JP2007287300A - 磁気記録媒体製造方法および磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体製造方法および磁気記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2007287300A
JP2007287300A JP2006262555A JP2006262555A JP2007287300A JP 2007287300 A JP2007287300 A JP 2007287300A JP 2006262555 A JP2006262555 A JP 2006262555A JP 2006262555 A JP2006262555 A JP 2006262555A JP 2007287300 A JP2007287300 A JP 2007287300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
magnetic
seed layer
layer
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006262555A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Iida
弘一 飯田
Kazuyuki Ozaki
一幸 尾崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2006262555A priority Critical patent/JP2007287300A/ja
Priority to US11/726,534 priority patent/US7588843B2/en
Publication of JP2007287300A publication Critical patent/JP2007287300A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/855Coating only part of a support with a magnetic layer
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent
    • G11B5/65Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition
    • G11B5/658Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition containing oxygen, e.g. molecular oxygen or magnetic oxide
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/7368Non-polymeric layer under the lowermost magnetic recording layer
    • G11B5/7379Seed layer, e.g. at least one non-magnetic layer is specifically adapted as a seed or seeding layer

Abstract

【課題】所定パターンの記録磁性部を記録層内に有し且つ記録面の平坦性の高い磁気記録媒体を効率よく製造するのに適した方法と、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有し且つ高い記録面平坦性を実現するのに適した磁気記録媒体とを提供する。
【解決手段】本発明の方法では、シード層14表面の部分領域を酸化状態とし、シード層14上に磁性材料を成膜することにより、シード層14表面の非酸化領域14a上にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部12Aと酸化領域14b上の非記録磁性部12Bとを有する記録層12を形成する。本発明の磁気記録媒体X1は、連続膜体である記録層12とシード層14の積層構造を含み、シード層14は、記録層12側表面に非酸化領域14aと酸化領域14bを有し、記録層12は、非酸化領域14a上にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部12Aと、酸化領域14b上の非記録磁性部12Bとを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有する磁気記録媒体を製造するための方法、および、そのような磁気記録媒体に関する。
ハードディスクなどの記憶装置を構成するための記録媒体として、磁気ディスク(磁気記録媒体)が知られている。磁気ディスクは、ディスク基板と所定の磁性構造を有する記録層とを含む積層構造を有する。コンピュータシステムにおける情報処理量の増大に伴い、磁気ディスクについては高記録密度化の要求が高まっている。
磁気ディスクへの情報記録に際しては、磁気ディスクの記録面に対して記録用の磁気ヘッドが近接配置(浮上配置)され、当該磁気ヘッドにより、記録層に対し、その保磁力より強い記録磁界が印加される。磁気ディスクに対して磁気ヘッドを相対移動させつつ磁気ヘッドからの記録磁界の向きを順次反転させることにより、記録層の情報トラックにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。このとき、記録磁界方向を反転させるタイミングが制御されることにより、各々に所定の長さで記録マークが形成される。このようにして、記録層において、磁化方向の変化として所定の信号ないし情報が記録される。
また、磁気ディスクの技術分野においては、高記録密度化を図るのに好ましい媒体として、いわゆるディスクリートトラックメディア(DTM)やパターンドメディア(PM)など、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有する磁気ディスクが知られている。このような磁気ディスクについては、例えば下記の特許文献1〜3に記載されている。
特開2005−71467号公報 特開2005−166115号公報 特開2005−293730号公報
図21および図22は、DTMである従来の磁気ディスク40を表す。図21は、磁気ディスク40の平面図であり、図22は、磁気ディスク40のディスク径方向に沿った部分拡大断面図である。
磁気ディスク40は、ディスク基板41、記録層42、および保護層43(図21では図示略)からなる積層構造を有する。記録層42は、複数の記録磁性部42Aと複数の非磁性部42Bとからなる。記録磁性部42Aは、図21にて一部を模式的に太線で示すように磁気ディスク40の回転軸心A’を共通中心としてディスク基板41上にて同心円状に配置され、情報トラックを構成する。非磁性部42Bは、記録磁性部42A間に介在する。保護層43の露出面は磁気ディスク40の記録面44をなす。
このような磁気ディスク40への情報記録時には、磁気ディスク40の記録面44に対して記録用の磁気ヘッドが浮上配置され、当該磁気ヘッドによる記録磁界の印加によって、記録層42の一の記録磁性部42Aにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。
図23および図24は、従来の磁気ディスク40の製造方法を表す。磁気ディスク40の製造においては、まず、図23(a)に示すように、例えばスパッタリング法により、ディスク基板41上に所定の磁性材料が成膜されることによって磁性膜42A’が形成される。次に、図23(b)に示すように、磁性膜42A’上にフォトレジスト膜51が形成される。次に、図23(c)に示すように、リソグラフィ法により、フォトレジスト膜51からレジストパターン52が形成される。レジストパターン52は、上述の非磁性部42Bのパターン形状に対応する開口部52aを有する。当該リソグラフィ法においては、具体的には、所定装置によって所定パターン(潜像)がフォトレジスト膜51に露光形成された後、当該フォトレジスト膜51に現像処理が施される。このようにして、磁性膜42A’上にレジストパターン52が形成される。この後、図23(d)に示すように、レジストパターン52がマスクとして利用されて、磁性膜42A’に対して所定のエッチングが施され、上述の記録磁性部42Aがパターン形成される。
磁気ディスク40の製造においては、次に、図24(a)に示すようにレジストパターン52が除去される。次に、図24(b)に示すように非磁性材料42B’が堆積される。具体的には、例えばスパッタリング法により、記録磁性部42A間の隙間および記録磁性部42A上に非磁性材料42B’が堆積される。次に、図24(c)に示すように、堆積された非磁性材料42B’において記録磁性部42A間の隙間にない過剰部分を、例えば機械的研磨により除去する。本工程により、非磁性部42B’が形成され、記録層42が形成されることとなる。この後、図24(d)に示すように、例えばCVD法やスパッタリング法により記録層42上に所定材料が成膜されることによって保護層43が形成される。以上のようにして、所定パターンの記録磁性部42Aを記録層42内に有する磁気ディスク40が製造される。
本方法によると、記録面44において充分な平坦性を得ることが困難である。本方法では、図23(d)を参照して上述したように、磁性膜42A’に対するエッチングにより記録磁性部42Aがパターン形成された後、図24(b)に示すように、記録磁性部42A間の隙間を充填すべく非磁性材料42B’が堆積され、そして、図24(c)に示すように、非磁性材料42B’における過剰部分が機械的加工手法により除去されて記録層42が形成される。このような過程を経て形成される非連続膜体である記録層42の図中上面については、充分な平坦性を得ることが困難であり、従って、記録層42の表面平坦性が反映される記録面44において充分な平坦性を得ることは困難なのである。
一般に、磁気ディスクないしその記録層における面内記録密度が大きいほど、情報記録再生時に磁気ディスクに対して浮上配置される磁気ヘッドについては、より小さな浮上量(磁気ヘッドと記録面の間の距離)が要求される傾向にあるところ、小さな浮上量にて磁気ヘッドが適切に動作するためには、磁気ディスクの記録面は充分に平坦でなければならない。要求される浮上量が小さいほど(即ち、磁気ディスクの面内記録密度が大きいほど)、記録面に求められる平坦性は高くなる傾向にある。
しかしながら、上述の従来の方法によると、記録層42ないし記録面44において充分な平坦性を得ることは困難である。このような方法により得られる磁気ディスク40は、磁気ヘッドの低浮上量化を図るうえで好ましくなく、従って、高記録密度化を図るうえで好ましくない。
また、上述の従来の方法は、製造効率の観点から磁気ディスク40の量産に適さない。この方法では、図23(a)を参照して上述した磁性膜42A’の形成に際しても、図24(b)を参照して上述した非磁性材料42B’の堆積に際しても、図24(d)を参照して上述した保護層43の形成に際しても、所定のチャンバ内にて、当該チャンバ内を所定の真空度とした状態で、所定の薄膜形成プロセスが実行される。一方、この方法では、図23(d)を参照して上述したように磁性膜42A’から記録磁性部42Aをパターン形成するにあたり、フォトレジスト膜51をパターニングし、更に、磁性膜42A’をエッチングによりパターニングする必要があるところ、これらプロセスを実行するためには、チャンバ内において真空下で磁性膜42A’を形成した後、加工対象物を当該チャンバ内から取り出す必要がある。また、この方法では、図24(c)を参照して上述したように非磁性材料42B’における過剰部分を除去するにあたり、研磨装置を使用する必要があるところ、そのためには、チャンバ内において真空下で非磁性材料42B’を堆積させた後、加工対象物を当該チャンバ内から取り出す必要がある。このように、上述の従来の方法では、製造ラインにおける磁性膜42A’の形成工程と非磁性材料42B’の堆積工程との間、および、当該堆積工程と保護層43の形成工程との間で、各々、チャンバ内から加工対象物を取り出さなければならない(即ち、これら一連の工程をインライン化できない)。これら一連の工程をインライン化できないこのような方法は、磁気ディスク40の量産化を図るうえで好ましくない。
加えて、図24(b)を参照して上述した工程では非磁性材料42B’を比較的多量に堆積させる必要があること、および、図24(c)を参照して上述した工程では、記録磁性部42Aの上面に至った時点を検知してその時点で機械的研磨を停止させることに、高度の技術的困難性を伴うことからも、上述の従来の方法は、磁気ディスク40の量産化を図るのに適さない。
