JP2007285156A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の排気浄化装置において、空燃比低下制御における燃費の悪化を抑制し、空燃比低下制御をより好適に実行する技術を提供する。
【解決手段】内燃機関の排気に燃料を供給して排気の空燃比を低下させるリッチスパイク制御を行うことで、NOx触媒の性能を再生する内燃機関の排気浄化装置において、排気通路の壁温を推定し、当該推定壁温が所定温度以上となるとリッチスパイク制御の実行を許可し、前記推定壁温が前記所定温度より低いとリッチスパイク制御の実行を禁止する実行許可判定を行い、実行中のリッチスパイク制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいて、次回のリッチスパイク制御の可否判定について推定壁温の補正を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気に燃料を供給して排気の空燃比を低下させる空燃比低下制御を行うことで、排気浄化触媒の性能を再生する内燃機関の排気浄化装置に関する。
ディーゼル機関などの内燃機関の排気通路に、吸蔵還元型NOx触媒(以下、「NOx触媒」という。)を配置し、窒素酸化物(以下、「NOx」という。)を除去して排気を浄化する技術が知られている。
排気通路にNOx触媒が備えられている場合には、NOx触媒のNOx吸蔵能力を再生するために、NOx触媒に吸蔵されたNOxあるいは硫黄酸化物(以下、「SOx」という。)を放出及び還元して除去する必要がある。そのために、例えばNOx触媒より上流の排気通路に取り付けた還元剤添加弁から還元剤である燃料を供給し、NOx触媒に流入する排気の空燃比を理論空燃比あるいはリッチ(理論空燃比以下)に低下させている。
そして、排気通路の壁温が低い場合には、排気の空燃比を理論空燃比あるいはリッチに低下させることを中止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−339974号公報 特開2002−38925号公報
本発明の目的とするところは、内燃機関の排気浄化装置において、空燃比低下制御における燃費の悪化を抑制し、空燃比低下制御をより好適に実行する技術を提供することにある。
本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、
内燃機関の排気に燃料を供給して排気の空燃比を低下させる空燃比低下制御を行うことで、排気浄化触媒の性能を再生する内燃機関の排気浄化装置において、
内燃機関の排気通路中の特定部位の壁温を推定し、当該推定壁温が所定温度以上であると空燃比低下制御の実行を許可し、前記推定壁温が前記所定温度より低いと空燃比低下制御の実行を禁止する実行許可判定手段と、
実行中の空燃比低下制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいて、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否の判定について前記推定壁温の補正又は所定温度の変更を行う補正変更手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置である。
ここで、所定温度は予め算出される温度であり、それよりも前記推定壁温が低い場合には空燃比低下制御を実行しても排気浄化触媒の性能を再生することができず、排気に供給する燃料が無駄になると考えられる閾値の温度である。
これによると、次回の空燃比低下制御の可否判定が、事前の実行中の空燃比低下制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいた学習で調整され、次回の空燃比低下制御の実行がより好適に行えるようになる。言い換えれば、空燃比低下制御が無駄になる状況で空燃比低下制御が実行されることが抑制されると共に、空燃比低下制御が好適に実行可能な状況で空燃比低下制御が実行されることが促進される。このため、空燃比低下制御
における燃費の悪化をより好適に抑制し、空燃比低下制御をより好適に実行することができる。
前記補正変更手段は、前記空燃比変化の傾きの絶対値が第1所定値よりも小さい場合には、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定について前記推定壁温を低温側へ補正するとよい。
ここで、第1所定値は予め算出される値であり、それよりも空燃比変化の傾きの絶対値が小さいと前記推定壁温を低温側へ補正する閾値である。
これによると、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定で推定壁温が低温側へ補正され、実行中の空燃比低下制御を許可した際の壁温よりも実際の壁温がより高温にならないと次回の空燃比低下制御は許可されなくなる。よって、実際の壁温が低温で燃料が排気通路に付着して排気浄化触媒まで直達し難く排気浄化触媒の性能の再生が困難な場合のような、空燃比低下制御が無駄になる状況において空燃比低下制御が実行されることが抑制される。したがって、空燃比低下制御における燃費の悪化が抑制できる。
