JP2007276278A - 基板及びその分断方法、ならびに表示装置、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】遮光膜が形成された基板においても、レーザ光を用いたスクライブが可能となる基板及びその分断方法、ならびに表示装置を提供する。
【解決手段】レーザ光36に対して透過性があり、可視光に対して遮光性のある遮光膜35を基板34に形成する。集光レンズ8によりレーザ光36を基板34の内部に集光して、改質部37を形成する。遮光膜35はレーザ光36に対して透過性があることから、遮光膜35に遮光されることなく改質部37を形成する。集光レンズ8と基板34とを相対移動して、切断予定面34aに改質部37を配列して形成する。切断予定面34aに改質部37が形成された後、基板34を弾性のある台に載せ、改質部37に応力を掛けて基板34を分断する。
【選択図】図3
【解決手段】レーザ光36に対して透過性があり、可視光に対して遮光性のある遮光膜35を基板34に形成する。集光レンズ8によりレーザ光36を基板34の内部に集光して、改質部37を形成する。遮光膜35はレーザ光36に対して透過性があることから、遮光膜35に遮光されることなく改質部37を形成する。集光レンズ8と基板34とを相対移動して、切断予定面34aに改質部37を配列して形成する。切断予定面34aに改質部37が形成された後、基板34を弾性のある台に載せ、改質部37に応力を掛けて基板34を分断する。
【選択図】図3
Description
本発明は、基板及びその分断方法、ならびに表示装置、電子機器に関するものである。
光透過性のある基板を品質良く切断するために、レーザ光を基板に照射して基板内部に改質領域(以下、改質部と称す。)を形成するレーザスクライブ方法が特許文献1に開示されている。それによると、パルス幅が1μs以下のレーザ光を出射し、集光レンズで基板内部に集光し、集光点におけるピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上にする。これにより、加工対象物の内部に多光子吸収による改質部を形成するものである。
また、このレーザスクライブ方法において、加工対象物の内部に形成される改質部あるいはこれを起点として形成される改質部の大きさは、集光レンズの特性と、レーザ光のピークパワー密度に依存する。例えば、上記特許文献1に示されたガラス(厚さ700μm)をYAGレーザを用いて切断する実施例では、集光レンズの開口数が0.55の場合、ピークパワー密度がおよそ1×1011(W/cm2)となり、改質部の大きさは、およそ100μmとなる。また、ピークパワー密度がおよそ5×1011(W/cm2)では、およそ250μmである。基板の内部に改質部を配列して形成し、改質部を押圧することで、基板を改質部に沿って品質良く分断することができる。
また、光透過性のある基板に、遮光膜を形成し可視光の透過する部分と遮断する部分を設けて基板に光学的機能を設けることがある。この遮光膜は、アルミニウムやクロム等の金属の膜を形成していた。
しかしながら、この遮光膜はレーザ光を遮光する為、レーザ光の総て、又は、一部が遮光膜により遮光される場所では、レーザ光による改質部を形成することができず、基板を割ることは困難であった。
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、遮光膜が形成された基板においても、レーザ光を用いたスクライブが可能となる基板及びその分断方法、ならびに表示装置、電子機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の基板の分断方法では、可視光を透過する基板の分断方法であって、可視光を遮断し、近赤外光を透過する材質を主成分とする遮光膜パターンを形成する遮光膜形成工程と、レーザ光を用いて基板の内部に改質部を形成するスクライブ工程と、改質部を押圧して、基板を分断する分断工程と、を有することを特徴とする。
この基板の分断方法によれば、遮光膜形成工程で遮光膜パターンを形成することから、可視光を透過する部分と遮断する部分を有する光学機能をもつ基板となる。スクライブ工程では、レーザ光を用いて改質部を形成する。遮光膜は近赤外光を透過する材質を主成分とすることから、遮光膜はレーザ光を透過する。レーザ光は遮光膜に遮られることなく改質部を形成することができる。分断工程では、改質部を押圧して分断することから品質良く分断される。従って、遮光膜が形成される基板において、遮光膜のある場所を品質良く分断することができる。
本発明の基板の分断方法では、レーザ光の光源は、YAGレーザ又はフェムト秒レーザであることを特徴とする。
この基板の分断方法によれば、レーザ光はYAGレーザ又はフェムト秒レーザであることから、波長が近赤外光となり、遮光膜を透過することができる。又、基板中に集光して改質部を形成することができる。従って、遮光膜が形成される基板において、遮光膜のある場所を品質良く分断することができる。
本発明の基板の分断方法では、遮光膜は主成分がシリコンで構成されていることを特徴とする。
この基板の分断方法によれば、遮光膜は主成分がシリコンで構成されていることから、遮光膜は、近赤外光を透過し易くなっている。また、シリコンは地球上に豊富に存在する資源であり、入手し易い為、容易に生産することができる。
この基板の分断方法によれば、遮光膜は主成分がシリコンで構成されていることから、遮光膜は、近赤外光を透過し易くなっている。また、シリコンは地球上に豊富に存在する資源であり、入手し易い為、容易に生産することができる。
本発明の基板は、可視光を透過する基板であって、可視光を遮断し、近赤外光を透過する材質を主成分とする遮光膜パターンを有することを特徴とする。
この基板によれば、この基板が有する遮光膜は近赤外光を透過する材質を主成分とすることから、この遮光膜は、近赤外光を透過し易くなっている。レーザ光を用いて、この基板をスクライブするとき、レーザ光が遮光膜を透過するので、遮光膜のパターンが形成された場所でもスクライブ可能であり、スクライブした場所を分断することができる。従って、レーザ光を用いてスクライブ可能な遮光膜を有する基板であり、分断可能な基板とすることができる。
本発明の基板は、遮光膜は主成分がシリコンで構成されていることを特徴とする。
この基板によれば、遮光膜は主成分がシリコンで構成されていることから、近赤外光が遮光膜を透過しやすくなっている。また、シリコンは地球上に豊富に存在する資源であることから入手し易い為、容易に生産することができる。
この基板によれば、遮光膜は主成分がシリコンで構成されていることから、近赤外光が遮光膜を透過しやすくなっている。また、シリコンは地球上に豊富に存在する資源であることから入手し易い為、容易に生産することができる。
本発明の表示装置は、可視光を透過する基板を備えた表示装置であって、基板は、上記に記載の基板を有することを特徴とする。
