JP2007297241A - 自己収縮低減剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】水硬性材料組成物に添加されて当該組成物の自己収縮を効果的に低減させうる手段を提供する。
【解決手段】材齢7日における自己収縮低減率が5%以上であり、化学式1で表される構成単位(I);並びに、化学式2で表される構成単位(II)を必須の構成単位として含み、炭素原子数4以上のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を、前記構成単位(I)および前記構成単位(II)の合計モル数100モル%に対して0.1〜5.5モル%用いた共重合により得られる、水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、自己収縮低減剤に関する。特に、本発明は、水結合材比(W/B:水と結合材との質量比)が40%未満と結合材に対して水が少ない水硬性材料の自己収縮を有効に低減できる自己収縮低減剤に関する。
水硬性材料は、強度や耐久性に優れた硬化物を与えることから、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物等に広く用いられており、土木・建築構造物等を構築するために欠かすことのできないものとなっている。このような水硬性材料のうち、水結合材比(W/B:水と結合材との質量比)を少なくするほど高強度の水硬性材料が得られるため、このような高強度の水硬性材料の実現が求められている。しかしながら、W/Bが40%未満と結合材に対して水が少ない水硬性材料では、材料内部で硬化(水和)ムラが生じやすくなり、硬化した部分に残った未反応水が硬化の不十分な部分へ移動する際に、硬化により形成された毛管表面と水との引張り力が発生し、これに起因すると考えられる自己収縮が進行し、硬化物中にひび割れが生じることがしばしば問題となっている。このひび割れは養生中または養生後1ヶ月以内の初期段階において発生するのが一般的であり、構造物の強度低下や構造物の美観を損なうばかりでなく、長期的に見ると、ひび割れ部分を通して空気(特に炭酸ガス)や雨水(特に酸や塩化物イオン)等の劣化要因が浸入して鉄筋の腐食やコンクリートの中性化が起こるなど、多くの複合劣化の誘因となることが指摘されている。このように、近年、これらコンクリート構造物の早期劣化が社会的問題となり、ひび割れを抑制し、耐久性に優れた構造物への要求が高まってきている。そしてこれに伴い、現在、これら土木・建築構造物等の自己収縮の進行を抑制することの重要性が認識され、技術革新が盛んに行なわれている。
このような背景から、自己収縮に関して多くの研究報告がなされており、収縮を低減する(ひいてはひび割れを抑制する)方法としては、膨脹材を用いる方法、乾燥収縮低減剤を使用する方法、および自己収縮低減性が十分でない場合には膨脹材と乾燥収縮低減剤とを併用する方法などが採用されている。この際、併用される乾燥収縮低減剤としては、様々な化合物が知られている(例えば、特許文献1〜4を参照)。上記公報のうち、特許文献1には、プロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドの付加重合体を含むセメントの乾燥収縮防止剤が開示されている。また、特許文献2には、ジフェニルメタン誘導体のアルキレンオキサイド付加物を含む乾燥収縮低減剤が開示されている。
特開昭59−21557号公報 特開昭62−61450号公報 特開昭59−3430号公報 特開平2−124750号公報
しかしながら、膨脹材や乾燥収縮低減剤はいずれも水硬性材料組成物への添加量を多くする必要があること、また、乾燥収縮低減剤においてはその製品価格も高いことから、このような乾燥収縮低減剤の混和は水硬性材料単位容量当たりの単価の著しい高騰につながる。このような問題は、乾燥収縮低減剤が市場に普及しない一因となっている。さらに、これらの混和材(剤)を使用しても、十分に自己収縮を低減させ、初期のひび割れを抑制することは困難である。
このように、自己収縮を有効に低減できかつ十分な流動性/分散性を水硬性材料組成物に付与できる添加剤に対する要求は強く存在するものの、このような添加剤は得られていないのが現状である。
そこで本発明は、水硬性材料組成物に添加されて当該組成物の自己収縮を効果的に低減させうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく様々な化合物の自己収縮低減性について鋭意研究を行った。その結果、所定の不飽和ポリアルキレングリコール系単量体および所定の不飽和カルボン酸系単量体由来の構成単位を必須の構成成分として含み、所定のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を所定量用いた共重合により得られるポリカルボン酸系共重合体が優れた自己収縮低減性を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1は、
下記化学式1:
Figure 2007297241
式中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し;sは、0〜2の整数であり;ROは、それぞれ独立して、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し;uは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300であり;Rは、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す、
で表される構成単位(I);並びに、下記化学式2;
Figure 2007297241
式中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CHCOOZ’基を表し、この際Z’は、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アミン基を表し;qは、0〜2の整数であり;Zは、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アミン基を表し;COOZ’基およびCOOZ基が合計で2個以上存在する場合には、これらのうちの2個が無水物を形成していてもよい、
で表される構成単位(II)を必須の構成単位として含み、炭素原子数4以上のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を、前記構成単位(I)および前記構成単位(II)の合計モル数100モル%に対して0.1〜5.5モル%用いた共重合により得られる、水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系共重合体である。
また、本発明の第2は、下記化学式3:
Figure 2007297241
で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(A)および下記化学式4:
Figure 2007297241
で表される不飽和カルボン酸系単量体(B)を含む単量体成分を、炭素原子数4以上のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤および重合開始剤の存在下にて、重合反応時の反応系の濃度を70〜98質量%に制御しながら、水系溶媒中で重合する段階を有する、ポリカルボン酸系共重合体の製造方法である。
本発明のポリカルボン酸系共重合体または本発明の製造方法により得られたポリカルボン酸系共重合体を水硬性材料に添加することで、水硬性材料の水和による硬化過程において発生する自己収縮が十分に低減しうる。その結果、自己収縮に起因する初期のひび割れの発生が抑制され、構造物の耐久性が向上しうる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の第1は、下記化学式1:
Figure 2007297241
式中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し;sは、0〜2の整数であり;ROは、それぞれ独立して、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し;uは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300であり;Rは、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す、
で表される構成単位(I);並びに、下記化学式2;
Figure 2007297241
式中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CHCOOZ’基を表し、この際Z’は、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アミン基を表し;qは、0〜2の整数であり;Zは、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アミン基を表し;COOZ’基およびCOOZ基が合計で2個以上存在する場合には、これらのうちの2個が無水物を形成していてもよい、
で表される構成単位(II)を必須の構成単位として含み、炭素原子数4以上のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を、前記構成単位(I)および前記構成単位(II)の合計モル数100モル%に対して0.1〜5.5モル%用いた共重合により得られる、水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系共重合体である。
