JP2007294149A - 車両用前照灯 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の車両用前照灯では、第2切替スピードを第1切替スピードよりも速くするとソレノイドやモータが大型化する。
【解決手段】ステッピングモータ34から構成されており、第1シェード5および第2シェード6の姿勢を複数の配光パターンが得られる複数の姿勢に切り替えるシェード切替装置7と、複数の配光パターンの切替が少なくとも第1切替と第2切替とを有し、定格電流でもしくは一定速制御でステッピングモータ34を駆動制御して第1切替を行い、定格電流値よりも大きい電流値でまたはおよび加速制御でステッピングモータ34を駆動制御して第2切替を行う制御装置100と、を備える。この結果、第2切替スピードを第1切替スピードよりも速くしてもステッピングモータ34が大型化することがない。
【選択図】 図13

Description

この発明は、ヘッドランプやフォグランプなどであって、複数の配光パターン、たとえば、すれ違い用配光パターンと高速道路用配光パターン、すれ違い用配光パターンと走行用配光パターン高速道路用配光パターンと走行用配光パターン、などが得られるプロジェクタタイプの車両用前照灯に関するものである。特に、この発明は、複数の配光パターンの切替が少なくとも2つあって、その一方の切替が他方の切替に対して切替スピードが重視される場合において、一方の切替スピードを所定のスピードに確保することができ、しかも、その切替スピードを適正に制御することができる車両用前照灯に関するものである。
この種の車両用前照灯は、従来からある(たとえば、特許文献1参照)。以下、従来の車両用前照灯について説明する。従来の車両用前照灯は、光源と、前記光源からの光を反射させるリフレクタと、前記リフレクタからの反射光を前方に投影する投影レンズと、前記リフレクタから前記投影レンズに向かう反射光を前記複数の配光パターンが得られる複数のビームに切り替えるシェードと、前記シェードの姿勢を前記複数の配光パターンが得られる複数の姿勢に切り替えるシェード切替装置(ソレノイドとスプリングとから構成されている)と、を備え、前記ソレノイドのプランジャが前記シェードに当接している。以下、従来の車両用前照灯の作用について説明する。前記ソレノイドに通電したり通電を遮断したりすることにより、前記ソレノイドのプランジャが進退して、このプランジャの進退とスプリングの力との作用により、前記シェードが複数の姿勢に切り替わって、複数の配光パターンが得られる。
ここで、車両用前照灯においては、複数の配光パターンを切り替える際に、一方の切替が他方の切替に対して切替スピードが重視される場合があり、この場合においては、一方の切替スピードを所定のスピードに確保することが必要である。ところが、従来の車両用前照灯は、シェード切替装置としてソレノイドを使用するので、一方の切替スピードを所定のスピードに確保するためには、ソレノイドが大型化し、しかも、その切替スピードを適正に制御することが難しい。そこで、シェード切替装置としてソレノイドの代わりにモータを使用することが提案されている。この場合、通常のモータ(たとえば、DCモータ)を使用するので、前記ソレノイドの場合とほぼ同様に、一方の切替スピードを所定のスピードに確保するためには、モータが大型化し、しかも、その切替スピードを適正に制御することが難しい。
特開2003−123514号公報
この発明が解決しようとする問題点は、ソレノイドや通常のモータを使用した従来の車両用前照灯では、複数の配光パターンの切替が少なくとも2つあって、その一方の切替が他方の切替に対して切替スピードが重視される場合において、一方の切替スピードを所定のスピードに確保するためには、ソレノイドやモータが大型化し、しかも、その切替スピードを適正に制御することが難しいという点にある。
この発明(請求項1にかかる発明)は、ステッピングモータから構成されており、シェードの姿勢を複数の配光パターンが得られる複数の姿勢に切り替えるシェード切替装置と、複数の配光パターンの切替が少なくとも第1切替と第2切替とを有し、定格電流でもしくは一定速制御でステッピングモータを駆動制御して第1切替を行い、定格電流値よりも大きい電流値でまたはおよび加速制御でステッピングモータを駆動制御して第2切替を行う制御装置と、を備えることを特徴とする。
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、シェード切替装置が、切り替えられたシェードの姿勢が戻るのを防ぐ機構を有し、制御装置が、第1切替および第2切替が完了した時点でステッピングモータへの電流供給を遮断する、ことを特徴とする。
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、制御装置の加速制御における加速時間がステッピングモータの特性上可能な範囲で最も短時間とする。
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、制御装置が制御する第1切替が、すれ違い用配光パターンと高速道路用配光パターンとの切替であり、制御装置が制御する第2切替が、すれ違い用配光パターンと走行用配光パターンとの切替、もしくは、高速道路用配光パターンと走行用配光パターンとの切替である。
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用前照灯は、ソレノイドおよび通常のモータ(たとえば、DCモータ)の代わりにステッピングモータを使用し、かつ、そのステッピングモータを制御装置により駆動制御する。すなわち、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用前照灯は、制御装置の制御作用により、定格電流でもしくは一定速制御でステッピングモータを駆動制御して第1切替を行い、定格電流値よりも大きい電流値でまたはおよび加速制御でステッピングモータを駆動制御して第2切替を行うことができる。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用前照灯は、複数の配光パターンの切替が少なくとも2つ(第1切替および第2切替)あって、その一方の切替(第2切替)が他方の切替(第1切替)に対して切替スピードが重視される場合において、制御装置のステッピングモータの駆動制御により、ステッピングモータを大型化することなく、一方の切替スピードを所定のスピードに確保することができ、しかも、その切替スピードを適正に制御することができる。
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用前照灯は、シェード切替装置が、切り替えられたシェードの姿勢が戻るのを防ぐ機構を有するので、制御装置が、第1切替および第2切替が完了した時点でステッピングモータへの電流供給を遮断しても、シェードの位置を固定することができる。このために、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用前照灯は、切替完了時点で電流を遮断するので、ステッピングモータの自己発熱を防止でき、ステッピングモータの耐久性を維持することができ、消費電力を抑制することができる。
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用前照灯は、制御装置の加速制御における加速時間をステッピングモータの特性上可能な範囲で最も短時間とするので、第2切替の切替スピードをさらに上げることができ、第2切替の切替感を向上させることができる。
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用前照灯は、制御装置の制御により、すれ違い用配光パターンと高速道路用配光パターンとの切替を第1切替で行い、すれ違い用配光パターンと走行用配光パターンとの切替、もしくは、高速道路用配光パターンと走行用配光パターンとの切替を第2切替で行う。このために、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用前照灯は、第1切替のすれ違い用配光パターンと高速道路用配光パターンとの切替(他方の切替)に対して、切替スピードが重視される配光パターンの切替、すなわち、第2切替のすれ違い用配光パターンと走行用配光パターンとの切替(一方の切替)、もしくは、第2切替の高速道路用配光パターンと走行用配光パターンとの切替(一方の切替)の切替スピードを所定のスピードに確保することができる。この結果、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用前照灯は、車両が高速で走行する際に、すれ違い用配光パターンもしくは高速道路用配光パターンから走行用配光パターンに所定のスピードで切り替わるので、高速走行における視野を確保することができ、交通安全に貢献することができる。
以下、この発明にかかる車両用前照灯の実施例のうちの3例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。図面において、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、左右の水平線、および、スクリーンの左右の水平線を示す。