この表示装置によれば、表示装置は上記の遮光膜を備えた基板を有することから、遮光膜が可視光を遮光すると共に、遮光膜のある場所であっても、基板をレーザ光でスクライブして分断することができる。従って、品質良く分断できる表示装置とすることができる。
本発明の表示装置は、液晶表示装置であることを特徴とする。
この表示装置によれば、上記に記載の表示装置は液晶表示装置であることから、低い消費電力で駆動することが可能な表示装置とすることができる。
この表示装置によれば、上記に記載の表示装置は液晶表示装置であることから、低い消費電力で駆動することが可能な表示装置とすることができる。
本発明の電子機器は、上記に記載の表示装置を備えたことを特徴とする。
この電子機器によれば、可視光を遮光する遮光膜のある場所であっても、基板をレーザ光でスクライブして分断される表示装置を備えている。従って、遮光膜を有する基板をレーザ光で品質良くスクライブされる表示装置を備えた電子機器とすることができる。
この電子機器によれば、可視光を遮光する遮光膜のある場所であっても、基板をレーザ光でスクライブして分断される表示装置を備えている。従って、遮光膜を有する基板をレーザ光で品質良くスクライブされる表示装置を備えた電子機器とすることができる。
以下、本発明を具体化した実施例について図面に従って説明する。
尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るレーザスクライブ方法について図1〜図4に従って説明する。
本発明の第1の実施形態に係るレーザスクライブ方法について図1〜図4に従って説明する。
最初にレーザ照射装置について説明する。図1は、レーザ照射装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、レーザ照射装置1は、レーザ光を出射するレーザ光源2と、出射されたレーザ光をワークに照射する光学経路部3と、光学経路部3に対してワークを相対的に移動させるテーブル部4と、動作を制御する制御装置5を主として構成されている。
図1に示すように、レーザ照射装置1は、レーザ光を出射するレーザ光源2と、出射されたレーザ光をワークに照射する光学経路部3と、光学経路部3に対してワークを相対的に移動させるテーブル部4と、動作を制御する制御装置5を主として構成されている。
レーザ光源2は、出射するレーザ光を加工対象物の内部に集光して多光子吸収による改質部を形成できる光源であれば良い。例えば、本実施形態において、チタンサファイアを固体光源とするレーザ光をフェムト秒のパルス幅で出射するいわゆるフェムト秒レーザを採用している。発光条件及び集光レンズの条件としては、パルスレーザ光は、波長分散特性を有しており、中心波長が800nmであり、その半値幅はおよそ20nmである。またパルス幅はおよそ300fs(フェムト秒)、パルス周期は1kHz、出力はおよそ700mWである。集光レンズは、この場合、倍率が100倍、開口数(NA)が0.8、WD(Working Distance)が3mmの対物レンズを採用している。
光学経路部3はダイクロイックミラー6を備えている。ダイクロイックミラー6は、レーザ光源2から照射されるレーザ光の光軸7上に配置されている。ダイクロイックミラー6はレーザ光源2から照射されるレーザ光を反射して、光軸7の進行方向を変更する。ダイクロイックミラー6に反射したレーザ光が通過する光軸7上に集光レンズ8が配置されている。テーブル部4にはワーク9が配置され、集光レンズ8を通過したレーザ光がワーク9に照射されるようになっている。
集光レンズ8はレンズ支持部10により、レンズ移動機構11に支持されている。レンズ移動機構11は、図示しない直動機構を有し、集光レンズ8を光軸7方向に移動させて、集光レンズ8を通過したレーザ光が集光する位置を移動可能としている。
直動機構は、例えばZ方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを供えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が所定のパルス信号を受けて所定のステップ単位で正逆転する図示しないZ軸モータに連結されている。そして、所定のステップ数に相当する駆動信号がZ軸モータに入力されると、Z軸モータが正転又は反転して、レンズ移動機構11が同ステップ数に相当する分だけ、光軸7方向に沿って往動又は復動するようになっている。
直動機構は、例えばZ方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを供えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が所定のパルス信号を受けて所定のステップ単位で正逆転する図示しないZ軸モータに連結されている。そして、所定のステップ数に相当する駆動信号がZ軸モータに入力されると、Z軸モータが正転又は反転して、レンズ移動機構11が同ステップ数に相当する分だけ、光軸7方向に沿って往動又は復動するようになっている。
集光レンズ8とダイクロイックミラー6とを通過する光軸7の延長線上にあって、ダイクロイックミラー6に対して集光レンズ8と反対側には、撮像装置12を備えている。撮像装置12は、例えば、図示しない同軸落射型光源とCCD(Charge Coupled Device)が組み込まれたものである。同軸落射型光源から出射した可視光は、集光レンズ8を透過してワーク9を照射する。撮像装置12は、集光レンズ8とダイクロイックミラー6とを通してワーク9を撮像することが可能となっている。
テーブル部4は、基台15を備えている。基台15の光学経路部3側には、レール16が凸設して配置されており、レール16上にはX軸スライド17が配置されている。X軸スライド17は、図示しない直動機構を備え、レール16上のX方向に移動可能となっている。直動機構は、レンズ移動機構11が備える直動機構と同様な機構であり、所定のステップ数に相当する駆動信号に対応してX軸スライド17が同ステップ数に相当する分だけ、X方向に沿って往動又は復動するようになっている。
X軸スライド17の光学経路部3側にはレール18が凸設して配置されており、レール18上にはY軸スライド19が配置されている。Y軸スライド19は、X軸スライド17と同様な直動機構を備え、レール18上をY方向に移動可能となっている。
Y軸スライド19の光学経路部3側には、ステージ20が配置され、ステージ20の上面には図示しない吸引式のチャック機構が設けられている。そして、ワーク9を載置すると、チャック機構によって、ワーク9がステージ20の上面の所定の位置に位置決めされ固定されるようになっている。
制御装置5は、メインコンピュータ24を備えている。メインコンピュータ24は内部に図示しないCPU(Central Processing Unit)やメモリーを備えている。CPUはメモリー内に記憶されたプログラムソフトに従って、レーザ照射装置1の動作を制御するものである。
