JP2007282860A - 磁気共鳴イメージング装置および方法 - Google Patents

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Katsumi Kose
勝美 巨瀬
Shinya Handa
晋也 半田
Masaru Yoshioka
大 吉岡
Tomoyuki Haishi
智之 拝師
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Abstract

【課題】手全体を一度に撮像でき、関節リウマチ診断に供する小型の局所的磁気共鳴イメージング装置および方法に関する。
【解決手段】静磁場に直交するx方向とy方向の勾配コイルにはターゲットフィールド法を適用し、静磁場と同方向のZ方向の勾配コイルには遺伝的アルゴリズムを適用し、手全体を一度に撮像するのに必要十分な磁場均一領域を確保し、また手を撮像する際には、手の平および指を真直ぐ伸ばし、平面に規制して、撮像された画像の標準化や読影を容易にしたRAの診断に適した小型の局所的な磁気共鳴イメージング装置。
【選択図】図2

Description

この発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下「MRI装置」ともいう。)およびイメージング方法に関し、詳しくは関節リウマチ診断に供する小型の局所的磁気共鳴イメージング装置および方法に関する。
関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis: 以下「RA」という。)とは、原因不明の持続性の多発関節炎を特徴とし、軟骨や骨を破壊しつつ関節の変形をきたす疾患であり、治療が長期化し、また運動機能障害などによる介護等の必要性から、医療費総額は、癌や心筋梗塞などに匹敵し、さらに患者の苦痛は耐え難いものであり、RAの克服は、社会的・経済的に極めて重要な課題となっている。
そして、RAによる関節破壊は、発症後2年以内に急速に進行することから、早期に診断し、早期に治療を開始することが不可欠である。またRAの発症初期には、手の不特定な関節に症状が起きることが多く、このため手全体を小型のMRI装置で、簡易かつ安価に撮像して、早期診断を行うことが極めて重要であるが、現在は、全身用のMRI装置を使用して撮像し診断することが行われている。
一方、アメリカ・リウマチ学会(American College of Rheumatology :ACR)では、全身用MRIに代わる手段として四肢用MRIが検討され、一部使用されている。
また、図15は下記特許文献1示された従来例に係る局所的MRI装置の全体構成図である。この従来例に係る局所的MRI装置は、均一な静磁場の中に置かれた高周波コイル142中に、被写体Rの踵の端部より踵を挿入し、踵骨を含む断層面の核磁気共鳴画像を、骨粗鬆症診断のための基準試料と同時に、骨髄の緩和時間変化の影響が少ないパルスシーケンス(例えばスピン・エコー撮像シーケンス)で撮像するものであり、小型の装置で安価に、かつ楽な姿勢の撮像を可能とするものである。
特開2002−52008号公報
しかしながら、現在使用されているMRI装置の多くは全身用であり、脳・心肺・腹部の撮像等に最適化されており、RAの早期診断のための手の撮像には、装置が高価であることによる高額の撮像料、長い撮像時間、撮像時間枠の確保、撮像姿勢の制約等の問題がある。
また、上記のアメリカ・リウマチ学会で、全身用MRIに代わる手段として検討され、一部使用さている四肢用MRI装置は、撮像領域が小さいため、手全体の撮像を行うためには、複数回の撮像に分けなければならないため撮像時間が長くなるという問題がある。
また、上記特許文献1に示されたMRI装置は、小型であり、安価に、かつ楽な姿勢で撮像できるという長所があるが、踵骨の骨髄を撮像して骨粗鬆症診断を可能にするものであり、RAの早期診断に供するものではない。
本発明は、係る問題点に鑑みて鋭意研究を重ねてなされたものであり、手全体を対象とした小型であり、安価にかつ被検者の姿勢に自由度が大きく楽な姿勢で、手全体を一度に撮像することのできるMRI装置およびイメージング方法を提供するものである。
