JP2007284663A - 水性描画材 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の基材上に文字や図形を厚みのある塗膜として描くことができ、しかも、その塗膜は速やかに乾燥し、乾燥後の塗膜には粘着性が殆ど残らないような水溶性描画材を提供する。
【解決手段】本発明によれば、ガラス転移温度が−10℃から10℃の範囲の第1の重合体を50重量%以上の含有率で含有する水性エマルションAとガラス転移温度が25℃以上であって、60℃未満の第2の重合体の水性エマルションBとを水性エマルションAと水性エマルションBとの合計量に基づいて水性エマルションAが50重量%以上であるように含む水性エマルションインキ組成物であって、上記第1と第2の重合体を合計にて45重量%以上含む水性エマルションインキ組成物からなる水性描画材が提供される。特に、水性エマルションAが第1の重合体を55重量%以上の含有率で含有し、水性エマルションBが第2の重合体を45重量%以上の含有率で含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は水性描画材に関し、詳しくは、低いガラス転移温度を有する第1の重合体の水性エマルションと高いガラス転移温度を有する第2の重合体の水性エマルションとを含み、種々の基材上に文字や図形を厚みのある立体的な塗膜として形成することができる水性描画材に関する。
重合体を水性媒体中に分散させた水性エマルションは、水を媒体としており、有機溶剤を用いないので、省資源化に寄与するうえに、引火や中毒、大気汚染の危険性が小さいこと等から、特に、塗料や被覆剤として広く用いられている(例えば、特許文献1から3参照)。
例えば、ガラス転移温度が60℃以上である重合体の水性エマルションとガラス転移温度が20℃未満の重合体の水性エマルションを混合してなり、この混合物における重合体のガラス転移温度が25〜55℃であって、金属やプラスチック等への接着性を改善した水性被覆組成物が知られている(特許文献1参照)。
しかし、このような水性エマルションからなる組成物は、上述したように、水を媒体としているので、それが形成する塗膜の乾燥速度が遅い。そこで、このような水性エマルションからなる組成物の乾燥速度を速める一つの方策として、組成物の有する水の量を少なくすること、例えば、用いる水性エマルションの重合体濃度を高くすることが知られている。他方、水性エマルションからなる組成物の乾燥後の塗膜の粘着性は、一般に、エマルションを形成する重合体のガラス転移温度に依存する。即ち、上記重合体のガラス転移温度がその水性エマルションを用いて塗膜を形成する雰囲気温度よりも高い場合は、その塗膜は、乾燥後に粘着性を有し難く、他方、上記重合体のガラス転移温度がその水性エマルションを用いて塗膜を形成する雰囲気温度よりも低い場合には、その塗膜は、乾燥後にも、粘着性を有しやすい。
しかし、一般に、市販されている多くの水性エマルションのうち、ガラス転移温度が常温よりも高いものは、重合体濃度が低い。その理由は、例えば、塗料用途のエマルションについていえば、ガラス転移温度が常温よりも高い水性エマルションは、主に、塗膜の硬さが要求される外装塗料に用いられることが多く、また、耐水性も要求されるので、エマルションの製造の際に、その塗膜の耐水性を低下させる原因となる重合体の水中への乳化のための乳化剤を低減した量にて用いるためである。かくして、水中に分散させ得る重合体の量を多くすることができず、相対的に水の割合が増えるので、形成される塗膜の乾燥速度が遅くなる。
他方、ガラス転移温度が常温よりも低い水性エマルションのなかには、重合体の濃度が高いものがあり、そのような水性エマルションは、形成される塗膜が柔らかく、粘着性があって、前述したような耐水性の要求される用途で用いられることが少ないことから、エマルションの製造に際して、重合体の水への乳化に必要な乳化剤を多く用いることができる結果、水中に分散させることができる重合体の量を増やすことができ、かくして、エマルションは、相対的に水の割合が減って、乾燥速度が速くなる。
特開平09−111154号公報 特開平10−176122号公報 特開2004−339472号公報
