JP2007271780A - 導電性ローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】硬度、弾性復元性、及びローラ表面へのブリード抑制のバランスがきわめて良い導電性ローラを提供する。
【解決手段】導電性支持部材の外周面に発泡体からなる弾性層が設けられた導電性ローラにおいて、(1)発泡体の発泡倍率が1.2倍以上かつ4.0倍以下、(2)弾性層のアスカーC硬度が10°以上かつ50°以下、(3)ローラ抵抗が1×104Ω以上かつ1×108Ω以下、の各性質を有する導電性ローラが提供される。さらに弾性層が(4)周波数0.1Hzにおける損失正接が0.01以上かつ0.20以下、及び(5)
周波数10Hzにおける損失正接の、周波数0.1Hzにおける損失正接に対する比が1.0以上かつ2.0以下、の性質を有する構成も推奨される。本発明の導電性ローラは、電子写真方式による印字装置の現像ローラ等に好適である。
【選択図】図2

Description

本発明は導電性ローラに関し、さらに詳細には、複写機、プリンターあるいはファクシミリの受信装置など電子写真方式を採用した装置に組み込まれる現像ローラ等に好適な、優れた物性を有する弾性体が設けられた導電性ローラに関する。
近年、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式による印字装置等を備えたOA機器が普及している。電子写真方式による印字装置は、例えば図1のように感光ドラム10を中心として帯電ローラ11、露光部12、現像ローラ(導電性ローラ)1、転写ローラ13、及びクリーニングブレード15を配したものである。現像ローラ1は、トナー収容部16の開口近傍と感光ドラム10との間に設けられている。トナー収容部16にはトナーが帯電状態で収納されている。
電子写真方式による印字装置では、帯電ローラ11で感光ドラム10を一様に帯電し、露光部12で露光して感光ドラム10上に静電潜像を形成させる。さらに感光ドラム10に現像ローラ1を押し当てて感光ドラム10にトナーを供給する。トナーは帯電した状態で感光ドラム10に供給され、静電潜像上にトナーが供給してトナー像を形成する。そして感光ドラム10と転写ローラ13との間に挟まれた記録紙等にトナー像を転写する。また残余のトナーは、クリーニングブレード15でかき落とされ、トナー収容部に回収されて再利用される。
上記したように、現像ローラ1は感光ドラム10などの静電潜像担持体へトナーを搬送する機能を有するものである。図2は、一般的な現像ローラ1の断面図及びその一部拡大図である。現像ローラ1は、特許文献1に開示された様に、鉄製、鉄合金製、ステンレススチール製、アルミニウム合金製などの導電性シャフト(導電性支持部材)2を持ち、この周囲に弾性層3が設けられ、さらにその外周に表層部(被覆層)5が設けられたものである。旧来の現像ローラ1では、表層部5は単層であったが、表層部5が複数層に分かれているものもある。図2に示す例では、表層部5は中間層6と表面層7とを有している。
特開2001−132858号公報
現像ローラ1においては、硬度と弾性復元性とのバランスが良いことが大切である。より具体的には、現像ローラ1として使用するローラは、硬度が低くかつ弾性復元性に優れたものが適している。すなわち、現像ローラ1は、常時感光ドラム10に押圧されるものであるから、現像ローラ1の硬度が高いと常時感光ドラム10との摩擦抵抗が大きくなり、感光ドラム10や現像ローラ1を回転するのに大きな動力が必要となる。また、トナーが現像ローラ1と常時感光ドラム10に挟み込まれるので、現像ローラ1の硬度が高いとトナーに過度の応力が掛かり、トナーの劣化を早めてしまう。
一方、一般に硬度の低い樹脂は、弾性復元性が劣る傾向にあるが、現像ローラ1は、常時感光ドラム10に押圧されており、感光ドラム10との接触部位は繰り返し弾性変形するので、弾性復元性も必要である。そのため、前記した様に現像ローラ1は、硬度と弾性復元性とのバランスが良いものであることが望ましい。また、硬度の低い弾性体の場合には可塑剤を添加したり、硬化性樹脂の場合には硬化反応を制御することにより、前記のバランスを良いものとすることができるが、可塑剤や未反応原料(硬化性樹脂の場合)がブリードする場合があるため、接触部位を汚染してしまう場合がある。
本発明の目的は、硬度、弾性復元性、及びローラ表面へのブリード抑制のバランスがきわめて良い導電性ローラを提供することにある。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、導電性支持部材の外周面に発泡体からなる弾性層が設けられた導電性ローラであって、下記の性質を有することを特徴とする導電性ローラである。