上記の課題を解決するための第1の発明は、静磁場を形成する永久磁石と、該静磁場と同方向の磁場を形成する第1の勾配磁場コイルと、該第1の勾配磁場コイルに垂直で、互いに直交する第2と第3の勾配磁場コイルと、高周波磁場を形成する高周波コイルとによって、手のみを一度に撮像するのに必要十分な撮像領域を確保することを特徴とする小型で局所的な磁気共鳴イメージング装置である。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1の勾配磁場コイルには遺伝的アルゴリズムを適用し、前記第2、第3の勾配磁場コイルにはターゲットフィールド法を適用して、前記手のみを一度に撮像するのに必要な広い勾配磁場均一領域を確保することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置である。
第3の発明は、第2の発明において、前記第1乃至第3の勾配磁場コイルを製作する際に、前記ターゲットフィールド法と前記遺伝的アルゴリズムで計算した巻き線の位置データを工作機械に直接入力し、前記第1乃至第3の勾配磁場コイルの台座に溝を掘って、該台座に巻き線を配策したことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置である。
第4の発明は、第1乃至第3の発明において、前記高周波コイルを少なくとも1つの固定キャパシタで分割することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置である。
第5の発明は、関節リウマチを診断するために手全体を一度に撮像する磁気共鳴イメージング方法であって、被写体となる手を、該手の形状をした剛性を有する平らな副え板の上に固定して、手の平および指を真直ぐ伸ばして平面として、高周波プローブの開口に挿入して撮像することを特徴とする磁気共鳴イメージング方法である。
第6の発明は、パルスシーケンスとして3D―勾配エコー法またはSTIR−3DFSE法を使用した磁気共鳴イメージング方法であって、最初の位相エンコードと巻き戻し位相エンコードの勾配磁場の面積が同じになるように勾配磁場の振幅乃至印加時間を補正して、永久磁石磁気回路や周辺導体の勾配磁場パルスへの影響を最小とし、後に発生するスピンエコーの強度の減衰を抑制することを特徴とする磁気共鳴イメージング方法である。
第1の発明によれば、小型にして手全体を一度に撮像可能な小型の局所的なMRI装置であるから、不特定な手の関節に発生するRAに係る撮像を安価かつ容易にして、RAの早期診断・早期治療に供することができる。
第2の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、x、y方向の勾配磁場コイルには、ターゲットフィールド法を、Z方向の勾配磁場コイルには遺伝的アルゴリズムを適用しているので、勾配磁場コイルの設計と製作が容易であって、広い勾配磁場均一領域を確保できる。
第3の発明によれば、第2の発明の効果に加えて、計算した巻き線の位置データを工作機械に直接入力し、コイルの台座に溝を掘って、コイルをその台座に配索しているので、巻き線の位置精度を向上させ、製作時間を短縮し、製作コストの低減を図ることができる。
第4の発明によれば、第1乃至第4の発明の効果に加えて、高周波コイルを少なくとも1つの固定キャパシタで分割しているので、手を高周波コイル内に挿入したときの、インピーダンスマッチングのずれを最小化し、さらに巻き線数を増加させることにより高周波磁場の均一性を向上させ、同時に検出効率を向上させることができる。
第5の発明によれば、高周波プローブの開口に被写体となる手を挿入する際に、手の平および指を真直ぐ伸ばして平面となるように規制しているので、撮像された画像の標準化や、読影が容易な画像を取得することができる。
第6の発明によれば、最初の位相エンコードと巻き戻し位相エンコードの勾配磁場の面積が同じになるように補正しているので、永久磁石磁気回路や周辺導体の勾配磁場パルスへの影響が最小となり、後に発生するスピンエコーの強度の減衰が抑制され、一層鮮明な画像の取得ができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るMRI装置のブロック図であり、装置の構成の概要は、システム全体1を制御し、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)信号を収集し、画像再構成・表示等を行うコンピュータ(PC)10、核スピン系を励起する高周波(RF)信号を作り、また受信したNMR信号を増幅・検波する高周波信号ユニット部(送受信部)30、勾配磁場コイル(以下「勾配コイル」という。)43〜45をドライブする勾配磁場電源部50、核スピン系を励起するパワーアンプ(高周波送信機)60、均一な静磁場を発生して核磁化を作り出す磁石41、勾配磁場を作る勾配コイル43〜45、と核スピン系に高周波を与え、信号を受信するRFコイル421からなっている。
