このように、新しい複合機等のための専用のプリンタドライバが使用されない場合には、パーソナルコンピュータに従来からインストールされているプリンタドライバが古い等の理由により、プリンタドライバが集約印刷に対応しておらず、集約印刷ができないという問題がある。また、引用文献2に記載されているような複合機のコピー機能が、引用文献1に記載されている複写機のような集約印刷機能を備えている場合であっても、複合機に対して印刷データを送信するパーソナルコンピュータにインストールされているプリンタドライバが集約印刷に対応していない場合にはPCプリントにおいて集約印刷を行えないという問題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、PCプリントをする際に、プリンタドライバが集約印刷に対応していなくても、画像形成装置のみで集約印刷を行うことができる画像形成装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像形成装置は、原稿の画像を読み取って取得した1又は2以上の画像データを集約印刷するに際し、前記画像データに対して集約処理回路による集約処理を実行して、集約数をN(Nは自然数)としたとき、前記画像データに応じた画像のサイズが基準サイズの略1/Nとなり、最大Nの画像が1枚の記録紙に印刷されるように構成された集約データを生成する画像形成装置であって、通信可能に接続された電子機器装置から1又は2以上の印刷ページを含む印刷データを受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データ受信手段によって受信された印刷データに基づいて、当該印刷データに含まれる印刷ページに対応する画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段によって生成された画像データに対して前記集約処理回路による集約処理を実行して前記集約データを生成する集約処理手段と、前記集約処理手段によって生成された集約データに応じた画像を記録紙に印刷する印刷手段とを備えることを特徴とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、原稿の画像を読み取って取得した1又は2以上の画像データを集約印刷するに際し、画像データに対して集約処理回路による集約処理を実行して、集約数をN(Nは自然数)としたとき、画像データに応じた画像のサイズが基準サイズの略1/Nとなり、最大Nの画像が1枚の記録紙に印刷されるように構成された集約データを生成する画像形成装置において、印刷データ受信手段により、通信可能に接続された電子機器装置から1又は2以上の印刷ページを含む印刷データが受信され、画像データ生成手段により、印刷データ受信手段によって受信された印刷データに基づいて、当該印刷データに含まれる印刷ページに対応する画像データが生成され、集約処理手段により、画像データ生成手段によって生成された画像データに対して集約処理回路による集約処理が実行されて集約データが生成される。そして、印刷手段により、集約処理手段によって生成された集約データに応じた画像が記録紙に印刷される。なお、基準サイズとは、画像を記録紙に集約印刷でなく通常印刷する場合に、記録紙に印刷される画像のサイズのことである。
このように、電子機器装置から受信した印刷データに基づいて、当該印刷データに含まれる印刷ページに対応する画像データを生成し、この生成した画像データに対して集約処理回路を使用して集約処理を実行し、集約印刷のための集約データを生成する。そして、集約データに応じた画像を記録紙に記録する。したがって、画像形成装置の機能のみを使用して電子機器装置から受信した印刷データを集約印刷することができる。このため、例えば、電子機器装置がクライアントPC等であり、画像形成装置がインターネットファクシミリ装置等である場合に、クライアントPCにインストールされているインターネットファクシミリ装置を使用するためのプリンタドライバが集約印刷に対応しておらず、プリンタドライバが生成する印刷データが集約印刷に対応した印刷データでない場合であっても、インターネットファクシミリ装置の本体の機能のみを使用して当該印刷データに基づいて集約印刷を行うことができる。
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記印刷データは、PDL(Page Description Language)によって記述されたデータであることを特徴としている。この構成によれば、印刷データはPCLによって記述されたデータであるので、請求項1に係る画像形成装置を既存の技術を用いて安価に、かつ、簡単に実現することができる。