前記補正変更手段は、前記空燃比変化の傾きの絶対値が第1所定値よりも小さい場合には、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定について前記所定温度を高温側へ変更するとよい。
ここで、第1所定値は予め算出される値であり、それよりも空燃比変化の傾きの絶対値が小さいと所定温度を高温側へ変更する閾値である。
これによると、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定における所定温度が高温側へ変更され、実行中の空燃比低下制御を許可した際の壁温よりも実際の壁温がより高温にならないと次回の空燃比低下制御は許可されなくなる。よって、実際の壁温が低温で燃料が排気通路に付着して排気浄化触媒まで直達し難く排気浄化触媒の性能の再生が困難な場合のような、空燃比低下制御が無駄になる状況において空燃比低下制御が実行されることが抑制される。したがって、空燃比低下制御における燃費の悪化が抑制できる。
前記補正変更手段は、前記空燃比変化の傾きの絶対値が第2所定値よりも大きい場合には、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定について前記推定壁温を高温側へ補正するとよい。
ここで、第2所定値は予め算出される値であり、それよりも空燃比変化の傾きの絶対値が大きいと前記推定壁温を高温側へ補正する閾値である。
これによると、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定における推定壁温が高温側へ補正され、実行中の空燃比低下制御を許可した際の壁温よりも実際の壁温がより低温であっても次回の空燃比低下制御は許可される。よって、実際の壁温が高温で燃料が排気浄化触媒まで直達し易く排気浄化触媒の性能の再生が可能な場合のような、空燃比低下制御が好適に実行可能な状況において空燃比低下制御が実行されることが促進される。したがって、空燃比低下制御がより好適に実行できる。
前記補正変更手段は、前記空燃比変化の傾きの絶対値が第2所定値よりも大きい場合には、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定について前記所定温度を低温側へ変更するとよい。
ここで、第2所定値は予め算出される値であり、それよりも空燃比変化の傾きの絶対値が大きいと所定温度を低温側へ変更する閾値である。
これによると、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定における所定温度が低温側へ変更され、実行中の空燃比低下制御を許可した際の壁温よりも実際の壁温がより低温であっても次回の空燃比低下制御は許可される。よって、実際の壁温が高温で燃料が排気浄化触媒まで直達し易く排気浄化触媒の性能の再生が可能な場合のような、空燃比低下制御が好適に実行可能な状況において空燃比低下制御が実行されることが促進される。したがって、空燃比低下制御がより好適に実行できる。
前記第1所定値又は前記第2所定値は、空燃比低下制御の実行の度に吸入空気量に基づいて変更されるとよい。
これによると、吸入空気量によって燃料の輸送遅れが変化し、前記空燃比変化の傾きの値に影響を及ぼしてしまうような状況においても、この変化を考慮して第1所定値又は第2所定値を定めることができる。
内燃機関の排気に燃料を供給して排気の空燃比を低下させる空燃比低下制御を行うことで、排気浄化触媒の性能を再生する内燃機関の排気浄化装置において、
内燃機関の排気通路中の特定部位の壁温を推定し、当該推定壁温に基づいて空燃比低下制御における燃料の供給量を算出する供給量算出手段を備え、
前記供給量算出手段は、実行中の空燃比低下制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいて、前記推定壁温の補正を行うことで、次回の空燃比低下制御についての燃料の供給量を変更することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置である。
これによると、事前の実行中の空燃比低下制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいた学習で推定壁温が補正され、推定壁温に基づいて算出される次回の空燃比低下制御についての燃料の供給量がより好適な量となる。このため、空燃比低下制御における燃費の悪化を抑制し、空燃比低下制御をより好適に実行することができる。
内燃機関の排気に燃料を供給して排気の空燃比を低下させる空燃比低下制御を行うことで、排気浄化触媒の性能を再生する内燃機関の排気浄化装置において、
