JP2007292666A - 二次電池の充電状態推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検出されたバッテリ状態量(電流、電圧、温度等)に基づき、分極起電圧を考慮した開放電圧の推定に基づいて充電状態(SOC)を正確に推定する。
【解決手段】電池ECUは、大電流の発生後に小電流状態となった期間を除く通常時には、現時点までの分極起電圧推定値を逐次用いることにより充放電履歴を反映して分極起電圧を推定する(S260、S270)一方で、大電流の発生直後に小電流状態となった期間では、大電流状態時でのバッテリ電流、バッテリ温度および現在のバッテリ電流に基づいて、過去の分極起電圧推定値を演算に用いることなく、分極起電圧を推定する(S280)。これにより、分極起電圧の変化速度が通常と異なって急激なものとなる、上記大電流発生直後での小電流状態において、分極起電圧の推定誤差に起因したSOCの推定誤差発生を防止することができる
【選択図】図7
【解決手段】電池ECUは、大電流の発生後に小電流状態となった期間を除く通常時には、現時点までの分極起電圧推定値を逐次用いることにより充放電履歴を反映して分極起電圧を推定する(S260、S270)一方で、大電流の発生直後に小電流状態となった期間では、大電流状態時でのバッテリ電流、バッテリ温度および現在のバッテリ電流に基づいて、過去の分極起電圧推定値を演算に用いることなく、分極起電圧を推定する(S280)。これにより、分極起電圧の変化速度が通常と異なって急激なものとなる、上記大電流発生直後での小電流状態において、分極起電圧の推定誤差に起因したSOCの推定誤差発生を防止することができる
【選択図】図7
Description
この発明は、二次電池の充電状態推定装置に関し、より特定的には、二次電池内部の分極起電圧を考慮した開放電圧の推定に基づいて、二次電池の充電状態(以下、SOC:State of Chargeとも称する)を推定する二次電池の充電状態推定装置に関する。
従来より、二次電池(以下、単にバッテリとも称する)の充電状態(SOC)を推定する充電状態推定装置が知られている。この装置は、満充電からの放電電流を積算してSOCを検出する方式が一般的であるが、たとえばエンジン出力による発電機を搭載するハイブリッド車両においては、バッテリのSOCが50%程度に維持されるように充放電を制御するため、長期間バッテリが満充電とならない。その結果、バッテリの充放電電流を長期間積算することにより、積算誤差が大きくなってしまう可能性がある。このため、電流積算のみに基づくSOC推定は、上述のような充放電制御が行なわれるハイブリッド車両へ搭載されるバッテリへの適用が困難である。
一方、バッテリの充放電電流および内部抵抗を乗算することによりバッテリ内部における電圧降下が算出でき、この電圧降下分をバッテリ電圧から減算することでバッテリの起電圧が検出できる。このため、センサによって検知されるバッテリの状態量(代表的には、電圧、電流、温度)に基づき、バッテリの開路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)を正確に推定し、推定した開路電圧を用いてバッテリの充電状態(SOC)を検出する方法が用いられている。
ここで、バッテリは、各バッテリセルにおける電極活物質の各部変化によって起電力を発生しているところ、電極活物質の化学反応はその表面付近で起こりやすい一方で、電極内部における反応には拡散のための遅延時間が生じる。そこで、この電極内部と表面部における不均衡(分極)に起因して、同じSOCであっても起電力に差が生じることが知られている。そして、この分極に起因する電圧変化は、時間が経過することで解消すると考えられる動的なものである。そこで、このような分極起電圧を考慮に入れてバッテリの開路電圧を推定することにより、SOC推定精度を向上させる構成が提案されている(たとえば特許文献1〜4)。
特に、特許文献1(特開2000−258514号公報)に開示された充電状態検出装置では、予め求められた分極起電圧の電流依存性に基づき、現時点でのバッテリ電流に対応した分極値f{i(t)}を各時点で逐次求め、かつ、この逐次求めた分極値を時間軸方向に減衰させた上で時間積分していくことによって、過去の充放電履歴を反映した分極起電圧Vdynを算出する。そして、算出された分極起電圧Vdynは、開路電圧およびSOCの推定に用いられる。
また、特許文献2(特開2003−68370号公報)に開示された充電状態検出装置では、上記特許文献1における各時点での分極値の算出を、バッテリ電流およびバッテリ温度に基づいて行なうことが開示されている。
特開2000−258514号公報
特開2003−68370号公報
特開2004−93551号公報
特開平11−346444号公報
