JP2007279433A - 電気泳動表示用分散液、電気泳動表示装置ならびに電気泳動表示用分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 帯電泳動粒子の帯電を安定化させ、安定な画像状態を維持することができる電気泳動表示装置を提供することを目的とするものである。また、帯電が安定する電気泳動表示用分散液を容易に作製する方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された電極と、該基板間に挟持された電気泳動表示装置に使用する、帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有する電気泳動表示用分散液において、該帯電泳動粒子が着色材料と高分子重合体からなる複合粒子であり、かつ該着色材料と該高分子重合体の帯電極性が同一であることを特徴とする電気泳動表示用分散液。
【選択図】 図2
【解決手段】 一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された電極と、該基板間に挟持された電気泳動表示装置に使用する、帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有する電気泳動表示用分散液において、該帯電泳動粒子が着色材料と高分子重合体からなる複合粒子であり、かつ該着色材料と該高分子重合体の帯電極性が同一であることを特徴とする電気泳動表示用分散液。
【選択図】 図2
Description
本発明は、帯電泳動粒子が電極間を移動することにより表示が行われる電気泳動表示装置に使用する電気泳動表示用分散液、該電気泳動表示装置、ならびに電気泳動表示用分散液の製造方法に関する。
近年、情報機器の発達に伴い、低消費電力且つ薄型の表示装置のニーズが増しており、これらニーズに合わせた表示装置の研究、開発が盛んに行われている。中でも液晶表示装置は、液晶分子の配列を電気的に制御し液晶の光学的特性を変化させる事ができ、上記のニーズに対応できる表示装置として活発な開発が行われ商品化されている。
低消費電力、眼への負担軽減などの観点から反射型表示装置が期待されている。その1つとして、絶縁性溶媒中に分散した帯電泳動粒子が電極間を移動することにより表示が行われる電気泳動表示装置が知られている。例えば、特許文献1および特許文献2に電気泳動表示装置が提案されている。
電気泳動表示装置の基本的な構造として、図1、2に帯電泳動粒子が水平に移動する例、図3に帯電泳動粒子が垂直に移動する例、図4に帯電泳動粒子と分散媒からなる電気泳動表示用分散液が内包されたマイクロカプセルを使用した例を示す。それぞれの構造においては、帯電泳動粒子の極性と、両電極に印加する電圧の極性に応じて帯電泳動粒子が電気泳動する。その結果、これらの電気泳動表示装置は、反射型・視野角で高コントラストな表示を実現することができる。
電気泳動表示装置においては、帯電泳動粒子の帯電を制御することが、表示の高コントラストな表示性能や表示安定性をもたらす。これら電気泳動表示装置に使用される帯電泳動粒子の提案としては、核となる顔料表面に高分子鎖を付着させた粒子構成の特許文献3がある。また、電気泳動表示装置に使用される電気泳動表示用分散液の提案としては、電荷調節剤を分散液に添加する液構成の特許文献4、あいは粒子表面が酸性基(塩基性基)の場合には塩基性基(酸性基)の樹脂を分散液に添加する液構成の特許文献5がある。
特開平9−185087号公報(第2頁)
特許第2551783号公報(第1頁)
特開2002−287178号公報(第3頁)
特表平8−510790号公報(第2頁)
特開2002−62545号公報(第2頁)
従来、電気泳動表示装置に使用する帯電泳動粒子の中でも、着色材料と高分子重合体からなる帯電泳動粒子に帯電を付与あるいは帯電を安定化させるためには、帯電泳動粒子自体への帯電制御剤の導入、あるいは帯電泳動粒子を分散させる分散媒に帯電制御剤や帯電安定化剤等を添加することで行われてきた。いずれの方法も電気泳動表示用分散液を作製してからでないと帯電に関する評価ができないために、帯電泳動粒子の開発は時間がかかるものであった。
さらに、帯電泳動粒子を構成する着色材料と高分子重合体組み合わせによっては、上記の方法を施しても帯電特性が不安定になって安定な画像を維持できない場合があった。
本発明は、この様な従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、帯電泳動粒子の帯電を安定化させ、その結果、安定な画像状態を維持することができる電気泳動表示用分散液ならびに電気泳動表示装置を提供することを目的とするものである。