メインコンピュータ24は、図示しない入出力インターフェースを備え、入力装置25、表示装置26、レーザ制御装置27、レンズ制御装置28、画像処理装置29、ステージ制御装置30と接続されている。
メインコンピュータ24は、図示しない入出力インターフェースを備え、入力装置25、表示装置26、レーザ制御装置27、レンズ制御装置28、画像処理装置29、ステージ制御装置30と接続されている。
入力装置25は、レーザ加工の際に用いられる各種加工条件のデータを入力する装置であり、表示装置26はレーザ加工時の各種情報を表示する装置である。CPUは、入力される各種加工条件とプログラムソフトとに従って、レーザ加工を行い。加工状況を表示装置26に表示する。操作者が表示装置26に表示される各種情報を見て、レーザ加工状況を確認して操作するようになっている。
レーザ制御装置27は、レーザ光源2を駆動するパルス信号のパルス幅、パルス周期、出力の開始と停止、等を制御する装置であり、メインコンピュータ24の制御信号により制御される。
レンズ制御装置28は、レンズ移動機構11の移動、停止を制御する装置である。レンズ移動機構11には、移動距離を検出可能な図示しない位置センサが内蔵されており、レンズ制御装置28は、この位置センサの出力を検出することにより、集光レンズ8の光軸7方向の位置を認識する。レンズ制御装置28は、レンズ移動機構11にパルス信号を送信し、レンズ移動機構11を所望の位置に移動することができるようになっている。
レンズ制御装置28は、レンズ移動機構11の移動、停止を制御する装置である。レンズ移動機構11には、移動距離を検出可能な図示しない位置センサが内蔵されており、レンズ制御装置28は、この位置センサの出力を検出することにより、集光レンズ8の光軸7方向の位置を認識する。レンズ制御装置28は、レンズ移動機構11にパルス信号を送信し、レンズ移動機構11を所望の位置に移動することができるようになっている。
画像処理装置29は、撮像装置12から出力される画像データを演算する機能を備えている。ステージ20にワーク9を配置し、撮像装置12で撮像した画像を観察するとき、レンズ移動機構11を操作して、集光レンズ8とワーク9との距離を変えることにより画像が鮮明になるときとぼやけるときが存在する。集光レンズ8を移動して、ワーク9のステージ20側の面に焦点が合うときと、ワーク9の光学経路部3側の面に焦点が合うときに、撮像される画像が鮮明になる。一方、焦点が合っていないとき、撮像される画像は、ぼやけた画像となる。
集光レンズ8を光軸7の方向に移動して、撮像装置12が撮像する画像が鮮明になる集光レンズ8の位置を、内蔵する位置センサで検出することにより、ワーク9の厚みを測定することが可能となる。
撮像装置12で撮像するときに焦点が合う合焦点位置と、レーザ光を照射したときに、集光レンズ8により集光される集光位置との差の距離を計測することで、合焦点位置と集光位置の差の距離であるオフセット距離を知ることができる。例えば、透明な2枚の基板を重ねた物をワーク9としてステージ20に設置し、2枚の基板の接触部に撮像装置12の焦点が合うように集光レンズ8を移動する。次に、レーザ光を照射して改質部を形成する。2枚の基板の接触部と改質部の距離を計測することでオフセット距離を設定することができる。
集光レンズ8を光軸7方向に移動して、ワーク9の光学経路部3側の面に撮像装置12の焦点を合わせる。レーザ光を照射したい位置とオフセット距離とで集光レンズ8の移動距離を演算し、演算した移動距離と同じ距離分、集光レンズ8を移動させる。この方法でワーク9における所定の深さにレーザ光を集光することが可能となる。
ステージ制御装置30は、X軸スライド17とY軸スライド19との位置情報の取得と移動制御を行う。X軸スライド17とY軸スライド19とには図示しない位置センサが内蔵されており、ステージ制御装置30は位置センサの出力を検出することにより、X軸スライド17とY軸スライド19との位置を検出する。ステージ制御装置30は、X軸スライド17とY軸スライド19との位置情報を取得し、メインコンピュータ24から指示される位置情報とを比較し、差に相当する距離に対応して、X軸スライド17とY軸スライド19とを駆動して移動する。ステージ制御装置30はX軸スライド17とY軸スライド19とを駆動して、所望の位置にワーク9を移動することが可能となっている。
レーザ制御装置27がレーザ光源2を制御しレーザ光を発光させる。画像処理装置29がワーク9の面の光軸方向の位置を検出する。レンズ制御装置28がレーザ光を集光する光軸方向の位置を制御する。ステージ制御装置30がワーク9をXY方向に移動して、ワーク9にレーザ光が照射される位置を制御する。上述した制御を行い所望の位置にレーザ光を集光して照射することが可能となっている。
ここで、多光子吸収による改質部の形成について説明する。集光レンズ8によって集光されたレーザ光は、ワーク9に入射する。そして、ワーク9がレーザ光を透過する材料であっても、材料の吸収バンドギャップEgよりも光子のエネルギーhνが非常に大きいとき、ワーク9は光子エネルギーを吸収する。これを多光子吸収と言い、レーザ光のパルス幅を極めて短くすることでエネルギーを高めて、多光子吸収をワーク9の内部に起こさせると、多光子吸収のエネルギーが熱エネルギーに転化せずに、永続的な構造変化が誘起された領域が形成される。
本実施形態では、この構造変化領域を改質部と呼ぶ。改質部のうち、大きく構造変化した結果複数のクラックが形成された領域をクラック部と呼ぶ。
このような改質部を形成するためのレーザ光の照射条件は、加工対象物ごとにレーザ光の出力やパルス幅、パルス周期、レーザスキャン速度等の設定が必要になる。特に、レーザ光源2が照射するレーザ光の出力は、ダイクロイックミラー6や集光レンズ8のような光軸7上に配置される透過性物質による吸収で減衰することを考慮する必要がある。従って、実際の加工対象物を用いた予備試験を実施して、最適な照射条件を導くことが望ましい。
(レーザスクライブ方法)
次に本発明のレーザスクライブ方法について図2〜図4にて説明する。図2は、レーザスクライブ方法のフローチャートであり、図3及び図4はレーザスクライブ方法を説明する図である。
次に本発明のレーザスクライブ方法について図2〜図4にて説明する。図2は、レーザスクライブ方法のフローチャートであり、図3及び図4はレーザスクライブ方法を説明する図である。
図2のフローチャートにおいて、ステップS1は遮光膜形成工程に相当し、基板に遮光膜を形成する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は、スクライブ工程に相当し、基板の内部に改質部を形成する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は、分断工程に相当し、ワーク9を分断する工程である。
