JP2007293244A - 多層光導波路 - Google Patents

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Masami Ochiai
雅美 落合
Atsushi Takahashi
敦之 高橋
Hiroshi Masuda
宏 増田
Toshihiko Takasaki
俊彦 高崎
Tomoaki Shibata
智章 柴田
Tatsuya Makino
竜也 牧野
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【課題】平坦性が良好で小型・高密度の多層光導波路を提供すること。
【解決手段】複数のコアと、該コアを囲んで形成されるクラッドとから構成され、かつ、平面方向コア中心間距離(コアピッチ)が62.5μm以上500μm以下である光導波路が、2層以上積層された多層光導波路であって、厚み方向コア間距離(上層コアの下面と下層コアの上面間距離)が8μm以上25μm以下、かつ、該厚み方向コア間距離の最大値と最小値の差が5μm以下である多層光導波路である。
【選択図】図1

Description

本発明は、平坦性が良好で小型・高密度の多層光導波路に関するものである。
情報容量の増大に伴い、幹線やアクセス系といった通信分野のみならず、ルータやサーバ内の情報処理にも光信号を用いる光インターコネクション技術の開発が進められている。具体的には、ルータやサーバ装置内のボード間あるいはボード内の短距離信号伝送に光を用いるために、電気配線板に光伝送路を複合した光電気混載基板の開発がなされている。光伝送路としては、光ファイバに比べ、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な光導波路を用いることが望ましく、中でも、加工性や経済性に優れたポリマー材料を用いた光導波路が有望である。
また、光導波路は、電気配線板と共存するため、高透明性とともに高耐熱性も要求されるが、このような光導波路材として、フッ素化ポリイミド(例えば非特許文献1参照)やエポキシ樹脂(例えば特許文献1参照)が提案されている。
また、上記の光導波路材が液状であるのに対して、光導波路材としてドライフィルムを用いる方法が提案されている。例えば、放射線重合可能な成分を含有するドライフィルムを基板上に積層し、所定量の光を照射することで所定場所を放射線硬化させるとともに、必要に応じて未露光部を現像することによりコア部分等を形成して、伝送特性に優れる光導波路を製造することができる。
一方、光導波路の高密度化のため、光導波路を複数積層した多層光導波路が考えられる。例えば、クラッドフィルムの上にコアを形成した複数の導波路フィルムがクラッド用硬化性樹脂の硬化層により積層された積層型高分子光導波路が開示されている(例えば特許文献2参照)。特許文献2の実施例において、クラッドフィルムに厚さ186〜190μmのアートンフィルム(JSR(株)製)を用いている。
特開平6−228274号公報 特開2005−17816号公報 エレクトロニクス実装学会誌、Vol.7、No.3、pp.213−218、2004年
光導波路材として用いられるフッ素化ポリイミドは、300℃以上の高耐熱性と、波長850nmにおいて0.3dB/cmの高透明性を有するものの、製膜には300℃以上で数十分から数時間の加熱条件が必要であるため、電気配線板上での製膜が困難であった。
また、フッ素化ポリイミドには感光性がないため、感光・現像による光導波路作製法が適用できず、生産性・大面積化に劣っていた。さらに、液状の材料を基板上に塗布し製膜する方法を用いて光導波路を作製するため、膜厚管理が煩雑であり、しかも基板上に塗布した樹脂が、硬化前は液状であるため、基板上で樹脂が流れてしまい、膜厚の均一性を保つことが困難である等、材料形態が液状であることに起因した課題があった。
一方、液状エポキシ樹脂に光重合開始剤を添加した光導波路形成用エポキシ樹脂は、感光・現像法によりコアパターンが形成可能であり、高透明、高耐熱性を有するものもあるが、材料が液状であることに起因した同様な課題があった。
特許文献2に開示された積層型高分子光導波路は、導波路フィルムを積層する際のハンドリングの容易さや、導波路フィルム単体としての機械的強度を保つために、上記のような膜厚の厚いクラッドフィルムを用いている。また、コア積層部分におけるクラッド用硬化性樹脂の硬化層の厚さとして、クラッドフィルムの厚み公差を打ち消す厚さを必要とする。そのために、厚み方向コア間距離が大きくなり、配線の高密度化が困難であった。
本発明は、上記問題点に鑑み、平坦性が良好で小型・高密度の多層光導波路を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、下記に記載の方法により、上記課題を解決し得ることを見出した。すなわち、本発明は、以下に関する。
(1)複数のコアと、該コアを囲んで形成されるクラッドとから構成され、かつ、平面方向コア中心間距離(コアピッチ)が62.5μm以上500μm以下である光導波路が、2層以上積層された多層光導波路であって、厚み方向コア間距離(上層コアの下面と下層コアの上面間距離)が8μm以上25μm以下、かつ、該厚み方向コア間距離の最大値と最小値の差が5μm以下である多層光導波路。
(2)コア及びクラッドの少なくとも1つに光導波路形成用樹脂フィルムを用いて製造して成る上記(1)に記載の多層光導波路。
(3)更に電気回路配線を有する上記(1)又は(2)記載の多層光導波路。
本発明によれば、平坦性が良好で小型・高密度の多層光導波路を製造することができる。また、該多層光導波路は、高速、大容量光通信の実現・普及に寄与するところが大きい。
図1は、本発明の多層光導波路の一例を示す図である。また、本発明で使用する平面方向コア中心間距離、及び厚み方向コア間距離の定義を示す図である。
本発明の多層光導波路は、複数のコアと、該コアを囲んで形成されるクラッドとから構成され、かつ、平面方向コア中心間距離(コアピッチ)が62.5μm以上500μm以下の光導波路が、2層以上積層された多層光導波路であって、厚み方向コア間距離(上層コアの下面と下層コアの上面間距離)が8μm以上25μm以下、かつ、該厚み方向コア間距離の最大値と最小値の差が5μm以下の多層光導波路である。
平面方向コア中心間距離(コアピッチ)が62.5μm未満であると、隣接チャネル間とのクロストークが生じる。一方、500μmより大きいと、配線の高密度化が困難となる。以上の観点から、平面方向コア中心間距離(コアピッチ)が125μm以上250μm以下であることがさらに好ましい。
厚み方向コア間距離が8μm未満であると、隣接チャネル間とのクロストークが生じる。一方、25μmより大きいと、配線の高密度化が困難となる。以上の観点から、厚み方向コア間距離が10μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。