本発明の第1のポリカルボン酸系共重合体(以下、単に「共重合体」とも称する)が自己収縮を抑制する明確なメカニズムは不明であるが、以下のメカニズムが推定されている。すなわち、自己収縮は、W/Bが40%未満と結合材(例えば、セメント)に対して水が少ない水硬性材料において特に顕著に発生すると言われている現象であり、硬化の際に、材料内部で硬化(水和)ムラが生じ、硬化した部分に残存した未反応水が硬化の不十分な部分に移動する際に、この未反応水と硬化により形成された毛管表面との間に生じる引張り力により生じる現象である。特に、W/Bが低い場合には、分散性を向上させる目的で高性能AE減水剤が添加されるのが一般的であるが、通常の高性能AE減水剤では時間の経過に伴い、分散したセメント粒子同士が再凝集する。その結果、セメント粒子が均一に分散できなくなり、硬化に必要な水が局在化して、硬化ムラが生じ易くなる。これに対し、本発明の第1の共重合体は、所定の連鎖移動剤を用いた共重合の際に末端に導入されたアルキル基によって、分散されたセメント粒子の再凝集を防ぎ、セメント粒子が均一に分散する状態を維持させることにより、水の局在化を抑制し、硬化の際の材料内部での硬化ムラを生じ難くさせることにより、内部の水の移動を少なくし、最終的に自己収縮を低減させると考えられる。さらに、セメント粒子表面に疎水基を導入することにより、内部の水の移動により生じる硬化体内部の毛管表面と水との引張り力を低減させるというメカニズムも推測される。また、本発明の第1の共重合体において、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体由来の構成単位(I)(以下、単に「構成単位(I)」とも称し、上記化学式3で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(A)を単に「単量体(A)」とも称する)は、共重合体に水溶性を付与し、共重合体がセメント粒子に吸着した時点で、セメント粒子を適度に分散させる作用を有する。また、不飽和カルボン酸系単量体由来の構成単位(II)(以下、単に「構成単位(II)」とも称し、上記化学式4で表される不飽和カルボン酸系単量体(B)を単に「単量体(B)」とも称する)は、共重合体をセメント粒子に吸着させる作用を有する。したがって、本発明の第1の共重合体は、普通、早強、中庸熱、低熱、耐硫酸塩等の各種ポルトランドセメント、ビーライト高含有セメント、アルミナセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、各種混合セメント等の水硬セメントや、石膏などのセメント以外の水硬性材料に添加されて、自己収縮を効果的に低減させうる。なお、上述したメカニズムはあくまでも推測に基づくものであり、上述したメカニズム以外のメカニズムによって自己収縮低減性能が発揮されていたとしても、本発明の技術的範囲は何ら影響を受けることはない。
本発明の第1の共重合体は、下記化学式1:
Figure 2007297241
で表される構成単位(I)および下記化学式2:
Figure 2007297241
で表される構成単位(II)を必須の構成単位として含む。
なお、本発明の第1の共重合体において、化学式(1)で表される構成単位(I)およびこれを形成する単量体(A)は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。同様に、化学式(2)で表される構成単位(II)およびこれを形成する単量体(B)もまた、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。それぞれ、後者の場合には、各構成単位の重合形態は特に限定されず、例えば交互重合であってもよいし、ブロック重合であってもよいし、ランダム重合であってもよい。
以下、化学式1で表される構成単位(I)および化学式2で表される構成単位(II)についてそれぞれ詳細に説明する。
(化学式1で表される構成単位(I))
化学式1で表される構成単位(I)において、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。好ましくは、RおよびRの少なくとも一方が水素原子を表す。
化学式1で表される構成単位(I)において、sは、0〜2の整数であり、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。なお、sが0である場合には、(CHで表される部位が存在せず、主鎖を構成する炭素原子にCOO(RO)−Rが直接結合した構造となることを意味する。また、sが1である場合には、主鎖の炭素原子とCOO(RO)−Rとがメチレン基によって接続される構造となり、sが2である場合には、主鎖の炭素原子とCOO(RO)−Rとがエチレン基によって接続される構造となる。
化学式1で表される構成単位(I)において、ROは、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。また、ROは、好ましくは炭素原子数2〜8のオキシアルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基である。このようなオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシ1−ブテン基、オキシ2−ブテン基、オキシスチレン基等が好ましく挙げられるが、より好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、さらにより好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。オキシアルキレン基が1つの構成単位中に複数個存在する(すなわち、化学式1において、後述するuが2以上である)場合に、当該構成単位中には1種のみのオキシアルキレン基が存在してもよいし、2種以上のオキシアルキレン基が併存してもよい。2種以上のオキシアルキレン基が併存する場合には、これらのオキシアルキレン基の付加形態は特に限定されず、例えばランダム付加であってもよいし、ブロック付加であってもよいし、交互付加であってもよい。
構成単位(I)として1種の構成単位のみを用いる場合には、親水性と疎水性のバランスを確保するという観点から、オキシアルキレン基中にオキシエチレン基を必須成分として含むことが好ましく、さらに全オキシアルキレン基に占めるオキシエチレン基の割合が50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、70モル%以上であることがさらに好ましい。また、uは、オキシアルキレン基(RO)の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。uが300を超えると、得られる共重合体が過度の分散性を発揮してしまい、これにより任意の量を添加できなくなり、所望の自己収縮低減性を得ることが困難となる虞がある。さらに、uが300を超えると、空気連行性が高くなり、空気量の調整が困難となり、強度低下や耐凍結融解性の低下を招く虞がある。uは、より好ましくは1〜150であり、さらに好ましくは1〜100であり、特に好ましくは1〜75であり、最も好ましくは1〜50である。Rは、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、好ましくは水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、より好ましくは水素原子または炭素原子数1〜18の炭化水素基を表し、特に好ましくは水素原子または炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。このような炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソオクチル基、2,3,5−トリメチルヘキシル基、4−エチル−5−メチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、イコシル基等の直鎖または分岐鎖のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびシクロオクチル基等の環状のアルキル基;フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−,m−もしくはp−トリル基、2,3−もしくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基およびピレニル基等のアリール基などが挙げられる。空気連行性の観点からは、Rは、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
化学式1で表される構成単位(I)を形成する単量体(A)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸または脂肪酸の脱水素(酸化)反応物への炭素原子数2〜18のアルキレンオキサイドの付加物や、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素原子数1〜30の飽和脂肪族アルコール類、アリルアルコール、メタリルアルコール、クロチルアルコール、オレイルアルコール等の炭素原子数3〜30の不飽和脂肪族アルコール類、シクロヘキサノール等の炭素原子数3〜30の脂環族アルコール類、フェノール、フェニルメタノール(ベンジルアルコール)、メチルフェノール(クレゾール)、p−エチルフェノール、ジメチルフェノール(キシレノール)、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、フェニルフェノール、ナフトール等の炭素原子数6〜30の芳香族アルコール類のいずれかに炭素原子数2〜18のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化合物等が挙げられるが、化学式1において、Rが炭化水素基となる場合に相当する、アルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのエステル化合物が好ましく、(メタ)アクリル酸とのエステル化物がより好ましい。なお、上記単量体(A)としては、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
