JP2007281168A - 結晶シリコン粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 p型ドーパントとしてガリウムを使用し、安定して高効率に結晶化するとともに高い結晶性を持った多結晶シリコンからなる結晶シリコン粒子の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 酸素ガスおよび/または窒素ガスから成る反応性ガスを含む雰囲気ガス中で、所定量のガリウムをドープされた結晶シリコン粒子106を加熱してその表面に前記反応性ガスの成分を含む珪素化合物層を形成し、次に前記結晶シリコン粒子106を加熱して前記珪素化合物層よりも内部側を溶融させた後降温し凝固させて単結晶化して、結晶シリコン粒子106を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光電変換装置等に用いられ、変換効率特性に優れた結晶シリコン粒子の製造方法に関する。
従来より、光電変換装置は、性能面での効率の良さ、資源の有限性への配慮、あるいは製造コストの低さ等といった市場ニーズを捉えて開発が進められている。今後の市場において有望な光電変換装置の一つとして、太陽電池として使用される、結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置が注目されている。
結晶シリコン粒子を作製するための原料としては、例えば単結晶シリコンを粉砕した結果として発生するシリコンの微小粒子や、流動床法で気相合成された高純度シリコン等が用いられている。これらの原料から結晶シリコン粒子を作製するには、それら原料をサイズあるいは重量によって分別した後に、赤外線や高周波を用いて容器内で溶融し、その後に自由落下させる方法(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)や、溶融したシリコンを飛散させて粒子状の結晶にする方法(例えば、特許文献3参照。)によって球状化する。
しかしながら、これらの方法で製造された結晶シリコン粒子は、そのほとんどが多結晶体である。多結晶体は、微結晶の集合体であるため、それら微結晶間に粒界が存在する。この粒界は、多結晶体を用いた半導体装置の電気特性を劣化させる。その理由は、粒界の境界にはキャリヤの再結合中心が集まっており、それによって再結合が生ずることで少数キャリヤのライフタイムが大幅に低減するためである。
光電変換装置のように電気特性が少数キャリヤの寿命の増大とともに大幅に向上する半導体装置の場合には、それに用いられる結晶シリコン粒子中の粒界の存在は、電気特性を悪化させてしまい、特に大きな問題となる。逆に言えば、結晶シリコン粒子を多結晶体から単結晶体にできれば、光電変換装置の電気特性を著しく改善することができる。
また、多結晶体中の粒界は多結晶体からなる結晶シリコン粒子の機械的強度を低下させることから、光電変換装置を製造する各工程の熱履歴や熱歪み、あるいは機械的な圧力等によって結晶シリコン粒子が破壊されやすいという問題もあった。
従って、結晶シリコン粒子を用いて光電変換装置を製造する場合には、粒界等が存在しない、結晶性に優れた多結晶体または単結晶体からなる結晶シリコン粒子を製造することが必要不可欠となる。
そのような結晶性に優れた多結晶体または単結晶体からなる結晶シリコン粒子を得る方法として、多結晶シリコンまたは無定形シリコンの表面上にシリコンの酸化膜等の珪素化合物被膜を形成し、その珪素化合物被膜の内側のシリコンを溶融した後に冷却して固化させて、結晶性に優れた多結晶体または単結晶体からなる結晶シリコン粒子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
一方で、光電変換装置に用いられている多結晶または単結晶シリコンの導電型はp型が主流であり、そのp型ドーパントとしてはシリコン融液に対する偏析係数が1により近いホウ素が一般的である。しかしながら、ホウ素はシリコン中の酸素と結びついて欠陥を形成し易く、その結果光電変換装置の特性の一つであるライフタイムの低下を引き起こし光劣化を生じてしまうという大きな問題もあった。
この光劣化の問題を解決する方法として、p型ドーパントとしてホウ素の代わりにガリウムを使用することが提案されている(例えば、特許文献5参照。)。ガリウムを使用することでシリコンと酸素との結合による欠陥の形成が抑制され光劣化が生じにくくなるというものである。
国際公開第99/22048号パンフレット 米国特許第4188177号明細書 特開平5−78115号公報 米国特許第4430150号明細書 特開平11−264549号公報