上記のように、特許文献1および2に開示されたバッテリの充電状態検出装置では、現時点のバッテリ状態量(電流,温度)に対応する分極値を逐次算出し、各時点で算出された分極値を一定の時定数により減衰させた上で時間軸積分することによって、過去の充放電履歴を反映した分極起電圧を推定している。一般にこの時定数は、平均的な電流状態時における分極起電圧の変化速度に対応するように実験的に求められる。特に、特許文献2(特開2003−68370号)には、バッテリ低温時における分極起電圧の推定精度を向上するために、各時点で算出した上記分極値を時間積分する際における減衰の時定数をバッテリの構成部材毎に複数個設定して、これら複数の時定数に従ってそれぞれ算出された分極起電圧の平均値を用いることにより、分極起電圧の推定精度を向上させることが開示されている。
しかしながら、特許文献1および2に開示された分極起電圧推定では、電流状態に関わらず一定の時定数が時間積分による推定演算に用いられる。このため、電流急変時における急激な分極起電圧の変化を推定演算に反映することが困難となる。
特に、大電流放電終了直後の小電流状態では、分極起電圧の変化が通常の電流状態時よりも急速になる一方で、推定演算では、大電流放電時に推定された分極起電圧が、上述した一定の時定数に従って以降の分極起電圧推定に影響を与えることとなる。したがって、このようなケースでは、時間積分による推定演算により、かえって分極起電圧の推定誤差が発生し、開路電圧(OCV)ひいては充電状態(SOC)の推定精度を低下させるおそれがある。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、検出された二次電池(バッテリ)の状態量(電流、電圧、温度等)に基づく充電状態(SOC)推定について、大電流の発生直後における分極起電圧の推定誤差に起因したSOC推定誤差の発生を防止することである。
この発明による二次電池の充電状態推定装置は、状態量取得手段と、大電流状態検知手段と、小電流状態検知手段と、分極起電圧推定手段と、内部抵抗推定手段と、開路電圧検出手段と、充電状態推定手段とを備える。状態量取得手段は、現時点での二次電池の電圧、電流および温度を取得するように構成される。大電流状態検知手段は、二次電池の電流が所定電流以上である大電流状態を検知するように構成される。小電流状態検知は、大電流状態の直後に、電流が所定以下である小電流状態となったことを検出するように構成される。分極起電圧推定手段は、現時点までの二次電池の充放電の履歴に基づき、二次電池の分極起電圧を推定するように構成される。内部抵抗推定手段は、少なくとも状態量取得手段により取得された温度に基づいて、二次電池の内部抵抗を推定するように構成される。開路電圧検出手段は、状態量取得手段により取得された電圧および電流、内部抵抗推定手段により推定された内部抵抗、ならびに、分極起電圧推定手段により推定された分極起電圧に基づき、二次電池の開路電圧を検出するためように構成される。充電状態推定手段は、開路電圧検出手段により検出された開路電圧を用いて、二次電池の充電状態を推定するように構成される。分極起電圧推定手段は、第1の推定手段と、禁止手段と、第2の推定手段とを含む。第1の推定手段は、現時点までの分極起電圧の推定値と、状態量取得手段により取得された状態量のうちの少なくとも電流とに基づいて、現時点での分極起電圧を逐次推定するように構成される。禁止手段は、大電流状態の直後での小電流状態時において、第1の推定手段による分極起電圧の推定を禁止するように構成される。第2の推定手段は、第1の推定手段による推定の禁止時に、現時点までの分極起電圧の推定値を用いることなく、大電流状態における電流に基づき現時点での分極起電圧を推定するように構成される。
上記二次電池の充電状態推定装置によれば、通常時には、現時点までの分極起電圧推定値を逐次用いることにより充放電履歴を反映した分極起電圧を推定する一方で、大電流状態直後での小電流状態では、大電流によって大きく変化した、直前での分極起電圧推定値から独立して分極起電圧を推定する。これにより、分極起電圧の変化が通常よりも急激なものとなる、上記大電流状態直後での小電流状態において、これまでの分極起電圧推定値を用いることにより分極起電圧の推定誤差が増大することを防止できる。この結果、上記のようなケースにおける、分極起電圧の推定誤差に起因した充電状態(SOC)の推定誤差発生を防止することができる。
好ましくは、禁止手段は、大電流状態の直後での小電流状態時において、小電流状態の終了または小電流状態の開始時点からの所定時間の経過に応答して、第1の推定手段による推定の禁止を解除するように構成される。
このような構成によれば、上記大電流状態直後での小電流状態が終了して、あるいは、このような小電流状態が所定時間以上継続した場合には、分極起電圧の急激な変化が収まったと判断して、第1の推定手段による、過去の分極起電圧推定値を逐次用いることによる分極起電圧の推定を再開できる。したがって、上記大電流状態直後での小電流状態での分極起電圧の急激な変化が収まった以降において、分極起電圧を再び精度良く推定することができる。
さらに好ましくは、第1の推定手段は、禁止手段による推定の禁止が解除されたときに、直前における第2の推定手段による分極起電圧の推定値と、状態量取得手段により取得された状態量のうちの少なくとも電流とに基づいて、現時点での分極起電圧を推定するように構成される。