続いて、MRI装置の各構成要素について、より詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るMRI装置の架台部の説明図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。図2において41は通常Fe-Nd-B系の磁石材料からなる永久磁石(以下「磁石」という。)であり、411はヨークを構成する左右2本の縦部材、412はヨークを構成する横部材であり、ヨークは磁路を形成し磁束を磁気回路内に閉じ込める機能を有している。またヨークの下部には移動用のキャスターと固定設置に供する台座(不図示)が設けられている。
413はヨークの縦部材411の上端部内面に形成されたポールピースである。ポールピース413は静磁場の均一度を高めるためにその周辺に、突起状のローズシムを有し、また表面に局所的に静磁場の不均一性を補正するための多数の磁性体の小片からなるパッシブシムを有している。勾配コイル43〜45はポールピース413の尖端内側に取付けられ、左右のポールピース413の間にRFプローブ42が取付けられている。
そして、RFプローブ42は、RFシールドとタンク回路から構成され、RFプローブ42の中央部に被写体となる手Rを挿入する開口422が、設けられている。被検者は、椅子に着座した姿勢で、右または左の手全体をRFプローブの開口422から挿入して撮像を受ける。
RFシールドはRFプローブの外表面に貼付けた銅箔からなり、勾配コイルとの磁気干渉や、外来の高周波雑音を遮断するためのものである。
図3は本発明の実施の形態に係るRFプローブのタンク回路図である。タンク回路は、コイルの同調をとるチューニングキャパシタ(Ct1、VCt1)と特性インピーダンスとマッチング(本発明の実施の形態では50Ωマッチング)をとるマッチングキャパシタ(Cm1、VCm1、Cm2、VCm2)からなる。またRFコイルはチューニングキャパシタとほぼ同じ容量の固定キャパシタ(C)で分割することにより、被写体とのカップリングを抑制している。
図4は本発明の実施の形態に係るMRI撮像時の手および指の形状の規制とRFプローブへの挿入の説明図である。図4において、47は手の形状を規制する副え板、48はカバーであり、副え板47とカバー48は手を撮像するときに、手の平および指を真直ぐ伸ばして、撮像された画像の標準化や読影が容易な画像を取得するためのものである。副え板47は、木製、樹脂製等の剛性ある手の平および指の形状をした板状材であり、カバー48は、天然繊維、人工繊維等からなる手袋状のものである。被検者は、手の平および指を副え板421にぴったりと副わせ、その上に手袋状のカバー48を被せた状態で、RFプロ−ブ42の開口422に挿入し、磁場の均一領域に保持して撮像が行われる。ただし、副え板4、7カバー48は、上記のものに限定されるものではなく、手の平および指を真直ぐ伸ばしてその状態を維持でき、嵩張らないものであればよい。
x方向とy方向の勾配コイル(GxコイルとGyコイル)にはターゲットフィールド法を、z方向の勾配コイル(Gzコイル)には遺伝的アルゴリズムを用いて巻き線パターンを求め、手全体を撮像するために必要な広い回転楕円体の勾配磁場均一領域を確保している。
最初にターゲットフィールド法によるGx、Gyコイルの設計について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る勾配コイルの配置図である。
図5において、z=±aにおける勾配コイルとするための2枚の平面電流分布を
外1
とする。
これから、2枚の平面電流間の磁場B(x、y、z)は、
ただし、
外2
外3
のx成分のフーリエ変換対である。
ここで、目標とする磁場分布として、電流平面の内側の平面Z=±c(a>c)における
外4
を与える。
Gxコイルの場合、電流の対称性から
の関係が成り立つ。数式2のフーリエ変換したものを数式1に代入し、係数比較することによって、
の関係を得る。
ここで、
外5
外6
のフーリエ変換対である。さらにこの電流分布の流場の流線追跡を行うことによって巻き線パターンを得ることができる。
外7