水性エマルションを描画材として利用して、種々の基材上に文字や図形を厚みのある立体的な塗膜として描くことができ、しかも、そのような塗膜が速やかに乾燥することは、極めて重要な要求特性である。そこで、前述したように、水性エマルションの乾燥速度を早めるために、ガラス転移温度が低い重合体の濃度の高いエマルションを用いれば、塗膜は速やかに乾燥しても、塗膜に粘着性が残る問題がある。従って、そのような塗膜は、塵や埃が付着して、汚染されやすいばかりでなく、塗膜に紙やフィルムが接した場合に、その塗膜とそれら紙やフィルムとが接着する等の問題がある。そこで、乾燥後の塗膜に粘着性が残らないように、ガラス転移温度の高い重合体の水性エマルションを用いれば、そのようなエマルションは、通常、重合体の濃度が低いので、乾燥時間が遅いという問題がある。
本発明は、水性エマルションを含む水性描画材における上述した問題を解決するためになされたものであって、種々の基材上に文字や図形を厚みのある立体的な塗膜として描くことができ、しかも、そのような塗膜が速やかに乾燥すると共に、その塗膜が粘着性を殆どもたないような水性描画材を提供することを目的とする。
本発明によれば、ガラス転移温度が−10℃から10℃の範囲の第1の重合体を50重量%以上の含有率で含有する水性エマルションAとガラス転移温度が25℃以上であって、60℃未満の第2の重合体の水性エマルションBとを水性エマルションAと水性エマルションBとの合計量に基づいて水性エマルションAが50重量%以上であるように含む水性エマルションインキ組成物であって、上記第1と第2の重合体を合計にて45重量%以上含む水性エマルションインキ組成物からなる水性描画材が提供される。
本発明によれば、このような描画材において、水性エマルションAは第1の重合体を55重量%以上の含有率で含有することが好ましく、水性エマルションBは第2の重合体を45重量%以上の含有率で含有することが好ましい。
更に、本発明による描画材は、水性エマルションAと水性エマルションBとを水性エマルションA/水性エマルションB重量比5/5〜7/3にて含むことが、一層、好ましく、また、第1と第2の重合体を合計にて50重量%以上含むことが好ましい。
本発明の水性描画材は、上述したように、相互に相違するガラス転移温度を有する第1の重合体を含有する水性エマルションAと第2の重合体の水性エマルションBとを所定の割合にて含むと共に、上記第1と第2の重合体を合計にて50重量%以上含み、種々の基材、例えば、紙、布帛、木材、セラミックス、プラスチック、金属等の表面に文字や図形を厚みのある塗膜として描くことができ、しかも、その塗膜は速やかに乾燥して、乾燥後の塗膜には粘着性が殆ど残らないので、塗膜に紙やフィルムが接しても、相互に接着し難い。
本発明による水性描画材は、ガラス転移温度が−10℃から10℃の範囲の第1の重合体を50重量%以上の含有率で含有する水性エマルションAとガラス転移温度が25℃以上であって、60℃未満の第2の重合体の水性エマルションBとを水性エマルションAと水性エマルションBとの合計量に基づいて水性エマルションAが50重量%以上であるように含む水性エマルションインキ組成物であって、上記第1と第2の重合体を合計にて45重量%以上含む水性エマルションインキ組成物からなる。
本発明において、水性エマルションAは、得られる描画材に高い乾燥性を有せしめる役割を有し、ガラス転移温度が−10℃から10℃の範囲の第1の重合体を50重量%以上の濃度で含有する。水性エマルションAにおける第1の重合体の含有量が50重量%未満であるときは、得られる描画材が乾燥速度において劣るおそれがある。水性エマルションAにおける第1の重合体の含有量は、好ましくは、55重量%以上であり、最も好ましくは、60重量%以上である。
また、水性エマルションAにおける第1の重合体のガラス転移温度が−10℃よりも低いときは、得られる描画材の形成する塗膜が乾燥後にも粘着性を有するおそれがある。水性エマルションAにおける第1の重合体のガラス転移温度が10℃よりも高いときは、前述したように、通常、エマルションの重合体濃度が低いので、得られる描画材の形成する塗膜が乾燥性に劣るおそれがある。
他方、水性エマルションBは、ガラス転移温度が25℃以上であって、60℃未満の第2の重合体の水性エマルションであり、第2の重合体を45重量%以上の含有率にて含んでいることが好ましい。第2の重合体のガラス転移温度が25℃よりも低いときは、得られる描画材が形成する塗膜が乾燥後にも粘着性を有するおそれがあり、ガラス転移温度が60℃以上であるときは、得られる描画材が形成する塗膜が乾燥性に劣るおそれがある。特に、本発明によれば、水性エマルションにおける第2の重合体は、35℃以上、60℃未満のガラス転移温度を有することが好ましい。
