JP2007279059A - 臨床検査精度管理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】臨床検査における精度管理システムは、1)精度保証システムへの参加施設に内部精度管理用の管理ソフトを提供すること、2)施設は指定の精度管理試料を日常の検査のなかで測定し、精度管理を実施すること、3)各施設で得られたこの測定値をシステムより全国的に広域情報伝達ツールを利用して一定間隔でデータ解析部門に収集すること、4)これら複数施設からの測定値について、データ解析部門で全体集計及び分類別の集計を行い精度保証に関する必要な統計量を施設内変動と施設間変動にまとめること、及び5)上記システム参加施設へ広域情報伝達ツールを利用してデータ解析部門からデータを提供することを含む、臨床検査用精度管理試料を用いた日常測定値の正確度(精度)の保証システムである。
【選択図】図1
Description
本発明は、各施設における分析機器で精度管理試料を測定して得られた測定データを、広域情報伝達ツールを介してサーバーに収集し、収集した測定データのエラーチェックを行い、このサーバーにおいて収集した測定データからエラーチェックで異常と判断された測定データを除外した結果の測定データの全体集計および分類別集計を行って精度管理に関する統計量として測定データの平均値および標準偏差を求め、各施設に送信する制度管理方法に関するものである。
契約施設に提供される内部精度管理用ソフトは例えばWindows(登録商標)95/98以降のOS下で動作する。データ解析部門では、データ収集および配信用のサーバ(QAP*登録商標サーバー)には例えばWindows(登録商標)NTを用意する。データ解析及び結果出力用には、汎用の基幹システムを配置し、サーバー間にファイアーウォールを設置し、システムの保護対策とする。施設情報と施設の管理データは、施設コードでのリンクとし、施設情報の漏洩に配慮されたものであることが好ましい。
(2)インターネットによるデータの収集と配信
リアルタイムな評価性を高めるため、週単位評価(1週間単位の評価を基本とした即時性をもつ。)、月単位評価(グラフィックな報告を主体とする。)、年単位評価(経年での成績の改善を評価)を行えるように構築した。本システムでは、原理的に日単位の集計も可能であるので通信に関わるコストの低減によっては変更可能である。
参加施設からのデータ転送には、内部精度管理用ソフト「MCP−QC」にFTPソフト(ファイル転送用のソフト)が組み込まれたインターネット環境があれば自動的にデータ解析部門に接続でき、同転送ソフトにより参加施設から日常の精度管理データを送信できる。
データ転送は、随時、データ解析部門での受け付けが可能であり、そして週単位の集計を行い、参加施設に対して、翌月曜日に各施設の個別データと全体集計からなる速報レポートを固定長のテキスト形式としてeMailにて返信する。
(3)月間集計結果
月間集計結果は、インターネット以外の参加施設も含めて行う。月間の集計値は、参加施設の要望により2種類のデータ提供方法より選択できる。2種類の提供形式とは、帳票レポート形式とCD−ROM媒体による提供である。帳票レポート形式では、例えば10種類以上の帳票があり、毎月提供される帳票と指定月に提供される帳票に分けられている。CD−ROM媒体形式では、例えば3種類のデータベース(QAP集計データ、施設データ及びQAPコードマスター)を収録した。これらは、固定長でCSVのテキスト形式である。観察を目的に閲覧ソフト「QAP−Viewer」をCD−ROMに収録した。表計算ソフト(Excel等)を用い参加施設自身での解析が可能である。QAPホームページを設け、全国の集計値はこのホームページにて掲載される。この集計値は、週単位で更新される。汎用のブラウザーソフトを利用してデータを閲覧、ダウンロードし、管理もできる。
(4)施設の観察
本システムでは、閲覧ソフト「QAP−Viewer」によって、施設の観察を可能とする。これにより、施設コード等の初回の最小限の環境設定で画面照会を行え、全国集計値に対する施設データを5種類の管理用グラフにて確認できる。全国集計値には、各種測定条件の組み合わせ集計が用意され、測定条件には、測定方法、分析機器、較正方法を用意しこれら2種類の組合せで集計を行いデータベース化しているので抽出条件を設定するなどの複雑さが必要ない。同一施設で複数台で参加もしくはグループで参加の場合、複数施設の施設コードをも登録できる。