また、帯電が安定する帯電泳動粒子を容易に作製する方法を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明の第1発明は、一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された電極と、該基板間に挟持された電気泳動表示装置に使用する、帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有する電気泳動表示用分散液において、該帯電泳動粒子が着色材料と高分子重合体からなる複合粒子であり、かつ該着色材料と該高分子重合体の帯電極性が同一であることを特徴とする電気泳動表示用分散液である。
第2発明は、前記着色材料が複数個の無機顔料であることを特徴とする第1発明記載の電気泳動表示用分散液である。
第3発明は、第3、4発明記載の電気泳動表示用分散液を備える電気泳動表示装置である。
第4発明は、一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された電極と、該基板間に挟持された電気泳動表示装置に使用する、帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有する電気泳動表示用分散液の製造方法において、該帯電泳動粒子を構成する着色材料と高分子重合体の帯電極性を同一にすることを特徴とする電気泳動表示用分散液の製造方法である。
以上説明したように、本発明によると、帯電泳動粒子を構成する着色材料と高分子重合体の帯電極性を同一に選択した帯電泳動粒子は、帯電が安定化され、その結果、安定な画像状態を維持することができる電気泳動表示用分散液ならびに電気泳動表示装置を提供することができる。また、帯電が安定した帯電泳動粒子を作製する際に、その構成材料を簡便に選択することができる製造方法を提供することができる。また、帯電が安定する電気泳動表示用分散液を容易に作製する方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1〜4を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、これらの図は、本発明に係る電気泳動表示装置の構成ならびに帯電泳動粒子の構成を示す図ではあるが、便宜上、一例を模式的に示すものである。
まず、図1、3を用いて、電気泳動表示装置について説明する。
本発明は、帯電泳動粒子1が水平移動する電気泳動表示装置(図1参照)にも、また帯電泳動粒子1が垂直移動する電気泳動表示装置(図3参照)にも適用できる。ここで、水平移動型とは、図1に示すように、第1電極4a及び第2電極4bの両方をいずれか一方の基板3a又は3bに沿うように配置し、帯電泳動粒子1が基板3a,3bに沿って移動するように構成したものを意味する。これに対して、垂直移動型とは、図3に示すように、分散媒2を挟み込むように第1電極4a及び第2電極4bを別々の基板側に配置し、帯電泳動粒子1が基板3a,3bに対して垂直方向(法線方向)に移動するように構成したものを意味する。なお、図1ならびに図3に例示した帯電泳動粒子は、正極性に帯電しているものとする。
以下、図1の水平移動型の電気泳動表示装置を例として説明する。
本発明に係る電気泳動表示装置は、図1に示すように、複数の帯電泳動粒子1と、これらの帯電泳動粒子1が分散された分散媒2とを含有する分散液10を備え、電圧を印加して前記帯電泳動粒子1を移動させることに基き、画像を表示するよう構成されている。
本発明の電気泳動表示装置は、帯電泳動粒子1と該帯電泳動粒子1が分散された分散媒2を含有する電気泳動表示用分散液を使用する。
本発明に係る帯電泳動粒子は、該帯電泳動粒子が着色材料と高分子重合体からなる複合粒子であり、かつ該着色材料と該高分子重合体の各々の帯電極性が同一である構成からなる。
本発明の帯電泳動粒子は、帯電泳動粒子自体の色味を本質的に決める着色材料と高分子重合体からなる複合粒子であり、該着色材料と該高分子重合体の各々の帯電極性が同一の場合には帯電が安定する。各々の帯電極性が同一でない場合には、分散液中に帯電制御剤や帯電安定化剤を添加していても粒子の帯電が非常に不安定になり、帯電極性の混在あるいは帯電の経時変化を引き起こす。
本発明における帯電極性の確認は、電気泳動表示を行うに際に使用する電気泳動表示用分散液に帯電泳動粒子を構成する該着色材料を単独で分散させ、または該高分子重合体を単独で分散させ、その分散液を電気泳動させることにより該着色材料ならびに該高分子重合体の帯電極性を確認する。極性の測定方法としては、該着色材料、該高分子重合体各々の帯電極性が確認できる方法であれば限定されないが、たとえばζ電位測定、あるいは実際の電気泳動表示装置において電気泳動させての確認が挙げられる。
本発明の帯電泳動粒子を構成する着色材料は、帯電泳動粒子を構成する高分子重合体の帯電極性と同一であれば、特に限定されない。たとえば、着色材料として無機顔料あるいは/又は有機顔料が使用できる。