に、x方向の勾配磁場分布を与え、そのフーリエ成分を、二次元FFTにより計算して数式3に代入する。電流分布を求めるためのフーリエ合成も、二次元FFTで計算することにより求めることができる。勾配コイル間の間隔を16cmとし、直径36cmの円盤内に収まる大きさとなるように計算を行った巻き線パターンの1例を図6に示している。Gyコイルについては不図示であるが、図6に示された巻き線パターンを90°回転させたものである。
また、図7に本発明の実施の形態に係るターゲットフィールド法を用いた場合の勾配磁場の均一領域を示した。ターゲットフィールド法を用いた場合は、従来の平行4線コイルを用いた場合に比較して、均一領域が大きく広がっていることが分かる。
次に、遺伝的アルゴリズムによるGzコイルの設計について説明する。
遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)とは、解の候補を遺伝子で表現し、選択・交叉・突然変異などの操作を繰り返しながら解を探索する最適化手法であり、遺伝的アルゴリズムを使用することにより、z方向の勾配コイル(Gzコイル)が円形コイルの重ね合わせとなるようにすることができる。
(a) 遺伝子のコーディング
Gz コイルの場合、電流の対称性から考えて、異なる半径を持つ円形コイルの重ね合わせで表現できると考えられ、一つの円形コイルの半径を本発明の実施の形態では8bitで表すことにし、それをNエレメント分、繋げたものを遺伝子とした。
(b) 世代交代モデル
既に、提案されている種々の世代交代モデルのうち、佐藤らによって提案されたMGG(Minimal Generation Gap model)を用いた。
(c) 評価関数
関心領域で理想とする勾配磁場からの2乗誤差を最小化するため、評価関数Eは、
を使用した。
ここで、Gzoは基準となる勾配磁場強度、Gziはi番目の評価点の勾配磁場強度で、Mは評価する点の数を表している。
本発明の実施の形態では、交叉確率を80%、突然変異率を5%とし、MGGの試行数10万回繰り返した。図8は、本発明の実施の形態に係る遺伝的アルゴリズムをGzコイルに適用したものであり、(A)はGzコイルの巻線位置(ターン数=30)を示し、(B)はGzコイル(1.0mm銅線)の勾配磁場の10%均一領域を示している。勾配磁場の10%均一領域は十分なものであることが分かる。
図9は、本発明の実施の形態に係るGxコイルの巻き方の説明図であり、(A)は平面図、(B)は図(A)におけるA−A断面図である。図9は、図6に示した勾配コイルのパターン図に基いて台座46にコイルを配索したものである。
図10は、本発明の実施の形態に係る送受信切替器の回路図である。この送受信切替器70は、RFスイッチ(高周波スイッチ)71とλ/4ケーブル72によって構成される。RFスイッチ71には、PINダイオードとクロスダイオードのいずれも使用することができる。
λ/4ケーブルとは、電気長が、ある高周波の波長の1/4となるケーブルであり、特定の高周波におけるインピーダンス変換器として使用される。λ/4ケーブルの入力インピーダンスをZi、終端のインピーダンスをZf、(同軸)ケーブルの特性インピーダンスをZとすると、
の関係が成り立つ。終端を短絡した(Z=0)場合には入力端はオープン(Z=∞)となり、終端をオープン(Z=∞)にした場合には、入力端は短絡(Z=0)となる。λ/4ケーブルは、その特定の高周波におけるインピーダンス変換器として機能する。
そのため、図10において、高周波送信機60から強力なRFパルスが出力されているときは、2つのRFスイッチ71はON状態となり、高周波送信機60の電力は有効にRFプローブ42に送り込まれ、RFパルスが切られた後、NMR信号をRFコイル421で受信するときには、2つのRFスイッチ71はともにオープンの状態となり、NMR信号が、プリアンプ80に達する。
撮像シーケンスについては、解剖学的な情報を得るためのT強調画像の撮像シーケンスとして、3D-勾配エコー法を採用し、病変を検出する脂肪抑制T強調画像の撮像シーケンスとしてSTIR−3DFSE法を採用した。
図11は、本発明の実施の形態に係る3D-勾配エコー法のシーケンスの説明図である。
このシーケンスは、勾配エコー法の基本的方法であるスピンワープ法に対して、(1) 一般に90°パルスより小さいフリップ角を持つα°パルスを用いること、(2) 繰り返し時間TRをTに比べて短くすること、(3)位相エンコードは次のα°パルスまでに巻き戻(rewind)すこと、という3点で異なっている。Tよりも短い繰り返し時間TRを用いても飽和効果の少ない画像を高速に撮像できる。また、FLASH法に比べて、Tよりも短い繰り返し時間でも横磁化のコヒーレンスを一部利用するため高いSNRを実現できる。