(5)コード体系
本システムでは、諸団体実施のコントロールサーベイとコード体系の標準化を行った。検査項目コードは日本臨床病理学会の検査項目コードを採用し、分析機器コードは日本分析機械会の分析機器コードを採用し、方法コードは日本医師会精度管理調査のコードに準拠し、較正コードは学会認証の標準物質の使用可否や測定諸条件を改訂・利用し、及び施設番号は都道府県の識別と検査室の複数の分析条件に対応するため条件コードを用意した。
(6)グループ集計
本システムは、グループ集計に対応しており、全国集計以外に大規模から小規模のサーベイ解析も対応できる。各学術団体主催のサーベイに対応でき、例えば日医サーベイ、日臨技サーベイ、日衛協サーベイなどの大規模都道府県単位の地域サーベイ(各都道府県医師会、技師会、衛生局)、関連病院グループ(医師会、国立療養所、全社連、労災、臨床検査センター)、小規模グループの集計(研究班など)等である。
集計期間は毎月の継続的サーベイからワンショットサーベイまで対応でき、グループ単位の集計結果はグループのリーダー施設へEmail転送でき、毎月配布のCD−ROM媒体には全国値と共に格納される。参加施設はグループ単位での位置確認から全国値からの位置確認が容易に可能である。各メーカーのサーベイの代行も可能である、たとえば分析機器・検査薬メーカー等である。
(7)内部精度管理の充実
内部精度管理の充実を目的に精度管理用ソフトが用意された。参加施設には精度管理用ソフト「MCP−QC」を提供し、複数の精度管理手法の効率的利用を目的にオーバーチェック表を用意した。日常精度管理データを利用した「精密さ評価法」が行える。臨床化学における定量検査の精密さ・正確さ評価法指針(改訂版)(GC−JAMT−1999)。かくして、日常において、精度管理ソフト「MCP−QC」を利用して日常精度管理のみならず、日内変動・日間変動を精密さ評価法により確認できる。
(8)正確さの確認
本システムでは、定量検査の正確さの確認のため、定量検査の精密さ・正確さ評価用ソフト「MCP−STAT」を利用できる。これにより、定量の正確さ評価指針での3種類以上の標準血清試料を利用し、正確さを直線回帰分析により確認できる。
(9)一元配置分散分析法を利用した基礎統計値を提供
(1)カテゴリー
本発明の精度保証システムのカテゴリーは、生化学検査、免疫血清検査、血液凝固検査、グリコヘモグロビン検査を対象にし、臨床検査関連分野及び研究用試薬領域等を対象とする。
(2)参加・登録
参加登録の登録内容は、施設情報(施設番号、施設名、部署、担当者、TEL、FAX、E−MAIL、経営主体、ベッド数)、登録項目の基準範囲、カットオフ値等が登録され、登録方法は施設番号及びパスワードを発行後、eQAP専用のサーバーに登録する。
(3)参加準備
参加に際しては、参加項目測定条件の選定を行い、施設コードとパスワードの確認、インターネット接続環境の確認を行い、内部精度管理ソフト「MCP−QC」のセットアップをする。MCP−QCに参加項目の測定条件、管理図の基準値等の登録をなし、1週間あるいは1ヶ月単位の管理データをデータ解析部門へ転送する。
(4)データの動き
施設側は、データチェックとして日常精度管理を実施し管理値は「MCP−QC」に保管する。データ発送は、日、週単位のインターネット送信、1ヶ月単位で専用の報告用紙による郵送、FAX等で行う。
データ解析部門側は、データチェックとして、施設・測定・報告値のエラーチェックを行う。施設の過去累積平均値±t×標準偏差(t=4)にて極端値は除外し、全体集計より測定方法別集計の下位−t×標準偏差と上位+t×標準偏差(t=3)より極端値の除外処理を行う。集計処理は、測定方法、分析機器を分類して、施設内と施設間変動値を集計する。そして参加施設毎の集計結果と全体集計結果を作成する。月間集計結果は、帳票形式とテキストデータを用意する。
得られた結果の返送は、eMail(週単位の集計結果をeMail登録の参加施設に返送する。但し通信コスト等の低減により日毎集計にも対応できる)、CD−ROM(集計データは閲覧ソフト「QAP Viewer」同函する)、帳票形式(仕分け発送)、QAPホームページ(参加施設QAPサーバー)により行われる。