しかしながら、ガリウムの偏析係数はホウ素に比べて極めて小さいため結晶シリコン中に固溶しにくく、しかもシリコン融液からの蒸発速度もホウ素に比べ二桁以上も大きいので結晶シリコン中の濃度分布により大きなばらつきを生じてしまうという問題があった。特に、偏析現象が原因となって凝固過程における融液中の添加不純物が最大固溶度を超えるような高濃度になると、その部分が組成的過冷却状態となり、添加不純物がシリコンと混ざり合わない第2相を発生して結晶性を乱してしまうという問題もあった。
本発明の課題は、p型ドーパントとしてガリウムを使用し、安定して高効率に結晶化するとともに高い結晶性を持った多結晶シリコンからなる結晶シリコン粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸素ガスおよび/または窒素ガスから成る反応性ガスを含む雰囲気ガス中で、ガリウムドープされた結晶シリコン粒子を加熱してその表面に前記反応性ガスの成分を含む珪素化合物層を形成し、次に前記結晶シリコン粒子を加熱して前記珪素化合物層よりも内部側を溶融させた後降温し凝固させて単結晶化することにより、安定して高効率に結晶化するとともに高い結晶性を持った多結晶シリコンからなる結晶シリコン粒子を製造できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の結晶シリコン粒子の製造方法は、以下の構成を有する。
(1)酸素ガスおよび/または窒素ガスから成る反応性ガスを含む雰囲気ガス中でガリウムドープされた結晶シリコン粒子を加熱してその表面に前記反応性ガスの成分を含む珪素化合物層を形成し、次に前記結晶シリコン粒子を加熱して前記珪素化合物層よりも内部側を溶融させた後降温し凝固させて単結晶化することを特徴とする結晶シリコン粒子の製造方法。
本発明の結晶シリコン粒子の製造方法によれば、酸素ガスおよび/または窒素ガスから成る反応性ガスを含む雰囲気ガス中で、ガリウムドープされた結晶シリコン粒子を加熱してその表面に前記反応性ガスの成分を含む珪素化合物層を形成し、次に前記結晶シリコン粒子を加熱して前記珪素化合物層よりも内部側を溶融させた後降温し凝固させて単結晶化することにより、ガリウムの蒸発が抑制され、所定量のガリウムがドープされた結晶性に優れた結晶シリコン粒子を安定して高効率に製造することができる。
以下、本発明の結晶シリコン粒子の製造方法及びその結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の製造方法によって得られた結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。図1において、106は結晶シリコン粒子、107は導電性基板、108は結晶シリコン粒子106と導電性基板107との接合層、109は絶縁物質、110は半導体層、111は透光性導体層、112は電極である。
図1に示すように、本発明の結晶シリコン粒子106を用いた光電変換装置においては、導電性基板107の一主面、この例では上面に、p型の結晶シリコン粒子106を多数個、その下部を例えば接合層108によって導電性基板107に接合し、結晶シリコン粒子106の隣接するもの同士の間に絶縁物質109を介在させるとともにそれら結晶シリコン粒子106の上部を絶縁物質109から露出させて配置し、これら結晶シリコン粒子106にn型の半導体層110および透光性導体層111が設けられた構成となっている。なお、電極112は、この光電変換装置を太陽電池として使用する際に、透光性導体層111の上に所定のパターン形状に被着形成される。
そして、本発明の光電変換装置においては、このような構成において、結晶シリコン粒子106はp型ドーパントとしてガリウムを所定量含んでいることを特徴とするものである。本発明の光電変換装置によれば、このように結晶シリコン粒子106のp型ドーパントとしてガリウムを含んでいることにより、結晶シリコン粒子106中の酸素との結合による欠陥の形成が抑制され、ライフタイム低下や光劣化を防止することができる。また、鉄等の金属不純物との結合による欠陥の形成も抑制されるため光電変換装置の特性劣化も防止することができる。
更に結晶シリコン粒子106の製造方法において、酸素ガスと窒素ガスの反応性ガスを含む雰囲気ガス中で結晶シリコン粒子106を加熱して結晶シリコン粒子106の表面にシリコンの酸窒化膜からなる珪素化合物被膜を形成することでシリコン融液からのガリウムの蒸発を大幅に抑制でき、その結果シリコン凝固後のガリウム濃度分布をより均一化させることができる。結晶シリコン粒子106中の欠陥の形成が抑制され、濃度分布が均一化されることで双晶やサブグレインの発生、ミスフィット転位の増加等を抑制することができ、結晶性が向上するとともに熱歪等によるクラックを生じにくくなることから機械的な強度も向上する。