図1〜図14は、この発明にかかる車両用前照灯の実施例1を示す。以下、この実施例1にかかる車両用前照灯の構成について説明する。図1〜図4において、符号1は、この実施例1にかかる車両用前照灯である。前記車両用前照灯1は、たとえば、プロジェクタタイプのヘッドランプである。前記車両用前照灯1は、光源としての放電灯2と、リフレクタ3と、投影レンズ(集光レンズ)4と、シェードとしての第1シェード5および第2シェード6と、シェード切替装置7と、フレーム部材8と、ストッパ部材9と、シャフト10と、制御装置100と、を備えるものである。前記車両用前照灯1は、前記放電灯2および前記リフレクタ3および前記投影レンズ4および前記第1シェード5および前記第2シェード6および前記シェード切替装置7および前記フレーム部材8および前記ストッパ部材9および前記シャフト10を組み付けてランプユニットを構成するものである。
前記放電灯2は、いわゆる、メタルハライドランプなどの高圧金属蒸気放電灯、高輝度放電灯(HID)などである。前記放電灯2は、前記リフレクタ3にソケット機構11を介して着脱可能に取り付けられている。前記放電灯2の発光部分12は、前記リフレクタ3の第1焦点(図示せず)もしくはその近傍に位置する。なお、光源としては、前記放電灯2以外に、ハロゲン電球、白熱電球でも良い。
前記リフレクタ3の内凹面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて、反射面13が形成されている。前記リフレクタ3の反射面13は、楕円を基調とした反射面、たとえば、回転楕円面や楕円を基本とした自由曲面(NURBS曲面)などの反射面(図1〜図3の垂直断面が楕円面をなし、かつ、図示しない水平断面が放物面ないし変形放物面をなす反射面)からなる。このために、前記リフレクタ3の反射面13は、第1焦点と、第2焦点(水平断面上の焦線、なお、図示せず)とを有する。前記リフレクタ3は、ホルダなどのフレーム部材8に固定保持されている。なお、前記リフレクタ3の反射面13の自由曲面(NURBS曲面)は、「Mathematical Elemennts for Computer Graphics」(Devid F. Rogers、J Alan Adams)に記載されているNURBSの自由曲面(Non-Uniform Rational B-Spline Surface)である。
前記投影レンズ4は、非球面レンズの凸レンズである。前記投影レンズ4の前方側は、凸非球面をなし、一方、前記投影レンズ4の後方側は、平非球面をなす。前記投影レンズ4は、前記フレーム部材8に固定保持されている。前記投影レンズ4は、図示されていないが、前記リフレクタ3の反射面13の第2焦点よりも前側に物空間側の焦点面(メリジオナル像面)を有する。
前記第1シェード5および第2シェード6は、前記リフレクタ3の反射面13から前記投影レンズ4に向かう反射光を、図9中の実線で示すすれ違い用配光パターンLP(第1配光パターン)が得られるロービーム(すれ違いビーム)と、同じく図9中の点線で示す高速道路(モータウエイ)用配光パターンMP(第2配光パターン)が得られるミッドビーム(高速道路ビーム)と、同じく図9中の二点鎖線で示す走行用配光パターンHP(第3配光パターン)が得られるハイビーム(走行ビーム)と、に切り替えるものである。
前記第1シェード5は、図1〜図4に示すように、本体部14と、前記本体部14に一体に設けられている前側シェード部15および後側シェード部16および係合部17および左右のストッパ部18および左右のサブリフレクタ部19および下面の湾曲部32および押部51と、から構成されている。前記左右のサブリフレクタ部19の左右には、小円形の透孔20がそれぞれ設けられている。前記サブリフレクタ部19には、前記すれ違い用配光パターンLPおよび前記高速道路用配光パターンMPおよび前記走行用配光パターンHPの所定の位置にそれぞれ配置される所定のサブ配光パターン(図示せず)を形成する反射面が設けられている。
前記前側シェード部15および前記後側シェード部16は、横方向(左右方向、水平方向)に長いほぼ長方形の薄板部材から構成されている。前記前側シェード部15と前記後側シェード部16との間には、隙間が形成される。前記前側シェード部15の上端縁および前記後側シェード部16の上端縁には、前記すれ違い用配光パターンLPの上水平カットオフラインおよび斜めカットオフラインおよび下水平カットオフラインを形成するための下水平エッジおよび斜めエッジおよび上水平エッジがそれぞれ設けられている。
前記第2シェード6は、同じく図1〜図4に示すように、本体部21と、前記本体部21に一体に設けられているシェード部22および係合部23および左右のストッパ部24および左右の折曲部25と、から構成されている。前記左右の折曲部25の左右には、小円形の透孔26がそれぞれ設けられている。
前記シェード部22は、横方向(左右方向、水平方向)に長いほぼ長方形の薄板部材から構成されている。前記シェード部22は、前記第1シェード5の前記前側シェード部15と前記後側シェード部16との間の隙間に配置されている。前記シェード部22の上端縁には、前記高速道路用配光パターンMPの上水平カットオフラインおよび斜めカットオフラインおよび下水平カットオフラインを形成するための下水平エッジおよび斜めエッジおよび上水平エッジがそれぞれ設けられている。
前記フレーム部材8は、図1〜図4に示すように、前記投影レンズ4を保持固定する。前記フレーム部材8の左右側壁のほぼ中央には、スリット27がそれぞれ設けられている。また、前記フレーム部材8の上下壁のほぼ中央には、スイブル軸28がそれぞれ一体に設けられている。
前記ストッパ部材9は、図1〜図4に示すように、ロ形状をなす。前記ストッパ部材9の左右のほぼ中央には、スリット29が前記フレーム部材8の前記スリット27と対応してそれぞれ設けられている。また、前記ストッパ部材9の左右の下部には、ストッパ部30がそれぞれ一体に設けられている。
前記フレーム部材8と前記ストッパ部材9とは、スクリュー(図示せず)により一体に取り付けられている。また、前記リフレクタ3は、前記フレーム部材8および前記ストッパ部材9にスクリュー(図示せず)により一体に取り付けられている。
前記シャフト10は、図1〜図4に示すように、断面円形をなす。前記シャフト10の左右両端には、フラット部31がそれぞれ設けられている。前記シャフト10のフラット部31は、前記フレーム部材8のスリット27およびストッパ部材28のスリット29にそれぞれ固定されている。
前記第1シェード5および前記第2シェード6は、前記シャフト10に回転可能に取り付けられている。すなわち、前記シャフト10の左右の断面円形の両端部が前記第1シェード5の前記透孔20および前記第2シェード6の前記透孔26中にそれぞれ回転可能に挿入されている。この結果、前記第1シェード5および前記第2シェード6は、前記シャフト10を介して前記リフレクタ3および前記フレーム部材8および前記ストッパ部材9に姿勢切替可能に取り付けられている。
前記第1シェード5において、前記前側シェード部15および前記後側シェード部16および前記押部51は、前記シャフト10に対して後側(前記リフレクタ3側)に位置し、一方、前記係合部17および前記ストッパ部18および前記湾曲部32は、前記シャフト10に対して前側(前記投影レンズ4側)に位置する。また、前記第2シェード6において、前記シェード部22は、前記シャフト10に対して後側(前記リフレクタ3側)に位置し、一方、前記係合部23および前記ストッパ部24は、前記シャフト10に対して前側(前記投影レンズ4側)に位置する。
前記シェード切替装置7は、スプリング33およびステッピングモータ34およびねじ変換機構35および進退ロッド36から構成されている。前記シェード切替装置7は、前記第1シェード5および前記第2シェード6の姿勢を、複数の配光パターン(前記すれ違い用配光パターンLPおよび前記高速道路用配光パターンMPおよび前記走行用配光パターンHP)が得られる複数の姿勢(ロービーム姿勢、ミッドビーム姿勢、ハイビーム姿勢)に切り替えるものである。なお、前記ステッピングモータ34は、車両用として、もしくは、車両用前照灯用として、汎用されているものを使用する。
前記ステッピングモータ34および前記ねじ変換機構35および前記進退ロッド36は、モータユニットを構成する。すなわち、図1〜図5に示すように、前記ステッピングモータ34は、スクリュー37により第1ブラケット38に取り付けられている。前記第1ブラケット38には、スクリュー39により第2ブラケット40が取り付けられている。前記第1ブラケット38および前記第2ブラケット40には、ベアリング41を介して前記進退ロッド36の両端部が進退可能に取り付けられている。前記第1ブラケット38は、スクリュー(図示せず)により前記フレーム部材8に取り付けられている。これにより、前記ステッピングモータ34および前記ねじ変換機構35および前記進退ロッド36から構成されているモータユニットは、前記リフレクタ3および前記フレーム部材8および前記ストッパ部材9および前記シャフト10に組み付けられる。このとき、前記進退ロッド36の進退方向が前記投影レンズ4および前記反射面13の光軸に対して交差するので、前記モータユニットを前記フレーム部材8などにコンパクトに組み付けることができる。