次いで、施設側は、レポートの検討を行う。例えば、E−Mailでの週単位の集計結果にて直ちに精度を全国値と比較でき、月単位の集計結果では帳票レポートにて参加施設の位置を確認でき、配布データと閲覧ソフト「QAP Viewer」を利用し全国値と施設値を5種類の管理図により視覚的に確認でき、帳票では用意されない詳細な集計結果より多方面から解析できる。
このソフトにより、日常の精度管理の充実を図るとともにデータ解析部門との連携を強化する。システムの動作環境はNEC PC−9821シリーズ、またはPC/AT互換機で下記OSが動作する機種。MicroSoft Access97が正常に動作する環境。インターネットでデータを送信する場合は、モデム、TA、またはLAN経由でインターネットに接続可能な環境が必要である。CPU:Intel Pentium(登録商標)100以上必須、メモリー:32MB必須、64MB以上を推奨、ハードディスク:200MB以上の空き容量が必要、ディスプレイ:Windows(登録商標)対応ディスプレイ、画面は600×800ドット256色以上必要等である。OS:WINDOWS(登録商標)95/98、その他:CD−ROMドライブ必須(インストール時に使用)等である。
本ソフトの特徴は、日内・日間・月間の10種類の管理図とオーバーチェック表を用意したこと。管理図の基準値を施設内や外部調査等の設定値より選択できること。精度管理データをデータ解析部門へインターネットを利用して送信可能できること。精密さ評価法を取り入れたこと等である。
プログラム内容は、日内精度管理業務には2方式のデータ入力(日内データ入力、マット入力)、QCコンバーター(QCテキストデータをMCP−QCで利用できる。)、X−Rs管理図、マルチルール(1−3s,2−2s,R−4s,10−XB)、PLUS−MINUS管理図、精密さ評価等である。日間精度管理業務には、日間データ入力(統計値入力、日内データより計算できる。)、Xb−Rs−R管理図、マルチルール(1−3s,2−2s,R−4s,10−XB)、Youden Plot管理図(評価基準±2SD、相関楕円、マハラノビス汎距離)、TREND管理図(Accuracy trend,Precision trend,Decision Limit Cusum)、オーバーチェック表(項目別、日付別)等である。月間精度管理業務には、月間データ入力、Xbar−S管理図、SDA/SDP TWINPLOT等の機能をもつ。データ解析部門通信プログラムには月間QAP管理図機能をもつ。
システムの動作環境は、NEC PC−9821シリーズ、または PC/AT互換機で下記OSが動作する機種。CPU:Intel Pentium(登録商標)100以上必須、メモリー:32MB必須、64MB以上を推奨、ハードディスク:20MB以上の空き容量が必要、ディスプレイ:Windows(登録商標)対応ディスプレイ、画面は600×800ドット、256色以上必要。OS:WINDOWS(登録商標)95/98、その他:CD−ROMドライブ必須等である。
特徴はデータ解析部門配布のCD−ROMに収録のQAP集計データと施設データより簡単にグラフを作成できること、全体とグループの位置より該当施設の位置を確認できること、報告をペーパーでされた施設でMCP−QCを用いなくとも全体より自施設の位置を把握できること等である。
プログラム内容は、SDA/SDP TWIN PLOT(SDAとSDPをプロットしすべての項目の位置を確認できる)、QAP管理図(全体、グループと各施設の・位置を観察できる)、TWIN PLOT(グループを±2SDの枠で囲み、自施設を表す)、技術・要因チャート(各施設の良好・要注意・不良、系統誤差、ランダム誤差の区分)、QAP MATRIX(該当検査項目を一覧表示し自施設の位置を全体で観察できる)、オプション(ロット変更、測定条件、複数施設の要録)等の機能を備える。
QAPホームページには、QAPサーバーに解析グラフを用意し、施設データをホームページに貼り付けるだけで全国値と対比でき、QAPNewsの掲示板がなされ、検索項目入力より必要文献の検索を可能とし、QAP記念講演会の要旨等が掲示される。
