り、重量基準である。また、測定法は、以下のとおりである。
(1)ガラス転移温度は、DSC法により測定した。ただし、熱硬化性樹脂の場合は、フィルムを用いてTMA法により測定した。
(2)数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、特に断りのない限り、クロロホルムを溶媒とするGPC法によるポリスチレン換算値として測定した。
(3)主鎖の水素添加率及びポリマーの変性率は、いずれもH−NMRにより測定した。
(4)1MHzにおける誘電率及び誘電正接は、JIS C6481に準じて測定した。
(5)高温高湿試験は、サンプルを湿度100%、温度105℃の環境下に1,000時間放置し、接続抵抗値の上昇の度合を調べ、以下の基準で評価した。
<初期>
◎:10Ω以下、
○:20Ω以下、
△:30Ω以下、
×:50Ω以上。
<PCT後>
◎:10Ω以下、
○:20Ω以下、
△:30Ω以下、
×:50Ω以上。
[合成例1]
六塩化タングステン、トリイソブチルアルミニウム、及びイソブチルアルコールからなる重合触媒系を用い、公知の方法により8−エチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−3−ドデセン(以下、ETDと略す)を重合し、次いで、ニッケルアセチルアセトナートとトリイソブチルアルミニウムからなる水素添加触媒系を用いて、公知の方法により水素化反応を行い、開環重合体水素添加物を得た。得られた水素添加重合体100部に対して、無水マレイン酸2部、ジクミルペルオキシド1部、tert−ブチルベンゼン300部を混合し、オートクレーブ中にて135℃、4時間反応を行った後、反応液を上記と同様にして凝固、乾燥し、無水マレイン酸変性ポリマーを得た。得られた無水マレイン酸変性ポリマー100部に対して、イソプロピルアルコール3部を添加し、135℃で1時間分解反応を行って、マレイン酸ハーフエステル変性ポリマー(A)を得た。これを樹脂成分量が30%となるようにキシレンに溶解した。この溶液を用いて、125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にドクターブレードによって厚さ200〜300μmに塗工し、160℃、1時間窒素中で乾燥させて、厚さ50〜70μmのシートを得た。得られたシートの物性を表1に示した。
[合成例2]
無水マレイン酸2部を8部に、ジクミルペルオキシド1部を4部に、それぞれ変えたこと以外は、合成例1と同様にして無水マレイン酸変性ポリマー(B)からなるシートを得た。物性を表1に示した。
[合成例3]
無水マレイン酸をアリルグリシジルエーテルに代えたこと以外は、合成例2と同様にしてエポキシ変性ポリマーを得た。得られたエポキシ変性ポリマー100部に対して、アンモニア3部を添加し、135℃で1時間分解反応を行って、アルコール変性ポリマー(C)を得た。このアルコール変性ポリマー(C)を用いて、合成例1と同様にして、シートを作成した。物性を表1に示した。
[合成例4]
トルエン80重量部に、エポキシ樹脂(エピコート1009、油化シェルエポキシ社製)100重量部、硬化剤としてHX3941HP(旭化成社製)170重量部を添加し、エポキシ系ワニスを作製した。これを乾燥して厚み25μmのシートを得た。このシートを180℃、2時間でハードベークしたときの物性を表1に示した。
Figure 2007297636
(脚注)
(1)ETD:8−エチルテトラシクロドデセン
(2)アリルグリシジルエーテル開環:エポキシ基を開環したアルコール変性
[実施例1]
合成例1で得られたポリマー(A)100部に対して、表2に示した配合比で平均粒径7μmのNi粒子(導電性フィラーa)を添加し、これを樹脂成分量が30%となるようにキシレンに溶解した。この溶液を用いて、厚さ50〜70μmのシートを作製した。得られたシートをガラスエポキシ基板上に置き、その上からシリコンを基体とする半導体部品(125μmピッチ、360ピン)を200℃×30秒間加熱、圧着して接合した。この試料の高温高湿試験を行った。評価結果を表2に示したが、いずれの試料の優れた結果を示した。
[実施例2〜5]
表2に示すポリマーと導電フィラーを、表2に示す配合割合で用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシートを作製し、高温高湿試験を行った。評価結果を表2に示したが、いずれの試料の優れた結果を示した。
[比較例1〜3]
合成例4で調整したエポキシ樹脂ワニスに、表2に示す導電性フィラーを配合し、実施例1と同様にして半硬化状態のシートを作製した。このようにして作製したハードベーク前のシートを用いて、実施例1と同様にガラスエポキシ基板上に半導体部品を圧着した。評価結果を表2に示したが、いずれも高温高湿試験後の接続抵抗値が50Ω以上であり、導通不良となった。
Figure 2007297636
(脚注)
導電性フィラーa:平均粒径7μmのNi粒子
導電性フィラーb:平均粒径5μmのシリカにNi/Auメッキを施した粒子
導電性フィラーc:平均粒径5μmのベンゾグアナミン樹脂(日本化学社製、ブライト20GNRY4.6EH)にNi/Auメッキを施した粒子
