JP2007293287A - インジケーター - Google Patents

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Abstract

【課題】保管時には変色が生じにくく、また、使用時にはどの部分でも均一に変色が起こるために、有効期間の残否を明確に判断できるインジケーターを提供する。
【解決手段】微細孔を有する多孔質フィルムと、前記微細孔中に保持された液状化合物とを含有する変色層(A)と、バリア性を備える基材の層(B)とが第1の接着剤の層(D)を介して積層されてなるインジケーターであって、前記液状化合物の25℃における蒸気圧が1×10-6〜5×10-3mmHgであり、前記多孔質フィルムが、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを10重量%以上含むポリオレフィン系樹脂から形成されてなる多孔質フィルムであるインジケーター。
【選択図】なし

Description

本発明は、インジケーターに関する。
表面に液体を保持させた擦りガラスや水書紙等の色が液体の蒸散に伴って変化するという現象を利用したインジケーター(期間表示具)が知られている(特許文献1、2参照)。
しかしながら従来のインジケーターは、使用時に変色が均一に生じないために有効期間の残否の判断が困難であったり、また長期保管すると変色を生じたりすることがあった。
特開昭57−158682号公報 特開平7−281603号公報
本発明は、保管時には変色が生じにくく、また、使用時にはどの部分でも均一に変色が起こるために、有効期間の残否を明確に判断できるインジケーターを提供することを目的とする。
本発明は、微細孔を有する多孔質フィルムと、該微細孔中に保持された液状化合物とを含有する変色層(A)と、バリア性を備える基材の層(B)とが第1の接着剤の層(D)を介して積層されてなるインジケーターであって、前記液状化合物の25℃における蒸気圧が1×10-6〜5×10-3mmHgであり、前記多孔質フィルムが、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを10重量%以上含むポリオレフィン系樹脂から形成されてなる多孔質フィルムであるインジケーターである。
本発明のインジケーターは、保管時には変色が生じにくく、また、使用時にはどの部分でも均一に変色が起こるために、その色から有効期間の残否を明確に判断できる。
本発明における変色層(A)とは、微細孔を有する多孔質フィルムと、該微細孔中に保持された液状化合物とを含有する層である。該変色層は、多孔質フィルム中に含有される液状化合物が蒸散するについて変色し、インジケーターの残りの有効期間を表示する。ここで「変色する」とは、透明度が変化することを意味する。
変色層(A)を構成する多孔質フィルムは、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを10重量%以上含むポリオレフィン系樹脂で形成された多孔質フィルムである。このような特定の材料からなる多孔質フィルムは、従来の多孔質フィルムに比べて強度に優れるため、均一な大きさの微細孔を多数有することができる。本発明のインジケーターは、その変色層がこのような多孔質フィルムからなっているために、該変色層のどの部分でも変色が均一に生じる。
分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンとは、ポリスチレンを標準物質として用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子鎖長が2850nm以上であるポリオレフィンであり、具体的には、このような分子鎖長のエチレンの単独重合体、エチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンの単独重合体、プロピレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとの共重合体などである。分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンのみからなる樹脂はフィルム状に成形することが非常に困難であるために、本発明では、変色層の多孔質フィルムを構成するポリオレフィン系樹脂は、分子鎖長が2850nm未満のポリオレフィンや、オレフィン系ワックスなど、加工性に優れたポリオレフィンを本発明の所期の目的に鑑みて許容される量であれば含有することが許される。