(1)発泡体の発泡倍率が1.2倍以上かつ4.0倍以下、
(2)弾性層のアスカーC硬度が10°以上かつ50°以下、
(3)ローラ抵抗が1×104Ω以上かつ1×108Ω以下。
本発明の導電性ローラは導電性支持部材の外周面に発泡体からなる弾性層が設けられたものであり、該弾性層の物性に特徴がある。すなわち、本発明の導電性ローラにおいては、弾性層を構成する発泡体の発泡倍率、弾性層の硬度、及びローラ抵抗が最適化されている。本発明の導電性ローラによれば、硬度、弾性復元性、及びローラ表面へのブリード抑制のバランスがきわめて良い導電性ローラを提供することができる。本発明の導電性ローラは、例えば現像ローラに好適である。
請求項2に記載の発明は、さらに弾性層が下記の性質を有することを特徴とする請求項1に記載の導電性ローラである。
(4)周波数0.1Hzにおける損失正接が0.01以上かつ0.20以下、
(5)周波数10Hzにおける損失正接の、周波数0.1Hzにおける損失正接に対する比が1.0以上かつ2.0以下。
本発明の導電性ローラにおいては、さらに弾性層の損失正接が最適化されている。かかる構成により、硬度、弾性復元性、及びローラ表面へのブリード抑制のバランスがさらに優れた導電性ローラを提供することができる。ここで、試料に正弦波振動歪εを与えたときの応力をσと位相差をδとすると、貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’、損失正接tanδは以下の各式により算出される。
貯蔵弾性率G’ =│σ/ε│cosδ
損失弾性率G’’=│σ/ε│sinδ
損失正接tanδ=G’’/G’
そして、「周波数10Hzにおける損失正接の、周波数0.1Hzにおける損失正接に対する比」は、「周波数10Hzにおける損失正接」を「周波数0.1Hzにおける損失正接」で除することにより算出される。
請求項3に記載の発明は、前記発泡体が、炭酸塩と脂肪酸とを含有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性ローラである。
本発明の導電性ローラにおいては、弾性層を構成する発泡体が炭酸塩と脂肪酸とを含有するものである。炭酸塩と脂肪酸とを含有する発泡体は、その発泡セル径がより小径化され且つ高度に均一化されている。したがって、本発明の導電性ローラによれば、硬度、弾性復元性、及びローラ表面へのブリード抑制のバランスがさらに優れた導電性ローラを提供することができる。
前記発泡体が、
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体と、
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、
(D)導電性付与剤と、
を主成分とするものである構成も推奨される(請求項4)。また、前記弾性層の厚さが2mm以上かつ6mm以下である構成も推奨される(請求項5)。さらに、前記弾性層の外周面に、さらに被覆層が設けられている構成も推奨される(請求項6)。
本発明の導電性ローラによれば、硬度、弾性復元性、及びローラ表面へのブリード抑制のバランスがきわめて良い導電性ローラを提供することができる。
本発明の導電性ローラの好ましい実施形態として、プリンター等の現像ローラに用いた例について説明する。現像ローラ(導電性ローラ)1の断面形状は、前記した図2と同様であり、導電性シャフト(導電性支持部材)2の周囲に発泡体からなる弾性層3が設けられ、さらにその外周に中間層6と表面層7とからなる表層部(被覆部)5が設けられている。
導電性シャフト2は、鉄、鉄合金、ステンレススチール、アルミニウム等の金属からなり、その直径が6〜10mm程度である。なお、導電性シャフト2は、金属以外の材料、例えば、導電性を有する樹脂等からなるものでもよい。
本実施形態の現像ローラ1においては、発泡体からなる弾性層3の物性に特徴がある。すなわち、弾性層3においては、(1)発泡体の発泡倍率が1.2倍以上かつ4.0倍以下、かつ(2)弾性層のアスカーC硬度が10°以上かつ50°以下、である。すなわち、発泡倍率が4.0倍を超える場合や、アスカーC硬度が10°未満の場合には、硬度が低すぎるため圧縮歪みが大きくなり過ぎる。一方、発泡倍率が1.2倍未満の場合やアスカーC硬度が50°を超える場合には、硬度が高すぎるため、トナーに大きなストレスがかかるため好ましくない。ここで、アスカーC硬度とは、厚み4mmの試料を用い、温度23℃、相対湿度55%の環境で、JIS K6301に準ずる方法で測定したものをいう。アスカーC硬度は、試験片(例えば、幅50mm、長さ80mm、厚み4mm)を調製して測定することができる他、厚み4mmの弾性層3を有する現像ローラ1であれば、そのまま測定することができる。なお、弾性層3の厚さは1〜20mmであり、好ましくは2〜6mm程度である。