本発明の光電変換装置において、結晶シリコン粒子106は、所望の抵抗値となるようにp型ドーパントがドーピングされており、p型ドーパントとしてはガリウムを用いる。
結晶シリコン粒子106の大きさ、通常はほぼ球状であることからその粒径は、30〜1500μmが望ましく、その形状が球に近いことが望ましい。ただし、形状は球状に限られるものではなく、立方体や直方体等、その他の形状であってもよい。大きさが1500μmを超えて大きくなる場合には、その表面に形成された所定の珪素化合物被膜よって内部のシリコン溶融時における形状を安定に保つことが難しくなり、また内部のシリコンを完全に溶融させることも困難となって、溶融が不完全な場合にはサブグレインが生じ易いので望ましくない。他方、大きさが30μm未満と小さい場合には、表面の珪素化合物被膜の厚みも薄くなり、内部のシリコン溶融時に隣接して配置され互いに接触している結晶シリコン粒子106同士が合体しやすくなるので望ましくない。従って、結晶シリコン粒子106の大きさは30〜1500μmであることが望ましく、これによってシリコン粒子同士の合体を抑制し、サブグレインの発生がない球形状で良質な結晶シリコン粒子を作製することができる。
この結晶シリコン粒子106を作製するには、まず、結晶シリコン粒子106を板状のサヤ(台板)上に一層(上下方向に1個、横方向に多数個が配置された状態)で充填する。サヤの材質は、結晶シリコン粒子106との反応を抑えるために、石英ガラス,酸化アルミニウム,炭化珪素,単結晶サファイヤ等が適するが、コストが低いという面や扱い易いという面からは、石英ガラスが好適である。
次に、これら結晶シリコン粒子106を加熱する。加熱装置としては、セラミックスの焼成等に用いられる雰囲気焼成炉あるいは半導体素子の製造工程で一般的に用いられる横型酸化炉等が適しており、加熱源としては誘導加熱または抵抗加熱ヒータが望ましい。
次に、炉内で誘導加熱または抵抗加熱ヒータによって結晶シリコン粒子106全体を加熱する。炉内の温度は、酸素ガスと窒素ガスとから成る反応性ガスを導入しながら、シリコンの融点より高い温度へ昇温していく。反応性ガス以外にも半導体製造で一般的に用いられている不活性ガスを雰囲気ガスとして用いてもよい。不活性ガスとしてはアルゴン,ヘリウム,ネオン等が適するが、コストが低いという面や扱い易いという面からはアルゴンが好適である。この過程で、結晶シリコン粒子106の表面には珪素化合物被膜が形成される。
結晶シリコン粒子106の表面に形成される珪素化合物被膜については、シリコンの酸化膜もしくは酸窒化膜が適するが、シリコン融液からのガリウムの蒸発抑制に対してより効果が大きく、被膜の密度や単位膜厚あたりの強度が高く汚染物や不純物等の内部のシリコン中への拡散阻止力が大きいという点からは、シリコンの酸窒化膜が好適である。
また、この酸窒化膜を形成する際の反応性ガスの雰囲気は、酸素分圧もしくは窒素分圧がそれぞれ1%以上であることが望ましい。雰囲気ガス中の酸素分圧あるいは窒素分圧が1%未満の場合は、内部を結晶化するシリコン粒子の表面に形成された酸窒化膜に亀裂が発生しやすくなる傾向がある。
なお、炉内の雰囲気ガス中の各ガス分圧は、全ガス流量に対する各ガス流量で調整できる。加熱装置としては、ガス圧力とガス濃度とが調整可能な機構を持つものであればよい。
引き続き、シリコンの融点(1414℃)以上で、好ましくは1480℃以下の温度まで更に昇温する。この間に内部のシリコンが溶融する。このとき、結晶シリコン粒子106の表面に形成された珪素化合物被膜(酸窒化膜)によって、内部のシリコンが溶融するときにそれを内部に保持するとともに粒子の形状を維持することが可能であり、シリコン融液からのガリウムの蒸発を大幅に抑制することができる。ただし、1480℃を超える温度まで昇温させた場合には、内部のシリコン溶融時に粒子の形状を安定に保つことが難しくなり、サヤと融着反応しやすくなるので望ましくない。
