JP2007274362A - 静電型スピーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】静電型スピーカにおいて指向特性等を制御することができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の静電型スピーカは、電極20と、前記電極に対向して離間配置され、前記電極との電位差に応じて変位するシート状の導電性振動体10とを有するスピーカであって、無変位状態における前記振動体と前記電極との間隔が2以上の位置において異なることを特徴とする。この静電型スピーカによれば、振動体と電極との間隔を場所に応じて異ならせることにより振動体に働く静電力を振動体の場所によって異ならせることができる。これにより、振動体の振動によって発生する音の指向特性や出力特性といった各種特性を制御することができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の静電型スピーカは、電極20と、前記電極に対向して離間配置され、前記電極との電位差に応じて変位するシート状の導電性振動体10とを有するスピーカであって、無変位状態における前記振動体と前記電極との間隔が2以上の位置において異なることを特徴とする。この静電型スピーカによれば、振動体と電極との間隔を場所に応じて異ならせることにより振動体に働く静電力を振動体の場所によって異ならせることができる。これにより、振動体の振動によって発生する音の指向特性や出力特性といった各種特性を制御することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、静電型スピーカの内部構造に関する。
静電型スピーカ(コンデンサスピーカ)といわれるスピーカが知られている。静電型スピーカは、特に、軽量、コンパクトに設計することができるという点において注目されている。静電型スピーカは、典型的には、空隙を隔てて向かい合う2枚の平行平面電極と、電極の間に挿入され両端を固定した導電性のシート状の部材(以下、振動板または振動膜という)とから構成される。音声発生のメカニズムはおおよそ次の通りである。平行平面電極および振動板に所定の電圧を印加すると、生じた電位差によって一方の電極側に引き寄せる力が振動板に働く。振動板は、両端が固定されているがある程度の弾性があるためその中央部分が変位することになり、結果として振動板は撓むことになる。この状態で、電位差を反転させると、振動板には逆方向の力が働き、振動体は逆方向に撓む。こうような電位差の反転を繰り返せば、振動板は振動する。このように、電極に適宜電圧を印加することよって、振動板の振動状態(振動数や振幅など)を変化させることができる。印加電圧値を入力信号に応じて変化させれば、振動板はそれに応じて振動し、結果として振動板から入力信号に対応した音声が発生することになる(特許文献1ないし3等を参照)。
しかしながら、平面スピーカは、一般に音響特性の指向性が強いことが知られている。また、指向性は周波数特性を有している。すなわち、特に高周波帯域において、低周波帯域よりも指向性が強いことが知られている。このように周波数帯域により指向性が異なることにより、場所により聞こえる音が均一でなくなるという問題があった。また、振動板の面積が比較的大きいために、サイドローブが現れてしまうことがあった。
ここで、所望の指向性を実現させる方法としては、代表的なものとして、スピーカユニットを複数設け、各ユニットに供給する入力信号のレベルや遅延などを制御するというスピーカアレイの技術が知られている。しかし、静電型スピーカを用いてスピーカアレイを構成すると、電極および振動板の組を複数用意するか、もしくは一枚の振動板を分割してその領域ごとに独立して振動状態を制御できるような構成としなければならない。さらに、各スピーカユニットに供給する信号を制御する電気回路が必要となる。これでは、スピーカ全体の構造が複雑になり、製造コストも嵩む。このように、従来の静電型スピーカにおいては、生成される音の特性を制御することが困難であった。
特許第3353031号公報
特許第3277498号公報
特公平7−038758号公報
本発明は、上述した背景に鑑みてなされたものであり、静電型スピーカにおいて発生する音の特性を制御することができる技術を提供することを目的とする。
本発明に係る静電型スピーカは、電極と、前記電極に対向して離間配置され、前記電極との電位差に応じて変位するシート状の振動体とを有し、無変位状態における前記振動体と前記電極との間隔が2以上の位置において異なることを特徴とすることを特徴とする。
本発明によれば、振動体と電極との間隔を場所に応じて異ならせることにより振動体に働く静電力を振動体の場所によって異ならせることができる。これにより、振動体の振動によって発生する音の指向特性や出力特性といった各種特性を制御することができる。