前記ステッピングモータ34の出力ギア42には入力ギア43が噛み合っている。前記入力ギア43の中心には、めねじ44が設けられている。一方、前記進退ロッド36の中間部には、おねじ45が設けられている。前記めねじ44と前記おねじ45とは、噛み合って、前記ねじ変換機構35を構成する。前記ねじ変換機構35は、切り替えられた前記第1シェード5および前記第2シェード6の姿勢が戻るのを防ぐ機構を構成するものである。前記進退ロッド36には、回り止め部46が一体に設けられている。前記回り止め部46は、前記第2ブラケット40に回転不可能にかつ前記進退ロッド36の進退方向に移動可能に取り付けられている。この結果、前記進退ロッド36は、前記ステッピングモータ34の駆動により前記ねじ変換機構35を介して進退して前記第1シェード5および前記第2シェード6の姿勢を前記スプリング33と共に複数の姿勢(ロービーム姿勢、ミッドビーム姿勢、ハイビーム姿勢)に切り替える。このとき、前記進退ロッド36は、前記めねじ44および前記おねじ45から構成されている前記ねじ変換機構35を介して進退するものである。これにより、前記進退ロッド36は、外力により反転(逆方向への進退)するようなことはないので、前記第1シェード5および前記第2シェード6の姿勢をがたなく保持することができる。
前記スプリング33は、図4、図6、図7に示すように、中央のコの字形状の固定部47と、左右の2個のコイル部48と、左右両端の2個の付勢部49と、から構成されている。前記2個のコイル部48は、前記シャフト10に巻装されている。すなわち、前記2個のコイル部48中に前記シャフト10が挿通されている。前記固定部47は、前記第2ブラケット40に固定されている。前記2個の付勢部49は、前記第1シェード5の前記係合部17の上面と、前記第2シェード6の前記係合部23第2伝達部61の上面とに、それぞれ弾性当接している。この結果、前記スプリング33は、いわゆる、トーションばねであって、前記第1シェード5および前記第2シェード6を所定の方向、たとえば、図1〜図3、図6、図7中の矢印方向に常時付勢する。
前記スプリング33により付勢されている前記第1シェード5の前記湾曲部32は、前記進退ロッド36の一端(上端)に直接当接している。前記スプリング33の力は、前記第1シェード5を介して前記進退ロッド36に伝達され、かつ、前記進退ロッド36の伸び方向と反対方向(図1〜図3中の矢印方向)に作用する。また、前記スプリング33の力は、前記第1シェード5および前記第2シェード6にかかる振動を抑制できる所定の力を有する。たとえば、前記スプリング33の力は、前記第1シェード5および前記第2シェード6の重心位置に4.5G以上の振動がかかったときに発生する力以上を有する。
前記シェード切替装置7の前記ステッピングモータ34は、図10に示すように、前記制御装置100を介して配光パターン切替スイッチ101および車速センサや加速度センサなどの車両走行状態検出部102に接続されている。前記配光パターン切替スイッチ101は、ドライバーの手動による切替操作により、外部切替操作信号103を前記制御装置100に出力するものである。また、前記車両走行状態検出部102は、車両の走行状態(たとえば、車両の車速状態や車両の加速状態)を検出してその検出信号を外部切替操作信号103として前記制御装置100に出力するものである。
前記制御装置100は、前記車両用前照灯1専用の制御装置であって、車両側の制御装置(たとえば、マスタECUやメインCPU)に対して、スレーブECUやサブCPUである。前記制御装置100は、図10に示すように、制御部104と、モータ駆動部105とから構成されている。前記制御部104は、前記外部切替操作信号103に基づいて、パルス信号の切替駆動信号106を前記モータ駆動部105に出力するものである。前記モータ駆動部105は、前記切替駆動信号106に基づいて、前記ステッピングモータ34を駆動させるものである。これにより、前記ステッピングモータ34が駆動して前記進退ロッド36が進退し、前記進退ロッド36の進退作用と前記スプリング33のばね作用とにより、前記第1シェード5および前記第2シェード6の姿勢が複数の姿勢(ロービーム姿勢、ミッドビーム姿勢、ハイビーム姿勢)に切り替えられる。なお、前記第1シェード5および前記第2シェード6の姿勢の切替は、前記配光パターン切替スイッチ101による手動切替でも良いし、前記車両走行状態検出部102による自動切替でも良いし、双方の組み合わせでも良い。
すなわち、図1に示すように、前記ステッピングモータ34が駆動して前記進退ロッド36が第1位置に位置している状態(後退している状態もしくは縮んでいる状態)のとき。このときは、前記スプリング33の前記2個の付勢部49の付勢作用により、前記第1シェード5および前記第2シェード6が所定の方向に付勢されていて、図8(A)に示すように、前記第1シェード5のストッパ部18および前記第2シェード6のストッパ部24が前記ストッパ部材9のストッパ部30にそれぞれ弾性当接している。これにより、前記第1シェード5および前記第2シェード6は、ロービーム姿勢にあって、前記すれ違い用配光パターンLPが得られる。このとき、前記スプリング33の作用と、前記ストッパ部18、24、30の作用と、前記第1シェード5の前記湾曲部32が前記進退ロッド36の先端にスプリング力FLで直接弾性当接している作用とにより、前記第1シェード5および前記第2シェード6は、がたなくロービーム姿勢を保持することができる。また、前記第1シェード5の前記押部52は、前記第2シェード6の本体部21に当接していない。
また、図2に示すように、前記ステッピングモータ34が駆動して前記進退ロッド36が第2位置に位置している状態(ほぼ中間の位置に位置している状態)のとき。このときは、前記第1シェード5のみが前記スプリング33のスプリング力に抗して図2および図8(B)中の白抜き矢印方向に回転して、前記第1シェード5のストッパ部18が前記ストッパ部材9のストッパ部30から離れ、一方、前記第2シェード6のストッパ部24が前記ストッパ部材9のストッパ部30に弾性当接している。これにより、前記第1シェード5および前記第2シェード6は、ミッドビーム姿勢にあって、前記高速道路用配光パターンMPが得られる。このとき、前記スプリング33の作用と、前記ストッパ部24、30の作用と、前記第1シェード5の前記湾曲部32が前記進退ロッド36の先端にスプリング力FMで直接弾性当接している作用とにより、前記第1シェード5および前記第2シェード6は、がたなくミッドビーム姿勢を保持することができる。また、前記第1シェード5の前記押部52は、前記第2シェード6の本体部21に当接しているか否かの状態にある。
さらに、図3に示すように、前記ステッピングモータ34が駆動して前記進退ロッド36が第3位置に位置している状態(前進している状態もしくは伸びている状態)のとき。このときは、前記第1シェード5の前記押部52が前記第2シェード6の本体部21に当接し、前記第1シェード5および前記第2シェード6が前記スプリング33のスプリング力に抗して図3および図8(C)中の白抜き矢印方向にそれぞれ回転して、前記第1シェード5のストッパ部18および前記第2シェード6のストッパ部24が前記ストッパ部材9のストッパ部30からそれぞれ離れている。これにより、前記第1シェード5および前記第2シェード6は、ハイビーム姿勢にあって、前記走行用配光パターンHPが得られる。このとき、前記スプリング33の作用と、前記第1シェード5の前記湾曲部32が前記進退ロッド36の先端にスプリング力FHで直接弾性当接している作用とにより、前記第1シェード5および前記第2シェード6は、がたなくハイビーム姿勢を保持することができる。
ここで、前記第1シェード5の前記湾曲部32が前記進退ロッド36の先端にスプリング力FL、FM、FHで常時直接弾性当接している。このために、前記進退ロッド36が進退して前記第1シェード5および前記第2シェード6の姿勢が切り替わる際に、前記第1シェード5の前記湾曲部32が前記進退ロッド36の先端に線接触で常時直接弾性当接しているので、前記湾曲部32および前記進退ロッド36の耐久性が向上される。
図11は、前記車両用前照灯1において、前記第1シェード5および前記第2シェード6の回転角度(すなわち、切り替えられる配光パターンLP、MP、HPのモード)と、前記第1シェード5および前記第2シェード6の回転負荷(すなわち、前記スプリング33の保持力)と、の相対関係を示す説明図である。縦軸は、シェード回転負荷(スプリングの保持力)を示し、下から上にかけてシェード回転負荷(スプリングの保持力)が大きくなる。横軸は、シェード回転角度(配光モード)を示し、左から右にかけてシェード回転角度が大きくなる。
前記図11において、実線Aの本案件構造(3機能)は、前記第1シェード5および前記第2シェード6を、ロービーム姿勢(図1参照)とミッドビーム姿勢(図2参照)との間、および、ロービーム姿勢とハイビーム姿勢(図3参照)との間、および、ミッドビーム姿勢とハイビーム姿勢との間、において回転させる前記車両用前照灯1のシェード回転負荷(スプリング保持力)とシェード回転角度(配光モード)との相対関係を示す。また、破線Bの従来構造(2機能)は、1個のシェードをロービーム姿勢(図1参照)とハイビーム姿勢(図3参照)との間において回転させる車両用前照灯のシェード回転負荷(スプリング保持力)とシェード回転角度(配光モード)との相対関係を示す。
