JP2007287563A - フラッシュランプ及びフラッシュランプ点灯装置 - Google Patents

フラッシュランプ及びフラッシュランプ点灯装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 シマー放電から主放電を開始するフラッシュランプにおいて、比較的低アンペアであっても陰極上のシマー電流発生部の位置を安定化することができ、電極寿命を大幅に伸ばすことができるフラッシュランプを提供すること。
【解決手段】 透光性材料からなる発光管と陰極および陽極を具備したフラッシュランプであり、陰極は高融点金属よりなり先端に開口する有底穴が形成された主放電を発生する陰極基体と、該陰極基体の有底穴の内部に配置されると共に該陰極基体よりも熱容量が小さいか若しくは熱伝導率が低くなるよう構成された凸部とを具備し、該凸部先端が陰極基体の先端よりも後方に位置されていることを特徴とする。凸部は、陰極基体の有底穴の内部に当該穴の底部から突出し、その外周面と有底穴の内周面との間に間隙が形成されるよう構成されるか、先端部が略凸状に形成された含浸電極体が埋設されることにより構成されてなるのがよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フラッシュランプに関するものであり、特に高強度パルスUV光を放射するフラッシュランプに関するものである。
耐候・退色試験、表面改質等に用いられる波長300nm以下の深紫外光源としては、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、キセノン水銀ランプ、フラッシュランプ等が用いられる。高圧水銀ランプ、キセノンランプ、キセノン水銀ランプは、一度ランプを始動すると連続的に点灯して主放電を維持する光源であり、ランプ始動後、安定化光量が得られるまで一定時間を要する光源である。一方、フラッシュランプはパルス的に点灯する光源であり、パルス点灯した瞬間高い放射強度を得ることができる光源である。近似、フラッシュランプは、瞬間的に得られる高い放射強度を利用して効率や処理能力の改善が期待されており、注目されている光源といえる。
フラッシュランプにおいて、前述した用途すなわち耐候・退色試験、表面改質等のため高強度の紫外光を得るには、主に波長300nm以下の放射効率を高める必要があり、そのためにランプに大電力を入力しかつ電流密度を大きくしてプラズマ温度を高くすることが必要になる。またかかる用途の目的には、例えば楕円体ミラーなどの光学素子により集光あるいは平行光を形成することが望ましく、電極間距離を小さくして点光源にする必要がある。
このような理由からフラッシュランプにおいては発光管及び電極が大電流及び極間の狭さに対して十分な耐性が得られるものであることが要求され、ランプ構成する材料はもとより、それ以外にも、幾つかの要素において制限されるようになる。例えば、フラッシュランプにおいて始動手段を付加して使用することは安定した始動特性を維持するため必須であり、上述のような高強度のUV光を得るフラッシュランプにおいても例外ではない。このようなランプの始動方法においても、上記用途に使用する場合おおむね限定されてしまう。以下、この理由について詳述する。
一般にフラッシュランプにおいて放電を始動させる方法としては、(1)管壁外側に設置した外部トリガ電極による方法、(2)管壁内側に設置した内部トリガ電極による方法、(3)外部スイッチにより主放電電流をシマー放電に重畳させる方法などが知られている。
これらの始動方法のうち、(1)の外部トリガ電極による始動は、発光管の外部に配置されたトリガ電極と主放電電極との間に電圧を印加し、発光管内部に誘電体バリア放電を発生させ、この放電により得られた電子を種に主放電を形成させるものであるが、主放電はトリガ電極に近い側の発光管の管壁に沿って形成されるため、短い電極間に大電力・光電流密度が入力されるフラッシュランプに適用した場合、管壁に白濁等の損傷を生じやすく、早期に照度低下が生じることがある。このため、上述したような大電力が入力されるフラッシュランプには適さない。