本発明によれば、振動体と電極との間隔を場所に応じて異ならせることにより振動体に働く静電力を振動体の場所によって異ならせることができる。これにより、振動体の振動によって発生する音の指向特性や出力特性といった各種特性を制御することができる。
好ましい態様において、前記振動体と前記平面電極との間に介挿された弾性体を更に備える。
前記間隔は、前記振動体の振動によって発生する音の指向特性に基づいて決定されてもよい。前記指向特性は、サイドローブを抑制するための重み付け特性に基づいて決定されてもよい。
別の好ましい態様において、前記電極は、前記無変位状態における振動体と平行な面を有する複数の領域から構成される。
別の好ましい態様において、前記複数の領域の各々に対応する空間領域に介挿された複数の弾性部材から構成された弾性体を更に備え、各弾性部材の弾性率は、前記複数の弾性部材が前記振動体の対応する領域にそれぞれ及ぼす力が等しくなるように決定される。
別の好ましい態様において、前記間隔は位置に対して連続的に変化する。
以下、本発明の好適な態様について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一の態様に係る静電型スピーカ1の主要構造の断面を模式的に示した図である。同図に示すように、静電型スピーカ1は、振動体10と、振動体10と対向し、少なくとも振動体10がその弾性によって撓んでも接触しない程度に離間配置された2枚の対向電極20とから構成される。振動体10は、PET(polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)、PP(polypropylene、ポリプロピレン)などのフィルムに金属膜を蒸着しあるいは導電塗料を塗布した導電性膜(あるいは板)であり、塩化ビニル、アクリル(メチルメタアクリレート)、ゴム等の絶縁材料により形成された固定手段Tにおいて、所定の張力が振動体10にかかった状態で、例えばその四隅が筐体(図示省略)に固定される。なお、振動体10の固定方法はこれに限られず、振動体10が両対向電極20間において、所定の位置を中心として振動可能に支持されていればよい。ただし、図1に示すように、振動体10は、両対向電極20からの距離が等しい位置(すなわち極板間のちょうど中心)に固定されるのが好ましい。
図1は、本発明の一の態様に係る静電型スピーカ1の主要構造の断面を模式的に示した図である。同図に示すように、静電型スピーカ1は、振動体10と、振動体10と対向し、少なくとも振動体10がその弾性によって撓んでも接触しない程度に離間配置された2枚の対向電極20とから構成される。振動体10は、PET(polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)、PP(polypropylene、ポリプロピレン)などのフィルムに金属膜を蒸着しあるいは導電塗料を塗布した導電性膜(あるいは板)であり、塩化ビニル、アクリル(メチルメタアクリレート)、ゴム等の絶縁材料により形成された固定手段Tにおいて、所定の張力が振動体10にかかった状態で、例えばその四隅が筐体(図示省略)に固定される。なお、振動体10の固定方法はこれに限られず、振動体10が両対向電極20間において、所定の位置を中心として振動可能に支持されていればよい。ただし、図1に示すように、振動体10は、両対向電極20からの距離が等しい位置(すなわち極板間のちょうど中心)に固定されるのが好ましい。
対向電極20は、金属板、金属板に穴を開けたパンチングメタル、スパッタ加工済み不織布、導電性塗料が塗布された不織布などの導電性を備え、且つ音波透過性の高い材料から構成され、静電型スピーカ1の筐体(図示せず)に固定される。また、静電型スピーカ1は、図示せぬ電源と外部から音声信号を入力する入力部とを備え、入力音声信号に応じた電圧を対向電極20および振動体10にそれぞれ印加することができるようになっている。印加電圧によって対向電極20との間に所定の電位差が生成されると、振動体10にはどちらかの電極20の側へ引き寄せられるような静電力が働く。すなわち、振動体10は入力信号に応じて同図の紙面上下方向に変位し(撓み)、その変位方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音が振動体10から発生する。なお、以下では、対向電極20をペアで設ける場合(いわゆるプッシュ・プル方式)について説明するが、対向電極20を1つのみ設ける構成も可能である。要は、入力信号に応じた静電力が振動体10に作用する構成であればよい。