図12は、本発明の実施の形態に係るSTIR−3DFSE法のシーケンスの説明図である。STIR法とは最初の180°パルスで全ての核磁化を反転し、その後の核磁化の回復過程において撮像を行う方法であり、短い反転時間TIで撮像するのでSTIR法と呼ばれている。3DFSE法とは、多数のスピンエコーを発生させ、エコーの間で異なった位相エンコードを行う方法である。多数のスピンエコーから画像を再構成するため一般的にTの強いコントラストが付いた画像が得られる。
このSTIR法と3DFSE法を併用したのがSTIR−3DFSE法である。シーケンス中、ETL(Echo Train Length )はエコー数、TI(Inversion Time)は反転時間を示している。
本発明の実施の形態において、3D-勾配エコー法を用い、T強調画像を取得するシーケンスを検討した。Matrix Size は256×256×16、TEは8msで固定し、撮像時間は7分に収まるように繰り返し時間と励起回数(NEX)を設定した。TR=30ms、50ms、100msで、それぞれNEX=1〜3、で撮像した。また、各TR毎にフリップアングル(FA)=30°、45°、65°、90°と変化させて撮像した結果、TR=50ms、FA=65°、NEX=2、が画像の鮮明度(CNR、SNR)、撮像所要時間等を総合的に判断して最適であることを確認した。
同様に、STIR-3DFSE法を用い、脂肪抑制T強調シーケンスを検討した。
STIR法において骨髄のnull pointを探すため、TIを変化させ画像取得を行った。撮像パラメータは、TR/TEeff=1000ms/40ms、エコー間隔τ=10ms、エコー数ETL=8でTIを80ms〜120msまで10ms刻みで撮像を行った。また、エコー毎の位相エンコードの割り当ては、Nyquist Modulated法を用いた。
これらの条件で撮像を行った結果、TR=1000ms、TI=100ms、TEeff=40ms、ETL=8、NEX=2、が画像の鮮明度、撮像所要時間等を総合的に判断して最適であることを確認した。TI=100msとしたのは、このときに最も骨髄の信号が抑制されるからであり、NEX=2としたのは、SNRが高く、指の静脈等の細かい組織が明瞭に確認できるからである。
図12において、(F)〜(I)は(C)、(D)に示したy方向とz方向の位相エンコード勾配磁場を拡大したものであり、実線と破線で囲まれた方形領域の、黒丸の部分同士、白丸の部分同士が同じ面積になるように、y方向とz方向の位相エンコード勾配磁場の振幅乃至印加時間を大き目にしている。(F)、(G)は理論上の方形パルス波形であるが、(H)、(I)は実施の形態における信号の応答遅れを含む実際のパルス波形を示している。この補正を行うことによって撮像画像の鮮明度が向上する。このことは図11に示した3D-勾配エコー法のシーケンスにおけるy方向とz方向の位相エンコード勾配磁場においても同様である。
最後に、図1、図2、図4を参照しながら、システムの動作を総括する。
先ず、被写体Rとなる手Rを磁石41の中に設置されたRFプローブ42の開口422中に入れ、PC10の撮像プログラムを起動する。撮像プログラムは、キーボード(不図示)から入力された撮像パラメータに従って、撮像パルスシーケンスを起動すると同時に、データ収集プログラムを起動する。
パルスシーケンスは、DSP(パルス発生器)14から、正確なタイミング信号として出力され、DAC(DA変換器)12に送られ、DAC12でアナログ化され、RFパルス波形がLPF(ローパスフィルタ)33とアンプ35を経て高周波変調器31へ供給され、一方勾配磁場電流の波形が勾配磁場電源部50の3つの電流増幅器51〜53へ供給される。高周波変調器31では、シンセサイザ13から定常的に出力されるラーモア周波数の参照信号とパルス波形が混合され、RFパルスが出力される。RFパルスはVGA36を経て、パワ−アンプ(高周波送信機)60へと入力され、RFコイル42に高周波磁場を発生するための電力増幅が行われた後、切替器70を介してRFコイルに供給される。勾配磁場電源部50の電流増幅器51〜53は、信号波形に比例した定電流パルスを勾配コイル43〜45へ供給する。