一般的に光電気混載基板で用いられる光導波路のコアサイズは50μm角程度であり、この場合、コアサイズの10%より位置ずれが大きいと、光素子との結合損失が急激に増大する。この観点から、該厚み方向コア間距離の最大値と最小値の差が3μm以下であることがさらに好ましい。
ここで、平面方向コア中心間距離は、図1中、例えば、15で示されるコアピッチであり、それ以外の平面方向コア中心間についても同様である。
また、厚み方向コア間距離は、図1中、11で示される距離であり、具体的に、上層コアの下面と、下層コアの上面との間におけるクラッドの厚さで示される。
なお、上層コアの下面とは、上層側に並列するすべてのコアの下面の中で、最も上位に位置する面と、最も下位に位置する面との間の中央に位置する仮想面である。
同様に、下層コアの上面とは、下層側に並列するすべてのコアの上面の中で、最も上位に位置する面と、最も下位に位置する面との間の中央に位置する仮想面である。
また、厚み方向コア間距離の最大値とは、上層側に並列するすべてのコアの下面の中で、最も上位に位置する面と、下層側に並列するすべてのコアの上面の中で、最も下位に位置する面との間におけるクラッドの厚さで示される。
同様に、厚み方向コア間距離の最小値とは、上層側に並列するすべてのコアの下面の中で、最も下位に位置する面と、下層側に並列するすべてのコアの上面の中で、最も上位に位置する面との間におけるクラッドの厚さで示される。
また、多層化された光導波路コアの上下位置関係は、必ずしも上層のコアが下層コアの直上にある必要はなく、図3に示すように、千鳥格子状配置であってもよい。
上層コア及び下層コアにおける導波路(コア)の本数は、必ずしも同一である必要はなく、図4に示すように、その本数が異なっていてもよい。
上述の構造の多層光導波路を形成する際には、平坦性確保が容易であり、かつ、小型・高密度の多層光導波路を得る観点から、コア、及びクラッドの少なくとも1つに光導波路形成用樹脂フィルムを用いることが好ましい。これにより、厚み方向コア間距離を精度よく制御することができ、大面積の多層光導波路を製造することにも適している。
本発明における多層光導波路の製造方法は、図2に示すように、基板1上に光導波路の第1クラッド2となる薄膜を製膜する工程と、この第1クラッド2上に当該第1クラッドよりも高い屈折率を有する薄膜を製膜してパターニングすることにより第1コア6を形成する工程と、この第1コア6よりも低い屈折率を有する薄膜を、第2クラッド7として製膜する工程と、この第2クラッド7上に、当該第2クラッド7よりも高い屈折率を有する薄膜を製膜してパターニングすることにより、第2コア9を形成する工程と、この第2コア9よりも低い屈折率を有する薄膜を、第3クラッド10として製膜する工程によって作製される。
さらに必要に応じてこれらの工程を繰り返し、図6に示すように、光導波路層を3層以上積層した多層光導波路を作製することもできる。
次に、本発明の多層光導波路は、電気配線基板の片面又は両面上に、複数の光導波路層を積層し、図5、図6や図7に示すように、光導波路と電気回路配線とを複合化したものであってもよい。高密度に作製された電気回路を含む多層光導波路は、基板上の金属配線の信号伝送線と、光導波路の信号伝送線との両方を備えることにより、高速でかつ長い距離の信号伝送を容易に行うことが出来る。
(光導波路材料)
上記の光導波路形成用樹脂フィルムの材料としては、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物が好ましい。
ここで用いる(A)ベースポリマーは、フィルム等の硬化物を形成する場合に、その強度を確保するためのものであり、その目的を達成し得るものであれば特に限定されず、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等、あるいはこれらの誘導体等が挙げられる。これらのベースポリマーは1種単独でも、また2種以上を混合して用いてもよい。
上記で例示したベースポリマーのうち、耐熱性が高いとの観点から、主鎖に芳香族骨格を有することが好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。
また、上記の樹脂組成物を用いてフィルム化する場合に、該フィルムの透明性を確保することが重要であり、そのためには、後に詳述する(B)光重合性化合物との相溶性が高いことが必要である。この点からは、上記フェノキシ樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が好ましい。なお、ここで(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味するものである。
上記フェノキシ樹脂とは、非晶質のポリマーであり、一般的に下記一般式(I)で表される。
Figure 2007293244
ここで、nは1以上の整数、mは0又は1、−Ro−は下記一般式(II)、(III)あるいは(IV)で表される基、又は−O−である。
Figure 2007293244
Figure 2007293244
Figure 2007293244
ここで、R1〜R10は、それぞれ独立に水素原子、又は、メチル基若しくはトリフルオロメチル基等で表される有機基である。
上記フェノキシ樹脂の中でも、下記式(V)で表される繰り返しを有するビスフェノールA型エポキシ樹脂の直鎖状高分子重合体は、高い耐熱性を有するため好ましい。
Figure 2007293244
ここで、nは、上記に同じである。
上記直鎖状高分子重合体のフェノキシ樹脂は、一般的にビスフェノールAとエピクロルヒドリンとを重縮合反応させる一段法によって、又は低分子量のエポキシ樹脂とビスフェノールAとを重付加反応させる二段法によって製造されるものであり、具体例としては、東都化成(株)製「YP−50」(商品名)、特開平4−120124号公報、特開平4−122714号公報、特開平4−339852号公報に記載のもの等が挙げられる。
また、上記一般式(I)で表されるフェノキシ樹脂の他に、種々の2官能エポキシ樹脂とビスフェノール類とを重付加反応した高分子量体、例えば臭素化フェノキシ樹脂(特開昭63−191826号公報、特公平8−26119号公報)、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂(特許第2917884号公報、特許第2799401号公報)、リン含有フェノキシ樹脂(特開2001−310939号公報)、フルオレン骨格を導入した高耐熱性フェノキシ樹脂(特開平11−269264号公報、特開平11−302373号公報)等もフェノキシ樹脂として知られている。