具体的には、変色層の多孔質フィルムは、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィン以外のポリオレフィンを90重量%以下だけ含有することができる。換言すれば、該多孔質フィルムを構成するポリオレフィン系樹脂は、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを10重量%以上含有することが必要である。オレフィン系ワックスは、重量平均分子量が700〜6000のポリオレフィンであって、通常、25℃で固体状のものである。オレフィン系ワックスの例としては、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂ワックス、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のプロピレン系樹脂ワックス、ポリ(4 −メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)およびエチレン−酢酸ビニル共重合体のワックスなどが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂の分子鎖長は、ポリスチレンを標準物質として用いるGPC測定より求められる分子鎖長であり、以下の手順で求められる。GPC測定の移動相としては、測定する未知試料も分子量既知の標準ポリスチレンも溶解することができる溶媒を使用する。まず、分子量が異なる複数種の標準ポリスチレンのGPC測定を所定の測定条件で行い、各標準ポリスチレンの保持時間を求める。多くのポリマーについて、式:分子量=分子鎖長×Qファクター(定数)が成り立つことが知られており、ポリスチレンのQファクターは41.3である。
そこで、前記式を用いて各標準ポリスチレンの分子鎖長を求め、更に、各標準ポリスチレンの分子鎖長に対応する保持時間を知る。
次に未知試料(ポリオレフィン系樹脂)のGPC測定を行い、保持時間−溶出成分量曲線を得る。標準ポリスチレンのGPC測定において、保持時間Tであった標準ポリスチレンの分子鎖長をLとするとき、前記未知試料のGPC測定において保持時間Tであった成分の分子鎖長もLとみなす。この関係を用いて、前記未知試料の前記保持時間−溶出成分量曲線から、当該未知試料の分子鎖長分布を示す分子鎖長−溶出成分量曲線が求められる。前記未知試料中の分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンの含有率は、上記の方法で求めた分子鎖長−溶出成分量曲線を全範囲について積分した値に対する、分子鎖長2850nm以上に該当する範囲について積分した値の割合として求めることができる。
本発明で用いる多孔質フィルムは、JIS K1150に従いポロシメーターを用いて測定される平均孔径が0.06〜0.1μmであることが好ましい。また該多孔質フィルムは、JIS P8117に従って測定されるガーレー値(通気度)が100〜250秒/100ccであることが好ましく、厚みは5〜20μmであることが好ましい。このような多孔質フィルムで変色層が構成されているインジケーターは、変色の均一性に特に優れ、有効期間の残否の判断がしやすく、かつ、保管安定性に極めて優れる。
前記ガーレー値とは、JIS P8117に従い、B型デンソメーターを用いて測定される値である。多孔質フィルムのガーレー値が150秒/100ccであるとき、該多孔質フィルムにおける孔の体積分率は50体積%程度である。ガーレー値が大きすぎる場合は、平均孔径が大きい。ガーレー値は多孔質フィルムの厚みに依存する。前記したガーレー値および厚みの要件を満たす多孔質フィルムを変色層として含むインジケーターは、変色の均一性に極めて優れる。またインジケーターは、有効期間中は変色層を通して基材層を視認できることが必要である。このような観点から、変色層(A)を構成する多孔質フィルムの厚みは20μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは15μm以下である。