無機顔料の種類は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて決定されるが、具体的には鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、黒色低次酸化チタン、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等が挙げられる。必要に応じて、これら無機顔料を単独、あるいは2種類以上用いることができる。これらの無機顔料は、粉砕・造粒等の公知の方法で粒径・形状を制御できる。
また有機顔料の種類は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて決定されるが、具体的にはファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等が挙げられる。必要に応じて、これら有機顔料を単独、あるいは2種類以上用いることができる。
さらに、その他の着色材料としては、市販される着色微粒子も使用でき、具体的にはエポカラー(登録商標)((株)日本触媒製、FPシリーズ)が挙げられる。
前記した無機顔料および有機顔料、あるいは市販の着色微粒子は、粉砕・造粒、分級等の公知の方法で粒径制御して、本発明の帯電泳動粒子を構成することができる。
着色材料の平均粒径は、0.005μm〜0.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.005μm以上0.1μm以下の範囲である。0.005μm未満であるとハンドリングが極端に低下し、0.5μmを超えると得られる帯電泳動粒子の粒径が大きくなりすぎる。無機顔料の粒子形状は、球形でも非球形でもよい。
本発明の帯電泳動粒子は、着色濃度を制御するために、無機顔料あるいは/ならびに有機顔料にあっては、複数個含有することが好ましい。無機顔料あるいは/ならびに有機顔料を単独で含有させた場合には、帯電泳動粒子の着色濃度の制御が困難になる。複数個とは2個以上を表わす。
帯電泳動粒子を構成する高分子重合体としては、帯電泳動粒子を構成する着色材料の帯電極性と同一であれば、特に限定されない。また、着色材料と密着性良く複合化でき、かつ分散媒に対して不溶な材料が好適に用いられるが、例えばポリエステル重合体、ポリスチレン重合体、ポリ(メタ)アクリレート重合体、スチレン(メタ)アクリレート共重合体、ポリカーボネート重合体、ポリアリレート重合体、ポリアクリロニトリル、ポリ尿素重合体、ナイロン重合体、ウレタン重合体、メラミン重合体等の高分子重合体が挙げられる。これら高分子重合体を2種類以上使用してもよい。これらの中で、ポリスチレン重合体、ポリ(メタ)アクリレート重合体、あるいはスチレン(メタ)アクリレート共重合体が、分散媒中への分散性が優れている点で好ましい。さらに高分子重合体は分散媒に対する不溶化を目的として架橋処理を施して使用することもできる。
本発明の帯電泳動粒子を作製する方法としては、着色材料と帯電極性が同一である高分子重合体のモノマー中に、該着色材料を分散させて重合する方法が挙げられ、重合方法として、乳化重合、分散重合、懸濁重合、シード重合等の公知の方法が適用できる。
また、別の帯電泳動粒子の作成方法としては、着色材料と帯電極性が同一である高分子重合体を良溶媒に溶解させた溶液に、該着色材料を分散させ、その後、溶媒を除去する、溶媒を貧溶媒に置換する、あるいは温度を低温にすること等で高分子重合体の溶解度を変化させることで粒子を作製する析出造粒法がある。あるいは該着色材料と該高分子重合体を溶融混練した後 、その混練物を粉砕・粒子化する方法を挙げることが出来る。
本発明の帯電泳動粒子の平均粒径は、0.1μm以上7μm以下の範囲であり、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲が好ましい。0.1μm未満であると、ハンドリングが低下し、7μmを超えると表示の解像度が低下する。本発明の帯電泳動粒子1においては、必要に応じて乾式分級、湿式分級等の公知の方法で、平均粒径を本発明の範囲内に制御することができる。
本発明の帯電泳動粒子は、着色度合いを調節するために、必要に応じて染料で染色することができるが、帯電泳動粒子の帯電に影響を与えないことが好ましい。