そして、RFパルスによって励起された被写体Rである手R中の核スピンは、RFコイルにNMR信号を誘起し、切替器70を介してプリアンプ80に送られ、プリアンプ80で増幅され、さらにVGA37を経て、検波器32において回転系のNMR信号が得られる。この検波された信号は、アンプ38、LPF34を経てADC(AD変換器)11に送られ、ADC11にてデジタル化され、PC10のメモリ(不図示)上に一時的に格納される。そして、画像再構成に必要なデータ収集が終わった後に、画像再構成プログラムによって、画像ディスプレイ20上に再構成画像が表示される。
なお、測定時のRFパルスの送信ゲインや、NMR信号の受信ゲインは、USB I/F(インターフェイス)35を通してPC10から送受信部30に指示が出され、送受信部30に内蔵されているCPUによってVGA36、37に送信され、VGAで所定のゲインに増幅される。
次に実施例により、本発明について、より詳細に説明する。
本実施例に用いたMRI装置は本発明の実施の形態で説明したところおよび図面に基き、その各構成要素の主要諸元は次の通りである。
(永久磁石)
・メーカ:(株)NEOMAX
・永久磁石材:Fe-Nd-B系
・寸法:
幅×高さ×奥行き=460mm×780mm×440mm
・静磁場強度:0.21T
・磁場の均一度:
回転楕円体(長軸20cm×短軸12cm)内で34.6ppm
(勾配コイル)
・巻き線の設計法:
x、y方向の勾配コイル・・・ターゲットフィールド法
z方向の勾配コイル・・・遺伝的アルゴリズム
・巻き線数:
x、y方向の勾配コイル・・・24ターン、
z方向の勾配コイル・・・30ターン
・勾配磁場均一領域:回転楕円体(長軸20cm×短軸6cm)
・コイルの巻き枠:
材質・・・ベークライト板
加工法・・・CADデータを元にNCフライスで巻き線パターンを座板にミリング
・巻き線:
直径×材質=1.0mm×銅線(ポリエチレン被覆付き)
・3方向の勾配コイルの直流抵抗とインダクタンス:表1に示す。
・3方向の勾配磁場の発生効率(増強率):表2に示す。
・3方向の勾配磁場の立ち上がり時定数:表3に示す。
3方向の勾配コイルの磁束は測定値と計算結果とを比較し、略一致していることを確認した。
(RFプローブ)
・RFコイル:
幅×厚さ×材質×ターン数=10mm×0.1mm×銅箔×14(5mm間隔)
・キャパシタ:
=180pF×3個、Ct1=156pF、VCt1=2〜40pF、
m1=32pF、VCm1=2〜40pF、Cm2=22pF、Vcm2=2〜40pF
固定キャパシタ(C)で分割しないときはコイルの共振の強さを示すQ値が、手を挿入したとき1/4程度に減少したが、固定キャパシタで分割したときには3/4以上に留まった。また、厚さ80μmの銅箔からなるRFシールドを用いて勾配コイルとの磁気干渉や、外来の高周波雑音を遮断した。
(撮像に用いたパルスシーケンス)
*3D−勾配エコー法、T強調シーケンス
TR/TE/FA=50ms/9ms/60°
Voxel Size・・・ 0.4mm×0.8mm×4mm
画素数・・・512×256×16(フーリエ補間後512×512×16)
NEX=2
*STIR−3DFSE法、脂肪抑制T強調シーケンス
TR/TI/TEeff=1000ms/100ms/40ms
ETL=8
Voxel Size ・・・ 0.8mm×0.8mm×8mm
画素数・・・256×256×8
NEX=2
(撮像結果と診断)
(1)健常被験者 10例、(2)RA診断前の患者10例、(3) RA発症一年以内の患者5例、(4)RA発症1年以上の患者 18例、の撮像を行い医師による評価を行った。
上記撮像画像の1例として、図13に3D−勾配エコー法、T強調シーケンスで撮像したRA患者の手の撮像画像を、図14にSTIR-3DFSE法、脂肪抑制T強調シーケンス画像で撮像したRA患者の手の撮像画像を示す。
上記撮像画像は、従来の全身用MRI画像と同等であり、充分RAの診断に供するものであるとの医師の評価を得た。