前記多孔質フィルムは、例えば以下に記す方法により製造することができる。分子鎖長2850nm以上のポリオレフィンを10.5重量%以上含むポリオレフィン系樹脂、該樹脂100重量部に対し5〜100重量部のオレフィン系ワックス、および前記ポリオレフィン系樹脂およびオレフィン系ワックスの合計100重量部に対し、100〜400重量部の水溶性充填剤を含有するポリオレフィン系樹脂組成物を、インフレーション加工、カレンダー加工、Tダイ押出加工、スカイフ法等のシート成形方法によりシート化する。得られたシートから水溶性充填剤を水系溶剤で除去し、得られた充填材フリーのシートを乾燥する。乾燥したシートを、充填材の除去により生じた孔を塞がない延伸温度条件下で延伸することで多孔質フィルムが得られる。延伸には、テンターなどの延伸機を使用することができる。
本発明における液状化合物は、25℃において液体であり、かつ、Stephen F. Donovan によって報告された方法(New method for estimating vapor pressure by the use of gas chromatography: Journal of Chromatography A. 749(1996)123〜129)により求められる、25℃における蒸気圧が1×10-6〜5×10-3mmHgの化合物である。変色層中の液状化合物の蒸気圧が1×10-6mmHgより低い場合は、通常の環境下では変色の開始が遅く、均一に変色が起こらない。また、変色層中の液状化合物の蒸気圧が5×10-3mmHgより高い場合は、通常の環境下で極めて短期間に変色が生じる。インジケーターを利用する場合には通常、数日間は使用するため、このように蒸気圧の高い液状化合物は使用できない。本発明に適用可能な液状化合物の具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル(5.54×10-5mmHg)、ラウリル酸メチル(1.57×10-3mmHg)、ラウリル酸エチル(6.85×10-4mmHg)、パルミチン酸イソプロピル(8.14×10-6mmHg)、セバシン酸ジブチル(2.70×10-6mmHg)、マレイン酸ジオクチル(3.13×10-6mmHg)、アセチルクエン酸トリエチル(1.46×10-4mmHg)、アセチルクエン酸トリブチル(1.27×10-6mmHg)などが挙げられる。括弧内に記した圧力は、25℃における蒸気圧である。多孔質フィルムと液状化合物とからなる変色層の透明性の観点から、液状化合物の屈折率は、(多孔質フィルムの屈折率)±0.1の範囲にあることが好ましい。
多孔質フィルムに液状化合物を保持させる方法は、特に制限されず、通常のドライラミネーターやグラビア印刷機などの印刷機などを利用できる。また、容器に入れた液状化合物に多孔質フィルムを浸漬する方法や、多孔質フィルムに液状化合物を滴下する方法も適用可能である。
本発明のインジケーターにおける基材の層(B)は、第1の接着剤層(D)を介して前記した変色層(A)と積層されている、バリア性を備える層である。層(B)のバリア性とは、変色層(A)中の液状化合物が層(B)中に拡散することを防止する性質を意味し、より具体的には、例えばASTM D3985に従い、温度20℃、相対湿度65%RH、フィルム厚さ20μmの条件で測定される酸素透過度が40cc/m2・day・atm以下であることが好ましい。バリア性を備える基材の層(B)を変色層(A)の片面側に配置することにより、変色層(A)からの液状化合物の蒸散を一方向、すなわち層(B)と反対側の方向に制限することができ、これにより液状化合物を均一に蒸散させることができる。本発明のインジケーターは、変色層(A)に十分な量の液状化合物が含有されているときは、該変色層(A)は透明であり、該変色層(A)を通して基材層(B)が視認できる。そして液状化合物の蒸散によって該変色層(A)が不透明となり、基材層(B)が視認できなくなった時点で、有効期間終了と判断される。変色層(A)を通して基材層(B)が視認可能な期間がインジケーターの有効期間である。