同図に示すように、本発明においては、対向電極20と無変位状態にある振動体10との間隔dがその場所ごとによって異なっている。一例として、領域Iと領域Vにおいてはその間隔はd3、領域IIと領域IVにおいてはその間隔はd2、領域IIIにおいてはその間隔はd1となっている例が示されている。
静電型スピーカ1を上方(または下方)から見た図を図2に示す。同図から、両対向電極20には振動体10までの距離(従って、もう一方の対向電極20までの距離)が異なる領域が3つ存在していることが判る。
この間隔dは、振動体10にて発生する音の指向特性などに基づいて任意に決定することができる。これは、振動体10と対向電極20との距離が異なると振動体10において該当する領域に働く静電力が異なるからである。具体的には、振動体10にて発生する音響波の音圧は間隔dの2乗に反比例するから、例えば音圧値を4倍にしたければ、間隔dを1/2にすればよい。このように、間隔dを変えることにより、振動体10から発生する音響波の音圧を制御することができる。
例えば、平面型スピーカに特徴的な発生した音の指向特性において出現するサイドローブを抑制して鋭い指向特性の音を生成するため、あるいはメインローブを抑制して広い指向性の音を生成するために、予め振動体の各場所にかかる力とそれによる振動状態の変化との関係についてシミュレーションを行うなどして、所望の指向特性を実現するために最適な音圧の重み付け特性を決定しておく。そして、この重み付け特性に対応するように、距離dおよび領域(領域の数や各電極領域の「形状」)を設定する。この重み付け特性としては、実現すべき指向(抑制)特性に応じて、二項分布関数、正規分布関数、ドルフチェビシェフ特性といった既知の重み付け特性を用いることができる。そして、この重み付け特性に所定の離散化処理を施すことによって、領域と各領域における間隔d(換言すれば対向電極20の断面構造)が定めることができる。
なお、図2においては、領域の形成方向は一次元であったが、これに限らず、例えば図3に示すように、二次元的に領域(同図における領域A、B、C)を形成してもよい。
図4は、本発明の他の好適な態様に係る静電型スピーカ1の主要構造の断面図である。本態様においては、振動体10と対向電極20の間の空間に弾性体30が挿入されることを特徴とする。弾性体30は、所定の弾性率(例えば厚さ方向に関する線弾性係数(ヤング率)等で表すことができる)を有する不織布、綿、スポンジなど、外部からの力に対して変形することができる材料であって、例えばその表面に接着層を塗布し、この接着層を介して対向電極20に固定される。あるいは、複数のばねを被服材で包んだ構造であってもよい。この態様においては、振動体10が変位(振動)すると、弾性体30は弾性率に応じて変形するとともに、その変位に対して逆方向の力(復元力)が振動体10に作用する。
この弾性率は、例えば所望の周波数特性に基づいて決定することができる。静電型スピーカにおいては、最低共振周波数f0と、系の等価スティフネスSM(かけられた負荷と変位との比例定数であって単位はMKS系で[N/m];具体的には振動体10に与えられる張力SMに起因したスティフネス)との間には、一般的には、次のような関係が成り立つことが知られている。
ここで、C0は両対向電極20および振動体10により形成されるコンデンサの静電容量である。対向電極20と振動体10との間に直流電界および入力信号が加えられない状態(すなわち無変位状態)における対向電極20と振動体10との距離をd、直流電界および入力信号が加えられたときの振動体10の変位量をx0とすると、次式が成り立つ。
また、E0は、対向電極20に印加されるバイアス電圧、すなわち、共通接地から対向電極20の電位である。εは、弾性体30の誘電率である。Sは、振動体10の、対向電極20と対向する面の面積である。MMDは、振動体10の質量である。MMAは、振動体10の片側の空気付加質量(放射質量)である。
数2をSMについて解くと、次式のようになる。
ここで、SMEはSME=εSE0 2/(d+x0)3であり、コンデンサの負スティフネスを表す。上述のように、SMは系の等価スティフネスであるが、本態様の場合、これは固定手段Tからの振動体10を引っ張る力(張力)と、振動体10の変位(応力)によって弾性体30に機械的歪みが生じた場合においてその変位とは反対の方向に振動体10押し戻す力(復元力)とに起因するものとなる。従って、本態様における系の等価スティフネスSMは、次式に示すように、振動体10に働く張力に起因したスティフネスSM EBと、弾性体30の復元力に起因したスティフネスSM Tとを加えたものであると考えることができる。