本発明の異方性導電用樹脂組成物は、ワニスとして配線基板などに塗布して塗膜(異方性導電膜)とすることができ、また、異方性導電用シート(フィルムを含む)として使用することができる。本発明の異方性導電用樹脂組成物は、特に長期信頼性に優れ、誘電特性にも優れている。本発明の異方性導電用樹脂組成物のバインダー樹脂は、硬化剤を配合することにより、硬化型樹脂として使用することができるが、硬化剤を配合しないで熱可塑性樹脂として使用することもできる。この熱可塑性樹脂をバインダーとする本発明の異方性導電用樹脂組成物は、リペア性が要求されるフリップチップの配線基板への接合等の用途に好適に適用することができる。

Claims (17)

  1. 極性基を有し、かつ、主鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位を30重量%以上の割合で含有する脂環式構造含有重合体と導電性フィラーとを含有する異方性導電用樹脂組成物。
  2. 前記極性基を有する脂環式構造含有重合体中の極性基の割合が、重合体全繰り返し単位当り0.2〜50モル%である請求項1に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  3. 前記極性基が、ヘテロ原子、またはヘテロ原子を有する原子団である請求項1または2記載の異方性導電用樹脂組成物。
  4. 前記極性基が、活性水素を有する極性基である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  5. 前記極性基が、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、カルボニルオキシカルボニル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、またはスルホン基である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  6. 前記脂環式構造含有重合体が、シクロアルカン構造を含有する重合体である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  7. 前記脂環式構造を構成する炭素原子数が、4〜30個である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  8. 前記脂環式構造含有重合体が、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、または(5)これらの水素添加物である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  9. 前記極性基を有する脂環式構造含有重合体の数平均分子量が5,000〜500,000である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  10. 前記極性基を有する脂環式構造含有重合体のガラス転移温度が50℃以上である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  11. 前記極性基を有する脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が、50重量%以上である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  12. 前記樹脂組成物が、極性基を有する脂環式構造含有重合体100重量部に対して、導電性フィラーを0.1〜50重量部の割合で含有するものである請求項1乃至11のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  13. 前記導電性フィラーの(長径+短径)/2の平均粒径が、0.1〜30μmである請求項1乃至12のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  14. 前記導電性フィラーの形状が、球状、粒状または扁平状である請求項1乃至13のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物。
  15. 極性基を有し、かつ、主鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位を30重量%以上の割合で含有する脂環式構造含有重合体と導電性フィラーを有機溶媒に溶解ないしは分散させてなる異方性導電用ワニス。
  16. 極性基を有し、かつ、主鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位を30重量%以上の割合で含有する脂環式構造含有重合体と導電性フィラーとを含有する樹脂組成物からなる異方性導電用シート。
  17. 前記異方性導電用樹脂組成物を、電子部品と配線基板との間または各配線基板の間に配置して加熱加圧することにより、これら両者を接着すると共に、両者の端子間のみでの導電性を得て接合するのに用いる請求項1乃至16のいずれか1項に記載の異方性導電用樹脂組成物の使用方法。
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