層(B)を構成するバリア性を備える基材としては、エチレン/ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニルなどのバリア性に優れた材料からなる未延伸、一軸延伸、あるいは二軸延伸されたフィルムや、これらバリア性に優れた材料やポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のバリア性の比較的低い材料からなる未延伸、一軸延伸、あるいは二軸延伸されたフィルムなどの支持フィルムの少なくとも片面にバリア性に比較的優れた材料からなる層が積層されたフィルムが挙げられる。また、樹脂材料からなるフィルムだけでなく、アルミニウム箔などの金属製フィルムを用いることもできる。基材としては、透明な支持フィルムに、層状無機化合物を樹脂中に分散させた組成物の層が積層された積層体が好ましい。ここで、「層状無機化合物」とは、単位結晶層が積み重なった層状構造を有する無機化合物であり、例えば、カオリナイト、モンモリロナイト、雲母、タルク、バーミキュライト、などである。
さらに前記基材は、顔料などで着色された樹脂からなるフィルムや、変色層(A)が配置される側の表面に単色あるいは多色で文字や模様の印刷を施したフィルムであることが好ましい。
前記基材が、支持フィルムの層と、その片面に積層されたバリア性に優れる材料の層とを有する積層体である場合、該バリア層と変色層(A)とが第1の接着剤の層(D)を介して積層されていることが、変色層(A)中の液状化合物の基材の層(B)への拡散が効果的に抑制されるため好ましい。
変色層(A)と基材の層(B)とは、第1の接着剤の層(D)を介して積層されている。層(D)を構成する第1の接着剤としては、一般的な包装材料で用いられるドライラミネート用の接着剤を用いることができ、例として、脂肪族ポリエーテル系、脂肪族ポリエステル系、芳香族ポリエーテル系、芳香族ポリエステル系などの2液型の接着剤や、ポリエチレンイミン系やポリブタジエン系などの1液型の接着剤などが挙げられる。変色層(A)中の液状化合物は、層(D)へも拡散するため、変色層(A)と層(B)間の接着強度が経時的に低下してしまうことがある。よって、初期の接着強度の高い脂肪族ポリエステル系接着剤や芳香族ポリエステル系接着剤などの2液反応型接着剤を用いることが好ましく、特に耐有機溶剤性の高い接着剤を用いることが好ましい。層(D)の厚みは小さいほど好ましく、通常0.5〜4μmの範囲内であり、好ましくは0.7〜2μmの範囲内である。変色層(A)と層(B)とを、層(D)を介して積層する方法としては、ドライラミネート法が挙げられる。これは、基材の片面に溶媒で希釈した第1の接着剤を塗工し、溶媒を揮発させて除去した後、形成された第1の接着剤の層上に変色層(A)を積層する方法である。変色層(A)を積層した後に、必要に応じて養生を施してもよい。
本発明のインジケーターは、その製造から使用開始(期間表示のスタート時)までの間、変色層(A)を構成する多孔質フィルム中にある液状化合物を蒸散させることなく保持することが好ましい。そのため、使用が開始されるまでは、変色層(A)にバリア性を有する層(C)が第2の接着剤の層(E)を介して積層されている形態であることが好ましい。この形態における第2の接着剤は粘着剤である。
バリア性を有する層(C)を構成する材料としては、前記した層(B)を構成する基材の材料と同様の材料を使用することができる。層(C)としては、支持フィルムの片面に、層状無機化合物を樹脂中に分散させた組成物の層が積層された積層体を用いることが好ましい。このような積層体で層(C)が構成されている場合には、前記組成物の層と変色層(A)とが粘着剤の層(E)を介して積層されていることが好ましい。
第2の接着剤の層(E)は、インジケーターを使用する際(すなわち、期間表示開始時)には、層(C)とともに剥離除去される。よって、層(C)と層(E)とを剥離した後、変色層(A)の表面に層(E)の一部または全部が残る、いわゆる糊残りのおこらない粘着剤を選択することが好ましい。
層(E)を構成する粘着剤としては、一般的な溶剤型アクリル系粘着剤や水性エマルジョン型アクリル系粘着剤があげられ、変色層(A)中に含有される液状化合物に対し耐性を有する粘着剤が好ましく用いられる。液状化合物に対する耐性が低い粘着剤を用いると、粘着剤が変色層(A)中の液状化合物により溶解、あるいは膨潤し、液状化合物と一緒に多孔質フィルムの孔に入り込んでしまうことがある。このような場合には、インジケーターの期間表示性能が損なわれることがある。液状化合物に対して耐性を有する粘着剤としては、ポリスチレンを標準物質として用いるGPCで測定される数平均分子量(Mn)が5万以上のアクリル系粘着剤を用いることが好ましく、Mnが10万以上のアクリル系粘着剤を用いることがより好ましい。アクリル系粘着剤とは、アクリル酸2−エチルヘキシルやアクリル酸n−ブチルなどのアクリル酸系モノマーの重合体を主成分とした粘着剤である。また、溶剤型粘着剤に比べ、水性エマルジョン型粘着剤の方が、液状化合物耐性の観点から好ましい。水性エマルジョン型粘着剤とは、アクリル酸2−エチルヘキシルやアクリル酸n−ブチル等のアクリル酸系モノマーを主成分とした樹脂が水に分散した、固形分含有量が50%程度のエマルジョンである。また層(E)の厚みは、1〜20μmであることが好ましい。