実行中の空燃比低下制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きの絶対値が第3所定値よりも小さい場合には、実行中の空燃比低下制御を中止する制御中止手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置である。
ここで、第3所定値は予め算出される値であり、それよりも空燃比変化の傾きの絶対値が小さいと実行中の空燃比低下制御を中止する閾値である。
これによると、実行中の空燃比低下制御について中止要否判断される。そして、空燃比低下制御が無駄になる状況であるにも拘わらず空燃比低下制御が実行中であれば、実行中の空燃比低下制御が中止される。このため、空燃比低下制御における燃費の悪化を抑制し、空燃比低下制御をより好適に実行することができる。
本発明によると、内燃機関の排気浄化装置において、空燃比低下制御における燃費の悪化を抑制し、空燃比低下制御をより好適に実行することが可能となる。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1に係る排気浄化装置を適用する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、4つの気筒を有する水冷式の4サイクル・ディーゼル機関であり、各気筒の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えている。
内燃機関1からは吸気通路2が延びている。吸気通路2の途中には、内燃機関1に取り込む吸入空気量を検出するエアフロメータ3が設けられている。
一方、内燃機関1からは排気通路4が延びている。排気通路4は、下流にて不図示のマフラーと接続されている。排気通路4の途中には、内燃機関1の気筒から排出される排気を浄化するための吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒という)5が配置されている。
また、NOx触媒5より上流側の排気通路4には、排気通路4内を流通する排気中に還元剤たる燃料を供給する燃料添加弁6が取り付けられている。
また、燃料添加弁6より下流側且つNOx触媒5の直上流側の排気通路4には、排気の空燃比を検出する空燃比センサ7が設けられている。
以上の構成の内燃機関1には、内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)8が併設されている。このECU8は、CPU、ROM、
RAM、バックアップRAMなどからなる制御コンピュータである。
ECU8には、エアフロメータ3や空燃比センサ7が電気的に接続されており、エアフロメータ3や空燃比センサ7の出力信号がECU8に入力される。また、ECU8には、燃料添加弁6が電気的に接続されており、ECU8が燃料添加弁6での燃料供給/停止や燃料供給量を調節することが可能になっている。
ここで、内燃機関1に配置されるNOx触媒5は、NOx触媒5に流入する排気の空燃比がリーン(理論空燃比以上)であるときには、排気中のNOxを吸蔵して大気中に放出しないようにし、NOx触媒5に流入する排気の空燃比が理論空燃比あるいはリッチであるときには、吸蔵されていたNOxを放出及び還元して除去するものである。また、NOx触媒5は、NOx触媒5に流入する排気の空燃比がリーンであるときには、排気中のSOxをも吸蔵してしまう。
このため、内燃機関1が希薄燃焼運転されている場合には、内燃機関1から排出される排気の空燃比がリーンとなり排気の酸素濃度が高くなるため、排気中に含まれるNOxあるいはSOxがNOx触媒5に吸蔵されることになるが、内燃機関1の希薄燃焼運転が長期間継続されると、NOx触媒5のNOx吸蔵能力が飽和し、排気中のNOxがNOx触媒5に吸蔵されずに大気中へ放出されてしまう。
特に、内燃機関1のようなディーゼル機関では、大部分の運転領域においてリーンの混合気が燃焼され、それに応じて排気の空燃比がリーンとなるため、NOx触媒5のNOx吸蔵能力が飽和し易い。
したがって、内燃機関1が希薄燃焼されている場合には、NOx触媒5のNOx吸蔵能
力が飽和する前にNOx触媒に流入する排気中の酸素濃度を低下させると共に燃料の濃度を高め、NOx触媒5に吸蔵されたNOxあるいはSOxを放出及び還元する必要がある。
このため、ECU8は、ROMに記憶されたアプリケーションプログラムに従って、NOx還元処理又はSOx被毒回復処理といった、NOx触媒5に流入する排気の空燃比を比較的短い周期でスパイク的に(短時間に)リッチとする、リッチスパイク制御を実行する。ここで、このリッチスパイク制御が本発明の空燃比低下制御に相当するが、本発明の空燃比低下制御はリッチスパイク制御に限られず、排気に燃料を供給して排気の空燃比を低下させる制御であればよい。
なお、NOx還元処理は、スパイク的に燃料添加弁6から排気中へ燃料を添加させることにより、NOx触媒5に流入する排気の空燃比をリッチとし、NOx触媒5に吸蔵されたNOxを放出及び還元する処理である。
