JP2007279691A - 光配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents

光配向膜及び液晶表示素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2007279691A
JP2007279691A JP2007029477A JP2007029477A JP2007279691A JP 2007279691 A JP2007279691 A JP 2007279691A JP 2007029477 A JP2007029477 A JP 2007029477A JP 2007029477 A JP2007029477 A JP 2007029477A JP 2007279691 A JP2007279691 A JP 2007279691A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
alignment film
photo
liquid crystal
diamine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007029477A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5481771B2 (ja
Inventor
Norihisa Tamura
典央 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
Original Assignee
Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Petrochemical Corp, Chisso Corp filed Critical Chisso Petrochemical Corp
Priority to JP2007029477A priority Critical patent/JP5481771B2/ja
Publication of JP2007279691A publication Critical patent/JP2007279691A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5481771B2 publication Critical patent/JP5481771B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

【課題】特定の構造を有するポリアミック酸に直線偏光を照射し、その後加熱イミド化を行うことにより、液晶の配向安定性に優れ、電圧保持率が高い配向膜を得る。
【解決手段】1〜3個の炭素−炭素二重結合又は1〜4個の三重結合を含む不飽和結合含有基を主鎖に少なくとも有するポリアミック酸の溶液を基板に塗布し、形成された膜から溶媒を蒸発させた後、溶媒を蒸発させた前記膜に直線偏光を照射し、その後加熱してポリアミック酸がイミド化されてなる光配向膜を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は光配向膜、その製造法、及び該光配向膜を有する液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は画面の拡大化やカラー化、コントラストや発色等の表示品位や応答速度向上の要求に伴い、ツイステッドネマチック(Twisted Nematic:TN)から、スーパーツイステッドネマチック(Super Twisted Nematic:STN)へ、さらに画素一つ一つに薄膜トランジスタ(Thin Filmed Transistor:TFT)を取り付けたTFT型表示素子へと発展してきている。近年ではTFT型表示素子の駆動方式の改良が進み、例えば視野角をさらに拡大するため、イン−プレーン−スイッチング(In Plain Switching:IPS)方式や垂直配向(Vertical Aliment、以下、VAと略す)方式が開発され、さらに動画対応可能な応答速度を持つ光学補償ベンド(Optically Compensated Bend:OCB)方式が開発されている。
用途の面から眺めると、現在液晶ディスプレイはパソコン用モニターからテレビへと適用範囲が広がっている。このためより大きな画面のディスプレイが求められることとなったが、これに伴い画質を均一に保つことが非常に難しくなっている。またモニター用途に比べテレビ用途においては、ユーザーがこれを使用する時間が長くなるため、長時間駆動させても画像に不具合を生じさせない(高信頼性を持つ)ことが求められている。
液晶配向膜は、液晶表示素子において液晶組成物を一定方向に配向させること、基板平面に対して液晶組成物を傾けること(プレチルト角を付与する)の2つの役割を果たしている。基板平面に対する液晶組成物の傾きはプレチルト角と呼ばれる。本明細書中でも以降この名称を使用する。液晶配向膜には、分子配向の経時的な、化学的な、及び熱的な劣化を最小限に抑えるため、ガラス転移点(Tg)が高く耐薬品性や耐熱性に優れたポリイミド薄膜がその材料として主に使用されている。液晶配向膜は、通常ポリアミック酸又は可溶性ポリイミドの溶液(以下、ワニスと略す)をスピナー法や印刷法等により電極付ガラス基板に塗布し、その基板を加熱してポリアミック酸を脱水、閉環するか、又は可溶性ポリイミド溶液の溶媒を蒸発させることによってポリイミドの薄膜を得る。さらにローラーに巻き付けた布でこの薄膜を擦る(ラビングする)ことにより、液晶組成物に対する均一な配向特性を液晶配向膜に与えることができる。
しかしながら上記のラビングによる配向処理は、液晶表示素子を製造する上で、以下のいくつかの問題を惹起している。まずラビング操作によって生じる静電気、それにより配向膜表面に吸着されるごみ、又はラビングにより布から溶出する不純物資により、電圧保持率(Voltage Holding Ratio、VHR)等の液晶表示素子における特性が悪化し、ディスプレイの信頼性が低下することがある。また画面の大型化により、ラビング時に基板が変形し、ラビング布が液晶配向膜と接触しない領域が発生することがある。また逆に高精細なディスプレイでは画素が小さくなることにより、電極とその間の高低差が大きくなるため、均一な配向処理が難しく表示ムラの原因となる場合がある。
このようなラビングの問題点を解決するため、光や荷電粒子を用いた非接触の配向処理(いわゆるラビングレス)を行う方法が模索されている。しかしながらこれらの方法では、液晶の配向性が実用上十分でないことがある。また材料又は処理上の理由からVHR等の特性が悪化する場合がある。
非接触の配向処理については、例えば主鎖に二重結合や三重結合を持つ高分子からなる光配向膜が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながらこの光配向膜は、耐熱性については検討されているものの、この文献には作製された配向膜の電気的な特性に関する記載がなく、VHR等の、液晶表示素子の信頼性に係る他の特性については検討の余地が残されている。
また非接触の配向処理については、ポリアミック酸主鎖にアゾベンゼンを有するポリアミック酸を用い、イミド化前に光照射を行い、続いてこれをイミド化させることにより、非常に良好な配向性を有する膜が得られることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながらこの文献には作製された配向膜の電気的な特性に関する記載がない。
特開平11−15001号公報 Mol.Cryst.Liq.Cryst.Vol.412, 293(2004)
本発明の目的は、配向性が良好でVHR等の電気的な特性も実用に耐えうる光配向膜を提供することである。
本発明者らは鋭意研究開発を進めた結果、少なくともテトラカルボン酸二無水物及びジアミンを原料として形成されたポリアミック酸であって、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの少なくともいずれか一方又は両方に、A成分である1〜3個の炭素−炭素二重結合又は1〜4個の三重結合等の不飽和結合含有基を有する化合物を用い、不飽和結合含有基が主鎖に導入されたポリアミック酸の膜に光照射を行い、続いてこれをイミド化させることにより、液晶配向膜に用いたときに液晶組成物の配向安定性に優れ、電圧保持率が高い光配向膜を提供出来ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下から構成される。
[1] 少なくともジアミン及びテトラカルボン酸二無水物を原料として生成されたポリ
アミック酸を光の照射によって所定の方向に配向させた後、イミド化することによって形成された光配向膜において、前記ジアミンがA成分である下記一般式(1)で表される不飽和結合含有ジアミンの一又は二以上を含むか、又は前記テトラカルボン酸二無水物がA成分である下記一般式(2)で表される不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物の一又は二以上を含むか、又は前記ジアミンがA成分である前記不飽和結合含有ジアミンの一又は二以上を含みかつ前記テトラカルボン酸二無水物がA成分である前記不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物の一又は二以上を含むことを特徴とする光配向膜。
Figure 2007279691
Figure 2007279691
一般式(1)中、A1及びA2は、それぞれ独立して二価の有機基を表し、Tは1〜3個の炭素−炭素二重結合又は1〜4個の三重結合を含む二価の不飽和結合含有基を表す。また一般式(2)中、A3及びA4は、それぞれ独立して三価の有機基を表し、Tは1〜3個の炭素−炭素二重結合又は1〜4個の三重結合を含む二価の不飽和結合含有基を表す。
[2] 前記不飽和結合含有ジアミンが、前記一般式(1)中、A1及びA2はそれぞれ独立して炭素数6から20の芳香環、炭素数1から10の脂環、又は炭素数1から10のアルキレンを表し、それぞれオキシ及びカルボニルを含んでいてもよく、Tは以下の(A)から(G)の群から選ばれる不飽和結合含有基のいずれかを表すジアミンであることを特徴とする[1]記載の光配向膜。
Figure 2007279691
[3] 前記不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物が、前記一般式(2)中、A3及びA4は、それぞれ独立して炭素数6から20の芳香環又は炭素数1から20の脂肪族基を表し、それぞれオキシ及びカルボニルを含んでいてもよく、Tは前記(A)から(G)の群から選ばれる不飽和結合含有基のいずれかを表すテトラカルボン酸二無水物であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の光配向膜。
[4] 前記ジアミンは、下記一般式(3)で表されるジアミンの一又は二以上をB成分としてさらに含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光配向膜。
Figure 2007279691
一般式(3)中、R1は下記一般式(5)〜(8)で表される基から選ばれる二価の有
機基を表す。
Figure 2007279691
一般式(5)中、R4はH又は炭素数1〜12のアルキルを表し、環Aはそれぞれ独立して1,4−フェニレン又は1,4−シクロへキシレンを表し、Z1及びZ2はそれぞれ独立して単結合、CH2、CH2CH2又はOを表し、rは0〜3、sはそれぞれ独立して0〜5、t1は0〜3、t2は0〜3の整数を表す。また、1,4−フェニレン又は1,4−シクロへキシレンの任意のHは炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい。
Figure 2007279691
一般式(6)中、X1及びX2は単結合、O、COO、OCO、NH、CONH又は炭素数1〜12のアルキレンを表し、G1及びG2は単結合、又は芳香族環及び脂環式環から選ばれる1〜3個の環を含む二価の基を表し、R5はH、F、CN、OH又は炭素数1〜30のアルキル、ペルフルオロアルキル若しくはアルコキシを表す。ベンゼン環に対する置換基の結合位置及び2個の遊離基の位置は任意の位置である。但し、G2が単結合でありX2が単結合でもなくアルキレンでもない場合は、R5はH又はアルキルであり、またG1及びG2が共に単結合である場合は、X1、X2及びR5の合計の炭素数が3以上である。
Figure 2007279691
一般式(7)中、X3及びX4はそれぞれ独立して単結合、CH2、CH2CH2又はOを表し、R6及びR7はH、炭素数1〜12のアルキル、又は炭素数1〜12のペルフルオロアルキルを表す。u1、u2、u3、u4、及びu5はそれぞれ独立して0〜3の整数を表す。また、1,4−フェニレンの任意のHは炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい。
Figure 2007279691
一般式(8)中、X5又はX6は単結合、O、又はSを表し、m1又はm2は0又は1の整数を表し、nは0〜10の整数を表す。また、ベンゼン環に対する置換基及び遊離基の
結合位置は任意の位置である。
[5] 前記テトラカルボン酸二無水物は、下記一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物の一又は二以上をB成分としてさらに含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の光配向膜。
Figure 2007279691
一般式(4)において、R2は下記一般式(9)〜(17)で表される基から選ばれる四価の基を表す。
Figure 2007279691
一般式(9)中、G3は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、1,4−フェニレン、又は1,4−シクロヘキシレンを表し、X6はそれぞれ独立して単結合又はCH2を表す。
Figure 2007279691
一般式(10)中、R32、R33、R34、及びR35はH、メチル、エチル、又はフェニルを表す。
Figure 2007279691
一般式(11)中、環A6はシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。
Figure 2007279691
一般式(12)中、G4は単結合、CH2、CH2CH2、O、CO、S、C(CH32、又はC(CF32を表し、環A6はそれぞれ独立してシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。
Figure 2007279691
一般式(13)中、R36はH、又はメチルを表す。
Figure 2007279691
一般式(14)中、X6はそれぞれ独立して単結合又はCH2を表し、vは1又は2を表す。
Figure 2007279691
一般式(15)中、X6は単結合又はCH2を表す。
Figure 2007279691
一般式(16)中、R37はH、メチル、エチル、又はフェニルを表し、環A6はシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。
Figure 2007279691
一般式(17)中、w1及びw2は0又は1を表す。ただしw1=1でw2=0であることはない。
[6] 一般式(1)のA1及びA2が下記構造式(I)から(V)及び下記一般式(VI)、(VII)の群から独立して選択されることを特徴とする[2]記載の光配向膜。一般式(VI)または(VII)中、nは1〜10の整数を表す。
Figure 2007279691
[7] 一般式(2)のA3及びA4が下記構造式(VIII)から(X)の群から独立して選択されることを特徴とする[3]記載の光配向膜。
Figure 2007279691
[8] 一般式(1)のA1及びA2が前記構造式(I)、(II)、(III)及び前記一般式(VI)、(VII)の群から独立して選択されることを特徴とする[6]記載の光配向膜。
[9] 一般式(2)のA3及びA4が前記構造式(VIII)で表されることを特徴とする[7]記載の光配向膜。
[10] 前記ポリアミック酸の原料の総量に対する、前記不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物及び前記不飽和結合含有ジアミンのモル比は0.3〜1.0であることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか一項に記載の光配向膜。
[11] 少なくともジアミン及びテトラカルボン酸二無水物を原料として生成されたポリアミック酸を光の照射によって所定の方向に配向させた後、イミド化することによって形成された光配向膜において、前記ジアミン及び前記テトラカルボン酸二無水物は、前記ジアミンとしてA成分である下記構造式(1−1)〜(1−11)の群から選択される一又は二以上のジアミン、及び前記テトラカルボン酸二無水物としてA成分である下記構造式(2−1)〜(2−7)の群から選択される一又は二以上のテトラカルボン酸二無水物のいずれか一方又は両方を含み、さらに前記ジアミン及び前記テトラカルボン酸二無水物は、前記ジアミンとしてB成分である下記一般式(3−1)、(3−3)〜(3−7)及び下記構造式(3−2)の群から選択される一又は二以上のジアミン、及び前記テトラカルボン酸二無水物としてB成分である下記一般式(4−2)及び下記構造式(4−1)、(4−3)〜(4−7)の群から選択される一又は二以上のテトラカルボン酸二無水物のいずれか一方又は両方を含むことを特徴とする光配向膜。
Figure 2007279691