A.基礎データの計算方法
次の計算式によりデータ処理される。
MEAN:平均値
n個のデータをX1 X2 X3 ・・・・・Xi・・・・・Xnとすると
平均値のまわりにおける分布の散らばり度合いで次の式で与えられる。
(偏差をaとの比で検討するための計算値)
各検査室のデータは下表1のようにまとめることができ、次の計算法によりデータ処理する。
このレポートは各施設のデータ記入用紙に記入されたデータに対しロット番号が有効か、年月が有効か、施設コードが登録されているか、項目コードなど一連のコードにミスがないかなどのチェックを行うものである。方法コードにないコードを記入されたり、プログラムで異常と判定されたデータは計算から除外し、次の例のようなメッセージを表示し、FLAGの欄に*ERRを出力して計算から除外されたことを示す。表2にその一覧を示す。
このレポート(表3)では、eQAP50のチェックを通過したデータが統計計算され、MEAN、SD、Nのそれぞれが日毎、週毎または月毎に項目別、LEVEL別に出力される。以後の各施設のデータ処理の基礎となる数字である。なお、このレポートは毎週金曜日の夕方までにインターネットで送信された施設に対し、翌週の月曜日までにeメールで返信可能である。
このレポート(表4)は、eQAP70で計算されたMEAN、SD、Nの他にCV、SDI、SDP、SDAのそれぞれを項目別、LEVEL別、月別に出力したものである。出力は左側より当月分、1ヶ月前、2ヶ月前の順に11ヶ月前まで、すなわち12ヶ月分が1行に出力され右端に開始月より当月迄の累計が出力される。なお、各月のデータの上に年月が出力され、何月分のデータであるかが見分け易くなっている。
又、累計データが何月から何月迄のデータかを分かり易くする為に開始月と最終月が出力される。
1) SDIは各月のMEANが累計のMEANに比べてどのくらい離れているかを、累計のSDを基準にして表したもので、計算式は(当月のMEAN―累計のMEAN)/(累計のSD)である。
2) SDPは自施設のSDと項目別INTRA−LABの累計のSDを比較したもので、1より小さければ平均値より小さいことを示す。計算式は(自施設のSD)/(項目別INTRA−LABの累計のSD)である。
3) SDAは自施設のMEANが項目別累計のMEANからどのくらい離れているかを項目別INTER−LABの累計のSDを基準にして表したものである。計算式は(自施設のMEAN−項目別累計のMEAN)/(項目別INTER−LABの累計のSD)である。
このレポート(表5)では 自施設の当月と累計のMEAN、SD、CVと全施設の累計のMEAN、SD、施設数及び自施設のSDI、SDA、SDP、SCOREおよびJUDGEがそれぞれ項目別、LEVEL別に出力される。SCOREはSDAが±1.00未満の場合は5点、±1.00以上±2.00未満の場合は3点、±2.00以上±3.00未満の場合は1点、±3.00を超える場合は0点となる。また、JUDGEはレベル1とレベル2のSDAを散布図に描いたとき、下表のようにプロットされる場所により右下のように判定される。なお、このレポートは毎週金曜日夕方までにインターネットで送信された施設に対し、翌週月曜日までにeメールで返信される。
このレポート(表6)はINTER−LAB REPORTと呼ばれ、eQAP210で出力されたものを項目別、方法別、機器別に並べかえたものである。そして機器毎、方法毎及び項目毎にMEAN、SD、CV、DAYSが計算され、各分類毎に3種類の計算値が出力される。
3種類の計算値とはGROUP TOTAL、INTRA−LAB、およびINTER−LABで、MEAN、DAYSは共通であるため、MEANはGROUP TOTALのみに、DAYSはINTER−LABの行のみに出力される。
INTRA−LABのSDはそのグループに含まれる各施設の平均的なSDであり、CVも同様に各施設の平均的なCVを表す。したがって個々の検査室のバラツキと他の検査室の平均的バラツキ具合を比較することができる。
INTER−LABのSDは各施設のMEANのバラツキ度合いを示しており、これは自施設のMEANがそのグループのMEAN±2SDの範囲にあるかどうかをチェックする為のものである。