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有し且つ記録面の平坦性の高い磁気記録媒体を効率よく製造するのに適した方法、および、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有し且つ高い記録面平坦性を実現するのに適した磁気記録媒体を、提供することを目的とする。
本発明の第1の側面によると磁気記録媒体製造方法が提供される。本方法は、シード層を形成する工程(シード層形成工程)と、シード層の表面の部分領域を酸化する工程(パターン酸化工程)と、シード層上に磁性材料を成長させることにより、シード層表面の非酸化領域上にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、シード層表面の酸化領域上の非記録磁性部、を有する記録層を形成する工程(記録層形成工程)とを含む。本発明におけるシード層は、その非酸化素地上に所定の磁性材料がエピタキシャル成長して形成される磁性膜の結晶面との格子整合をとることによって当該磁性膜の磁化容易軸をその膜面に対して垂直な方向に制御することが可能な結晶面ないし結晶構造を、層表面に形成し得る材料よりなる。記録層が例えば六方最密構造をなす磁性材料よりなる場合、シード層は、当該六方最密構造の結晶面との格子整合をとることによって当該六方最密構造の例えばc軸を垂直方向に制御することが可能な結晶面ないし結晶構造を、層表面に形成し得る材料よりなる。記録層が、六方最密構造をなす磁性材料よりなる場合、シード層も、六方最密構造をなす材料よりなるのが好ましい。
本方法におけるシード層形成工程では、シード層を、記録層を構成するための磁性材料からなる磁性膜の磁化容易軸を垂直方向に配向せしめるための結晶面ないし結晶構造を層表面に有するように、形成することができる。パターン酸化工程では、シード層表面における所定パターンの部分領域を(即ち、シード層表面を所定パターンで)酸化することができ、従って、シード層表面に、所定パターンの酸化領域と所定パターンの非酸化領域とを設けることができる。そして、記録層形成工程にて、そのようなシード層上に磁性材料を成長させることにより、記録磁性部と非記録磁性部とを有する上述の記録層を形成することができる。記録層形成工程におけるシード層表面の非酸化領域上では、磁性材料がシード層素地の結晶面との格子整合をとりつつエピタキシャル成長し、磁性膜の磁化容易軸が垂直方向に配向するように制御され、垂直磁気異方性を有する記録磁性部が形成される。また、記録層形成工程におけるシード層表面の酸化領域上では、シード層素地の結晶面との格子整合が酸化被膜により阻まれた磁性材料がランダム成長(非エピタキシャル成長)し、内部で複数の磁化容易軸がランダムに配向する(従って垂直磁気異方性を有しない)非記録磁性部が形成される。また、本方法においては、このような記録磁性部および非記録磁性部を有する記録層を、スパッタリング法などのいわゆる薄膜形成技術により連続膜体として形成することができる。薄膜形成技術により形成される連続膜体においては、上述の従来の磁気ディスク40における記録層42のような非連続膜体におけるよりも、小さな表面凹凸すなわち高い表面平坦性を、達成しやすい。したがって、本方法は、記録層の表面平坦性が反映される記録面において充分な平坦性を得るのに適する。このように、本発明の第1の側面に係る磁気記録媒体製造方法は、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有し且つ記録面の平坦性の高い磁気記録媒体を製造するのに、適する。記録面の平坦性の高い磁気記録媒体は、磁気ヘッドの低浮上量化を図るうえで好ましく、従って、高記録密度化を図るうえで好ましい。
加えて、本方法はインライン化しやすい。本方法におけるシード層形成工程および記録層形成工程では、所定のチャンバ内にて、当該チャンバ内を所定の真空度とした状態で、所定の薄膜形成プロセスが実行される。シード層形成工程と記録層形成工程との間のパターン酸化工程は、シード層形成工程を経た加工対象物における当該シード層表面を部分的に酸素に曝露することにより、或は、シード層形成工程を経た加工対象物における当該シード層表面の全体を酸素に曝露した後に当該シード層酸化表面を部分的に還元することにより、或は、シード層形成工程を経た加工対象物における当該シード層表面に対して部分的に酸素供給物質(固体)を当接させて当該当接領域を酸化させることにより、実施することができる。このようなパターン酸化工程のプロセスは、チャンバ内にてシード層形成工程に続いて実施することができ、且つ、当該チャンバ内では、パターン酸化工程に続いて記録層形成工程を実施することができる。そのため、本方法では、シード層形成工程から記録層形成工程までの間においてチャンバ内から加工対象物を取り出す必要はなく、シード層形成工程から記録層形成工程までの一連の工程をインライン化することが可能である。したがって、本方法は、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有する磁気記録媒体を、効率よく製造するのに適する。
以上のように、本発明の第1の側面に係る磁気記録媒体製造方法は、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有し且つ記録面の平坦性の高い磁気記録媒体を、効率よく製造するのに適するのである。
本発明の第2の側面によると別の磁気記録媒体製造方法が提供される。本方法は、プレシード層を形成する工程(プレシード層形成工程)と、プレシード層の表面の部分領域を酸化する工程(パターン酸化工程)と、プレシード層上にシード層を形成する工程(シード層形成工程)と、シード層上に磁性材料を成長させることにより、プレシード層表面の非酸化領域に対応する位置にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、プレシード層表面の酸化領域に対応して位置する非記録磁性部、を有する記録層を形成する工程(記録層形成工程)とを含む。本発明におけるプレシード層は、その非酸化素地上に所定の材料が成長して形成される材料膜の結晶面の方位を所定方向に方向付けるためのものである。また、本発明におけるプレシード層は、これが積層される下位の層(例えば軟磁性層)の結晶構造がシード層の結晶構造ないし磁化容易軸の配向に不当な影響を与えてしまうのを防止する機能をも併せて担うことができる。特にこの機能の観点からは、プレシード層は非晶質材料よりなるのが好ましい。
本方法におけるプレシード層形成工程では、プレシード層を、シード層を構成するための材料からなる材料膜の結晶面の方位を所定方向に方向付けるための組織を少なくとも層表面に有するように、形成することができる。パターン酸化工程では、プレシード層表面における所定パターンの部分領域を(即ち、プレシード層表面を所定パターンで)酸化することができ、従って、プレシード層表面に、所定パターンの酸化領域と所定パターンの非酸化領域とを設けることができる。シード層形成工程では、プレシード層表面の酸化領域および非酸化領域のパターンが反映されて層表面の結晶面の方位について所定パターンを有するシード層を、形成することができる。具体的には、プレシード層表面の非酸化領域上ではシード層材料が結晶面をそろえて整合よく成長しやすいのに対し、プレシード層表面の酸化領域上ではシード層材料が結晶面をそろえて整合よく成長しにくいことを利用して、シード層形成工程では、シード層表面に、記録層を構成するための磁性材料からなる磁性膜の磁化容易軸を垂直方向に配向せしめる結晶面ないし結晶構造を有する第1領域(プレシード層表面の非酸化領域が反映された領域)と、記録層を構成するための磁性材料からなる磁性膜の磁化容易軸を垂直方向に配向せしめることができない第2領域(プレシード層表面の酸化領域が反映された領域)とを、生じさせることができる。そして、記録層形成工程にて、そのようなシード層上に磁性材料を成長させることにより、記録磁性部と非記録磁性部とを有する上述の記録層を形成することができる。記録層形成工程におけるシード層表面の第1領域上では(即ち、プレシード層表面の非酸化領域に対応する位置では)、磁性材料がシード層素地の結晶面との格子整合をとりつつエピタキシャル成長し、磁性膜の磁化容易軸が垂直方向に配向するように制御され、垂直磁気異方性を有する記録磁性部が形成される。また、記録層形成工程におけるシード層表面の第2領域上では(即ち、プレシード層表面の酸化領域に対応する位置では)、磁性材料がランダム成長(非エピタキシャル成長)し、内部で複数の磁化容易軸がランダムに配向する(従って垂直磁気異方性を有しない)非記録磁性部が形成される。また、本方法においては、このような記録磁性部および非記録磁性部を有する記録層を、スパッタリング法などのいわゆる薄膜形成技術により連続膜体として形成することができる。薄膜形成技術により形成される連続膜体においては、上述の従来の磁気ディスク40における記録層42のような非連続膜体におけるよりも、小さな表面凹凸すなわち高い表面平坦性を、達成しやすい。したがって、本方法は、記録層の表面平坦性が反映される記録面において充分な平坦性を得るのに適する。このように、本発明の第2の側面に係る磁気記録媒体製造方法は、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有し且つ記録面の平坦性の高い磁気記録媒体を製造するのに、適する。記録面の平坦性の高い磁気記録媒体は、磁気ヘッドの低浮上量化を図るうえで好ましく、従って、高記録密度化を図るうえで好ましい。
加えて、本方法はインライン化しやすい。本方法におけるプレシード層形成工程、シード層形成工程、および記録層形成工程では、所定のチャンバ内にて、当該チャンバ内を所定の真空度とした状態で、所定の薄膜形成プロセスが実行される。プレシード層形成工程とシード層形成工程との間のパターン酸化工程は、プレシード層形成工程を経た加工対象物における当該プレシード層表面を部分的に酸素に曝露することにより、或は、プレシード層形成工程を経た加工対象物における当該プレシード層表面の全体を酸素に曝露した後に当該プレシード層酸化表面を部分的に還元することにより、或は、プレシード層形成工程を経た加工対象物における当該プレシード層表面に対して部分的に酸素供給物質(固体)を当接させて当該当接領域を酸化させることにより、実施することができる。このようなパターン酸化工程のプロセスは、チャンバ内にてプレシード層形成工程に続いて実施することができ、且つ、当該チャンバ内では、パターン酸化工程に続いてシード層形成工程を実施することができる。そのため、本方法では、プレシード層形成工程から記録層形成工程までの間においてチャンバ内から加工対象物を取り出す必要はなく、プレシード層形成工程から記録層形成工程までの一連の工程をインライン化することが可能である。したがって、本方法は、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有する磁気記録媒体を、効率よく製造するのに適する。
以上のように、本発明の第2の側面に係る磁気記録媒体製造方法は、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有し且つ記録面の平坦性の高い磁気記録媒体を、効率よく製造するのに適するのである。
本発明の第3の側面によると磁気記録媒体が提供される。この磁気記録媒体は、連続膜体である記録層およびシード層からなる積層構造を含む。シード層は、記録層の側の表面に酸化領域および非酸化領域を有する。記録層は、シード層表面の非酸化領域上に対応する位置にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、シード層表面の酸化領域上に対応して位置する非記録磁性部を有する。
本磁気記録媒体は、本発明の第1の側面に係る磁気記録媒体製造方法によって製造することができる。本磁気記録媒体の製造過程においては、本発明の第1の側面に関して上述した技術的利益を享受することが可能であり、従って、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有する本磁気記録媒体は、高い記録面平坦性を実現するのに適している。
本発明の第4の側面によると別の磁気記録媒体が提供される。この磁気記録媒体は、連続膜体である記録層と、プレシード層と、当該記録層およびプレシード層の間のシード層とからなる積層構造を含む。プレシード層は、シード層の側の表面に酸化領域および非酸化領域を有する。記録層は、プレシード層表面の非酸化領域に対応する位置にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、プレシード層表面の酸化領域に対応して位置する非記録磁性部を有する。