SOx被毒回復処理は、スパイク的に燃料添加弁6から排気中へ燃料を添加させることにより、添加した燃料をNOx触媒5において酸化させ、酸化反応に伴う熱によって触媒温度を600℃〜800℃に昇温させると共にNOx触媒5に流入する排気の空燃比をリッチとし、NOx触媒5に吸蔵されたSOxを放出及び還元させる処理である。
ここで、リッチスパイク制御における燃費の悪化を抑制し、リッチスパイク制御をより好適に実行することが望まれる。
ところで、排気通路4の壁温が低温の状態で前述のリッチスパイク制御を実施した場合、燃料添加弁6から排気中に添加された燃料が排気通路4に付着してNOx触媒5まで直達し難くなる。そうすると、NOx触媒5に吸蔵されたNOxあるいはSOxを放出及び還元することが困難となる場合がある。このような状況においてリッチスパイク制御が実施されてしまうと、当該制御において添加された燃料が無駄になってしまい、燃費の悪化を招来する場合がある。ここで、排気通路4の壁温は直接測定することはできないが、機関運転状態に基づいて推定することはできる。よって、排気通路4の推定壁温に応じてリッチスパイク制御の実行可否を判定することができる。一方、本発明者らは排気通路4の推定壁温は、リッチスパイク制御での空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいて補正でき、補正を行うことでリッチスパイク制御の実行可否の判定が精度向上できることを見出した。
そこで、本実施例では、実行中のリッチスパイク制御中における空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいて、次回のリッチスパイク制御の実行許可判定で推定壁温の補正を行うようにしている。また、推定壁温の補正を行うことで、次回のリッチスパイク制御における燃料添加弁6の燃料の添加量を変更するようにもしている。さらに、実行中のリッチスパイク制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きの絶対値が所定の閾値よりも小さい場合には、実行中のリッチスパイク制御を中止するようにもしている。
ここで、本実施例のリッチスパイク制御において上記各種制御を行う制御ルーチンについて、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、本ルーチンは、ECU8に予め記憶されており、リッチスパイク制御の実行の際に、周期的に実行されるルーチンである。
リッチスパイク制御の実行要求が指示され、本ルーチンの処理が開始されると、ECU8は、まず、S101においては、リッチスパイク制御の実行可否判定を行う。本ステップを実行するECU8が本発明の実行許可判定手段に相当する。具体的には、ECU8は
、内燃機関1の排気通路4中の特定部位の壁温を推定した推定壁温が所定の温度以上となると、リッチスパイク制御の実行を許可し、推定壁温が所定の温度より低いと、リッチスパイク制御の実行を禁止する。ここで、所定の温度は、予め算出された温度であり、それよりも推定壁温が低いとリッチスパイク制御を実行してもNOx触媒5に吸蔵されたNOxあるいはSOxを放出及び還元することが困難で、排気に供給する燃料が無駄になると考えられる温度である。
ここで、排気通路4中の特定部位の壁温を推定した推定壁温について説明する。推定壁温は、機関運転状態、具体的には内燃機関1の筒内の燃料噴射量と機関回転速度とに基づいて推定される。このようにして推定される理由は、燃料噴射量が増大するほど排気温度が上昇し排気通路4の壁温が高温になるためであり、機関回転速度が増大すると排気流量が増大し排気から排気通路4の壁面に移動する熱量が増大し排気通路4の壁温が高温になるためである。なお、内燃機関1の筒内の燃料噴射量は、アクセル開度及び機関回転速度などに基づいて算出される。
また、推定壁温は、前回の本ルーチンが実行された際に補正値を学習していれば、ECU8からその補正値を読み出し、その補正値も反映して算出される。例えば、補正値が「−5℃」であれば、推定壁温を−5℃低温側に補正し、補正値が「5℃」であれば、推定壁温を5℃高温側に補正する。補正値の学習については後述する。
そして、ECU8は、推定壁温が所定の温度以上となり、リッチスパイク制御の実行が許可できる状態であれば、S102へ移行する。また、推定壁温が所定の温度より低温で、リッチスパイク制御の実行が許可できない状態であれば、本ルーチンの処理を一旦終了する。
ECU8は、S102においては、これから行うリッチスパイク制御の全期間において、排気通路4の燃料添加弁6から供給する燃料の添加量αを算出する。本ステップを実行するECU8が本発明の供給量算出手段に相当する。燃料の添加量αは、エアフロメータ3で検出する吸入空気量、これから行うリッチスパイク制御によって排気の空燃比を低下させる目標空燃比、S101で用いた推定壁温、内燃機関1の筒内の燃料噴射量に基づいて算出される。