前記図11の横軸において、「Lo」は、前記第1シェード5および前記第2シェード6また1個のシェードがロービーム姿勢(図1参照) にあるときのシェード回転角度、「Motorway」は、前記第1シェード5および前記第2シェード6がミッドビーム姿勢(図2参照) にあるときのシェード回転角度、「Hi」は、前記第1シェード5および前記第2シェード6また1個のシェードがハイビーム姿勢(図1参照) にあるときのシェード回転角度、をそれぞれ示す。また、縦軸において、「FL」は、前記第1シェード5および前記第2シェード6また1個のシェードがロービーム姿勢(図1参照) にあるときのシェード回転負荷(スプリング保持力)、「FM」は、前記第1シェード5および前記第2シェード6がミッドビーム姿勢(図2参照) にあるときのシェード回転負荷(スプリング保持力)、「FH′」は、1個のシェードがハイビーム姿勢(図3参照) にあるときのシェード回転負荷(スプリング保持力)、「FH」は、前記第1シェード5および前記第2シェード6がハイビーム姿勢(図3参照) にあるときのシェード回転負荷(スプリング保持力)、をそれぞれ示す。
前記図11に示すように、前記スプリング33は、いわゆる、トーションばねであって、前記第1シェード5および前記第2シェード6に対して、常時、前記進退ロッド36の伸び方向と反対方向の力(図1中の矢印FL、図2中の矢印FM、図3中の矢印FH) をかけている。すなわち、前記スプリング33は、前記第1シェード5および前記第2シェード6に、常に、図2および図3中の白抜きの矢印と反対方向の回転負荷をかけている。また、前記スプリング33のばね定数(前記図11の縦軸のスプリング保持力)は、前記図11の横軸の前記第1シェード5および前記第2シェード6また1個のシェードの回転角度に比例する。このために、前記第1シェード5および前記第2シェード6をロービーム姿勢(図1参照)からハイビーム姿勢(図3参照)まで回転させると、シェード回転負荷(スプリング保持力)が増加する。しかも、前記車両用前照灯1は、ダブルシェードすなわち2枚のシェードである前記第1シェード5および前記第2シェード6を、ミッドビーム姿勢(図2参照)からハイビーム姿勢(図3参照)まで連動させる必要があるために、1個のシェードをロービーム姿勢(図1参照)からハイビーム姿勢(図3参照)まで回転させる破線Bの従来構造(2機能)の車両用前照灯と比較して、実線Aに示すように、前記第1シェード5および前記第2シェード6が連動を開始する段階からシェード回転負荷(スプリング保持力)が約2倍となる。このように、前記車両用前照灯1は、前記図11中の白抜き矢印Cに示すように、機能の追加により負荷が増加する。
図12は、前記ステッピングモータ34のプルイン(Pull−in)の出力特性を示す説明図である。すなわち、前記図12は、前記ステッピングモータ34の出力(縦軸)と回転速度すなわち配光パターンの切替スピード(横軸)との相対関係を示す説明図である。縦軸は、前記ステッピングモータ34が出力するトルクすなわち出力(mNmミリニュートンメートル)を示し、下から上にかけて出力が大きくなる。縦軸の出力の「FL」、「FM」、「FH′」、「FH」は、前記図11の縦軸のシェード回転負荷(スプリング保持力)の「FL」、「FM」、「FH′」、「FH」とそれぞれ対応する。横軸は、前記ステッピングモータ34を駆動させる前記切替駆動信号106のパルス信号の周波数(ppsパルスパーセコンド)を示し、左から右にかけて周波数が高くなり、前記ステッピングモータ34の回転速度が速くなる。
前記図12において、点Dは、前記図11の破線Bの従来構造(2機能)の車両用前照灯の1個のシェードをロービーム姿勢からハイビーム姿勢に切り替えた時点、すなわち、1個のシェードによる前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替モードを示す。前記点Dにおいて、前記ステッピングモータ34の出力は「FH′」(たとえば、約4.8mNm)であり、前記ステッピングモータ34の周波数は「f1」(たとえば、約400pps)である。点Eは、前記図11の実線Aの本案件構造(3機能)の前記車両用前照灯1の前記第1シェード5および前記第2シェード6をロービーム姿勢からハイビーム姿勢に切り替えた時点、すなわち、前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替モード、もしくは、前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記高速道路用配光パターンMPと前記走行用配光パターンHPとの切替モードを示す。前記点Eにおいて、前記ステッピングモータ34の出力は「FH」(たとえば、約8.0mNm)であり、前記ステッピングモータ34の周波数は「f2」(たとえば、約350pps)である。
前記図11および前記図12に示すように、実線Aの前記車両用前照灯1の前記第1シェード5および前記第2シェード6をロービーム姿勢からハイビーム姿勢に切り替える際のシェード回転負荷(スプリング保持力)および前記ステッピングモータ34の出力「FH」は、破線Bの車両用前照灯の1個のシェードをロービーム姿勢からハイビーム姿勢に切り替える際のシェード回転負荷(スプリング保持力)および前記ステッピングモータ34の出力「FH′」よりも大きい。このために、前記図12に示すように、前記車両用前照灯1の前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替モードE、もしくは、前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記高速道路用配光パターンMPと前記走行用配光パターンHPとの切替モードE、における前記ステッピングモータ34の周波数「f2」は、1個のシェードによる前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替モードDにおける前記ステッピングモータ34の周波数「f1」よりも低い。この結果、前記車両用前照灯1の前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替スピード、もしくは、前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記高速道路用配光パターンMPと前記走行用配光パターンHPとの切替スピードは、1個のシェードによる前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替スピードよりも遅い。このように、前記車両用前照灯1は、前記図12中の白抜き矢印Fに示すように、機能の追加により配光パターンの切替スピードが低下する。
なお、前記図12において、点Gに示すように、前記車両用前照灯1の前記第1シェード5および前記第2シェード6をロービーム姿勢からミッドビーム姿勢に切り替える際の前記ステッピングモータ34の出力「FM」は、1個のシェードをロービーム姿勢からハイビーム姿勢に切り替える際の前記ステッピングモータ34の出力「FH′」よりも小さい。このために、前記車両用前照灯1の前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記すれ違い用配光パターンLPと前記高速道路用配光パターンMPとの切替スピードを、所定の切替スピード、たとえば、1個のシェードによる前記すれ違い用配光パターンLPと前記高速道路用配光パターンMPとの切替スピード、よりも遅く設定することができる。
ここで、車両が高速で走行する際に、高速走行における視野を確保するために、前記すれ違い用配光パターンLPもしくは前記高速道路用配光パターンMPから前記走行用配光パターンHPに高スピードで切り替わる必要がある。このために、第2切替の前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替(一方の切替)、もしくは、第2切替の前記高速道路用配光パターンMPと前記走行用配光パターンHPとの切替(一方の切替)は、第1切替の前記すれ違い用配光パターンLPと前記高速道路用配光パターンMPとの切替(他方の切替)よりも、切替スピードが重視される。
そこで、前記制御装置100は、図13に示すように、定格電流で前記ステッピングモータ34を駆動制御して前記すれ違い用配光パターンLPと前記高速道路用配光パターンMPとの前記第1切替を行い、定格電流値よりも大きい電流値のオーバードライブで前記ステッピングモータ34を駆動制御して前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの前記第2切替、もしくは、前記高速道路用配光パターンMPと前記走行用配光パターンHPとの前記第2切替を行う。これにより、前記車両用前照灯1は、前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替スピード、もしくは、前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記高速道路用配光パターンMPと前記走行用配光パターンHPとの切替スピードを、1個のシェードによる前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替スピードにすることができる。以下、前記制御装置100の制御について、図13を参照して説明する。
前記図13は、前記図12と同様に、定格電流の場合とオーバードライブ(電流値が定格電流値よりも大きい)の場合との前記ステッピングモータ34のプルイン(Pull−in)の出力特性を示す説明図である。縦軸および横軸は、前記図12の縦軸および横軸と同様である。また、前記図13中、前記図12と同符号は、同一のものを示す。前記図13中の実線曲線は、前記図12と同様に定格電流の場合の前記ステッピングモータ34のプルイン(Pull−in)の出力特性を示す。また、点線曲線は、オーバードライブの場合の前記ステッピングモータ34のプルイン(Pull−in)の出力特性を示す。