本発明においては、帯電泳動粒子を分散させる分散媒には、帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては、分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、たとえばナフテン酸コバルト、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸鉄、ナフテン酸鉛、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛等のナフテン酸系金属石鹸、オクテン酸コバルト、オクテン酸ジルコニウム、オクテン酸鉄、オクテン酸鉛、オクテン酸ニッケル、オクテン酸マンガン、オクテン酸亜鉛等のオクテン酸系金属石鹸、ステアリン酸系金属石鹸等の金属石鹸、ポリアミノポリブテルコハク酸イミド、レシチン等の公知のものが挙げられる。帯電制御剤が含有されない場合は、帯電泳動粒子が帯電しなかったり、あるいは帯電が不安定なり、その結果、電気泳動しない、あるいは電気泳動が不安定になることがある。これらの帯電制御剤の中でも、金属石鹸が好ましい。帯電制御剤の含有量は、その種類によって適宜決められるが、分散媒100重量部に対して好ましくは0.0001〜5重量部、さらに好ましくは0.001〜1重量部の範囲である。
また、本発明の分散媒中には、帯電安定化剤として、ロジンエステルまたはロジン誘導体を含有することができる。ロジンエステルまたはロジン誘導体としては分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、たとえばガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ロジン変性マレイン酸、ロジン変性ペンタエリスリトール、ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジンメチルエステル、部分水素添加ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジントリエチレングリコールエステル、完全水素添加ロジンペンタエリスリトールエステル、マレイン酸変性ロジンエステル、フマル酸変性ロジンエステル、アクリル酸変性ロジンエステル、マレイン酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、フマル酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル、マレイン酸変性ロジングリセリンエステル、フマル酸変性ロジングリセリンエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル等が挙げられる。
さらに、本発明の分散媒中には、分散媒に可溶する高分子樹脂を分散安定剤として使用することができる。具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、スチレンブタジエン共重合体、スチレンイソプレン共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体、ノルボルネン樹脂、ポリエチレンワックスが挙げられる。中でも、スチレンブタジエン共重合体が好ましく、例えば市販の材料としては、E−SBR、S−SBR(JSR(株)製)、NIPOL(登録商標)1502,NIPOL(登録商標)1712、NIPOL(登録商標)NS112, NIPOL(登録商標)NS116、NIPOL(登録商標)1006,NIPOL(登録商標)1009(日本ゼオン(株)製)、タフデン(登録商標)、タフプレン(登録商標)、アサプレン(登録商標)(旭化成社製)、住友SBR(住友化学(株)製)を使用することができる。
本発明においては、分散媒に含有する上記成分を単独または2種類以上混合して用いることができる。また、本発明の分散媒中には、必要に応じて分散媒に可溶な陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤を含有してもよく、これらは単独、または2種以上混合して用いても良い。
本発明の帯電泳動粒子を分散させる分散媒としては、導電率の低い高絶縁性有機溶媒が使用される。具体的には、ベンゼン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、トルエン、キシレン、ナフテン系炭化水素などの芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシンなどのパラフィン系炭化水素溶媒ならびにイソパラフィン系炭化水素溶媒の脂肪族炭化水素溶媒、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、トリクロロトリフルオロエチレン、臭化エチルなどのハロゲン化炭化水素溶媒、あるいはシリコンオイル、高純度石油等が挙げられるが、中でも脂肪族炭化水素溶媒が好適に使用され、具体的にはアイソパー(登録商標)G、H,M,L、P、V(いずれもエクソン化学社製)、Shellsol(登録商標)(昭和シェルジャパン)、IPソルベント1016、1620、2028、2835(出光石油化学)、日石アイソゾール200、300、400(いずれも日本石油化学)が挙げられる。これらを単独、あるいは2種類以上混合して用いることができる。