単量体(A)の具体例としては、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−1−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ペンチルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ヘキシルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−オクチルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−エチル−1−ヘキシルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルアルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウリルアルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、セチルアルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアリルアルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェニルメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、p−エチルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジメチルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、p−t−ブチルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ドデシルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ナフトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドを付加させた(メタ)アリルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、エチレンオキサイドを付加させたクロチルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等の各種アルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドを付加させた(メタ)アリルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、プロピレンオキサイドを付加させたクロチルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等の各種アルコキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;メトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブトキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドとプロピレンオキシド又はエチレンオキシドとブチレンオキシドを付加させた(メタ)アリルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド又はエチレンオキサイドとブチレンオキサイドを付加させたクロチルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等の2種類以上のアルキレンオキサイドを付加させたアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等の各種アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
(化学式2で表される構成単位(II))
化学式2で表される構成単位(II)において、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CHCOOZ’基を表す。また、Zは、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基(−NH)または有機アミン基を表す。また、式:−(CHCOOZ’において、Z’は、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基または有機アミン基を表す。この際、置換基「Z」および「Z’」を表す一価金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、二価金属原子としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。なお、置換基「Z」および/または「Z’」が二価金属原子である場合には、構成単位(I)は2個の−COO−により無水物の形態をとる。有機アミン基としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン及びフェニルアミン等の第1級アミン由来の基;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン及びジフェニルアミン等の第2級アミン由来の基;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン及びトリフェニルアミン等の第3級アミン由来の基;およびエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来の基が挙げられる。これらのうち、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基等が好適に挙げられる。これらのうち、Zおよび/またはZ’は、水素原子、ナトリウムまたはカルシウムであることが特に好ましい。なお、COOZ’基が2個または3個存在する場合には、これらのCOOZ’基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、COOZ基およびCOOZ’基が合計で2個以上存在する場合には、これらのうちの2個が無水物を形成していてもよい。
化学式2で表される構成単位(II)を形成する単量体(B)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸およびこれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。また、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸またはこれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩や、これらの不飽和ジカルボン酸の無水物である無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が単量体(B)として用いられてもよい。なかでも、単量体(B)は不飽和モノカルボン酸系単量体であることが好ましく、(メタ)アクリル酸およびこれらの塩であることが好ましい。
本発明の第1の共重合体は、単量体(A)由来の構成単位(I)および単量体(B)由来の構成単位(II)を必須の構成単位として含むが、これらの構成単位に加えて、少なくとも1種の他の単量体(以下、単に「単量体(C)」とも称する)由来の構成単位(以下、単に「構成単位(III)とも称する」)を含んでもよい。このような場合において、構成単位(I)、(II)および(III)の重合形態は特に限定されず、交互重合であってもよいし、ブロック重合であってもよいし、ランダム重合であってもよい。
構成単位(III)を形成する単量体(C)としては、単量体(A)および単量体(B)と共重合可能な任意の単量体が挙げられるが、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜4のアルコールとのハーフエステル、ジエステル;前記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド;前記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと前記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステル、ジエステル;前記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコールもしくはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル;マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコールもしくはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びにそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルクロトネート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート、等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜4のアルコールとのエステル;メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、等のビニルエーテル或いはアリルエーテル類;ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体;2−アクリロイロキシエチルホスフェート、2−メタクリロイロキシエチルホスフェートなどの不飽和リン酸エステル類等が挙げられる。この際、これらの単量体(C)としては、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の第1の共重合体において、共重合体に占める各構成単位の含有量は特に制限されず、所望の自己収縮低減・抑制効果を考慮して適宜決定されうる。かような観点から、構成単位(I)、構成単位(II)および必要であれば構成単位(III)の含有量の比(質量比)は、好ましくは99.5〜0.5/0.5〜35/0〜64.5、より好ましくは99〜15/1〜35/0〜50、特に好ましくは98〜35/2〜35/0〜30である。共重合体における各構成単位の含有量の比がかような範囲内の値であると、優れた自己収縮低減性が発揮されうる。また、共重合体の全量に対する構成単位(I)および構成単位(II)の合計含有量の比(質量%)は、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましい。
本発明の第1の共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」とも称する)によるポリエチレングリコール換算で、好ましくは500〜500000であり、より好ましくは500〜200000であり、さらに好ましくは500〜100000であり、特に好ましくは500〜80000である。なお、本発明の第1の共重合体の重量平均分子量の値としては、後述する実施例に記載の方法により測定される値を採用するものとする。
本発明の第1の共重合体は、炭素原子数4以上のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を用いた共重合により得られたものである点に特徴を有する。本発明の第1の共重合体の製造方法の他の具体的な形態については特に制限はなく、共重合体の製造に関する従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、上述した単量体(A)、単量体(B)および必要であれば単量体(C)を含む単量体成分を、上記所定の連鎖移動剤および重合開始剤の存在下にて重合することにより、本発明の第1の共重合体が製造されうる。以下、かような製造方法について詳細に説明するが、本発明の第1の共重合体の技術的範囲が、下記の具体的な製造方法により製造されたもののみに限定されることはない。