更に、本発明による描画材は、乾燥性にすぐれると共に、乾燥後の塗膜が粘着性をもたないように、水性エマルションAとBの合計量に基づいて、水性エマルションAを50%重量以上含有すると共に、水性エマルションインキ組成物に基づいて、第1と第2の重合体を合計にて45重量%以上、好ましくは、50重量%以上含む。特に、本発明によれば、得られる描画材の塗膜が高い乾燥性を有すると共に、乾燥後は粘着性をもたないように、水性エマルションA/水性エマルションB重量比5/5〜7/3にて含むと共に、上記第1と第2の重合体を合計にて45重量%以上、好ましくは、50重量%以上含むことが好ましい。本発明において、最も好ましい水性エマルションA/水性エマルションB重量比は5/5〜6/4の範囲である。
上述したような第1の重合体と第2の重合体の水性エマルションはいずれも、分子内に少なくとも一つのラジカル重合性基を有するビニル単量体の1種又は2種以上を水中にて乳化(共)重合させることによって得ることができる。
そのようなビニル単量体の重要な例として、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸等を挙げることができるが、更に、上記単量体と共に次のような共重合可能なビニル単量体を併用することができる。
即ち、共重合可能なビニル単量体として、例えば、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、ベンジル(メタ)アクリレート、アクリル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘサンジカルボン酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、5−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シュウ酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有ビニル単量体等を挙げることができる。
上述したようなビニル単量体の乳化重合による水性エマルションの製造は既によく知られている。また、そのような水性エマルションは市販品として容易に入手することができる。
本発明による描画材は、ガラス転移温度の高い重合体のエマルショを含み、通常、そのようなエマルションは、最低造膜温度が高いので、得られる描画材の最低造膜温度を下げるために、造膜助剤を含むことが好ましい。この造膜助剤は、高沸点の有機溶剤であり、エマルションの乾燥(造膜)に際して、重合体粒子の相互の融着を助けて、造膜に必要な温度を下げることができる。
造膜助剤としては、通常、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のモノ又はジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の上記モノ又はジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のモノ、ジ又はトリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等のフタル酸ジアルキルエステル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等を挙げることができる。このような造膜助剤は、水性エマルションインキ組成物に基づいて、通常、0.5〜5重量%の範囲で用いられる。
更に、本発明による描画材は、安定性にすぐれるように、塩基性物質を含有して、そのpHが6.5〜10.0の範囲にあることが好ましい。そのようなとして塩基性物質として、例えば、アンモニア、トリメチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。このようなる塩基性物質は、描画材において、通常、0.1〜5重量%の範囲で用いられる。
本発明の描画材においては、必要に応じて、染料、顔料等の着色剤、顔料分散剤、有機溶剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防かび剤等の添加剤を適宜に含有していてもよい。