このような構成によれば、第1の推定手段による推定が再開された際における、分極起電圧推定値の初期値を適切に設定することができるので、以降の分極起電圧を精度良く推定することができる。
また好ましくは、第2の推定手段は、大電流状態における電流に加えて、状態量取得手段により取得された電流および温度さらに基づき、現時点での分極起電圧を推定するように構成される。
このような構成によれば、大電流状態における電流ならびに、現時点の電流および温度に基づき、大電流状態直後の小電流状態における分極起電圧を高精度に推定できる。
また好ましくは、大電流状態検知手段が大電流状態の検知に用いる所定電流は、二次電池の低温時において相対的に小さく設定されるように、二次電池の温度に応じて可変設定される。
このような構成によれば、大電流状態直後での小電流状態における分極起電圧の急激な変化が、二次電池の低温時に相対的に発生し易い点、すなわち、二次電池の低温時には、常温時よりも相対的に低い電流領域を上記大電流状態とみなす必要があることを考慮して、二次電池の低温時において、大電流状態直後での小電流状態に分極起電圧の推定誤差が増大することを防止できる。
また好ましくは、上記二次電池の充電状態推定装置では、二次電池は、リチウムイオンバッテリにより構成される。
このような構成によれば、二次電池が充電状態(SOC)と開路電圧との相関性が高いリチウムイオン電池により構成されるので、分極起電圧の推定精度向上による回路電圧の推定精度向上による、充電状態(SOC)の推定精度向上の効果が高い。すなわち、本発明による二次電池の充電状態推定装置は、リチウムイオン電池への適用に好適である。
この発明による二次電池の充電状態推定装置によれば、検出された二次電池(バッテリ)の状態量(電流、電圧、温度等)に基づく充電状態(SOC)推定において、大電流の発生直後における分極起電圧の推定誤差に起因したSOC推定誤差の発生を防止することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則として繰返さないものとする。
(全体システム構成例の説明)
図1は、本発明の実施の形態によるバッテリ充電状態推定装置をハイブリッド車両に適用したシステムの構成を示すブロック図である。
図1は、本発明の実施の形態によるバッテリ充電状態推定装置をハイブリッド車両に適用したシステムの構成を示すブロック図である。
バッテリ10は、多数のバッテリセルからなっている。代表的には、このバッテリ10は、リチウムイオンバッテリから構成される。リチウムイオンバッテリは、周知のように、SOCと開路電圧(OCV)との相関が高い。したがって、図2に示すように、SOCに対する開路電圧Vocvを予め測定しておくことにより、バッテリ10の状態量(電流、電圧、温度等)に基づき推定された開路電圧Vocvに基づき、充電状態としてのSOCを推定することができる。このように、本発明の実施の形態によるバッテリ充電状態推定装置は、SOCおよび開路電圧の相関性が高いリチウムイオンバッテリの充電状態推定に好適である。ただし、SOCおよび開路電圧の相関性がリチウムイオンバッテリ程高くない、ニッケル水素バッテリ等の他の形式のバッテリに対しても、分極起電圧推定を含む開路電圧(OCV)推定に基づくSOC推定を、充放電電流積算によるSOC推定等の他のSOC推定手法と組み合わせることにより、本発明の実施の形態によるバッテリ充電状態推定装置を適用することが可能である。
バッテリ10の各ブロック毎の電圧および全体の電圧は、電圧検出器12で計測され、電池ECU(Electronic Control Unit)14に供給される。以下では、この全体の電圧Vbをバッテリ電圧Vbと称する。なお、ブロック毎の電圧は、各バッテリセルにおける過放電の検出等にも用いることができる。
電池ECU14には、バッテリ温度Tbを検出する温度センサ16、およびバッテリ電流Ibを検出する電流検出器18が、さらに接続される。バッテリ温度Tbおよびバッテリ電流Ibについても電池ECU14に入力される。なお、バッテリ温度Tbについては複数箇所(たとえば、ブロック毎に1個または複数個配置)に温度センサ16を配置してもよい。また、バッテリ電流Ibについては、放電時にIb>0であり、放電時にIb<0であると定義する。
電池ECU14は、各検出器およびセンサから入力されるバッテリ状態量である、バッテリ電圧Vb、バッテリ電流Ibおよびバッテリ温度Tbに基づいて、バッテリ10の充電状態(SOC)を検出し、これをHVECU20へ供給する。
HVECU20は、アクセル開度、ブレーキ踏込み量および車速等の情報に基づいて決定されたトルク指令に従って、負荷22を制御する。負荷22は、たとえば、図示しないインバータおよびモータを含んで構成される。このような構成では、バッテリ10からの直流電力は、インバータにより交流電力に変換されてモータを駆動する。HVECU20からの制御信号によりインバータの動作が制御されることで、モータよりトルク指令に合致したトルクを出力することができる。特に、HVECU20からの制御信号により、モータが現在の回転方向と反対方向のトルクを出力するようにインバータのスイッチングを制御することにより、モータによる回生制動も行なわれる。モータの回生制動による発電電力は、インバータにより直流電力に変換して、バッテリ10の充電に用いることができる。