共重合体を得るには、上述した各単量体を所望の含有量比で混合し、所定の連鎖移動剤および重合開始剤の存在下で重合させればよい。重合は、溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行なうことができる。溶媒中での重合は回分式でも連続式でも行なうことができる。
単量体成分の反応系への添加形態は特に制限されず、全単量体成分を一括で反応系に仕込んだ状態で重合反応を開始してもよいし、単量体成分の一部を反応系に仕込み、残りを添加しながら重合反応を進行させてもよい。ただし、得られる共重合体の分子量をより精密に制御しうるという観点からは、後者の手法が好ましく採用されうる。この際、初期仕込みされる単量体成分の量および別途添加される単量体成分の量の具体的な形態は、用いられる単量体成分の種類や反応条件などに応じて変動しうるが、初期仕込みされる単量体成分の量は、単量体成分の全量に対して、好ましくは5〜70質量%程度であり、より好ましくは10〜50質量%である。
溶媒中での重合に用いられる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族あるいは脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物などが挙げられる。原料単量体および得られる共重合体の溶解性、並びに当該共重合体の使用時の便を考慮すると、水、メタノール、エタノール、2−プロパノールやこれらの混合物といった水系溶媒中で重合を行うことがより好ましい。水系溶媒中で重合を行う場合、当該水系溶媒における水の割合(質量%)は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは80%以上であり、特に好ましくは100%(すなわち、水溶液重合)である。
水系溶媒中で重合を行なう場合には、重合開始剤としてアンモニウムまたはアルカリ金属の過硫酸塩;過酸化水素;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩・二水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、および2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]などのアゾ化合物等の水溶性ラジカル重合開始剤を用いるとよい。なかでも、過硫酸塩またはアゾ化合物が好ましく用いられうる。この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩、アスコルビン酸(塩)、ロンガリット等の促進剤を併用してもよい。また、低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル化合物またはケトン化合物等の疎水性溶媒中で重合を行う場合には、ベンゾイルパーオキサイドやラウロイルパーオキサイド等のパーオキサイド;クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を重合開始剤として用いるとよい。この際、アミン化合物等の促進剤を併用してもよい。さらに、水−低級アルコール混合溶媒中で重合を行う場合には、上記の種々の重合開始剤および重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から適宜選択して用いられうる。重合温度は、用いる溶媒や重合開始剤により適宜決定されうるが、通常0〜120℃の範囲内である。
塊状重合は、例えば、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドやラウロイルパーオキサイド等のパーオキサイド;クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を用い、50〜200℃の温度範囲内で行なわれる。
なお、上述した重合開始剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の第1の共重合体は、上述した通り、炭素原子数4以上のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を用いた共重合により得られたものである点に特徴を有する。
「連鎖移動剤」とは、重合反応において、連鎖移動反応により反応の活性点を移動させる物質を意味する。従って、連鎖移動剤を用いて共重合することで、得られる共重合体の分子量が適宜調節されうる。また、本発明の第1の共重合体のようにアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を用いると、共重合体末端にアルキルメルカプタン基が導入されるが、このアルキルメルカプタン基がセメント粒子等の水硬性材料が近づきあわないようにこれらの材料間の距離を維持して、空隙に存在する水の表面張力を低下させ、水の移動を抑制し、これにより、自己収縮をより有効に低減させうる。炭素原子数4以上のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤としては、特に制限されないが、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2−メルカプトプロピオン酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。これらのアルキルメルカプタン系連鎖移動剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、上述した所定の連鎖移動剤に加えて他の連鎖移動剤が重合に用いられてもよい。かような他の連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチルなどのチオール系連鎖移動剤や、次亜リン酸(塩)などが挙げられる。また、共重合体の分子量を調節するためには、単量体として(メタ)アリルスルホン酸(塩)類等の連鎖移動性の高い単量体を用いることも有効である。
ここで、共重合時のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤の使用量は特に制限されず、得られる共重合体の所望の分子量の値を考慮して適宜調節されうるが、構成単位(I)および前記構成単位(II)の合計モル数100モル%に対して、好ましくは0.1〜5.5モル%であり、より好ましくは0.5〜5.5モル%であり、さらに好ましくは1.0〜5.5モル%である。前記連鎖移動剤の使用量が0.1モル%以上であれば、十分な量のアルキルメルカプタン基が共重合体の末端に導入され、セメント粒子等の水硬性材料間の距離を適切な状態に維持することが可能となり、十分な自己収縮低減性が達成されうる。また、得られる共重合体の分子量が大きくなり過ぎないため、分散性の低下や重合反応中のゲル化といった問題の発生が防止されうる。一方、前記連鎖移動剤の使用量が5.5モル%以下であれば、添加量の増加に見合った効果が得られ、製造コストの高騰が回避されうる。また、得られる共重合体の分子量が小さくなり過ぎないため、十分な分散性が達成されうる。
なお、アルキルメルカプタン系連鎖移動剤に加えて他の連鎖移動剤が用いられる場合、当該他の連鎖移動剤の使用量も特に制限されないが、アルキルメルカプタン系連鎖移動剤の作用を十分に発揮させるという観点からは、アルキルメルカプタン系連鎖移動剤の使用量100モル%に対して、好ましくは0.1〜90モル%であり、より好ましくは1〜90モル%である。
連鎖移動剤の反応系への添加は、連続的であってもよいし、段階的であってもよいが、滴下、分割投入等の連続投入の形態を採用することが好ましい。また、連鎖移動剤は、単独で反応系へ添加されてもよいし、反応系に含まれうる他の成分(例えば、単量体(A)、単量体(B)、必要であれば単量体(C)、溶媒など)と予め混合された状態で反応系へ添加されてもよい。また、2種以上の連鎖移動剤が用いられる場合には、それぞれの連鎖移動剤が別々に反応系に添加されてもよいし、予め混合された状態で反応系に添加されてもよい。
好ましい形態においては、水系溶媒中で重合が行われる場合に、重合反応時の反応系の濃度が所定の範囲内の値に制御される。具体的には、水系溶媒中で重合が行われる場合、重合反応時の反応系の濃度は、好ましくは70〜98質量%に制御され、より好ましくは70〜95質量%に制御され、さらに好ましくは75〜95質量%に制御される。重合反応時の反応系の濃度が70質量%以上に制御されると、アルキルメルカプタン系連鎖移動剤が反応系に十分に溶解することができ、得られる共重合体の分子量が精密に制御されうる。一方、重合反応時の反応系の濃度が98質量%以下に制御されると、重合開始剤が有効に作用でき、得られる共重合体の分子量が精密に制御され、また、ポリマー純分の低下といった問題の発生が抑制されうる。
ここで、水系溶媒中で重合が行われる場合の「反応系の濃度」とは、反応系に含まれる全成分に占める、溶媒以外の成分の濃度を意味する。また、「重合反応時」とは、重合反応が進行しうる全ての時点を指し、具体的には、反応系に単量体成分および重合開始剤が存在することとなった時点(重合開始時点)から、重合反応が実質的に進行しなくなった時点(重合終了時点)までを意味する。なお、本形態においては、重合反応の全期間の、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは100%(すなわち、重合反応時の全期間)の時点において、反応系の濃度が上述した範囲内の値に制御される。
重合反応時の反応系の濃度を上述した範囲内の値に制御する手法は特に制限されず、初期仕込みの組成、別途添加する溶液の組成、並びに、別途添加する溶液の添加開始のタイミングおよび速度などを調節することにより、制御可能である。
以上、本発明の第1の共重合体の製造方法の好ましい形態について説明したが、得られた共重合体(溶液)は、そのまま水硬性材料添加剤として用いられてもよいし、適当な溶媒をさらに添加した溶液の状態で水硬性材料添加剤として用いられてもよい。また、共重合体をさらに一価金属や二価金属の水酸化物、塩化物および炭酸塩等の無機化合物;アンモニア;有機アミン等(好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の一価金属の水酸化物)のアルカリ性物質で中和して、共重合体塩の形態として水硬性材料添加剤として用いられてもよい。