なお、S102においても、燃料の添加量αの算出には、推定壁温が考慮されるため、S101と同様に、前回の本ルーチンが実行された際に学習した推定壁温の補正値が反映されることとなる。このため、これから行うリッチスパイク制御における燃料の添加量αが、前回の本ルーチンが実行されて推定壁温が補正されることにより、より好適な量となる。このため、リッチスパイク制御における燃費の悪化を抑制できる。次に、S103へ移行する。
ECU8は、S103においては、リッチスパイク制御を実行開始し、S102で算出した添加量αの燃料をスパイク的に燃料添加弁6から排気中へ添加させ始める。次に、S104へ移行する。
ECU8は、S104においては、燃料添加弁6から燃料を添加していくことに伴う、リッチスパイク制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きの絶対値Nを算出する。具体的には、図3に示すように、燃料添加開始時点から空燃比センサ7で検出する排気の空燃比に基づきECU8で単位時間当たりの空燃比低下率を算出していき、空燃比低下率が所定期間の間、一定値に安定した時点t1で、安定した空燃比低下率を空燃比低下時の空燃比変化の傾きとし、当該傾きの絶対値Nを算出する。次に、S105へ移行する。
なお、S104にて空燃比低下時の空燃比変化の傾きの絶対値Nを算出する場合には、エアフロメータ3で検出する吸入空気量の偏差や内燃機関1の筒内の燃料噴射量の偏差が一定範囲内に収まっていることや、エアフロメータ3や内燃機関1の製造時点での量産バラツキを既に学習済みであることが実行条件とされていてもよい。
ECU8は、S105においては、S104で算出した空燃比変化の傾きの絶対値Nと対比する2つの閾値A,Bを導出する。2つの閾値A,Bは、エアフロメータ3で算出する吸入空気量に基づき、吸入空気量が少なくなるほど閾値が小さく(傾きが緩やかに)なるように設定されたマップから、吸入空気量によって生じる燃料の輸送遅れの変化を考慮して導出される。ここで、2つの閾値A,Bは、リッチスパイク制御を最後まで続行可能となる空燃比変化の標準的な傾きの絶対値に対して、小さい閾値(閾値A)と、大きい閾値(閾値B)であり、閾値A<閾値Bの関係を満たす。また、閾値Aが本発明の第1、第3所定値に相当し、閾値Bが本発明の第2所定値に相当する。次に、S106へ移行する。
ECU8は、S106においては、S104で算出した空燃比変化の傾きの絶対値Nを閾値Aと対比し、空燃比変化の傾きの絶対値Nが閾値Aよりも小さいか否か(絶対値N<閾値A?)を判別する。
そして、ECU8は、空燃比変化の傾きの絶対値Nが閾値Aよりも小さい(絶対値N<閾値Aを満たす)場合には、S107へ移行する。また、空燃比変化の傾きの絶対値Nが閾値Aよりも小さくはない(絶対値N<閾値Aを満たさない)場合には、S109へ移行する。
ECU8は、S107においては、直ちに実行中のリッチスパイク制御を中止する。本ステップを実行するECU8が本発明の制御中止手段に相当する。このように実行中のリッチスパイク制御を中止する理由は、空燃比変化の傾きの絶対値Nが閾値Aよりも小さいと、図4の破線で示すリッチスパイク制御を最後まで続行可能となる空燃比変化とは異なり、図4の実線で示すように、それ以後にリッチスパイク制御で燃料の添加を続行しても、実際の排気通路4の壁温が低温で燃料が排気通路4に付着してNOx触媒5まで直達し難いために目標空燃比まで空燃比が低下せず、NOx触媒5に吸蔵されたNOxやSOxを放出及び還元することができないため、それ以後に添加する燃料が無駄になるからである。このため、それ以後のリッチスパイク制御を中止することによって、リッチスパイク制御における燃費の悪化を抑制できる。次に、S108へ移行する。
ECU8は、S108においては、次回の本ルーチンにおけるS101やS102で用いる推定壁温を低温側へ補正するべく推定壁温に付加する「−5℃」の補正値を学習し、ECU8に記憶しておく。このように学習する理由は、次回も排気通路4の壁温が低温で燃料が排気通路4に付着してNOx触媒5まで直達し難く燃料が無駄になる場合であるにも拘らず、次回の本ルーチン実行の際にS101で再度リッチスパイク制御の実行が許可されてしまい、次回のリッチスパイク制御が実行されることを抑制するためである。このため、不要なリッチスパイク制御を実行しないことで、燃費の悪化が抑制できる。そして、本ルーチンの処理を一旦終了する。
一方、ECU8は、S109においては、リッチスパイク制御を最後まで実行する。空燃比変化の傾きの絶対値Nが閾値Aよりも小さくはないと、燃料がNOx触媒5まで直達し目標空燃比まで空燃比が低下し、NOx触媒5に吸蔵されたNOxやSOxを放出及び還元することができるため、それ以後も燃料を添加しリッチスパイク制御を最後まで行う。次に、S110へ移行する。
ECU8は、S110においては、S104で算出した空燃比変化の傾きの絶対値Nを閾値Bと対比し、空燃比変化の傾きの絶対値Nが閾値Bよりも大きいか否か(絶対値N>閾値B?)を判別する。
そして、ECU8は、空燃比変化の傾きの絶対値Nが閾値Bよりも大きい(絶対値N>閾値Bを満たす)場合には、S111へ移行する。また、空燃比変化の傾きの絶対値Nが閾値Bよりも大きくない(絶対値N>閾値Bを満たさない)場合には、本ルーチンの処理を一旦終了する。