Figure 2007279691

Figure 2007279691
一般式(3−4)中、X40は−O−又は−S−を表し、一般式(3−7)中、X41は独立して−CH2−、−CH2CH2−、又は−O−を表し、一般式(3−5)及び(3−6)中、R40は水素又は炭素数1から20のアルキルを表し、一般式(3−7)中、R41は水素又は炭素数1から10のアルキルを表し、一般式(3−1)及び(3−3)中、nは1〜6の整数を表し、一般式(3−3)中、mは独立して1又は2を表し、一般式(3−5)及び(3−6)中、pは0〜2の整数を表す。
Figure 2007279691
一般式(4−2)中、R42、R43、R44、およびR45は、それぞれ独立して水素又はメチルを表す。
[12] 前記ジアミン及び前記テトラカルボン酸二無水物は、前記ジアミンとしてA成分である前記構造式(1−1)〜(1−6)、(1−10)、(1−11)の群から選択される一又は二以上のジアミン、及び前記テトラカルボン酸二無水物としてA成分である前記構造式(2−1)〜(2−3)の群から選択される一又は二以上のテトラカルボン酸二無水物のいずれか一方又は両方を含み、さらに前記ジアミン及び前記テトラカルボン酸二無水物は、前記ジアミンとしてB成分である前記一般式(3−1)、(3−3)〜(3−7)及び前記構造式(3−2)の群から選択される一又は二以上のジアミン、及び前記テトラカルボン酸二無水物としてB成分である前記一般式(4−2)及び前記構造式(4−1)、(4−3)の群から選択される一又は二以上のテトラカルボン酸二無水物のいずれか一方又は両方を含むことを特徴とする[11]記載の光配向膜。
[13] 前記一般式(3−1)、(3−3)〜(3−7)で表されるジアミンが、前記一般式(3−1)、(3−3)〜(3−7)中、X40は−O−を表し、X41は独立して−CH2−又は−O−を表し、R40は水素又は炭素数1から20のアルキルを表し、R41
炭素数1から10のアルキルを表し、nは1〜4の整数を表し、mは1を表し、pは0〜2の整数を表すジアミンであることを特徴とする[11]又は[12]に記載の光配向膜。
[14] 下記式αで求められるポリイミドの主鎖の配向指数Δが0.5以上である液晶
配向膜であることを特徴とする[1]又は[11]に記載の光配向膜。
Δ=(|A‖−A⊥|)/{(A‖+A⊥)×d} (α)
式(α)中、A‖は、直線偏光の赤外光を光配向膜の表面に対して垂直に、かつ赤外光の偏光方向がポリイミドの主鎖の平均配向方向に平行になるように照射したときの波数1,360cm-1付近のイミド環のC−N−C伸縮振動による積分吸光度を表し、A⊥は、直線偏光の赤外光を光配向膜の表面に対して垂直に、かつ赤外光の偏光方向がポリイミドの主鎖の平均配向方向に垂直になるように照射したときの波数1,360cm-1付近のイミド環のC−N−C伸縮振動による積分吸光度を表し、dは液晶配向膜の膜厚(nm)を表す。
[15] 対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜は、[1]〜[14]のいずれか一項に記載の光配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。
[16] 下記一般式(1)で表されるジアミン。
Figure 2007279691
一般式(1)中、A1及びA2は、それぞれ独立して炭素数6から30の芳香環、炭素数1から10の脂環、又は炭素数1から10のアルキレンを表し、それぞれオキシ及びカルボニルを含んでいてもよく、Tは以下の(D)〜(G)の群から選ばれるいずれかを表す。ただしTが(D)のときA1およびA2が共に1,4−または1,3−フェニレン環であることはない。
Figure 2007279691
[17]下記構造式(1−10)または(1−11)で表される[16]に記載のジアミン。
Figure 2007279691
[18] 下記一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物。
Figure 2007279691
一般式(2)中、一般式(2)中、A3及びA4は、それぞれ独立して炭素数6から20の芳香環又は炭素数1から20の脂肪族基を表し、それぞれオキシ及びカルボニルを含んでいてもよく、Tは下記(D)から(G)の群から選ばれるいずれかを表す。
Figure 2007279691
[19] 下記構造式(2−7)で表される[18]記載のテトラカルボン酸二無水物。
Figure 2007279691
ポリアミック酸の原料のA成分である、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとのうち、少なくともいずれか一方が前記不飽和結合含有基を有する化合物であるポリアミック酸の膜に、イミド化前に光照射を行い、続いてこれをイミド化させて光配向膜とすることにより、液晶組成物の配向安定性に優れ、電圧保持率が高く、かつイオン密度が低い光配向膜を得ることができる。このようにして作製された光配向膜を用いてディスプレイを製造
すれば、大画面又は高精細なディスプレイにおいても均一な配向を得ることができる。またラビング処理等の接触式の配向処理に伴う光配向膜の汚染に起因する電気特性の悪化を防ぐことができる。
本発明の光配向膜は、ポリアミック酸溶液を基板に塗布し、溶媒を除去して作製した膜中のポリアミック酸を光の照射によって所定の方向に配向させてイミド化して形成された光配向膜である。前記ポリアミック酸は、二つの酸無水物基とこれらの結合基から成るテトラカルボン酸二無水物と、二つのアミノとこれらの結合基から成るジアミンとを原料とし、これらの原料を用いて得られた反応生成物である。前記ポリアミック酸の原料のA成分として、前記酸二無水物の結合基及び前記アミノの結合基の少なくともいずれかは、1〜4個の炭素−炭素二重結合又は三重結合を含む二価の不飽和結合含有基を含んでいる。
前記不飽和結合含有基中の炭素−炭素二重結合又は三重結合は、少ない光量で高い配向性を得るために、数多く共役している方が良い。しかしながら数多く共役していると熱や光に対する安定性が悪くなることがある。また可視光領域の吸収が大きくなるため、光配向膜としたとき着色が大きくなることがある。したがって二重結合の数は1から2個が、三重結合の数は1から3個が好適であり、二重結合の数は1個が、三重結合の数は2から3個がさらに好適である。
Tに二重結合が含まれる場合、シス又はトランスの2つの異性体が存在するが、本発明の光配向膜はこれらのどちらの異性体を用いても構わない。
前記テトラカルボン酸二無水物が前記不飽和結合含有基を含む場合は、前記ポリアミック酸の原料であるアミンのB成分として、前記不飽和結合含有基を含まない他のジアミンを用いることができる。
前記炭素−炭素二重結合又は三重結合を含む不飽和結合含有ジアミンには、一般式(1)で表されるジアミンが挙げられる。前記不飽和結合含有ジアミンは、一般式(1)で表されるジアミンの一つでもよいし二つ以上でもよい。
Figure 2007279691
前記一般式(1)中、A1及びA2は、それぞれ独立して炭素数6から20の芳香環、炭素数1から10の脂環、又は炭素数1から10のアルキレンを表す。A1及びA2は、それぞれオキシ及びカルボニルを含んでいてもよい。A1及びA2は公知の芳香族基、脂環基、アルキルから選択できるが、製造が容易で光配向膜にした場合の特性が良く、さらに光配向膜に高いVHRを付与する観点から、下記(I)〜(VII)で表される基が好ましく、(I)〜(V)および(VII)で表される基がより好ましい。なお、式(VI)または(VII)中、nは1から10の整数を表す。
Figure 2007279691
1及びA2が前記(I)〜(III)で表される芳香族基であるポリアミック酸は、良好な配向性を示すが、着色が大きくなる。またA1及びA2が(IV)〜(VII)で表されるポリアミック酸は、着色は小さくなるが、配向性が若干悪くなる。(IV)〜(VII)をA1又はA2に採用したときのポリアミック酸の配向性は、前記(I)〜(III)のような芳香環からなる構成単位を含む前記他のジアミンを前記不飽和結合含有ジアミンとして併用して、前記芳香環からなる構成単位をポリアミック酸の主鎖中に導入することによって、向上させることが出来る。
また前記一般式(1)中、Tで表される不飽和結合含有基は、1〜3個の炭素−炭素二重結合又は1〜4個の三重結合を含む二価の不飽和結合含有基である。前記不飽和結合含有基は、良好な光配向性を有し、製造が容易な(A)〜(G)で表される基が好適である。このときより高い光配向性を示すことから、(C)〜(G)で表される基がさらに好適である。
Figure 2007279691
Tが前記(D)〜(G)で表される一般式(1)のジアミンは、以下のスキーム1に従って合成することができる。
Figure 2007279691
式中T1は1,4−フェニレン、炭素−炭素二重結合、三重結合、又は上記(D)を表し、Xは塩素、臭素、又はヨウ素を表し、R20はアミノ又はニトロを1つ有する基を表す。
すなわちLambert Brandsma著、Preparative Acetylenic Chemistry、第2版、1988年、ELSEVIER社又はヨーロピアン・ジャーナル・オーガニック・ケミストリー、3879(2001)等の文献記載の方法に従い、前記スキーム1における(1−1)で表されるジハロゲン化物と前記スキーム1における(1−2)で表されるアセチレン化合物とをパラジウム触媒および必要によって加えられる助触媒存在下、反応させることによって、前記スキーム1における(1)で表されるジアミン又は(1−3)で表されるジニトロ化合物が合成できる。このジニトロ化合物をOrganic Synthesis,Collective
Volume,2,130(1943)等に記載の方法と同様にして、塩化すず等を用い還元することにより、目的とする前記一般式(1)で表されるジアミンが得られる。
ここにおいて前記スキーム1における(1−1)で表される化合物として、市販のシス−1,2−ジクロロエチレン、トランス−1,2−ジクロロエチレンやJ.Am.Chem.Soc.,91,5673(1969)やTetrahedron,27,33,(1971)等に記載のジブロモアセチレンやジヨードアセチレン、Tetrahedron Lett.,40,8579,(1999)に記載の1,4−ジヨードエチニルベンゼンが使用できる。また前記スキーム1における(1−2)で表される化合物は市販の3−エチニルアニリン、4−エチニルアニリン、J.Org.Chem.Soc.,37,841(1972)に記載の4−(2−プロピンオキシ)アニリン、又はJ.Org.Chem.Soc.,39,725(1974)に記載の4−ニトロフェノールプロピオル酸エステル等が使用できる。
スキーム1の反応で用いられる触媒として、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等の0価のパラジウム触媒や、ジクロロビストリフェニルフォスフィンパラジウム(2)等の二価のパラジウム触媒が好適である。また助触媒としてはヨウ化銅や塩化銅等の1価の銅塩が好適である。また溶媒としてはジエチルアミン、トリエチルアミン、ピロリジン、またはピペリジン等のアミン系やこれらとテトラヒドロフラン又はエチレングリコールジメチルエーテル等の溶媒との混合物が好適である。さらに反応温度は0℃〜これらの溶媒の沸点までの間で選ぶことが出来るが、反応率を向上させると共に副反応を抑えるため、室温から100℃の範囲が好適である。