本磁気記録媒体は、本発明の第2の側面に係る磁気記録媒体製造方法によって製造することができる。本磁気記録媒体の製造過程においては、本発明の第2の側面に関して上述した技術的利益を享受することが可能であり、従って、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有する本磁気記録媒体は、高い記録面平坦性を実現するのに適している。
本発明における記録層は、好ましくは、Coを含む磁性材料よりなり、より好ましくは、CoCrPt−SiO2、CoCr−SiO2、またはCoPt−SiO2よりなる。これら材料によると、六方最密構造の記録層を形成することができる。
本発明におけるシード層は、好ましくは、Ru、Pt、Pd、およびTiからなる群より選択される単体金属、または、当該金属を含む合金よりなる。これら材料は、記録層の六方最密構造の結晶面との格子整合をとることによって当該六方最密構造のc軸を垂直方向に制御することが可能な結晶面ないし結晶構造を、層表面に形成し得る。シード層材料としてこれらを採用する場合、本発明の第2および第4の側面におけるプレシード層は、Ta、Pt、Ni、Fe、Ti、W、Mo、B、C、Si、およびGeからなる群より選択される単体、または、当該化学種を含む化合物よりなるのが好ましい。
本発明における非記録磁性部は、好ましくは面内磁気異方性を有する。このような構成は、本発明に係る垂直磁気記録方式の磁気記録媒体の再生時において、非記録磁性部に由来する磁束が磁気ヘッドの再生信号検出部または再生用磁気ヘッドによって検出されてしまうのを抑制してノイズを抑制するうえで、好ましい。
図1および図2は、本発明の第1の実施形態に係る磁気ディスクX1を表す。図1は、磁気ディスクX1の平面図であり、図2は、図1の磁気ディスクX1のディスク径方向に沿った部分拡大断面図である。
磁気ディスクX1は、ディスク基板11、記録層12、軟磁性層13、シード層14、および保護層15(図1では図示略)を含む積層構造を有し、ディスクリートトラックメディアとして構成されたものである。
ディスク基板11は、主に、磁気ディスクX1の剛性を確保するための部位であり、例えば、アルミニウム合金、ガラス、または樹脂よりなる。
記録層12は、図2に示すように、複数の記録磁性部12Aおよび複数の非記録磁性部12Bを有する。記録磁性部12Aは、図1にて一部を模式的に太線で示すように磁気ディスクX1の回転軸心Aを共通中心として同心円状に配置され、垂直磁気異方性を有して情報トラックを構成する。非記録磁性部12Bは、ランダム磁化状態にあって、記録磁性部12A間に介在する。記録層12は、連続膜体であり、従って、記録磁性部12Aおよび非記録磁性部12Bは共に同一材料よりなる。記録層12の構成材料としては、主成分としてCoを含む磁性材料を採用するのが好ましい。そのような磁性材料としては、例えば、CoCrPt−SiO2、CoCr−SiO2、およびCoPt−SiO2を挙げることができる。これら磁性材料は、六方最密構造の結晶構造をとり得る。また、これら磁性材料は、垂直磁気異方性を有するグラニュラ構造をとり得る。記録層12の厚さは例えば5〜50nmであり、記録磁性部12Aの幅は例えば30〜200nmであり、非記録磁性部12Bの幅は例えば20〜100nmである。
軟磁性層13は、記録時等に稼働する磁気ヘッドからの磁束を再び当該磁気ヘッドに還流させる磁路をディスク内に効率よく形成するためのものであり、高透磁率を有して大きな飽和磁化を有するとともに小さな保磁力を有する軟磁性材料よりなる。軟磁性層13を構成するための軟磁性材料としては、例えば、CoZrNb、FeC、FeNi、FeCoB、FeCoSiC、およびFeCo−AlOが挙げられる。軟磁性層13の厚さは例えば20〜200nmである。
シード層14は、記録層12の側の表面にて非酸化領域14aおよび酸化領域14bを有して、記録層12の各所の磁化状態を制御するためのものである。具体的には、シード層14は、その非酸化素地上に所定の磁性材料がエピタキシャル成長して形成される磁性膜の結晶面との格子整合をとることによって当該磁性膜の磁化容易軸をその膜面に対して垂直な方向に制御することが可能な結晶面ないし結晶構造を、層表面に形成し得る材料よりなる。記録層12が例えば六方最密構造をなす磁性材料よりなる場合、シード層14は、当該六方最密構造の結晶面との格子整合をとることによって当該六方最密構造の例えばc軸を垂直方向に制御することが可能な結晶面ないし結晶構造を、層表面に形成し得る材料よりなる。シード層14を構成する材料としては、例えば、Ru、Pt、Pd、およびTiからなる群より選択される単体金属、または、当該金属を含む合金を採用することができる。非酸化領域14aは、記録層12の記録磁性部12Aに対応したパターン形状を有し、酸化領域14bは非記録磁性部12Bに対応したパターン形状を有する。すなわち、記録層12の記録磁性部12Aは非酸化領域14a上に位置し、非記録磁性部12Bは酸化領域14b上に位置する。このようなシード層14の厚さは例えば10〜50nmである。
保護層15は、記録層12や軟磁性層13などを外界から物理的および化学的に保護するための部位であり、例えば、SiN、SiO2、またはダイアモンドライクカーボンよりなる。保護層15の露出面は磁気ディスクX1の記録面16をなす。
以上のようなディスク基板11、記録層12、軟磁性層13、シード層14、および保護層15を含む磁気ディスクX1の積層構造中には、必要に応じて他の層が含まれてもよい。
このような磁気ディスクX1の情報記録時には、磁気ディスクX1の記録面16に対して記録用の磁気ヘッド(図示略)が浮上配置され、当該磁気ヘッドによる記録磁界の印加によって、記録層12の一の記録磁性部12Aにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。このとき、情報記録進行中であって磁界が順次印加される記録磁性部12Aと、これの隣りの記録磁性部12Aとが、非記録磁性部12Bにより分断されているため、当該隣りの記録磁性部12Aの記録マークが消失ないし劣化するというクロスライト現象が抑制される。クロスライト現象が抑制される磁気ディスクは、トラックの狭ピッチ化ないし高記録密度化を図るうえで、好ましい。
図3および図4は、磁気ディスクX1を製造するための第1の方法を表す。本方法においては、まず、図3(a)に示すように、ディスク基板11上に軟磁性層13を形成する。軟磁性層13の形成においては、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、ディスク基板11上に上述の軟磁性材料を成膜する。
本方法においては、次に、図3(b)に示すように、軟磁性層13上にシード層14’を形成する。シード層14’の形成においては、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、シード層14に関して上述した構成材料を軟磁性層13上に成膜する。本工程では、シード層14’は、上述の記録層12を構成する磁性材料からなる磁性膜の磁化容易軸を垂直方向に配向せしめるための結晶面ないし結晶構造を層表面に有するように、形成される。
本方法においては、次に、図3(c)に示すように、所定の真空度下において、マスク21をシード層14’に対して密着させる。マスク21は、本体21Aおよびガス透過膜21Bよりなり、本工程では、本体21Aがシード層14’に対して密着される。本体21Aは、シード層14の上述の酸化領域14bのパターン形状に対応した開口部21aを有し、酸素非透過性の材料よりなる。当該酸素非透過性材料としては、例えば、SiO2
、SiC、Si、W、またはダイアモンドを採用することができる。ガス透過膜21Bを構成する材料としては、例えばYSZ(イットリア安定化ジルコニア単結晶)やポリカーボネートを採用することができる。
本方法においては、次に、図3(d)に示すように、酸素曝露により、シード層14’表面においてマスク21の本体21Aが密着していない領域を酸化し、酸化領域14bを形成する(パターン酸化工程)。本工程では、酸素が、マスク21のガス透過膜21Bを透過し、シード層14’表面においてマスク21の本体21Aが密着していない領域に作用して酸化する。シード層14’表面において本体21Aが密着している領域は、酸化作用を受けず、非酸化状態を維持する。このような本工程により、所定パターンの非酸化領域14aおよび所定パターンの酸化領域14bを有するシード層14を形成することができる。
本方法においては、次に、前工程の酸素を充分に除去した所定の真空度下において、図4(a)に示すようにマスク21を取り外す。次に、図4(b)に示すように、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、記録層12に関して上述した磁性材料をシード層14上に成膜することによって記録層12を形成する。本工程において、シード層14表面の非酸化領域14a上では、磁性材料がシード層14素地の結晶面との格子整合をとりつつエピタキシャル成長し、磁性膜の磁化容易軸が垂直方向に配向するように制御され、垂直磁気異方性を有する記録磁性部12Aが形成される。これとともに、シード層14表面の酸化領域14b上では、シード層14素地の結晶面との格子整合が酸化被膜により阻まれた磁性材料がランダム成長(非エピタキシャル成長)し、内部で複数の磁化容易軸がランダムに配向する非記録磁性部12Bが形成される。
本方法においては、次に、図4(c)に示すように、記録層12上に保護層15を形成する。保護層15の形成においては、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、保護層15に関して上述した構成材料を記録層12上に成膜する。以上のようにして、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX1を製造することができる。
本方法においては、図4(b)を参照して上述したように、表面に非酸化領域14aおよび酸化領域14bを有するシード層14上に磁性材料を成膜することによって、所定パターンの記録磁性部12Aを内部に有する記録層12を形成することができる。また、このような記録層12は、スパッタリング法などのいわゆる薄膜形成技術により連続膜体として形成することができる。薄膜形成技術により形成される連続膜体においては、上述の従来の磁気ディスク40における記録層42のような非連続膜体におけるよりも、小さな表面凹凸すなわち高い表面平坦性を、達成しやすい。したがって、本方法は、記録層12の表面平坦性が反映される記録面16において充分な平坦性を得るのに適する。このように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気記録媒体を製造するのに、適する。記録面の平坦性の高い磁気記録媒体は、磁気ヘッドの低浮上量化を図るうえで好ましく、従って、高記録密度化を図るうえで好ましい。
加えて、本方法はインライン化しやすい。図3(b)を参照して上述したシード層14’の形成工程、および、図4(b)を参照して上述した記録層12の形成工程では、所定のチャンバ内にて、当該チャンバ内を所定の真空度とした状態で、所定の薄膜形成プロセスが実行される。一方、シード層14’形成工程と記録層12形成工程との間の、図3(c)から図4(a)を参照して上述した一連の工程は、チャンバ内にてシード層14’形成工程に続いて実施することができ、且つ、当該チャンバ内では、当該一連の工程に続いて記録層12形成工程を実施することができる。このような本方法では、シード層14’形成工程から記録層12形成工程までの間においてチャンバ内から加工対象物を取り出す必要はなく、少なくとも、シード層14’形成工程から記録層12形成工程までの一連の工程を、インライン化することが可能である。したがって、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX1を、効率よく製造するのに適する。
以上のように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気ディスクX1を、効率よく製造するのに適するのである。
図5および図6は、磁気ディスクX1を製造するための第2の方法を表す。本方法においては、まず、図5(a)に示すように、ディスク基板11上に軟磁性層13およびシード層14’を順次形成する。軟磁性層13およびシード層14’の形成手法ならびにシード層14’の構成は、第1の方法において上述したのと同様である。