上記ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂に代表される以下に示すフェノキシ樹脂は、(A)成分として好適である。すなわち、(a−1)ビスフェノールA、ビスフェノールA型エポキシ化合物、又はそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種及び(a−2)ビスフェノールF、ビスフェノールF型エポキシ化合物、又はそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種を共重合成分の構成単位として含むものである。
このような、(a−1)成分と(a−2)成分を共重合成分とする樹脂を含む樹脂組成物からなる光導波路形成用樹脂フィルムを用いることによって、クラッドとコアの層間密着性や光導波路コアパターン形成時のパターン形成性(細線又は狭線間対応性)をより向上させることができ、線幅や線間の小さい微細パターン形成が可能となる。
ビスフェノールA、ビスフェノールA型エポキシ化合物、又はそれらの誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、又はテトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。
また、ビスフェノールF、ビスフェノールF型エポキシ化合物、又はその誘導体としては、テトラブロモビスフェノールF、又はテトラブロモビスフェノールF型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。
(A)ベースポリマーとしては、上述のように、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂が特に好適に挙げられ、例えば、東都化成(株)製、商品名「フェノトートYP−70」として入手可能である。
次に、室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えば、東都化成(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂がある。
(A)ベースポリマーの分子量については、ルータやサーバ装置内のボード間あるいはボード内の光信号伝送用光導波路等に要求される50μm程度の厚膜のフィルムでも形成を可能となる観点から、数平均分子量で5,000以上であることが好ましく、さらに10,000以上が好ましく、特に30,000以上であることが好ましい。
数平均分子量の上限については、特に制限はないが、(B)光重合性化合物との相溶性や露光現像性の観点から、1,000,000以下であることが好ましく、さらには500,000以下、特には200,000以下であることが好ましい。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
(A)ベースポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、5〜80質量%とすることが好ましい。この配合量が、5質量%以上であると、光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する樹脂組成物をフィルム化することが容易となる。特に、10質量%以上であるとフィルムを形成する場合に、膜厚50μm以上の厚膜フィルムでも容易に製造することが可能であり、より好ましい。
一方、(A)成分の配合量が、80質量%以下であると、光導波路を形成する際に、パターン形成性が向上し、かつ光硬化反応が十分に進行する。以上の観点から、(A)ベースポリマーの配合量は、20〜70質量%とすることがさらに好ましい。
次に、(B)光重合性化合物は、紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に制限はない。例えば、光に対する反応性の観点から、(B)光重合性化合物としては、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物であることが好ましい。具体的には、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノール等が挙げられる。これらの中で、透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性のもののいずれをも用いることができる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
1官能性(メタ)アクリレートとしては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等がある。
また、2官能性(メタ)アクリレートとしては、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス(3−フェニル−4−アクリロイルポリオキシエトキシ)フルオレン、ビスフェノールA型,フェノールノボラック型,クレゾールノボラック型,及びグリシジルエーテル型のエポキシ(メタ)アクリレート等がある。
さらに、3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。これらは1種単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
重合により生じた3次元網目構造中にベースポリマーを絡み込んで硬化することができる観点から、(B)成分として少なくとも1つは、2官能性以上のメタ)アクリレートを用いるのが好ましい。
上述した(B)成分の中では、特に透明性と耐熱性を両立し得る観点から、エポキシ(メタ)アクリレートを用いるのが好ましい。
代表的なエポキシ(メタ)アクリレートとしては、下記式(VI)で表されるビスフェノールAエポキシアクリレートがある。
ビスフェノールAエポキシアクリレートは、フェノキシ樹脂との相溶性に優れており、高い透明性が実現できるため、(A)成分としてフェノキシ樹脂を、(B)成分としてビスフェノールAエポキシアクリレートを用いることは、非常に好ましい態様である。
なお、このビスフェノールAエポキシアクリレートは、新中村化学工業(株)製、商品名「EA−1020」として商業的に入手可能である。
Figure 2007293244
また、透明性の観点からは、(B)成分として、アクリル(メタ)アクリレートを使用することも好適であり、特に(A)成分として、(メタ)アクリル樹脂を組み合わせた場合にその効果は著しく高い。
アクリル(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、一般的にはグリシジルアクリレートの重合体に1官能性の(メタ)アクリレートを付加させたものである。該1官能性の(メタ)アクリレートとしては種々のものが挙げられ、例えば、(メタ)アクリル酸や上述の1官能性(メタ)アクリレートとして例示したものと同様のものが挙げられる。なお、ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸を意味するものである。