上式から明らかなように、所望の最低共振周波数f0を指定すれば、対応するスティフネスが決定する。スティネスが決まれば、弾性体の形状や厚みを考慮することにより、挿入すべき弾性体30の弾性率を決定することができる。弾性体30の弾性率としては、例えば応力―歪み特性が線形の範囲ではヤング率を、応力―歪み特性が非線形の範囲ではセカント係数を用いることができる。要は、弾性体30を挿入したときに系全体のスティフネスが上記の式を満たすような弾性体30の応力―歪み特性が決定できればよい。
なお、振動板10に張力が働かない構成(すなわち張力ゼロ)であってもよい。具体的には、固定手段Tを省略し、振動体10を両側から弾性体30およびによって所定の圧力で押さえつけることによって、振動体10の端部を固定しつつその中央部における変位(振動)を許容する構成であってもよい。この場合、SM T=SM EBとなる。すなわち、振動体10が変位した際の復元力を与えるものとしてのみならず、一定の応力を両対向電極間に作用させる媒体として弾性体30を用いてもよい。
さらに、弾性体30の弾性率を領域ごとに異ならせてもよい。上述したように、弾性率が異なればその領域の振動体10に係る復元力が異なるため、場所ごとに弾性率が異ならせることによりその振動体10の振動状態を場所ごとに変化させることができる。一例として、図5に示すように、領域ごとに弾性率の異なる弾性部材31、32、33を挿入することによりこれを実現することができる。同図においては、領域IおよびVには弾性部材31を、領域IIおよびIVには弾性部材32を、領域IIIには弾性部材33をそれぞれ挿入した例が示されている。
この場合、各領域に対応する弾性部材の弾性率は、例えば、この静電型スピーカ1で実現すべき周波数特性に基づいて決定することができる。一例としては、間隔dおよび弾性率を各領域におけるf0が全て等しくなるように決定することができる。あるいは、出力される音響波の特性を考慮して弾性率(および各領域に係る間隔d)を決定してもよい。
以下、弾性体30を使用する場合における静電型スピーカの構造を設計する方法(具体的には、挿入すべき弾性体の弾性率および振動膜10と電極20の間隔dを決定する方法)について、図6を用いて説明する。この方法は、一般的なコンピュータ装置にソフトウェア的またはハードウェア的に実装することが可能である。ここでは、ユーザからの指示等を受け付けるとともに演算結果を出力する入出力装置、記憶装置および各種プロセッサによって構成される一般的なコンピュータ装置を用いて、本発明に係る設計方法を実行する場合を例にとって説明する。
まず、振動体10上に仮想的な領域を設定する(ステップS10)。領域の形状、大きさ、数は任意であるが、例えばユーザによって指定されてもよい。指向特性などの音響特性を高精度で実現したい場合は、領域の数を大きく設定すればよいし、電極の製造・加工コストを優先する場合は、領域の数を少なくして加工工程の数を少なくするのがよい。次に、各領域について、振動体10に働く張力に起因したスティフネスSM EBと、弾性体30の復元力に起因したスティフネスSM Tとを決定する(ステップS20)。ここで、スティフネスSM EBとSM Tはユーザによって指定されるものであってもよいし、予め決められた値であってもよい。次に、電極20上の各領域に対応する振動体10に作用させるべき静電力、すなわち各領域の誘電率を決定する(ステップS30)。具体的には、例えば次のような方法で決定する。振動体10にて発生する音響波の音圧レベルは系の誘電率に依存する。そこで、音圧レベルの値とその音圧の音響波を発せさせるために必要な誘電率との値を予め所定の方法で計算して対応付けて記憶装置に記憶しておく。ユーザが所望する音圧レベルの値を入力すると、プロセッサはこの音圧レベルの値に対応した誘電率の値を決定する。続いて、算出した弾性率および誘電率を勘案して弾性部材を決定する(ステップS40)。具体的には、複数の弾性部材の弾性率(弾性特性)と誘電率(誘電特性)とを記憶したデータベースを構築しておき、プロセッサはデータベースを検索し、算出した弾性率と誘電率に最も適合する物性を有する弾性部材を所定のマッチングアルゴリズムを用いて決定することができる。最後に、振動体10と電極20との間隔dを決定する(ステップS50)。具体的には、ユーザが所望の指向特性(例えば音響波のメインローブの音圧とサイドローブの音圧との非等の情報)を入力し、プロセッサはこの指向特性情報に基づいて重み付け特性を決定し、この重み付け特性に対応するように、各領域に係る間隔d(換言すれば、電極20の配置位置とその断面形状)決定する。
上述した各態様においては、振動体と対向電極との間隔dを離散的に変化させたが、このように隣り合う領域間で間隔dのとびがないように、間隔dを連続的に変化させてもよい。図7に、このように構成した静電型スピーカ1Aを示す。この場合における間隔d(換言すれば対向電極20の断面形状)を決定する方法は、上述したように、指向特性、出力特性の少なくともいずれか1つに基づいて決定することができる。