次に、図3及び図4を用いて、図2に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。
図3(a)はステップS1に対応する図である。図3(a)に示すように、基板34に遮光膜35を形成する。基板34はレーザ光及び可視光の透過性を有する材料であれば良く、本実施形態では石英ガラスを採用している。遮光膜35の材質は、可視光を遮断し、レーザ光を透過する特性を有し成膜可能な材質であれば良く、シリコン、ジンクセン(ZnSe)等を用いることができる。本実施形態では、例えば、シリコンを採用している。
図3(a)はステップS1に対応する図である。図3(a)に示すように、基板34に遮光膜35を形成する。基板34はレーザ光及び可視光の透過性を有する材料であれば良く、本実施形態では石英ガラスを採用している。遮光膜35の材質は、可視光を遮断し、レーザ光を透過する特性を有し成膜可能な材質であれば良く、シリコン、ジンクセン(ZnSe)等を用いることができる。本実施形態では、例えば、シリコンを採用している。
遮光膜35を成膜してパターニングする方法は公知の方法にて形成することができる。例えば、熱CVD(Chemical Vapor Deposion)やプラズマCVDを用いてシリコンの膜を形成する。レジストを塗布後、露光し、アルカリ現像液で現像する。本実施形態では、例えば、レジストにOFPR−800LB(東京応化工業製)を採用し、現像液にTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)の3%水溶液を採用している。現像した後、焼成する。本実施形態では、例えば、摂氏120度の空気雰囲気中にて20分放置する条件を採用している。焼成後ドライエッチング法にてエッチングし、レジストを剥離する。レジストを剥離するとパターニングされた遮光膜35が形成される。
図3(b)及び(c)はステップS2に対応する図である。
図3(b)は、基板34を遮光膜35が形成されている側の面から見た図である。図3(b)に示すように、基板34を切断する予定の面を切断予定面34aとする。切断予定面34aに沿って、レーザ光を照射してスクライブを進めていく。
図3(c)に示すように、基板34の遮光膜35が形成されている面からレーザ光36を基板34の内部に照射する。レーザ光36は遮光膜35を透過して、基板34の内部を照射する。レーザ光36が集光された場所には改質部37が形成される。改質部37の中央部で最もレーザ光が集光した領域には複数のクラックからなるクラック部38が形成される。
図3(b)は、基板34を遮光膜35が形成されている側の面から見た図である。図3(b)に示すように、基板34を切断する予定の面を切断予定面34aとする。切断予定面34aに沿って、レーザ光を照射してスクライブを進めていく。
図3(c)に示すように、基板34の遮光膜35が形成されている面からレーザ光36を基板34の内部に照射する。レーザ光36は遮光膜35を透過して、基板34の内部を照射する。レーザ光36が集光された場所には改質部37が形成される。改質部37の中央部で最もレーザ光が集光した領域には複数のクラックからなるクラック部38が形成される。
基板34と集光レンズ8とを相対的に移動し、改質部37を配列して形成する。
図3(d)に示すように、その結果、基板34の内部に改質部37が配列して形成される。
図4(a)に示すように、その結果、基板34の内部にクラック部38が配列して形成され、図3(b)に示す切断予定面34aの全面に渡ってクラック部38が形成される。
図3(d)に示すように、その結果、基板34の内部に改質部37が配列して形成される。
図4(a)に示すように、その結果、基板34の内部にクラック部38が配列して形成され、図3(b)に示す切断予定面34aの全面に渡ってクラック部38が形成される。
図4(b)はステップS3に対応する図である。図4(b)に示すように、基板34を弾性のある台39の上に配置する。基板34の内部に配列して形成されたクラック部38と対応する切断予定面34a上の位置に加圧部材40を配置し、加圧部材40を基板34方向に押圧する。基板34は加圧部材40に押圧された場所が台39に沈み込み、基板34は台39と接触する面に張力が作用する。クラック部38は張力がかかり、クラックを起点として破断が進行し分断される。
図4(c)に示すように、その結果、基板34はクラック部38で分断され、二つに分割される。
図4(c)に示すように、その結果、基板34はクラック部38で分断され、二つに分割される。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、遮光膜35がシリコンを主原料とした材料で形成されていることから、YAGレーザやフェムト秒レーザを光源とした近赤外光のレーザ光36が遮光膜35を透過することができる。従って、レーザ光36は遮光膜35に遮断されることなく基板34を加工することができる。
(1)本実施形態によれば、遮光膜35がシリコンを主原料とした材料で形成されていることから、YAGレーザやフェムト秒レーザを光源とした近赤外光のレーザ光36が遮光膜35を透過することができる。従って、レーザ光36は遮光膜35に遮断されることなく基板34を加工することができる。
(2)本実施形態によれば、レーザ光36を集光して改質部37を形成している。従って、基板34がレーザ光36に対して透過性がある材質であっても、クラック部38を形成してスクライブし、分断することができる。
(3)本実施形態によれば、遮光膜35がシリコンを主原料とした材料で形成されている。シリコンは地球上に豊富に存在する資源であり、入手し易い為、容易に生産することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法について図5〜図11に従って説明する。
次に、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法について図5〜図11に従って説明する。
(液晶表示装置)
最初に液晶表示装置について説明する。図5は、液晶表示装置の模式平面図であり、図6は、図5の液晶表示装置のH−H’線に沿う模式断面図である。
最初に液晶表示装置について説明する。図5は、液晶表示装置の模式平面図であり、図6は、図5の液晶表示装置のH−H’線に沿う模式断面図である。
図5及び図6において、本実施形態の液晶表示装置61は、対をなす基板としてのTFTアレイ基板62と対向基板63とが光硬化性の封止材であるシール材64によって貼り合わされ、このシール材64によって区画される領域内に封入された液晶65を狭持している。シール材64は、基板面内の領域において閉ざされた枠状に形成されている。