光導波路形成用樹脂フィルムを用いて光導波路を形成する場合、後に詳述するように屈折率の高いコアフィルムと、屈折率の低いクラッドフィルムが必要となる。ここで、光導波路形成用樹脂フィルムをコアフィルムとして用いる場合には、(B)光重合性化合物としては、高透明性、高耐熱性、(A)成分との相溶性に加え、高屈折率性を考慮して、フルオレンジ(メタ)アクリレートを構成成分として含むことが好ましい。特に、下記一般式(VII)で表されるフルオレンジ(メタ)アクリレートを構成成分として含むことが好ましい。
Figure 2007293244
ここで、Xは、下記式(VIII)で表されるものであり、Yは水素原子又はメチル基である。また、p及びqは、それぞれ1〜20の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。
Figure 2007293244
ここで、R11〜R26は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数7〜9のアラルキル基である。R19〜R26は、それぞれベンゼン環のいずれの位置にあってもよく、これらの置換基のない部分(式(VIII)中での“*”印)において、式(VII)の骨格中の酸素と結合している。なお、一般式(VII)及び(VIII)において、Yが水素原子、R11〜R26が水素原子、pが1、及びqが1であるものが、市販品として入手可能である(新中村化学(株)製、商品名「A−BPEF」)。
また、コアフィルムとして、同様な観点から、下記一般式(IX)で表される(メタ)アクリレートを用いてもよい。
Figure 2007293244
ここで、R27は、−CH2CH(OH)CH2−、−(C24O)h24−、−(C36O)i36−、又は(C24O)j−(C36O)k36−であり、Uは、−C(CH32−、−CH2−、−SO2−、又は−O−であり、Vは、水素原子又はハロゲン原子であり、Wは、水素原子又はメチル基である。また、h、i、j及びkは、それぞれ0から10の整数である。これらのうち、特に、R27が−CH2CH(OH)CH2−、Uが−C(CH32−、Vが水素原子、及びWが水素原子で表されるビスフェノールA型エポキシアクリレートが好ましく、この化合物は市販品として入手可能である(新中村化学(株)製、商品名「EA−1020」)。
なお、(B)成分として、上述のフルオレンジ(メタ)アクリレートと分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物を併用することもできる。
(B)光重合性化合物としては、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物も好適である。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の2官能芳香族グリシジルエーテル;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能芳香族グリシジルエーテル;ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサンジオール型エポキシ樹脂等の2官能脂肪族グリシジルエーテル;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能脂環式グリシジルエーテル;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセリン型エポキシ樹脂等の多官能脂肪族グリシジルエーテル;フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香族グリシジルエステル;テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の2官能脂環式グリシジルエステル;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメチルアニリン等の2官能芳香族グリシジルアミン;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール等の多官能芳香族グリシジルアミン;アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の2官能脂環式エポキシ樹脂;ジグリシジルヒダントイン等の2官能複素環式エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能複素環式エポキシ樹脂;オルガノポリシロキサン型エポキシ樹脂等の2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物は、その分子量が、通常100〜2000程度であり、さらに好ましくは150〜1000程度であり、室温で液状のものが好適に用いられる。またこれらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができ、さらにその他の光重合性化合物と組み合わせて用いることもできる。なお、光重合性化合物の分子量は、GPC法又は質量分析法にて測定できる。
(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、20〜95質量%とすることが好ましい。この配合量が20質量%以上であると、(A)ベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、光導波路を形成する際に、パターン形成性が向上する利点がある。一方、95質量%以下であると、(A)成分の添加によるフィルム化が容易となり、さらに厚膜のフィルムを容易に製造するとの観点からは、90質量%以下であることが好ましい。以上の観点から、(B)光重合性化合物の配合量は30〜80質量%とすることがさらに好ましい。
(C)光重合開始剤としては、紫外線等の光の照射により(B)光重合性化合物の重合を生じさせる化合物であれば、特に制限はない。例えば、(B)成分にフルオレンジ(メタ)アクリレートや(メタ)アクリレート等の分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物を用いる場合、(C)光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体類;2−メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体類において、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記化合物のうち、コア及びクラッドの透明性を向上させる観点から、芳香族ケトン及びフォスフィンオキサイド類が好ましい。