一般式(1)で表される化合物および中間体はカラムクロマトグラフィー又は再結晶によって精製することができる。同定は1HNMR、13C NMR、IR等の分光学的手法、又はマススペクトルによって行うことができる。
前記一般式(1)で表されるジアミンにおいて、A1−T−A2で表されるジアミン残基の、後述する本発明の光配向膜におけるジアミンの好適な例として以下の(20)〜(55)が挙げられる。
Figure 2007279691
Figure 2007279691
Figure 2007279691
Figure 2007279691
前記不飽和結合含有基を含まない他のジアミンは、任意の成分である成分Bとして光配向膜の用途に応じて適宜選択することができる。前記他のジアミンは、前記不飽和結合含有ジアミン以外のジアミンの一つでもよいし、二つ以上でもよい。例えば光配向膜が液晶配向膜として使用される場合では、前記他のジアミンには、液晶配向膜用のポリアミック酸の原料として公知のジアミンを用いることができる。より具体的には、IPS用の液晶配向膜を製造する場合、液晶組成物のプレチルト角を小さくする目的で比較的分子量の小さいジアミンを用いればよい。またTN、VA、又はOCB用の液晶配向膜として大きなプレチルト角が液晶に必要な場合、大きな分子量を有するジアミンを用いればよい。
このような公知のジアミンとして特に制限はないが、好適なものとして以下の表1〜4の化合物を挙げることが出来る。
Figure 2007279691
Figure 2007279691
Figure 2007279691
Figure 2007279691
また好ましい前記他のジアミンには、下記一般式(3)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(3)中、R1は下記一般式(5)〜(8)で表される基から選ばれる二価の有機基を表す。
Figure 2007279691
一般式(5)中、R4はH又は炭素数1〜12のアルキルを表し、環Aはそれぞれ独立して1,4−フェニレン又は1,4−シクロへキシレンを表し、Z1及びZ2はそれぞれ独立して単結合、CH2、CH2CH2又はOを表し、rは0〜3、sはそれぞれ独立して0〜5、t1は0〜3、t2は0〜3の整数を表す。また、1,4−フェニレン又は1,4−シクロへキシレンの任意のHは炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい。一般式(5)を含む前記他のジアミンとしては、前記表3における1−35〜1−38、1−40及び1−41が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(6)中、X1及びX2は単結合、O、COO、OCO、NH、CONH又は炭素数1〜12のアルキレンを表し、G1及びG2は単結合、又は芳香族環及び脂環式環から選ばれる1〜3個の環を含む二価の基を表し、R5はH、F、CN、OH又は炭素数1〜30のアルキル、ペルフルオロアルキル若しくはアルコキシを表す。ベンゼン環に対する置換基の結合位置及び2個の遊離基の位置は任意の位置である。但し、G2が単結合でありX2が単結合でもなくアルキレンでもない場合は、R5はH又はアルキルであり、またG1及びG2が共に単結合である場合は、X1、X2及びR5の合計の炭素数が3以上である。一般式(6)を含む前記他のジアミンとしては、前記表1、3及び4における1−9〜1−12、1−43〜1−52が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(7)中、X3及びX4はそれぞれ独立して単結合、CH2、CH2CH2又はOを表し、R6及びR7はH、炭素数1〜12のアルキル、又は炭素数1〜12のペルフルオロアルキルを表す。u1、u2、u3、u4、及びu5はそれぞれ独立して0〜3の整数を表す。また、1,4−フェニレンの任意のHは炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい。一般式(7)を含む前記他のジアミンとしては、前記表1及び2における1−15〜1−19、1−26、1−28、1−33が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(8)中、X5又はX6は単結合、O、又はSを表し、m1又はm2は0又は1の整数を表し、nは0〜10の整数を表す。また、ベンゼン環に対する置換基及び遊離基の結合位置は任意の位置である。一般式(8)を含む前記他のジアミンとしては、前記表1〜3における1−14、1−24、又は1−42が挙げられる。
本発明の光配向膜を含む液晶表示素子を作製する際、基板の張り合わせや液晶組成物の注入口をふさぐため、熱又は光硬化性の高分子材料を使用することができる。これらのシール剤や封止剤を使用すると、不純物が溶出し、それらが光配向膜へ付着して液晶表示素子の特性を悪化させる場合がある。これを防ぐ目的で、下記一般式(20)で表されるシロキサン系のジアミンを前記他のジアミンとして用いることが出来る。
Figure 2007279691
一般式(20)において、R10及びR11は独立して炭素数1〜3のアルキル又はフェニルを表す。R10とR11は同じ基であっても異なる基であってもよい。また、R12は独立してメチレン、フェニレン又はアルキル置換されたフェニレンを表す。mは独立して1〜6の整数を表し、nは1〜10の整数を表す。一般式(20)で表される前記他のジアミンには、下記の化合物又はポリマーが挙げられる。
Figure 2007279691
式(20−2)においてポリマーの分子量は850から3,000である。
これらのシロキサン系ジアミンの添加量は、上記効果を発現しその他の特性の悪化を防ぐ目的で、ポリアミック酸の原料成分全体に対し0.5モル%から30モル%が好適であり、1モル%から10モル%がさらに好適である。
前記テトラカルボン酸二無水物には、前記ポリアミック酸の原料である酸のA成分として、前記不飽和結合含有基を有する不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物を用いることができる。前記ジアミンが前記不飽和結合含有基を有する場合は、前記テトラカルボン酸二無水物には、前記ポリアミック酸の原料である酸のB成分として、前記不飽和結合含有基を有さない他のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
前記不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物には、一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。前記不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物は、一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の一つでもよいし、二つ以上でもよい。
Figure 2007279691
一般式(2)中、A3及びA4は、それぞれ独立して炭素数6から20の芳香環又は炭素数1から20の脂肪族基を表す。A3及びA4は、それぞれオキシ及びカルボニルを含んでいてもよい。このようなA3及びA4には、前述した不飽和結合含有ジアミンにおけるA1及びA2と同じ基を具体的に例示することができる。またTは、前述した不飽和結合含有
ジアミンと同様に、1〜3個の炭素−炭素二重結合又は1〜4個の三重結合を含む不飽和結合含有基であり、下記(A)から(G)の群から選ばれる不飽和結合含有基のいずれかであることが好ましい。
Figure 2007279691
3及びA4には、公知の芳香族基、脂環式基、アルキルから選択できるが、製造が容易であり、光配向膜にした場合の特性が良く、さらに光配向膜に高いVHRを付与する観点から、下記(VIII)〜(X)が好ましい。A3及びA4が(VIII)〜(X)で表される芳香族基であるポリアミック酸は、光に対する反応性が若干低下するため、前記(C)から(G)のような二重結合又は三重結合が共役する基をTとして選択することが効果的である。
Figure 2007279691
3及びA4は、光配向膜に高いVHRを付与する観点から、(VIII)で表される基であることがさらに好ましい。
Tが前記(D)〜(G)で表される一般式(2)のテトラカルボン酸二無水物は、以下のスキーム2に従って合成することができる。
Figure 2007279691
式中T2は1,4−フェニレン、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、又は上記(D)を表し、Xは塩素、臭素、又はヨウ素を表し、R21はカルボン酸又はカルボン酸エステルの残基を2つ有する基を表す。
すなわち上記の方法と同様にLambert Brandsma著、Preparative Acetylenic Chemistry、第2版、1988年、ELSEVIER社又はヨーロピアン・ジャーナル・オーガニック・ケミストリー、3879(2001)等の文献記載の方法に従い、前記スキーム2における(1−4)で表されるジハロゲン化物と前記スキーム2における(1−5)で表されるアセチレン化合物とをパラジウム触媒および必要によって加えられる助触媒存在下、反応させることによって前記スキーム2における(1−6)で表されるテトラカルボン酸又はテトラカルボン酸エステルを有する化合物が合成できる。前記スキーム2における(1−6)で表されるテトラカルボン酸又はテトラカルボン酸エステルは塩酸や水酸化ナトリウム水溶液等と加熱することによって加水分解され、テトラカルボン酸に誘導できる。このテトラカルボン酸は、無水酢酸等の脱水剤で処理することによって、目的とする前記一般式(2)に誘導する事が出来る。
ここにおいて前記スキーム2における(1−4)で表される化合物として、市販の1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼンや上記シス−1,2−ジクロロエチレン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、ジブロモアセチレン、ジヨードアセチレン、又は1,4−ジヨードエチニルベンゼンが使用できる。また前記スキーム2における(1−5)で表される化合物は特開平04−013650号公報に記載の4−エチニルフタル酸 ジエチルエステルや独国特許出願公開第3430174号明細書に記載の4−プロピニルオキシフタル酸等が使用できる。
一般式(2)で表される化合物および中間体はカラムクロマトグラフィー又は再結晶によって精製することができる。同定は1HNMR、13C NMR、IR等の分光学的手
法、又はマススペクトルによって行うことができる。
これらの化合物の合成は以下の実施例で詳述する。
またA3−T−A4で表される酸二無水物残基の、後述する本発明の光配向膜における酸二無水物の好適な例として以下の(56)〜(70)が挙げられる。