現像ローラ1においては、上記した弾性層3の物性に基づく現像ローラ1自身の物性にも特徴がある。すなわち、本実施形態の現像ローラ1においては、(3)ローラ抵抗が1×104Ω以上かつ1×108Ω以下、である。すなわち、ローラ抵抗が1×104Ω未満であると、現像ローラ表面からリーク電流などが生じ、ローラ抵抗が1×108Ωを超えると、トナーフィルミングなどが生じ易くなり、画質が低下する。このローラ抵抗は、温度23℃、相対湿度55%の環境で、現像ローラ1を金属ドラムに水平に当てて、前記導電性シャフト2の両端部の各々に500gの荷重を金属ドラム方向に加え、金属ドラムを回転させることで現像ローラを従動(回転)させながら、導電性シャフト2と金属ドラム間に50ボルトの直流電圧を印加して測定される値である。
好ましい実施形態では、さらに弾性層が、(4)周波数0.1Hzにおける損失正接が0.01以上かつ0.20以下、かつ(5)周波数10Hzにおける損失正接の、周波数0.1Hzにおける損失正接に対する比が1.0以上かつ2.0以下、の性質を有する。すなわち、弾性層の周波数0.1Hzにおける損失正接が0.01未満の場合には、十分なゴム弾性が得られず硬度が高くなるため、トナーに大きなストレスがかかり、好ましくない。一方、弾性層の周波数0.1Hzにおける損失正接が0.20を超える場合には、弾性体の粘性が大きくなるため圧縮歪みが大きくなる。また、弾性層において、周波数10Hzにおける損失正接の周波数0.1Hzにおける損失正接に対する比が2.0を超える場合には、高周波での損失正接が大きくなり瞬時の弾性復元性が悪くなる。
なお、上記したように、試料に正弦波振動歪εを与えたときの応力をσと位相差をδとすると、貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’、損失正接tanδは以下の各式により算出される。
貯蔵弾性率G’ =│σ/ε│cosδ
貯蔵弾性率G’’=│σ/ε│sinδ
損失正接tanδ=G’’/G’。
そして、「周波数10Hzにおける損失正接の、周波数0.1Hzにおける損失正接に対する比」は、「周波数10Hzにおける損失正接」を「周波数0.1Hzにおける損失正接」で除することにより算出される。これらのパラメータ(動的粘弾性)は、幅10mm、長さ10mm、厚み4mmの試験片を切り出し、温度23℃の環境で専用の動的粘弾性測定装置を用いることにより測定・算出することができる。
本実施形態の現像ローラ1は、上記(1)〜(5)の物性を有するため、硬度、弾性復元性、及びローラ表面へのブリード抑制のバランスがきわめて良く、印字性能も優れている。
弾性層3を構成する発泡体としては特に限定はないが、好ましくは、(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤、(C)ヒドロシリル化触媒、及び(D)導電性付与剤、を主成分とするものである。さらに、(E)炭酸塩(炭酸カルシウム等)、及び(F)脂肪酸(ステアリン酸等)、を含有させることにより、より好ましい発泡体が得られる。
前記(A)成分の、「分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体」のアルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられる。好適には、下記一般式(1):
2C=C(R1)−CH2− (1)(式中、R1は水素原子またはメチル基)
で示されるアルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。また、(A)成分は、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を重合体末端に導入されていることが望ましい。このようにアルケニル基が重合体末端にあるときは、最終的に形成される硬化物の有効網目鎖量が多くなり、高強度のゴム状硬化物が得られやすくなるなどの点から好ましい。