ステッピングモータは、一般に、供給電流値においてある程度の幅を有するものである。車両用として、もしくは、車両用前照灯用として、汎用されている前記ステッピングモータ34における供給電流値の幅は、発熱耐久性などを考慮されていて、約400mA〜約600mAである。そして、前記車両用前照灯1は、前記定格電流の電流値を消費電力が少ない約400mAとし、一方、前記オーバードライブの電流値を前記定格電流値の約1.55倍の約600mAとする。
前記制御装置100は、前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの前記第2切替、もしくは、前記高速道路用配光パターンMPと前記走行用配光パターンHPとの前記第2切替を行う際には、オーバードライブで前記ステッピングモータ34を駆動制御する。すると、前記図13に示すように、前記ステッピングモータ34のプルイン(Pull−in)の出力特性は、実線曲線に示す出力特性から点線曲線に示す出力特性に変わる。すなわち、前記図13中の矢印Hに示すように、定格電流値の約1.55倍の電流値のオーバードライブにより、すなわち、一時的に電流値を増加させて出力を向上させる。この結果、前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替スピード、もしくは、前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記高速道路用配光パターンMPと前記走行用配光パターンHPとの切替スピードを、図13中の点Eの周波数f2から点Iの周波数f1に、すなわち、1個のシェードによる前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替スピードにすることができる。一方、前記のように、前記第1シェード5および前記第2シェード6による前記すれ違い用配光パターンLPと前記高速道路用配光パターンMPとの切替スピードは、所定の切替スピード、たとえば、1個のシェードによる前記すれ違い用配光パターンLPと前記高速道路用配光パターンMPとの切替スピード(図13中の点D、Iの周波数f1)、よりも遅い切替スピード(図13中の点Eの周波数f2)に設定することができる。
前記制御装置100の前記制御部104は、前記外部切替操作信号103が前記第1切替を行う信号の場合、定格電流のパルス信号の切替駆動信号106を前記モータ駆動部105に出力し、かつ、前記外部切替操作信号103が前記第2切替を行う信号の場合、オーバードライブのパルス信号の切替駆動信号106を前記モータ駆動部105に出力するものである。前記制御装置100の前記モータ駆動部105は、定格電流のパルス信号の前記切替駆動信号106に基づいて、前記ステッピングモータ34を定格電流で駆動させ、かつ、オーバードライブのパルス信号の切替駆動信号106に基づいて、前記ステッピングモータ34をオーバードライブで駆動させるものである。
前記制御装置100は、前記第1切替および前記第2切替が完了した時点で、前記ステッピングモータ34への電流供給を遮断する。すなわち、前記車両用前照灯1は、図10に示すように、前記第1シェード5および前記第2シェード6のロービーム姿勢およびミッドビーム姿勢およびハイビーム姿勢をそれぞれ検出する位置検出部107を有する。前記位置検出部107は、たとえば、光センサやマイクロスイッチなどからなり、前記第1シェード5および前記第2シェード6のロービーム姿勢およびミッドビーム姿勢およびハイビーム姿勢をそれぞれ検出して位置検出信号108を前記制御装置100の前記制御部104に出力する。
前記制御装置100の前記制御部104は、前記位置検出信号108に基づいて、前記第1シェード5および前記第2シェード6がロービーム姿勢またはミッドビーム姿勢またはハイビーム姿勢に位置して、前記第1切替および前記第2切替が完了したと判断して、前記切替駆動信号106の前記モータ駆動部105への出力を遮断する。これにより、前記制御装置100の前記モータ駆動部105は、前記ステッピングモータ34への電流供給を遮断する。このとき、前記シェード切替装置7の前記ねじ変換機構35は、切り替えられた前記第1シェード5および前記第2シェード6の姿勢が戻るのを防ぐ機構を構成するものであるから、前記ステッピングモータ34への電流供給を遮断しても、切り替えられた前記第1シェード5および前記第2シェード6の姿勢は、元の姿勢に戻ることなくその姿勢を維持固定することができる。
前記第1切替は、前記すれ違い用配光パターンLPから前記高速道路用配光パターンMPへの切替と、その逆の、前記高速道路用配光パターンMPから前記すれ違い用配光パターンLPへの切替と、である。また、前記第2切替は、前記すれ違い用配光パターンLPから前記走行用配光パターンHPへの切替と、その逆の、前記走行用配光パターンHPから前記すれ違い用配光パターンLPへの切替と、前記高速道路用配光パターンMPから前記走行用配光パターンHPへの切替と、その逆の、前記走行用配光パターンHPから前記高速道路用配光パターンMPへの切替と、である。
この実施例1にかかる車両用前照灯1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
まず、放電灯2を点灯する。すると、放電灯2からの光は、リフレクタ3の反射面13で反射される。その反射光は、リフレクタ3の反射面13の第2焦点に集光され、かつ、その第2焦点を通って拡散され、さらに、投影レンズ4を経て前方に投影(放射、照射)される。その投影光(放射光、照射光)は、図9中の実線で示すすれ違い用配光パターンLP(第1配光パターン)が得られるロービーム(すれ違いビーム)として、または、図9中の点線で示す高速道路(モータウエイ)用配光パターンMP(第2配光パターン)が得られるミッドビーム(高速道路ビーム)として、または、図9中の二点鎖線で示す走行用配光パターンHP(第3配光パターン)が得られるハイビーム(走行ビーム)として、それぞれ前方に投影される。
ここで、制御装置100が外部切替操作信号103に基づいてステッピングモータ34を駆動させて進退ロッド36を第1位置に位置させると、この進退ロッド36の進退作用とスプリング33の作用とにより、第1シェード5および第2シェード6の姿勢がロービーム姿勢に切り替わる。この結果、図9中の実線で示すすれ違い用配光パターンLP(第1配光パターン)が得られる。
また、制御装置100が外部切替操作信号103に基づいてステッピングモータ34を駆動させて進退ロッド36を第2位置に位置させると、この進退ロッド36の進退作用とスプリング33の作用とにより、第1シェード5および第2シェード6の姿勢がミッドビーム姿勢に切り替わる。この結果、図9中の点線で示す高速道路(モータウエイ)用配光パターンMP(第2配光パターン)が得られる。
さらに、制御装置100が外部切替操作信号103に基づいてステッピングモータ34を駆動させて進退ロッド36を第3位置に位置させると、この進退ロッド36の進退作用とスプリング33の作用とにより、第1シェード5および第2シェード6の姿勢がハイビーム姿勢に切り替わる。この結果、図9中の二点鎖線で示す走行用配光パターンHP(第3配光パターン)が得られる。
さらにまた、制御装置100は、第1切替を行う外部切替操作信号103に基づいて、第1切替、すなわち、すれ違い用配光パターンLPから高速道路用配光パターンMPへの切替、その逆の、高速道路用配光パターンMPからすれ違い用配光パターンLPへの切替、を行う際には、定格電流でステッピングモータ34を駆動させる。これにより、第1切替は、図13中の実線曲線のステッピングモータ34のプルイン(Pull−in)の出力特性で行われる。このときの定格電流値は、ステッピングモータ34の発熱耐久性などを考慮されていて、約400mAであるから、ステッピングモータ34が発熱による耐久性が劣化する虞はない。
さらにまた、制御装置100は、第2切替を行う外部切替操作信号103に基づいて、第2切替、すなわち、すれ違い用配光パターンLPから走行用配光パターンHPへの切替、その逆の、走行用配光パターンHPからすれ違い用配光パターンLPへの切替、高速道路用配光パターンMPから走行用配光パターンHPへの切替、その逆の、走行用配光パターンHPから高速道路用配光パターンMPへの切替、を行う際には、オーバードライブでステッピングモータ34を駆動させる。これにより、第2切替は、図13中の点線曲線のステッピングモータ34のプルイン(Pull−in)の出力特性で行われる。このときのオーバードライブの電流値は、ステッピングモータ34の発熱耐久性などを考慮されていて、約600mAであるから、ステッピングモータ34が発熱による耐久性が劣化する虞はない。
さらにまた、制御装置100は、位置検出信号108に基づいて、第1シェード5および第2シェード6がロービーム姿勢またはミッドビーム姿勢またはハイビーム姿勢に位置して、第1切替および第2切替が完了したと判断して、切替駆動信号106のモータ駆動部105への出力を遮断して、ステッピングモータ34への電流供給を遮断する。
図14は、制御装置100の制御工程を示すフローチャートである。以下、図14のフローチャートを参照して、制御装置100の制御工程について説明する。