着色剤は、上述したような水性エマルションの混合物を所望の色に着色できる限りは、特に限定されるものではなく、従来より知られている顔料や染料を適宜に用いることができる。顔料としては、例えば、アゾ系顔料、縮合ポリアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン、ペリレン系顔料、メラミン系顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料、アルミニウム顔料等のような金属粉顔料、樹脂エマルジョン着色体等を挙げることができる。
樹脂エマルジョン着色体は、既に知られているように、スチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を単独又は2種以上を乳化重合して得られる平均粒子径0.1〜1μmのポリマー微粒子の水分散体を塩基性染料、蛍光性塩基染料、蛍光増白剤等で着色して得られる着色剤である。また、金属又は金属酸化物で被覆されたガラスフレークや無機粒子、樹脂フィルム片等のような燐片状の光輝性粒子も着色剤として用いることができる。上述した種々の着色剤は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
このような着色剤は、描画材において、通常、0.01〜20重量%の範囲で含まれ、好ましくは、0.1〜10重量%の範囲で含まれる。着色剤の含有量が少なすぎるときは、得られる描画材の形成する塗膜の色濃度が低すぎ、他方、多すぎるときは、得られる描画材の粘度が高すぎて、流動性が悪くなる。
顔料分散剤は、従来、一般にそのようなものとして用いられている水溶性樹脂や界面活性剤等が用いられる。水溶性樹脂は、天然品、半合成品、合成品のいずれでもよい。合成品としては、例えば、水溶性アクリル樹脂、水溶性マレイン酸樹脂、水溶性スチレン樹脂、水溶性スチレン−アクリル樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、水溶性ウレタン樹脂等を挙げることができる。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性界面活性剤のいずれでもよい。このような顔料分散剤は、描画材において、必要に応じて、0.01〜10重量%の範囲で用いられる、好ましくは、0.1〜5重量%の範囲で用いられる。
本発明による描画材は、粘度調整剤を含有していてもよい。このような粘度調整剤を用いて、より高粘度の描画材とすることができる。粘度調整剤としては、架橋アクリル酸重合物のアルカリ塩、アミン塩又はアルカノールアミン塩等のほか、天然多糖類や半合成セルロース系高分子が用いられる。
天然多糖類としては、グルコース、ガラクトース、ラムノース、マンノース、グルグロン酸塩等の単糖類から構成される高分子化学構造を有するグワーガム、ローカストビーンガム、ウェランガム、ラムザンガム、キサンタンガム、レオザンガム(三晶(株))等が用いられる。半合成セルロース系高分子としては、セルロースの水酸基をエステル化又はエーテル化して、水溶化したメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が用いられる。
このような粘度調整剤は、必要に応じて、描画材において、0.01〜10重量%の範囲で用いられ、好ましくは、0.1〜5重量%の範囲で用いられる。
以下に実施例と共に比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。実施例及び比較例において、「%」は重量%を示す。
また、以下の実施例及び比較例において用いた水性エマルション、着色剤及び粘度調整剤は下記のとおりである。
(水性エマルションA)
ポリトロンA65(旭化成(株)製スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、Tgは7℃、最低造膜温度(MFT)は20℃、固形分65重量%)
ポリトロンA55(旭化成(株)製スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、Tgは0℃、MFTは12℃、固形分45.5重量%)
プライマルRHA691(ローム・アンド・ハース製スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、Tgは−7℃、MFTは0℃、固形分62.5重量%)
(エマルションB)
