JP2007276692A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒排気臭を効率的且つ効果的に低減する。
【解決手段】車両10において、ECU100は、シフトアップ制御処理を実行する。シフトアップ制御処理では、ECT400のシフトアップ特性を規定する変速点sftpntが適宜補正される。より具体的には、床下触媒たる三元触媒222における温度及び空燃比に基づいて定義される触媒排気臭条件が満たされ且つベース変速点sftpntbがA/C500の負荷に応じて設定される下限ガード値sftpntgd未満である場合に、変速点sftpntが、係る下限ガード値sftpntgd以上となるように補正される。この結果、シフトアップ時の機関回転数Neの一時的な低下によって機関回転数NeがF/C可能回転数Nefcを下回る事態が防止され、触媒排気臭が発生し易い状況において確実にF/C制御を実行せしめることが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばエアコン等の補機及び触媒装置を備えた車両を制御する車両の制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、減速時にフューエルカットを行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された車両用駆動制御装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、エアコンのオンオフに応じて自動変速機の変速マップを変更するため、エアコン負荷によってフューエルカット回転数が上昇しても確実にフューエルカットを行うことができるとされている。
特開2003−322249号公報
車両の減速時に触媒装置内がリッチ雰囲気である場合には、排気臭が発生し易いため確実にフューエルカットを行う必要がある。従来の技術によれば、単にエアコンのオンオフに応じて変速マップを切り替えるため、場合によっては排気臭に係る要請にも応え得るが、排気臭の発生の有無によらず変速マップが頻繁に切り替わることになり非効率である。また、エアコンの負荷が連続的に変化し得る場合には、単にエアコンのオンオフに応じて変速マップを切り替えるだけでは実践上甚だ不十分である。即ち、従来の技術には、触媒装置における排気臭(以下、適宜「触媒排気臭」と称する)を効率的且つ効果的に低減することが困難であるという技術的な問題点がある。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、触媒排気臭を効率的且つ効果的に低減し得る車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の制御装置は、燃料を供給する供給手段、開度に応じて燃焼室に吸入される空気の量を変化させることが可能なスロットルバルブ、及び排気系に設置され前記燃焼室を介した排気を浄化するための触媒装置を備えた内燃機関、該内燃機関の動力を車輪に伝達するための伝達経路に複数の摩擦係合装置を含んで配設され、該複数の摩擦係合装置相互間の係合状態に応じて複数の変速比を得ることが可能な変速機並びに前記内燃機関の動力によって駆動される補機を備えた車両を制御する車両の制御装置であって、前記車両の減速期間において、前記内燃機関の機関回転数が、前記補機に係る前記内燃機関の負荷に応じて変化する所定のフューエルカット可能回転数以上である場合に、前記燃料の供給が停止されるように前記供給手段を制御する供給制御手段と、前記スロットルバルブの開度を特定する開度特定手段と、前記変速比を現時点における変速比よりも小さい変速比へ切り替える際の変速点を、前記特定された開度に基づいて前記車両の速度に対応する値として設定する変速点設定手段と、前記設定された変速点において前記変速比が前記現時点における変速比よりも小さい変速比に切り替わるように前記変速機を制御する変速制御手段と、前記触媒装置において排気臭に対応するものとして規定された所定種類の指標値を特定する指標値特定手段と、前記特定された指標値が所定の条件を満たす期間の少なくとも一部において、前記補機に係る前記内燃機関の負荷に応じて前記設定された変速点を補正する変速点補正手段とを具備し、前記変速制御手段は、前記変速点が補正された場合に前記補正された変速点において前記変速比が切り替わるように前記変速機を制御することを特徴とする。
本発明に係る車両に備わる「内燃機関」とは、例えば複数の気筒を有し、ガソリン等の燃料を例えば吸気管又は吸気ポート等の吸気系に或いは直接気筒内の燃焼室に噴射することが可能に構成された例えば電子制御式インジェクタ等の形態を採り得る供給手段を備え、係る燃料の燃焼に伴う爆発力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等を適宜介して動力とし取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念であり、例えば2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。また、本発明に係る内燃機関には更に、排気ポートや排気マニホールドに連通する排気通路等の排気系に、排気を浄化するための設置された、三元触媒等の触媒装置を備える。
内燃機関の動力を車輪に伝達するための、例えばトルクコンバータ等を含む動力伝達経路には、例えば複数のクラッチ要素、複数のブレーキ要素及び複数のワンウェイクラッチ要素等を適宜含む複数の摩擦係合装置を含み、これら複数の摩擦係合装置相互間の係合状態に応じて複数の変速比を得ることが可能な、例えば電子制御式オートマチックトランスミッション等の変速機が配設される。