結晶シリコン粒子106の表面に形成される珪素化合物被膜の厚みは1μm以上であることが望ましい。厚みが1μm未満と薄い場合には内部のシリコンの溶融時に被膜が破れやすいので望ましくない。また、厚みが1μm以上で必要な強度を有する珪素化合物被膜であれば、内部のシリコンが溶融時には表面張力で球形化しようとするのに対し、上記の温度領域であれば珪素化合物被膜は充分に変形可能であるため、内部を結晶化して得られる結晶シリコン粒子106を真球に近い形状とすることができる。一方、珪素化合物被膜の厚みが50μmを超えて厚くなる場合には、珪素化合物被膜が上記の温度領域で変形しにくくなり、得られる結晶シリコン粒子106が真球になりにくいので望ましくない。従って、珪素化合物被膜の厚みは1〜50μmであることが好ましく、これによって、真球に近い良好な形状の結晶シリコン粒子106を安定して得ることができ、変換効率に優れた光電変換装置を得ることができるようになる。
次に、溶融した内部のシリコンを凝固させるために約1400℃以下の温度まで降温させる。その後、更に降温させて900℃以上の一定温度にて30分間以上の熱アニールを行なうことが望ましい。この熱アニール処理を行なうことによって、凝固時に発生した結晶シリコン粒子106の結晶中の歪み等を除去することができる。
そして、このようにして得られた結晶シリコン粒子106は、凝固する際に板状のサヤ上での接触部分を凝固起点として一方向に凝固が進行するので、表面に珪素化合物被膜を有するとともに、内部の結晶シリコン中のガリウム濃度が均一に形成されているものとなる。
なお、このガリウム濃度を均一に形成させるためには、珪素化合物被膜内部の溶融したシリコンを融点以下の温度まで降温させて凝固させる際に、降温速度を速くして過冷却度を大きくさせればよく、過冷却度が大きくなることで有効偏析係数がより1に近づき結晶シリコン内の濃度分布を均一化させることができる。
そして、上記したように、このように内部の結晶シリコンにp型ドーパントとしてガリウムが形成されていることにより、結晶シリコン中の酸素との結合による欠陥の形成が抑制されライフタイム低下や光劣化を防止することができる。また、鉄等の金属不純物との結合による欠陥の形成も抑制されるため光電変換装置の特性劣化も防止することができる。結晶シリコン中の欠陥の形成が抑制され、濃度分布が均一化されることで双晶やサブグレインの発生、ミスフィット転位の増加等を抑制することができ、結晶性が向上するとともに熱歪等によるクラックが生じにくくなることから機械的な強度も向上する。また同様にシリコンの凝固過程における成長界面上での偏析現象による融液中のガリウム濃度増加に起因する組成的過冷却状態も抑制することができるため、シリコンと混ざり合わない第2相の発生により結晶性を乱してしまうという問題も起こらない。
ここで、結晶シリコン粒子106の内部の結晶シリコン中のp型ドーパントとしてのガリウムの濃度は、4×1015〜5×1017atoms/cm3になっている。これは、最低濃度が4×1015atoms/cm3よりも小さい場合はキャリア濃度が低くライフタイムが短くなる。また最高濃度が5×1017atoms/cm3よりも大きい場合には少数キャリアがガリウム原子に捕獲されてライフタイムが低下してしまうオージェ再結合が発生してしまう。
このようにして得られる結晶シリコン粒子106は、本発明の光電変換装置を作製するために使用される。
図1に示した本発明の光電変換装置の例は、このようにして得られた結晶シリコン粒子106を用いて作製されたものである。この光電変換装置を得るには、まず、結晶シリコン粒子106の表面に形成された余分な酸化膜をフッ酸またはフッ硝酸でエッチング除去する。このとき除去される酸化膜の厚みは1μm以上である。
次に、導電性基板107の上に結晶シリコン粒子106を多数個配置する。次に、これを全体的に加熱して、結晶シリコン粒子106を導電性基板107に接合層108を介して接合させる。なお、この接合層108は、例えばアルミニウムとシリコンの合金である。
次に、結晶シリコン粒子106の隣接するもの同士の間に介在するように、導電性基板107上に絶縁物質109を形成する。次に、これら結晶シリコン粒子106の上部を絶縁物質109から露出させて配置し、これら結晶シリコン粒子106にn型の半導体層110および透光性導体層111を設ける。n型の半導体層110は、アモルファスまたは多結晶の半導体層110を成膜により、あるいは熱拡散等により半導体層110が設けられる。このとき、結晶シリコン粒子106はp型であるので、半導体層110はn型のものとする。さらに、その半導体層110の上に透光性導体層111を形成する。そして、太陽電池として所望の電力を取り出すために所定のパターン形状に銀ペースト等を塗布して電極112を形成する。このようにして、導電性基板107を一方の電極にし、電極112をもう一方の電極とすることにより、太陽電池としての光電変換装置が得られる。