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記PDLは、PCL(Printer Control Language)であることを特徴としている。この構成によれば、印刷データは広く普及しているPCLによって記述されるので、画像形成装置の汎用性を高めることができる。例えば、電子機器装置をクライアントPC等とし、画像形成装置をインターネットファクシミリ装置等とした場合には、多くのクライアントPCには、アプリケーションソフトウェアによって生成されたアプリケーションデータをPCLによって記述された印刷データに変換するプリンタドライバがインストールされている。そのため、このPCLで記述された印刷データを集約印刷することができるインターネットファクシミリ装置は、クライアントPCに当該インターネットファクシミリ装置のための専用のプリンタドライバをインストールすることなく、当該クライアントPCが接続された既存のネットワーク環境で使用することができる。このような場合には、クライアントPCにインストールされている従来からのプリンタドライバが集約印刷に対応していない場合が想定されるので、プリンタドライバの集約印刷機能に依存せずに集約印刷を実行できる当該インターネットファクシミリ装置の真価が発揮される。
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、外部から集約数の入力を受け付ける集約数受付手段をさらに備え、前記集約処理手段は、前記集約数受付手段が受け付けた集約数に応じた集約データを生成することを特徴としている。この構成によれば、集約数受付手段により、外部から集約数が受け付けられ、集約処理手段により、集約数受付手段によって受け付けられた集約数に応じた集約データが生成されるので、ユーザが集約印刷において1枚の記録紙にまとめて印刷される画像(ページ)の数を指定することができる。
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、外部からの入力操作に基づいて、前記画像データ生成手段によって生成された画像データに対する前記集約処理手段による集約処理回路を使用した集約処理を実行するか否かを決定する決定手段をさらに備えることを特徴としている。
この構成によれば、決定手段により、外部からの入力操作に基づいて、画像データ生成手段によって生成された画像データに対する集約処理手段による集約処理回路を使用した集約処理を実行するか否かが決定される。
このように、外部からの入力操作によって、電子機器装置から受信した印刷データを集約印刷するか否かを決定することができるので、ユーザが集約印刷を実行するか否かを自在に決定することができる。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の画像形成システムは、電子機器装置と、当該電子機器装置と通信可能に接続され、原稿の画像を読み取って取得した1又は2以上の画像データを集約印刷するに際し、前記画像データに対して集約処理回路による集約処理を実行して、集約数をN(Nは自然数)としたとき、前記画像データに応じた画像のサイズが基準サイズの略1/Nとなり、最大Nの画像が1枚の記録紙に印刷されるように構成された集約データを生成する画像形成装置とを有する画像形成システムであって、前記電子機器装置は、1又は2以上の印刷ページを含む印刷データを前記画像形成装置に送信する印刷データ送信手段を備え、前記画像形成装置は、前記電子機器装置から前記印刷データを受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データ受信手段によって受信された印刷データに基づいて、当該印刷データに含まれる印刷ページに対応する画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段によって生成された画像データに対して前記集約処理回路による集約処理を実行して集約データを生成する集約処理手段と、前記集約処理手段によって生成された集約データに応じた画像を記録紙に印刷する印刷手段とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、電子機器装置と、当該電子機器装置と通信可能に接続され、原稿の画像を読み取って取得した1又は2以上の画像データを集約印刷するに際し、画像データに対して集約処理回路による集約処理を実行して、集約数をN(Nは自然数)としたとき、画像データに応じた画像のサイズが基準サイズの略1/Nとなり、最大Nの画像が1枚の記録紙に印刷されるように構成された集約データを生成する画像形成装置とを有する画像形成システムにおける、電子機器装置において、印刷データ送信手段により、1又は2以上の印刷ページを含む印刷データが画像形成装置に送信される。そして、画像形成装置において、印刷データ受信手段により、電子機器装置から印刷データが受信され、画像データ生成手段により、印刷データ受信手段によって受信された印刷データに基づいて、当該印刷データに含まれる印刷ページに対応する画像データが生成され、集約処理手段により、画像データ生成手段によって生成された画像データに対して集約処理回路による集約処理が実行されて集約データが生成される。そして、印刷手段により、集約処理手段によって生成された集約データに応じた画像が記録紙に印刷される。なお、基準サイズとは、画像を記録紙に集約印刷でなく通常印刷する場合に、記録紙に印刷される画像のサイズのことである。