更に係る車両には、内燃機関の動力によって駆動される、例えばコンプレッサ等を含むエアコンディショナ(以下、適宜「エアコン」と称する)又はオルタネータ等の補機が備わる。
本発明に係る車両の制御装置によれば、その動作時には、例えば車速センサやブレーキペダルセンサ等各種センサの出力等に基づいて規定される車両の減速期間において、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される供給制御手段により、内燃機関の機関回転数が補機に係る内燃機関の負荷(以下、適宜「補機に係る負荷」と称する)に応じて変化するフューエルカット可能回転数(以下、適宜「F/C可能回転数」と称する)以上である場合に燃料の供給が停止されるように供給手段が制御される。尚、これ以降、供給制御手段によるこのような制御を適宜「F/C制御」と称することとする。
ここで、「F/C可能回転数」とは、例えば、F/C制御から復帰(燃料の供給を再開)すべき回転数(以下、適宜「復帰回転数」と称する)が補機に係る負荷に応じて例えばマップ等の形態で与えられる或いは所定のアルゴリズムに基づいて算出される場合等に、係る復帰回転数に対し一定又は不定の差分を上乗せして得られる或いは一定又は不定の割合増加させて得られる所謂カット回転数であってもよく、補機に係る負荷に応じて変化し且つF/C制御を実行し得る機関回転数を包括する概念である。また、車両がロックアップクラッチを含むトルクコンバータを備え、減速期間において係るロックアップクラッチの係合状態を所定のスリップ状態にフィードバック制御してF/C制御が行われる期間(以下、適宜「F/C期間」と称する)を延長せしめるべく所謂フレックスロックアップ制御が行われる場合には、係るフレックスロックアップ制御を伴ってF/C制御を実行することが可能である期間であってもよい。
一方、本発明に係る車両の制御装置によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される変速点設定手段により、変速比を現時点における変速比よりも小さい変速比へ切り替える(即ち、高車速側へ変速比を切り替える)際の変速点が、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される開度特定手段により特定されるスロットルバルブの開度(以下、適宜「スロットル開度」と称する)に基づいて、例えば予め設定されたマップを参照する等して、車速そのもの又は変速機の出力回転軸の回転数等、車速に対応する値として設定される。更に、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される変速制御手段により、係る設定された変速点において変速比が現時点における変速比よりも小さい変速比に切り替わるように変速機が制御される。
尚、本発明に係る「特定」とは、例えば物理的、電気的、機械的、機構的又は化学的な検出手段によって直接的又は間接的に検出することの他に、これら直接的又は間接的に検出された値に基づいて、予め設定されたアルゴリズムや算出式に従って導出又は算出すること等を含み、更には、これら検出された又は導出若しくは算出された値或いはこのような値に対応する電気信号等を単に取得すること等を含む広い概念である。
ここで特に、触媒装置の状態によっては、車両の減速期間においてF/C制御がなされない場合に触媒排気臭が発生することがある。触媒装置がこのような状態である場合には、確実にF/C制御が実行される必要がある。
一方、変速比が高車速側に切り替えられる(以下、このような制御を適宜「シフトアップ制御」と称する)際、内燃機関の機関回転数は一時的に低下する。他方でF/C可能回転数は補機に係る負荷に応じて可変であるから、変速点が固定である場合には、シフトアップの際に機関回転数が一時的にF/C可能回転数未満に低下することがある。従って、このようなタイミングで車両が減速を開始すると、F/C制御が実行されずに触媒排気臭を抑制することが困難となりかねない。そこで、本発明に係る車両の制御装置では、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される変速点補正手段の作用によって係る問題を解決せしめている。
即ち、変速点補正手段は、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される指標値特定手段により特定される、触媒装置における所定種類の指標値が、所定の条件を満たす期間の少なくとも一部において、例えば、補機から直接内燃機関のトルクとして要求される、又は補機に係る制御電流値若しくは制御電圧値等の制御量から所定のアルゴリズムや算出式に従って導出若しくは算出される或いは現時点の外気温や冷却水温等内燃機関の動作条件や環境条件等から推定される補機に係る負荷に応じて、例えば負荷が大きい程高車速側に、前述した変速点を補正する。前述した変速制御手段は、変速点が補正された場合に、係る補正された変速点において変速比が切り替わるように変速機を制御する。
ここで、触媒装置における「指標値」とは、例えば触媒装置内の空燃比や触媒装置の温度等、触媒排気臭に対応するものとして規定された値を包括する概念である。係る指標値に基づいて規定される上述した条件とは、何らこのような条件判断をなさない場合と較べて減速期間におけるF/C制御の必要性を幾らかなりとも規定し得る条件であり、例えば予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて減速期間においてF/C制御がなされない場合に触媒排気臭が発生し易い条件として定められていてもよい。即ち、係る指標値が所定の条件を満たす期間とは、少なくともこのような条件を満たさない期間と較べて減速期間におけるF/C制御が必要とされる期間である。