本方法においては、次に、図5(b)に示すように、酸素曝露により、シード層14’の露出面全体を酸化し、酸化被膜14b’を形成する。
次に、図5(c)に示すように、所定の真空度下において、マスク22をシード層14’ないし酸化被膜14b’に対して密着させる。マスク22は、本体22Aおよびガス透過膜22Bよりなり、本工程では、本体22Aがシード層14’ないし酸化被膜14b’に対して密着される。本体22Aは、シード層14の上述の非酸化領域14aのパターン形状に対応する開口部22aを有し、本実施形態では、水素ガス非透過性の材料よりなる。ガス透過膜22Bは、本実施形態では、水素ガス透過性の材料よりなる。当該水素ガス透過性材料としては、例えばPd−Ag合金を挙げることができる。
本方法においては、次に、図5(d)に示すように、水素(還元ガス)への曝露により、シード層14’表面(酸化被膜14b’)においてマスク22の本体22Aが密着していない領域を還元し、非酸化領域14aを形成する。本工程は、必要に応じて加熱条件下で行う。加熱温度は例えば200〜500℃である。本工程では、水素が、マスク22のガス透過膜22Bを透過し、シード層14’(酸化被膜14b’)表面においてマスク22の本体22Aが密着していない領域に作用して還元する。シード層14’表面において本体22Aが密着している領域は、還元作用を受けず、酸化状態を維持する。このような本工程により、所定パターンの非酸化領域14aおよび所定パターンの酸化領域14bを有するシード層14を形成することができる。
本方法においては、次に、前工程の水素を充分に除去した所定の真空度下において、図6(a)に示すようにマスク22を取り外す。次に、図6(b)に示すように、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、記録層12を形成する。記録層12の形成については、第1の方法における記録層12の形成に関して図4(b)を参照して上述したのと同様である。次に、図6(c)に示すように、記録層12上に保護層15を形成する。保護層15の形成手法は、図4(c)を参照して第1の方法において上述したのと同様である。以上のようにして、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX1を製造することができる。
本方法においては、図6(b)を参照して上述したように、表面に非酸化領域14aおよび酸化領域14bを有するシード層14上に磁性材料を成膜することによって、所定パターンの記録磁性部12Aを内部に有する記録層12を形成することができる。また、このような記録層12は、スパッタリング法などのいわゆる薄膜形成技術により連続膜体として形成することができる。薄膜形成技術により形成される連続膜体においては、上述の従来の磁気ディスク40における記録層42のような非連続膜体におけるよりも、小さな表面凹凸すなわち高い表面平坦性を、達成しやすい。したがって、本方法は、記録層12の表面平坦性が反映される記録面16において充分な平坦性を得るのに適する。このように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気記録媒体を製造するのに、適する。記録面の平坦性の高い磁気記録媒体は、磁気ヘッドの低浮上量化を図るうえで好ましく、従って、高記録密度化を図るうえで好ましい。
加えて、本方法はインライン化しやすい。図5(a)を参照して上述したシード層14’の形成工程、および、図6(b)を参照して上述した記録層12の形成工程では、所定のチャンバ内にて、当該チャンバ内を所定の真空度とした状態で、所定の薄膜形成プロセスが実行される。一方、シード層14’形成工程と記録層12形成工程との間の、図5(b)から図6(a)を参照して上述した一連の工程は、チャンバ内にてシード層14’形成工程に続いて実施することができ、且つ、当該チャンバ内では、当該一連の工程に続いて記録層12形成工程を実施することができる。このような本方法では、シード層14’形成工程から記録層12形成工程までの間においてチャンバ内から加工対象物を取り出す必要はなく、少なくとも、シード層14’形成工程から記録層12形成工程までの一連の工程を、インライン化することが可能である。したがって、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX1を、効率よく製造するのに適する。
以上のように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気ディスクX1を、効率よく製造するのに適するのである。
図7および図8は、磁気ディスクX1を製造するための第3の方法を表す。本方法においては、まず、図7(a)に示すように、ディスク基板11上に軟磁性層13およびシード層14’を順次形成する。軟磁性層13およびシード層14’の形成手法ならびにシード層14’の構成は、第1の方法において上述したのと同様である。
本方法においては、次に、図7(b)に示すように、基材23をシード層14’に押し当てる。基材23は、凸部23aを有し、例えばNiやNi合金よりなる。凸部23aは、シード層14の上述の酸化領域14bに対応したパターン形状を有する。少なくとも凸部23aの先端には、酸素供給体24(固体)が被着形成されている。酸素供給体24は、例えば、Y23(酸化イットリウム−イットリア)、TiO2(酸化チタン)、またはPCMO(PrxCa1-xMnO3)などの過飽和状態の金属酸化物よりなり、スパッタリング法により基材23表面上に成膜されたものである。本工程では、凸部23aの先端に形成された酸素供給体24を、位置合わせしつつ、シード層14’に対して当接させる。
本方法においては、次に、図7(c)に示すように、シード層14’および基材23の間に所定の大きさの電圧を印加することにより、シード層14’表面において酸素供給体24が当接している領域を酸化し、酸化領域14bを形成する(パターン酸化工程)。本工程では、基材23の凸部23aとシード層14’との間に介在する酸素供給体24においては、基材23から電子の供給を受けて酸素イオン(O2-)が生じ、当該酸素イオンがシード層14’に向かって移動する。シード層14’表面においては、酸素供給体24と当接する領域に酸素イオンが取り込まれて酸化する。シード層14’表面において酸素供給体24と当接していない領域は、酸化作用を受けず、非酸化状態を維持する。このような本工程により、所定パターンの非酸化領域14aおよび所定パターンの酸化領域14bを有するシード層14を形成することができる。
本方法の図7(b)を参照して上述した工程では、酸素供給体24として、過飽和金属酸化物により構成されたものに代えて、固体電解質や酸化性固体により構成されたものを用いてもよい。酸素供給体24を構成する固体電解質としては、例えばYSZ(イットリア安定化ジルコニア)やZrO2(酸化ジルコニウム)を採用することができる。また、酸素供給体24を構成する酸化性固体としては、例えばNaClO3(塩素酸ナトリウム)を採用することができる。酸素供給体24として固体電解質を用いる場合、シード層14’表面に酸化領域14bを形成する際に、シード層14’と基材23との間に電圧を印加し、必要に応じて加熱条件下で行う。加熱温度は、例えば250〜800℃である。シード層14’表面においては、酸素供給体24と当接する領域に酸素イオンが取り込まれて酸化する。一方、酸化性固体は酸化力が非常に強いので、酸素供給体24として酸化性固体を用いる場合、酸素供給体24をシード層14’に当接させるだけで当該当接領域が酸化する。したがって、この場合、シード層14’表面に酸化領域14bを形成する際に、電圧印加や加熱などの処理は不要である。
本方法においては、次に、図8(a)に示すように基材23を取り外し、図8(b)に示すように、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、記録層12を形成する。記録層12の形成については、第1の方法における記録層12の形成に関して図4(b)を参照して上述したのと同様である。次に、図8(c)に示すように、記録層12上に保護層15を形成する。保護層15の形成手法は、図4(c)を参照して第1の方法において上述したのと同様である。以上のようにして、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX1を製造することができる。
本方法においては、図8(b)を参照して上述したように、表面に非酸化領域14aおよび酸化領域14bを有するシード層14上に磁性材料を成膜することによって、所定パターンの記録磁性部12Aを内部に有する記録層12を形成することができる。また、このような記録層12は、スパッタリング法などのいわゆる薄膜形成技術により連続膜体として形成することができる。薄膜形成技術により形成される連続膜体においては、上述の従来の磁気ディスク40における記録層42のような非連続膜体におけるよりも、小さな表面凹凸すなわち高い表面平坦性を、達成しやすい。したがって、本方法は、記録層12の表面平坦性が反映される記録面16において充分な平坦性を得るのに適する。このように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気記録媒体を製造するのに、適する。記録面の平坦性の高い磁気記録媒体は、磁気ヘッドの低浮上量化を図るうえで好ましく、従って、高記録密度化を図るうえで好ましい。
また、本方法では、非酸化領域14aおよび酸化領域14bを有するシード層14を形成するために用いられる基材23は、金属製であるため充分な剛性を確保することが可能である。このような基材23を用いることにより、非酸化領域14aおよび酸化領域14bは、比較的にその寸法精度が良好なものとなる。したがって、本方法によると、非酸化領域14a上および酸化領域14b上にそれぞれ形成される記録磁性部12Aおよび非記録磁性部12Bについても、その寸法精度が良好なものとすることができる。
加えて、本方法はインライン化しやすい。図7(a)を参照して上述したシード層14’の形成工程、および、図8(b)を参照して上述した記録層12の形成工程では、所定のチャンバ内にて、当該チャンバ内を所定の真空度とした状態で、所定の薄膜形成プロセスが実行される。一方、シード層14’形成工程と記録層12形成工程との間の、図7(b)から図8(a)を参照して上述した一連の工程は、チャンバ内にてシード層14’形成工程に続いて実施することができ、且つ、当該チャンバ内では、当該一連の工程に続いて記録層12形成工程を実施することができる。このような本方法では、シード層14’形成工程から記録層12形成工程までの間においてチャンバ内から加工対象物を取り出す必要はなく、少なくとも、シード層14’形成工程から記録層12形成工程までの一連の工程を、インライン化することが可能である。したがって、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX1を、効率よく製造するのに適する。
以上のように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気ディスクX1を、効率よく製造するのに適するのである。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る磁気ディスクX2のディスク径方向に沿った部分断面図である。磁気ディスクX2は、ディスク基板11、記録層12、軟磁性層13、プレシード層17、シード層14、および保護層15(図1では図示略)を含む積層構造を有し、ディスクリートトラックメディアとして構成されたものである。磁気ディスクX2は、軟磁性層13とシード層14の間にプレシード層17を追加的に有する点において、磁気ディスクX1と異なる。
プレシード層17は、シード層14の側の表面にて非酸化領域17aおよび酸化領域17bを有し、シード層14における非酸化領域17a上の箇所の結晶面の方位を所定方向に方向付けるためのものであり、また、軟磁性層13の結晶構造がシード層14の結晶構造ないし磁化容易軸の配向に不当な影響を与えてしまうのを防止すべく軟磁性層13とシード層14の間に設けられたものである。このようなプレシード層17は、好ましくは非晶質材料よりなる。プレシード層17を構成する材料としては、Ta、Pt、Ni、Fe、Ti、W、Mo、B、C、Si、およびGeからなる群より選択される単体、または、当該化学種を含む化合物を採用することができる。非酸化領域17aは、記録層12の記録磁性部12Aに対応したパターン形状を有し、酸化領域17bは非記録磁性部12Bに対応したパターン形状を有する。すなわち、記録層12の記録磁性部12Aは非酸化領域17aに対応して位置し、非記録磁性部12Bは酸化領域17b上に対応して位置する。プレシード層17の厚さは例えば0.5〜50nmである。このようなプレシード層17の採用により、シード層14を薄く設定することが可能であり、従って、プレシード層17の採用は、磁気ディスクX2の薄型化に資する。