シール材64の形成領域の内側で対向基板63の液晶65側の面には、遮光性材料で配線を隠すための周辺見切り66が形成されている。シール材64の外側の領域には、データ線駆動回路67及び実装端子68がTFTアレイ基板62の辺62a(図5中下側の辺)に沿って形成されており、この辺62aに隣接する辺62b及び辺62c(図5中左右の辺)に沿って走査線駆動回路69が形成されている。TFTアレイ基板62の残る辺62d(図5中上側の辺)には、2つの走査線駆動回路69の間を接続するための配線70が設けられている。また、対向基板63のコーナー部の4箇所においては、TFTアレイ基板62と対向基板63との間で電気的導通をとるための基板間導通材71が配設されている。
また、液晶表示装置61はカラー表示用として構成しており、対向基板63において、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタ72R,72G,72Bが保護膜とともに形成されている。カラーフィルタ72R,72G,72Bの各フィルタ素子の間には、遮光膜73が形成されており、カラーフィルタ72R,72G,72Bを通過しない光は遮光膜73が遮断するようになっている。遮光膜73は、周辺見切り66から対向基板63の外周にかけて形成され、シール材64に照射される光を遮断するようになっている。さらに、カラーフィルタ72R,72G,72Bと保護膜のTFTアレイ基板62側には対向電極74と配向膜75とが形成されている。
液晶は、該液晶を挟持する電極に電圧を印加すると液晶分子の液晶の傾き角度が変化する性質を持っており、TFTのスイッチング動作により、液晶にかける電圧をコントロールして液晶の傾き角度を制御し、画素毎に光を透過させたり遮ったりする動作を行う。それにより、透過した光は、画素毎に相対して設置される赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色フィルタを有するカラーフィルタを透過することで、画素毎に対応する各色フィルタの色を色光として透過する。なお、光が液晶により遮られた画素に対応する色フィルタには当然光は入射しないため、黒色となる。このようにTFTのスイッチング動作により、液晶をシャッタとして動作させることにより、画素毎に光の透過をコントロールし、画素を明滅させることにより、カラー映像を表示させることができる。
このような構造を有する液晶表示装置61の画像を表示する領域には、複数の画素がm行n列のマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素の各々には、画素信号をスイッチングするTFT(スイッチング素子)が形成されている。画素信号を供給するデータ線(ソース配線)がTFTのソース電極に電気的に接続され、走査信号を供給する走査線(ゲート配線)がTFTのゲート電極に電気的に接続され、TFTのドレイン電極に画素電極76が電気的に接続されている。画素電極76はカラーフィルタ72R,72G,72Bの各フィルタ素子と対向する場所に形成されている。走査線が接続されるTFTのゲート電極には、所定のタイミングで、走査線からパルス信号の走査信号が供給される。
画素電極76は、TFTのドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFTを一定期間だけオン状態とすることにより、データ線から供給される画素信号が各画素の画素電極76に所定のタイミングで供給される。このようにして画素電極76に供給された所定レベルの画素信号の電圧レベルは、図6に示す対向基板63の対向電極74と画素電極76との間で保持され、画素信号の電圧レベルに応じて、液晶65の光透過量が変化する。液晶表示装置61はカラーフィルタを備えており、カラーフィルタ72R,72G,72Bを透過する光を液晶65からなる液晶層を挟持する電極に印加する画像信号により制御することで、液晶表示装置61はカラー画像を表示することができる。
画素電極76の対向基板63側には配向膜77が配置されている。配向膜75と配向膜77とにはその表面に溝状の凹凸が形成されており、配向膜75と配向膜77との間に充填された液晶65は、溝状の凹凸に沿って配列して形成される。
対向基板63のTFTアレイ基板62と反対側の面には、第1の防塵基板78が配置されている。第1の防塵基板78のTFTアレイ基板62側の面には遮光膜79が形成されている。カラーフィルタ72R,72G,72Bの各フィルタの間に形成されている遮光膜73と、第1の防塵基板78に形成されている遮光膜79とは略対向する位置に形成され、対向基板63に対して斜めに入射する光は、各フィルタの間の遮光膜73と、第1の防塵基板78に形成されている遮光膜79とにより遮断されるようになっている。
同じく、TFTアレイ基板62の対向基板63と反対側の面には、第2の防塵基板80が配置されている。第2の防塵基板80の対向基板63側の面には、遮光膜81が形成されている。カラーフィルタ72R,72G,72Bの各フィルタの間に形成されている遮光膜73と、第1の防塵基板78に形成されている遮光膜79と第2の防塵基板80に形成された遮光膜81とは略対向する位置に形成される。TFTアレイ基板62に対して斜めに入射する光は、各フィルタの間の遮光膜73と、第2の防塵基板80に形成されている遮光膜81とにより遮断されるようになっている。
液晶表示装置61が形成する画像は、図示しない投射レンズによりスクリーンに投射される。第1の防塵基板78の対向基板63と反対側の面に塵が付着したとき、液晶65と塵とは、対向基板63と第1の防塵基板78との厚み分離れるため、塵の画像がスクリーンに投射される画像は、ぼやけた画像となり、液晶65が形成する画像に影響が及ばないようになっている。同様に、第2の防塵基板80のTFTアレイ基板62と反対側の面に塵が付着したとき、塵の画像がスクリーンに投射される画像は、ぼやけた画像となり、液晶65が形成する画像に影響が及ばないようになっている。
(液晶表示パネルマザー基板)
次に、液晶表示装置61が区画形成されたマザー基板100について説明する。図7は液晶表示パネルが区画形成されたマザー基板を示す模式図である。図7(a)は、対向基板側から見た平面図であり、図7(b)は、図7(a)のB−B線に沿った概略断面図である。
次に、液晶表示装置61が区画形成されたマザー基板100について説明する。図7は液晶表示パネルが区画形成されたマザー基板を示す模式図である。図7(a)は、対向基板側から見た平面図であり、図7(b)は、図7(a)のB−B線に沿った概略断面図である。