なお、本実施の形態によるバッテリ充電状態推定装置が搭載されるハイブリッド車両では、エンジン(図示せず)およびエンジン駆動のジェネレータ(図示せず)を搭載しており、ジェネレータの発電電力によりバッテリ10の充電ができるとともに、エンジンによりモータ出力軸を回転できるように構成されてもよい。また、モータおよびジェネレータは、モータジェネレータとして構成してもよい。
そして、HVECU20は、電池ECU14から供給されるバッテリ10のSOCの値に従って、モータ出力、エンジン出力などを制御して、バッテリ10のSOCが目標値付近になるように制御している。なお、バッテリセルの過放電(または、SOCの下限範囲外れ)が検出された際には、バッテリ10からの放電が禁止され、バッテリセルの過充電(または、SOCの上限範囲外れ)が検出された場合には、バッテリ10への放電が禁止される。たとえば、図2に例示されるように、SOC=50%を目標値とし、かつ、SOC=20%および80%をそれぞれ下限および上限として、SOCは制御される。
(SOC推定手法の説明)
以下に、電池ECU14によるバッテリ10のSOC推定について説明する。
以下に、電池ECU14によるバッテリ10のSOC推定について説明する。
ここで、バッテリ10の電流・電圧特性は、バッテリ10の内部抵抗Rを用いて、下記(1)式で示される。
Vb=Vo−Ib・R …(1)
(1)式中において、Voはバッテリにおける起電圧を示す。起電圧Voは、バッテリ電流Ib=0のときのバッテリ電圧Vbに相当する。
(1)式中において、Voはバッテリにおける起電圧を示す。起電圧Voは、バッテリ電流Ib=0のときのバッテリ電圧Vbに相当する。
ここで、内部抵抗Rは、温度依存性を有するので、バッテリ温度Tbの変化に応じて補正する必要がある。たとえば、バッテリ温度Tbに対する内部抵抗Rの変化を予め実験的に測定し、この測定結果に基づく内部抵抗Rのマップが、電池ECU14に予め格納される。これにより、電池ECU14は、温度センサ16によって検出されたバッテリ温度Tbに基づいて、上記マップの参照により現時点での内部抵抗Rを求めることができる。なお、以下では、バッテリ10の全体についてのSOC推定を説明するので、温度センサ16が複数箇所に配置された場合には、これら複数のセンサによる検出温度の平均値等により、バッテリ温度Tbが定義される。
SOCおよび開路電圧Vocvとの間には、図2に示すような関係がある。ここで、開路電圧Vocvは、上記起電圧Voと分極起電圧Vdynとを用いて、下記(2)式のように表わされる。
Vo=Vocv+Vdyn …(2)
したがって、(1)および(2)式より、下記(3)式が得られる。
したがって、(1)および(2)式より、下記(3)式が得られる。
Vocv=Vb+Ib・R−Vdyn …(3)
上述のように、リチウムイオンバッテリでは、VocvはSOCの関数として示される。また、ニッケル水素バッテリ等では、Vocvは、SOCおよびバッテリ温度Tbに依存する電圧となる。したがって、開路電圧Vocvの推定により、SOCを推定できる。
上述のように、リチウムイオンバッテリでは、VocvはSOCの関数として示される。また、ニッケル水素バッテリ等では、Vocvは、SOCおよびバッテリ温度Tbに依存する電圧となる。したがって、開路電圧Vocvの推定により、SOCを推定できる。
(2),(3)式中の分極起電圧Vdynは、充放電履歴により動的な電圧変動である。上述のように、バッテリ10は、各バッテリセルにおける電極活物質の化学変化によって起電力を発生しているが、電極活物質の化学反応はその表面付近で起こりやすく、電極内部における反応には拡散のための遅延時間が生じる。そこで、この電極内部と表面部との間における不均衡(分極)に起因して、同じSOCであっても起電力に差が生じる。そしてこの分極に起因する電圧変化は、時間経過に伴い解消すると考えられる動的なものである。
たとえば、図3(a)に示すようにバッテリ電流Ibが変化した場合、図3(b)に示すように、分極による起電圧Vdynは、放電の継続により負電圧方向に変化し、充電の継続により正電圧方向に変化する。すなわち、バッテリ電流Ib>0のとき(放電時)には、その時点での分極起電圧Vdynの変化量は基本的に負となり、バッテリ電流Ib<0のとき(充電時)には、その時点での分極起電圧Vdynの変化量は基本的に正となる。また、バッテリ電流Ibが一定のまま十分な時間が経過すれば、分極起電圧Vdynは、バッテリ電流Ibに依存した一定値に収束する。また、バッテリ電流Ibの変化時には、分極起電圧Vdynは大きく変化する。
このように、分極起電圧Vdynの大きさは過去の充放電の履歴に応じて決定されると考えられる。また、その時点に近いほど影響は大きく、充電または放電の電流量が大きいほど影響は大きいと考えられる。そこで、本実施の形態では、分極起電圧Vdynを、次の(4)式によって求める。