Figure 2007279691
Figure 2007279691
前記不飽和結合含有基を有さない他のテトラカルボン酸二無水物は、任意の成分であるB成分として光配向膜の用途に応じて適宜選択することができる。前記他のテトラカルボン酸二無水物は、前記不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物の一つでもよいし、二つ以上でもよい。例えば光配向膜が液晶配向膜として使用される場合では、前記他のテトラカルボン酸二無水物には、液晶配向膜用のポリアミック酸の原料として公知のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。より具体的には、光配向膜の光配向性を大きくしたい場合、液晶組成物との相互作用を大きくするために芳香族系のテトラカルボン酸二無水物を用いればよい。またポリアミック酸の着色が大きい場合、脂肪族系のテトラカルボン酸二無水物を用いればこれを改善できる。またVHRが低い場合、脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を用いればこれを改善できる。
このような公知のテトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されないが、以下の表
5〜8の化合物を挙げることが出来る。
Figure 2007279691
Figure 2007279691
Figure 2007279691
Figure 2007279691
これらの化合物の中には異性体を含むものがあるが、これらの異性体混合物であってもかまわない。また、上記表の酸二無水物を組み合わせて使用してもよい。また本発明に使用するテトラカルボン酸二無水物は上記化合物以外でもよい。
前記他のテトラカルボン酸二無水物として好ましいテトラカルボン酸二無水物には、下記一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(4)において、R2は下記一般式(9)〜(17)で表される基から選ばれる四価の基を表す。
Figure 2007279691
一般式(9)中、G3は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、1,4−フェニレン、又は1,4−シクロヘキシレンを表し、X6はそれぞれ独立して単結合又は−CH2−を表す。一般式(9)を含む前記他のテトラカルボン酸二無水物としては、前記表7及び8における2−26、2−27、2−29及び2−33が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(10)中、R32、R33、R34、及びR35はH、メチル、エチル、又はフェニルを表す。一般式(10)を含む前記他のテトラカルボン酸二無水物としては、前記表5及び8における2−2及び2−38が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(11)中、A6はシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。一般式(11)を含む前記他のテトラカルボン酸二無水物としては、前記表5及び6における2−1及び2−13が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(12)中、G4は単結合、−CH2−、−CH2CH2−、−O−、−CO−、−S−、−C(CH32−、又は−C(CF32−を表し、A6はそれぞれ独立してシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。一般式(12)を含む前記他のテトラカルボン酸二無水物としては、前記表5、6及び8における2−3〜2−7、2−11、2−14〜2−16、2−18、2−19及び2−32が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(13)中、R36はH、又はメチルを表す。一般式(13)を含む前記他のテトラカルボン酸二無水物としては、前記表6における2−20が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(14)中、X6はそれぞれ独立して単結合又は−CH2−を表し、vは1又は2を表す。一般式(14)を含む前記他のテトラカルボン酸二無水物としては、前記表7における2−22〜2−24が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(15)中、X6は単結合又は−CH2−を表す。一般式(15)を含む前記他のテトラカルボン酸二無水物としては、前記表6及び7における2−12及び2−21が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(16)中、R37はH、メチル、エチル、又はフェニルを表し、A6はシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。一般式(16)を含む前記他のテトラカルボン酸二無水物としては、前記表8における2−35及び2−36が挙げられる。
Figure 2007279691
一般式(17)中、w1及びw2は0又は1を表す。ただしw1=1でw2=0である
ことはない。一般式(17)を含む前記他のテトラカルボン酸二無水物としては、前記表7及び8における2−30及び2−31が挙げられる。
前記ポリアミック酸の原料の総量に対する、前記不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物及び前記不飽和結合含有ジアミン(すなわちA成分)のモル比は、十分な液晶配向性を発現させる観点から、0.3〜1.0であることが好ましく、0.5〜1.0であることがより好ましい。他のテトラカルボン酸二無水物及びジアミン(すなわちB成分)の使用量は、A1〜A4の構造、及び、得られるポリアミック酸の着色や光配向性、得られる光配向膜を用いる液晶表示素子の電気特性やプレチルト角等の諸物性に応じて適宜に決めることができる。
本発明の光配向膜は、前記ポリアミック酸の原料である前記テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させてなるポリアミック酸と、これを溶解させる溶媒とを含有する、ポリアミック酸の溶液(ワニス)の膜を形成し、このポリアミック酸の膜に光を照射してポリアミック酸を配向させ、光を照射した膜中のポリアミック酸をイミド化させることによって得ることができる。
前記ポリアミック酸は、前述したテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応生成物であり、ポリイミドを主成分とする光配向膜を形成することができる成分である。このようなポリアミック酸としては、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとが等量で反応したポリアミック酸そのものの他に、例えば1)ポリアミック酸を部分的に脱水閉環反応させた部分ポリイミド、又は2)前記ポリアミック酸の原料として用いるテトラカルボン酸二無水物の一部を有機ジカルボン酸に置き換えて反応させて得られたポリアミック酸−ポリアミド共重合体を含む。このようなポリマーを本発明の光配向膜に用いる場合、イミド化に伴う液晶配向能力の増大効果が低下することがあるので、ポリイミドやポリアミドの割合はなるべく小さいほうがよい。また前記ポリアミック酸の重合度は特に限定されないが、例えば重量平均分子量が、配向膜の経時劣化を防ぐために10,000以上が好ましく、また取り扱い易さの点から200,000以下が好ましい。
前記溶媒には、前記ポリアミック酸及び後述する他の成分を溶解することができる公知の溶媒を用いることができる。このような溶媒には、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BC)、エチレングリコールモノエチルエーテル、γ−ブチロラクトン、の一種又はこれら二種類以上の混合物等が挙げられる。
光配向膜に要求される特性をさらに効果的に発現させる目的で、前記ポリアミック酸は他のポリアミック酸と混合して使用してもよい。(このような複数のポリマーをブレンドすることを「ポリマーブレンド」と呼ぶ。)このとき十分な光配向性を付与するため、本発明におけるポリアミック酸の含有量は他の固形分に対し50重量%以上が好適であり、80重量%以上がさらに好適である。
上記ポリマーブレンドにおいて薄膜化したときの表面エネルギーの値が異なる複数のポリマーでこれを行った場合、表面張力の低い成分は自発的に膜表面に偏析しやすい。このようなポリマーブレンドを行うことによって、光配向膜の表面に良好な液晶配向性を示す層を、バルク(膜中)に良好な電気的特性を発現する層を形成し、これら両方の特性に優れた配向膜を得る方法が、特開平8−43831号公報に開示されている。
本発明においてもこのようなポリマーブレンドを行うことが出来る。このときプレチル
ト角を発現するポリアミック酸を表面張力の低い成分とし、より大きな表面張力を発現するポリマーとして、本発明におけるポリアミック酸を選択するのが、高い配向性や電圧保持率を光配向膜に付与する上で好ましい。このときプレチルト角を発現するポリアミック酸として本発明におけるポリアミック酸を使用してもよい。ブレンドされるポリマーの表面張力はポリアミック酸の構造(側鎖又は/及びフッ素やケイ素の有無)や分子量等によって調整することができる。
光配向膜としてのより良い特性を発現させるため、本発明におけるポリアミック酸は、他のさらに公知の全てのポリマーから選ばれる一種類以上と混合されてもよい。このとき全ポリマー中に占める本発明におけるポリアミック酸の割合は、本発明の効果を発現させるため、50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
本発明におけるポリアミック酸及び他の固形分の上記の溶媒中の濃度は特に限定されるものではなく、下記の種々の塗布法に合わせ、最適な値を選べばよい。通常、塗布時のムラやピンホール等を抑えるため、ワニス重量に対し、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
本発明におけるワニスに有機シリコン化合物を添加することは、光配向膜のガラス基板への密着性や硬さを調節する観点から好ましい。本発明におけるワニスに添加する有機シリコン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、ジメチルポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等のシリコーンオイルが挙げられる。
該有機シリコン化合物のワニスへの添加割合は、上記の光配向膜に要求される特性を損なうことなく、光配向膜を用いた液晶表示素子における表示不良を改善することが出来る範囲であれば特に制限はない。しかしながら、これらを多く添加すると、光配向膜としたとき液晶の配向不良が生ずることがある。したがって、これらの濃度はワニスに含有されるポリマーの重量に対し、0.01〜5重量%の範囲であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。
ポリアミック酸のカルボン酸残基と反応してポリアミック酸同士を繋ぐ、いわゆる架橋剤を本発明の液晶配向剤に添加することも、特性の経時劣化や環境による劣化を防ぐために重要である。このような架橋剤としては、特許第3049699号公報、特開2005−275360号公報、特開平10−212484号公報等に記載されているような多官能エポキシ、イソシアネート材料等が挙げられる。また架橋剤自身が反応して網目構造のポリマーとなり、ポリアミック酸もしくはポリイミドを用いて作製した液晶配向剤を用いる液晶配向膜の強度を向上するような材料も上記と同様な目的に使用することが出来る。このような架橋剤としては、特開平10−310608号公報、特開2004−341030号公報等に記載されているような多官能ビニルエーテル、マレイミド、またはビスアリルナジイミド誘導体等が挙げられる。なお本発明に用いられる架橋剤はこれら以外でもよい。
本発明の液晶配向剤の作製に用いられるポリマー(ポリアミック酸もしくはポリイミド)に対するこれらの架橋剤の割合は、本発明の効果を発現させるため、5〜200重量%の範囲が好ましく、10〜100重量%の範囲がより好ましい。
液晶組成物に対し十分な配向性を発現する観点から、本発明の光配向膜は、以下の手順で製造されることが好ましい。
(1)前記ワニスを刷毛塗り法、浸漬法、スピンナー法、スプレー法、印刷法等により基板上に塗布する。
(2)基板上に形成されたワニスの膜から、50〜120℃、好ましくは80〜100℃で溶媒を蒸発させる。
(3)直線偏光を前記膜に照射して前記膜中のポリアミック酸を配向させる。
(4)ポリアミック酸を配向させた前記膜を150〜400℃、好ましくは180〜280℃で加熱しイミド化する。
なお、本発明の光配向膜を液晶配向膜として用いた液晶表示素子において所定のプレチルト角を発現させたい場合、光を照射する際に基板に対し任意の角度から直線偏光を照射する方法や、基板に対し垂直方向からの直線偏光照射と任意の角度からの非偏光照射とを組み合わせる方法で行うことができる。
さらに、ワニスの塗布前に基板表面上をシランカップリング剤で処理し、その上に成膜すれば、膜と基板との接着性が改善される。
本発明の光配向膜の製造において、前記ポリアミック酸の配向には直線偏光が用いられる。ポリアミック酸主鎖は、直線偏光の照射によって、直線偏光の偏光方向に対して垂直な方向又は平行な方向に配向する。前記直線偏光は、前記膜中のポリアミック酸を配向させることができる光であれば特に限定されない。前記ポリアミック酸の光配向処理における直線偏光の照射量は1J/cm2以上であることが好ましい。また直線偏光の波長は300〜400nmであることが好ましい。直線偏光の膜表面に対する照射角度は特に限定されないが、液晶に対する強い配向規制力を発現させたい場合、膜表面に対してなるべく垂直であることが配向処理の時間を短縮する観点から好ましい。
また本発明の光配向膜の製造において、プレチルト角を発現させたい場合に前記膜に照射される光は、偏光であっても非偏光であってもよい。プレチルト角を発現させたい場合に前記膜に照射される光の照射量は1J/cm2以上であることが好ましく、その波長は300〜400nmであることが好ましい。プレチルト角を発現させたい場合に前記膜に照射される光の前記膜表面に対する照射角度は特に限定されないが、30〜60°であることが配向処理の時間を短縮する観点から好ましい。
本発明の光配向膜は、液晶配向膜として用いられる場合に液晶に対する配向規制力を十分に発現させ、配向不良の惹起を抑制する観点から、下記式αで求められる光配向膜におけるポリイミドの主鎖の配向指数Δが0.5以上であることが好ましい。配向指数Δは大きければ大きいほど良いが、光配向膜の製造時の生産性を上げ、また光配向膜の光分解による性能低下を抑制する観点から、30以下であることが好ましく、0.9〜10であることがより好ましい。
Δ=(|A‖−A⊥|)/{(A‖+A⊥)×d} (α)
式(α)中、A‖は、直線偏光の赤外光を光配向膜の表面に対して垂直に、かつ赤外光の偏光方向がポリイミドの主鎖の平均配向方向に平行になるように照射したときの波数1,360cm-1付近のイミド環のC−N−C伸縮振動による吸収バンドのピーク値又は積分吸光度を表し、A⊥は、直線偏光の赤外光を光配向膜の表面に対して垂直に、かつ赤外光の偏光方向がポリイミドの主鎖の平均配向方向に垂直になるように照射したときの波数1,360cm-1付近のイミド環のC−N−C伸縮振動による吸収バンドのピーク値又は積分吸光度を表す。dは光配向膜の膜厚(nm)である。
A‖及びA⊥は、赤外線分光光度計(好ましくはFT−IR)の光源と、基板とその表面に形成された光配向膜とを有する試料を保持する試料ホルダーとの間に偏光子を配置し、ポリイミドの主鎖の配向方向が偏光子の偏光方向と平行になるようにして試料ホルダーに前記試料を固定し、赤外吸光度を測定し、試料を試料ホルダーに固定した状態で偏光子を90度回転させて偏光子を通過した赤外光の偏光方向がポリイミドの主鎖の配向方向と垂直になるようにして赤外吸光度を測定することによって求めることができる。なお、この方法では、シリコンやフッ化カルシウム(ホタル石:CaF2)等赤外光が透過する基板上に作製された試料が用いられる。
dは段差計又はエリプソメータ等の公知の膜厚測定装置によって測定することができる。またdは、前記ワニスの粘度や基板へのワニスの塗布条件によって調整することができる。前記ワニスの粘度は、ポリアミック酸等の固形分の濃度や、ワニスの養生(攪拌時間)によって調整することができる。