従って、このような期間の少なくとも一部において上述したように変速点が補正されることにより、補機に係る負荷の増減によって生じ得る、必要とされるF/C制御の機会損失が解消或いは低減され、何らこのような制御がなされない場合と比較して、明らかに触媒排気臭を低減させることが可能となる。また、変速点が補機に係る負荷に応じて可変に補正されることにより、例えば補正の必要が生じない場合の、即ち通常の変速点において得られる車両の性能を大きく変化させることなく確実にF/C制御を実行せしめることも可能である。即ち、本発明に係る車両の制御装置によれば、触媒排気臭を効率的且つ効果的に低減することが可能となるのである。
尚、変速点の補正の態様は、本発明に係る変速点の補正が何らなされない場合と比較して触媒排気臭が幾らかなりとも低減され得る限りにおいて何ら限定されず、例えば、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、触媒排気臭を効果的に低減しつつ車両の走行特性に係る変速機の本来の変速点を可能な限り維持し得るように決定されていてもよい。尚、本発明に係る「補正」とは、変速点設定手段によって設定される変速点を何らかのアルゴリズムや補正式に従って変更することの他に、予め然るべき記憶手段に記憶されるマップ等を参照して、このような変速点設定手段によって設定される変速点とは無関係に設定されること等を含む概念である。
本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記変速点補正手段は、前記負荷が大きくなる程前記変速点に対応する車速が高くなるように前記変速点を補正する。
この態様によれば、補機に係る負荷が大きくなる程変速点に対応する車速が高くなるように、即ち変速点が高車速側に補正される。従って、補機の負荷に応じて効率的且つ効果的に触媒排気臭を低減し得る。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記補機は、容量可変型のコンプレッサを備えたエアコンディショナを含む。
この態様によれば、車両が、補機として、比較的負荷が大きく且つ連続的に可変となり得る容量可変型のコンプレッサを備えたエアコンディショナを含むため、本発明に係る制御が顕著に効果的である。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記指標値特定手段は、前記指標値の少なくとも一部として前記触媒装置における空燃比及び前記触媒装置の温度を特定する。
この態様によれば、前述した指標値の少なくとも一部として触媒装置における空燃比及び触媒装置の温度が特定される。これらは、触媒排気臭と比較的高い相関があり、例えば減速期間にF/C制御がなされない場合に触媒排気臭が発生するか否かといった二値的な判断を、或いは触媒排気臭がどの程度発生するかといった量的な判断を行うために有益な情報となり得る。従って、効率的且つ効果的に触媒排気臭を低減することが可能となる。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記変速比が切り替わる場合に前記機関回転数が前記フューエルカット可能回転数未満となるか否かを判別する判別手段を更に具備し、前記変速点補正手段は、前記変速比が切り替わる場合に前記機関回転数が前記フューエルカット可能回転数未満となると判別された場合に前記変速点を補正する。
補機の負荷によっては、シフトアップ制御時の機関回転数の一時的な低下がF/C可能回転数以上の領域で収束する場合もある。そのような場合には、必ずしも変速点の補正は必要ではない。この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される判別手段の作用によって、変速比が切り替わる場合に機関回転数がF/C可能回転数未満となるか否かが判別され、機関回転数がF/C可能回転数未満となる場合に変速点が補正される。従って、本来の変速点によって提供される変速特性を、例えば可能な限り維持しつつ効率的且つ効果的に触媒排気臭を低減することが可能となる。
尚、「F/C可能回転数未満となる場合」とは、必ずしもこのような場合の全てでなくともよい。例えば、低車速側で変速比を切り替える場合には本発明に係る変速点の補正は必ずしも必要ではなく、このような場合には、例えば、比較的高車速側に限定された変速点のみが補正の対象とされてもよい。
尚、この態様では、前記変速比が切り替えられた際に前記機関回転数が少なくとも前記フューエルカット可能回転数以上となる前記変速点の下限値を前記負荷に応じて設定する下限値設定手段を更に具備し、前記判別手段は、前記設定された下限値に基づいて、前記機関回転数が前記フューエルカット可能回転数未満となるか否かを判別すると共に前記変速点を補正してもよい。
この場合、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成される下限値設定手段により、補機に係る負荷に応じて、変速比が切替えられた際に機関回転数を少なくともF/C可能回転数以上の値に維持し得る変速点の下限値が設定されるため、判別手段に係る制御上の負荷が軽減される。また、変速点補正手段は、係る下限値に基づいて変速点を補正するため、例えば変速点を、その時点のF/C可能回転数数に或いはF/C可能回転数に所定のマージンを与えた値等に補正することも容易にして可能となる。