図10および図11は、磁気ディスクX2を製造するための第1の方法を表す。本方法においては、まず、図10(a)に示すように、ディスク基板11上に軟磁性層13を形成する。軟磁性層13の形成においては、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、軟磁性層13に関して上述した構成材料をディスク基板11上に成膜する。
本方法においては、次に、図10(b)に示すように、軟磁性層13上にプレシード層17’を形成する。プレシード層17’の形成においては、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、プレシード層17に関して上述した構成材料を軟磁性層13上に成膜する。本工程では、プレシード層17’は、シード層14を構成するための材料からなる材料膜の結晶面の方位を所定方向に方向付けるための結晶面ないし結晶構造を少なくとも層表面に有するように、形成される。
本方法においては、次に、図10(c)に示すように、所定の真空度下において、マスク21をプレシード層17’に対して密着させる。このマスク21の構成は、磁気ディスクX1を製造するための第1の方法において図3(c)を参照して上述したのと同様である。
本方法においては、次に、図10(d)に示すように、酸素曝露により、プレシード層17’表面においてマスク21の本体21Aが密着していない領域を酸化し、酸化領域17bを形成する(パターン酸化工程)。本工程では、酸素が、マスク21のガス透過膜21Bを透過し、プレシード層17’表面においてマスク21の本体21Aが密着していない領域に作用して酸化する。プレシード層17’表面において本体21Aが密着している領域は、酸化作用を受けず、非酸化状態を維持する。このような本工程により、所定パターンの非酸化領域17aおよび所定パターンの酸化領域17bを有するプレシード層17を形成することができる。
本方法においては、次に、前工程の酸素を充分に除去した所定の真空度下において、図11(a)に示すようにマスク21を取り外す。次に、図11(b)に示すように、プレシード層17上にシード層14を形成する。シード層14の形成においては、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、シード層14に関して上述した構成材料をプレシード層17上に成膜する。本工程では、プレシード層17表面の非酸化領域17aおよび酸化領域17bのパターンが反映されて層表面の結晶面の方位について所定パターンを有するシード層14が形成される。具体的には、プレシード層17表面の非酸化領域17a上ではシード層材料が結晶面をそろえて整合よく成長しやすいのに対し、プレシード層17表面の酸化領域17b上ではシード層材料が結晶面をそろえて整合よく成長しにくいことを利用して、本工程では、シード層14表面に、記録層12を構成するための磁性材料からなる磁性膜の磁化容易軸を垂直方向に配向せしめる結晶面ないし結晶構造を有する第1領域(プレシード層17表面の非酸化領域17aが反映された領域)と、記録層12を構成するための磁性材料からなる磁性膜の磁化容易軸を垂直方向に配向せしめることができない第2領域(プレシード層17表面の酸化領域17bが反映された領域)とを、生じさせる。
本方法においては、次に、図11(c)に示すように、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、記録層12を形成する。本工程において、シード層14表面の第1領域上では(即ち、プレシード層17表面の非酸化領域17aに対応する位置では)、磁性材料がシード層14素地の結晶面との格子整合をとりつつエピタキシャル成長し、磁性膜の磁化容易軸が垂直方向に配向するように制御され、垂直磁気異方性を有する記録磁性部12Aが形成される。これとともに、シード層14表面の第2領域上では(即ち、プレシード層17表面の酸化領域17bに対応する位置では)、磁性材料がランダム成長(非エピタキシャル成長)し、内部で複数の磁化容易軸がランダムに配向する非記録磁性部12Bが形成される。
次に、図11(d)に示すように、記録層12上に保護層15を形成する。保護層15の形成手法は、図4(c)を参照して第1の方法において上述したのと同様である。以上のようにして、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX2を製造することができる。
本方法においては、図11(c)を参照して上述したように、表面に第1領域(プレシード層17表面の非酸化領域17aが反映された領域)および第2領域(プレシード層17表面の酸化領域17bが反映された領域)を有するシード層14上に磁性材料を成膜することによって、所定パターンの記録磁性部12Aを内部に有する記録層12を形成することができる。また、このような記録層12は、スパッタリング法などのいわゆる薄膜形成技術により連続膜体として形成することができる。薄膜形成技術により形成される連続膜体においては、上述の従来の磁気ディスク40における記録層42のような非連続膜体におけるよりも、小さな表面凹凸すなわち高い表面平坦性を、達成しやすい。したがって、本方法は、記録層12の表面平坦性が反映される記録面16において充分な平坦性を得るのに適する。このように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気記録媒体を製造するのに、適する。記録面の平坦性の高い磁気記録媒体は、磁気ヘッドの低浮上量化を図るうえで好ましく、従って、高記録密度化を図るうえで好ましい。
加えて、本方法はインライン化しやすい。図10(b)を参照して上述したプレシード層17’の形成工程、図11(b)を参照して上述したシード層14の形成工程、および、図11(c)を参照して上述した記録層12の形成工程では、所定のチャンバ内にて、当該チャンバ内を所定の真空度とした状態で、所定の薄膜形成プロセスが実行される。一方、プレシード層17’形成工程とシード層14形成工程との間の、図10(c)から図11(a)を参照して上述した一連の工程は、チャンバ内にてプレシード層17’形成工程に続いて実施することができ、且つ、当該チャンバ内では、当該一連の工程に続いてシード層14形成工程を実施することができる。このような本方法では、プレシード層17’形成工程から記録層12形成工程までの間においてチャンバ内から加工対象物を取り出す必要はなく、少なくとも、プレシード層17’形成工程から記録層12形成工程までの一連の工程を、インライン化することが可能である。したがって、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX2を、効率よく製造するのに適する。
以上のように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気ディスクX2を、効率よく製造するのに適するのである。
図12および図13は、磁気ディスクX2を製造するための第2の方法を表す。本方法においては、まず、図12(a)に示すように、ディスク基板11上に軟磁性層13およびプレシード層17’を順次形成する。軟磁性層13およびプレシード層17’の形成手法ならびにプレシード層17’の構成は、磁気ディスクX2を製造するための第1の方法において上述したのと同様である。
本方法においては、次に、図12(b)に示すように、酸素曝露により、プレシード層17’の露出面全体を酸化し、酸化被膜17b’を形成する。
次に、図12(c)に示すように、前工程の酸素を充分に除去した所定の真空度下において、マスク22をプレシード層17’ないし酸化被膜17b’に対して密着させる。このマスク22の構成は、磁気ディスクX1を製造するための第2の方法において図5(c)を参照して上述したのと同様である。
本方法においては、次に、図12(d)に示すように、水素(還元ガス)への曝露により、プレシード層17’表面(酸化被膜17b’)においてマスク22の本体22Aが密着していない領域を還元し、非酸化領域17aを形成する。本工程は、必要に応じて加熱条件下で行う。加熱温度は例えば200〜500℃である。本工程では、水素が、マスク22のガス透過膜22Bを透過し、プレシード層17’表面(酸化被膜17b’)においてマスク22の本体22Aが密着していない領域に作用して還元する。プレシード層17’表面において本体22Aが密着している領域は、還元作用を受けず、酸化状態を維持する。このような本工程により、所定パターンの非酸化領域17aおよび所定パターンの酸化領域17bを有するプレシード層17を形成することができる。
本方法においては、次に、前工程の水素を充分に除去した所定の真空度下において、図13(a)に示すようにマスク22を取り外す。次に、図13(b)に示すように、プレシード層17上にシード層14を形成する。シード層14の形成については、磁気ディスクX2を製造するための第1の方法において図11(b)を参照して上述したのと同様である。次に、図13(c)に示すように、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、記録層12を形成する。記録層12の形成については、磁気ディスクX2を製造するための第1の方法において図11(c)を参照して上述したのと同様である。次に、図13(d)に示すように、記録層12上に保護層15を形成する。保護層15の形成については、磁気ディスクX1を製造するための第1の方法において図4(c)を参照して上述したのと同様である。以上のようにして、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX2を製造することができる。
本方法においては、図13(c)に示す工程にて、表面に第1領域(プレシード層17表面の非酸化領域17aが反映された領域)および第2領域(プレシード層17表面の酸化領域17bが反映された領域)を有するシード層14上に磁性材料を成膜することによって、所定パターンの記録磁性部12Aを内部に有する記録層12を形成することができる。また、このような記録層12は、スパッタリング法などのいわゆる薄膜形成技術により連続膜体として形成することができる。薄膜形成技術により形成される連続膜体においては、上述の従来の磁気ディスク40における記録層42のような非連続膜体におけるよりも、小さな表面凹凸すなわち高い表面平坦性を、達成しやすい。したがって、本方法は、記録層12の表面平坦性が反映される記録面16において充分な平坦性を得るのに適する。このように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気記録媒体を製造するのに、適する。記録面の平坦性の高い磁気記録媒体は、磁気ヘッドの低浮上量化を図るうえで好ましく、従って、高記録密度化を図るうえで好ましい。
加えて、本方法はインライン化しやすい。図12(a)を参照して上述したプレシード層17’の形成工程、図13(b)を参照して上述したシード層14の形成工程、および、図13(c)を参照して上述した記録層12の形成工程では、所定のチャンバ内にて、当該チャンバ内を所定の真空度とした状態で、所定の薄膜形成プロセスが実行される。一方、プレシード層17’形成工程とシード層14形成工程との間の、図12(b)から図13(a)を参照して上述した一連の工程は、チャンバ内にてプレシード層17’形成工程に続いて実施することができ、且つ、当該チャンバ内では、当該一連の工程に続いてシード層14形成工程を実施することができる。このような本方法では、プレシード層17’形成工程から記録層12形成工程までの間においてチャンバ内から加工対象物を取り出す必要はなく、少なくとも、プレシード層17’形成工程から記録層12形成工程までの一連の工程を、インライン化することが可能である。したがって、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX2を、効率よく製造するのに適する。
以上のように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気ディスクX2を、効率よく製造するのに適するのである。
図14および図15は、磁気ディスクX2を製造するための第3の方法を表す。本方法においては、まず、図14(a)に示すように、ディスク基板11上に軟磁性層13およびプレシード層17’を順次形成する。軟磁性層13およびプレシード層14’の形成手法ならびにプレシード層17’の構成は、磁気ディスクX2を製造するための第1の方法において上述したのと同様である。