図7(a)及び(b)に示すように、マザー基板100は、素子マザー基板101と対向マザー基板102とが接着されている。素子マザー基板101には、1つの液晶表示装置61のTFTアレイ基板62に相当する素子基板区画62eが複数区画形成されている。対向マザー基板102には、1つの液晶表示装置61の対向基板63に相当する対向基板区画63aが複数区画形成されている。素子マザー基板101と対向マザー基板102とは、素子基板区画62eと対向基板区画63aとの位置関係が、液晶表示装置61におけるTFTアレイ基板62と対向基板63との位置関係となるように、シール材64によって貼り合わされている。シール材64によって囲まれた素子マザー基板101と対向マザー基板102との隙間には、液晶65が封入されている。
対向マザー基板102の素子マザー基板101と反対側の面には、第1の防塵マザー基板103が接着されている。素子マザー基板101の対向マザー基板102と反対側の面には、第2の防塵マザー基板104が接着されている。
マザー基板100から液晶表示装置61を切出すために切断する予定の面をそれぞれ、切断予定面としてのH素子切断面105、V素子切断面106、H対向切断面107、V対向切断面108と表記する。H素子切断面105は、二点鎖線で示した素子マザー基板101の切断面であり、図7(a)のX軸方向に延在する切断面である。V素子切断面106は、二点鎖線で示した素子マザー基板101の切断面であり、図7(a)のY軸方向に延在する切断面である。H対向切断面107は、一点鎖線で示した対向マザー基板102の切断面であり、図7(a)のX軸方向に延在する切断面である。V対向切断面108は、一点鎖線で示した対向マザー基板102の切断面であり、図7(a)のY軸方向に延在する切断面である。図7に示した、105a,105b,105cは、それぞれH素子切断面105であり、106a,106b,106cは、それぞれV素子切断面106である。107a,107b,107c,107d,107eは、それぞれH対向切断面107であり、108a,108b,108c,108d,108eは、それぞれV対向切断面108である。
(基板の分断方法)
次に上述した液晶表示装置61における基板の分断方法について図8〜図11にて説明する。図8は、基板の分断方法のフローチャートであり、図9〜図11は基板の分断方法を説明する図である。
次に上述した液晶表示装置61における基板の分断方法について図8〜図11にて説明する。図8は、基板の分断方法のフローチャートであり、図9〜図11は基板の分断方法を説明する図である。
図8のフローチャートにおいて、ステップS11は第1の防塵基板の遮光膜形成工程に相当し、第1の防塵マザー基板103に遮光膜を形成する工程である。次にステップS12に移行する。ステップS12は第2の防塵基板の遮光膜形成工程に相当し、第2の防塵マザー基板104に遮光膜を形成する工程である。次にステップS13に移行する。ステップS13は防塵基板接着工程に相当し、対向マザー基板102と第1の防塵マザー基板103とを接着し、素子マザー基板101と第2の防塵マザー基板104とを接着する工程である。次にステップS14に移行する。ステップS14は対向基板のスクライブ工程に相当し、対向マザー基板102と第1の防塵マザー基板103とにスクライブ加工をする工程である。次にステップS15に移行する。ステップS15はTFT基板のスクライブ工程に相当し、素子マザー基板101と第2の防塵マザー基板104とにスクライブ加工をする工程である。次にステップS16に移行する。ステップS16は対向基板の分断工程に相当し、対向マザー基板102と第1の防塵マザー基板103とにスクライブされた場所を分断する工程である。次にステップS17に移行する。ステップS17はTFT基板の分断工程に相当し、素子マザー基板101と第2の防塵マザー基板104とにスクライブされた場所を分断する工程である。
次に、図9〜図11を用いて、図8に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。図11に示すマザー基板100において、切断する面は多く存在するが、その中でH素子切断面105とH対向切断面107との切断面の例を説明する。V素子切断面106とV対向切断面108との切断面も同様の方法にて切断が可能である。
図9(a)はステップS11に対応する図である。図9(a)に示すように、第1の防塵マザー基板103に遮光膜79を形成し、パターン形成する。遮光膜79はシリコンを主成分とした材料で形成されている膜であり、膜の形成方法は前記第1の実施形態と同じ方法で形成される。
図9(b)はステップS12に対応する図である。図9(b)に示すように、第2の防塵マザー基板104に遮光膜81を形成し、パターン形成する。遮光膜81はステップS11と同じ方法で形成される。
図9(c)はステップS13に対応する図である。図9(c)に示すように、対向マザー基板102と第1の防塵マザー基板103とを接着し、素子マザー基板101と第2の防塵マザー基板104とを接着する。その結果、対向マザー基板102と第1の防塵マザー基板103とが重なり、素子マザー基板101と第2の防塵マザー基板104とが重なり、液晶65を挟持する構造となる。
図10(a)はステップS14に対応する図である。図10(a)に示すように、第1の防塵マザー基板103には遮光膜79が形成されている。集光レンズ8によりレーザ光36を照射し、第1の防塵マザー基板103側から対向マザー基板102の内部に、レーザ光36を照射する。H対向切断面107bとH対向切断面107cにレーザ光36を照射するとき、H対向切断面107bとH対向切断面107cとの近くに遮光膜79が配置されている為、レーザ光36が遮光膜79に照射される。レーザ光36は遮光膜79を透過することから、レーザ光36は、H対向切断面107bとH対向切断面107cとにおいて、対向マザー基板102内部に集光し改質部37が形成される。改質部37の中央部で最もレーザ光が集光した領域には複数のクラックからなるクラック部が形成される。
このステップでは、マザー基板100と集光レンズ8とを相対的に移動し、マザー基板100における、図7に示す総てのH対向切断面107とV対向切断面108との切断面に対して改質部37を形成する。
このステップでは、マザー基板100と集光レンズ8とを相対的に移動し、マザー基板100における、図7に示す総てのH対向切断面107とV対向切断面108との切断面に対して改質部37を形成する。
図10(b)はステップS15に対応する図である。図10(b)に示すように、第2の防塵マザー基板104には遮光膜81が形成されている。第2の防塵マザー基板104側から素子マザー基板101の内部に、集光レンズ8からレーザ光36を照射する。素子マザー基板101と第2の防塵マザー基板104とのH素子切断面105bにレーザ光36を照射して集光し、改質部37が形成される。改質部37の中央部で最もレーザ光が集光した領域には複数のクラックからなるクラック部が形成される。
このステップでは、マザー基板100と集光レンズ8とを相対的に移動し、マザー基板100における、図7に示す総てのH素子切断面105とV素子切断面106との切断面に対して改質部37を形成する。