判別手段を具備する本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記変速点補正手段は、前記変速比が切り替えられた際に前記機関回転数が前記フューエルカット可能回転数以上となるように前記変速点を補正する。
この態様によれば、変速比が切り替えられた際に機関回転数がF/C可能回転数以上となるように変速点が補正される。本発明の趣旨に鑑みれば、変速点が補正されることにより、少なくともこのような補正がなされない場合と比較して変速比が切り替えられた際に機関回転数がF/C可能回転数未満となる期間が減少すればよいのであるが、このように変速比が切り替えられた際に機関回転数がF/C可能回転数以上となるように変速点が切り替えられる場合には、このような期間は無くなり、触媒排気臭低減に係る効果を最大限に得ることが可能となる。また、上述した如く下限値が設定される場合には、本態様に係る処理が効率的に実行され得る。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る車両の構成について説明する。ここに、図1は、車両10のブロック図である。
図1において、車両10は、ECU100、エンジン200、トルクコンバータ300、ECT(Electronic Controlled Transmission:電子制御式トランスミッション)400及びA/C(エアコンディショナ)500を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、車両10の動作全体を制御する電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するシフトアップ制御処理を実行することが可能に構成されている。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンであり、車両10の主たる動力源として機能する。ここで、図2を参照して、エンジン200の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、エンジン200の模式図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、エンジン200は、気筒201内において点火プラグ202による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。
図2において、外部から吸入された空気は、吸気管206を通過し、インジェクタ207(即ち、本発明に係る「供給手段」の一例)から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。燃料は、燃料タンク223に貯留されており、低圧ポンプ225の作用によりデリバリパイプを介してインジェクタ207に圧送供給されている。この際、燃料は、デリバリパイプに設けられたフィルタ224によって不純物が濾過された状態でインジェクタ207に供給される。尚、インジェクタ207は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によって制御される通電時間に応じた量の燃料を吸気管206内に噴射することが可能に構成される。
尚、燃料を噴射する噴射手段の形態は、図2に例示するような所謂吸気ポートインジェクタの構成を採らずともよく、例えば、低圧ポンプ225によって圧送される燃料の圧力を更に高圧ポンプによって昇圧せしめ、高温高圧の気筒201内部へ燃料を直接噴射することが可能に構成された、所謂直噴インジェクタ等の形態を有していてもよい。
気筒201内部と吸気管206とは、吸気バルブ208の開閉によって連通状態が制御されている。気筒201内部で燃焼した混合気たる排気は、吸気バルブ208の開閉に連動して開閉する排気バルブ209を通過し、排気管210等を介して図示せぬ車両10の外へ排気される。
吸気管206上には、クリーナ211が配設されており、外部から吸入される空気が浄化される。また、クリーナ211の下流側(シリンダ側)には、ホットワイヤー式のエアフローメータ212が配設されており、吸入空気の質量流量を直接測定することが可能に構成されている。また、吸気管206には、吸入空気の温度を検出可能な吸気温センサ213が設置されている。尚、エアフローメータ212及び吸気温センサ213は、夫々ECU100と電気的に接続されており、その検出値を表す電気信号がECU100に常に供給される構成となっている。
吸気管206におけるエアフローメータ212の下流側には、気筒201内部への吸入空気量を調節するスロットルバルブ214が配設されている。スロットルバルブ214の開度(即ち、スロットル開度)は、スロットルポジションセンサ215によって検出され、スロットルポジションセンサ215と電気的に接続されたECU100によって絶えず把握される構成となっている。また、スロットル開度は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ217によって可変に制御される構成となっている。
一方、運転者によるアクセルペダル226の踏み込み量は、アクセルポジションセンサ216によって検出され、アクセルポジションセンサ216と電気的に接続されたECU100により絶えず把握される構成となっている。ECU100は、通常、係るアクセルポジションセンサ216によって検出されたアクセルペダル226の踏み込み量に応じたスロットル開度が得られるようにスロットルバルブモータ217の駆動制御を介してスロットルバルブ214を制御している。但し、スロットルバルブ214は、スロットルバルブモータ217によって駆動される電子制御式のスロットルバルブであり、スロットル開度は、最終的にはECU100の制御により、運転者の意思(即ち、アクセルペダル226の踏み込み量)とは無関係に可変に制御され得る。
クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転状態を表すクランク角を検出するためのクランクポジションセンサ218が設置されている。クランクポジションセンサ218は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100は、クランクポジションセンサ218によって検出されたクランク角に基づいてピストン203の位置を把握し、点火プラグ202の点火時期等を制御することが可能に構成されている。また、ECU100は、クランクポジションセンサ218によって検出されたクランク角を時間処理することによって、エンジン200の機関回転数Neを算出することが可能に構成されている。
気筒201を収容するシリンダブロックには、エンジン200のノック強度を測定可能なノックセンサ219が配設されており、また係るシリンダブロック内のウォータージャケット内には、エンジン200の冷却水温を検出するための水温センサ220が配設されている。これらは、夫々ECU100と電気的に接続されており、その検出値が絶えずECU100によって把握される構成となっている。
排気管210には、三元触媒222が設置されている。三元触媒222は、車両10のフロア下部に設置された床下触媒であり、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能に構成された、本発明に係る「触媒装置」の一例である。尚、三元触媒222の温度(触媒床温)は、図示せぬ温度センサによって検出され、係る温度センサと電気的に接続されたECU100によって絶えず把握される構成となっている。排気管210における三元触媒222の上流側には、空燃比センサ221が配設されている。空燃比センサ221は、排気管210から排出される排気ガスから、エンジン200の空燃比を検出することが可能に構成されている。空燃比センサ221は、ECU100と電気的に接続されており、その検出値たる実空燃比は、ECU100によって常に把握される構成となっている。
図1に戻り、トルクコンバータ300は、エンジン200のクランクシャフト205に接続された入力軸300a及びECT400に接続された出力軸300b並びに係る入力軸300a及び出力軸300bを直結するためのロックアップクラッチ310等を備え、入力軸300aに接続されたポンプインペラ(不図示)の回転動力をATF(Automatic Transmission Fluid)を介して、またステータ(不図示)によってトルクを増幅させつつ出力軸300bに接続されたタービンランナ(不図示)に回転動力として伝達することが可能に構成されている。即ち、エンジン200の動力は、トルクコンバータ300を介してECT400に伝達される構成となっている。尚、トルクコンバータ300における、例えばロックアップクラッチ310の動作(例えば、係合動作等)は、トルクコンバータ300と電気的に接続されたECU100によって制御される構成となっている。
ECT400は、複数のクラッチ要素、ブレーキ要素及びワンウェイクラッチ要素等からなる複数の摩擦係合装置(不図示)を備えた、本発明に係る「変速機」の一例である。ECT400は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100による各種ソレノイド(不図示)等の駆動制御を介してこれら各摩擦係合装置相互間の係合状態が変化することによって、相互に異なる複数の変速比を得ることが可能に構成される。また、ECT400には回転センサ410が備わっており、ECT400の出力回転軸の回転速度を検出することが可能に構成されている。回転センサ410は、ECU100と電気的に接続されており、ECT400の出力回転軸の回転数は、ECU100によって常に把握される構成となっている。
尚、ECT400は公知の電子制御式自動変速機と同等の構成を有しており、その詳細な図示は省略するが、車両10の前進方向に対応する変速レンジとして、ギア比の大きい順に「1st」、「2nd」、「3rd」、「4th」、「5th」及び「6th」の6段の変速レンジを有しており、これらギア比が大きい順に大きい変速比が得られる構成となっている。車両10が前進する場合、ECU100は、ECT400における各摩擦係合装置の係合状態を制御することによって、ECT400の変速比を上記いずれかの変速レンジに対応する値に設定することが可能である。
A/C(Air Conditioner:エアコンディショナ)500は、車両10の車室内の温度を調節可能に構成された、本発明に係る「補機」の一例たる空調装置である。A/C500は、容量可変型のコンプレッサ(不図示)を有しており、エンジン200の動力によって係るコンプレッサが駆動されることにより、車室内の冷房を行うことが可能に構成されている。尚、A/C500は、ECU100と電気的に接続されており、その駆動状態は、ECU100によって制御される構成となっている。
尚、A/C500のコンプレッサの駆動状態に応じて、エンジン200の負荷(即ち、本発明に係る「補機に係る負荷」の一例)は変化する。本実施形態において、このA/C500からの負荷要請は、A/C500から所定のバスラインを介してエンジン200のトルク値としてECU100に伝達される。
<実施形態の動作>
<F/C制御の概要>