本方法においては、次に、図14(b)に示すように、表面に酸素供給体24が形成され基材23をプレシード層17’に押し当てる。これら基材23および酸素供給体24の構成は、磁気ディスクX1を製造するための第3の方法において図7(b)を参照して上述したのと同様である。本工程では、基材23の凸部23aの先端に形成された酸素供給体24を、位置合わせしつつ、プレシード層17’に対して当接させる。
本方法においては、次に、図14(c)に示すように、プレシード層17’および基材23の間に所定の大きさの電圧を印加することにより、プレシード層17’表面において酸素供給体24が当接している領域を酸化し、酸化領域17bを形成する(パターン酸化工程)。本工程では、基材23の凸部23aとプレシード層17’との間に介在する酸素供給体24においては、基材23から電子の供給を受けて酸素イオン(O2-)が生じ、当該酸素イオンがプレシード層17’に向かって移動する。プレシード層17’表面においては、酸素供給体24と当接する領域に酸素イオンが取り込まれて酸化する。プレシード層17’表面において酸素供給体24と当接していない領域は、酸化作用を受けず、非酸化状態を維持する。このような本工程により、所定パターンの非酸化領域17aおよび所定パターンの酸化領域17bを有するプレシード層17を形成することができる。
本方法の図14(b)を参照して上述した工程では、酸素供給体24として、過飽和金属酸化物により構成されたものに代えて、固体電解質や酸化性固体により構成されたものを用いてもよい。固体電解質や酸化性固体からなる酸素供給体24の構成は、磁気ディスクX1を製造するための第3の方法において上述したのと同様である。酸素供給体24として固体電解質を用いる場合、プレシード層17’表面に酸化領域17bを形成する際に、プレシード層17’と基材23との間に電圧を印加し、必要に応じて加熱条件下で行う。加熱温度は、例えば250〜800℃である。プレシード層17’表面においては、酸素供給体24と当接する領域に酸素イオンが取り込まれて酸化する。一方、酸化性固体は酸化力が非常に強いので、酸素供給体24として酸化性固体を用いる場合、酸素供給体24をプレシード層17’に当接させるだけで当該当接領域が酸化する。したがって、この場合、プレシード層17’表面に酸化領域17bを形成する際に、電圧印加や加熱などの処理は不要である。
本方法においては、次に、図15(a)に示すように基材23を取り外し、図15(b)に示すように、プレシード層17上にシード層14を形成する。シード層14の形成については、磁気ディスクX2を製造するための第1の方法において図11(b)を参照して上述したのと同様である。次に、図15(c)に示すように、例えばスパッタリング法により、所定の真空度下において、記録層12を形成する。記録層12の形成については、磁気ディスクX2を製造するための第1の方法において図11(c)を参照して上述したのと同様である。次に、図15(d)に示すように、記録層12上に保護層15を形成する。保護層15の形成手法については、磁気ディスクX1を製造するための第1の方法において図4(c)を参照して上述したのと同様である。以上のようにして、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX2を製造することができる。
本方法においては、図15(c)に示す工程にて、表面に第1領域(プレシード層17表面の非酸化領域17aが反映された領域)および第2領域(プレシード層17表面の酸化領域17bが反映された領域)を有するシード層14上に磁性材料を成膜することによって、所定パターンの記録磁性部12Aを内部に有する記録層12を形成することができる。また、このような記録層12は、スパッタリング法などのいわゆる薄膜形成技術により連続膜体として形成することができる。薄膜形成技術により形成される連続膜体においては、上述の従来の磁気ディスク40における記録層42のような非連続膜体におけるよりも、小さな表面凹凸すなわち高い表面平坦性を、達成しやすい。したがって、本方法は、記録層12の表面平坦性が反映される記録面16において充分な平坦性を得るのに適する。このように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気記録媒体を製造するのに、適する。記録面の平坦性の高い磁気記録媒体は、磁気ヘッドの低浮上量化を図るうえで好ましく、従って、高記録密度化を図るうえで好ましい。
また、本方法では、非酸化領域17aおよび酸化領域17bを有するプレシード層17を形成するために用いられる基材23は、金属製であるため充分な剛性を確保することが可能である。このような基材23を用いることにより、非酸化領域17aおよび酸化領域17bは、比較的にその寸法精度が良好なものとなる。したがって、本方法によると、非酸化領域17aおよび酸化領域17bにそれぞれ対応する位置に形成される記録磁性部12Aおよび非記録磁性部12Bについても、その寸法精度が良好なものとすることができる。
加えて、本方法はインライン化しやすい。図14(a)を参照して上述したプレシード層17’の形成工程、図15(b)を参照して上述したシード層14の形成工程、および、図15(c)を参照して上述した記録層12の形成工程では、所定のチャンバ内にて、当該チャンバ内を所定の真空度とした状態で、所定の薄膜形成プロセスが実行される。一方、プレシード層17’形成工程とシード層14形成工程との間の、図14(b)から図15(a)を参照して上述した一連の工程は、チャンバ内にてプレシード層17’形成工程に続いて実施することができ、且つ、当該チャンバ内では、当該一連の工程に続いてシード層14形成工程を実施することができる。このような本方法では、プレシード層17’形成工程から記録層12形成工程までの間においてチャンバ内から加工対象物を取り出す必要はなく、少なくとも、プレシード層17’形成工程から記録層12形成工程までの一連の工程を、インライン化することが可能である。したがって、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有する磁気ディスクX2を、効率よく製造するのに適する。
以上のように、本方法は、所定パターンの記録磁性部12Aを記録層12内に有し且つ記録面16の平坦性の高い磁気ディスクX2を、効率よく製造するのに適するのである。
〔実施例1〕
〈サンプル膜体の作製〉
図16に示す積層構成を有する積層構造体を実施例1のサンプル膜体として作製した。本実施例のサンプル膜体の作製においては、まず、スパッタリング法により、ガラス基板上に所定組成比のCoZrNbを成膜して厚さ100nmのCoZrNb層を形成した。CoZrNbは、磁気ディスクにおける軟磁性層の構成材料として用いられるものである。本スパッタリングは、所定のチャンバ内において、所定のスパッタリング装置を使用して行った(後出のスパッタリングについても同様である)。本スパッタリングでは、チャンバ内のガス圧を0.8Paとした。
次に、スパッタリング法により、CoZrNb層上にRuを成膜して厚さ50nmのRu層を形成した。Ruは、磁気ディスクにおけるシード層の構成材料として用いられるものである。本スパッタリングでは、チャンバ内のガス圧を0.6Paとした。
次に、スパッタリング法により、Ru層上にCo77Cr20Pt3−SiO2を成膜して厚さ15nmのCoCrPt−SiO2層を形成した。CoCrPt−SiO2は、磁気ディスクにおける記録層の構成材料として用いられるものである。以上のようにして、本実施例のサンプル膜体を作製した。
〈保磁力測定〉
本実施例のサンプル膜体について、VSM(振動試料型磁力計)を使用して、CoCrPt−SiO2層の垂直方向の保磁力と面内方向の保磁力を測定した。その結果を図17および図18のグラフに示す。図17のグラフでは、Ru層形成後であってCoCrPt−SiO2層形成前にRu層を酸素に曝露した時間(秒)を横軸にて表し(実施例1では酸素曝露を行っていない)、垂直方向の保磁力(Oe)を縦軸にて表し、本実施例のサンプル膜体についての測定結果をプロットE1で表す。図18のグラフでは、Ru層形成後であってCoCrPt−SiO2層形成前にRu層を酸素に曝露した時間(秒)を横軸にて表し、面内方向の保磁力(Oe)を縦軸にて表し、本実施例のサンプル膜体についての測定結果をプロットE1’で表す。
〔実施例2〕
図16に示す積層構成を有する他の積層構造体を実施例2のサンプル膜体として作製した。本実施例のサンプル膜体の作製においては、まず、実施例1と同様にして、ガラス基板上に厚さ100nmのCoZrNb層、および、厚さ50nmのRu層を順次形成した。次に、チャンバ内に酸素を導入して当該チャンバ内の圧力を0.2Paまで上昇させて、1秒間、Ru層を酸素曝露した。この後、チャンバ内から酸素を充分に除去してチャンバ内の到達真空度を1×10-6Paとした後、スパッタリング法により、Ru層上にCo77Cr20Pt3−SiO2を成膜して厚さ15nmのCoCrPt−SiO2層を形成した。以上のようにして、本実施例のサンプル膜体を作製した。本実施例のサンプル膜体について、実施例1のサンプル膜体と同様にして、CoCrPt−SiO2層の垂直方向の保磁力と面内方向の保磁力を測定した。その結果を図17および図18のグラフにてプロットE2,E2’で表す。
〔実施例3〜7〕
Ru層の酸素曝露時間を1秒に代えて2秒(実施例3)、4秒(実施例4)、8秒(実施例5)、16秒(実施例6)、または30秒(実施例7)とした以外は、実施例2と同様にして、実施例3〜7のサンプル膜体を作製した。そして、各実施例のサンプル膜体について、実施例1のサンプル膜体と同様にして、CoCrPt−SiO2層の垂直方向の保磁力と面内方向の保磁力を測定した。実施例3〜7における垂直方向保磁力の結果を図17のグラフにてプロットE3〜E7で表し、実施例3〜7における面内方向保磁力の結果を図18のグラフにてプロットE3’〜E7’で表す。
〔評価〕
図17のグラフからは、シード層としてのRu層の酸素曝露により、当該Ru層上に形成される磁性膜であるCoCrPt−SiO2層の垂直方向保磁力は約3500Oeから急激に減弱して約1000Oeに至ることが判る。一方、図18のグラフからは、シード層としてのRu層の酸素曝露により、当該Ru層上に形成される磁性膜であるCoCrPt−SiO2層の面内方向保磁力は略0Oeから急激に上昇して約1600Oeに至ることが判る。図17および図18からは、シード層としてのRu層の酸素曝露により、当該Ru層上に形成される磁性膜であるCoCrPt−SiO2層において、磁化容易軸が垂直に配向する状態から、略等方的に配向する状態に変化することが判る。
〔実施例8〕
図19に示す積層構成を有して第1の実施形態に相当する磁気ディスクを、本実施例の磁気ディスクとして作製した。
本実施例の磁気ディスクの作製においては、まず、スパッタリング法によりディスク状のガラス基板(外径:65mm)の上に所定組成比のCoZrNbを成膜することによって、軟磁性層としての厚さ100nmのCoZrNb層を形成した。本スパッタリングは、所定のチャンバ内において、所定のスパッタリング装置を使用して行った(後出のスパッタリングについても同様である)。本スパッタリングでは、チャンバ内のガス圧を0.8Paとした。
次に、スパッタリング法により軟磁性層上にRuを成膜することによって、シード層としての厚さ50nmのRu層を形成した。本スパッタリングでは、チャンバ内のガス圧を0.6Paとした。
次に、チャンバ内の到達真空度を1×10-6Paとした後、図3(c)に示すのと同様にして、マスク21としての酸素透過膜付マスクをシード層に密着させた。このマスクの本体は、形成すべき非記録磁性部のパターン形状に対応する開口部を有する。この後、チャンバ内に酸素を導入した(酸素導入により、チャンバ内の圧力を0.2Paとした)。このような酸素曝露により、シード層においてマスク本体が密着していない領域を酸化させ、シード層表面に非酸化領域および酸化領域を形成した。
次に、チャンバ内から酸素を充分に除去して当該チャンバ内の到達真空度を再び1×10-6Paとした後、マスクを取り外した。そして、スパッタリング法により、シード層上にCo77Cr20Pt3−SiO2を成膜することによって、記録層としての厚さ15nmのCoCrPt−SiO2層を形成した。
次に、CVD法により記録層上にダイアモンドライクカーボン(DLC)を成膜することによって、保護層15としての厚さ2nmのDLC層を形成した。本工程では、チャンバ内の圧力を0.4Paとした。以上のようにして、本実施例の磁気ディスクを作製した。