本発明に用いる分散媒は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて粒子と異なる色に着色することができる。着色剤としては、分散媒に溶解可能な油溶性染料であれば特に限定はされない。
また、本発明では、電気泳動表示装置の表示方法に合わせて、粒子径、粒子成分、あるいは着色等が異なる2種類以上の帯電泳動粒子を使用してもよい。
本発明の電気泳動表示用分散液は、図4に示すように、マイクロカプセル10内に内包させて用いることができる。マイクロカプセルの内包方法としては、in−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等の通常の方法が挙げられる。
マイクロカプセルの壁材としてはポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシ、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ゼラチン等が挙げられる。
本発明の電気泳動表示装置に用いられるマイクロカプセルの大きさは1μm以上500μm以下の範囲であり、好ましくは20μm以上100μm以下の範囲である。
本発明の帯電泳動粒子は分散液に対して任意の重量比で用いることが可能であるが、好ましくは、分散媒100重量部に対して0.1重量部以上20重量部以下の範囲である。
本発明は、帯電泳動粒子を構成する着色材料と高分子重合体の帯電極性を同一にする電気泳動表示用分散液の製造方法であり、帯電が安定する電気泳動表示用分散液を容易に作製する方法ことができる。
次に電気泳動表示装置を図1〜3を用いて説明する。
基板3a,3bには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリカーボネート(PC)等のポリマーフィルム、ガラス、石英等の無機材料、あるいは表面に絶縁層を有するステンレス基板を使用することができる。なお、観察者側の基板3aには、可視光の透過率が高い材料、たとえば透明なポリマーフィルムやガラスを使用するとよい。また、基板3aの分散液と接する面にはゴム硬度が10以上90以下の範囲にある高分子材料、具体的にはシリコン樹脂、天然ゴム、熱可塑性エラストマー樹脂等を形成させてもよい。
電極4a,4bには、パターニング可能な導電性材料なら特に限定されないが、例えば酸化インジウムすず(ITO)、アルミ、チタン、銅などを挙げることができる。
さらに、電極4a,4bの表面には絶縁層6を形成すると良く、絶縁層を形成した場合には、各電極4a,4bから帯電泳動粒子1への電荷注入を防止できる。この絶縁層6に用いる材料としては、薄膜でピンホールが形成されにくいものが良い。具体的には、高い透明性を有するポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
また、隔壁5にはポリマー樹脂を使用すれば良く、図2の電気泳動表示装置の場合には、電極4aの上部に隔壁5を形成する。隔壁に使用する材料としては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
隔壁5を形成する方法としては、光感光性樹脂層を塗布した後に露光及びウエット現像を行う方法、印刷法によって形成する方法、隔壁を形成した後に基板に接着する方法、光透過性の基板表面にモールドによって形成しておく方法等を挙げることができる。具体的な材料としては、光感光性エポキシ樹脂(SU8 日本マグダーミッド(株)が挙げられる。
さらに、第1電極4a及び第2電極4bの内、いずれか一方の電極が配置された領域には帯電泳動粒子1と同じ色を付し、他方の電極が配置された領域には異なる色に着色することができる。たとえば、図2の装置の場合には、第1電極4a自体を黒色に着色してもよく、あるいは着色した絶縁層を電極と重なるように配置しても良い。
図3に示す垂直移動型の場合、帯電泳動粒子を分散させる分散媒2を、粒子1と異なる色に着色することができる。これらにより2色表示が可能となるが、隣接される複数の画素で異なる色を表示することにより、表示装置全体としてはカラー表示をすることもできる。
以下、図2に示す電気泳動表示装置について説明する。
本発明の粒子の平均粒径は、粒度分布測定装置(マイクロトラック社製モデル9320-X100)から求める。本発明における帯電極性ならびに帯電量は、ζ電位計(ブルックヘブン社製Zeta PALS)から求める。さらに本発明における帯電泳動粒子を構成する着色材料と高分子重合体の帯電極性の確認は、電気泳動表示を行うに際に使用する電気泳動表示用分散液に該着色材料と該高分子重合体を各々単独で分散させ、その分散液のζ電位から行う。