ECU100は、車両10が減速期間にあり且つ機関回転数Neが所定のカット回転数以上の範囲にある場合の少なくとも一部においてF/C制御を実行する。F/C制御時には、インジェクタ207を介した燃料の供給が停止され、燃料の効率的な使用が促進され燃費が向上する。このF/C制御は、機関回転数Neが、予めA/C500に係る負荷に応じて定まる復帰回転数未満になった場合に終了し、この場合、速やかにインジェクタ207を介した燃料供給が再開される。尚、上述したカット回転数は、例えば係る復帰回転数に対し所定値を加算した値である。
F/C制御は、フレックスロックアップ制御を伴って実行される。フレックスロックアップ制御において、ECU100は、ロックアップクラッチ310に係る機械的な動力伝達と、ATFを介した動力伝達との比率が最適となるように、走行状態に応じてロックアップクラッチ310の係合状態を所定のスリップ状態に制御し、エンジン200の動力伝達効率を向上させている。また、この際、ECT400における変速レンジが、機関回転数Neが復帰回転数に到達する以前に現時点における変速レンジよりも変速比の大きい変速レンジへ切り替わるように(即ちシフトダウンするように)ECT400が制御され、F/C期間が延長せしめられる。フレックスロックアップ制御は、機関回転数Neが、復帰回転数に基づいて決定されるフレックスロックアップ許可回転数以上となる期間において実行可能である。
本実施形態において、ECU100は、機関回転数Neが、上述したカット回転数及びフレックスロックアップ許可回転数のうち大きい方の値として定義されるF/C可能回転数Nefc以上である場合に、フレックスロックアップ制御を伴うF/C制御を実行する。この際、カット回転数及びフレックスロックアップ許可回転数がいずれもA/C500に係る負荷に応じて可変となる値であることに鑑みれば、F/C可能回転数Nefcもまた、A/C500に係る負荷に応じて可変となる値である。より具体的には、A/C500に係る負荷が大きい程、F/C可能回転数Nefcは大きい値となる。
<シフトアップ制御処理の概要>
ECT400の変速レンジが現時点における変速レンジよりも低い変速レンジに切り替わる(即ち、シフトアップが行われる)際、機関回転数Neは一時的に低下する。一方、F/C可能回転数Nefcを規定するA/C500の負荷は、ECT400とは無関係に変化し得るから、例えば、A/C500に係る負荷が大きい場合等には、シフトアップによって機関回転数NeがF/C可能回転数Nefc未満となり、減速時にF/C制御が実行されない場合がある。他方、車両10の減速期間においてF/C制御がなされない場合、三元触媒222の状態によっては触媒排気臭が発生することがある。このような場合には確実にF/C制御が実行されるのが望ましい。このような問題点を解決するため、本実施形態では、ECU100が以下に説明するシフトアップ制御処理を実行する。
<シフトアップ制御処理の詳細>
ここで、図3を参照して、シフトアップ制御処理の詳細について説明する。ここに、図3はシフトアップ制御処理のフローチャートである。
図3において、ECU100は、スロットルポジションセンサ215によって検出されるスロットル開度Thrを取得する(ステップA10)。
スロットル開度Thrを取得すると、ECU100は、ベース変速点sftpntbを決定する(ステップA11)。本実施形態において、ベース変速点sftpntbは、予めROMにベース変速点マップM1として記憶されており、ECU100はROMから係るベース変速点マップM1を読み出して取得されたスロットル開度Thrに対応する値をベース変速点sftpntbとして決定する。
ここで、図4を参照して、ベース変速点マップM1の詳細について説明する。ここに、図4はベース変速点マップM1の一例を表す模式図である。
図4において、ベース変速点マップM1は、ECT400の「5th」から「6th」へのシフトアップについて、そのベース変速点sftpntbを規定するマップである。図中上段、中段及び下段の順に、夫々スロットル開度Thr、ベース変速点sftpntb及びベース変速点sftpntbに対応する車速が示されている。
ベース変速点sftpntbは、ECT400における出力回転軸の回転速度を表すアウトプット回転数NOとして表されている。ECT400の出力回転軸の回転は、デファレンシャルや車軸等を介して車輪の回転に変換されるため、アウトプット回転数NOは車両10の車速に比例する値となる。即ち、アウトプット回転数NOは、本発明に係る「車両の速度に対応する値」の一例である。アウトプット回転数NOは、ECT400に設置された回転センサ410によって検出され、ECU100によって取得される。
図3に戻り、ECU100は、触媒排気臭条件(即ち、本発明に係る「所定の条件」の一例)が満たされているか否かを判別する(ステップA12)。本実施形態において、触媒排気臭条件は、三元触媒222(床下触媒)における空燃比が基準となる空燃比よりも低く(即ちリッチ)であり且つ三元触媒222の温度(触媒床温)が500℃以上である状態と規定されている。即ち、ECU100は、空燃比センサ221によって検出される空燃比を判断基準となる空燃比と比較し、また三元触媒222の触媒床温を温度センサから取得して係る判別処理を実行する。
触媒排気臭条件が満たされていない場合(ステップA12:NO)、ECU100は、ステップA11に係る処理によって決定されたベース変速点sftpntbを変速点sftpntとして設定し(ステップA18)、処理をステップA10に戻して一連の処理を繰り返す。