また、(A)成分として使用される前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30モル%以上、好ましくは50モル%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいい、オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が挙げられる。なお、オキシアルキレン単位は、一種類である必要はなく、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる共重合体(グラフト重合体も含む)であってもよい。電気特性の環境安定性において、主鎖骨格として比較的吸水性の低いオキシプロピレン単位、またはオキシブチレン単位からなる重合体であることが好ましく、コスト面を考慮すると、オキシプロピレン単位からなる重合体が、特に好ましい。
上記のようなポリオキシアルキレン系重合体の分子量としては、数平均分子量(Mn)(GPC法、ポリスチレン換算)で500〜50,000であることが、その取扱いやすさ、硬化後のゴム弾性の点で好ましい。数平均分子量が500未満の場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量が50,000以上の場合、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
前記(B)成分である化合物(硬化剤)は、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物であれば良いが、分子中に含まれるヒドロシリル基の数が多すぎると、硬化後も多量のヒドロシリル基硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因となるため、その数を50個以下に調整するのが好ましく、更には、硬化物のゴム弾性の制御や貯蔵安定性を良好にする観点からは、2〜30個に調整することがより好ましい。なお、「ヒドロシリル基を1個有する」とは、Siに結合するHを1個有することを意味する。よって、SiH2の場合にはヒドロシリル基を2個有することになるが、Siに結合するHは異なるSiに結合する方が、硬化性とゴム弾性の点から好ましい。
このような硬化剤の分子量は、成形品の加工性を良好にする観点からは、数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)(Mn)で30,000以下に調整するのが好ましく、更に、上記(A)成分であるベースポリマーとの反応性や相溶性を良好にする観点からはMnで300〜10,000に調整するのがより好ましい。
また、以上の硬化剤は、ベースポリマーの凝集力が硬化剤の凝集力に比べて大きいことを考慮すると、相溶性の点でフェニル基含有変性体を有することが重要であり、入手のし易さの点ではスチレン変成体が好適であり、貯蔵安定性の観点からはα−メチルスチレン変性体が好適である。
(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;
白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)m、Pt〔(MeViSiO)4m};
白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34};
白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)34、Pt〔P(OBu)34
(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33、RhCl3、Rh/Al23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。触媒量としては特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10-1〜10-8molの範囲で用いるのがよい。ヒドロシリル化反応を十分に進行させるには、10-2〜10-6molの範囲で用いるのがさらに好ましい。また、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が不必要に発泡してしまう場合があるので10-1モル以上用いない方がよい。
(D)成分である導電性付与剤としては特に制限はなく、任意のものを使用することができる。導電性付与剤としては、カーボンブラック、金属微粉末、有機リチウム塩、無機リチウム塩、さらには、第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等を有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルアミドもしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物または高分子化合物などが挙げられる。これらの導電性付与剤は単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。上記カーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、オイルブラックなどがあげられる。これらカーボンブラックの種類、粒径等に制限はない。