制御装置100の作動をスタートさせる。すると、制御装置100は、配光パターン切替スイッチ101や車両走行状態検出部102から外部切替操作信号103を入力する(外部切替操作信号103を入力 S1)。制御装置100は、入力された外部切替操作信号103が第1切替を行う信号なのか第2切替を行う信号なのかを判断する(外部切替操作信号103は第2切替を行う信号か? S2)。
前記のS2において、入力された外部切替操作信号103が第2切替を行う信号の場合、制御装置100は、オーバードライブでステッピングモータ34を駆動させる(オーバードライブでステッピングモータ34を駆動 S3)。また、前記のS2において、入力された外部切替操作信号103が第1切替を行う信号の場合、制御装置100は、定格電流でステッピングモータ34を駆動させる(定格電流でステッピングモータ34を駆動 S4)。
そして、制御装置100は、位置検出部107から位置検出信号108が入力されたか否かに基づいて第1切替または第2切替が完了したか否かを判断する(位置検出信号108が入力されたか? S5)。前記のS5において、位置検出信号108が入力されていなければ、制御装置100は、第1切替または第2切替が未だ完了していないものと判断して前記のS3または前記のS4に戻る。
また、前記のS5において、位置検出信号108が入力されていれば、制御装置100は、第1切替または第2切替が完了したものと判断し、ステッピングモータ34への電流供給を遮断する(ステッピングモータ34への電流供給を遮断 S6)。これにより、制御装置100の作動が終了する。
この実施例1にかかる車両用前照灯1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施例1にかかる車両用前照灯1は、ソレノイドおよび通常のモータ(たとえば、DCモータ)の代わりにステッピングモータ34を使用し、かつ、そのステッピングモータ34を制御装置100により駆動制御する。すなわち、この実施例1にかかる車両用前照灯1は、制御装置100の制御作用により、定格電流でステッピングモータ34を駆動制御して第1切替を行い、定格電流値よりも大きい電流値のオーバードライブでステッピングモータ34を駆動制御して第2切替を行うことができる。
このために、この実施例1にかかる車両用前照灯1は、複数の配光パターンの切替が、すれ違い用配光パターンLPと高速道路用配光パターンMPとの第1切替と、すれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの第2切替、もしくは、高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの第2切替と、である場合。この場合において、この実施例1にかかる車両用前照灯1は、第1切替のすれ違い用配光パターンLPと高速道路用配光パターンMPとの切替(他方の切替)に対して、切替スピードが重視される配光パターンの切替、すなわち、第2切替のすれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの切替(一方の切替)、もしくは、第2切替の高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの切替(一方の切替)の切替スピードを、図13中の点Eの周波数f2から点Iの周波数f1に示すように、所定のスピードに確保することができる。この結果、この実施例1にかかる車両用前照灯1は、車両が高速で走行する際に、すれ違い用配光パターンLPもしくは高速道路用配光パターンMPから走行用配光パターンHPに所定のスピード(図13中の周波数f1)で切り替わるので、高速走行における視野を確保することができ、交通安全に貢献することができる。
このように、この実施例1にかかる車両用前照灯1は、一方の切替(第2切替)が他方の切替(第1切替)に対して切替スピードが重視される場合において、制御装置100のステッピングモータ34の駆動制御により、ステッピングモータ34を大型化することなく、一方の切替スピードを所定のスピードに確保することができ、しかも、その切替スピードを適正に制御することができる。
また、この実施例1にかかる車両用前照灯1は、シェード切替装置7のねじ変換機構35が、切り替えられた第1シェード5および第2シェード6の姿勢が戻るのを防ぐ機構を構成するものであるから、制御装置100が、第1切替および第2切替が完了した時点でステッピングモータ34への電流供給を遮断しても、切り替えられた第1シェード5および第2シェード6の姿勢が、元の姿勢に戻ることなくその姿勢を維持固定することができる。このために、この実施例1にかかる車両用前照灯1は、切替完了時点で電流を遮断するので、ステッピングモータ34の自己発熱を防止でき、ステッピングモータ34の耐久性を維持することができ、消費電力を抑制することができる。
図15〜図17は、この発明にかかる車両用前照灯の実施例2を示す。図中、図1〜図14と同符号は、同一のものを示す。
この実施例2にかかる車両用前照灯の制御装置100は、図15〜図17に示すように、実施例1の定格電流の代わりに一定速制御でステッピングモータ34を駆動制御してすれ違い用配光パターンLPと高速道路用配光パターンMPとの第1切替を行い、実施例1のオーバードライブの代わりに加速制御でステッピングモータ34を駆動制御してすれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの第2切替、もしくは、高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの第2切替を行う。これにより、この実施例2にかかる車両用前照灯は、第1シェード5および第2シェード6によるすれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの切替スピード、もしくは、第1シェード5および第2シェード6による高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの切替スピードを、1個のシェードによるすれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの切替スピードにすることができる。以下、この実施例2にかかる制御装置100の制御について、図15および図16を参照して説明する。
図15は、この実施例2にかかる車両用前照灯に使用されるステッピングモータ34のプルイン(Pull−in)の出力特性とプルアウト(Pull−out)の出力特性とを示す説明図である。図15の縦軸は、ステッピングモータ34が出力するトルク(mNmミリニュートンメートル)を示し、下から上にかけてトルクが大きくなる。図15の横軸は、ステッピングモータ34を駆動させる切替駆動信号106のパルス信号の周波数f(ppsパルスパーセコンド)を示し、左から右にかけて周波数が高くなり、ステッピングモータ34の回転速度が速くなる。
前記図15において、ステッピングモータ34のプルイン(Pull−in)の出力特性は、一定速制御でステッピングモータ34を駆動制御した場合に得られる出力特性である。一方、ステッピングモータ34のプルアウト(Pull−out)の出力特性は、加速制御でステッピングモータ34を駆動制御した場合に得られる出力特性である。また、前記図15の縦軸における「必要出力FH」は、すれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの第2切替、もしくは、高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの第2切替のために、すなわち、第1シェード5および第2シェード6の姿勢をロービーム姿勢とハイビーム姿勢との切替、もしくは、ミッドビーム姿勢とハイビーム姿勢との切替のために、最低限必要なステッピングモータ34の出力を示す。さらに、前記図15の横軸における「起動周波数f3」は、一定速制御でステッピングモータ34を駆動制御して第1切替を行う際に、ステッピングモータ34を駆動させるための周波数、および、加速制御でステッピングモータ34を駆動制御して第2切替を行う際に、ステッピングモータ34を起動させるための周波数を示す。さらにまた、前記図15の横軸における「運転周波数f4」は、加速制御でステッピングモータ34を駆動制御して第2切替を行う際に、ステッピングモータ34を起動時から徐々に加速して定速運転させるための周波数を示す。さらにまた、前記図15において、点P1は、ステッピングモータ34のプルイン(Pull−in)の出力特性上の必要出力FHと起動周波数f3との交点である。さらにまた、前記図15において、点P2は、ステッピングモータ34のプルアウト(Pull−out)の出力特性上の必要出力FHと運転周波数f4との交点である。
図16(A)は、一定速制御でステッピングモータ34を駆動制御してすれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの第2切替、もしくは、高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの第2切替の切替時間t1を示す説明図である。図16(A)の縦軸は、ステッピングモータ34を駆動させる切替駆動信号106のパルス信号の周波数f(ppsパルスパーセコンド)を示し、下から上にかけて周波数が高くなり、ステッピングモータ34の回転速度が速くなる。図16(A)の横軸は、ステッピングモータ34を駆動させる時間、および、すれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの第2切替時間t、もしくは、高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの第2切替時間t(sセコンド)を示し、左から右にかけて駆動時間および切替時間が長くなる。