一方、触媒排気臭条件が満たされる場合(ステップA12:YES)、ECU100は、A/C500に係る負荷(以下、適宜「A/C負荷」と称する)を取得する(ステップA13)。A/C負荷は、A/C500からエンジン200のトルク値として要求され、ECU100が、更に係る要求トルクをアイドル時(スロットル開度Thrがゼロ、即ち全閉時)の吸入空気量を制御するISC(Idle Speed Control)バルブの流量(ISC流量)に変換することによって得られる。
A/C負荷を取得すると、ECU100は、変速点の下限ガード値sftpntgdを取得する(ステップA14)。変速点の下限ガード値sftpntgdとは、シフトアップがなされた場合に機関回転数NeをF/C可能回転数Nefc以上に維持し得る最低の機関回転数であり、本実施形態において、予めROMに下限値マップM2として記憶されている。ECU100は、ROMから係る下限値マップM2を読み出し、ステップA13に係る処理において得られたA/C負荷に対応する値を変速点の下限ガード値sftpntgdとして取得する。
ここで、図5を参照して、下限値マップM2の詳細について説明する。ここに、図5は、下限値マップM2の一例を表す模式図である。
図5において、上段、中段及び下段には夫々A/C負荷(ISC流量であり、単位はl/s)、下限ガード値sftpntgd及び係る下限ガード値sftpntgdに対応する車速が表される。図5から明らかなように、変速点の下限ガード値sftpntgdは、A/C負荷が大きくなる程増加する値である。
再び図3に戻り、ECU100は、ステップA11に係る処理で取得されたベース変速点sftpntbがステップA14に係る処理で取得された下限ガード値sftpntgd未満であるか否かを判別する(ステップA15)。ベース変速点が下限ガード値以上である場合(ステップA15:NO)、変速点の補正は必要がないため、ECU100は処理をステップA18に移行して、既に述べたようにベース変速点sftpntbを変速点sftpntとして設定する。
一方、ベース変速点sftpntbが下限ガード値sftpntgd未満である場合(ステップA15:YES)、ECU100は、補正変速点sftpnt’を決定する(ステップA16)。ここで、補正変速点とは、下限ガード値sftpntgd以上の値であればよく、例えば下限ガード値sftpntgdであってもよい。或いは下限ガード値sftpntgdに一定又は不定のマージンを付与してなる、下限ガード値sftpntgdよりも大きな値であってもよい。このような補正変速点sftpnt’の設定基準は、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、他の変速レンジとのバランス、ドライバビリティ又は燃費その他の諸条件等を好適に維持し得るように決定されていてもよい。
補正変速点sftpnt’を決定すると、ECU100は、係る補正変速点sftpnt’を変速点sftpntとして設定し(ステップA17)、処理をステップA10に戻して一連の処理を繰り返す。
ここで、図6を参照し、本実施形態に係るシフトアップ制御処理の効果について説明する。ここに、図6は、ECT400のシフトアップ特性を例示する模式図である。
図6において、縦軸及び横軸には夫々機関回転数Ne及び車速が示される。図中太実線として示されるのが、ECT400において最も早くシフトアップが実行された場合の特性を表す最速シフトアップ線SF0である。最速シフトアップ線SF0によって規定される変速点は、図4に係る変速マップM1において、スロットル開度Thrがゼロである場合の変速点と概ね等価である。即ち、例えば、図中「5th」から「6th」へのシフトアップは、車速約61km/hの時点で行われている。これは、図4に係る変速マップM1においてスロットル開度Thrがゼロの場合のベース変速点sftpntbとして設定された、ECT400のアウトプット回転数2075rpmに対応する車速と概ね等しい。
一方、図6において、A/C負荷によって増減するF/C可能回転数Nefcは、図中一点鎖線として表される。図6においては、三種類の負荷、即ち夫々要素点が四角、菱形及び丸で表される「0.5(l/s)」、「1.0(l/s)」及び「2.0(l/s)」のA/C負荷について、F/C可能回転数Nefcが表されている。
ここで、例えば「5th」から「6th」へのシフトアップに伴って一時的に機関回転数Neが低下した際、機関回転数Neは、A/C負荷「1.0(l/s)」及び「2.0(l/s)」の場合のF/C可能回転数Nefcを下回る。従って、係る変速点付近で減速が開始されると、F/C制御が実行されずに、上述した触媒排気臭条件が満たされる場合には触媒排気臭の発生が回避され難い。
そこで、このような変速点については、シフトアップ制御処理によって、下限ガード値sftpntgd以上となるような補正変速点sftpnt’が設定され、その結果、例えば、最速シフトアップ線SF0は、一部が図示太点線として示される補正シフトアップ線SF1の如く補正される。その結果、例えば「5th」から「6th」への変速点は、車速にして図示「ΔV」に相当する分高車速側に移動し、シフトアップ時に機関回転数Neが一時的に低下しても、その時点におけるF/C可能回転数Nefcを下回ることが無くなる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両10では、シフトアップ制御処理によって、必要以上にECT400の変速特性(変速点)を変更することなく、且つ触媒排気臭の可能性がある場合には確実に減速時のF/C制御を実行することが可能となる。即ち、効率的且つ効果的に触媒排気臭を低減することが可能となるのである。