このように、電子機器装置から受信した印刷データに基づいて、当該印刷データに含まれる印刷ページに対応する画像データを生成し、この生成した画像データに対して集約処理回路を使用して集約処理を実行し、集約印刷のための集約データを生成する。そして、集約データに応じた画像を記録紙に記録する。したがって、画像形成装置の機能のみを使用して電子機器装置から受信した印刷データを集約印刷することができる。このため、例えば、電子機器装置がクライアントPC等であり、画像形成装置がインターネットファクシミリ装置等である場合に、クライアントPCにインストールされているインターネットファクシミリ装置を使用するためのプリンタドライバが集約印刷に対応しておらず、プリンタドライバが生成する印刷データが集約印刷に対応した印刷データでない場合であっても、インターネットファクシミリ装置の本体の機能のみを使用して当該印刷データに基づいて集約印刷を行うことができる。
請求項1に記載の画像形成装置によれば、電子機器装置から受信した印刷データに基づいて、当該印刷データに含まれる印刷ページに対応する画像データを生成し、この生成した画像データに対して集約処理回路を使用して集約処理を実行し、集約印刷のための集約データを生成する。そして、集約データに応じた画像を記録紙に記録する。したがって、画像形成装置の機能のみを使用して電子機器装置から受信した印刷データを集約印刷することができるという効果が得られる。このため、例えば、電子機器装置がクライアントPC等であり、画像形成装置がインターネットファクシミリ装置等である場合に、クライアントPCにインストールされているインターネットファクシミリ装置を使用するためのプリンタドライバが集約印刷に対応しておらず、プリンタドライバが生成する印刷データが集約印刷に対応した印刷データでない場合であっても、インターネットファクシミリ装置の本体の機能のみを使用して当該印刷データに基づいて集約印刷を行うことができるという効果が得られる。
請求項2に記載の画像形成装置によれば、印刷データはPCLによって記述されたデータであるので、請求項1に係る画像形成装置を既存の技術を用いて安価に、かつ、簡単に実現することができるという効果が得られる。
請求項3に記載の画像形成装置によれば、印刷データは広く普及しているPCLによって記述されるので、画像形成装置の汎用性を高めることができるという効果が得られる。例えば、電子機器装置をクライアントPC等とし、画像形成装置をインターネットファクシミリ装置等とした場合には、多くのクライアントPCには、アプリケーションソフトウェアによって生成されたアプリケーションデータをPCLによって記述された印刷データに変換するプリンタドライバがインストールされている。そのため、このPCLで記述された印刷データを集約印刷することができるインターネットファクシミリ装置は、クライアントPCに当該インターネットファクシミリ装置のための専用のプリンタドライバをインストールすることなく、当該クライアントPCが接続された既存のネットワーク環境で使用することができる。このような場合には、クライアントPCにインストールされている従来からのプリンタドライバが集約印刷に対応していない場合が想定されるので、プリンタドライバの集約印刷機能に依存せずに集約印刷を実行できる当該インターネットファクシミリ装置の真価が発揮される。
請求項4に記載の画像形成装置によれば、集約数受付手段により、外部から集約数が受け付けられ、集約処理手段により、集約数受付手段によって受け付けられた集約数に応じた集約データが生成されるので、ユーザが集約印刷において1枚の記録紙にまとめて印刷される画像(ページ)の数を指定することができるという効果が得られる。
請求項5に記載の画像形成装置によれば、外部からの入力操作によって、電子機器装置から受信した印刷データを集約印刷するか否かを決定することができるので、ユーザが集約印刷を実行するか否かを自在に決定することができるという効果が得られる。