また光配向膜におけるポリイミドの主鎖の平均配向方向は、光配向膜の表面に対して垂直な方向から光配向膜を見たときにポリイミドの主鎖が平均して配向している方向を言い、直線偏光の赤外光を光配向膜の表面に対して垂直に照射しながら、光配向膜の表面に対する垂線を回転軸として光配向膜を回転させたときのA‖−A⊥の正負及びその値によって判断することができる。つまりA‖−A⊥が正でありかつ最大値であるとき、ポリイミド主鎖の平均配向方向は直線偏光の偏光方向と平行であり、負でありかつ最小値であるとき、ポリイミドの主鎖の平均配向方向は直線偏光の偏光方向に対して垂直である。
本発明の光配向膜は、液晶ディスプレイ用の液晶組成物の配向用途以外に、光学補償材やその他すべての液晶材料の配向制御に用いることが出来る。
本発明は、対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜が本発明の光配向膜である液晶表示素子を提供する。
前記基板は、その用途に応じて適当な基板が用いられる。前記基板は、表示の観点によれば、ガラス等の透明の基板が好ましく、光配向膜におけるポリイミド主鎖の配向指数Δを確認する観点によれば、シリコンやフッ化カルシウム等の赤外光を透過する基板が好ましい。
前記電極は、基板の一面に形成される電極であれば特に限定されない。このような電極には、例えばITOや金属の蒸着膜等が挙げられる。また電極は、基板の一方の面の全面に形成されていてもよいし、例えばパターン化されている所望の形状に形成されていてもよい。電極の前記所望の形状には、例えば櫛型又はジグザグ構造等が挙げられる。電極は、一対の基板のうちの一方の基板に形成されていてもよいし、両方の基板に形成されていてもよい。電極の形成の形態は液晶表示素子の種類に応じて異なり、例えばIPS型液晶表示素子の場合は前記一対の基板の一方に電極が配置され、その他の液晶表示素子の場合は前記一対の基板の双方に電極が配置される。前記基板又は電極の上に前記液晶配向膜が形成される。
前記液晶層は、液晶配向膜が形成された面が対向している前記一対の基板によって液晶組成物が挟持される形で形成される。液晶層の形成では、微粒子や樹脂シート等の、前記一対の基板の間に介在して適当な間隔を形成するスペーサを必要に応じて用いることができる。
前記液晶組成物には、特に限定されず公知の液晶組成物を用いることができる。
本発明の光配向膜は、液晶配向膜として液晶表示素子を形成したときに、公知の全ての液晶組成物に対してその特性を改善できるが、前述した方法によって製造された本発明の光配向膜は、特に、ラビング処理の行いにくい大画面ディスプレイの配向欠陥改善に効果が大きい。このような大画面ディスプレイはTFTにより駆動制御されている。またこのようなTFT型液晶表示素子に使用される液晶組成物は、特許第3086228号公報、特許2635435号公報、特表平5−501735号公報、及び特開平9−255956号公報に記載されている。したがって本発明の光配向膜は、これらに記載された液晶組成物と組み合わせて用いるのが好ましい。
VA方式の液晶表示素子においては、視野角を改善するため、電場をかけたときに倒れる液晶組成物の方向を放射状に制御することが行われている。その方法の1つとして、光配向膜の上にマスクを置き、複数の配向処理を行うことが検討されている。本発明の光配向膜はこのような配向分割を行う上でも好適である。
本発明の液晶表示素子におけるプレチルト角は、例えば中央精機製液晶特性評価装置OMS−CA3型を用いて、Journal of Applied Physics, Vol.48, No.5, p.1783−1792 (1977)に記載されているクリスタルローテーション法によって測定することができる。
本発明の液晶表示素子は、液晶表示素子の信頼性に係る電気特性において優れている。このような電気特性としては、電圧保持率及びイオン密度が挙げられる。
電圧保持率(VHR)は、フレーム周期間に液晶表示素子に印加された電圧が液晶表示素子に保持される割合であり、液晶表示素子の表示特性を示す。本発明の液晶表示素子は、4.5V及び周波数30Hzの矩形波を用い、60℃の温度の条件で測定される電圧保持率が90.0%以上であり、4.5Vおよび周波数0.3Hzの矩形波を用い、60℃の温度の条件で測定される電圧保持率が85.0%以上であることが、表示不良を防ぐ観点から好ましい。
イオン密度は、液晶表示素子内の不純物イオンの挙動を示す指標であることが知られている。本発明の液晶表示素子は、イオン密度が500pC以下であることが、液晶表示素子の焼き付きを防ぐ観点から好ましい。
以下実施例により、本発明の光配向膜における実際の製法及び効果を具体的に示す。実施例中、NMRはジメチルスルホキシド中で測定した。分子量の測定はGPCを用い、ポリスチレンを標準溶液とし、溶出液はDMFを用いた。粘度は、回転粘度計(東機産業株式会社製、TV−20)を用い測定した。光照射は井内盛栄堂製250W高圧水銀灯を用い、波長310〜380nm付近の紫外線を照射した。照射は室温、空気中で行った。なお本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
液晶表示素子の評価法
以下に実施例で用いた液晶表示素子の評価法を記載する。
1.配向性
偏光顕微鏡観察による目視により行った。
2.プレチルト角
クリスタルローテーション法により行った。
3.電圧保持率
「水嶋他、第14回液晶討論会予稿集 p78」に記載の方法により、二通りの測定方法で行った。第一の測定条件は、ゲート幅69μs、周波数30Hz、波高±4.5Vであり、温度60℃で行った。第二の測定条件は、ゲート幅69μs、周波数0.3Hz、波高±4.5Vであり、温度60℃で行った。
4.液晶中のイオン量測定(イオン密度)
応用物理、第65巻、第10号、1065(1996)に記載の方法に従い、東陽テクニカ社製、液晶物性測定システム6254型を用いて測定した。周波数0.01Hzの三角波を用い、±10Vの電圧範囲、温度60℃で測定した。
5.偏光IR
FT−IR装置(分光器:Mattson Galaxy 3020、検出器:mercury cadmium telluride)を用い、測定温度32℃、積算400回の条件で測定した。
6.膜厚測定
エリプソメータ(溝尻光学工業所 DVA−FL3G)を用い、632.8nmのレーザー光を照射して測定した。
実施例1
下記組成からなるワニスAの調製
Figure 2007279691
4,4’−ジアミノトラン(1.2534g、6.018mmol)をNMP(N−メチル−2−ピロリドン、22.5g)に溶解し、PMDA(0.5901g、3.009mmol)及びCBTA(0.6564g、3.009mmol)を室温以下に保ちながら加えた。2時間攪拌後、BC(エチレングリコールモノブチルエーテル、22.5g)を加えた。このものの粘度は350mPa・sであった。この溶液を60℃で約4時間攪拌したところ、粘度33mPa・sのワニスを得た(重量平均分子量;45,000)。
実施例2
下記組成からなるワニスBの調製
Figure 2007279691
4,4’−ジアミノジフェニル−1,4−ブタジイン(1.3216g、5.690mmol)をNMP(22.5g)に溶解し、PMDA(0.6205g、2.845mmol)及びCBTA(0.5579g、2.845mmol)を室温以下に保ちながら加えた。2時間攪拌後、BC(22.5g)を加えた。このものの粘度は170mPa・sであった。この溶液を60℃で約2時間攪拌したところ、粘度28mPa・sのワニスを得た(重量平均分子量;37,000)。
実施例3
下記組成からなるワニスCの調製
Figure 2007279691
4,4’−ジアミノスチルベン(1.2590g、5.592mmol)をNMP(22.5g)に溶解し、PMDA(0.6535g、2.996mmol)及びCBTA(0.5875g、2.996mmol)を室温以下に保ちながら加えた。2時間攪拌後、BC(22.5g)を加えた。このものの粘度は140mPa・sであった。この溶液を60℃で約2時間攪拌したところ、粘度32mPa・sのワニスを得た(重量平均分子量;46,000)。
実施例4
化合物(1−9)の合成及びこれを用いた下記ワニスDの合成
Figure 2007279691
(ワニスの合成)
US6514995又はJ.Am.Chem.Soc.,123,9675(2001)に従って合成した化合物(1−9)(0.9829g、7.325mmol)をNMP(22.5g)に溶解し、PMDA(0.7183g、3.663mmol)及びCBTA(0.7989g、3.663mmol)を室温以下に保ちながら加えた。60℃で2時間攪拌後、BC(22.5g)を加えた。このものの粘度は210mPa・sであった。この溶液を60℃で約4時間攪拌したところ、粘度31mPa・sのワニスを得た(重量平均分子量;38,000)。
実施例5
下記組成からなるワニスEの調製
Figure 2007279691
DDM(1.8340g、9.250mmol)をNMP(22.5g)に溶解し、ジフェニル−1,4−ブタジイン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物(3.1660g、9.250mmol)を室温以下に保ちながら加えた。2時間攪拌後、BC(22.5g)を加えた。このものの粘度は58mPa・sであった。この溶液を50℃で約1時間攪拌したところ、粘度30mPa・sのワニスを得た(重量平均分子量;49,000)。
実施例6
化合物(2−7)の合成及びこれを用いた下記ワニスFの合成
Figure 2007279691
(化合物(2−7)の合成)
4−エチニルフタル酸 ジエチルエステル(10.0g、41mmol)、シス−1,2−ジクロロエチレン(2.0g、21mmol)、Pd(PPh34(1.15g、1.0mmol)、CuI(0.38g、2.0mmol)の混合物をジブチルアミン(50mL)中、窒素雰囲気下、室温で24時間反応させた。溶媒を減圧留去後、残さをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン:酢酸エチル=5:1(v/v))で精製し、目的とする化合物を得た。17.3g、収率82%。
得られた化合物(17.0g、32.9mmol)をエタノール(80mL)中に溶解し、10%水酸化ナトリウム水溶液(60mL)を加え、1時間還流した。冷却後、溶媒を留去し、残さに6M塩酸100mLを加えた。析出した沈殿をろ過し、100℃で10時間真空乾燥することによって、目的物を得た。11.7g、収率91%。
得られた化合物(11.0g、27.2mmol)及び無水酢酸(50ml)の混合物を3時間還流した。冷却後、析出した沈殿をろ過し、80℃で5時間真空乾燥することによって、目的の化合物(2−7)を得た。7.4g、収率74%。得られた化合物(2−7)の1H NMRスペクトルのピークを以下に示す。
1H NMR(ppm);8.00(d,2H,J=1.50Hz),7.96(dd,2H,J=8.00,1.50Hz),7.78(dd,2H,J=8.00,1.50Hz),6.52(s,2H)。
(ワニスの合成)
化合物(2−7)(1.6251g、4.413mmol)をNMP(22.5g)に溶解し、DDM(0.8748g、4.413mmol)を室温以下に保ちながら加えた。60℃で2時間攪拌後、BC(22.5g)を加えた。このものの粘度は127mPa・sであった。この溶液を60℃で約4時間攪拌したところ、粘度37mPa・sのワニスを得た(重量平均分子量;49,000)。
実施例7
下記組成からなるワニスGの調製
Figure 2007279691
4,4’−ジアミノジフェニル−1,4−ブタジイン(0.9256g、3.985mmol)、及び化合物(1−40)(0.5427g、0.9962mmol)をNMP(22.5g)に溶解し、PMDA(0.5432g、2.491mmol)及びCBTA(0.4884g、2.491mmol)を室温以下に保ちながら加えた。2時間攪拌後、BC(22.5g)を加えた。このものの粘度は98mPa・sであった。この溶液を60℃で約2時間攪拌したところ、粘度27mPa・sのワニスを得た(重量平均分子量;46,000)。
実施例8
下記組成からなるワニスHの調製
Figure 2007279691
J.Am.Chem.Soc.,68,2600(1946)に従って合成した4−アミノ−4’−ブロモジフェニルメタン(74g、280mmol)、トリメチルシリルアセチレン(30g、310mmol)、PdCl2(PPh32(4.9g、7.0mmol)、およびヨウ化銅(2.6g、14.0mmol)の混合物をトリエチルアミン(150ml)中50℃で30分攪拌し、その後3時間還流させた。冷却後溶媒を減圧留去した。残さにトルエン(300mL)を加え、純水(300mL)で3回洗浄した。有機層を無水MgSO4で乾燥し、ろ過後溶媒を減圧流去した。得られた4−アミノ−4’−トリメチルシリルエチニルジフェニルメタンの粗生成物は精製せずに次の反応に用いた。
上記生成物(82g、290mmol)にテトラブチルアンモニウムフロリドTHF溶液(1M、293mL)を室温以下で加えた。室温で一晩攪拌した後、溶媒を減圧留去した。上記と同様にトルエン−純水系で抽出操作を行った後、乾燥および溶媒を減圧留去した
。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン)で精製し、4−アミノ−4’−エチニルジフェニルメタンを得た。収量48g、収率82%。
上記化合物(5.0g、24mmol)、1,4−ジヨードベンゼン(3.6g、11mmol)、PdCl2(PPh32(840mg、1.2mmol)、およびヨウ化銅(460mg、2.4mmol)の混合物をトリエチルアミン(30ml)中50℃で30分攪拌し、その後3時間還流させた。冷却後溶媒を減圧留去した。残さをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/塩化メチレン→塩化メチレン:メタノール=50:1(v/v))で精製し、目的とする化合物(1−10)を得た。収量1.5g、収率26%。得られた化合物(1−10)の1H NMRスペクトルのピークを以下に示す。
1H NMR;7.48(s,4H)、7.43(d,4H,J=8.15Hz)、7.16(d,4H,J=8.15Hz)、6.97(d,4H、J=8.20Hz)、6.64(d,4H、J=8.40Hz)3.89(s,4H)、3.59(brs、4H).
化合物(1−10)(0.8642g、1.769mmol)をNMP(11.2g)に溶解し、PMDA(0.3858g、1.769mmol)を室温以下に保ちながら加えた。60℃で2時間攪拌後、BC(11.2g)を加えた。その後70℃で約3時間攪拌することによって、粘度40mPa・sのワニスHを得た(重量平均分子量;96,000)。
実施例9
下記組成からなるワニスIの調製
Figure 2007279691
上記4−アミノ−4’−エチニルジフェニルメタン(5.0g、24mmol)、Tetrahedron Lett.,40,8579,(1999)に従って合成した1,4−ジヨードエチニルベンゼン(4.5g、12mmol)、PdCl2(PPh32(840mg、1.2mmol)、およびヨウ化銅(460mg、2.4mmol)の混合物をトリエチルアミン(30mL)中50℃で30分攪拌し、その後3時間還流させた。冷却後溶媒を減圧留去した。残さをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/塩化メチレン→塩化メチレン:メタノール=50:1(v/v))で精製し、目的とする化合物(1−11)を得た。収量2.2g、収率17%。得られた化合物(1−11)の1H NMRスペクトルのピークを以下に示す。
1H NMR;7.40(s,4H)、7.36(d,4H,J=8.20Hz)、7.18(d,4H,J=8.20Hz)、6.97(d,4H、J=8.40Hz)、6.64(d,4H、J=8.40Hz)3.89(s,4H)、3.60(brs、4H).
化合物(1−11)(0.8888g、1.656mmol)をNMP(11.2g)に
溶解し、PMDA(0.3612g、1.656mmol)を室温以下に保ちながら加えた。60℃で2時間攪拌後、BC(11.2g)を加えた。その後70℃で約2時間攪拌することによって、粘度38mPa・sのワニスIを得た(重量平均分子量;83,000)。
実施例10
サンプル瓶にワニスAを3g計り取り、BCを加え5gとした。片面にITO電極を設けた透明ガラス基板上に、この約3重量%のポリアミック酸溶液を滴下し、スピンナー法により塗布した(2,300rpm、15秒)。塗布後、基板を80℃で5分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、偏光板を介して直線偏光を照射した(365nmでエネルギー約5J/cm2)。光照射後の基板をオーブン中で230℃30分間加熱処理し、膜厚約60nmの光配向膜を得た。
ITO電極上に上記の光配向膜が形成された基板2枚を、それぞれの光配向膜について照射された直線偏光の偏光方向が平行になるように、かつ光配向膜が形成されている面を対向させ、さらに対向する光配向膜の間に液晶組成物を注入させるための空隙を形成して合わせ、セル厚7μmの液晶セルA(液晶表示素子)を組み立てた。このセルに下記に示す液晶組成物Aを注入した。