尚、本実施形態では、A/C負荷に応じて下限ガード値sftpntgdが設定され、係る下限ガード値sftpntgdに基づいて機関回転数Neがシフトアップ時にF/C可能回転数Nefc未満となるか否かが判別される。この際、必要に応じて変速点を係る下限ガード値sftpntgd以上の値に補正することによって、機関回転数Neが、シフトアップ時の機関回転数Neの一時的な低下によってF/C可能回転数Nefcを下回ることのないように、即ち言い換えればシフトアップ時にF/C可能回転数Nefc以上となるように制御されている。
しかしながら、このような意味での下限値は必ずしも必要ではなく、例えば、ECU100が、シフトアップ時に機関回転数Neが現時点におけるF/C可能回転数Nefc未満となるか否かについてその都度数値演算等を介して判定を行い、必要な場合にのみ、例えば変速点が少なくとも現時点における変速点よりも高車速側にシフトするように変速点をリアルタイムに補正してもよい。即ち、触媒排気臭が発生する可能性がある場合に、少なくとも何らこのような変速点の補正が行われない場合と比較して幾らかなりともF/C制御の実行確率を上昇せしめ得る限りにおいて、本発明に係る効果は担保される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の一実施形態に係る車両のブロック図である。 図1の車両におけるエンジンの模式図である。 図1の車両においてECUが実行するシフトアップ制御処理のフローチャートである。 シフトアップ制御処理において参照されるベース変速点マップの一例を表す模式図である。 変速点補正マップの一例を表す模式図である。 ECTのシフトアップ特性の一例を表す模式図である。
符号の説明
10…車両、100…ECU、200…エンジン、201…気筒、203…ピストン、205…クランクシャフト、207…インジェクタ、300…トルクコンバータ、400…ECT、410…回転センサ、500…A/C。

Claims (7)

  1. 燃料を供給する供給手段、開度に応じて燃焼室に吸入される空気の量を変化させることが可能なスロットルバルブ、及び排気系に設置され前記燃焼室を介した排気を浄化するための触媒装置を備えた内燃機関、該内燃機関の動力を車輪に伝達するための伝達経路に複数の摩擦係合装置を含んで配設され、該複数の摩擦係合装置相互間の係合状態に応じて複数の変速比を得ることが可能な変速機並びに前記内燃機関の動力によって駆動される補機を備えた車両を制御する車両の制御装置であって、
    前記車両の減速期間において、前記内燃機関の機関回転数が、前記補機に係る前記内燃機関の負荷に応じて変化する所定のフューエルカット可能回転数以上である場合に、前記燃料の供給が停止されるように前記供給手段を制御する供給制御手段と、
    前記スロットルバルブの開度を特定する開度特定手段と、
    前記変速比を現時点における変速比よりも小さい変速比へ切り替える際の変速点を、前記特定された開度に基づいて前記車両の速度に対応する値として設定する変速点設定手段と、
    前記設定された変速点において前記変速比が前記現時点における変速比よりも小さい変速比に切り替わるように前記変速機を制御する変速制御手段と、
    前記触媒装置において排気臭に対応するものとして規定された所定種類の指標値を特定する指標値特定手段と、
    前記特定された指標値が所定の条件を満たす期間の少なくとも一部において、前記補機に係る前記内燃機関の負荷に応じて前記設定された変速点を補正する変速点補正手段と
    を具備し、
    前記変速制御手段は、前記変速点が補正された場合に前記補正された変速点において前記変速比が切り替わるように前記変速機を制御する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記変速点補正手段は、前記負荷が大きくなる程前記変速点に対応する車速が高くなるように前記変速点を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記補機は、容量可変型のコンプレッサを備えたエアコンディショナを含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記指標値特定手段は、前記指標値の少なくとも一部として前記触媒装置における空燃比及び前記触媒装置の温度を特定する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記変速比が切り替わる場合に前記機関回転数が前記フューエルカット可能回転数未満となるか否かを判別する判別手段を更に具備し、
    前記変速点補正手段は、前記変速比が切り替わる場合に前記機関回転数が前記フューエルカット可能回転数未満となると判別された場合に前記変速点を補正する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
  6. 前記変速比が切り替えられた際に前記機関回転数が少なくとも前記フューエルカット可能回転数以上となる前記変速点の下限値を前記負荷に応じて設定する下限値設定手段を更に具備し、
    前記判別手段は、前記設定された下限値に基づいて、前記機関回転数が前記フューエルカット可能回転数未満となるか否かを判別すると共に前記変速点を補正する
    ことを特徴とする請求項5に記載の車両の制御装置。
  7. 前記変速点補正手段は、前記変速比が切り替えられた際に前記機関回転数が前記フューエルカット可能回転数以上となるように前記変速点を補正する
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の車両の制御装置。
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