請求項6に記載の画像形成システムによれば、電子機器装置から受信した印刷データに基づいて、当該印刷データに含まれる印刷ページに対応する画像データを生成し、この生成した画像データに対して集約処理回路を使用して集約処理を実行し、集約印刷のための集約データを生成する。そして、集約データに応じた画像を記録紙に記録する。したがって、画像形成装置の機能のみを使用して電子機器装置から受信した印刷データを集約印刷することができるという効果が得られる。このため、例えば、電子機器装置がクライアントPC等であり、画像形成装置がインターネットファクシミリ装置等である場合に、クライアントPCにインストールされているインターネットファクシミリ装置を使用するためのプリンタドライバが集約印刷に対応しておらず、プリンタドライバが生成する印刷データが集約印刷に対応した印刷データでない場合であっても、インターネットファクシミリ装置の本体の機能のみを使用して当該印刷データに基づいて集約印刷を行うことができるという効果が得られる。
以下、本発明の画像形成装置の一例としてのインターネットファクシミリ装置1と、電子機器装置の一例としてのクライアントPC2について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、インターネットファクシミリ装置1とクライアントPC2とはLAN(Local Area Network)3を介して通信可能に接続される。
クライアントPC2は、インターネットファクシミリ装置1の印刷機能を使用して印刷する印刷データを生成し、生成した印刷データをLAN3を介してインターネットファクシミリ装置1に送信する。インターネットファクシミリ装置1は、複写機能、ファクシミリ通信機能、電子メール送信機能等とともに、印刷機能(PCプリント機能)を備えており、クライアントPC2から送信された印刷データの印刷を行うことができる。この印刷データは、ページ記述言語(PDL)の例えば、PCLによって記述されており、1又は2以上の印刷ページを含んでいる。
図2は、インターネットファクシミリ装置1の構成例を示したブロック図である。このインターネットファクシミリ装置1は、図2に示すように、制御部(MPU:Microprocessing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、操作部104、報知部105、原稿読取部106、画像処理部107、コーデック(CODEC:Coder and Decoder)108、画像メモリ109、PDL展開部110、集約処理部111、プリンタ112、FAX通信部113、及び、LAN−I/F(Local Area Network Interface)114を備えており、各部101乃至114は、バス115によって通信可能に接続されている。
制御部101は、ROM102に記憶された制御プログラムに従ってインターネットファクシミリ装置1の各部の動作を制御する。ROM102は、制御部101によりこのインターネットファクシミリ装置1の各部の動作を制御するための前記制御プログラム等を記憶するメモリである。RAM103は、インターネットファクシミリ装置1の動作に用いる各種データ等を記憶するものである。
操作部104は、図示しないが、原稿の読み取り動作の開始を指示するためのスタートキー、ファクシミリ番号、コピー部数等を入力するためのテンキー、集約印刷の指定及び指定の解除を行う集約印刷キー、操作対象を指定するためのカーソルキー、操作の決定を行う決定キー等の他、自装置1に対して各種の設定を行うためのその他の入力キーを備えている。報知部105は、各種の設定状態や自装置1の動作状態等を文字や図形等で表示するタッチパネル式の液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や、点灯又は消灯で表示するLED(Light Emitting Diode)ランプ、所定の警告音を鳴動するスピーカ等を備えている。
原稿読取部106は、原稿の画像を読み取って画像データを生成するものであり、図示しないが、例えば、透明な原稿載置板に載置された原稿を読み取るフラット・ベッド・スキャナ(FBS:Flat Bed Scanner)や、原稿トレイに載置された原稿を読み取るべく、その原稿を搬送する自動原稿給送装置(ADF:Automatic Document Feeder)を備えている。
画像処理部107は、原稿読取部106から出力された画像データに対して、色調整、色空間変換、2値化等の処理を行うものである。コーデック108は、画像処理部107等によって処理された画像データを符号化(エンコード)し、また、符号化された画像データを復号(デコード)するものである。コーデック108に入力された画像データは、JPEG、MH、MR、MMR、JBIG方式等に基づいて符号化され、画像メモリ109に記憶される。