(4)式において、Vdyn(to)は、時間t=toでの分極起電圧を示し、τは時定数を示す。上述のように、時定数τは、平均的な電流状態時における分極起電圧の変化速度に対応するように実験的に求められる。さらに、fdyn{st(t)}は、予め求められた、バッテリ状態量に対する分極起電圧の依存性を示す。以下に説明するように、ここでのバッテリ状態量は、少なくともバッテリ電流Ibを含み、好ましくは、バッテリ電流Ibおよびバッテリ温度Tbの両方を含む。図3ならびに特許文献1および2にも示されるように、バッテリ電流Ibが一定のまま時間が十分に経過すれば、分極起電圧Vdynは、バッテリ電流Ibに依存した一定値に収束する。すなわち、fdyn{st(t)}は、現時点でのバッテリ状態量(少なくともバッテリ電流Ib)が一定のまま時間が十分に経過した場合における分極起電圧Vdynの収束値に対応する。以下では、このfdynを分極値とも称する。
(4)式によれば、特許文献1および2と同様に、現時点でのバッテリ状態量に基づいて分極値fdyn(特許文献1および2におけるf{i(t)}に相当)を逐次推定し、推定された分極値fdynを、時間軸方向に沿って時定数τによる減衰を伴って積分することにより、任意の時点toにおける分極起電圧Vdyn(t0)を求めることができる。
さらに、特許文献1および2と同様に、コンピュータにより所定周期Δt毎の離散的データ処理によって分極起電圧Vdynを逐次推定するために、式(4)を離散化することによって、下記(5)式が得られる。
式(5)によれば、分極起電圧Vdynの初期値を設定しておけば、その後は、現時点での分極値fdyn{st(t0)}および、分極起電圧Vdynの前回推定値を用いて、現時点での分極起電圧Vdyn(t0)を逐次推定することができる。
なお、式(4),(5)中の分極値fdynについては、バッテリ電流Ibを一定にして分極起電圧を測定する実験を予め実施することにより、バッテリ電流Ibに基づき分極値fdynを求めるマップを予め作成することができる。また、同一のバッテリ電流Ibであっても、分極の発生度合いにはバッテリ温度Tbが影響を与えることから、バッテリ電流Ibおよびバッテリ温度Tbに基づいて分極値fdynを推定することが好ましい。この場合には、バッテリ電流Ibおよびバッテリ温度Tbを変数とする分極値fdyn(Ib,Tb)について、実験結果に基づくマップを予め作成しておくことが可能である。
図4には、分極値fdyn(Ib,Tb)のマップイメージが示されている。基本的に、放電時(Ib>0)にはfdyn(Ib,Tb)<0に設定され、充電時(Ib<0)にはfdyn(Ib,Tb)>0に設定される。なお、放電、充電時の電流が大きいほど分極値の絶対値|fdyn(Ib,Tb)|は相対的に大きく設定される。また、温度に関しては、バッテリ温度Tbが低いほど分極値の絶対値|fdyn(Ib,Tb)|は相対的に大きく設定される。そして、SOC推定が実行される各時点において、その時点でのバッテリ電流Ibおよびバッテリ温度Tbに基づき、上記マップを参照して、式(5)中でのfdyn{st(t0)}に相当する、分極値fdyn(Ib,Tb)が読出される。
このように、本発明の実施の形態によるSOC推定は、分極起電圧の推定を伴う。そして、分極起電圧の推定は、上記のように、基本的には、現時点までの分極起電圧推定値を逐次用いることによって充放電履歴を反映するように行なわれる。
図5には、電流急変時、特に、大電流状態直後の小電流状態におけるバッテリ電圧挙動が示される。
図5を参照して、バッテリ電流Ibが予め設定した所定電流Ilg以上である大電流状態での放電が一定時間継続され、かつ、時刻taで放電が終了される。そして、時刻ta以降では、バッテリ電流Ibが予め設定した所定電流Ism以下である小電流状態となる。
このような、大電流状態直後の小電流状態では、大電流放電により負方向に大きく変化した分極起電圧が、放電終了に伴って急速に変化する。この際に、上記式(4),(5)に従った演算処理により、現時点までの分極起電圧推定値を用いて分極起電圧を推定すると、時定数に従って大電流放電時での分極起電圧の影響が残るため、電流の急変に伴う実際の分極起電圧の急激な変化に追従することが困難である。なお、このような分極起電圧の急激な変化は、相対的にバッテリ低温時に発生し易いことが、発明者により確認されている。
その一方、大電流状態直後の小電流状態における分極起電圧の挙動は、実験により把握することが可能であり、一定の収束時間Tstの経過により分極起電圧の変化は収束する。この収束時での分極起電圧は、少なくとも大電流状態時のバッテリ電流Ib(以下、バッテリ電流Iblgとも称する)に依存し、さらに、バッテリ温度Tb、および現在(小電流状態)のバッテリ電流にも依存する。また、分極起電圧の変化が収束するまでに要する収束時間Tstについても、バッテリ電流Iblg、バッテリ温度Tb、および現在(小電流状態)のバッテリ電流に依存する。
そして、大電流状態直後の小電流状態に分極起電圧の変化が収束するまでの期間(時刻ta〜tb)では、上述の式(4),(5)に従った分極起電圧推定では、過去の分極起電圧推定値を演算に用いることにより、かえって分極起電圧の推定誤差を発生させてしまう。特に、この期間での分極起電圧の変化が、電流の急変に伴う急激なものである点を考慮すれば、式(4),(5)に従った分極起電圧推定を実行するよりも、予想される収束時の分極起電圧Vdyn♯をそのまま用いる方が推定誤差を抑制できる可能性が高い。