本発明の実施の形態に係るMRI装置のブロック図である。 本発明の実施の形態に係るMRI装置の架台部の説明図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の実施の形態に係るRFプローブのタンク回路図である。 本発明の実施の形態に係るMRI撮像時の手の平および指の形状を規制する副え板とカバーの説明図である。 本発明の実施の形態に係る勾配コイルの配置図である。 本発明の実施の形態に係る勾配磁場(Gx)コイルのパターン図の1例である。 本発明の実施の形態に係るターゲットフィールド法を用いた場合の勾配磁場の均一領域(図B)を、従来例の平行4線コイルを用いた場合(図A)と比較して示したものである。 本発明の実施の形態に係る遺伝的アルゴリズム(GA)をGzコイルに適用したものであり、(A)はGzコイルの巻線位置(ターン数=30)を示し、(B)はGzコイル(直径1.0mm銅線)の勾配磁場の10%均一領域を示したものである。 本発明の実施の形態に係るGxコイルの巻き方の説明図であり、(A)は平面図、(B)は図(A)におけるA−A断面図である。 本発明の実施の形態に係る送受信切替器の回路図である。 本発明の実施の形態に係る3D-勾配エコー法のシーケンスの説明図ある。 本発明の実施の形態に係るSTIR−3DFSE法のシーケンスの説明図である。 本発明の実施例に係る3D-勾配エコー法で撮像した、RA患者の手の撮像画像である。 本発明の実施例に係るSTIR−3DFSE法で撮像した、RA患者の手の撮像画像である。 従来例に係る局所的MRI装置の全体構成図である。
符号の説明
1・・MRI装置
10・・PC(コンピュータ)
11・・ADC
12・・DAC
13・・シンセサイザ
14・・DSP
15・・USB I/F
20・・画像ディスプレイ
30・高周波信号ユニット部(送受信部)
31・・変調器
32・・検波器
33・・LPF(ローパスフィルタ)
34・・LPF(ローパスフィルタ)
35・・アンプ
36・・VGA
37・・VGA
38・・アンプ
39・・切替器
40・・架台部
41・・磁石(永久磁石)
411・・ヨーク(縦部材)
412・・ヨーク(横部材)
413・・ポールピース
42・・RFプローブ
421・・RFコイル
422・・開口
43・・勾配コイル(x方向)
44・・勾配コイル(y方向)
45・・勾配コイル(z方向)
46・・台座
47・・副え板
48・・カバー(手袋)
50・・勾配磁場電源部
51・・勾配アンプ(x方向)
52・・勾配アンプ(y方向)
53・・勾配アンプ(z方向)
60・・パワアンプ(高周波送信機)
70・・切替器(切替回路)
71・・RFスイッチ
72・・λ/4伝送線路(ケーブル)
80・・プリアンプ
R・・被写体
・・手

Claims (6)

  1. 静磁場を形成する永久磁石と、該静磁場と同方向の磁場勾配を形成する第1の勾配磁場コイルと、該第1の勾配磁場コイルに垂直で、互いに直交する第2と第3の勾配磁場コイルと、高周波磁場を形成する高周波コイルとによって、手のみを一度に撮像するのに必要十分な撮像領域を確保することを特徴とする小型で局所的な磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記第1の勾配磁場コイルには遺伝的アルゴリズムを適用し、前記第2、第3の勾配磁場コイルにはターゲットフィールド法を適用して、前記手のみを一度に撮像するのに必要な広い勾配磁場均一領域を確保することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記第1乃至第3の勾配磁場コイルを製作する際に、前記ターゲットフィールド法と前記遺伝的アルゴリズムで計算した巻き線の位置データを工作機械に直接入力し、前記第1乃至第3の勾配磁場コイルの台座に溝を掘って、該台座に巻き線を配策したことを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記高周波コイルを少なくとも1つの固定キャパシタで分割したことを特徴とする請求項1乃至3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 関節リウマチを診断するために手全体を一度に撮像する磁気共鳴イメージング方法であって、被写体となる手を、該手の形状をした剛性を有する平らな副え板の上に固定して、手の平および指を真直ぐ伸ばして平面として、高周波プローブの開口に挿入して撮像することを特徴とする磁気共鳴イメージング方法。
  6. パルスシーケンスとして3D-勾配エコー法またはSTIR−3DFSE法を使用した磁気共鳴イメージング方法であって、最初の位相エンコードと巻き戻し位相エンコードの勾配磁場の面積が同じになるように勾配磁場の振幅乃至印加時間を補正して、永久磁石磁気回路や周辺導体の勾配磁場パルスへの影響を最小とし、後に発生するスピンエコーの強度の減衰を抑制することを特徴とする磁気共鳴イメージング方法。
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