PDL展開部110は、LAN3を介してクライアントPC2から受信した印刷データを展開し、印刷データに含まれる印刷ページ毎の画像データ(ビットマップデータ)を生成するものである。つまり、印刷データに含まれる1つの印刷ページから1つの画像データが生成される。クライアントPC2から送信される印刷データは、ページ記述言語(PDL)の例えば、PCLによって記述されている。PDL展開部110は、このPCLで記述された印刷データを解析し、解析結果に応じた画像データを生成する。PDL展開部110によって生成された画像データは、コーデック108によって符号化されて画像メモリ109に記憶される。
集約処理部111は、図示しない集約処理回路を備えており、複数ページの原稿を原稿読取部106で読み取ってコピーする際に、複数ページの原稿の画像を集約数に応じて集約印刷するための集約処理を行うものである。集約数とは、集約印刷を行う場合に、1枚の記録紙にまとめて印刷する画像の数(ページ数)のことである。例えば、集約数が「4」である場合には、画像のサイズが基準サイズの略1/4に縮小され、4ページ分の縮小された画像が1枚の記録紙にまとめて印刷される。したがって、集約数が「4」である場合に、7ページ分の画像データを集約印刷すると、第1ページから第4ページまでの画像が1枚目の記録紙に印刷され、第5ページから第7ページまでの画像が2枚目の記録紙に印刷される。この場合、2枚目の記録紙の第8ページに相当する部分は空白となる。この集約数は、ユーザによる操作部104の入力キーを用いた選択操作によって指定される。
集約処理部111は、具体的には、原稿読取部106で原稿の画像を読み取ることによって生成されて画像メモリ109に記憶されている1又は2以上の画像データに対して集約処理を実行し、集約データを生成する。この集約データは、画像データが集約されたものであり、集約データを印刷処理すると、集約数をN(Nは自然数)とするとき、1枚の記録紙に、基準サイズの略1/Nにサイズが縮小された画像(画像データに応じた画像)がNだけレイアウトされて記録されるように構成されたデータである。集約処理部111によるこの集約処理としては、周知の集約処理を採用することができ、集約処理の結果として得られる集約データの構成も周知の構成を採用することができる。
また、集約処理部111は、集約印刷が指定されている場合には、クライアントPC2から送信された印刷データを印刷する際にも集約処理を行う。つまり、PDL展開部110によって印刷データから画像データに展開され、画像メモリ109に記憶されている1又は2以上の画像データに対して集約処理を実行し、上述したように集約数に応じた集約データを生成する。集約処理部111によって生成された集約データは、コーデック108によって符号化されて画像メモリ109に記憶される。
プリンタ112は、画像メモリ109から読み出され、コーデック108によって復号された画像データ(集約データを含む。)を印刷出力するものである。画像メモリ109に記憶されている集約データがプリンタ112によって印刷されることによって集約印刷が実現される。
FAX通信部113は、原稿の画像データをファクシミリ通信するものであり、図示しないが、モデム(MODEM:MOdulator-DEModulator)及びNCU(Network Control Unit)を備えている。モデムは、例えばITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の勧告V.34規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行うものである。NCUは、電話回線を制御して電話をかけたり、切ったりする回線網制御装置であり、図示しないPSTN(Public Switched Telephone Network)に接続される。PSTNには、G3ファクシミリ装置等が通信可能に接続され、インターネットファクシミリ装置1は、G3ファクシミリ装置等との間で画像データをファクシミリ送受信することが可能である。
LAN−I/F114は、インターネットファクシミリ装置1をLAN3に接続可能にするものである。LAN3には、クライアントPC2等が接続され、インターネットファクシミリ装置1はクライアントPC2との間でデータの通信が可能である。従って、インターネットファクシミリ装置1は、LAN3を介して、クライアントPC2から印刷処理するための印刷データを受信することができる。また、LAN3には図示しないルータも接続されており、インターネットファクシミリ装置1は、ルータを介してインターネットとも接続される。したがって、インターネットファクシミリ装置1は、インターネットに接続される他のインターネットファクシミリ装置との間でインターネットファクシミリ通信を行うことも可能である。