そして(2)の内部トリガによる始動では、発光管内部にトリガ電極が配置され、主放電のための電極とトリガ電極との間に放電を生起させた後、主放電のための電圧を主放電電極間に印加して始動を容易にするものであるが、主放電が大きな入力電力のもとに発生されるフラッシュランプに適用した場合、内部トリガ電極が放電路にさらされて損傷を生じやすく、トリガ電極としての機能が早期に損なわれてしまう。
一方、(3)のシマー放電による始動では、主放電電極間で絶縁破壊を起こし、比較的低電流の直流電流よりなるシマー電流を流した状態で、シマー電流に主放電の電流を重畳させて主放電を生起させるものである。このときの主放電はシマー放電路から成長し、主放電路形状はシマー放電路の形状にほぼ一致するため、主放電を管壁から離れた位置に制御することが比較的容易で、大電力が入力されるフラッシュランプに適した始動方法といえる。また、シマー放電電極は基本的に主放電電極から構成されているため、内部トリガ電極法による始動とは異なり始動性が早期に悪化する不具合を回避できる。従って、ランプに大電流が投入されかつ電極間距離が小さいフラッシュランプにおいてはシマー放電による始動方法を採用することが好適と考えられる。
なお、シマー放電により主放電を生起するフラッシュランプについては例えば特許文献1に記載されている。また、特許文献2には始動方法については不明であるが主放電路を管壁から遠ざけるために電極を改良したフラッシュランプについて開示されている。
特開2005−056638号公報 実開平02−079557号公報
しかしながら、主放電を点光源化して使用するフラッシュランプにおいて、従来公知の金属基体電極を用いた場合、シマー放電の制御が極めて困難になる。すなわち、先にも述べたようにシマー放電により始動する場合、主放電路形状はシマー放電路から放電が成長するためシマー放電路の形状にほぼ一致する。従って、主放電を点光源として扱う場合、シマー放電路が極間軸に沿って安定していること、特に陰極上のシマー電流発生部の位置が安定していることが必要になる。電極(陰極)上のシマー電流発生部の位置を安定させるためには、シマー放電の形態をアーク放電としなければならず、このためには比較的高い電流、好ましくは数Aの電流が必要になり、電極の寿命が極端に短くなる。この寿命はシマー放電が主放電のための電極と兼ねているためランプ寿命にも大きな影響を与える。
一方、シマー放電電流を数A以下とした場合、シマー放電の形態がグロー放電に移行しやすく陰極上のシマー電流発生部が不安定となり、結果として主放電の位置が安定化しないようになる。
上記フラッシュランプの発光状態について従来公知の電極構造を参照しながら具体的に説明する。例えば図6(a)は特許文献1に開示される電極60であり、先端60Aが円錐台状の略尖塔状の電極である。同図のように先端60Aが略尖塔状の電極では、シマー放電Sが形成される部分は陰極60内部において電子放出が容易な陰極の先端部分60Aになる。しかしながら陰極先端60Aにおいては陰極60内部への熱伝導が比較的大きいため、グロー放電に移行しやすい。アーク放電を維持するためには高い電流が必要で、陰極先端60Aは損傷されやすく、しかも、主放電Dの形成時には大電流パルスにも曝され、熱変形や割れ等の損傷が相乗して生じ。陰極先端60Aが損傷等を生じると、シマー電流発生部が安定化せず、その結果、主放電の位置変動が容易に生じるようなる。
図6(b)は特許文献2に開示される陰極であり、この陰極70は非放電部である有底筒状の高融点金属からなる電極保持体71の内部に、主放電を形成するための主電極72が埋設された構造である。主放電Dは電極保持体71の内部において形成されるため放電が広がりすぎることなく、管壁への負荷を回避できる点で優位と考えられる。
しかしながらこの電極70においては、シマー電流発生部72Aからの陰極70内部への熱伝導が更に大きいため、上記電極よりもグロー放電に移行しやすく、アーク放電に維持するために更に高い電流値にする必要がある。またこの主電極72は先端が平坦であるため、シマー電流発生部72Aを管軸の中心上に確実に位置させることは困難である。またこの陰極70においても主電極72がシマー電流発生部72Aを兼ねているため主放電Dの形成時に大電流パルスに曝されるため熱変形や割れ等の損傷を起こし易い。