したがって、本発明の実施の形態によるバッテリ充電状態推定装置では、大電流状態直後の小電流状態での分極起電圧の推定誤差を抑制するために、図6および図7に示すフローチャートに従ってSOC推定を実行する。
図6を参照して、電池ECU14は、ステップS110により、電圧検出器12、温度センサ16および電流検出器18より、バッテリ状態量としてのバッテリ電圧Vb、バッテリ電流Ibおよびバッテリ温度Tbを取得する。さらに、電池ECU14は、ステップS120により、バッテリ電流Ibの絶対値|Ib|が所定電流Ilg以上であるかどうかを判定する。
電池ECU14は、|Ib|≧Ilgの場合(ステップS120のYES判定時)には、「大電流状態」であると判定して、ステップS130により大電流状態フラグFGlを“オン”するとともに、ステップS135によりこのときのバッテリ電流Ibを、大電流状態時のバッテリ電流Iblgとして記憶する。なお、上述のように、バッテリ低温時には、このような分極起電圧の急激な変化を引き起こす電流レベルが低下するので、大電流状態の検知範囲を相対的に広げる必要がある。このため、大電流状態を検出するための閾値である所定電流Ilgについては、バッテリ低温時には相対的に小さい値に設定されるように、バッテリ温度Tbに応じて可変設定することが好ましい。
一方、電池ECU14は、|Ib|<Ilgの場合(ステップS120のNO判定時)には、ステップS140により、バッテリ電流Ibの絶対値|Ib|が所定電流Ism以下である「小電流状態」であるかどうかを判定する。ステップS140のYES判定時、すなわち小電流状態の検知時には、電池ECU14は、ステップS150により、大電流状態フラグFGlが“オン”されているかどうかを判定する。
そして、ステップS150のYES判定時、すなわち、大電流状態フラグFGlが“オン”されているときに小電流状態が検知されたときには、電池ECU14は、「大電流状態直後に小電流状態が発生した」と判定して、フラグFGlsを“オン”する。さらに、電池ECU14は、ステップS170により、大電流状態直後での小電流状態の開始時点(図5の時刻ta)からの経過時間を計測するためのタイマ(図示せず)を起動するとともに、図5に示した収束時間Tstに対応する所定時間Tthを設定する。所定時間Tthは、一定の固定値としてもよいが、上述した収束時間Tstの特性に従って、バッテリ電流Iblg、バッテリ温度Tb、および現在(小電流状態)のバッテリ電流Ibのうちの少なくとも1つに基づいて可変設定することができる。すなわち、図5の時刻taにおいて、ステップS160〜S180が実行される。
一方、ステップS150のNO判定時、すなわち、大電流状態フラグFGlが“オフ”であるときに小電流状態が検知されたときに、電池ECU14は、ステップS190によりフラグFGlsが“オン”されているかどうかを判定する。ステップS190のYES判定時、すなわち、フラグFGlsが“オン”されているときには、電池ECUは、大電流状態直後での小電流状態が継続していると判定して、ステップS200により、ステップS170により起動したタイマのタイマ値をカウントアップする。さらに、電池ECU14は、ステップS210により、タイマ値がステップS170で設定した所定時間Tthに達したかどうかを判定する。すなわち、ステップS190〜S210は、図5の時刻ta〜tbにおいて実行される。
ステップS210のYES判定時、すなわち、大電流状態直後での小電流状態の継続時間が所定時間Tthに達した場合には、電池ECU14は、ステップS220により、フラグFGlsを“オフ”する。この処理は、図5の時刻tbにおいて実行される。
なお、電池ECU14は、フラグFGlおよびFGlsを“オフ”にクリアするためのステップS220を、ステップS140のNO判定時およびステップS190のNO判定時にも実行する。
上述したステップS120〜S220の処理により、電池ECU14は、大電流状態の直後に小電流状態が発生した場合に、フラグFGlsを“オン”するとともに、一旦“オン”された大電流状態フラグFGlを“オフ”して次回の大電流状態検出に備えることができる。一方、大電流発生直後での小電流状態時以外(すなわち、通常時)では、フラグFGlsは“オフ”される。そして、一旦“オン”されたフラグFGlsは、小電流状態の終了まで(S140のNO判定時)、または、大電流状態直後での小電流状態継続時間が所定時間Tthに達するまで(S190のNO判定時)“オン”に維持され、これらの条件成立に応答して、“オフ”される。