Figure 2007279691
この液晶セルAを目視により観察したところ、液晶が流動した方向に沿って液晶が並ぶいわゆる流動配向が若干観察された。この液晶セルAを110℃で30分間アイソトロピック処理を行い、室温まで冷却した。この液晶セルAを顕微鏡で観察したところ、液晶の配向欠陥は観察されなかった。偏光顕微鏡をクロスニコル状態にし、液晶セルAを回転させたときの明瞭な明及び暗状態となった(微小な白点はギャップ剤による光ぬけ)。液晶
セルAの暗状態の写真を図1に示す。
この液晶セルAのプレチルト角、VHR(電圧保持率)及びイオン密度を以下の表9に示す。
Figure 2007279691
実施例11
ワニスAをワニスBに変えた以外は、上記実施例10と同様な方法で液晶セルBを作製した。この液晶セルBではアイソトロピック処理前に流動配向は観察されなかった。アイソトロピック処理後、偏光顕微鏡で液晶セルBを写真観察したところ、液晶には配向欠陥はなく、液晶組成物はきれいに配向していることがわかった。また液晶セルBを回転させたとき明瞭な明及び暗状態が観察された。液晶セルBの暗状態の写真を図2に示す(微小な白点はギャップ剤による光ぬけ)。またこの液晶セルBのプレチルト角、VHR及びイオン密度を以下の表10に示す。
Figure 2007279691
実施例12
ワニスAをワニスCに変えた以外は、上記実施例10と同様な方法で液晶セルCを作製した。この液晶セルCではアイソトロピック処理前に流動配向が若干観察された。アイソトロピック処理後、偏光顕微鏡で液晶セルCを写真観察したところ、液晶には配向欠陥はなく、液晶組成物はきれいに配向していることがわかった。液晶セルCを回転させたときの明及び暗状態も実施例10とほぼ同様な結果であった。またこの液晶セルCのプレチルト角、VHR及びイオン密度を以下の表11に示す。
Figure 2007279691
実施例13
ワニスAをワニスEに変えた以外は、上記実施例10と同様な方法で液晶セルEを作製した。この液晶セルEではアイソトロピック処理前に流動配向は観察されなかった。アイソトロピック処理後、偏光顕微鏡で液晶セルEを写真観察したところ、液晶には配向欠陥はなく、液晶組成物はきれいに配向していることがわかった。液晶セルEを回転させたときの明及び暗状態も実施例11とほぼ同様な結果であった。またこの液晶セルEのプレチルト角、VHR及びイオン密度を以下の表12に示す。
Figure 2007279691
実施例14
ワニスAをワニスGに変え、直線偏光を基板に対し70度の角度から照射した以外は、上記実施例10と同様な方法で液晶セルGを作製した。この液晶セルGではアイソトロピック処理前に流動配向は観察されなかった。アイソトロピック処理後、偏光顕微鏡で液晶セルGを写真観察したところ、液晶には配向欠陥はなく、液晶組成物はきれいに配向していることがわかった。液晶セルGを回転させたときの明及び暗状態も実施例11とほぼ同様な結果であった。またこの液晶セルGのプレチルト角、VHR及びイオン密度を以下の表13に示す。
Figure 2007279691
実施例15
ワニスAをワニスHに変えた以外は、上記実施例10と同様な方法で液晶セルHを作製した。この液晶セルHではアイソトロピック処理前に流動配向が若干観察された。アイソトロピック処理後、偏光顕微鏡で液晶セルHを写真観察したところ、液晶には配向欠陥はなく、液晶組成物はきれいに配向していることがわかった。液晶セルHを回転させたときの明及び暗状態も実施例10とほぼ同様な結果であった。またこの液晶セルHのプレチルト角、VHR及びイオン密度を以下の表14に示す。
Figure 2007279691
実施例16
ワニスAをワニスIに変えた以外は、上記実施例10と同様な方法で液晶セルIを作製した。この液晶セルIではアイソトロピック処理前に流動配向は察されなかった。アイソトロピック処理後、偏光顕微鏡で液晶セルIを写真観察したところ、液晶には配向欠陥はなく、液晶組成物はきれいに配向していることがわかった。液晶セルIを回転させたときの明及び暗状態も実施例11とほぼ同様な結果であった。またこの液晶セルIのプレチルト角、VHR及びイオン密度を以下の表15に示す。
Figure 2007279691
比較例1
特開平11−15001号公報に記載されている4,4’−ジアミノカルコンを用い、以下の組成で実施例1と同様にワニスJを調製した(粘度;14mPa・s、重量平均分子量;24,000)。
Figure 2007279691
ワニスAの代わりにワニスJを用いた以外は、実施例10と同様な方法で液晶セルJを製作した。偏光顕微鏡で液晶セルJを観察したところ、アイソトロピック処理前において著しい流動配向が観察された。アイソトロピック処理後に偏光顕微鏡で観察したところ、
液晶には著しい配向欠陥が観察された。液晶セルJの暗状態を表した偏光顕微鏡写真を図3に示す。またこの液晶セルHのプレチルト角、VHR及びイオン密度を以下の表16に示す。
Figure 2007279691
比較例2
Mol.Cryst.Liq.Cryst.Vol.412, 293(2004)に記載されている4,4’−ジアミノアゾベンゼンを用い、以下の組成で実施例1と同様にワニスKを調製した(粘度;37mPa・s、重量平均分子量;58,000)。
Figure 2007279691
ワニスAの代わりにワニスKを用いた以外は、実施例10と同様な方法で液晶セルKを製作した。偏光顕微鏡で液晶セルKを観察したところ、この液晶セルKではアイソトロピック処理前に流動配向は観察されなかった。アイソトロピック処理後、配向欠陥は観察されずきれいな配向が観察された。液晶セルKを回転させたときの明及び暗状態も実施例11とほぼ同様な結果であった。またこの液晶セルKのプレチルト角、VHR及びイオン密度を以下の表17に示す。この系の場合配向性は良好であるが、電気特性が悪いことが分かる。
Figure 2007279691
比較例3
230℃30分間のポリアミック酸膜の加熱処理後に直線偏光を照射した以外は実施例11と同様な方法で液晶セルLを作製した。偏光顕微鏡で液晶セルLを観察したところ、アイソトロピック処理前において流動配向が観察された。アイソトロピック処理後に偏光顕微鏡で観察したところ配向欠陥が観察された。液晶セルLの暗状態を表した偏光顕微鏡写真を図4に示す。またこの液晶セルLのプレチルト角、VHR及びイオン密度を以下の表18に示す。
Figure 2007279691
上記実施例と比較例との比較で明らかなように、本発明の光配向膜を有する液晶表示素子は、その液晶において欠陥のない良好な配向性を示し、またVHRが高く、イオン密度も小さい。
実施例17〜21
基板をシリコン基板に変えた以外は実施例10、11、12、15、及び16と同様な方法に従って光配向膜を作製した。この光配向膜の配向指数Δを偏光IRによって測定した結果を以下の表19に示す。
Figure 2007279691
比較例4及び5
基板をシリコン基板に変えた以外は比較例1及び3と同様な方法に従って光配向膜を作製した。この光配向膜の配向指数Δを偏光IRによって測定した結果を以下の表20に示す。
Figure 2007279691
表19及び表20から明らかなように、実施例17〜21の光配向膜は、0.5以上、より詳しくは0.85以上の配向指数Δを示しており、特に実施例17〜19及び21の光配向膜は、0.5以上、より詳しくは0.9以上の配向指数Δを示しており、高い液晶配向能を有することがわかる。一方、比較例4及び5の光配向膜は全く液晶配向能を持たないことが想像できる。
なお、前記第一の測定条件による電圧保持率は、高いほど良く、好ましくは90.0%以上、より好ましくは98.0%以上、さらに好ましくは98.5%以上であり、また前記第二の測定条件による電圧保持率は、好ましくは83.0%以上、より好ましくは85.0%以上、さらに好ましくは87.0%以上であれば、液晶表示素子が、電圧が印加された後次に印加されるまでの電圧低下がなく、これに伴う表示の劣化がない点で優れていることを示している。
また、前記イオン密度は、小さいほど液晶表示素子として優れていることを示し、600pC以下であることが好ましく、500pC以下であることがより好ましく、400pC以下であることがさらに好ましく、300pC以下であることがより一層好ましい。
液晶セルAの暗状態を表した偏光顕微鏡写真である。 液晶セルBの暗状態を表した偏光顕微鏡写真である。 液晶セルJの暗状態を表した偏光顕微鏡写真である。 液晶セルLの暗状態を表した偏光顕微鏡写真である。