シマー放電発生部が所定の位置(電極の中心)からずれた場合には、主放電の発生位置もまた所定位置からずれてしまう。この結果、アークの位置が反射ミラーなどの光学部材の焦点から外れてしまい、所期のUV強度が得られなくなってしまう。また、アークが管壁に近くことになるため、発光管の損傷が生じ易く、長い使用寿命が得られなくなってしまう。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、シマー放電から主放電を開始するフラッシュランプにおいて、比較的低アンペアであっても陰極上のシマー電流発生部の位置を安定化することができ、電極寿命を大幅に伸ばすことができるフラッシュランプを提供することにある。また第二の課題は、比較的低アンペアであっても陰極上のシマー電流発生部の位置を安定化することができ、電極寿命を大幅に伸ばすことができるフラッシュランプ点灯装置を提供することにある。
シマー放電をアーク放電に保つためには、(1)陰極のシマー電流発生部温度をシマー電流を熱放射で担うに十分な温度に保つことが必要であり、更に長時間に亘って維持するには(2)電子放射性物質がシマー電流発生部に円滑に供給されることが必要である。そして、主放電発生時における熱変形や損傷を回避するために、下記手段によって解決する。
本発明にかかるフラッシュランプは、透光性材料からなる発光管と、陰極およびこれに対向する陽極を具備したフラッシュランプであって、
前記陰極は、高融点金属よりなり先端に開口する有底穴が形成された主放電を発生する陰極基体と、
前記陰極基体の有底穴の内部に配置されると共に該陰極基体よりも熱容量が小さいか若しくは熱伝導率が低くなるよう構成された凸部とを具備し、
前記凸部の先端が陰極基体の先端よりも後方に位置されていること特徴とする。
また、前記凸部は、陰極基体の有底穴の内部に当該穴の底部から突出するように形成されると共に、当該凸部の外周面と前記有底穴の内周面との間に間隙が形成されて構成されてなることを特徴とする。
また、前記凸部は、陰極基体の有底穴の内部に先端部が略凸状に形成された含浸電極体が埋設されることにより構成されてなることを特徴とする。
また、本発明にかかるフラッシュランプ点灯装置は、上記のいずれかに記載のフラッシュランプと、
シマー電流発生用の直流電源を具備し当該直流電源からの電流を所定の値に制限してフラッシュランプに供給するシマー電流発生回路と、
前記フラッシュランプに主放電を形成するパルス電流を印加する主放電回路とを備えてなることを特徴とする。
シマー放電から主放電を開始するフラッシュランプにおいて、電極上のシマー電流発生部の位置を安定化できて放電路を一定化させることができると共に、電極寿命を大幅に伸ばすことができる。発光管の損傷を抑えて照度安定性が良好であり、また、点光源化でき安定した光源が得られ、種々の光学系と共に使用してもUVの放射強度にばらつきが生じることがない、高出力のUV光源を得ることができる。
図1〜図3及び図5を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本願発明に係るフラッシュランプの断面図であり、図2は陰極側電極を拡大して示す断面図、図3は種々の放電状態を説明する概略図である。また、図5はシマー電流発生回路を備えたフラッシュランプの点灯回路構成の一例を示す図である。
図1においてフラッシュランプ10の発光管11は合成石英ガラスからなり、内部にキセノンガスが10〜1000kPaの範囲で封入されて気密封止されている。発光管11の内部には一対の電極12,13が対向配置されており、後端に接続されたリード棒14,15によって支持されている。リード棒14,15は発光管11の両端部シール部16,17を介して気密に導出されている。なおこのシール部16,17は、石英ガラスからなる発光管11の主体部分とリード棒14,15との間を熱膨張係数が徐々に変化するよう複数の封止用ガラスを順次溶着することによって形成されたものである。
一対の電極12,13のうち陽極側電極12(以下「陽極」という。)は、高融点金属、具体的にはタングステンよりなり、先端部が円錐台状に形成された円柱体である。
また陰極側電極13(以下「陰極」という。)は、タングステンに電子放射性物質としてのランタン酸化物(例えば酸化ランタン;La)が微量混合された高融点金属よりなり、その外観は図面においては前述した陽極12とほぼ同じ形状、同じ寸法を有しているが、同図及び図2に示す断面図からわかるように先端に開口する有底の穴131が形成されたものである。