ALL METHODS ALL LABSのGROUP TOTALとは全検査室、全データからの計算値である。FLGの項に「X」のつくのはLEVELI又はLEVELIIのMEANが、ALL METHODS ALL LABSのMEAN±3SDの範囲外にある為で、平均値を動かすのを防ぐ為に計算から除外した事を示す。データは方法毎、機器毎にまとめられ、コード番号の若い順に打ち出される。
このレポートは新ロット供給開始後7カ月以内に1ロットに付き1回発行される。
このレポート(表7)はINTER−LAB SUMMARY REPORTと呼ばれ、eQAP220で出力されたものから項目別、方法別、機器別、較正別に集計した累計結果を抽出したものである。そして全体、方法別、機器毎、較正別のMEAN、SD、CV、INTRA SD、INTRA CV、INTER SD、INTER CVおよび施設数が出力される。なお、各分類の最小集計数は5施設以上に限定しているが、方法別では上位10方法、機器別では上位20機種、較正別は上位8方法まで掲載している。このレポートは、小冊子により隔月発行となっている。最新データは毎週更新され、ホームページよりリンクされたQAPホームページよりテキストデータとして閲覧もしくはダウンロードすることができる。
eQAPによって得られたデータに施設間差があったとしても、各施設で、その施設にふさわしい基準範囲を採用していれば、患者の診断には支障がない。つまり、ある複数の病院間で同一試料の測定値が違っていても、クリニカル・レベルが同じであるならば、同一診断が下されるということである。
クリニカル・レベルとは基準上限値で試料の測定値を割った値のことをいう。これをヒストグラムにし、施設別にその位置を明確にすることにより、各施設の単位の変更とか基準範囲の見直しを促すものである。このプログラムでは、レベルIとレベルIIが並んで打ち出されるから、低値と高値の傾向を基準上限値の比として把握するのに適している。ただし、このプログラムは各施設の基準上限値とQAPデータの累計値より計算されるので、基準範囲登録のない施設にはレポートの提供はできない。このヒストグラムはデータサービス開始時点の平均±2SDで作成し、これを外れるデータは最小級と最大級にまとめて出力される。なお、この級幅はある時点で固定致しますからクリニカル・レベルの変化は*印の移動になって表れる。表8。
表9は、各施設の累計の平均値をプロントしたもので、横軸にLEVEL I、横軸にLEVEL IIを取る。自施設のデータを箱囲み数字印、自施設と同じ方法のデータを星印☆とし、他方法の打ち出しはしていない。他方法のデータについてはその中心値のみ英字で打出した。
このレポートは、自施設と同じ方法のデータ分布の中で自施設データの位置及び中心値からのずれを施設間SPを基準にして判断できる。
3SDを越すデータは越えたデータに関係なく3SDラインの外側に打出される。自施設と同じ方法の分布中心点は他方法の中心点と同じ様に英字で打出される。なお、このレポートは各施設の累計データが使用される。この散布図は、上位9番目までの方法に限定している。
この散布図(表10)は、横軸に測定値及び相対偏差をとり、縦軸に施設内CVをとったもので、散布図を囲む4辺は各々次の目盛りを付けてある。即ち、全方法の平均aを上辺の↓矢印、±2SDを括弧( )で示し、自施設と同方法の平均aを下辺の↑矢印、±2SDを括弧( )で示した。また、自施設と同方法のCV平均値を左辺の→矢印で示し、全方法のCVの平均値を右辺の←矢印で示した。自施設データの位置は、数字c印で打出され、自施設と同方法のデータの位置は☆で、他方法のデータの位置は×印で打出される。
この図から自施設データの施設内CVの相対的大きさ及び自施設データの平均値が同一方法全データの平均値からどれくらい離れているかを、測定単位として、また相対的な割合として把握可能である。
相対偏差の計算は、各施設の測定値の平均から同方法全測定値の平均を引き、その差を同方法全測定値の平均で割った商で、
(ai − b) ÷ b
ai:各施設の測定値の平均値
b:同じ方法の全測定値の平均値
で計算される。これは同方法の平均値から自施設の平均値がどの程度離れているかを割合で表した。同様に方法別相対偏差値も、各方法の平均値が全体の平均値からどれくらい離れているかの割合で示した。