一つの画素の大きさは100μm×100μmとし、画素の数は200個×200個とした。図2では便宜上、2つの画素(画素8、9)を示す。基板3bは厚みが1.1mmの無アルカリガラスを使い、その表面に厚み100nmでアルミを蒸着して第2電極4bを配置する。第2電極4bの上部には、酸化チタン微粒子を混合させて白色化させたポリウレタン樹脂層を白色散乱層7として配置した。画素の境界部には幅5μm、高さ18μm(図2中の隔壁5と第1電極4aの高さの合計である)の光感光性エポキシ樹脂のSU8(日本マグダーミッド)からなる隔壁5を配置し、さらに図2のように隔壁5の下部の幅5μm、高さ5μmの範囲をTiで蒸着した第1電極4aを配置する。そして、第1電極4aを含む隔壁5ならびに第2電極上にポリアクリレート樹脂(オプトマーSS6699、JSR(株)製)からなる絶縁透明樹脂層6を形成する。その後、隔壁5の上面(基板3aとの接合面)に熱融着性の接着層を形成する。
次に、分散媒として脂肪族炭化水素溶媒であるアイソパー(登録商標)H(エクソン社製)100重量部、ロジンエステルとしてネオトール(登録商標)125H(ハリマ化成(株)製)2.5重量部、スチレンブタジエン共重合体としてアサプレン(登録商標)1205(旭化成(株)製)0.8重量部を24時間混合攪拌後、0.2μmのPTFE製メンブランフィルターを使って加圧濾過した液Aを作成する。
この液Aに、黄色顔料(エローNo12、平均粒径0.3μm)と高分子重合体である紛体ポリメチルメタクリレート(PMMA,平均粒径5μm)をそれぞれ単独で分散させる。それぞれの液のζ電位を測定すると、着色材料であるエローNo12は+25mV、高分子重合体であるPMMAは+30mVである。以上から、有機顔料であるエローNo12を15重量部と、高分子重合体であるポリメチルメタクリレート85重量部からなる重合粒子を作製し、帯電泳動粒子とする。平均粒径は5μmである。
より詳細な帯電泳動粒子の作製方法は以下の通りである。エローNo12(1.5g)、重合開始剤であるAIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)0.1g、メチルメタクリレートモノマー8.5gをビーカーに投入し、混合攪拌して反応液とする。一方、蒸留水120g、リン酸カルシウム5g、ドデシル硫酸ナトリウム0.082gを混合攪拌し、懸濁安定化液とする。次いで反応液と懸濁安定化液をホモミキサーで10000rpm、15分の条件で処理することでモノマー滴の懸濁化を行った後、300mlのセパラブルフラスコに入れ、窒素雰囲気下、80℃、攪拌速度150rpm、7時間の反応時間で懸濁重合を行い、重合終了後の粒子を塩酸(1/10N)で洗浄し、さらに水洗、脱水、乾燥、分級することにより、本発明の帯電泳動粒子を得る。
こうして得られた該帯電泳動粒子を3重量部と液Aを混合し、1時間攪拌して電気泳動表示用分散液を調整する。該分散液を隔壁5内に充填し、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムの基板3aを、隔壁上部の接着層で加熱接着して封止し、本発明の電気泳動表示装置を作製する。
このようにして作製した表示装置に、第1電極4aを0Vの共通電極とし、第2電極4bに電圧±15Vを周波数0.25Hzの矩形波で印加する。
帯電泳動粒子は、電圧印加直後から負極性に帯電して速やかに電極間を泳動し、電極や電極以外の内壁に付着することなく、白黒コントラストの高い表示が確認できる。24時間駆動しつづけても粒子の帯電極性の変化は見られなかった。
なお、図2(a)は第2電極4bに+15Vの電圧が印加された場合であり、正極性の帯電泳動粒子は隔壁5の側面に集まるので、基板3a側から画素8、9を観測すると、散乱層7が視認されて白表示となる。一方、図2(b)は第2電極4bに-15Vの電圧が印加された場合であり、帯電泳動粒子は第2電極4b上に広がるので、基板3a側から画素8、9を観測すると、帯電泳動粒子が視認されて黒表示となる。
実施例1と同様に液Aに、粉砕して平均粒径0.3μmにした、青色の着色材料であるFP1050((株)日本触媒製)と、高分子重合体である紛体ポリメチルメタクリレート(PMMA,平均粒径5μm)をそれぞれ単独で分散させる。それぞれの分散液のζ電位を測定すると、着色材料であるFP1050は+32mV、高分子重合体であるPMMAは+30mVである。以上から、着色材料であるFP1050を15重量部と、高分子重合体であるポリメチルメタクリレート85重量部からなる重合粒子を実施例1と同じく作製し、帯電泳動粒子とする。帯電泳動粒子の平均粒径は4μmである。
こうして得られた該帯電泳動粒子を3重量部と液Aを混合し、1時間攪拌して電気泳動表示用分散液を調整する。該分散液を隔壁5内に充填し、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムの基板3aを、隔壁上部の接着層で加熱接着して封止し、本発明の電気泳動表示装置を作製する。