本発明の第1の共重合体が水硬性材料添加剤として用いられる場合(以下、本発明の第1の共重合体を含む水硬性材料添加剤を、単に「本発明の水硬性材料添加剤」とも称する)には、1種のみの共重合体が単独で水硬性材料添加剤に含まれてもよいし、2種以上の共重合体が水硬性材料添加剤に含まれてもよい。
本発明の第1の共重合体は、水硬性材料添加剤として用いられた場合の、材齢7日における自己収縮低減率が、好ましくは5%以上である。材齢7日後の自己収縮低減率が上述した範囲内の値であれば、工業レベルでの実施可能性が十分に確保され、かつ硬化後のセメントの自己収縮を有効に抑制できるため、鉄筋などの経時的に形状変化を起さない構造物に使用しても、セメント硬化体との間に歪を生じないので、ひび割れなどの問題の発生が最小限に抑制されうる。これに対し、材齢7日後の自己収縮低減率が5%未満であると、十分な自己収縮抑制効果が得られず、例えば、鉄筋コンクリート構造物に使用された場合には、養生中あるいは養生後1ヶ月程度の初期段階でセメント硬化体の収縮による体積変化が発現し、鉄筋との間に拘束による歪が生じて、ひび割れなどの現象が引き起こされる虞がある。なお、本発明の第1の共重合体の材齢7日後の自己収縮低減率は、より好ましくは7%以上であり、さらに好ましくは10%以上である。なお、「材齢7日後の自己収縮低減率」の値としては、後述する実施例に記載された条件および手順に従って測定される値を採用するものとする。
本発明の水硬性材料添加剤は、本発明の第1の共重合体に加えて、他の成分を含みうる。他の成分としては、例えば、減水剤やAE剤などが挙げられる。ここで、「減水剤」とは、所要のスランプを得るのに必要な単位水量を減少させるために用いられる添加剤を意味する。また、「AE剤」とは、コンクリートなどの中に、多数の微細な独立した空気泡を一様に分散させ、ワーカビリティーおよび耐凍害性を向上させるために用いられる添加剤を意味する。本発明の水硬性材料添加剤に含まれるこれらの減水剤やAE剤の具体的な形態は特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。本発明の水硬性材料添加剤は、減水剤とAE剤との双方の効果を兼ね備えた添加剤である「AE減水剤」を含むことが好ましく、より好ましくは、空気連行性能を有し、AE減水剤よりも高い減水性能および良好なスランプ保持性能を有する添加剤である「高性能AE減水剤」を含む。
ここで、高性能AE減水剤の具体的な形態についても特に制限はなく、従来公知の高性能AE減水剤が使用できる。具体的には、特開昭62−68806号公報に開示されるような、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の特定の不飽和アルコールにエチレンオキシド等を付加したアルケニルエーテル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、およびこれらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、またはその塩、分子中にスルホン酸基を有する各種スルホン酸系高性能AE減水剤や、分子中にポリオキシアルキレン鎖とカルボキシル基とを有する各種ポリカルボン酸系高性能AE減水剤等の公知の高性能AE減水剤が使用できる。スルホン酸系高性能AE減水剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリスチレンスルホン酸塩;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系(特開平1−113419号公報参照)等が挙げられる。これらのうち、本発明の第1の共重合体と組み合わせた際の分散性、空気連行性などを考慮すると、高性能AE減水剤はポリカルボン酸系高性能AE減水剤であることが好ましい。
上記ポリカルボン酸系高性能AE減水剤は、特に制限されず、公知のポリカルボン酸系高性能AE減水剤が使用できるが、下記化学式5:
Figure 2007297241
で表される構成単位(a)および下記化学式2:
Figure 2007297241
で表される構成単位(b)を必須の構成単位として含むポリカルボン酸系高性能AE減水剤;特開平7−53645号公報、特開平8−208769号公報、特開平8−208770号公報等に記載されているような、ポリエーテル化合物に不飽和カルボン酸系単量体をグラフト重合した親水性グラフト重合体などが好適である。なかでも、上記構成単位(a)および上記構成単位(b)を必須の構成単位として含むポリカルボン酸系高性能AE減水剤が特に好ましく用いられる。
以下、かようなポリカルボン酸系高性能AE減水剤について説明する。なお、当該ポリカルボン酸系高性能AE減水剤の必須の構成単位である構成単位(b)および当該構成単位(b)を形成する単量体の具体的な形態については、本発明の第1の共重合体の欄において説明した通りであるため、ここでは説明を省略し、主に上記化学式5で表される構成単位(a)について詳細に説明する。
上記化学式5において、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、好ましくはRおよびR10の少なくとも一方は水素原子を表す。xは、0〜2の整数、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。R12Oは、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し、好ましくは炭素原子数2〜8のオキシアルキレン基、より好ましくは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基である。このようなオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシ1−ブテン基、オキシ2−ブテン基、オキシスチレン基等が好ましく挙げられるが、より好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、さらにより好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。オキシアルキレン基が1つの構成単位中に複数個存在する(すなわち、化学式5において、後述するyが2以上である)場合に、当該構成単位中には1種のみのオキシアルキレン基が存在してもよいし、2種以上のオキシアルキレン基が併存してもよい。2種以上のオキシアルキレン基が併存する場合には、これらのオキシアルキレン基の付加形態は特に限定されず、例えばランダム付加であってもよいし、ブロック付加であってもよいし、交互付加であってもよい。
構成単位(a)として1種の構成単位のみを用いる場合には、親水性と疎水性のバランスを確保するという観点から、オキシアルキレン基中にオキシエチレン基を必須成分として含むことが好ましく、さらに全オキシアルキレン基に占めるオキシエチレン基の割合が50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、70モル%以上であることがさらに好ましい。また、yは、オキシアルキレン基(R12O)の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。yが300を超えると、得られる共重合体が過度の分散性を発揮してしまい、これにより任意の量を添加できなくなり、所望の自己収縮低減性を得ることが困難となる虞がある。さらに、yが300を超えると、空気連行性が高くなり、空気量の調整が困難となり、強度低下や耐凍結融解性の低下を招く虞がある。yは、より好ましくは1〜150であり、さらに好ましくは1〜100であり、特に好ましくは1〜75であり、最も好ましくは1〜50である。R13は、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、好ましくは水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、より好ましくは水素原子または炭素原子数1〜18の炭化水素基を表し、特に好ましくは水素原子または炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。このような炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソオクチル基、2,3,5−トリメチルヘキシル基、4−エチル−5−メチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、イコシル基等の直鎖または分岐鎖のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびシクロオクチル基等の環状のアルキル基;フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−,m−もしくはp−トリル基、2,3−もしくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基およびピレニル基等のアリール基などが挙げられる。空気連行性の観点からは、R13は、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
化学式5で表される構成単位(a)を形成する単量体としては、例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール、メタリルアルコールまたはイソプレンアルコール等のアルコール類への炭素原子数2〜18のアルキレンオキサイドの付加物等が挙げられる。なお、上記単量体としては、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
構成単位(a)を形成する単量体の具体例としては、例えば、(ポリ)エチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、ポリ)ブチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル等が挙げられる。