次に、本発明の製造方法によって得られた結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置について具体例を作製工程に沿って説明する。
ガリウム濃度が8種(下記表1に示す)で、平均粒径が約700μmの結晶シリコン粒子106の各種について、以下の処理を行った。石英ガラス製のサヤ上に一層に多数個充填し、アルゴン不活性ガス雰囲気で満たされた雰囲気焼成炉内で酸素ガスと窒素ガスとの反応ガスを導入しながら昇温し、シリコンの融点以上の1440℃まで加熱し3分間保持して表面のシリコン酸窒化膜の内側のシリコンを溶融させた後、降温して凝固させた。
その後、さらに1200℃まで降温させてから結晶シリコン粒子106中の歪み除去のために120分間の熱アニールを行なった。熱アニール後に室温付近まで降温させて結晶シリコン粒子106を作製した。
結晶シリコン粒子106の表面にシリコンの酸窒化膜を形成する際の炉内の酸素ガスおよび窒素ガスのアルゴンガスに対する分圧はそれぞれ5%および20%とし、アルゴンガス流量に対する酸素ガスおよび窒素ガスの流量で調整した。この酸素ガスおよび窒素ガスの分圧を一定に保ちつつアルゴンガス,酸素ガスおよび窒素ガスを流した。
回収した結晶シリコン粒子106の表面に形成された酸窒化膜を所定の厚さまでフッ酸およびフッ硝酸でエッチング除去した。
一方、比較例として、ガリウムをホウ素に代えて、そのホウ素濃度を2×1016atoms/cm3とした以外は実施例と同様にして、結晶シリコン粒子106を作製した。
前記で得た結晶シリコン粒子106から、図1に示すような構成の光電変換装置を作製し、所定の強度および所定の波長の光を照射して、光電変換装置の電気特性を示す変換効率(単位:%)を測定した。
その結果を表1に示す。なお、結晶シリコン粒子106のガリウム濃度およびホウ素濃度についてはSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy:2次イオン質量分析)で分析を行ない、最表面から1μmよりも深い部分で一定濃度に落ち着いたところの測定結果(単位:×1015atoms/cm3)を示した。
Figure 2007281168

表1に示す通り、比較例で作製したホウ素濃度が2×1016atoms/cm3の結晶シリコン粒子106で形成された光電変換装置(比較例)の光電変換効率は5.2%と低かったのに対して、本発明の実施例で作製したガリウム濃度が2×1016atoms/cm3の結晶シリコン粒子106を用いた光電変換装置(実施例4)においては、光電変換装置の光電変換効率は8.7%と比較例に比べて高く良好な光電変換効率であった。
また、ガリウム濃度が2×1015〜6×1017atoms/cm3の範囲内で段階的に変化させた結晶シリコン粒子106を用いた光電変換装置(実施例1〜8)においては、光電変換装置の光電変換効率はガリウム濃度が4×1015〜5×1017atoms/cm3の範囲内であれば、高いもので9.8%、低いものでも6.6%と、いずれも比較例1やガリウム濃度6×1017atoms/cm3の場合(3.8%)と比較して高く良好な変換効率であった。
表1の結果から分かるように、本発明の実施例における光電変換装置は、結晶シリコン粒子の内部のガリウム濃度が4×1015〜5×1017atoms/cm3の範囲内であれば変換効率が高く電気特性に優れているものとなっている。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではない。上記実施の形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものはいかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の製造方法によって得られた結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
符号の説明
106・・・結晶シリコン粒子
107・・・導電性基板
108・・・接合層
109・・・絶縁物質
110・・・半導体層(シリコン層)
111・・・透光性導体層
112・・・電極

Claims (1)

  1. 酸素ガスおよび/または窒素ガスから成る反応性ガスを含む雰囲気ガス中でガリウムドープされた結晶シリコン粒子を加熱してその表面に前記反応性ガスの成分を含む珪素化合物層を形成し、次に前記結晶シリコン粒子を加熱して前記珪素化合物層よりも内部側を溶融させた後降温し凝固させて単結晶化することを特徴とする結晶シリコン粒子の製造方法。
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