ECU8は、S111においては、次回の本ルーチンにおけるS101やS102で用いる推定壁温を高温側へ補正するべく推定壁温に付加する「5℃」の補正値を学習し、ECU8に記憶しておく。このように学習する理由は、次回には排気通路4の壁温を少し低温にしても燃料がNOx触媒5まで直達して目標空燃比まで空燃比が低下し、NOx触媒5に吸蔵されたNOxやSOxを放出及び還元することができる場合に、次回の本ルーチン実行の際にS101で今回よりも排気通路4の壁温が低温であってもリッチスパイク制御の実行が許可され、次回のリッチスパイク制御が実行されるようにするためである。そして、本ルーチンの処理を一旦終了する。
ここで、S101、S104、S105、S106、S108、S110、S111などのステップを実行するECU8が本発明の補正変更手段に相当する。
そして、以後のリッチスパイク制御においては、その制御の度に本ルーチンの処理が行われる。
このように上記ルーチンを実行することにより、本実施例では、実行中のリッチスパイク制御中における空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいて、次回のリッチスパイク制御の実行可否判定時における推定壁温の補正を行う。これによると、次回のリッチスパイク制御の実行可否判定が、事前の実行中のリッチスパイク制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいた学習で調整され、次回のリッチスパイク制御の実行がより好適に行えるようになる。言い換えれば、リッチスパイク制御が無駄になる状況でリッチスパイク制御が実行されることが抑制されると共に、リッチスパイク制御が好適に実行可能な状況でリッチスパイク制御が実行されることが促進される。このため、リッチスパイク制御における燃費の悪化をより好適に抑制し、リッチスパイク制御をより好適に実行することができる。
また、本実施例では、推定壁温の補正を行うことで、次回のリッチスパイク制御における燃料添加弁6の燃料の添加量αを変更する。これによると、事前の実行中のリッチスパイク制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいた学習で推定壁温が補正され、推定壁温に基づいて算出される次回のリッチスパイク制御における燃料の添加量αがより好適な量となる。このため、リッチスパイク制御における燃費の悪化を抑制し、リッチスパイク制御をより好適に実行することができる。
また、本実施例では、実行中のリッチスパイク制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きの絶対値が閾値Aよりも小さい場合には、実行中のリッチスパイク制御を中止する。これによると、実行中のリッチスパイク制御が中止要否判断される。そして、リッチスパイク制御が無駄になる状況であるにも拘わらずリッチスパイク制御が実行中であれば、実行中のリッチスパイク制御が中止される。このため、リッチスパイク制御における燃費の悪化を抑制し、リッチスパイク制御をより好適に実行することができる。
なお、上記実施例では、S108やS111で次回の図2の制御ルーチンにおけるS1
01やS102で用いる推定壁温を補正するようにしていた。しかし、これに限られず、図5の制御ルーチンにおけるS201やS202に示すように、推定壁温を補正せず、S101での所定の温度を変更するようにしてもよい。
具体的には、ECU8は、S201においては、次回の図5の制御ルーチンにおけるS101で用いる所定の温度を「5℃」高温側へ変更することを学習し、ECU8に記憶しておく。また、ECU8は、S202においては、次回の制御ルーチンにおけるS101で用いる所定の温度を「−5℃」低温側へ変更することを学習し、ECU8に記憶しておく。そして、次回の制御ルーチンでは、S101において、前回の制御ルーチンの実行により学習した所定の温度をECU8から読み出し、リッチスパイク制御の実行可否判定を行う。このようにしても、本発明の効果を奏することができる。
上記実施例では、排気へ燃料供給する燃料添加弁を有する構成であった。しかし、本発明は、内燃機関の気筒内又は吸気ポート内へ燃料を噴射する燃料噴射弁を用いて、排気の排出と共に燃料噴射を行うこと(アフター噴射)による燃料供給にも適用できる。
本発明に係る排気浄化装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。
排気浄化装置を適用する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。 空燃比低下制御における制御ルーチンを示すフローチャートである。 空燃比低下制御における空燃比低下時の空燃比変化を示す図である。 空燃比低下制御における空燃比変化を示す図である。 空燃比低下制御における制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 吸気通路