上記ポリカルボン酸系高性能AE減水剤は、上記化学式5で表される構成単位(a)および上記化学式2で表される構成単位(b)を必須の構成単位として含む重合体であるが、さらに、これらの構成単位を形成する単量体と共重合可能な他の単量体由来の構成単位(c)を含んでもよい。当該他の単量体の具体的な形態は、本発明の第1の共重合体の欄において説明した他の単量体(C)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記ポリカルボン酸系高性能AE減水剤における構成単位(a)、構成単位(b)、および必要であれば構成単位(c)との比率(構成単位(a)/構成単位(b)/構成単位(c)(質量比))は、好ましくは99〜1/1〜99/0〜50であり、より好ましくは99〜30/1〜70/0〜40であり、特に好ましくは99〜50/1〜50/0〜30である。この際、構成単位(a)、(b)および(c)の割合の合計は、100質量%である。また、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤における構成単位(a)および構成単位(b)の合計含有量の割合としては、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤の全量に対して、好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは70〜100質量%である。
本発明の好ましい構成成分であるポリカルボン酸系高性能AE減水剤としての重合体を製造する方法は、特に制限されず、公知の重合方法が使用できるが、一般的には、重合開始剤を用いて前記単量体成分を重合させればよい。単量体成分の重合方法は、特に制限されず、公知の重合方法が同様にあるいは修飾されて使用できるが、重合は、例えば、溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行なうことができる。溶媒中での重合は回分式でも連続式でも行なうことができ、その際使用される溶媒としては、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族あるいは脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物等が挙げられる。原料単量体及び得られる重合体の溶解性並びにこの重合体の使用時の簡便さを考慮すると、水及び炭素原子数1〜4の低級アルコールよりなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましく、炭素原子数1〜4の低級アルコールがより好ましく、特にメタノール、エタノール、2−プロパノール等が有効である。
水媒体中で重合を行なう場合に使用される重合開始剤は、特に制限されず、公知の重合開始剤が使用でき、例えば、アンモニウム又はアルカリ金属の過硫酸塩あるいは過酸化水素等の水溶性の重合開始剤が使用される。この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩、アスコルビン酸(塩)、ロンガリット等の促進剤を併用することもできる。また、低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル化合物あるいはケトン化合物を溶媒とする重合を行なう場合に使用される重合開始剤もまた、特に制限されず、公知の重合開始剤が使用できるが、具体的には、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のパーオキシド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が重合開始剤として用いられる。この際、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物等の促進剤を併用することもできる。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。さらに、水−低級アルコール混合溶剤を用いる場合には、上記の種々の重合開始剤あるいは重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。重合開始剤の添加量は、特に制限されず、公知の重合方法で使用される量と同様の量が使用できる。また、重合条件も、特に制限されず、公知の重合条件と同様の条件が使用できるが、例えば、重合温度は、用いる溶媒や重合開始剤により適宜定められるが、通常、0〜120℃の範囲内で行なわれる。
また、塊状重合の場合においても、その方法、使用される重合開始剤の種類や量、重合条件などは、特に制限されず、公知の方法などが使用できる。例えば、重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が使用できる。また、塊状重合は、例えば、50〜200℃の温度範囲内で行なわれる。
また、得られる重合体(ポリカルボン酸系高性能AE減水剤)の分子量を調節することを目的として、連鎖移動剤を使用することができる。このような連鎖移動剤としては、特に制限されないが、例えば親水性連鎖移動剤が使用されうる。
かような親水性連鎖移動剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、チオグリセロール、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系連鎖移動剤;2−アミノプロパン−1−オール等の1級アルコール;イソプロパノール等の2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸およびその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物及びその塩等が好適である。この際、親水性連鎖移動剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、連続してあるいは段階的に滴下する方法のいずれでもよいが、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することが好ましい。また、連鎖移動剤を単独で反応容器へ導入してもよく、上記した単量体(a)、(b)および必要であれば単量体(c)の単量体成分、溶媒等とあらかじめ混合しておいてもよい。
以上、本発明の水硬性材料添加剤の好ましい構成成分である高性能AE減水剤として、上記化学式5で表される構成単位(a)および上記化学式2で表される構成単位(b)を必須の構成単位として含むポリカルボン酸系高性能AE減水剤を例に挙げて詳細に説明したが、その他のポリカルボン酸系高性能AE減水剤が、本発明の水硬性材料添加剤に含まれても、勿論よい。例えば、上記化学式1で表される構成単位(I)および上記化学式2で表される構成単位(II)を必須の構成単位として含むポリカルボン酸系高性能AE減水剤が、本発明の水硬性材料添加剤に含まれてもよい。
ただし、かようなポリカルボン酸系高性能AE減水剤を構成するポリカルボン酸系共重合体の構成は、本発明の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系共重合体の構成とは異なる。すなわち、本発明の共重合体は、所定のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を所定量用いた共重合により得られるものであることから、当該共重合体と組み合わされるポリカルボン酸系高性能AE減水剤を構成する共重合体は、1)本発明と同様のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を用いるが、その使用量が本発明とは異なる共重合;2)本発明とは異なる連鎖移動剤を用いる共重合;および3)連鎖移動剤を用いない共重合のいずれかにより製造されるものである。
かようなポリカルボン酸系高性能AE減水剤を構成するポリカルボン酸系共重合体の具体的な構成およびその製造方法としては、連鎖移動剤について上述した点を除き、本発明の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系共重合体における形態と同様である。従って、ここでは詳細な説明を省略する。
このようにして得られた重合体は、そのままでポリカルボン酸系高性能AE減水剤として用いられてもよいが、有機溶媒を含まない水溶液の形で取り扱ってもよく、このような場合には、重合体をさらに一価金属および二価金属の水酸化物、塩化物および炭酸塩等の無機化合物;アンモニア;有機アミン等(好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の一価金属の水酸化物)のアルカリ性物質で中和して、重合体塩の形態としてポリカルボン酸系高性能AE減水剤として用いてもよい。
また、本発明によるポリカルボン酸系高性能AE減水剤を構成する重合体の重量平均分子量は、得られる重合体が十分な分散性/流動性を発揮できる値であれば特に制限されないが、GPCによるポリエチレングリコール換算で、好ましくは500〜500000であり、より好ましくは500〜200000であり、さらに好ましくは500〜100000であり、特に好ましくは500〜80000である。上記範囲において、重量平均分子量が上限を超える場合には、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤の減水性能、スランプロス防止能が低下する虞があり、逆に下限を下回る場合には、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤の減水性能が低下する虞がある。
なお、本明細書において、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤の重量平均分子量は、特記しない限り、下記GPC測定条件によって測定された値である。
<GPC分子量測定条件>
使用カラム:東ソー社製、TSK guard column SWXL+TSK ge1 G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に調整した溶離液を用いる
打込み量:100μL
サンプル濃度:0.5重量%
溶離液流速:0.8mL/sec
カラム温度:35℃
標準物質:ポリエチレングリコール、重量平均分子量(Mw)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470
検出器:日本Waters社製、示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製、MILLENNIUM Ver.2.18。
上記ポリカルボン酸系高性能AE減水剤が本発明の水硬性材料添加剤に含まれる場合、1種のみの重合体が単独で含まれてもよいし、2種以上の重合体が混合されて含まれてもよい。
本発明の第1の共重合体(ア)と、上述した高性能AE減水剤(好ましくは、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤)(イ)とを本発明の水硬性材料添加剤の構成成分として併用することによって、目的に応じた分散性/流動性と高い自己収縮低減性を達成することができる。