導電性付与剤の添加量は、所望の導電特性に応じて調整して添加され、(A)成分の重合体100重量部に対し、0.01〜100重量部、さらには0.1〜50重量部用いることが好ましい。添加量が0.01重量部未満と少なすぎると、発現される導電付与能が不十分であり、また、添加量が100重量部を越えて多すぎると硬化性組成物の粘度の上昇が大きく作業性が悪くなる恐れがある。また、用いる導電性付与剤の種類あるいは添加量によっては、ヒドロシリル化反応を阻害するものがあるため、導電性付与剤のヒドロシリル化反応に対する影響を考慮する方が好ましい。
(E)成分と(F)成分は、併用されることにより発泡体の発泡セル径をより小径化及び均一化する効果を有するものである。
(E)成分である炭酸塩としては特に限定はなく、正塩、酸性塩(重炭酸塩)、塩基性塩のいずれでもよいが、正塩がより好ましい。正塩としては、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられるが、より好ましくは炭酸カルシウムである。なお、これらの炭酸塩については、1種類だけを用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
また、(F)成分である脂肪酸としても特に限定はなく、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでもよい。脂肪酸の炭素数も特に限定はなく、例えば、炭素数4〜30の脂肪酸を用いることができる。すなわち、飽和脂肪酸の例としては、ブチル酸(酪酸)、パレリアン酸(吉草酸)、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。不飽和脂肪酸の例としては、デセン酸、オレイン酸、エルシン酸等のモノエン酸、並びに、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸等のポリエン酸等が挙げられる。なお、ここに例示した脂肪酸はいずれも融点が100℃以下のものであり、100℃を超える温度では、樹脂中で脂肪酸が液体で存在し均一に分散する。これらの脂肪酸を用いれば、より少ない含量(使用量)で、発泡セル径が小径化されており、かつ高度に均一化されている発泡性組成物(発泡体)となる。すなわち、発泡性組成物が熱硬化性樹脂を主成分とするものである場合には、硬化反応(100℃以上で行う)時においても脂肪酸が液体で存在することとなり、当該脂肪酸は樹脂中に均一に分散される。また、発泡性組成物が熱可塑性樹脂を主成分とするものである場合も、100℃以上(脂肪酸が液体で存在する)で流動性を有することとなり、当該脂肪酸は樹脂中に均一に分散される。なお、これらの脂肪酸については、1種類だけを用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
炭酸塩の含量は、炭酸塩の種類により適宜選択すればよいが、一般的には10〜60重量%、好ましくは25〜50重量%である。また、脂肪酸の含量は、脂肪酸の種類により適宜選択すればよいが、一般的には0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
なお、(E)成分と(F)成分を含有させるために、脂肪酸で表面処理された炭酸塩を上記(A)〜(D)成分に添加して用いてもよい。例えば、脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウムがすでに市販されており、そのまま使用することができる。
さらに、弾性層3を構成する発泡体には、必要に応じて、各種充填剤、各種機能付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤、溶剤を適宜添加してよい。前記充填剤の具体例としては、シリカ微粉末、金属微粉末、クレー、タルク、酸化チタン、亜鉛華、ケイソウ土、硫酸バリウムなどが挙げられる。
またさらに、弾性層3を構成する発泡体には、貯蔵安定性を改良する目的で、貯蔵安定性改良剤を添加してもよい。貯蔵安定性改良剤としては、所期の目的を達成するものであればよく、特に限定されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