(B)成分にエポキシ樹脂を用いる場合、(C)光重合開始剤としては、例えば、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等のアリールジアゾニウム塩;ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート塩等のジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホニウム塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムペンタフロロヒドロキシアンチモネート塩等のトリアリールスルホニウム塩;トリフェニルセレノニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルセレノニウムホウフッ化塩、トリフェニルセレノニウムヘキサフロロアンチモネート塩等のトリアリールセレノニウム塩;ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジエチルフェナシルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩等のジアルキルフェナシルスルホニウム塩;4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート等のジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩;α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニロキシケトン、β−スルホニロキシケトン等のスルホン酸エステル等が挙げられる。
これらの(C)光重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、必要に応じて、上記の(C)光重合開始剤と光重合開始助剤(増感剤)とを併用することができる。
(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることが好ましい。この配合量が0.1質量部以上であると、光感度が十分であり、一方10質量部以下であると、露光時に感光性樹脂組成物の表層での吸収が増大することがなく、内部の光硬化が十分となる。さらに、光導波路として使用する際には、重合開始剤自身の光吸収の影響により伝搬損失が増大することもなく好適である。以上の観点から、(C)光重合開始剤の配合量は、0.2〜5質量部とすることがさらに好ましい。
また、このほかに必要に応じて、上記した(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物中に内部離型剤、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤等のいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
(光導波路形成用樹脂フィルム)
本発明に用いる光導波路形成用樹脂フィルムは、上記した樹脂組成物からなり、具体的には、上記(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。
光導波路形成用樹脂フィルムは、本発明の多層光導波路のそれぞれのクラッド及びコアに用いることができ、これらのうち少なくとも1つに用いることが好ましい。
光導波路形成用樹脂フィルムをコアフィルムとして用いる場合、コアがクラッドより高屈折率であるように設計される。
コアフィルムに用いる樹脂組成物としては、活性光線によりコアパターンを形成し得る樹脂組成物であれば限定されず、感光性樹脂組成物を好適に用いることができる。具体的には、上記(A)〜(C)成分、及び必要に応じて上記任意成分を含有する樹脂組成物が好ましい。
クラッドフィルムに用いる樹脂組成物としては、光又は熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を好適に用いることができる。具体的には、上記(A)〜(C)成分、及び必要に応じて上記任意成分を含有する樹脂組成物が好ましい。
光導波路形成用樹脂フィルムは、上記(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を溶媒に溶解して、基材に塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。
ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。 樹脂溶液中の固形分濃度は、通常30〜80質量%程度であり、好ましくは30〜60質量%である。
光導波路形成用樹脂フィルムの膜厚としては、製造される多層光導波路に応じて、適宜膜厚を選択すればよい。
例えば、光導波路形成用樹脂フィルムをコアフィルムとして用いる場合、その厚さは、乾燥後の厚みで、通常は5μm〜120μmである。5μm以上であると、受発光素子又は光ファイバーとの結合トレランスが拡大できるという利点があり、一方120μm以下であると、受発光素子又は光ファイバーとの結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、該フィルムの厚さは、さらに20μm〜70μmの範囲であることが好ましい。
また、光導波路形成用樹脂フィルムをクラッドフィルムとして用いる場合、その厚さは、光の閉じ込めやコアの埋込みが可能であれば特に制限はないが、厚み方向コア間距離が25μm以下である多層光導波路を得るために、コアの厚さにより適宜設定され、通常は5〜120μmである。さらに15μm〜90μmの範囲であることが好ましい。
上記の光導波路形成用樹脂フィルムの製造過程で用いる基材としては、光導波路形成用フィルムを支持する支持体であって、その材料については特に限定されないが、後に光導波路形成用フィルムを剥離することが容易であり、かつ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等が好適に挙げられる。
該基材の厚みとしては、5〜50μmの範囲であることが好ましい。5μm以上であると、支持体としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、コアパターン形成時にマスクとのギャップが小さくなり、より微細なコアパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、該基材の厚みは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、さらには15〜30μm、特には15〜25μmであることが好ましい。
また、露光用光線の透過率向上及びコアパターンの側壁荒れ低減のため、高透明タイプのフレキシブルな基材を用いるのが好ましい。高透明タイプの基材のヘイズ値は5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、2%以下であることが特に好ましい。なお、ヘイズ値はJIS K7105に準拠して測定したものであり、例えば、NDH−1001DP(日本電色工業(株)製)等の市販の濁度計等で測定可能である。このような基材としては、東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA1517」や「コスモシャインA4100」として入手可能である。