1)SDA ツインプロット
このグラフ(表11左)は1枚のグラフに全項目の自施設の測定値(累計の平均値)の位置をプロットするものである。グラフの目盛は各項目の累計のINTER LABの1SDに相当する。そしてLEVELI、II共にMEAN〜MEAN+1SDのデータは中心の右上の白い部分にその項目に相当する文字が印字される。
このデータはeQAP210において、累計のSDAが0〜1の場合に相当する。そしてLEVELIのSDAが(+)ならば中心より右側に、LEVELIIのSDAが(+)ならば中心より上の方にプロットされる。ただし、このプロットの位置は正確なものでなく、SDAが0〜1であれば中央の白い部分に印字されるが、印字位置は左上から右下に順に打出される。つまり、中央の白い部分に印字されていればALL METHODS ALL LABSのINTER LABのMEAN±1SD以内に入っていることになるし、その次のやや黒い部分に入っていればMEAN±2SD以内に入っていることを表す。
2)SDP ツインプロット
このグラフ(表11右上)は、eQAP210のSDPの累計をグラフにしたもので、このグラフの1目盛はALL METHODS ALL LABSのINTRA LABの1SDに相当する。グラフのプロットはSDAと同様、LEVELIが大きくなれば右方に、LEVELIIが大きくなれば上方にプロットされる。印字の仕方はSDAと同様である。
3)PERFORMANCE
SDAツインプロットのグラフにおいて1SDA以内のデータを5点、2SDA以内のデータを4点、3SDA以内のものを2点として点数を合計するものである(表11右下)。全部が5点であれば100%になりるが、4点以下が増えるにしたがって%が下がりる。この点数自身には特に意味は無いが、5点が多いほど、つまり100%に近いほど全体の平均値に近いデータを出していることになる。
この入力フォーム(表12)は、施設から提出されたデータの方法、分類、機器、標準、温度、試薬メーカーなどのコードを印刷したものである。1ヶ月間の平均値、SD、測定日数を記入するだけで、報告レポートが作成できる。
下記表13はQAP−Viewerのメインメニューである。各作業のダイアログボタンをクリックすることで作業可能である。
横軸をQAPトロール1X、縦軸をQAPトロール2Xとし、全体の平均値を基準としてSD単位で区切られた2種類の管理図のなかにデータを項目名でプロット表示した(表14)。SDA管理図は、施設の当月平均値と全体の平均値の差を全施設の平均値のばらつきINTER−LAB SDで割った値をプロットしたもので、正確性(Accuracy)を見るための管理図である。±1SD以内は青○、1SD〜2SDは紫△、2SD以上は赤×で表示した。SDP管理図は、施設の当月のSD値を全施設内の平均的なばらつきの指標であるINTRA−LAB SDで割った値をプロットしたもので、精密性(Precision)を見るための管理図である。±1倍以内は○で、1倍〜2倍は△、2倍以上は×で表示した。
表15は、施設の当月平均値が全国集計値と比較してどの位置にあるかをレベル別に確認できる。全体平均値を中心にして±3SDを外枠に描き、±1SD毎に点線を描いた。キーコードで分類した自施設と同じグループの平均値±2SD枠を内側に四角形で描く。施設のデータをその中に●でプロットする。右側の表は自施設の測定値、キーコードで分類した自施設と同じグループの平均値、SDおよび施設数、全体の平均値、SDおよび施設数である。
横軸をQAPトロール*1X、縦軸をQAPトロール2Xとした散布図のなかで、施設のデータを●でプロットする。全体平均値を中心にして±3SDを外枠に描いた。キーコードで分類した各要素の平均値±2SDの枠をカラー線(図中複数の枠は各色が異なる)で描く。
全体の平均値を中心として1SD単位で区切られた基盤のなかに施設のデータを項目名でプロット表示する(表17)。技術評価チャートでは、プロットされた位置より良好、要検討、不良・原因追求の区分を行う。因分析チャートでは更に異常が発生した場合の位置によってその項目が系統的誤差(Systematic Error:SEと略す)または、ランダム誤差(Random Error:REと略す)または、片側誤差(One−sideError:OEと略す)かを判断し、誤差要因の原因を追求し易くした。