図3は、クライアントPC2の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、クライアントPC2は、制御部(CPU:Central Processing Unit)201、ROM202、RAM203、HDD(Hard Disk Drive)204、操作部205、表示部206、及び、LAN−I/F207を備えており、各部201〜207は、バス208によって通信可能に接続されている。
制御部201は、HDD204から読み出されてRAM203に格納されている制御プログラムに従って、クライアントPC2の各部の動作を制御する。ROM302は、クライアントPC2の動作に必要な各種の設定データ等を格納する。RAM203は、制御部201のワークエリア等として機能するものであり、実行するプログラムの一部又は全部がHDD204から読み出されて格納される。HDD204は、制御部201によりこのクライアントPC2の各部の動作を制御するための前記制御プログラムや、ユーザの利用に供されるアプリケーションソフトウェア等の種々のプログラムやデータを記憶する。このHDD204には、インターネットファクシミリ装置1を用いて、アプリケーションソフトウェアで生成されたアプリケーションデータを印刷する際に、印刷の条件を指定したり、アプリケーションデータをページ記述言語(PDL)で記述された印刷データに変換するためのプリンタドライバも記憶されている。
操作部205は、ユーザが情報を入力するマウス、キーボード等から構成され、ユーザによる各種の入力操作は、この操作部205を介して行われる。表示部206は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等からなり、各種の画面情報を表示するものである。LAN−I/F207は、クライアントPC2とLAN3とを、引いては、クライアントPC2とインターネットファクシミリ装置1とを通信可能に接続するものである。したがって、クライアントPC2は、LAN3を介して、インターネットファクシミリ装置1において印刷処理するための印刷データをインターネットファクシミリ装置1に送信することができる。
このようなインターネットファクシミリ装置1とクライアントPC2では、クライアントPC2のユーザによって、クライアントPC2にインストールされているアプリケーションソフトウェアを用いてアプリケーションデータが作成され、作成されたアプリケーションデータは、クライアントPC2にインストールされているプリンタドライバによって、ページ記述言語(PDL)の例えば、PCLによって記述された印刷データに変換される。そして、変換された印刷データは、LAN3を介して、インターネットファクシミリ装置1に送信される。
インターネットファクシミリ装置1は、原稿読取部106によって読み取った原稿のコピーを集約印刷する際の集約処理を行う集約処理部(集約処理回路)111を備えている。そして、集約印刷が指定されている状態で、クライアントPC2からLAN3を介して印刷データを受信すると、この印刷データに対しても集約処理部111が備える集約処理回路を使用して集約処理を行い、集約印刷が実行される。したがって、クライアントPC2にインストールされているプリンタドライバが集約印刷機能を備えておらず、プリンタドライバが生成する印刷データが集約印刷するために構成された印刷データでない場合であっても、インターネットファクシミリ装置1の機能のみで集約印刷を実現することができる。
次に、図4を用いて、インターネットファクシミリ装置1に対して集約印刷に関する設定操作を行った場合に、インターネットファクシミリ装置1の制御部101が実行する処理の例について説明する。なお、図4に示す各処理の順序は図示するものに限定されるものではなく、処理の順序を変更しても本発明を実現できる場合には適宜に変更してもよい。
ユーザが操作部104に設けられた集約印刷キーを操作すると、制御部101は、ステップ101(S101)において、集約印刷キーが操作されたと判断する(S101:YES)。そして、集約フラグがオン状態であるか否かを判断する(S102)。この集約フラグは、クライアントPC2から送信された印刷データを印刷する際に、制御部101によって参照され、フラグの状態によって集約印刷を行うか否かが判断される。この集約フラグはRAM103上の所定の記憶領域に存在し、例えば、1バイトからなるデータである。そして、最下位ビットが「1」である場合にフラグがオン状態であり、最下位ビットが「0」である場合にフラグがオフ状態であると判断される。集約フラグがオン状態の場合に集約印刷が実行され、オフ状態の場合に集約印刷を行わず通常の印刷が行われる。