Claims (19)

  1. 少なくともジアミン及びテトラカルボン酸二無水物を原料として生成されたポリアミック酸を光の照射によって所定の方向に配向させた後、イミド化することによって形成された光配向膜において、
    前記ジアミンがA成分である下記一般式(1)で表される不飽和結合含有ジアミンの一又は二以上を含むか、
    又は前記テトラカルボン酸二無水物がA成分である下記一般式(2)で表される不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物の一又は二以上を含むか、
    又は前記ジアミンがA成分である前記不飽和結合含有ジアミンの一又は二以上を含みかつ前記テトラカルボン酸二無水物がA成分である前記不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物の一又は二以上を含むことを特徴とする光配向膜。
    Figure 2007279691
    (一般式(1)中、A1及びA2は、それぞれ独立して二価の有機基を表し、Tは1〜
    3個の炭素−炭素二重結合又は1〜4個の三重結合を含む二価の不飽和結合含有基を表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(2)中、A3及びA4は、それぞれ独立して三価の有機基を表し、Tは1〜
    3個の炭素−炭素二重結合又は1〜4個の三重結合を含む二価の不飽和結合含有基を表す。)
  2. 前記不飽和結合含有ジアミンが、前記一般式(1)中、A1及びA2はそれぞれ独立して炭素数6から20の芳香環、炭素数3から10の脂環、又は炭素数1から10のアルキレンを表し、それぞれオキシ及びカルボニルを含んでいてもよく、Tは以下の(A)から(G)の群から選ばれる不飽和結合含有基のいずれかを表すジアミンであることを特徴とする請求項1記載の光配向膜。
    Figure 2007279691
  3. 前記不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物が、前記一般式(2)中、A3及びA4はそれぞれ独立して炭素数6から20の芳香環又は炭素数1から20の脂肪族基を表し、それぞれオキシ及びカルボニルを含んでいてもよく、Tは前記(A)から(G)の群から選ばれる不飽和結合含有基のいずれかを表すテトラカルボン酸二無水物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光配向膜。
  4. 前記ジアミンは、下記一般式(3)で表されるジアミンの一又は二以上をB成分としてさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光配向膜。
    Figure 2007279691
    (一般式(3)中、R1は下記一般式(5)〜(8)で表される基から選ばれる二価の
    有機基を表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(5)中、R4はH又は炭素数1〜12のアルキルを表し、環Aはそれぞれ独
    立して1,4−フェニレン又は1,4−シクロへキシレンを表し、Z1及びZ2はそれぞれ独立して単結合、CH2、CH2CH2又はOを表し、rは0〜3、sはそれぞれ独立して0〜5、t1は0〜3、t2は0〜3の整数を表す。また、1,4−フェニレン又は1,4−シクロへキシレンの任意のHは炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい。)
    Figure 2007279691
    (一般式(6)中、X1及びX2は単結合、O、COO、OCO、NH、CONH又は
    炭素数1〜12のアルキレンを表し、G1及びG2は単結合、又は芳香族環及び脂環式環から選ばれる1〜3個の環を含む二価の基を表し、R5はH、F、CN、OH又は炭素数1〜30のアルキル、ペルフルオロアルキル若しくはアルコキシを表す。ベンゼン環に対する置換基の結合位置及び2個の遊離基の位置は任意の位置である。但し、G2が単結合でありX2が単結合でもなくアルキレンでもない場合は、R5はH又はアルキルであり、またG1及びG2が共に単結合である場合は、X1、X2及びR5の合計の炭素数が3以上である。)
    Figure 2007279691
    (一般式(7)中、X3及びX4はそれぞれ独立して単結合、CH2、CH2CH2
    はOを表し、R6及びR7はそれぞれ独立してH、炭素数1〜12のアルキル、又は炭素数
    1〜12のペルフルオロアルキルを表す。u1、u2、u3、u4、及びu5はそれぞれ独立して0〜3の整数を表す。また、1,4−フェニレンの任意のHは炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよい。)
    Figure 2007279691
    (一般式(8)中、X5及びX6はそれぞれ独立して単結合、O、又はSを表し、m1及びm2はそれぞれ独立して0又は1を表し、nは0〜10の整数を表す。また、ベンゼン環に対する遊離基の結合位置は任意の位置である。)
  5. 前記テトラカルボン酸二無水物は、下記一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物の一又は二以上をB成分としてさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光配向膜。
    Figure 2007279691
    (一般式(4)において、R2は下記一般式(9)〜(17)で表される基から選ばれ
    る四価の基を表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(9)中、G3は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、1,4−フェニレン
    、又は1,4−シクロヘキシレンを表し、X6はそれぞれ独立して単結合又はCH2を表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(10)中、R32、R33、R34、及びR35はそれぞれ独立してH、メ
    チル、エチル、又はフェニルを表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(11)中、環A6はシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(12)中、G4は単結合、CH2、CH2CH2、O、CO、S、C(CH
    32、又はC(CF32を表し、環A6はそれぞれ独立してシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(13)中、R36はH、又はメチルを表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(14)中、X6はそれぞれ独立して単結合又はCH2を表し、vは1又は2
    を表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(15)中、X6は単結合又はCH2を表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(16)中、R37はH、メチル、エチル、又はフェニルを表し、環A6はシ
    クロヘキサン環又はベンゼン環を表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(17)中、w1及びw2はそれぞれ独立して0又は1を表す。ただしw1=1でw2=0であることはない。)
  6. 一般式(1)のA1及びA2が下記構造式(I)から(V)及び下記一般式(VI)、(VII)の群から独立して選択されることを特徴とする請求項2記載の光配向膜。
    Figure 2007279691
    (一般式(VI)または(VII)中、nは1〜10の整数を表す。)
  7. 一般式(2)のA3及びA4が下記構造式(VIII)から(X)の群から独立して選択されることを特徴とする請求項3記載の光配向膜。
    Figure 2007279691
  8. 一般式(1)のA1及びA2が前記構造式(I)、(II)、(III)及び前記一般式(VI)、(VII)の群から独立して選択されることを特徴とする請求項6記載の光配向膜。
  9. 一般式(2)のA3及びA4が前記構造式(VIII)で表されることを特徴とする請求項7記載の光配向膜。
  10. 前記ポリアミック酸の原料の総量に対する、前記不飽和結合含有テトラカルボン酸二無水物及び前記不飽和結合含有ジアミンのモル比は0.3〜1.0であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光配向膜。
  11. 少なくともジアミン及びテトラカルボン酸二無水物を原料として生成されたポリアミック酸を光の照射によって所定の方向に配向させた後、イミド化することによって形成された光配向膜において、
    前記ジアミン及び前記テトラカルボン酸二無水物は、前記ジアミンとしてA成分である下記構造式(1−1)〜(1−11)の群から選択される一又は二以上のジアミン、及び前記テトラカルボン酸二無水物としてA成分である下記構造式(2−1)〜(2−7)の群から選択される一又は二以上のテトラカルボン酸二無水物のいずれか一方又は両方を含み、
    さらに前記ジアミン及び前記テトラカルボン酸二無水物は、前記ジアミンとしてB成分である下記一般式(3−1)、(3−3)〜(3−7)及び下記構造式(3−2)の群から選択される一又は二以上のジアミン、及び前記テトラカルボン酸二無水物としてB成分である下記一般式(4−2)及び下記構造式(4−1)、(4−3)〜(4−7)の群から選択される一又は二以上のテトラカルボン酸二無水物のいずれか一方又は両方を含むことを特徴とする光配向膜。
    Figure 2007279691
    Figure 2007279691
    Figure 2007279691
    (一般式(3−4)中、X40は−O−又は−S−を表し、一般式(3−7)中、X41は独立して−CH2−、−CH2CH2−、又は−O−を表し、一般式(3−5)及び(3−6)中、R40は水素又は炭素数1から20のアルキルを表し、一般式(3−7)中、R41は水素又は炭素数1から10のアルキルを表し、一般式(3−1)及び(3−3)中、nは1〜6の整数を表し、一般式(3−3)中、mは独立して1又は2を表し、一般式(3−5)及び(3−6)中、pは0〜2の整数を表す。)
    Figure 2007279691
    (一般式(4−2)中、R42、R43、R44、およびR45は、それぞれ独立して水素又はメチルを表す。)
  12. 前記ジアミン及び前記テトラカルボン酸二無水物は、前記ジアミンとしてA成分である前記構造式(1−1)〜(1−6)、(1−10)、(1−11)の群から選択される一又は二以上のジアミン、及び前記テトラカルボン酸二無水物としてA成分である前記構造式(2−1)〜(2−3)の群から選択される一又は二以上のテトラカルボン酸二無水物のいずれか一方又は両方を含み、
    さらに前記ジアミン及び前記テトラカルボン酸二無水物は、前記ジアミンとしてB成分である前記一般式(3−1)、(3−3)〜(3−7)及び前記構造式(3−2)の群から選択される一又は二以上のジアミン、及び前記テトラカルボン酸二無水物としてB成分である前記一般式(4−2)及び前記構造式(4−1)、(4−3)の群から選択される一又は二以上のテトラカルボン酸二無水物のいずれか一方又は両方を含むことを特徴とする請求項11記載の光配向膜。
  13. 前記一般式(3−1)、(3−3)〜(3−7)で表されるジアミンが、前記一般式(3−1)、(3−3)〜(3−7)中、X40は−O−を表し、X41は独立して−CH2−又は−O−を表し、R40は水素又は炭素数1から20のアルキルを表し、R41は炭素数1
    から10のアルキルを表し、nは1〜4の整数を表し、mは1を表し、pは0〜2の整数を表すジアミンであることを特徴とする請求項11又は12に記載の光配向膜。
  14. 下記式αで求められるポリイミドの主鎖の配向指数Δが0.5以上である液晶配向膜であることを特徴とする請求項1又は11に記載の光配向膜。
    Δ=(|A‖−A⊥|)/{(A‖+A⊥)×d} (α)
    (式(α)中、A‖は、直線偏光の赤外光を、光配向膜の表面に対して垂直に、かつ赤外光の偏光方向がポリイミドの主鎖の平均配向方向に平行になるように照射したときの波数1,360cm-1付近のイミド環のC−N−C伸縮振動による積分吸光度を表し、A⊥は、直線偏光の赤外光を、光配向膜の表面に対して垂直に、かつ赤外光の偏光方向がポリイミドの主鎖の平均配向方向に垂直になるように照射したときの波数1,360cm-1付近のイミド環のC−N−C伸縮振動による積分吸光度を表し、dは液晶配向膜の膜厚(nm)を表す。)
  15. 対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、
    前記液晶配向膜は、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。
  16. 下記一般式(1)で表されるジアミン。
    Figure 2007279691
    (一般式(1)中、A1及びA2は、それぞれ独立して炭素数6から20の芳香環、炭素数1から10の脂環、又は炭素数1から10のアルキレンを表し、それぞれオキシ及びカルボニルを含んでいてもよく、Tは以下の(D)〜(G)を表す。ただしTが(D)のときA1およびA2が共に1,4−または1,3−フェニレン環であることはない。)
    Figure 2007279691
  17. 下記構造式(1−10)または(1−11)で表される請求項16に記載のジアミン。
    Figure 2007279691
  18. 下記一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物。
    Figure 2007279691
    (一般式(2)中、A3及びA4は、それぞれ独立して炭素数6から20の芳香環又は炭素数1から20の脂肪族基を表し、それぞれオキシ及びカルボニルを含んでいてもよく、Tは下記(D)から(G)の群から選ばれるいずれかを表す。)
    Figure 2007279691
  19. 下記構造式(2−7)で表される請求項18記載のテトラカルボン酸二無水物。
    Figure 2007279691
JP2007029477A 2006-03-16 2007-02-08 光配向膜及び液晶表示素子 Active JP5481771B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007029477A JP5481771B2 (ja) 2006-03-16 2007-02-08 光配向膜及び液晶表示素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006072566 2006-03-16
JP2006072566 2006-03-16
JP2007029477A JP5481771B2 (ja) 2006-03-16 2007-02-08 光配向膜及び液晶表示素子