このようにして作製した表示装置に、第1電極4aを0Vの共通電極とし、第2電極4bに電圧±15Vを周波数0.25Hzの矩形波で印加する。
帯電泳動粒子は、電圧印加直後から負極性に帯電して速やかに電極間を泳動し、電極や電極以外の内壁に付着することなく、白黒コントラストの高い表示が確認できる。24時間駆動しつづけても粒子の帯電極性の変化は見られなかった。
比較例1
実施例1と同様に液Aに、粉砕して平均粒径0.3μmにした、青色の着色材料であるFP1050((株)日本触媒製)と、高分子重合体である紛体ポリスチレン(PS,平均粒径5μm)をそれぞれ単独で分散させる。それぞれの分散液のζ電位を測定すると、着色材料であるFP1050は+32mV、高分子重合体であるPSは−15mVのζ電位である。次に着色材料であるFP1050を15重量部と、高分子重合体であるポリスチレン85重量部からなる重合粒子を実施例1と同じく作製し、帯電泳動粒子とする。帯電泳動粒子の平均粒径は4μmである。
実施例1と同様に液Aに、粉砕して平均粒径0.3μmにした、青色の着色材料であるFP1050((株)日本触媒製)と、高分子重合体である紛体ポリスチレン(PS,平均粒径5μm)をそれぞれ単独で分散させる。それぞれの分散液のζ電位を測定すると、着色材料であるFP1050は+32mV、高分子重合体であるPSは−15mVのζ電位である。次に着色材料であるFP1050を15重量部と、高分子重合体であるポリスチレン85重量部からなる重合粒子を実施例1と同じく作製し、帯電泳動粒子とする。帯電泳動粒子の平均粒径は4μmである。
こうして得られた該帯電泳動粒子を3重量部と液Aを混合し、1時間攪拌して電気泳動表示用分散液を調整する。該分散液を隔壁5内に充填し、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムの基板3aを、隔壁上部の接着層で加熱接着して封止し、本発明の電気泳動表示装置を作製する。
このようにして作製した表示装置に、第1電極4aを0Vの共通電極とし、第2電極4bに電圧±15Vを周波数0.25Hzの矩形波で印加する。
電圧印加直後から、帯電泳動粒子の帯電極性は安定せず、電極間を両極性の粒子が泳動するので、表示の白黒コントラストは低いものである。
1 帯電泳動粒子
2 分散媒
3a、3b 基板
4a 第1電極
4b 第2電極
5 隔壁
6 絶縁層
7 白色散乱層
8 画素
9 画素
10 マイクロカプセル
2 分散媒
3a、3b 基板
4a 第1電極
4b 第2電極
5 隔壁
6 絶縁層
7 白色散乱層
8 画素
9 画素
10 マイクロカプセル
Claims (4)
- 一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された電極と、該基板間に挟持された電気泳動表示装置に使用する、帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有する電気泳動表示用分散液において、該帯電泳動粒子が着色材料と高分子重合体からなる複合粒子であり、かつ該着色材料と該高分子重合体の帯電極性が同一であることを特徴とする電気泳動表示用分散液。
- 前記着色材料が複数個の無機顔料あるいは有機顔料であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示用分散液。
- 請求項1記載の電気泳動表示用分散液を備える電気泳動表示装置。
- 一対の基板と、該基板の少なくとも一方に形成された電極と、該基板間に挟持された電気泳動表示装置に使用する、帯電泳動粒子と該帯電泳動粒子を分散させる分散媒を含有する電気泳動表示用分散液の製造方法において、該帯電泳動粒子を構成する着色材料と高分子重合体の帯電極性を同一にすることを特徴とする電気泳動表示用分散液の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006106464A JP2007279433A (ja) | 2006-04-07 | 2006-04-07 | 電気泳動表示用分散液、電気泳動表示装置ならびに電気泳動表示用分散液の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2006106464A Withdrawn JP2007279433A (ja) | 2006-04-07 | 2006-04-07 | 電気泳動表示用分散液、電気泳動表示装置ならびに電気泳動表示用分散液の製造方法 |
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2006
- 2006-04-07 JP JP2006106464A patent/JP2007279433A/ja not_active Withdrawn
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