弾性層3を構成する発泡体を製造する際の発泡法としては、機械発泡(物理的発泡)、化学的発泡のいずれもが適用可能であるが、発泡の開始時期を制御しやすい点では機械発泡が好ましい。なお、機械発泡を密閉状態で行うことにより、発泡体の発泡セル径がより小径化及び均一化され、好適である。例えば、高圧下で調製された上記(A)〜(F)の各成分と気体(空気、炭酸ガス、不活性ガス等)の混合物を、密閉された金型に充填する。すると、発生した気泡の径は小さいまま保持され、かつ均一化される。一方、当該混合物を開放状態で金型に充填すると、泡が膨張して気泡径が大きくなり、泡の合一が進んでますます気泡径が大きくなり、ローラ表面に凹欠陥が現れるため不適である。
弾性層3の形成手順の例を具体的に挙げると、まず、上記(A)成分〜(F)成分の混合液(樹脂原料)を調製する。次に、該樹脂原料と気体(空気、炭酸ガス、不活性ガス等)とを密閉状態で共存させてから圧縮する。直ちに圧縮された樹脂原料をミキサーに移送し、強く混合する。このとき、気体は樹脂原料中に分散する。次に、気体が分散した樹脂原料を、導電性シャフト2があらかじめ装着された密閉型の金型に加圧注入する。すなわち、導電性シャフト2が樹脂原料に浸漬した状態となる。またこのとき、樹脂原料は高圧状態から開放されるが、金型内で密閉状態に置かれるので発泡セル径がより小径化及び均一化される。このまま、金型内の樹脂原料が硬化するまで静置する。これにより、導電性シャフト2の外周に発泡体からなる弾性層3が形成される。あとは、金型から硬化物を引き抜くことにより、導電性シャフト2と弾性層3とからなるローラが得られる。本ローラには、後述する手順で被覆層(中間層6と表面層7とからなる表層部5)がさらに設けられ、現像ローラ1が作製される。
なお、導電性シャフト2と弾性層3との接着性の観点から、導電性シャフト2の表面にあらかじめプライマー処理を施すことが好ましい。プライマーとしては、シラン、チタン、アルミニウム等からなるカップリング剤を溶剤で希釈したものが使用され、好適にはさらに樹脂成分が添加される。そして、弾性層3との接着性を向上させるために、樹脂成分として弾性層3の成分と同等のものを添加することが好ましい。また、弾性層3を構成する発泡体にも上記(A)成分〜(F)成分の他に、導電性シャフト2のプライマー処理に用いたプライマー成分を添加することが好ましい。
次に、中間層6について説明する。本実施形態の現像ローラ(導電性ローラ)1においては、中間層6の材料や物性には特に限定はなく、現像ローラ1がその機能を発揮できるものであれば何でもよい。例えば、中間層6の材料として、スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることができる。これらのエラストマーは単独で用いてもよいし、併用してもよい。以下、スチレン系熱可塑性エラストマー及び/またはオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いる場合を代表例として説明する。
スチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン・ブタジエンの共重合体及びその水素添加物、スチレン・イソプレンの共重合体及びその水素添加物、スチレン・2−メチルプロペンの共重合体、スチレン・ブタジエン・イソプレンの共重合体及びその水素添加物、及びこれら重合体にエチレンを共重合したものなどが挙げられる。良好な弾性を得るには、ブロック共重合体であることが好ましく、スチレン−ブタジエン−スチレンの水素添加物(略称SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンの水素添加物(略称SEPS)、スチレン−エチレン−イソプレン−スチレンの水素添加物(略称SEEPS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンの水素添加物(略称SEBS)、スチレン−イソブチレン−スチレン(略称SIBS)などが例として挙げられる。また、重合するスチレンモノマーには官能基が置換されたものであっても構わない。スチレン系熱可塑性エラストマーの分子量としては、数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)が50,000〜300,000、ゴム弾性、機械的強度、加工性の観点から、70,000〜150,000で好適に用いられる。分子量が50,000未満のものはゴム弾性及び機械的強度が劣り、300,000以上のものは溶剤への溶解性が悪く、また弾性層3に塗布した後にひび割れが生じやすくなる。また、スチレン含有量は5〜50重量%が好ましく、特に15〜30重量%が好ましい。ポリスチレン含有量が多くなると、硬度が高くなり膜形成が困難であり、また、含有量が少なくなると、溶液粘度が高くなり加工性が低下する。