変色層(A)と層(C)とを層(E)を介して積層する方法の例としては、ドライラミネーターを用いる方法が挙げられる。具体的には、以下の工程を含む方法である。
(1)多孔質フィルムと基材とが第1の接着剤の層(D)を介して積層された積層フィルムをドライラミネーターの繰り出し機より繰り出す;
(2)繰り出された積層フィルムの多孔質フィルム表面にグラビアロールなどにより液状化合物を塗布することにより、該液状化合物を該多孔質フィルムの孔に含浸させ、変色層(A)と基材の層(B)とが層(D)を介して積層された積層体を形成する;
(3)前記ドライラミネーターの他の繰り出し機より繰り出したバリア性材料からなるフィルムと、工程(2)で形成された積層体の変色層(A)とを、粘着剤を介して圧着する。粘着剤は、通常、前記積層体との圧着前に、前記バリア性材料からなるフィルムの片面に塗布しておく。なお、工程(2)では、液状化合物の塗布後に、必要に応じて、オーブン中での乾燥を行ってもよい。
本発明のインジケーターでは、変色層(A)に含有させる液状化合物の種類や量、変色層(A)を構成する多孔質フィルムの厚みを調整することにより、表示期間の長さを調節することができる。また、層(B)の、層(D)が無い側の表面に、粘着剤の層を介して剥離紙を積層してもよい。このような構成では、剥離紙を除去すれば、前記粘着剤層を介して、物品の所望の場所にインジケーターを貼付することができる。
本発明のインジケーターの形状は限定されない。本発明のインジケーターがバリア性材料の層(C)を有する場合、他の層より層(C)の面積を大きいと、消費者が容易にバリア層(C)を剥離除去することができる。また層(C)上に、剥離用テープ等を設けてもよい。
本発明のインジケーターを使用する場合、消費者が残存有効期間をより明確に認識できるように、液状化合物を含有しない以外は本発明のインジケーターと同じ構成の積層体を、比較対象として該インジケーターとともに配置することは、好ましい態様である。
本発明のインジケーターは、例えば、防虫剤、殺虫剤、忌避剤などを含む防虫器具に粘着シールや紐などで取付けることにより、防虫効力の残存期間表示装置として使用することができる。防虫用途以外にも、残存有効期間を表示する必要のある用途に対して使用可能である。
以下に実施例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
(1)ガーレー値の測定方法
多孔質フィルムのガーレー値(秒/100cc)は、JIS P8117に従って、B型デンソメーター(東洋精機製)を用いて測定した。多孔質フィルム中の任意の場所10箇所においてガーレー値を測定し、それらの平均値をその多孔質フィルムのガーレー値とした。
(2)平均孔径の測定方法
多孔質フィルムの平均孔径(μm)は、JIS K1150に従って、ポロシメーター(島津製作所(株)製)を用いて水銀注入法により測定した。多孔質フィルム中の任意の場所5箇所において測定し、測定値の平均値をその多孔質フィルムの平均孔径とした。
(3)GPCによる分子鎖長および分子量の測定
測定装置としてウォーターズ社製ゲルクロマトグラフAlliance GPC2000型を使用した。その他の条件を以下に示す。
カラム:東ソー社製TSKgel GMHHR−H(S)HT 30cm×2、TSKgel GMH6−HTL 30cm×2
移動相:o−ジクロロベンゼン
検出器:示差屈折計
流速:1.0mL/分
カラム温度:140℃
注入量:500μL
試料30mgをo−ジクロロベンゼン20mLに145℃で完全に溶解した後、その溶液を孔径が0.45μmの焼結フィルターでろ過し、ろ液を供給液とした。なお、較正曲線は、分子量既知の16種の標準ポリスチレンを用いて作製した。ポリスチレンのQファクターは41.3である。
(3)保存安定性試験
バリア性材料の層(C)を有するインジケーター10個を40℃に調整したオーブン中に設置した。色の変化があった場合、変化が生じるまでの日数を数え、平均の日数と誤差(単位:日)を求めた。評価期間は60日とした。