このステップでは、マザー基板100と集光レンズ8とを相対的に移動し、マザー基板100における、図7に示す総てのH素子切断面105とV素子切断面106との切断面に対して改質部37を形成する。
図11(a)はステップS16に対応する図である。図11(a)に示すように、マザー基板100を弾性のある台39の上に配置する。対向マザー基板102の内部に配列して形成された改質部37と対向する第2の防塵マザー基板104上の位置に加圧部材40を配置し、加圧部材40を第2の防塵マザー基板104に押圧する。第1の防塵マザー基板103と対向マザー基板102とは加圧部材40に押圧された場所が台39に沈み込み、第1の防塵マザー基板103と対向マザー基板102との台39側の面に張力が作用する。改質部37の内部に形成されたクラック部に張力がかかり、クラックから破断が進行し分断される。その結果、第1の防塵マザー基板103と対向マザー基板102とは改質部37で分断される。
このステップでは、マザー基板100における、図7に示す総てのH対向切断面107とV対向切断面108との切断面に対して改質部37を分断する。
このステップでは、マザー基板100における、図7に示す総てのH対向切断面107とV対向切断面108との切断面に対して改質部37を分断する。
図11(b)はステップS17に対応する図である。図11(b)に示すように、マザー基板100を弾性のある台39の上に配置する。このとき、マザー基板100を反転して、第2の防塵マザー基板104が台39と接するように配置する。素子マザー基板101の内部に配列して形成された改質部37と対向する第1の防塵マザー基板103上の位置に加圧部材40を配置し、加圧部材40を第1の防塵マザー基板103に押圧する。第2の防塵マザー基板104と素子マザー基板101とは加圧部材40に押圧された場所が台39に沈み込み、第2の防塵マザー基板104と素子マザー基板101との台39側の面に張力が作用する。改質部37の内部に形成されたクラック部に張力がかかり、クラックから破断が進行し分断される。その結果、第2の防塵マザー基板104と素子マザー基板101とは改質部37で分断される。
このステップでは、マザー基板100における、総ての図7に示すH素子切断面105とV素子切断面106との切断面に対して改質部37を分断する。
このステップでは、マザー基板100における、総ての図7に示すH素子切断面105とV素子切断面106との切断面に対して改質部37を分断する。
以上のステップでマザー基板100における、総ての図7に示すH対向切断面107、V対向切断面108、H素子切断面105、V素子切断面106の切断面に対して、改質部37が分断される。そして、個々の液晶表示装置61に分離される。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1の防塵マザー基板103に遮光膜79が形成されている。H対向切断面107b,107cをスクライブするためにレーザ光36を照射するとき、レーザ光36の一部が遮光膜79を照射する。遮光膜79は、シリコンを主成分とした材料から形成されている為、レーザ光36を透過する。集光レンズ8から照射されたレーザ光36は、遮光膜79を透過し対向マザー基板102に集光して改質部37を形成することができる。従って、遮光膜79があっても改質部37を形成することができる為、遮光膜79がある場合にも対向マザー基板102と第1の防塵マザー基板103とを品質良く分断することができる。
この表示装置によれば、表示装置は上記の遮光膜を備えた基板を有することから、遮光膜が遮光すると共に、遮光膜のある場所であっても、基板をレーザ光でスクライブして分断することができる。
(1)本実施形態によれば、第1の防塵マザー基板103に遮光膜79が形成されている。H対向切断面107b,107cをスクライブするためにレーザ光36を照射するとき、レーザ光36の一部が遮光膜79を照射する。遮光膜79は、シリコンを主成分とした材料から形成されている為、レーザ光36を透過する。集光レンズ8から照射されたレーザ光36は、遮光膜79を透過し対向マザー基板102に集光して改質部37を形成することができる。従って、遮光膜79があっても改質部37を形成することができる為、遮光膜79がある場合にも対向マザー基板102と第1の防塵マザー基板103とを品質良く分断することができる。
この表示装置によれば、表示装置は上記の遮光膜を備えた基板を有することから、遮光膜が遮光すると共に、遮光膜のある場所であっても、基板をレーザ光でスクライブして分断することができる。
(第3の実施形態)
次に、上記の第2の実施形態の液晶表示装置61を備えた電子機器について説明する。
図12は、プロジェクタに液晶表示装置を搭載した例を示す概略斜視図である。図12に示すように、電子機器としてのプロジェクタ110の本体は情報を表示する表示装置111を備えている。この表示装置111に、第2の実施形態により製造された液晶表示装置61が配設されている。プロジェクタ110に配置されている表示装置111は、上記の実施形態により製造された、シリコンを主成分とした遮光膜を備え、レーザ光でスクライブして分割された液晶表示装置61を搭載しているので、表示装置111にシリコンを主成分とした遮光膜を備え、レーザ光でスクライブして分割された液晶表示装置61を備えた電子機器となる。
次に、上記の第2の実施形態の液晶表示装置61を備えた電子機器について説明する。
図12は、プロジェクタに液晶表示装置を搭載した例を示す概略斜視図である。図12に示すように、電子機器としてのプロジェクタ110の本体は情報を表示する表示装置111を備えている。この表示装置111に、第2の実施形態により製造された液晶表示装置61が配設されている。プロジェクタ110に配置されている表示装置111は、上記の実施形態により製造された、シリコンを主成分とした遮光膜を備え、レーザ光でスクライブして分割された液晶表示装置61を搭載しているので、表示装置111にシリコンを主成分とした遮光膜を備え、レーザ光でスクライブして分割された液晶表示装置61を備えた電子機器となる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、レーザ光源2は、フェムト秒レーザを用いたが、LD励起Nd:YAGのレーザ媒質を用いて発光するレーザ光をQスイッチパルス発振させて、レーザ光の光強度を高めているレーザ光を用いても良い。このとき、分極反転光デバイスを用いて波長を変換しても良い。条件を調整して、基板内部に改質部が形成可能な条件を用いてスクライブし、分断しても良い。その結果、第1の実施形態の効果(1)〜(3)と同等の効果を有することができる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、レーザ光源2は、フェムト秒レーザを用いたが、LD励起Nd:YAGのレーザ媒質を用いて発光するレーザ光をQスイッチパルス発振させて、レーザ光の光強度を高めているレーザ光を用いても良い。このとき、分極反転光デバイスを用いて波長を変換しても良い。条件を調整して、基板内部に改質部が形成可能な条件を用いてスクライブし、分断しても良い。その結果、第1の実施形態の効果(1)〜(3)と同等の効果を有することができる。