図7を参照して、電池ECU14は、ステップS250では、フラグFGlsが“オン”であるかどうかを判定する。電池ECU14は、フラグFGlsが“オフ”のとき(S250のNO判定時)、すなわち通常時(図5の時刻ta〜tb以外の期間)には、ステップS260およびS270により、上述の式(4),(5)に従い、過去の分極起電圧推定値を演算に用いて分極起電圧を推定する。具体的には、電池ECUは、ステップS260では、図4に示したマップ等を参照することにより、現時点のバッテリ状態量(バッテリ電流Ibおよびバッテリ温度Tb)に基づき分極値fdyn(Ib,Tb)=fdyn(t0)を推定する。さらに、電池ECU14は、ステップS270により、ステップS260で求めた現時点での分極値fdyn(t0)を、式(5)のfdyn{st(t0)}として代入することにより、現時点での分極起電圧Vdyn(t0)=Vdynを算出する。
一方、フラグFGlsが“オン”のとき(S250のYES判定時)、すなわち、大電流状態直後での小電流状態であり、かつ、その継続時間が所定時間Tthより短いとき(すなわち、図5の時刻ta〜tb間)には、電池値ECU14は、ステップS280により、図8に示したマップ等を参照することによって、大電流状態直後での小電流状態における予測収束値に相当する分極起電圧Vdyn♯を求める。
図8には、分極起電圧Vdyn♯推定マップの構成イメージが示される。
図8を参照して、上記のように、分極起電圧Vdyn♯は、大電流状態直後の小電流状態における収束時間Tstの経過時における収束値であり、予め実験により求めておくことができる。分極起電圧Vdyn♯は、少なくとも大電流状態時のバッテリ電流Iblgに基づいて推定される。基本的には、大電流放電後(Iblg>0)にはVdyn♯<0に設定され、大電流充電後(Ib<0)にはVdyn♯>0に設定される。
図8を参照して、上記のように、分極起電圧Vdyn♯は、大電流状態直後の小電流状態における収束時間Tstの経過時における収束値であり、予め実験により求めておくことができる。分極起電圧Vdyn♯は、少なくとも大電流状態時のバッテリ電流Iblgに基づいて推定される。基本的には、大電流放電後(Iblg>0)にはVdyn♯<0に設定され、大電流充電後(Ib<0)にはVdyn♯>0に設定される。
さらに好ましくは、分極起電圧Vdyn♯は、バッテリ温度Tb、および現在(小電流状態)のバッテリ電流Ibにさらに基づいて推定される。なお、バッテリ温度Tbに関しては、低温時ほど分極起電圧の絶対値|Vdyn♯|は相対的に大きく設定される。また、バッテリ電流Ibに関しては、絶対値|Ib|が大きいほど分極起電圧の絶対値|Vdyn♯|は相対的に大きく設定される。
このように、電池ECU14は、ステップS280では、現時点までに推定した分極起電圧から切り離して、過去の分極起電圧推定値を演算に用いることなく、上記マップを参照して直接分極起電圧Vdynを推定する(Vdyn=Vdyn♯)。
このように、電池ECU14は、フラグFGlsに従って、通常時と大電流状態直後の小電流状態時とで、分極起電圧Vdynの推定手法を切換える。なお、分極起電圧は、ある程度以上大きくはならないので、ステップS270またはS280によって推定された分極起電圧の絶対値|Vdyn|が過大とならないように、予め設定した最大値および最小値の範囲内で分極起電圧Vdynが推定されるようなガードを設けておくことが好ましい。
なお、フラグFGlsが“オン”から“オフ”に変化した際には、フラグFGlsが“オン”のときに推定した分極起電圧のVdyn、すなわち、図8のマップに基づき推定される分極起電圧Vdyn♯を式(5)中の前回値Vdyn(t0−Δt)として、その時点での分極値fdyn(t0)を反映した式(5)に従う分極起電圧の推定が再開される。
さらに、電池ECU14は、ステップS290では、少なくともバッテリ温度Tbに基づき、バッテリ10の内部抵抗Rを推定する。さらに、電池ECU14は、ステップS300により、ステップS100で取得されたバッテリ電圧Vbおよびバッテリ電流Ib、ステップS210により推定された内部抵抗R、ならびにステップS270またはS280で求められた分極起電圧Vdynにより、上記(3)式に従って開路電圧Vocvを算出する。
電池ECU14は、さらにステップS310により、開路電圧Vocvを用いてバッテリ10のSOCを推定する。
ステップS310において、上述のように、SOCおよび開路電圧の相関性が高いリチウムイオンバッテリでは、図2に示した特性に基づきバッテリ10のSOC推定値を算出できる。また、SOCおよび開路電圧の相関性がリチウムイオンバッテリ程高くない、ニッケル水素バッテリ等の他の形式のバッテリでは、バッテリ電流Ibの積算によるSOC変化量を積算したSOC推定と、開路電圧に基づくSOC推定とを組み合せて、ステップS310での処理を実行してもよい。なお、S310によるSOCの推定処理は、上記のように推定された分極起電圧を反映したものであれば、バッテリ10の特性を考慮して、任意の推定手法に基づいて実行できる。
以上説明したように、この実施の形態によるバッテリ充電状態推定装置によれば、大電流発生直後の小電流状態時に分極起電圧の推定誤差が増大して、開路電圧(OCV)および充電状態(SOC)の推定精度を低下させることを防止できる。この結果、検出されたバッテリの状態量(電流、電圧、温度等)に基づく充電状態(SOC)の推定精度を向上することができる。