(4)色の変化の試験
バリア性材料の層(C)を有するインジケーターを40℃で10日間保存した後、層(C)を剥離し、室温にて更に放置した。色の変化が生じるまでの日数を数え、平均の日数と誤差(単位:日)を求めた。
(5)トータル性能
保存安定性の試験(3)において60日以上色の変化が起こらず、かつ色の変化の試験(4)において誤差が±3日以内の時、インジケーターとして良好な性能を有すると評価し、後掲の表では記号「○」で表示した。前記要件を満たさないものは、インジケーターとして十分な性能を有しないと評価し、後掲の表では記号「×」で表示した。
[実施例1]
多孔質フィルム(1)の作製
ポリエチレン粉末100重量部(ハイゼックスミリオン340M、三井化学(株)製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万、融点136℃)に対し、オレフィン系ワックス粉末43重量部(ハイワックス110P、三井化学(株)製、重量平均分子量1000、融点110℃)と炭酸カルシウム(白石カルシウム製Vigot10、SEMで求めた平均粒子径0.15μm)150重量部をヘンシェルミキサーで混合し、その後2軸混練機にて混練して組成物(1)を得た。該組成物(1)を、150℃に調整したカレンダーロールにて圧延し、膜厚約70μmのシート(1)を作製した。シート(1)を塩酸水溶液に浸漬し、炭酸カルシウムを除去したのち、水酸化ナトリウム水溶液で、更に水で洗浄し、乾燥して樹脂シートを得た。該樹脂シートを延伸温度100℃で5倍に横延伸し、多孔質フィルム(1)を作製した。多孔質フィルム(1)は巻き取ってロールにした。多孔質フィルム(1)の樹脂成分中の、分子鎖長2850nm以上のポリエチレンの含有量は28重量%であった。
基材の作製
板状無機無機化合物を含む層で一方の面がコーティングされた市販のポリエチレンテレフタレートフィルム(日本エコラップ(株)製;商品名: セービックス YPET−G2;厚さ: 12μm)を用意した。該フィルムの非コーティング面に、グラビア印刷機により赤色インキを全面印刷し、基材を得た。印刷が施された基材は巻き取ってロールにした。
基材と多孔質フィルムの積層
ドライラミネーターの繰り出し機(第一給紙機)に基材のロールを取り付け、該ロールから5m/minの速度で基材を繰り出した。ついで、グラビアロールにて脂肪族ポリエステル系接着剤を基材のコーティング面に塗布し、80℃のオーブン中で接着剤の希釈用有機溶媒を除去して厚さ2μmの接着剤層(D)を形成させた。その後、この接着剤層(D)付き基材を前記ドライラミネーターの別の繰り出し機(第二給紙機)より繰り出した多孔質フィルム(1)と圧着した。40℃で2日間エージングし、基材の層(B)と多孔質フィルム(1)とが接着剤層(D)を介して積層された積層体(1)を得た。該積層体は巻き取ってロールにした。
粘着剤層付きバリア性フィルムの作製
ドライラミネーターの繰り出し機に、板状無機無機化合物を含む層で一方の面がコーティングされた市販のポリエチレンテレフタレートフィルム(日本エコラップ(株)製; 商品名:セービックス YPET−G2; 厚さ:12μm)のロールを取り付け、該ロールから繰り出した前記フィルムのコーティング面上にアクリル系水性エマルジョン型粘着剤(ガンツ化成(株)製)を厚さ20μmとなるように塗布し、粘着剤層(E)を形成した。こうして形成された粘着剤層(E)付きのバリア性フィルムは、巻き取ってロールにした。
インジケーター原反の作製
ドライラミネーターの繰り出し機(第一給紙機)に積層体(1)のロールを取り付け、該ロールから積層体(1)を繰り出した。繰り出した積層体(1)の多孔質フィルム(1)の表面に、グラビアロールにて、ミリスチン酸イソプロピル(25℃における蒸気圧5.54×10-5mmHg、常温で液体)を塗布した。塗布されたミリスチン酸イソプロピルは多孔質フィルム(1)の孔内に保持され、変色層(A)が形成された。こうして、変色層(A)と基材の層(B)とが接着剤層(D)を介して積層された積層体(2)を得た。前記ドライラミネーターの別の繰り出し機(第二給紙機)より粘着剤層(E)付きのバリア性フィルムのロールを取り付けた。該ロールから粘着剤層(E)付きのバリア性フィルムを繰り出し、これと前記積層体(2)とを、粘着剤層(E)と多孔質フィルム(1)とが接するように重ねて圧着した。これにより、バリア性フィルム層(C)/粘着剤層(E)/変色層(A)/接着剤層(D)/基材層(B)の順で積層された積層体(3)を得た。