3 エアフロメータ
4 排気通路
5 NOx触媒
6 燃料添加弁
7 空燃比センサ
8 ECU

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気に燃料を供給して排気の空燃比を低下させる空燃比低下制御を行うことで、排気浄化触媒の性能を再生する内燃機関の排気浄化装置において、
    内燃機関の排気通路中の特定部位の壁温を推定し、当該推定壁温が所定温度以上となると空燃比低下制御の実行を許可し、前記推定壁温が前記所定温度より低いと空燃比低下制御の実行を禁止する実行許可判定手段と、
    実行中の空燃比低下制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいて、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定について前記推定壁温の補正又は前記所定温度の変更を行う補正変更手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記補正変更手段は、前記空燃比変化の傾きの絶対値が第1所定値よりも小さい場合には、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定について前記推定壁温を低温側へ補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記補正変更手段は、前記空燃比変化の傾きの絶対値が第1所定値よりも小さい場合には、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定について前記所定温度を高温側へ変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記補正変更手段は、前記空燃比変化の傾きの絶対値が第2所定値よりも大きい場合には、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定について前記推定壁温を高温側へ補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記補正変更手段は、前記空燃比変化の傾きの絶対値が第2所定値よりも大きい場合には、次回の前記実行許可判定手段による前記空燃比低下制御の可否判定について前記所定温度を低温側へ変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記第1所定値は、空燃比低下制御の実行の度に吸入空気量に基づいて変更されることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記第2所定値は、空燃比低下制御の実行の度に吸入空気量に基づいて変更されることを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 内燃機関の排気に燃料を供給して排気の空燃比を低下させる空燃比低下制御を行うことで、排気浄化触媒の性能を再生する内燃機関の排気浄化装置において、
    内燃機関の排気通路中の特定部位の壁温を推定し、当該推定壁温に基づいて空燃比低下制御における燃料の供給量を算出する供給量算出手段を備え、
    前記供給量算出手段は、実行中の空燃比低下制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きに基づいて、前記推定壁温の補正を行うことで、次回の空燃比低下制御についての燃料の供給量を変更することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  9. 内燃機関の排気に燃料を供給して排気の空燃比を低下させる空燃比低下制御を行うことで、排気浄化触媒の性能を再生する内燃機関の排気浄化装置において、
    実行中の空燃比低下制御における空燃比低下時の空燃比変化の傾きの絶対値が第3所定値よりも小さい場合には、実行中の空燃比低下制御を中止する制御中止手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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WO2010128564A1 (ja) * 2009-05-08 2010-11-11 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
US9885304B2 (en) * 2014-12-02 2018-02-06 Nissan Motor Co., Ltd. Vehicle control system for internal combustion engine

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