例えば、指向性制御について考えると、既存のアレイスピーカ技術を用いれば、スピーカユニットとして平面型スピーカを使用する場合であっても指向性を制御することは可能であるが、各スピーカユニットは有限の大きさを持っていて、現実的には連結できるスピーカユニットの数にも事実上制限があるため、高い精度で指向性を制御することは実際には困難である。これに対し、本願のように連続的に間隔dを変化させれば、振動板の任意の位置に作用する力を制御することができるため、既存のアレイ技術では困難な高い精度の指向性制御を1つのスピーカユニット(すなわち1つの振動体および電極)で行うことが可能である。
例えば、指向性制御について考えると、既存のアレイスピーカ技術を用いれば、スピーカユニットとして平面型スピーカを使用する場合であっても指向性を制御することは可能であるが、各スピーカユニットは有限の大きさを持っていて、現実的には連結できるスピーカユニットの数にも事実上制限があるため、高い精度で指向性を制御することは実際には困難である。これに対し、本願のように連続的に間隔dを変化させれば、振動板の任意の位置に作用する力を制御することができるため、既存のアレイ技術では困難な高い精度の指向性制御を1つのスピーカユニット(すなわち1つの振動体および電極)で行うことが可能である。
さらに、図8に示す静電型スピーカ1Bのように、対向電極の曲面の形状に合うように弾性体30の形状を加工し、これを上述したように対向電極20と振動体10と間に挿入してもよい。この場合、例えば弾性体30の弾性率を場所に応じて離散的または連続的に変化させてもよい。連続的に変化させるには、例えばヒータ等を用いて弾性体30内部温度に所定の連続した分布を持たせるようにすればよい。一般に、弾性率は温度の関数となっているためである。
あるいは、図9に示す静電型スピーカ1Cのように、張力をかけた状態ではなく、曲げ応力をかけた状態で振動体10を固定してもよい。すなわち、撓んだ状態が無変位状態であり、この状態を基準に振動体10を振動させる。この際、間隔dを連続的に変化させる点は図7に示した態様と同様である。この場合、音波の伝達方向に対して振動体10を恒常的に凹状にすることにより、更に鋭い指向特性を実現することが可能である。
1、1A、1B、1C・・・静電型スピーカ、10・・・振動体、20・・・電極、30、31、32、33・・・弾性体、T・・・固定手段。
Claims (7)
- 電極と、
前記電極に対向して離間配置され、前記電極との電位差に応じて変位するシート状の振動体と
を有し、
無変位状態における前記振動体と前記電極との間隔が2以上の位置において異なる
ことを特徴とする静電型スピーカ。 - 前記振動体と前記電極との間に介挿された弾性体を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ。 - 前記間隔は、前記振動体の振動によって発生する音の指向特性に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の静電型スピーカ。 - 前記指向特性は、サイドローブを抑制するための重み付け特性に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項3に記載の静電型スピーカ。 - 前記電極は、前記無変位状態における振動体と平行な面を有する複数の領域から構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ - 前記複数の領域の各々に対応する空間領域に介挿された複数の弾性部材から構成された弾性体を更に備え、
各弾性部材の弾性率は、前記複数の弾性部材が前記振動体の対応する領域にそれぞれ及ぼす力が等しくなるように決定される
ことを特徴とする請求項5に記載の静電型スピーカ。 - 前記間隔は位置に対して連続的に変化する
ことを特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ。
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Cited By (3)
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JP2013051665A (ja) * | 2011-08-01 | 2013-03-14 | Yamaha Corp | 電気音響変換器および電気音響変換器用カバー |
JP2013059019A (ja) * | 2011-08-16 | 2013-03-28 | Yamaha Corp | 静電型電気音響変換器 |
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