有底穴131の内部には、当該有底穴131の底部から発光管11の管軸Lに沿って突出するように凸部132が形成されている。この凸部132の先端にシマー電流を発生、保持するシマー電流発生部Kが形成される。
図1乃至図2に示すように凸部132は、その大きさすなわち有底穴131の底部から先端までの大きさが陰極基体130に比較して小さく、その外周面が全周に亘って陰極基体130と離間して構成されるため、陰極基体130に比較して熱容量が格段に小さく、凸部132から陰極基体130内への熱伝導が円滑に行われないため、その先端部分が容易に加熱され、短時間でシマー放電発生部となるのに必要な温度に到達する。
この結果、凸部先端にシマー電流発生部Kが形成されると共に、その温度をシマー電流を熱放射で担うに十分な温度に保つことができて、放電形態をアーク放電に維持することができ、かつ、凸部132全体が高温に維持される結果、電子放射性物質がシマー電流発生部Kまで円滑に供給されてシマー放電を長時間に亘って維持することができる。
しかも、凸部132の先端が陰極先端13Aよりも電極軸方向において後方に位置されているため、後段で詳述するように、陰極13基体が主放電を形成する間、シマー電流発生部Kが主放電に曝され難くなり、シマー電流発生部Kの熱的損傷を効果的に回避することができる。
続いて、図3及び図5を参照しながらランプの駆動動作について説明する。
図5において、フラッシュランプのシマー電流を発生するためのシマー電流発生回路20は、直流電源21、コンデンサ22、トリガ発生回路23、トランス24、シマー電流制限抵抗25とよりなる。また、放電主放電を形成するための主放電発生回路30は充電用直流電源31、充電制御用スイッチ32、コンデンサ33、放電制御用サイリスタ34よりなる。シマー電流発生回路20及び主放電発生回路30はフラッシュランプ10に対して並列に接続されている。
図示省略の外部信号に応じてトリガ回路23が作動すると、トリガ回路23において発生した起動パルス電圧がトランス24の1次側に印加され、トランスの2次側のコイルに昇圧された数キロボルトの高電圧パルスが誘起される。この高電圧パルスがトリガ電極18に印加され、トリガ電極18と電極12,13間に絶縁破壊が生じると同時に、外部トリガ方式によってフラッシュランプの電極12,13間に絶縁破壊が生じる。このトリガ直流電源21による電荷はバッファコンデンサとして作用するコンデンサ22に充電されて電流制限抵抗25を介して所定の電流値に制御されてフラッシュランプ10に印加されており、電極12,13の絶縁破壊によって数百mAのシマー電流がシマー電流発生回路20からフラッシュランプ10に供給され、シマー放電(予備放電)の状態になる。
図3(a)はシマー放電(予備放電)の様子を示す陰極13と陽極12の拡大説明図である。陰極13においては凸部132の熱容量が小さく、陰極基体130内部への熱伝導が小さいために凸部132先端にあるシマー電流発生部Kの温度は十分高温に保たれ、電流を1A以下の50〜500mA程度に低減してもシマー放電の形態をアーク放電に維持することができる。
しかも凸部132が高温に保たれた結果、電子放射性物質であるランタンはシマー電流発生部Kまで円滑に供給されるようになるため、シマー電流の陰極スポットを安定させることが可能である。
このようにシマー放電(予備放電)を発生させた状態で、図5における放電制御用サイリスタ34を閉路にすると、コンデンサ33に蓄えられた電荷がフラッシュランプ10に流れ主放電電流が形成される(図3(b)参照)。
図5において、主放電の発生によって生じたコンデンサ33の充電電圧の低下分は充電制御用スイッチ32を閉じることによって充電用直流電源31から充電され、所定の電圧に維持される。
こうして大きな電流がフラッシュランプ10に投入された結果、図3(b)に示すように一対の電極12,13間に主放電が形成されるようになる。かかる主放電の大電流パルスは陰極13のなかでも陽極12に最も近い先端部13Aの近傍において担うことになるため、陰極先端13Aよりも後方に位置されたシマー電流発生部Kは大電流パルスに関与することなく、従って、凸部132においては問題とならないレベルにまで損傷を低減できるようになる。
ここで、図2を参照して陰極13寸法の一例を挙げると、陰極13の全長aは9mmであり最大径部直径bは9mm、陰極先端13Aの直径cは3mmである。