オレフィン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体が挙げられる。これらの共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のどれでも良く、硫黄、過酸化物等により架橋しても構わない。オレフィン系熱可塑性エラストマーの分子量としては、数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)が50,000〜500,000、ゴム弾性、機械的強度、塗布性の観点から、70,000〜300,000で好適に用いられる。分子量が50,000未満のものはゴム弾性及び機械的強度が劣り、500,000以上のものは溶剤への溶解性が悪く、また弾性層3に塗布した後にひび割れが生じやすい。また、エチレン含有量は30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%のものが好適に用いられる。
また、中間層6を構成する樹脂組成物には抵抗調整、表面形状の調整あるいは弾性層3に対する接着性等の観点から、導電性付与剤、各種フィラー等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。また、弾性層3と中間層6との接着性をさらに向上させるために、弾性層3の表面をプライマー処理した後、中間層6を形成することが好ましい。プライマーとしては、各種カップリング剤またはエポキシ化合物を含有する任意のプライマーを使用することができる。
中間層6の形成方法としては特に制限はないが、例えば、上述の金型から引き抜かれたローラ(導電性シャフト2と弾性層3とからなる)の弾性層3の外周面上に、中間層6を構成する樹脂組成物をスプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、中間層6を形成することができる。具体的には、スチレン系熱可塑性エラストマー及び/またはオレフィン系熱可塑性エラストマーを溶剤に溶かして固形分を3〜20%にし、弾性層3の外周面上にスプレーあるいはディップ塗布する方法が簡便である。このときに使用する溶剤は、中間層6の主成分である熱可塑性エラストマーが相溶すれば特に制限はなく、具体的には、トルエン、キシレン、ヘキサン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、水等が例示されるが、非極性溶剤であるトルエン、キシレン、ヘキサン等が好適に用いられる。さらに、溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
中間層6の乾燥温度としては、70〜200℃が好ましく、さらに中間層6の熱的安定性を考慮すると、70〜160℃が特に好ましい。乾燥温度が70℃より低いと乾燥が不十分になる場合があり、200℃より高いと、内層の弾性層3及び中間層6の劣化を招く恐れがある。なお、中間層6の厚さは5〜300μm程度であり、推奨される範囲は6〜20μm程度である。ここで中間層6の厚さを調整するために、上記したスプレー、ディップ塗布等の方法を数回繰り返し、重ね塗りしてもよい。
次に、表面層7について説明する。本実施形態の現像ローラ(導電性ローラ)1においては、表面層7の材料や物性には特に限定はなく、現像ローラ1がその機能を発揮できるものであれば何でもよい。例えば、表面層7の材料として耐磨耗性能に優れたウレタン樹脂を用いることができる。以下、ウレタン樹脂を用いる場合を代表例として説明する。
ウレタン樹脂としては、ウレタン基、ウレア基、アロハネート基及びビュレット基等のウレタン樹脂の製造過程で形成される官能基を有する樹脂であれば、特に限定されるものではない。さらに、表面層7は適度な柔軟性を有する必要があり、この観点からはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート骨格を有する樹脂を主な組成とするウレタン樹脂からなることが好ましく、これらはポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリカーボネートウレタンのブレンド樹脂、あるいは1分子中にウレタン結合とポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサンからなる群において選ばれる少なくとも1つの骨格を有するウレタン樹脂であってもよい。