〔実施例9〕
図19に示す積層構成を有して第1の実施形態に相当する他の磁気ディスクを、本実施例の磁気ディスクとして作製した。
本実施例の磁気ディスクの作製においては、まず、実施例1と同様にして、ガラス基板上に、軟磁性層としての厚さ100nmのCoZrNb層、および、シード層としての厚さ50nmのRu層を順次形成した。
次に、チャンバ内に酸素を導入した(酸素導入により、チャンバ内の圧力を0.2Paとした)。このような酸素曝露により、シード層の露出面全体を酸化し、酸化被膜を形成した。
次に、チャンバ内から酸素を充分に除去して当該チャンバ内の到達真空度を1×10-6Paとした後、図5(c)に示すのと同様にして、マスク22としての水素透過膜付マスクをシード層ないし酸化被膜に対して密着させた。このマスクの本体は、形成すべき記録磁性部のパターン形状に対応した開口部を有する。この後、還元ガスとしての水素をチャンバ内に導入した(水素導入により、チャンバ内の圧力を10Paとした)。このような水素曝露により、シード層表面(酸化被膜)においてマスク本体が密着していない領域を還元し、シード層表面において非酸化領域および酸化領域を形成した。
次に、チャンバ内から水素を充分に除去した後、スパッタリング法により、シード層上にCo77Cr20Pt3−SiO2を成膜することによって、記録層としての厚さ15nmのCoCrPt−SiO2層を形成した。
次に、CVD法により記録層上にダイアモンドライクカーボン(DLC)を成膜することによって、保護層15としての厚さ2nmのDLC層を形成した。本工程では、チャンバ内の圧力を0.4Paとした。以上のようにして、本実施例の磁気ディスクを作製した。
〔実施例10〕
図20に示す積層構成を有して第2の実施形態に相当する磁気ディスクを、本実施例の磁気ディスクとして作製した。
本実施例の磁気ディスクの作製においては、まず、スパッタリング法によりディスク状のガラス基板(外径:65mm)の上に所定組成比のCoZrNbを成膜することによって、軟磁性層としての厚さ100nmのCoZrNb層を形成した。本スパッタリングでは、チャンバ内のガス圧を0.8Paとした。
次に、スパッタリング法により軟磁性層上にTaを成膜することによって、プレシード層としての厚さ5nmのTa層を形成した。本スパッタリングでは、チャンバ内のガス圧を0.8Paとした。
次に、チャンバ内の到達真空度を1×10-6Paとした後、図10(c)に示すのと同様にして、マスク21としての酸素透過膜付マスクをプレシード層に密着させた。このマスクの本体は、形成すべき非記録磁性部のパターン形状に対応する開口部を有する。この後、チャンバ内に酸素を導入した(酸素導入により、チャンバ内の圧力を0.2Paとした)。これにより、プレシード層においてマスク本体が密着していない領域を酸化させ、プレシード層表面に非酸化領域および酸化領域を形成した。
次に、チャンバ内から酸素を充分に除去して当該チャンバ内の到達真空度を再び1×10-6Paとした後、マスクを取り外した。そして、スパッタリング法により、プレシード層上にRuを成膜することによって、シード層としての厚さ20nmのRu層を形成した。
次に、スパッタリング法により、シード層上にCo77Cr20Pt3−SiO2を成膜することによって、記録層としての厚さ15nmのCoCrPt−SiO2層を形成した。本工程では、チャンバ内の圧力を0.6Paとした。
次に、CVD法により記録層上にダイアモンドライクカーボン(DLC)を成膜することによって、保護層15としての厚さ2nmのDLC層を形成した。本工程では、チャンバ内の圧力を0.4Paとした。以上のようにして、本実施例の磁気ディスクを作製した。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
(付記1)シード層を形成する工程と、
前記シード層の表面の部分領域を酸化状態とする工程と、
前記シード層上に磁性材料を成長させることにより、前記シード層表面の非酸化領域上にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、前記シード層表面の酸化領域上の非記録磁性部、を有する記録層を形成する工程と、を含む磁気記録媒体製造方法。
(付記2)前記シード層の表面の部分領域を酸化状態とする工程においては、前記シード層表面を部分的に酸素に曝露する、付記1に記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記3)前記シード層の表面の部分領域を酸化状態とする工程においては、前記シード層表面の全体を酸素に曝露した後に当該シード層酸化表面を部分的に還元する、付記1に記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記4)前記シード層の表面の部分領域を酸化状態とする工程においては、前記シード層表面に対して部分的に酸素供給物質を当接させて当該当接領域を酸化する、付記1に記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記5)プレシード層を形成する工程と、
前記プレシード層の表面の部分領域を酸化状態とする工程と、
前記プレシード層上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に磁性材料を成長させることにより、前記プレシード層表面の非酸化領域に対応する位置にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、前記プレシード層表面の酸化領域に対応して位置する非記録磁性部、を有する記録層を形成する工程と、を含む磁気記録媒体製造方法。
(付記6)前記プレシード層の表面の部分領域を酸化状態とする工程においては、前記プレシード層表面を部分的に酸素に曝露する、付記5に記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記7)前記プレシード層の表面の部分領域を酸化状態とする工程においては、前記プレシード層表面の全体を酸素に曝露した後に当該プレシード層酸化表面を部分的に還元する、付記5に記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記8)前記プレシード層の表面の部分領域を酸化状態とする工程においては、前記プレシード層表面に対して部分的に酸素供給物質を当接させて当該当接領域を酸化する、付記5に記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記9)前記シード層は、Ru、Pt、Pd、およびTiからなる群より選択される単体金属、または、当該金属を含む合金よりなる、付記1から8のいずれか一つに記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記10)前記プレシード層は、Ta、Pt、Ni、Fe、Ti、W、Mo、B、C、Si、およびGeからなる群より選択される単体、または、当該化学種を含む化合物よりなる、付記5から9のいずれか一つに記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記11)前記記録層は、Coを含む磁性材料よりなる、付記1から10のいずれか一つに記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記12)前記磁性材料は、CoCrPt−SiO2、CoCr−SiO2、またはCoPt−SiO2である、付記11に記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記13)連続膜体である記録層およびシード層からなる積層構造を含み、
前記シード層は、前記記録層の側の表面に酸化領域および非酸化領域を有し、
前記記録層は、前記非酸化領域上にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、前記酸化領域上の非記録磁性部を有する、磁気記録媒体。
(付記14)連続膜体である記録層と、プレシード層と、当該記録層およびプレシード層の間のシード層と、からなる積層構造を含み、
前記プレシード層は、前記シード層の側の表面に酸化領域および非酸化領域を有し、
前記記録層は、前記非酸化領域に対応する位置にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、前記酸化領域に対応して位置する非記録磁性部を有する、磁気記録媒体。
(付記15)前記非記録磁性部は面内磁気異方性を有する、付記13または14に記載の磁気記録媒体。
本発明の第1の実施形態に係る磁気ディスクの平面図である。 図1に示す磁気ディスクの部分拡大断面図である。 図1に示す磁気ディスクを製造するための第1の方法における一部の工程を表す。 図3の後に続く工程を表す。 図1に示す磁気ディスクを製造するための第2の方法における一部の工程を表す。 図5の後に続く工程を表す。 図1に示す磁気ディスクを製造するための第3の方法における一部の工程を表す。 図7の後に続く工程を表す。 本発明の第2の実施形態に係る磁気ディスクの部分断面図である。 図9に示す磁気ディスクを製造するための第1の方法における一部の工程を表す。 図10の後に続く工程を表す。 図9に示す磁気ディスクを製造するための第2の方法における一部の工程を表す。 図12の後に続く工程を表す。 図9に示す磁気ディスクを製造するための第3の方法における一部の工程を表す。 図14の後に続く工程を表す。 サンプル膜体の積層構成を表す。 実施例1〜7のサンプル膜体について、磁性膜の垂直方向保磁力の測定結果を表すグラフである。 実施例1〜7のサンプル膜体について、磁性膜の面内方向保磁力の測定結果を表すグラフである。 実施例8,9における積層構成を表す。 実施例10における積層構成を表す。 ディスクリートトラックメディアである従来の磁気ディスクの平面図である。 図21に示す磁気ディスクの部分拡大断面図である。 図21に示す磁気ディスクの製造方法における一部の工程を表す。 図23の後に続く工程を表す。
符号の説明
X1,X2,40 磁気ディスク
11,41 ディスク基板
12,42 記録層
12A,42A 記録磁性部
12B 非記録磁性部
13 軟磁性層
14,14’ シード層
14a,17a 非酸化領域
14b,17b 酸化領域
14b’,17b’ 酸化被膜
15,43 保護層
16,44 記録面
17,17’ プレシード層
21,22 マスク
21A,22A 本体
21B,22B ガス透過膜
23 基材
24 酸素供給体

Claims (5)

  1. シード層を形成する工程と、
    前記シード層の表面の部分領域を酸化状態とする工程と、
    前記シード層上に磁性材料を成長させることにより、前記シード層表面の非酸化領域上にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、前記シード層表面の酸化領域上の非記録磁性部、を有する記録層を形成する工程と、を含む磁気記録媒体製造方法。
  2. プレシード層を形成する工程と、
    前記プレシード層の表面の部分領域を酸化状態とする工程と、
    前記プレシード層上にシード層を形成する工程と、
    前記シード層上に磁性材料を成長させることにより、前記プレシード層表面の非酸化領域に対応する位置にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、前記プレシード層表面の酸化領域に対応して位置する非記録磁性部、を有する記録層を形成する工程と、を含む磁気記録媒体製造方法。
  3. 連続膜体である記録層およびシード層からなる積層構造を含み、
    前記シード層は、前記記録層の側の表面に酸化領域および非酸化領域を有し、
    前記記録層は、前記非酸化領域上にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、前記酸化領域上の非記録磁性部を有する、磁気記録媒体。
  4. 連続膜体である記録層と、プレシード層と、当該記録層およびプレシード層の間のシード層と、からなる積層構造を含み、
    前記プレシード層は、前記シード層の側の表面に酸化領域および非酸化領域を有し、
    前記記録層は、前記非酸化領域に対応する位置にて垂直磁気異方性を有する記録磁性部、および、前記酸化領域に対応して位置する非記録磁性部を有する、磁気記録媒体。
  5. 前記非記録磁性部は面内磁気異方性を有する、請求項3または4に記載の磁気記録媒体。