本発明の水硬性材料添加剤における、本発明の第1の共重合体および高性能AE減水剤の含有量は、所望の自己収縮低減性、および分散性/流動性が達成できるものであれば特に制限されず、これらの所望の性能を勘案して適宜決定される。本発明の水硬性材料添加剤における(ア)と(イ)の質量比(ア:イ)は、好ましくは99.5:0.5〜0.5:99.5、より好ましくは99〜1:1〜99、最も好ましくは98〜2:2〜98である。
本発明の水硬性材料添加剤は、水溶液の形態で用いられてもよいし、カルシウム、マグネシウム等の二価金属の水酸化物で中和して多価金属塩とした後に乾燥させたり、シリカ系微粉末等の無機粉体に担持して乾燥させたりすることにより粉体化して使用してもよい。
本発明の水硬性材料添加剤は、各種水硬性材料、すなわち、セメントや、石膏等のセメント以外の水硬性材料に用いることができる。そして、水硬性材料と水と本発明の水硬性材料添加剤とを含有し、さらに必要に応じて細骨材(砂等)や粗骨材(砕石等)を含む水硬性組成物としては、セメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスターが好適である。
上記水硬性組成物の中では、水硬性材料としてセメントを使用するセメント組成物が最も一般的であり、そのようなセメント組成物は、本発明の水硬性材料添加剤、セメントおよび水を必須成分として含んでなることになる。このようなセメント組成物もまた、本発明の1つである。
本発明のセメント組成物において使用されるセメントとしては、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料として製造されたセメント)が好適であり、更に、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加してもよい。また、骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が使用可能である。
本発明の水硬性材料添加剤における、その1mあたりの単位水量、セメント使用量および水/セメント比としては、単位水量100〜185kg/m、使用セメント量250〜800kg/m、水/セメント比(質量比)=0.1〜0.7とすることが好ましく、より好ましくは、単位水量120〜175kg/m、使用セメント量270〜800kg/m、水/セメント比(質量比)=0.2〜0.65が推奨され、貧配合〜富配合まで幅広く使用可能であり、単位セメント量の多い高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。
本発明の水硬性材料添加剤の配合割合は、所望の自己収縮低減性および分散性/流動性を達成できる量であれば特に制限されない。例えば、水硬性セメントを用いるモルタルやコンクリート等の水硬性材料に添加する場合の、本発明の水硬性材料添加剤の量は、水硬性材料100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは0.01〜5質量部、さらに好ましくは0.05〜3質量部である。このように従来に比して少ない量で、十分な自己収縮低減性能および分散性/流動性が確保できる。
本発明の水硬性材料添加剤はまた、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート)用のコンクリート、遠心成形コンクリート、振動締め固めコンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等に有効であり、さらに、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cmのコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70cmのコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルやコンクリートにも有効である。
さらに、本発明の水硬性材料添加剤は、以下の(1)〜(20)に例示するような他の公知のセメント添加剤(材)を含有することができる。
(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;メチルセルロース、エチルセルローズ、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルローズ、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルローズエーテル類;メチルセルロース、エチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピルセルロース等の多糖類のアルキル化若しくはヒドロキシアルキル化誘導体の一部又は全部の水酸基の水素原子が、炭素数8〜40の炭化水素鎖を部分構造として有する疎水性置換基と、スルホン酸基又はそれらの塩を部分構造として含有するイオン性親水性置換基で置換されてなる多糖誘導体;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1.3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状のいずれでも良く、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマー及びその四級化合物等。
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、又はデキストリン等のオリゴ糖、又はデキストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール,3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
(10)アルコール系消泡剤:オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(16)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシ基を置換基として有してもよい、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル等。
(20)膨張材;エトリンガイト系、石炭系等。
その他の公知のセメント添加剤(材)としては、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、着色剤、防カビ剤等を挙げることができる。尚、上記公知のセメント添加剤(材)は、複数の併用も可能である。
本発明の水硬性材料添加剤において、セメント及び水以外の成分についての特に好適な実施形態としては、次の1)〜8)が挙げられる。
1)(a)本発明の水硬性材料添加剤、(b)オキシアルキレン系消泡剤の2成分を必須とする組み合わせ。尚、(b)のオキシアルキレン系消泡剤の配合質量比としては、(a)の乾燥収縮低減剤に対して0.01〜200質量%が好ましい。
2)(a)本発明の水硬性材料添加剤、(b)リグニンスルホン酸塩の2成分を必須とする組み合わせ。尚、(a)の水硬性材料添加剤と(b)のリグニンスルホン酸塩との配合質量比としては、99.5/0.5〜0.5/99.5が好ましく、98/2〜20/80がより好ましい。
3)(a)本発明の水硬性材料添加剤、(b)リグニンスルホン酸塩、(c)オキシアルキレン系消泡剤の3成分を必須とする組み合わせ。尚、(a)の水硬性材料添加剤と(b)のリグニンスルホン酸塩との配合質量比としては、99.5/0.5〜0.5/99.5が好ましく、98/2〜20/80がより好ましい。また(c)オキシアルキレン系消泡剤の配合質量比としては、(a)の水硬性材料添加剤と(b)のリグニンスルホン酸塩との合計質量に対して0.01〜200質量%が好ましい。
4)(a)本発明の水硬性材料添加剤、(b)ポリカルボン酸系分散剤、(c)オキシアルキレン系消泡剤の3成分を必須とする組み合わせ。尚、(a)の水硬性材料添加剤と(b)のポリカルボン酸系分散剤との配合質量比としては、99.5/0.5〜0.5/99.5が好ましく、98/2〜20/80がより好ましい。また(c)オキシアルキレン系消泡剤の配合質量比としては、(a)の水硬性材料添加剤と(b)のポリカルボン酸系分散剤との合計質量に対して0.01〜200質量%が好ましい。
5)(a)本発明の水硬性材料添加剤、(b)材料分離低減剤の2成分を必須とする組み合わせ。材料分離低減剤としては、非イオン性セルローズエーテル類等の各種増粘剤、部分構造として炭素数4〜30の炭化水素鎖からなる疎水性置換基と炭素数2〜18のアルキレンオキシドを平均付加モル数で2〜300付加したポリオキシアルキレン鎖とを有する化合物等が使用可能である。尚、(a)の水硬性材料添加剤と(b)の材料分離低減剤との配合質量比としては、10/90〜99.99/0.01が好ましく、50/50〜99.9/0.1がより好ましい。この組み合わせからなる水硬性材料添加剤は、高流動コンクリート、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材として好適である。
6)(a)本発明の水硬性材料添加剤、(b)遅延剤の2成分を必須とする組み合わせ。遅延剤としては、グルコン酸(塩)、クエン酸(塩)等のオキシカルボン酸類、グルコース等の糖類、ソルビトール等の糖アルコール類、アミノトリ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸類等が使用可能である。この中でグルコン酸(塩)、クエン酸(塩)等のオキシカルボン酸類が特に好ましい。尚、(a)の水硬性材料添加剤と(b)の遅延剤との配合質量比としては、50/50〜99.9/0.1が好ましく、70/30〜99/1がより好ましい。
7)(a)本発明の水硬性材料添加剤、(b)促進剤の2成分を必須とする組み合わせ。促進剤としては、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム等の可溶性カルシウム塩類、塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物類、チオ硫酸塩、ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩類等が使用可能である。尚、(a)の水硬性材料添加剤と(b)の促進剤との配合質量比としては、10/90〜99.9/0.1が好ましく、20/80〜99/1がより好ましい。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本明細書中、特に断わりのない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を表すものとする。また、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