プライマルAC3001(ローム・アンド・ハース製アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、Tgは32℃、MFTは27℃、固形分48重量%)
ダートシールドK1(ローム・アンド・ハース製アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、Tgは53℃、MFTは45℃、固形分50重量%)
(着色剤)
NKW6238(日本蛍光(株)製青色蛍光着色剤)
(粘度調整剤)
カーボポール940(BFグッドリッチ製架橋ポリアクリル酸)
水性エマルションインキ組成物は、表1に記載の原料を容器中に投入し、ディゾルバで30分撹拌することによって製造した。また、実施例及び比較例において、得られた水性エマルションインキ組成物の物性は、下記に記載したようにして評価した。
(1)乾燥速度
常温(温度20℃、相対湿度65%、以下同じ)において、ケント紙に幅1.5mm、長さ200mm、塗布厚み1.0mmとなるように描画材にて直線を描き、5分毎にその直線をガラス棒(10g)で引っ掻いたときに、描いた直線に伸びや剥がれがなくなるまでの時間を乾燥時間とした。この乾燥時間に基づいて、描画材の乾燥性を次のように評価することができる。乾燥時間が20分未満のとき、非常にすぐれる、乾燥時間が20分以上、30分未満のとき、すぐれる、乾燥時間が30分以上、40分未満のとき、やや劣る、乾燥時間が40分を超えるとき、非常に劣る。
(2)粘着性
常温において、第1のケント紙に幅1.5mm、長さ30mm、塗布厚み1.0mmとなるように描画材にて直線を描き、1日乾燥させた後、その直線を描いた紙上に第2のケント紙を重ね、その上に更にガラス板を載せて、水平な基台上に置き、上記ガラス板の上から1kgの荷重をかけた。この状態で1週間にわたって放置した後、上記第2のケント紙を第1のケント紙から剥がしたときの状況を観察して、下記のとおり、評価した。即ち、第2の紙が第1の紙に付着しておらず、容易に剥がすことができる、又は第2の紙が第1の紙に付着しているが、容易に剥がすことができるときを「良い」とし、第1の紙に描いた直線に第2の紙が付着しており、第2の紙を剥がすとき、前記直線に第2の紙が破れて張り付くか、又は第2の紙に前記直線の近傍の紙が破れて張り付くときを「悪い」とした。
実施例1及び2
表1に示す水性エマルションAとBと共に、着色剤と造膜助剤と水を用いて、前述したようにして、描画材を調製して、描画材における重合体の含有率、乾燥速度及び乾燥塗膜の粘着性を表1に示す。
比較例1〜3
表1に示す水性エマルションAとBの両方又はそれらのいずれか一方と共に、着色剤と造膜助剤と水を用いて、前述したようにして、描画材を調製し、これら描画材の重合体の含有率、乾燥速度及び乾燥塗膜の粘着性を表1に示す。
Figure 2007284663
実施例3〜5
表2に示す水性エマルションAとBと共に、着色剤と造膜助剤と粘度調整剤とアンモニア水と水を用いて、前述したようにして、描画材を調製し、これら描画材における重合体の含有率、乾燥速度、乾燥塗膜の粘着性を表2に示す。
比較例4〜6
表2に示す水性エマルションAとBの両方又はそれらのいずれか一方と共に、着色剤と造膜助剤と粘度調整剤とアンモニア水と水を用いて、前述したようにして、水性エマルションインキ組成物を調製し、これら描画材の重合体の含有率、乾燥速度及び乾燥塗膜の粘着性を表2に示す。
Figure 2007284663

Claims (3)

  1. ガラス転移温度が−10℃から10℃の範囲の第1の重合体を50重量%以上の含有率で含有する水性エマルションAとガラス転移温度が25℃以上であって、60℃未満の第2の重合体の水性エマルションBとを水性エマルションAと水性エマルションBとの合計量に基づいて水性エマルションAが50重量%以上であるように含む水性エマルションインキ組成物であって、上記第1と第2の重合体を合計にて45重量%以上含む水性エマルションインキ組成物からなる水性描画材。
  2. 水性エマルションAが第1の重合体を55重量%以上の含有率で含有し、水性エマルションBが第2の重合体を45重量%以上の含有率で含有する請求項1に記載の水性描画材。
  3. 水性エマルションAと水性エマルションBとを水性エマルションA/水性エマルションB重量比5/5〜7/3にて含む請求項1又は2に記載の水性描画材。
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