有底穴131の内径dは1.5mmであり、その深さeは3mmである。有底穴131内に形成された凸部132は直径fが0.3mmであり、またその全長、すなわち有底穴の底部から先端までの長さgは2.5mmである。従ってこの例において凸部132の先端132aは陰極先端13Aよりも0.5mm後退した位置に配置されている。なおこの例では、凸部132の外周面から有底穴131の内周面までの半径方向の離間距離は約0.6mmとなっているが、熱的に伝達を妨げる構成となっていれば良く、具体的には0mmを超えて離隔していれば足りる。
また、同図においてM,Nは陰極13先端に形成されたテーパーの稜線に沿って引いた仮想線であり、この仮想線M,Nにより形成される角θの大きさは例えば90°である。
以上のように本願発明に係るフラッシュランプにおいては、陰極の中心位置に有底穴を形成し、当該有底穴の内部に熱容量が陰極基体よりも小さな凸部を形成しているので、凸部が短時間に高温に昇温し、維持され、比較的低い電流値であっても、当該凸部の先端にアーク放電を維持することができ、シマー電流発生部を形成することができると共に、シマー電流発生部の温度をシマー電流を熱放射で担うに十分な温度に保つことができる。そして、凸部が高温に維持される結果、電子放射性物質が凸部先端に形成されたシマー電流発生部に円滑に供給され、シマー放電を長時間に亘って維持することができる。
このように、シマー放電をアーク放電としかつ長時間に亘って維持することができるので、陰極スポットを安定させることができ、主放電を所定の位置に形成することができる。
しかも、本願発明に係るフラッシュランプによれば、電極が主放電形成時、シマー電流発生部を形成する凸部が大電流パルスに曝されないため、熱変形や割れなどの損傷を確実に回避でき、始動信頼性が高く、所期の発光特性を長期に亘って得ることができるフラッシュランプを提供することができる。
以上説明した第1の実施形態において、材質、寸法などは一例であり適宜変更が可能であることは言うまでもない。例えば、本実施形態においては凸部を陰極基体と一体に設ける構成としたが別体として構成することも可能である。また、有底穴及び凸部を形成する手段としてはレーザー等を用いるのが簡便であるがその他の手段を用いても良い。また、陰極材料に含まれる電子放射性物質としてランタン酸化物を用いたがそれ以外でも可能でありトリウム、セリウム、イットリウム等の酸化物、あるいはそれらを組み合わせて用いても良い。また基体金属としてタングステンの他にモリブデン、タンタル、ニオブ等の高融点金属を用いても良い。また、発光管の材料としては合成石英ガラスのほか、各種石英ガラス、透光性セラミックス等の透光性材料を用いることができる。封入ガスとしてはキセノンのほか、クリプトン、アルゴン等の希ガスやこれらを組合せた混合ガスを用いることもできる。
図4に本発明の第2の実施形態を示す陰極の拡大断面図を示す。なお、本実施形態において先に図1〜図3で説明した構成については同じ符号を付して説明を省略する。本実施形態が上記実施形態と異なる点は、本実施形態に係る陰極の凸部が陰極基体とは別の部材より構成された点である。以下、図面を参照しながら電極構成について詳細に説明する。
主放電を形成するための陰極基体130は易電子放射性物質としてセリウム酸化物が微量添加されたタングステンよりなる。かかる陰極基体130の先端部には有底穴131が設けられており、この有底穴131の内部に含浸電極体が埋設されて凸部133が構成されている。含浸電極体133Aは、理論密度が40〜90%のタングステン製の多孔質状の焼結体を主材として、易電子放射性物質であるタングステン酸バリウムを含浸して構成されてなる。なおこの含浸電極体133Aは先端部が円錐状の略凸状であり、略円柱状の胴部直径が有底穴131の内径にほぼ一致するものとなっている。
ここで、本実施形態に係る陰極について具体的数値を挙げて説明すると、陰極13最大径部の直径hは9mm、陰極先端部13Aの直径iは3mm、陰極13の全長jは9mmである。また、紙面において陰極先端側に形成されたテーパーの稜線に沿って引いた仮想線M、Nのなす角をθとするとその大きさは90°である。有底穴131の直径kは1.5mm、また有底穴131深さlは3mmであり、かかる有底穴131内部に形成された凸部133の先端の頂角αは120°である。凸部133の全長mは2mmであり、すなわちシマー電流発生部Kは陰極先端面13Aよりも1mm後退した位置にある。また凸部133を構成する含浸電極体133Aの多孔質タングステンの充填率は例えば65%である。