一定速制御でステッピングモータ34を駆動制御して第2切替を行うと、周波数が前記図15のプルイン(Pull−in)の出力特性上の点P1における起動周波数f3に一定となる。このために、前記図16(A)に示すように、第2切替を行うための切替時間tがt1となる。すなわち、ステッピングモータ34を一定の起動周波数f3のパルスで時間t1駆動させることにより、進退ロッド36が、図1に示す第1位置と図3に示す第3位置との間、もしくは、図2に示す第2位置と図3に示す第3位置との間、を前進して(伸びて)または後退して(縮んで)、第1シェード5および第2シェード6の姿勢が、ロービーム姿勢とハイビーム姿勢との間、もしくは、ミッドビーム姿勢とハイビーム姿勢との間、に切り替わって、配光パターンが、すれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの間、もしくは、高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの間切り替わる。図16(A)において、横長の長方形のPulse数の面積(点々が施されている面)は、進退ロッド36の図1に示す第1位置と図3に示す第3位置との間、もしくは、図2に示す第2位置と図3に示す第3位置との間、を前進した(伸びた)または後退した(縮んだ)距離を示す。前記距離(横長の長方形の面積)は、ステッピングモータ34に供給するパルスの周波数f3と、ステッピングモータ34に周波数f3のパルスを供給する時間t1と、の積である。このように、一定速制御でステッピングモータ34を駆動制御して第2切替を行うと、この第2切替に要する時間は、t1となる。
ここで、前記図15中の点P1における起動周波数f3は、前記図12および図13中の点Eにおける周波数f2とほぼ同数である。このために、一定速制御でステッピングモータ34を駆動制御して行う第2切替スピードは、1個のシェードによる前記すれ違い用配光パターンLPと前記走行用配光パターンHPとの切替スピードよりも遅い。
そこで、制御装置100は、前記図15および図16(B)に示すように、加速制御でステッピングモータ34を駆動制御してすれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの第2切替、もしくは、高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの第2切替を行う。
図16(B)は、加速制御でステッピングモータ34を駆動制御してすれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの第2切替、もしくは、高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの第2切替の切替時間t2を示す説明図である。図16(B)の縦軸は、ステッピングモータ34を駆動させる切替駆動信号106のパルス信号の周波数f(ppsパルスパーセコンド)を示し、下から上にかけて周波数が高くなり、ステッピングモータ34の回転速度が速くなる。図16(B)の横軸は、ステッピングモータ34を駆動させる時間、および、すれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの第2切替時間、もしくは、高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの第2切替時間t(sセコンド)を示し、左から右にかけて駆動時間および切替時間が長くなる。
制御装置100による加速制御は、まず、前記図15中の点P1における起動周波数f3でステッピングモータ34を起動させ、つぎに、周波数fを上げてステッピングモータ34の回転速度を加速させ、それから、周波数fが前記図15中の点P2における運転周波数f4に達した時点で、その運転周波数f4でステッピングモータ34を定速駆動させる制御である。また、制御装置100の加速制御における加速時間t3は、ステッピングモータ34の特性上可能な範囲で最も短時間とする。
このために、前記図16(B)に示すように、第2切替を行うための切替時間tがt2となる。すなわち、ステッピングモータ34を、起動周波数f3から運転周波数f4までの加速パルスで加速時間t3駆動させ、かつ、運転周波数f4の定速パルスで定速時間(t2−t3)駆動させることにより、進退ロッド36が、図1に示す第1位置と図3に示す第3位置との間、もしくは、図2に示す第2位置と図3に示す第3位置との間、を前進して(伸びて)または後退して(縮んで)、第1シェード5および第2シェード6の姿勢が、ロービーム姿勢とハイビーム姿勢との間、もしくは、ミッドビーム姿勢とハイビーム姿勢との間、に切り替わって、配光パターンが、すれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの間、もしくは、高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの間切り替わる。図16(B)において、五角形のPulse数の面積(点々が施されている面)は、進退ロッド36の図1に示す第1位置と図3に示す第3位置との間、もしくは、図2に示す第2位置と図3に示す第3位置との間、を前進した(伸びた)または後退した(縮んだ)距離を示す。前記距離(五角形の面積)は、起動から加速時間t3までの台形の面積と、加速時間t3から切替完了時間t4までの縦長の長方形の面積と、の和である。前記台形の面積は、(起動周波数f3+運転周波数f4)×加速時間t3/2で求められる。また、前記縦長の長方形の面積は、運転周波数f4×(切替完了時間t4−加速時間t3)で求められる。このように、加速制御でステッピングモータ34を駆動制御して第2切替を行うと、この第2切替に要する時間は、t2となる。
前記図16(A)における横長の長方形のPulse数の面積、すなわち、進退ロッド36の進退距離と、前記図16(B)における五角形のPulse数の面積、すなわち、進退ロッド36の進退距離とは、等しい。このために、前記図16(A)の一定速制御による切替時間t1よりも、前記図16(B)の加速制御による切替時間t2のほうが短い。すなわち、前記図16(B)の加速制御による切替スピードが前記図16(A)の一定速制御による切替スピードよりも速い。このように、この実施例2にかかる車両用前照灯は、第1シェード5および第2シェード6によるすれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの切替スピード、もしくは、第1シェード5および第2シェード6による高速道路用配光パターンMPと走行用配光パターンHPとの切替スピードを、1個のシェードによるすれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとの切替スピードにすることができる。
図17は、制御装置100の制御工程を示すフローチャートである。以下、図17のフローチャートを参照して、制御装置100の制御工程について説明する。
制御装置100の作動をスタートさせる。すると、制御装置100は、配光パターン切替スイッチ101や車両走行状態検出部102から外部切替操作信号103を入力する(外部切替操作信号103を入力 S11)。制御装置100は、入力された外部切替操作信号103が第1切替を行う信号なのか第2切替を行う信号なのかを判断する(外部切替操作信号103は第2切替を行う信号か? S12)。
前記のS12において、入力された外部切替操作信号103が第2切替を行う信号の場合、制御装置100は、加速制御でステッピングモータ34を駆動させる(加速制御でステッピングモータ34を駆動 S13)。また、前記のS12において、入力された外部切替操作信号103が第1切替を行う信号の場合、制御装置100は、一定速制御でステッピングモータ34を駆動させる(一定速制御でステッピングモータ34を駆動 S14)。
そして、制御装置100は、位置検出部107から位置検出信号108が入力されたか否かに基づいて第1切替または第2切替が完了したか否かを判断する(位置検出信号108が入力されたか? S15)。前記のS15において、位置検出信号108が入力されていなければ、制御装置100は、第1切替または第2切替が未だ完了していないものと判断して前記のS13または前記のS14に戻る。
また、前記のS15において、位置検出信号108が入力されていれば、制御装置100は、第1切替または第2切替が完了したものと判断し、ステッピングモータ34への電流供給を遮断する(ステッピングモータ34への電流供給を遮断 S16)。これにより、制御装置100の作動が終了する。