集約フラグがオン状態であると判断すると(S102:YES)、集約フラグの最下位ビットを「0」として、集約フラグをオフ状態にする(S103)。つまり、集約印刷が指定されている場合に、集約印刷キーが操作されると、集約フラグをオフ状態にして集約印刷の指定を解除する。
一方、集約フラグがオン状態でない、つまり、オフ状態であると判断すると(S102:NO)、集約フラグの最下位ビットを「1」として、集約フラグをオン状態にする(S104)。つまり、集約印刷が指定されていない場合に、集約印刷キーが操作されると、集約フラグをオン状態にして集約印刷を指定する。集約フラグをオン状態にすると、集約数情報をRAM103に記憶する(S105)。集約数情報とは、1枚の記録紙に集約して印刷する画像(ページ)の数、すなわち、集約数を示す情報である。ここでは、デフォルト値として、例えば「2」が集約数として集約数情報に設定され、この集約数情報がRAM103の所定の記憶領域に記憶される。つまり、集約数がユーザによって指定されていないデフォルトの状態で集約印刷が実行されると、画像のサイズが基準サイズの略1/2に縮小され、2ページ分の画像が1枚の記録紙にレイアウトされて印刷される。
ユーザが、操作部104に設けられた入力キーを操作して、集約数を選択するための操作を行うと、制御部101は、ステップ101(S101)において集約印刷キーの操作ではないと判断し(S101:NO)、ステップ106(S106)において集約数の選択であると判断する(S106:YES)。そして、ユーザによる集約数の選択を促し、集約数の選択を受け付けるための図6に示すような画面を報知部105が備える液晶表示装置に表示する(S107)。
液晶表示装置には、集約数(集約ページ数)として、例えば図6に示すように、「2」、「4」、「6」、「8」、「9」、及び、「16」が表示される。ユーザは反転表示されているカーソル300を操作部104のカーソルキーを操作することによって移動させて集約数を選択する。図6の例では「2」が選択されて反転表示されている。そして、集約数を選択した状態で決定キーを操作すると集約数の選択が決定される。
決定キーが操作されると、制御部101は、ユーザによる集約数の選択を受け付け(S108)、選択された集約数を示す集約数情報をRAM103に記憶する(S109)。
ユーザが操作部104に対して、集約印刷キーの操作、及び、集約数の選択のための操作以外の操作を行うと、制御部101は、ステップ101(S101)において集約印刷キーの操作でないと判断し(S101:NO)、ステップ106(S106)において集約数の選択でないと判断し(S106:NO)、ステップ110(S110)において、操作部104への操作に応じたその他の処理を実行する。
このように、操作部104の集約印刷キーを操作することにより、集約フラグのオン状態とオフ状態とを切り替え、集約印刷の指定と指定の解除とを行うことができる。集約印刷キーの操作により集約印刷が指定されている場合には、その旨を、報知部105が備える液晶表示装置に表示するようにするとよい。また、報知部105の一部として、集約印刷キーの近傍にLEDランプを設け、集約印刷が指定されている場合にこのLEDランプを点灯させて集約印刷が指定されていることを知らせるようにしてもよい。
また、操作部104が備える入力キーを使用して集約数を選択するための操作を行うことにより、液晶表示装置に集約数(集約ページ数)を選択するための画面を表示させ、ユーザがこの画面を参照しながら所定の操作を行うことにより、集約印刷する際に1枚の記録紙に印刷される画像の数(ページ数)を示す集約数を選択することができる。
次に、図5を用いて、クライアントPC2においてアプリケーションデータに基づいて生成した印刷データをインターネットファクシミリ装置1に送信して印刷処理する場合に、インターネットファクシミリ装置1の制御部101とクライアントPC2の制御部201とが実行する処理の例について説明する。なお、図5に示す各処理の順序は図示するものに限定されるものではなく、処理の順序を変更しても本発明を実現できる場合には適宜に変更してもよい。
クライアントPC2のユーザが、操作部205を使用して、所定のアプリケーションソフトウェアに対して当該アプリケーションソフトウェアを用いて作成したアプリケーションデータの印刷の実行を指示すると、制御部201は、プリンタドライバを起動し、プリンタドライバによって、アプリケーションデータに基づいて、ページ記述言語(ここでは、PCL)で記述された印刷データを生成する(S201)。そして、生成した印刷データをインターネットファクシミリ装置1に送信する(S202)。