インジケーターの作製
前記積層体(3)を直径10mmに打ち抜き、インジケーターとした。該インジケーターを用いて各種評価を行った。結果を表1に示した。
[実施例2]
アクリル系水性エマルジョン型粘着剤の代わりにアクリル系溶剤型粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてインジケーターを得た。該インジケーターの評価結果を表1に示した。
[実施例3]
層(C)用の板状無機化合物でコートされたポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μ)とエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(厚さ20μm、エチレン44モル%)との積層フィルム(市販品)を用い、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムの層上に粘着剤層(E)を形成した以外は、実施例1と同様にしてインジケーターを得た。該インジケーターの評価結果を表1に示した。
[実施例4]
層(B)用の板状無機化合物でコートされたポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりにエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(厚さ20μm、エチレン44モル%)を使用した以外は、実施例1と同様にしてインジケーターを得た。該インジケーターの評価結果を表1に示した。
[比較例1]
ポリエチレンペレット100重量部(住友化学(株)製スミカセン−L、FS240)と炭酸カルシウム300重量部とをヘンシェルミキサーで混合し、更に2軸混練機にて混練して組成物(2)を得た。
この組成物(2)を組成物(1)の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、膜厚約65μmのシート(2)を作製した。このシート(2)から実施例1と同様に炭酸カルシウムを除去した後、延伸温度90℃で5倍に横延伸を行い、多孔質フィルム(2)を作製した。多孔質フィルム(2)の樹脂成分中の、分子鎖長2850nm以上のポリエチレンの含有量は1重量%以下であった。
多孔質フィルム(1)のかわりに上記の多孔質フィルム(2)を用いた以外は実施例1と同様にして、インジケーターを得た。該インジケーターの結果を表2に示した。
[比較例2]
多孔質フィルム(1)の代わりに市販品のポリエチレン製多孔質フィルム(3)(厚み24μm、平均孔径0.04μm、ガーレー値420秒/100cc)を用いた以外は実施例1と同様にして、インジケーターを得た。多孔質フィルム(3)の樹脂成分中の、分子鎖長2850nm以上のポリエチレンの含有量は8重量%であった。該インジケーターの評価結果を表2に示した。
Figure 2007293287
Figure 2007293287

Claims (4)

  1. 微細孔を有する多孔質フィルムと、前記微細孔中に保持された液状化合物とを含有する変色層(A)と、バリア性を備える基材の層(B)とが第1の接着剤の層(D)を介して積層されてなるインジケーターであって、前記液状化合物の25℃における蒸気圧が1×10-6〜5×10-3mmHgであり、前記多孔質フィルムが、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを10重量%以上含むポリオレフィン系樹脂から形成されてなる多孔質フィルムであるインジケーター。
  2. 多孔質フィルムが、微細孔のJIS K1150に従って測定される平均孔径が0.06〜0.1μmであり、JIS P8117に従って測定されるガーレー値が100〜250秒/100ccであって、厚みが5〜20μmである請求項1に記載のインジケーター。
  3. 変色層(A)に、第2の接着剤の層(E)を介してバリア性を有する層(C)が積層されており、該第2の接着剤が粘着剤である請求項1または2に記載のインジケーター。
  4. 第2の接着剤が水性エマルジョン型粘着剤であり、かつ該層(E)の厚みが1〜20μmである請求項3に記載のインジケーター。
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