この実施例2にかかる車両用前照灯は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施例1にかかる車両用前照灯1とほぼ同様の効果を達成することができる。しかも、この実施例2にかかる車両用前照灯は、制御装置100の加速制御における加速時間t3をステッピングモータ34の特性上可能な範囲で最も短時間とするので、第2切替の切替スピードをさらに上げることができ、第2切替の切替感を向上させることができる。特に、この実施例2にかかる車両用前照灯は、制御装置100の加速制御によりステッピングモータ34を駆動制御するので、ステッピングモータ34の駆動制御が容易であり、制御装置100を安価なものを使用することができる。
図18および図19は、この発明にかかる車両用前照灯の実施例3を示す。図中、図1〜図17と同符号は、同一のものを示す。
この実施例3にかかる車両用前照灯の制御装置100は、図18に示すように、第2切替を行う際に、前記の実施例1のオーバードライブおよび前記の実施例2の加速制御でステッピングモータ34を駆動制御して第2切替を行うものである。すなわち、定格電流値の約1.55倍の電流値のオーバードライブにより、ステッピングモータ34のプルイン(Pull−in)およびプルアウト(Pull−out)の出力特性を一点鎖線曲線に示す出力特性から実線曲線に示す出力特性に変える(オフセットする)。この結果、起動周波数がf3からf5と上がり、運転周波数もf4からf6と上がる。さらに、加速制御により、周波数をオーバードライブの起動周波数f5から定格電流値の運転周波数f4を経てさらに高域のオーバードライブの運転周波数f6に上げる。
図19は、制御装置100の制御工程を示すフローチャートである。以下、図19のフローチャートを参照して、制御装置100の制御工程について説明する。
制御装置100の作動をスタートさせる。すると、制御装置100は、配光パターン切替スイッチ101や車両走行状態検出部102から外部切替操作信号103を入力する(外部切替操作信号103を入力 S21)。制御装置100は、入力された外部切替操作信号103が第1切替を行う信号なのか第2切替を行う信号なのかを判断する(外部切替操作信号103は第2切替を行う信号か? S22)。
前記のS22において、入力された外部切替操作信号103が第2切替を行う信号の場合、制御装置100は、オーバードライブおよび加速制御でステッピングモータ34を駆動させる(オーバードライブおよび加速制御でステッピングモータ34を駆動 S23)。また、前記のS22において、入力された外部切替操作信号103が第1切替を行う信号の場合、制御装置100は、定格電流もしくは一定速制御でステッピングモータ34を駆動させる(定格電流もしくは一定速制御でステッピングモータ34を駆動 S24)。
そして、制御装置100は、位置検出部107から位置検出信号108が入力されたか否かに基づいて第1切替または第2切替が完了したか否かを判断する(位置検出信号108が入力されたか? S25)。前記のS25において、位置検出信号108が入力されていなければ、制御装置100は、第1切替または第2切替が未だ完了していないものと判断して前記のS23または前記のS24に戻る。
また、前記のS25において、位置検出信号108が入力されていれば、制御装置100は、第1切替または第2切替が完了したものと判断し、ステッピングモータ34への電流供給を遮断する(ステッピングモータ34への電流供給を遮断 S26)。これにより、制御装置100の作動が終了する。
この実施例3にかかる車両用前照灯は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施例1にかかる車両用前照灯1および前記の実施例2にかかる車両用前照灯とほぼ同様の効果、さらには、前記の実施例1にかかる車両用前照灯1の効果と前記の実施例2にかかる車両用前照灯の効果との相乗効果を達成することができる。
この発明にかかる車両用前照灯の実施例1を示す縦断面図であって、第1シェードおよび第2シェードの姿勢がロービーム姿勢のときの状態を示す縦断面図である。 同じく、第1シェードおよび第2シェードの姿勢がミッドビーム姿勢のときの状態を示す縦断面図である。 同じく、第1シェードおよび第2シェードの姿勢がハイビーム姿勢のときの状態を示す縦断面図である。 同じく、構成部品を示す分解斜視図である。 同じく、モータユニットを示す分解斜視図である。 同じく、スプリングの作用を示す正面説明図である。 同じく、スプリングの作用を示す側面説明図である。 同じく、第1シェードおよび第2シェードのストッパ部とストッパ部材9のストッパ部との作用を示す説明図である。 同じく、すれ違い用配光パターンおよび高速道路用配光パターンおよび走行用配光パターンを示す説明図である。 同じく、要部のブロック図である。 同じく、シェード回転負荷(スプリング保持力)とシェード回転角度(配光モード)の相対関係を示す説明図である。 同じく、ステッピングモータのプルイン(Pull−in)の出力特性を示す説明図である。 同じく、オーバードライブでステッピングモータを駆動制御する際のステッピングモータのプルイン(Pull−in)の出力特性を示す説明図である。 同じく、制御装置の制御工程を示すフローチャートである。 この発明にかかる車両用前照灯の実施例2を示す加速制御でステッピングモータを駆動制御する際のステッピングモータのプルイン(Pull−in)の出力特性およびプルアウト(Pull−out)の出力特性の説明図である。 同じく、ステッピングモータを一定制御で駆動制御する際の切替時間とステッピングモータを加速制御で駆動制御する際の切替時間とを示す説明図である。 同じく、制御装置の制御工程を示すフローチャートである。 この発明にかかる車両用前照灯の実施例3を示すオーバードライブおよび加速制御でステッピングモータを駆動制御する際のステッピングモータのプルイン(Pull−in)の出力特性およびプルアウト(Pull−out)の出力特性の説明図である。 同じく、制御装置の制御工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両用前照灯
2 放電灯(光源)
3 リフレクタ
4 投影レンズ
5 第1シェード
6 第2シェード
7 シェード切替装置
8 フレーム部材
9 ストッパ部材
10 シャフト
11 ソケット機構
12 発光部分
13 反射面
14 本体部
15 前側シェード部
16 後側シェード部
17 係合部
18 ストッパ部
19 サブリフレクタ部
20 透孔
21 本体部
22 シェード部
23 係合部
24 ストッパ部
25 折曲部
26 透孔
27 スリット
28 スイブル軸
29 スリット
30 ストッパ部
31 フラット部
32 湾曲部
33 スプリング
34 ステッピングモータ
35 ねじ変換機構
36 進退ロッド
37 スクリュー
38 第1ブラケット
39 スクリュー
40 第2ブラケット
41 ベアリング
42 出力ギア
43 入力ギア
44 めねじ
45 おねじ
46 回り止め部
47 固定部
48 コイル部
49 付勢部
100 制御装置
101 配光パターン切替スイッチ
102 車両走行状態検出部
103 外部切替操作信号
104 制御部
105 モータ駆動部
106 切替駆動信号
107 位置検出部
108 位置検出信号
LP すれ違い用配光パターン
MP 高速道路用配光パターン
HP 走行用配光パターン
FL、FM、FH スプリング力
VU−VD 上下垂直線
HL−HR 左右水平線

Claims (4)

  1. 複数の配光パターンが得られるプロジェクタタイプの車両用前照灯において、
    光源と、
    前記光源からの光を反射させるリフレクタと、
    前記リフレクタからの反射光を前方に投影する投影レンズと、
    前記リフレクタから前記投影レンズに向かう反射光を前記複数の配光パターンが得られる複数のビームに切り替えるシェードと、
    ステッピングモータから構成されており、前記シェードの姿勢を前記複数の配光パターンが得られる複数の姿勢に切り替えるシェード切替装置と、
    前記複数の配光パターンの切替が少なくとも第1切替と第2切替とを有し、定格電流でもしくは一定速制御で前記ステッピングモータを駆動制御して前記第1切替を行い、定格電流値よりも大きい電流値でまたはおよび加速制御で前記ステッピングモータを駆動制御して前記第2切替を行う制御装置と、
    を備える、ことを特徴とする車両用前照灯。
  2. 前記シェード切替装置は、切り替えられた前記シェードの姿勢が戻るのを防ぐ機構を有し、
    前記制御装置は、前記第1切替および前記第2切替が完了した時点で、前記ステッピングモータへの電流供給を遮断する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
  3. 前記制御装置の加速制御における加速時間は、前記ステッピングモータの特性上可能な範囲で最も短時間とする、ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯。
  4. 前記制御装置が制御する前記第1切替は、すれ違い用配光パターンと高速道路用配光パターンとの切替であり、前記制御装置が制御する前記第2切替は、すれ違い用配光パターンと走行用配光パターンとの切替、もしくは、高速道路用配光パターンと走行用配光パターンとの切替である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用前照灯。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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