凸部133を構成する含浸電極体133Aは多孔質状であるためにそれ自体が熱伝導率が低いうえ、陰極基体130とも別の部材からなるので熱の伝達が緩慢で放熱され難い。従って、陰極13と陽極12の間に絶縁破壊が生じてシマー電流が流れると、比較的低い電流値で凸部133が短時間に高温に温められて、凸部133の先端の温度を十分高温に保つことができる。
従って、陰極13の凸部133の先端の温度をシマー電流を熱放射で担うに十分な温度に保つことができて、放電形態をアーク放電に維持することができる。また、含浸電極体133Aが高温に維持される結果、易電子放射性物質がシマー電流発生部Kに円滑に供給され、シマー放電を長時間に亘って維持することができる。
そして、本実施形態にかかる陰極13においても、凸133部の先端が陰極先端13Aよりも後方に位置されているので、主放電の大電流パルスは主に陰極先端部13Aで担うこととなり、凸部133は大電流パルスに関与することがない。よって、繰返し点灯しても問題とならないレベルにまでシマー電流発生部Kの損傷を低減できるようになる。
とりわけ、シマー電流発生部Kを多孔質の含浸電極体133を用いて構成した場合には熱変形や割れ等の損傷を生じやすく、寿命が短くなる問題がある。しかしながら本実施形態によれば、含浸電極体133は陰極先端13Aより後方に配置しているため損傷は問題とならないレベルに低減され、使用寿命が長い電極が得られる。
以上説明した第2の実施形態について、上記構成に限定されず、適宜変更が可能であることは言うまでもない。例えば、多孔質焼結体を構成する材料として、タングステンの他にモリブデン、タンタル、ニオブ等の高融点金属を用いても良いし、また多孔質焼結体に含浸する電子放射性物質としても、タングステン酸バリウムの他、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属の酸化物、あるいはそれらを組合せて用いても良い。
以上のように本願発明に係るフラッシュランプにおいては、主放電を発生する陰極基体の中心位置に、陰極基体よりも熱容量が小さいか若しくは熱伝導率が低い凸部を形成しているため、比較的低い電流値にシマー電流を設定しても凸部を安定して高温に維持することができ、当該凸部の先端にシマー放電発生部を形成することができる。また、シマー放電をアーク放電を維持することができる。そして、シマー電流発生部に易電子放射性物質を円滑に供給することができ、シマー放電を長時間に亘って安定的に維持することができる。
従って、主放電の位置を発光管の所定の位置、すなわち管軸上に規制することができ、主放電の大電流が発光管の管壁に近接して流れるようなことがなく、発光管の早期損傷を効果的に回避することができるようになる。
しかも、凸部の先端は、その先端が陰極基体の先端よりも後退した位置にあるため、主放電の発生時には当該シマー電流発生部が大電流パルスに曝されないため熱変形や割れ等の損傷を起こし難く、従ってシマー放電の位置を確実に所定の位置に維持することができる。
以下に本発明に係るフラッシュランプ点灯装置の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1及び図2の構成に従い、本発明に係るフラッシュランプを作製した。具体的仕様は下記の通りである。
陰極は実施形態1に係る構成と同様に製作した。すなわち、陰極の材質はタングステンに電子放射性物質としてのランタン酸化物(酸化ランタン;La)を微量混合して構成された高融点金属よりなり、かかる陰極の全長は9mmであり最大径部直径は9mm、陰極先端の最小径部の直径は3mmであった。また陰極先端に形成した有底穴の内径は1.5mmであり、その深さは3mm、また有底穴内に形成された凸部直径は0.3mm、その全長(すなわち有底穴底部から先端での長さ)は2.5mmであった。
フラッシュランプの発光管は略円筒形の合成石英ガラス製であり、発光管の内径は10mm、外径は13mmであった。かかる発光管の内部に常温換算でキセノンガス60kPaを封入すると共に、発光管の外壁には当該発光管に沿って軸方向にシマー放電開始用のトリガ電極をトリガ電極保持部材を介して固定した。