JP2006262555A 2006-03-24 2006-09-27 磁気記録媒体製造方法および磁気記録媒体 Withdrawn JP2007287300A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006262555A JP2007287300A (ja) 2006-03-24 2006-09-27 磁気記録媒体製造方法および磁気記録媒体
US11/726,534 US7588843B2 (en) 2006-03-24 2007-03-22 Magnetic recording medium and method of making the same

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006082889 2006-03-24
JP2006262555A JP2007287300A (ja) 2006-03-24 2006-09-27 磁気記録媒体製造方法および磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007287300A true JP2007287300A (ja) 2007-11-01

Family

ID=38533833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006262555A Withdrawn JP2007287300A (ja) 2006-03-24 2006-09-27 磁気記録媒体製造方法および磁気記録媒体

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7588843B2 (ja)
JP (1) JP2007287300A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009157983A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Showa Denko Kk 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置
JP2011138585A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Wd Media Singapore Pte Ltd 磁気記録媒体およびその製造方法
US8634153B2 (en) 2011-04-26 2014-01-21 Kabushiki Kaisha Toshiba Perpendicular magnetic recording medium, method of manufacturing the same, and magnetic recording/reproduction apparatus

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7776388B2 (en) * 2007-09-05 2010-08-17 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands, B.V. Fabricating magnetic recording media on patterned seed layers
JP5264209B2 (ja) * 2008-02-22 2013-08-14 エイチジーエスティーネザーランドビーブイ 磁気記録媒体及びその製造方法
JP2009199691A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv 磁気記録媒体及びその製造方法
JP5276337B2 (ja) * 2008-02-22 2013-08-28 エイチジーエスティーネザーランドビーブイ 磁気記録媒体の製造方法
US8920948B2 (en) 2011-12-31 2014-12-30 HGST Netherlands B.V. Substrate patterning in perpendicular storage media
US9466325B2 (en) * 2013-07-10 2016-10-11 Seagate Technology Llc Patterned growth guiding mechanism
US20150248909A1 (en) * 2014-02-28 2015-09-03 HGST Netherlands B.V. Structure with seed layer for controlling grain growth and crystallographic orientation
US9966096B2 (en) 2014-11-18 2018-05-08 Western Digital Technologies, Inc. Self-assembled nanoparticles with polymeric and/or oligomeric ligands
US9990940B1 (en) 2014-12-30 2018-06-05 WD Media, LLC Seed structure for perpendicular magnetic recording media
US11398247B1 (en) 2021-06-21 2022-07-26 Western Digital Technologies, Inc. Magnetic recording media with oxidized pre-seed layer

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6174597B1 (en) * 1996-07-26 2001-01-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic recording apparatus
JP2002342908A (ja) * 2001-05-14 2002-11-29 Sony Corp 磁気記録媒体とその製造方法
JP2005071467A (ja) 2003-08-25 2005-03-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気記録媒体とその製造方法
JP3987484B2 (ja) 2003-11-28 2007-10-10 株式会社東芝 磁気記録媒体、磁気記録装置およびオフセット量測定方法
JP2005276365A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Toshiba Corp グラニュラ薄膜、垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP2005305634A (ja) * 2004-03-26 2005-11-04 Fujitsu Ltd ナノホール構造体及びその製造方法、スタンパ及びその製造方法、磁気記録媒体及びその製造方法、並びに、磁気記録装置及び磁気記録方法
JP4074262B2 (ja) 2004-03-31 2008-04-09 株式会社東芝 磁気記録媒体およびその製造方法ならびに磁気記録再生装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009157983A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Showa Denko Kk 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置
JP2011138585A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Wd Media Singapore Pte Ltd 磁気記録媒体およびその製造方法
US8634153B2 (en) 2011-04-26 2014-01-21 Kabushiki Kaisha Toshiba Perpendicular magnetic recording medium, method of manufacturing the same, and magnetic recording/reproduction apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
US7588843B2 (en) 2009-09-15
US20070224455A1 (en) 2007-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007287300A (ja) 磁気記録媒体製造方法および磁気記録媒体
JP4469774B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録装置
JP4357570B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
US6841224B2 (en) Method of patterning magnetic products using chemical reactions
JP4923896B2 (ja) 交換結合膜及び磁気デバイス
JP2006286105A (ja) 磁気記録媒体および磁気記憶装置
JP4551957B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP4575498B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
US8252437B2 (en) Planarized magnetic recording disk with pre-patterned surface features and secure adhesion of planarizing fill material and method for planarizing the disk
JP2007035164A (ja) 凹凸パターン基板およびその製造方法、磁気記録媒体、ならびに磁気記録装置
JP2009170007A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2009230795A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP5877956B2 (ja) 予めパターン化された表面特徴と平坦化された表面とを有する磁気記録ディスク
US8709620B2 (en) Magnetic recording medium, information storage device, and method of manufacturing magnetic recording medium
US8824084B1 (en) Perpendicular magnetic recording disk with patterned servo regions and templated growth method for making the disk
US20100326819A1 (en) Method for making a patterned perpendicular magnetic recording disk
JP5259645B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP4922441B2 (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
KR20090102615A (ko) 자기 기록 매체 및 자기 기록 장치
US7443637B2 (en) Giant magnetoresistance sensor with side longitudinal bias stacks and method for forming same
JP2008204493A (ja) ディスクリート型の磁気記録媒体
JP4441413B2 (ja) 磁気記録媒体、その初期化方法及びその製造方法
JP2008097679A (ja) 磁気記録媒体製造方法
JP2007242182A (ja) 磁気記録媒体製造方法および磁気記録媒体
JP2007200395A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090908

A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20091201