インターネットファクシミリ装置1では、クライアントPC2から印刷データを受信する(S301)。そして、制御部101は、RAM103を参照して集約フラグがオン状態であるか否かを判断する(S302)。集約フラグがオン状態でないと判断すると(S302:NO)、PCLによって記述された印刷データをPDL展開部110で解析し、印刷データに含まれる印刷ページ毎に画像データに展開する(S303)。そして、展開した画像データを印刷処理してプリンタ112によって記録紙に記録する(S306)。これにより、印刷データが通常印刷される。
一方、集約フラグがオン状態であると判断すると(S302:YES)、PCLによって記述された印刷データをPDL展開部110で解析し、印刷データに含まれる印刷ページ毎に画像データに展開する(S304)。そして、展開した画像データに対して集約処理部111の集約処理回路を用いて集約処理を実行し、集約数情報が示す集約数の画像データに応じた画像が1枚の記録紙にレイアウトされて記録されるように構成された集約データを生成し(S305)、生成した集約データを印刷処理してプリンタ112によって記録紙に記録する(S306)。これにより、印刷データが集約印刷される。
このように、集約フラグがオン状態の場合には、ユーザがプリンタドライバに対して集約印刷を指定せず、もしくは、プリンタドライバが集約印刷に対応しておらず、プリンタドライバがアプリケーションデータに基づいて生成する印刷データが集約印刷用に構成された印刷データでない場合であっても、クライアントPC2から送信された印刷データをインターネットファクシミリ装置1の集約処理部111が備える集約処理回路を使用した集約処理を経て集約印刷することができる。
以上に説明したように、本発明に係るインターネットファクシミリ装置1及びクライアントPC2によれば、クライアントPC2は、所定のアプリケーションソフトウェアで作成したアプリケーションデータに基づいて、プリンタドライバによって生成した印刷データをインターネットファクシミリ装置1に送信する。インターネットファクシミリ装置1は、受信した印刷データに基づいて画像データを生成し、生成した画像データに対して集約処理部111が備える集約処理回路を用いて集約処理を実行して集約データを生成する。そして、この集約データを印刷処理することによって集約印刷を行うことができる。
したがって、クライアントPC2にインストールされているプリンタドライバが集約印刷に対応していない場合であっても、インターネットファクシミリ装置1の機能のみを使用してクライアントPC2から送信される印刷データの集約印刷を行うことができる。また、インターネットファクシミリ装置1の機能のみで実現可能な集約印刷における集約数の種類を多くすることによって、プリンタドライバで実現可能な集約印刷機能で対応していない集約数での集約印刷を実行することも可能となる。
また、インターネットファクシミリ装置1は、広く普及しているPCLによって記述された印刷データに基づいて集約印刷することができる。したがって、クライアントPC2にインターネットファクシミリ装置1のための専用のプリンタドライバをインストールすることなく、すでにクライアントPC2にインストールされているPCLに対応したプリンタドライバを使用してインターネットファクシミリ装置1を用いた集約印刷を行うことができる。
なお、本発明の実施形態は上述の形態に限らず、種々に変更してもよく、例えば、上述の実施形態においては、印刷データをページ記述言語(PDL)のPCLで記述されたデータとしたが、これに替えて、印刷データはビットマップデータ等の画像データであってもよい。この場合には、PDL展開部110は不要であり、集約処理部111は印刷データに対して集約処理を行う。
また、インターネットファクシミリ装置1に対して集約印刷の指定を行う際に、ユーザが集約印刷を行う印刷データの送信に使用するクライアントPC2のIP(Internet Protocol Address)アドレス等の識別情報を登録するようにし、集約印刷の指定とともに登録された識別情報によって特定されるクライアントPC2から送信された印刷データのみを集約印刷するようにしてもよい。このようにすれば、集約印刷が指定されている間に、集約印刷を希望しない他のユーザが識別情報が登録されていない他のクライアントPC2から印刷データを送信してインターネットファクシミリ装置1で印刷を実行した場合に、思いがけなく集約印刷がされることを防止することができる。
さらに、印刷データのデータ種別によって集約印刷をするか否かを決定するようにしてもよい。つまり、印刷データに印刷データの元となるアプリケーションデータを生成したアプリケーションソフトウェアを識別する識別情報を付加するようにする。そして、インターネットファクシミリ装置1に対して集約印刷の指定を行う際に、アプリケーションソフトウェアの識別情報を登録し、印刷データに付加された識別情報と登録された識別情報とが一致する場合にのみ集約印刷を行うようにする。