電極間距離は10mmであった。
この実施例1に係るフラッシュランプを図5で示した回路構成で点灯したところ、シマー電流値100mAにおいてシマー放電形態はアーク放電であり、シマー電流が陰極の凸部先端のシマー電流発生部に安定して維持されることが確認された。
シマー放電(予備放電)の状態でピーク電流値3kA、電流パルス幅40usにて主放電を発生させたところ、10万ショット以上点灯を繰返しても陰極の磨耗などの損傷がなく、また陰極スパッタ物質の発光管内壁付着による照度低下も確認されなかった。また、主放電が発光管の内壁に近付くこともなく、管軸の中心に形成されることが確認された。
〔比較例〕
陰極構成を図6(a)で示した、陰極先端に有底穴及び凸部がない形態のものを用いたことを除いて、上記実施例1と同じ構成のフラッシュランプを製作し、図5で示した点灯回路により点灯した。本比較例に係る陰極は直径9mm、陰極先端部直径3mm、陰極全長9mmであった。
上記実施例1と同様に点灯したものの、シマー放電形態をアーク放電に維持するためにはシマー電流値を3A以上に高く維持することが必要であった。このシマー電流値に対して、主放電ピーク電流値3kA、電流パルス幅40usにて駆動したところ、1000ショット点灯するまでの間に損傷を受けてスパッタが生じ、発光管の内壁に付着物が確認された。この結果、波長300nm以下のUV照度が50%以下となってしまった。このように、従来技術にかかる図6(a)の陰極においては陰極先端がシマー電流の熱及び主放電パルスの大電流によって損傷を受けてフラッシュランプの寿命が著しく短くなることが分かった。
本願発明の第1の実施形態に係るフラッシュランプの断面図である。 図1に記載の陰極側電極を拡大して示す断面図である。 (a)主放電非発生時(シマー放電のみ)の放電状態、(b)主放電発生時の放電状態をそれぞれ説明する図である。 本願発明の第2の実施形態に係るフラッシュランプの断面図である。 シマー電流発生回路を備えたフラッシュランプの点灯回路の一例である。 (a)(b)従来技術に係る電極構成を示す図である。
符号の説明
10 フラッシュランプ
11 発光管
12 電極(陽極)
13 電極(陰極)
13A 電極先端
131 有底穴
132 凸部
133 凸部
133A 含浸電極体
K シマー放電発生部
14,15 リード棒
16,17 シール部
18 トリガ電極
19 トリガ電極保持部材
20 シマー電流発生回路
21 直流電源
22 コンデンサ
22 パルストランス
23 シマー電流制御抵抗
30 主放電発生回路
31 充電用直流電源
32 充電制御用スイッチ
33 コンデンサ
34 放電制御用サイリスタ

Claims (4)

  1. 透光性材料からなる発光管と、陰極およびこれに対向する陽極を具備したフラッシュランプであって、
    前記陰極は、高融点金属よりなり先端に開口する有底穴が形成された主放電を発生する陰極基体と、
    前記陰極基体の有底穴の内部に配置されると共に該陰極基体よりも熱容量が小さいか若しくは熱伝導率が低くなるよう構成された凸部とを具備し、
    前記凸部の先端が陰極基体の先端よりも後方に位置されていることを特徴とするフラッシュランプ。
  2. 前記凸部が陰極基体の有底穴の内部に当該穴の底部から突出するように形成されると共に、当該凸部の外周面と前記有底穴の内周面との間に間隙が形成されることにより構成されてなることを特徴とする請求項1記載のフラッシュランプ。
  3. 前記凸部は、陰極基体の有底穴の内部に先端部が略凸状に形成された含浸電極体が埋設されることにより構成されてなることを特徴とする請求項1記載のフラッシュランプ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のフラッシュランプと、
    シマー電流発生用の直流電源を具備し当該直流電源からの電流を所定の値に制限してフラッシュランプに供給するシマー電流発生回路と、
    前記フラッシュランプに主放電を形成するパルス電流を印加する主放電回路とを備えてなることを特徴とするフラッシュランプ点灯装置。
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