このようにして得られた基材上に設けられた光導波路形成用フィルムは、例えばロール状に巻き取ることによって容易に貯蔵することができる。また、必要に応じて、光導波路形成用フィルムの上に保護フィルムを設けることもできる。なお、上記基材及び保護フィルムは、後に光導波路形成用フィルムの剥離を容易とするため、帯電防止処理等が施されていてもよい。
本発明に用いる光導波路形成用フィルムの硬化物の光伝搬損失は、光の損失による伝送信号の強度低下を抑えるとの観点から、0.5dB/cm以下であることが好ましい。ここで、光伝搬損失は、プリズムカプラ式光学特性測定装置(SAIRON TECHNOLOGY社製、SPA−4000)にて測定した値によるものである。
以下、本発明の多層光導波路、及びその製造方法について、光導波路形成用樹脂フィルムを用いた場合の実施形態の一例をそれぞれ具体的に説明する。
(多層光導波路の基本的構成)
図1は、光導波路形成用樹脂フィルムを適用して構成した本発明の多層光導波路の基本的構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の多層光導波路は、基板1と、この基板1の表面上に形成された第1クラッド2と、この第1クラッド2上に形成された第1コア6と、この第1コア6を含む第1クラッド2上に積層して形成された第2クラッド7とを含んで構成されている。ここで、第1コア6は、光損失が少なくなるように、その側部を含めて、第2クラッド7により被覆してあり、全体として埋設された状態である。さらに、第2クラッド7上に形成された第2コア9と、この第2コア9を含む第2クラッド7上に積層して形成された第3クラッド10とを含んで構成されている。
(厚さ及び幅)
以上のような構成の多層光導波路において、第1クラッド2の厚さとしては、15μm〜120μmの範囲であることが好ましい。
また、第2クラッド7及び第3クラッド10の厚さは、最初に形成される第1クラッド2と同一であっても異なってもよいが、コアパターンを埋め込む観点から、埋め込むコア部分の厚さよりも厚くすることが好ましい。
コア部分の厚さについては、特に限定されず、通常5〜120μm、さらには10μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
それぞれのコア及びクラッドが、異なる寸法、異なる材料から形成されていてもよい。また、厚み方向コア間距離11は、下層コアの上面と上層コアの下面との間におけるクラッドの厚さを示す。
本発明の多層光導波路において、厚み方向コア間距離(図1の例では、第1コア6の上面と第2コア9の下面間距離)が、8μm以上25μm以下であり、該厚み方向コア間距離の最大値と最小値の差が5μm以下であることを特徴とする。これにより、平坦性が良好で小型・高密度の多層光導波路を製造することができ、光結合の効率化が図れる。
また、コアの厚み方向におけるコア間距離を所定の設定値にすることができるため、受発光素子、例えばレーザー発光素子やフォトダイオードを接続した場合、接続損失を小さくすることができる。
さらに、平面方向コア中心間距離(コアピッチ)については、62.5μm以上500μm以下とし、コアの幅については、特に限定されるものではないが、例えば5〜120μmの範囲内の値とすることが好ましい。
(屈折率)
本発明の多層光導波路において、コア部分の屈折率は、クラッドのいずれの屈折率よりも大きくなるように設計されることを要する。
したがって、波長400〜1,600nmの光に対して、コア部分の屈折率としては、1.420〜1.750の範囲内の値とし、クラッドの屈折率としては、それぞれ1.400〜1.748の範囲内の値とすることが好ましい。
また、コア部分の屈折率としては、クラッドの屈折率よりも少なくとも0.1%大きい値とすることが好ましく、特に、クラッドの屈折率よりも少なくとも0.5%大きい値とすることが好ましい。
(光伝搬損失)
本発明の多層光導波路において、光伝搬損失が、0.5dB/cm以下であることが好ましい。0.5dB/cm以下であると、高透明性を有し、光の損失による伝送信号の強度低下を抑えることができる。以上の観点から、さらに0.3dB/cm以下であることが好ましい。
本発明の多層光導波路において、最高温度265℃のリフロー試験を3回実施後の光伝搬損失の増加分が、0.1dB/cm以下であることが好ましい。0.1dB/cm以下であると、光の損失による伝送信号の強度低下を抑え、リフロープロセスによる部品実装を行うことができることから、多層光導波路の適用範囲を広げることができる。以上の観点から、さらに0.05dB/cm以下であることが好ましい。なお、最高温度265℃のリフロー試験とは、IPC/JEDEC J−STD−020Bに準じた条件で実施する鉛フリーはんだリフロー試験のことを意味するものである。
(多層光導波路の製造方法)
本発明の多層光導波路の製造方法の一例を具体的に説明する。本発明の多層光導波路は、光導波路形成用樹脂フィルム及び/又は上述の光導波路形成用樹脂フィルムの製造に用いた樹脂組成物を順次、基材上に転写したのち、放射線硬化することにより形成することが好ましい。なお、以下の形成例では、それぞれのコア及びクラッドを、光導波路形成用樹脂フィルムを用いて作製することを想定して説明する。
まず、平坦な表面を有する基板1を用意する。
この基板1の種類としては、特に制限はないが、例えば、FR−4基板、ポリイミド、半導体基板、シリコン基板やガラス基板等を用いることができる。
また、基材フィルムを基板に用いることで、光導波路に柔軟性及び強靭性を付与させることができる。
その材料については特に限定されないが、柔軟性及び強靭性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等が好適に挙げられる。
クラッドフィルムとしては、接着処理を施した基材フィルム上に製膜されているものが好ましい。これにより、クラッドフィルムと基材フィルムとの接着力を向上させ、基材フィルムのクラッドフィルムからの剥離不良を抑制できる。
ここで接着処理とは、易接着樹脂コート、コロナ処理、サンドブラスト等によるマット加工等により、基材フィルムとこの上に形成されるクラッドフィルムとの接着力を向上させる処理である。
基材フィルムの厚さとしては、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5μm〜250μmの範囲であることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