また、本実施の形態では、バッテリ10全体でのSOC推定を行なったが、各バッテリセルに共通であるバッテリ電流Ibと、バッテリセル毎に検知したバッテリ電圧およびバッテリ温度を用いて、分極起電圧推定ならびに、開路電圧およびSOCの推定をバッテリセル毎に実行する制御構成とすることも可能である。
ここで図6,7に示したフローチャートと、本発明の構成との対応関係について説明すると、ステップS110が本発明での「状態量取得手段」に対応し、ステップS120は「大電流状態検知手段」に対応し、ステップS140,S150は本発明での「小電流状態検知手段」に対応する。さらに、ステップS250〜S280の処理は、本発明での「分極起電圧推定手段」に対応し、特に、ステップS250が「禁止手段」に対応し、ステップS260,270が「第1の推定手段」に対応し、ステップS280が「第2の推定手段」に対応する。また、ステップS290が本発明での「内部抵抗推定手段」に対応し、ステップS300は本発明における「開路電圧検知手段」に対応し、ステップS310は本発明での「充電状態推定手段」に対応する。
上述のように、本実施の形態においては、ハイブリッド車両に搭載されたバッテリの充電状態(SOC)を推定する充電状態推定装置について説明したが、本発明の適用はこのような場合に限られるものではない。すなわち、本発明は、分極起電圧の推定を伴って充電状態(SOC)が推定されるバッテリについて、バッテリの使用形態すなわち負荷の形態を特に限定することなく適用することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 バッテリ、14 電池ECU、12 電圧検出器、16 温度センサ、18 電流検出器、22 負荷、fdyn 分極値、FLG 電流継続フラグ、Ib バッテリ電流、Iblg バッテリ電流(大電流状態時)、Ilg 所定電流(大電流状態検知用)、Ism 所定電流(大電流状態検知用)、R バッテリ内部抵抗、Tb バッテリ温度、Tst 分極起電圧収束時間(大電流直後の小電流時)、Vb バッテリ電圧、Vdyn 分極起電圧、Vdyn♯ 分極起電圧収束値(大電流直後の小電流時)、Vocv 開路電圧、Δt SOC推定周期、τ 時定数。
Claims (6)
- 現時点での二次電池の電圧、電流および温度を取得するための状態量取得手段と、
前記二次電池の電流が所定電流以上である大電流状態を検知するための大電流状態検知手段と、
前記大電流状態の直後に、前記電流が所定以下である小電流状態となったことを検出する小電流状態検知手段と、
現時点までの前記二次電池の充放電の履歴に基づき、前記二次電池の分極起電圧を推定するための分極起電圧推定手段と、
少なくとも前記状態量取得手段により取得された前記温度に基づいて、前記二次電池の内部抵抗を推定するための内部抵抗推定手段と、
前記状態量取得手段により取得された前記電圧および前記電流、前記内部抵抗推定手段により推定された前記内部抵抗、ならびに、前記分極起電圧推定手段により推定された前記分極起電圧に基づき、前記二次電池の開路電圧を検出するための開路電圧検出手段と、
前記開路電圧検出手段により検出された前記開路電圧を用いて、前記二次電池の充電状態を推定するための充電状態推定手段とを備え、
前記分極起電圧推定手段は、
現時点までの前記分極起電圧の推定値と、前記状態量取得手段により取得された状態量のうちの少なくとも前記電流とに基づいて、前記現時点での前記分極起電圧を逐次推定するための第1の推定手段と、
前記大電流状態の直後での前記小電流状態時において、前記第1の推定手段による前記分極起電圧の推定を禁止するための禁止手段と、
前記第1の推定手段による推定の禁止時に、前記大電流状態における電流に基づき前記現時点での前記分極起電圧を推定するための第2の推定手段とを含む、二次電池の充電状態推定装置。 - 前記禁止手段は、前記大電流状態の直後での前記小電流状態時において、前記小電流状態の終了または前記小電流状態の開始時点からの所定時間の経過に応答して、前記第1の推定手段による推定の禁止を解除する、請求項1記載の二次電池の充電状態推定装置。
- 前記第1の推定手段は、前記禁止手段による推定の禁止が解除されたときに、直前における前記第2の推定手段による前記分極起電圧の推定値と、前記状態量取得手段により取得された状態量のうちの少なくとも前記電流とに基づいて、前記現時点での前記分極起電圧を推定する、請求項2記載の二次電池の充電状態推定装置。
- 前記第2の推定手段は、前記大電流状態における電流に加えて、前記状態量取得手段により取得された前記電流および前記温度さらに基づき、前記現時点での前記分極起電圧を推定する、請求項1記載の二次電池の充電状態推定装置。
- 前記大電流状態検知手段が前記大電流状態の検知に用いる前記所定電流は、前記二次電池の低温時において相対的に小さく設定されるように、前記二次電池の温度に応じて可変設定される、請求項1記載の二次電池の充電状態推定装置。
- 前記二次電池は、リチウムイオンバッテリにより構成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池の充電状態推定装置。
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