全体の平均値を中心にして±3SDを外枠にし、±1SDを点線で区切った基盤の中に、キーコードで分類した自施設と同じグループの平均値±2SD枠を太黒線で描いた(表18)。自施設のデータは、全体の平均値から2試料ともに±1SD以内の場合は青●でプロットし、1試料でも±1SDを超えた場合は赤●でプロットされる。図中ZTT、CK、AMYの場合が赤●で他は青●である。
管理試料のロット番号を指定または変更がおこなえ、集計の分類キーコードの選択を行える。キーコードを一覧より選択する。同一施設複数台で利用もしくはグループ施設で利用の場合は、「他施設プロット」を「する」にマークし、他施設コードリストで他施設の施設コードを入力し、追加・更新する。複数の施設コードの登録が行える。QAP管理図、TWIN PLOT、QAP MATRIXに複数台または複数施設データを同時にプロットしたい場合に使用する。ここで登録した施設コードは(○)でプロットされる。
全国平均値とは別に、グループ施設の集計値を基に各種の管理図を閲覧する場合は、以下の手順となる。なお、グループ集計を希望する場合は、予め申し込みおこなう。(1)「施設データファイル」の選択は通常と同じ手順で行う。(2)「集計データファイル」の選択は、「変更」ボタンを押して、CD−ROM内の「QAPView」フォルダーをダブルクリックし、次にその中にある「datafile」フォルダーをダブルクリックし、さらにその中にある「グループファイル」フォルダーをダブルクリックして、****230X.eqc(グループ施設データファイル)を選択し、「開く」をクリックして行う。****はグループ毎にファイル名が異なる。(3)「他施設プロット」を「する」にマークし、他施設コードリストで他施設の施設コードを入力し、追加・更新する。QAP管理図、TWIN PLOT、QAP MATRIXに複数施設データを同時にプロットできる。ここで登録した施設コードは(○)でプロットされる。
Claims (10)
- 各施設における分析機器で精度管理試料を測定して得られた測定データを、広域情報伝達ツールを介して受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された測定データの全体集計および分類別集計を行って精度管理に関する統計量として測定データの平均値、標準偏差および全データ数を、日毎、週毎または月毎に項目別に求める統計量取得手段と、
前記統計量取得手段によって求められた平均値、標準偏差および全データ数を各施設に送信する送信手段と、
を備える精度管理装置。 - 前記広域情報伝達ツールが、インターネットである請求項1記載の精度管理装置。
- 前記送信手段は、前記平均値、標準偏差および全データ数をeMailで各施設に送信する請求項1又は2に記載の精度管理装置。
- 前記統計量取得手段は、収集した測定データのうち極端値を示す測定データを除外して測定データの集計を行う請求項1〜3の何れか1項に記載の精度管理装置。
- 前記平均値および標準偏差が、施設内平均値および施設内標準偏差である請求項1〜4の何れか1項に記載の精度管理装置。
- 前記平均値および標準偏差が、施設間平均値および施設間標準偏差である請求項1〜4の何れか1項に記載の精度管理装置。
- 測定データの管理図を作成する管理図作成手段をさらに備える請求項1〜6の何れか1項に記載の精度管理装置。
- 前記管理図が測定データの散布図である請求項7記載の精度管理装置。
- 前記管理図が、各施設における平均値と、全体平均値±nSD(SDは標準偏差を表し、nは1、2または3の整数を表す。)との関係を表す管理図である請求項7記載の精度管理装置。
- 各施設における分析機器で精度管理試料を測定して得られた測定データを、広域情報伝達ツールを介してサーバーに収集し、
収集した測定データの全体集計および分類別集計を行って精度管理に関する統計量として測定データの平均値、標準偏差および全データ数を、日毎、週毎または月毎に項目別に求め、
求められた平均値、標準偏差および全データ数を各施設に送信する精度管理方法。
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