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013174510A Division JP2014024846A (ja) 2006-03-16 2013-08-26 光配向膜及び液晶表示素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007279691A true JP2007279691A (ja) 2007-10-25
JP5481771B2 JP5481771B2 (ja) 2014-04-23

Family

ID=38681148

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007029477A Active JP5481771B2 (ja) 2006-03-16 2007-02-08 光配向膜及び液晶表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5481771B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009173792A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Chisso Corp 配向膜、これを有する液晶表示素子、及び配向膜用組成物
JP2009230133A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Samsung Electronics Co Ltd 光配向材、これを用いて製造された配向膜を有する表示基板及びその表示基板の製造方法
JP2010049230A (ja) * 2008-03-21 2010-03-04 Chisso Corp 光配向剤、配向膜およびこれを用いた液晶表示素子
JP2010101999A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Chisso Corp 液晶配向膜、液晶配向剤および液晶表示素子
JP2010197999A (ja) * 2009-01-29 2010-09-09 Chisso Corp 配向剤およびこれに用いられる液晶性ポリイミド
JP2011076009A (ja) * 2009-10-01 2011-04-14 Hitachi Displays Ltd 液晶表示装置
JP2011133825A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Jsr Corp 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
JP2013173820A (ja) * 2012-02-23 2013-09-05 Pi R & D Co Ltd 新規ポリイミド及びそれを含む印刷用組成物
KR20150081279A (ko) * 2012-10-31 2015-07-13 제이엔씨 주식회사 액정 표시 소자 및 그 제조 방법
WO2015146330A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 Jnc株式会社 液晶表示素子
JP2016050235A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 複合材料
JP2017043770A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. モノマー、重合体、補償フィルム、光学フィルム及び表示装置
CN107304362A (zh) * 2016-04-21 2017-10-31 三星显示有限公司 取向层组合物以及包括该取向层组合物的液晶显示器

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996037807A1 (fr) * 1995-05-26 1996-11-28 Hitachi Chemical Company, Ltd. Film a alignement de cristaux liquides
JPH0980440A (ja) * 1995-09-13 1997-03-28 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 液晶配向膜の製造方法及び液晶表示素子
JPH11218765A (ja) * 1998-01-30 1999-08-10 Hitachi Ltd 高分子薄膜の配向方法及び液晶表示装置
JP2001056469A (ja) * 1999-08-19 2001-02-27 Fuji Photo Film Co Ltd 液晶配向膜、液晶性分子を配向させる方法、光学補償シートおよびstn型液晶表示装置
JP2001517317A (ja) * 1996-03-29 2001-10-02 エルシコン・インコーポレーテッド 液晶においてプレチルトを誘起する方法及び材料並びに液晶表示装置
JP2002003454A (ja) * 2000-04-07 2002-01-09 Chisso Corp 新規なジアミノ化合物、該ジアミノ化合物を用いて合成された重合体、並びに該重合体を用いたワニス、配向膜及び液晶表示素子
JP2004119080A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、及び、これらを用いた絶縁膜並びに半導体装置
JP2005049835A (ja) * 2003-07-14 2005-02-24 Chisso Corp 横電界方式の液晶表示素子用の配向膜を形成するポリイミド系ワニス、配向膜および該配向膜を有する横電界方式の液晶表示素子
JP2005255981A (ja) * 2004-02-12 2005-09-22 Chisso Corp ジアミン、ポリマー、液晶配向膜および液晶表示素子
WO2007064160A1 (en) * 2005-12-01 2007-06-07 Lg Chem. Ltd. Method of producing liquid crystal aligning layer, liquid crystal aligning layer produced using the same, and liquid crystal display including liquid crystal aligning layer

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996037807A1 (fr) * 1995-05-26 1996-11-28 Hitachi Chemical Company, Ltd. Film a alignement de cristaux liquides
JPH0980440A (ja) * 1995-09-13 1997-03-28 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 液晶配向膜の製造方法及び液晶表示素子
JP2001517317A (ja) * 1996-03-29 2001-10-02 エルシコン・インコーポレーテッド 液晶においてプレチルトを誘起する方法及び材料並びに液晶表示装置
JPH11218765A (ja) * 1998-01-30 1999-08-10 Hitachi Ltd 高分子薄膜の配向方法及び液晶表示装置
JP2001056469A (ja) * 1999-08-19 2001-02-27 Fuji Photo Film Co Ltd 液晶配向膜、液晶性分子を配向させる方法、光学補償シートおよびstn型液晶表示装置
JP2002003454A (ja) * 2000-04-07 2002-01-09 Chisso Corp 新規なジアミノ化合物、該ジアミノ化合物を用いて合成された重合体、並びに該重合体を用いたワニス、配向膜及び液晶表示素子
JP2004119080A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、及び、これらを用いた絶縁膜並びに半導体装置
JP2005049835A (ja) * 2003-07-14 2005-02-24 Chisso Corp 横電界方式の液晶表示素子用の配向膜を形成するポリイミド系ワニス、配向膜および該配向膜を有する横電界方式の液晶表示素子
JP2005255981A (ja) * 2004-02-12 2005-09-22 Chisso Corp ジアミン、ポリマー、液晶配向膜および液晶表示素子
WO2007064160A1 (en) * 2005-12-01 2007-06-07 Lg Chem. Ltd. Method of producing liquid crystal aligning layer, liquid crystal aligning layer produced using the same, and liquid crystal display including liquid crystal aligning layer

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009173792A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Chisso Corp 配向膜、これを有する液晶表示素子、及び配向膜用組成物
JP2010049230A (ja) * 2008-03-21 2010-03-04 Chisso Corp 光配向剤、配向膜およびこれを用いた液晶表示素子
US8771809B2 (en) 2008-03-24 2014-07-08 Samsung Display Co., Ltd. Photoalignment material, display substrate having an alignment layer formed using the same, and method of manufacturing the display substrate
JP2009230133A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Samsung Electronics Co Ltd 光配向材、これを用いて製造された配向膜を有する表示基板及びその表示基板の製造方法
JP2010101999A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Chisso Corp 液晶配向膜、液晶配向剤および液晶表示素子
JP2010197999A (ja) * 2009-01-29 2010-09-09 Chisso Corp 配向剤およびこれに用いられる液晶性ポリイミド
JP2011076009A (ja) * 2009-10-01 2011-04-14 Hitachi Displays Ltd 液晶表示装置
JP2011133825A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Jsr Corp 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
JP2013173820A (ja) * 2012-02-23 2013-09-05 Pi R & D Co Ltd 新規ポリイミド及びそれを含む印刷用組成物
KR20150081279A (ko) * 2012-10-31 2015-07-13 제이엔씨 주식회사 액정 표시 소자 및 그 제조 방법
KR102085682B1 (ko) 2012-10-31 2020-03-06 제이엔씨 주식회사 액정 표시 소자 및 그 제조 방법
US10041000B2 (en) 2014-03-28 2018-08-07 Jnc Corporation Liquid crystal display device
JPWO2015146330A1 (ja) * 2014-03-28 2017-04-13 Jnc株式会社 液晶表示素子
WO2015146330A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 Jnc株式会社 液晶表示素子
JP2016050235A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 複合材料
JP2017043770A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. モノマー、重合体、補償フィルム、光学フィルム及び表示装置
US10877198B2 (en) 2015-08-28 2020-12-29 Samsung Electronics Co., Ltd. Monomer, polymer, compensation film, optical film, and display device
CN107304362A (zh) * 2016-04-21 2017-10-31 三星显示有限公司 取向层组合物以及包括该取向层组合物的液晶显示器
CN107304362B (zh) * 2016-04-21 2022-07-19 三星显示有限公司 取向层组合物以及包括该取向层组合物的液晶显示器

Also Published As

Publication number Publication date
JP5481771B2 (ja) 2014-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5481771B2 (ja) 光配向膜及び液晶表示素子
KR101445245B1 (ko) 광 배향막 및 액정 표시 소자
JP5407394B2 (ja) 光配向剤、配向膜およびこれを用いた液晶表示素子
JP5671797B2 (ja) 配向剤およびこれに用いられる液晶性ポリイミド
JP6287577B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶表示素子
JP6315182B2 (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
KR101742838B1 (ko) 액정 배향 처리제 및 그것을 사용한 액정 표시 소자
TWI657115B (zh) 液晶取向劑、液晶取向膜、液晶顯示元件、聚合物及化合物
JP6375789B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子、位相差フィルム及びその製造方法
JP2017138575A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、重合体及びジアミン
JP5672762B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP6252752B2 (ja) 液晶配向剤
JP6424609B2 (ja) 液晶配向剤、液晶表示素子の製造方法、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP6870289B2 (ja) 液晶配向剤、液晶素子の製造方法、液晶配向膜、液晶素子
JP6682965B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及び液晶配向膜の製造方法
TWI698489B (zh) 液晶配向劑、液晶配向膜以及液晶顯示元件
TWI791817B (zh) 液晶配向劑及其製造方法、液晶配向膜及其製造方法以及液晶元件
JP2013174860A (ja) 光配向用液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP6057075B2 (ja) 液晶配向剤
TWI830451B (zh) 液晶配向劑、液晶配向膜以及液晶顯示元件
WO2020218331A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子
JP5673869B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
TW202101093A (zh) 光配向用液晶配向劑、液晶配向膜及液晶顯示元件
TW202409152A (zh) 液晶配向劑、液晶配向膜以及液晶顯示元件
CN116731727A (zh) 液晶取向剂、液晶取向膜、液晶元件、聚合物及化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091029

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111115

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120110

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5481771

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250