(変形例2)
前記第3の実施形態で、電気光学装置としての液晶表示装置61をプロジェクタ110の表示部に用いたが、これに限定されない。例えば、パーソナルコンピュータ、電子ブック、携帯電話、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等の電子機器の画像表示手段として好適に用いることができる。いずれの場合でも、表示部にレーザ光を透過する遮光膜が形成された基板を有して、遮光膜を通過したレーザ光でスクライブされ、分割された液晶表示装置61を備えた電子機器を提供することができる。
前記第3の実施形態で、電気光学装置としての液晶表示装置61をプロジェクタ110の表示部に用いたが、これに限定されない。例えば、パーソナルコンピュータ、電子ブック、携帯電話、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等の電子機器の画像表示手段として好適に用いることができる。いずれの場合でも、表示部にレーザ光を透過する遮光膜が形成された基板を有して、遮光膜を通過したレーザ光でスクライブされ、分割された液晶表示装置61を備えた電子機器を提供することができる。
(変形例3)
前記第2の実施形態で、第1の防塵基板78に形成された遮光膜79と、第2の防塵基板80に形成された遮光膜81とにレーザ光に対して透過性のある膜を形成したが、防塵基板に限らず、TFTアレイ基板62と、対向基板63とに、レーザ光に対して透過性のある遮光膜を形成しても良い。遮光膜を透過してレーザ光を照射し改質部を形成して、基板を分断することができる。
前記第2の実施形態で、第1の防塵基板78に形成された遮光膜79と、第2の防塵基板80に形成された遮光膜81とにレーザ光に対して透過性のある膜を形成したが、防塵基板に限らず、TFTアレイ基板62と、対向基板63とに、レーザ光に対して透過性のある遮光膜を形成しても良い。遮光膜を透過してレーザ光を照射し改質部を形成して、基板を分断することができる。
(変形例4)
前記第2の実施形態では、液晶表示装置61の事例を示したが、これに限らない。有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、表面電界ディスプレイ等において、基板の遮光膜に近赤外線のレーザ光に対して透過性のある遮光膜を形成しても良い。遮光膜を透過してレーザ光を照射し改質部を形成して、基板を分断することができる。
前記第2の実施形態では、液晶表示装置61の事例を示したが、これに限らない。有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、表面電界ディスプレイ等において、基板の遮光膜に近赤外線のレーザ光に対して透過性のある遮光膜を形成しても良い。遮光膜を透過してレーザ光を照射し改質部を形成して、基板を分断することができる。
2…レーザ光源、34…基板、35,79…遮光膜、36…レーザ光、37…改質部、61…液晶表示装置、78…基板としての第1の防塵基板、80…基板としての第2の防塵基板、103…基板としての第1の防塵マザー基板、104…基板としての第2の防塵マザー基板、110…電子機器としてのプロジェクタ、111…表示装置。
Claims (8)
- 可視光を透過する基板の分断方法であって、
可視光を遮断し、近赤外光を透過する材質を主成分とする遮光膜パターンを形成する遮光膜形成工程と、
レーザ光を用いて前記基板の内部に改質部を形成するスクライブ工程と、
前記改質部を押圧して、前記基板を分断する分断工程と、を有することを特徴とする基板の分断方法。 - 請求項1に記載の基板の分断方法であって、
前記レーザ光の光源は、YAGレーザ又はフェムト秒レーザであることを特徴とする前記基板の分断方法。 - 請求項1に記載の基板の分断方法であって、
前記遮光膜は主成分がシリコンで構成されていることを特徴とする基板の分断方法。 - 可視光を透過する基板であって、
可視光を遮断し、近赤外光を透過する材質を主成分とする遮光膜パターンを有することを特徴とする基板。 - 請求項4に記載の基板であって、
前記遮光膜は主成分がシリコンで構成されていることを特徴とする基板。 - 可視光を透過する基板を備えた表示装置であって、
前記基板は、請求項4又は5に記載の基板を有することを特徴とする表示装置。 - 請求項6に記載の表示装置であって、
前記表示装置は液晶表示装置であることを特徴とする表示装置。 - 請求項6又は7に記載の表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006106049A JP2007276278A (ja) | 2006-04-07 | 2006-04-07 | 基板及びその分断方法、ならびに表示装置、電子機器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014010506A1 (ja) * | 2012-07-09 | 2014-01-16 | 旭硝子株式会社 | 膜付ガラス板の切断方法 |
JP2015109450A (ja) * | 2010-06-22 | 2015-06-11 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated | フェムト秒レーザ及びプラズマエッチングを用いたウェハダイシング |
-
2006
- 2006-04-07 JP JP2006106049A patent/JP2007276278A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015109450A (ja) * | 2010-06-22 | 2015-06-11 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated | フェムト秒レーザ及びプラズマエッチングを用いたウェハダイシング |
JP2017208539A (ja) * | 2010-06-22 | 2017-11-24 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated | フェムト秒レーザ及びプラズマエッチングを用いたウェハダイシング |
WO2014010506A1 (ja) * | 2012-07-09 | 2014-01-16 | 旭硝子株式会社 | 膜付ガラス板の切断方法 |
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