本実施例において、重合体の重量平均分子量および自己収縮低減性は、下記方法に従って評価した。
<GPC分子量測定条件>
使用カラム:東ソー社製、TSK guard column SWXL+TSK ge1 G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に調整した溶離液を用いる
打込み量:100μL
サンプル濃度:0.5重量%
溶離液流速:0.8mL/sec
カラム温度:35℃
標準物質:ポリエチレングリコール、重量平均分子量(Mw)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470
検出器:日本Waters社製、示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製、MILLENNIUM Ver.2.18。
<材齢7日後の自己収縮低減率>
評価用モルタルの混錬は以下の通り実施した。
W/Cが30%となるように、本発明の共重合体、比較重合体または基準重合体を秤量して水で希釈した水溶液270g、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)900gおよび豊浦標準砂900gを、ホバート型モルタルミキサー(ホバート社製、型番N−50)を用い、モルタルの混錬を行なった。
具体的には、混練槽にセメントおよび砂を投入し、30秒間1速で空練りした後、重合体の水溶液を10秒間かけて投入した。次いで、混練速度を2速に切り替えて3分間混錬し、評価用モルタルを得た。得られたモルタルを用いてフロー試験および空気量測定を行い、モルタルフロー値200±10mmを達成しうる重合体または比較重合体の添加量を測定した。この際、モルタル空気量が5〜7体積%となるように、必要に応じて空気量調整剤(マイクロエア404)およびAE剤(マイクロエア775S)(いずれもポゾリス物産社製)を添加してモルタルの空気量を調節した。なお、モルタルフロー値は、JIS R 5201−1997に記載の方法に準拠して、0打でのフロー値を測定した。また、モルタル空気量の測定には500mlメスシリンダーを用い、JIS A 1174(まだ固まらないポリマーセメントモルタルの単位容積質量試験方法及び空気量の質量による試験方法(質量方法))に準拠して実施した。
自己収縮低減性を、以下のようにして、自己収縮ひずみを測定することによって、評価した。
ひずみゲージ(型式:KMC−70−120−H4、共和電業社製)を使用して、自己収縮ひずみを測定した。なお、このひずみ測定と同時に、貫入抵抗測定による凝結時間の測定を実施し、凝結開始時間をひずみ測定の起点とした。なお、凝結時間の測定は、温度20±2℃に設定した部屋で、ASTM C 403/C 403M−99に準じて、貫入抵抗値を測定することにより実施した。すなわち、上述した手法と同様の手法を用いて得られたモルタルを、ポリプロピレン製の容器(口径×下径×高さ=91×84×127mm)に2回に分けて詰め、注水から3または4時間目から貫入測定値の測定を開始した。注水から貫入抵抗値が28.0N/mmになるまでの経過時間を凝結終結時間(分)とし、自己収縮ひずみを測定する起点とした。
自己収縮ひずみの測定には、図1に示す装置を用いた。容器としては口径×下径×高さ=91×84×127mmのポリプロピレン製容器を使用した。また、容器内部に予めシリコングリースを塗布して、容器とモルタルとの接着を防止し、容易に脱型できるようにした。上記で混錬して得られたモルタルを容器に充填した後、ポリ塩化ビニリデンシートで蓋をし、20±2℃で7日間保管すると同時に、収縮ひずみを測定した。この際、自己収縮低減率は、下記数式1に示すように、基準モルタルの収縮量に対してどの程度自己収縮を低減したかを示し、値が大きいほど収縮低減性能が高いことを意味する。なお、基準モルタルとしては、後述する基準重合体を使用し、所定のモルタルフローおよび空気量になるよう調整した供試体を用いた。
Figure 2007297241
製造例1:本発明のポリカルボン酸系共重合体(PP−1)の合成
温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入菅および還流冷却器を備えたガラス製500ml反応容器に、イオン交換水7.59g、化学式1で表される構成単位(I)を形成する単量体(A)であるメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学社製、NKエステルM−230G、エチレンオキサイドの平均付加モル数=23)(以下、「M230G」とも称する)68.34g、化学式2で表される構成単位(II)を形成する単量体(B)であるメタクリル酸(以下、「MAA」とも称する)13.61g、炭素原子数12のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤であるドデシルメルカプタン1.11gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで昇温した。
次いで、イオン交換水14.10g、M230G 126.92g、およびメタクリル酸25.27gを混合し、さらにドデシルメルカプタン2.06gを均一に混合して、単量体混合物水溶液を調製した。一方、イオン交換水38.31gおよびラジカル重合開始剤である過硫酸アンモニウム2.69gを均一に混合し、開始剤水溶液を調製した。
上記で調製した単量体混合物水溶液および開始剤水溶液を、別ラインで同時に滴下を開始し、単量体混合物水溶液については3時間、開始剤水溶液については3.5時間かけて、それぞれ全量を反応系に連続的に滴下した。開始剤水溶液の滴下終了後、さらに80℃にて1時間熟成して、重合反応を完結させた。
その後、重合反応温度以下の温度にて、水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応溶液をpH7に中和し、ポリカルボン酸系共重合体(PP−1)(重量平均分子量:37600)を含む水溶液(1)を得た。
製造例2〜5:本発明のポリカルボン酸系共重合体(PP−2およびPP−3)並びに比較重合体および基準重合体の合成
反応容器への初期仕込み量、単量体混合物水溶液、および開始剤水溶液の組成を下記の表1に示す値としたこと以外は、上記の製造例1と同様の手法により、ポリカルボン酸系重合体を含む水溶液を得た。また、当該水溶液に含まれるポリカルボン酸系共重合体の重量平均分子量を測定した。
Figure 2007297241
<評価>
上記で製造したPP−1〜PP−3並びに比較重合体および基準重合体について、材齢7日における自己収縮低減率を評価した。その結果を下記の表2に示す。
Figure 2007297241
表2に示す結果から、本発明のポリカルボン酸系共重合体(PP−1〜PP−3)は、比較重合体と比較して、有意に優れた自己収縮低減性能を発揮することがわかる。これは、本発明のポリカルボン酸系共重合体が、所定のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を所定量用いた共重合により得られることによるものと考えられる。
材齢7日の自己収縮低減率の測定に使用される装置を説明する図である。

Claims (6)

  1. 下記化学式1:
    Figure 2007297241
    式中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し;sは、0〜2の整数であり;ROは、それぞれ独立して、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し;uは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300であり;Rは、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す、
    で表される構成単位(I);並びに、下記化学式2;
    Figure 2007297241
    式中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CHCOOZ’基を表し、この際Z’は、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アミン基を表し;qは、0〜2の整数であり;Zは、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基、または有機アミン基を表し;COOZ’基およびCOOZ基が合計で2個以上存在する場合には、これらのうちの2個が無水物を形成していてもよい、
    で表される構成単位(II)を必須の構成単位として含み、炭素原子数4以上のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を、前記構成単位(I)および前記構成単位(II)の合計モル数100モル%に対して0.1〜5.5モル%用いた共重合により得られる、水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系共重合体。
  2. 請求項1に記載の水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系共重合体および他の減水剤を含む、水硬性材料添加剤。
  3. 前記他の減水剤が高性能AE減水剤である、請求項2に記載の水硬性材料添加剤。
  4. 前記高性能AE減水剤がポリカルボン酸系高性能AE減水剤である、請求項3に記載の水硬性材料添加剤。
  5. 下記化学式3:
    Figure 2007297241
    で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(A)および下記化学式4:
    Figure 2007297241
    で表される不飽和カルボン酸系単量体(B)を含む単量体成分を、炭素原子数4以上のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤および重合開始剤の存在下にて、重合反応時の反応系の濃度を70〜98質量%に制御しながら、水系溶媒中で重合する段階を有する、ポリカルボン酸系共重合体の製造方法。
  6. 前記重合開始剤が過硫酸塩またはアゾ化合物である、請求項5に記載の製造方法。
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