また、上述の基板の片面又は両面上に、複数の光導波路層を積層し多層光導波路を作製してもよい。さらに、上述の基板上には電気配線を設けてもよく、この場合、予め電気配線を設けたものを基板として用いることができる。
あるいは、多層光導波路製造後に、基板上に電気配線を形成することが可能である。これにより、基板上の金属配線の信号伝送線と光導波路の信号伝送線との両方を備えられ、両者を使い分けることが可能になり、高速でかつ長い距離の信号伝送を容易に行うことが出来る。
以下、多層光導波路の製造方法の一例として、図2に示す方法について詳述する。
まず、クラッドフィルムの製造過程で用いた基材がある場合には、該基材を剥離し、さらに、そのクラッドフィルムに保護フィルムが存在する場合には、保護フィルムを除去した後、該クラッドフィルムを、基板1上に加熱しながら圧着することにより積層して第1クラッド2を形成する〔図2(a)〕。ここで、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。該クラッドフィルムの加熱温度は50〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
次いで、該クラッドフィルムを光又は加熱により硬化した後、該クラッドフィルムより屈折率の高い第1コアフィルム3を上記と同様な方法で積層する〔図2(b)〕。
積層した第1コアフィルム3は、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射される〔図2(c)〕。
活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。また、他にも写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いることができる。
次いで、露光後、ウェット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、コアパターン(第1コア6)を形成する〔図2(d)〕。
ウェット現像の場合は、有機溶剤、アルカリ性水溶液、水系現像液等の前記樹脂フィルムの組成に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
現像液としては、有機溶剤、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが好ましく用いられる。前記有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加してもよい。
上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩等が用いられる。
また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましく挙げられる。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物の層の現像性に合わせて調節される。
また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
上記水系現像液としては、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる。ここでアルカリ物質としては、前記物質以外に、例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2、モルホリン等が挙げられる。
現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。
上記有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。
また、必要に応じて2種類以上の現像方法を併用してもよい。現像の方式としては、例えば、ディップ方式、バトル方式、高圧スプレー方式等のスプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことによりコアパターンをさらに硬化して用いてもよい。
次に、第1クラッド形成時と同様の方法で、第1コアフィルム3より屈折率の低いクラッドフィルムを積層して第2クラッド7を形成する〔図2(e)〕。
次いで、第1コア形成時と同様の方法で、第2クラッドより屈折率の高い第2コアフィルム8を第2クラッド上に積層し〔図2(f)〕、露光現像して〔図2(g)〕、第2コア9を形成する〔図2(h)〕。
続いて、第1クラッド形成時と同様の方法で、第2コアフィルムより屈折率の低いクラッドフィルムを積層して、第3クラッド10を形成することにより〔図2(i)〕、多層光導波路を作製することができる。
さらに必要に応じて図2(f)〜(i)に示す工程を繰り返し、3層以上の光導波路を積層した多層光導波路を作製することができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に記述するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
表1に示す配合にて、コア及びクラッド用樹脂を用意し、これらに溶剤としてエチルセロソルブを全量に対して40質量部加え、コア用及びクラッド用樹脂ワニスを調合した。なお、表1に示す配合において、(A)ベースポリマー及び(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対する質量%であり、(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対する割合(質量部)である。
Figure 2007293244
*1 フェノトートYP−70;フェノキシ樹脂(東都化成(株)製)、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂
*2 A−BPEF;フルオレンジアクリレート(新中村化学(株)製)、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン
*3 EA−1020;ビスフェノールA型エポキシアクリレート(新中村化学(株)製)
*4 KRM−2110;2官能脂環式エポキシ樹脂(旭電化工業(株)製)、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート
*5 2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール;東京化成工業(株)製
*6 N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン;東京化成工業(株)製
*7 2−メルカプトベンゾイミダゾール;東京化成工業(株)製
*8 SP−170;トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩(旭電化工業(株)製)
これをPETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「A−4100」)上にアプリケーター(ヨシミツ精機(株)製、「YBA−4」)を用いて塗布し、80℃、10分、その後100℃、10分で溶剤乾燥させ光導波路形成用樹脂フィルムを得た。このときの光導波路形成用樹脂フィルムの厚さは、アプリケーターの間隙を調節することで、5〜100μmの間で任意に調整可能であり、本実施例では、硬化後の膜厚が、コアフィルム50μm、第1クラッドフィルム20μm、第2及び第3クラッドフィルム60μmとなるように調節した。なお、本実施例におけるコアフィルム及びクラッドフィルムの屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model2010)を用いて測定したところ(測定波長830nm)、コアフィルムの屈折率は1.586、クラッドフィルムの屈折率は1.537であった。
真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、クラッドフィルムをFR−4基板(日立化成工業(株)製、商品名「E−679F」)上に、圧力0.5MPa、温度50℃、加圧時間30秒の条件にてラミネートした。
次いで紫外線露光機((株)オーク製作所製、EXM−1172)にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射し、第1クラッド2を形成した〔図2(a)〕。
次に、第1クラッド2上に、上記真空加圧式ラミネータを用い、第1コアフィルム3を圧力0.5MPa、温度50℃、加圧時間30秒の条件にてラミネートした〔図2(b)〕。
続いて、フォトマスク5を介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射した後〔図2(c)〕、N,N−ジメチルアセトアミドを溶剤に用い、コアパターンを現像して、第1コア6を形成した〔図2(d)〕。現像液の洗浄には、メタノール及び水を用いた。
次いで、第1クラッド2形成時と同様な条件にて第2クラッド7を形成した〔図2(e)〕。
第1コア6形成時と同様な条件にて、第2コア9を形成した後〔図2(f)(g)(h)〕、第1クラッド2形成時と同様な条件にて第3クラッド10を形成して〔図2(i)〕、最後に160℃で加熱処理を行い、多層光導波路を作製した。
多層光導波路の平面方向コア中心間距離は、125μmであり、厚み方向コア間距離は、15.2μmであり、該厚み方向コア間距離の最大値と最小値の差は2.9μm以下であった。
このように作製した多層光導波路の伝搬損失を、光源に855nmのLED((株)アドバンテスト製、Q81201)及び受光センサ((株)アドバンテスト製、Q82214)を用い、カットバック法(測定導波路長5、3、2cm、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μm)により測定したところ、第1コア及び第2コア共に0.3dB/cmであった。
さらに、作製した多層光導波路を最高到達温度265℃(260℃以上の保持時間15〜20秒)、窒素雰囲気下の条件で、はんだリフロー炉(古河電気工業(株)製、「サラマンダ」)中を3回通過させ、リフローによる損失劣化を測定したところ、リフローによる光伝搬損失の増加は見られなかった。
以上より、本発明の多層光導波路が高耐熱性、かつ高透明性を有することがわかる。
実施例2
実施例1において、表1のコア用の(C)光重合開始剤を、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(1質量部、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(1質量部、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)に代え、またコアパターン露光時の紫外線照射量を400mJ/cm2に代えたこと以外は、実施例1と同様にして多層光導波路を作製した。なお、このときのコアフィルムの屈折率を、実施例1と同様に測定したところ、1.582であった。
作製した多層光導波路の平面方向コア中心間距離は、125μmであり、厚み方向コア間距離は、16.2μmであり、該厚み方向コア間距離の最大値と最小値の差は、2.5μm以下であった。
実施例1と同様に、カットバック法(測定導波路長5、3、2cm、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μm)により測定した多層光導波路の伝搬損失は、第1コア及び第2コア共に0.1dB/cmであり、本実施例における(C)光重合開始剤を使用した場合、非常に高い透明性を有することがわかった。
また、実施例1と同様に、最高温度265℃のリフロー試験を3回実施後の光伝搬損失を測定したところ、リフローによる損失増加は0.02dB/cm未満であり、作製した多層光導波路が高い耐熱性を有していることを確認した。
本発明の多層光導波路は、平坦性が良好で、かつ、小型化・高密度化することが可能となる。また、高い透明性及び高い耐熱性を有する多層光導波路を製造することが可能となり、さらに、大面積の光導波路形成用樹脂フィルムを用いることで、生産性よく大面積の多層光導波路を製造することが可能となる。
本発明の多層光導波路の一例を説明する図である。 光導波路形成用樹脂フィルムを用いた多層光導波路の製造方法の一例を説明する図である。 本発明の多層光導波路の他の形態例を説明する図である。 本発明の多層光導波路の他の形態例を説明する図である。 本発明の電気回路を含む多層光導波路の一例を示す図である。 本発明の電気回路を含む多層光導波路の他の形態例を示す図である。 本発明の電気回路を含む基材の両面に光導波路を積層した多層光導波路の一例を示す図である。
符号の説明
1…基板
2…第1クラッド
3…第1コアフィルム
4…フィルム
5…フォトマスク
6…第1コア
7…第2クラッド
8…第2コアフィルム
9…第2コア
10…第3クラッド
11…厚み方向コア間距離
12…電気配線基板
13…第3コア
14…第4クラッド
15…平面方向コア中心間距離

Claims (3)

  1. 複数のコアと、該コアを囲んで形成されるクラッドとから構成され、かつ、平面方向コア中心間距離(コアピッチ)が62.5μm以上500μm以下である光導波路が、2層以上積層された多層光導波路であって、厚み方向コア間距離(上層コアの下面と下層コアの上面間距離)が8μm以上25μm以下、かつ、該厚み方向コア間距離の最大値と最小値の差が5μm以下である多層光導波路。
  2. コア及びクラッドの少なくとも1つに光導波路形成用樹脂フィルムを用いて製造して成る請求項1に記載の多層光導波路。
  3. 更に電気回路配線を有する請求項1又は2に記載の多層光導波路。
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