また一般的に、ウレタン樹脂は、ヒドロキシ基やアミノ基等の活性水素を持つ化合物とイソシアネート基を持つ化合物を3次元網目構造に重合する熱硬化性ウレタン樹脂と、前記活性水素を持つ化合物とイソシアネート基を持つ化合物を高分子量に重合、鎖伸長した熱可塑性ウレタン樹脂、の2種類に分けられる。熱可塑性ウレタン樹脂は、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、イソプロパノール等各種溶剤に可溶であるので、予め重合した熱可塑性ウレタン樹脂を溶剤で希釈し、コーティング、乾燥という、非常に簡便な工程により被覆層を形成することが可能である。また、予め重合するということは、安全上取扱が困難なイソシアネート基を含有する化合物を閉鎖系で重合した後に、残存イソシアネート基をほとんど含有していない熱可塑性ウレタン樹脂として、開放系でコーティングができる。従って、作業性、安全性の観点から、熱可塑性ウレタン樹脂を使用することが特に好ましい。
また一般に、電子写真方式の装置に使用されるローラにおいては、導電領域から半導電領域(104〜108Ω)に制御する必要があるため、表面層7に導電性付与剤を含有させて導電性を付与する。導電性付与剤としては、上記した弾性層3の(D)成分と同様のものが使用できる。添加量も同様である。なお、上記のウレタン樹脂等に導電性付与剤を添加する際は、溶剤中に導電性付与剤を溶解あるいは分散させる必要がある。例えば、カーボンブラック等の凝集力の強いものを使用する場合は、ビーズミル等の分散機を好適に使用することができ、また、それぞれの材料及び処方に最適な分散剤を選定するのが好ましい。
また、樹脂強度の向上ならびに中間層6との接着性の観点から、表面層7を構成する樹脂組成物には、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー等のフィラーやカップリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。また、中間層6と表面層7との接着性をさらに向上させるために、中間層6の表面をプライマー処理した後、表面層7を形成することが好ましい。プライマーとしては、各種カップリング剤またはエポキシ化合物を含有する任意のプライマーを使用することができる。
また、現像ローラ1を非磁性一成分接触現像方式の現像ローラとして使用する場合には、ローラ表面の凹凸がトナーの搬送性に重要な役割を果たすため、表面に凹凸を付与する有機系フィラーが添加される。有機系フィラーとしては、ローラ表面に凹凸をつけることができるものであれば特に限定はないが、ウレタン系、アクリル系、スチレン系等の有機系フィラーが、トナーの帯電を安定化するために好ましい。また、添加される有機系フィラーの平均粒子径は1〜40μmであることが好ましく、4〜30μmであることが特に好ましい。なお、平均粒子径が1μm未満であると、表面層7の膜厚より小さくなるため、凹凸を付与する効果が小さくなる。一方、平均粒子径が40μmを超えると、導電性ローラの表面の凸が大きくなるため、画像に悪影響を与える。
有機系フィラーの平均粒子径の測定方法としては、公知の評価方法であれば特に限定はなく、有機系フィラーを適切に分散させた懸濁液をレーザー回折および散乱法に基づいた評価を行うことが、評価ばらつきを最小に抑える観点で好ましい。
表面層7の形成方法としては特に制限はないが、例えば、導電性シャフト2上の弾性層3の周りに形成された中間層6の外周面上に、表面層7を構成する樹脂組成物を一旦溶剤に希釈し、該希釈液をスプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥させることにより、表面層7を形成することができる。具体的には、ウレタン樹脂等及び添加剤を溶剤に溶かして固形分を3〜20%にし、スプレーあるいはディップ塗布する方法が簡便である。このときに使用する溶剤は、用いる表面層7の主成分であるウレタン樹脂等が相溶すれば特に制限はなく、具体的には、トルエン、キシレン、ヘキサン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、水等が例示されるが、これらに限定されるものではない。さらに、溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
表面層7の乾燥温度としては、溶剤の沸点との関係にもよるが、一般的には70〜200℃が好ましく、さらに被覆層の熱的安定性を考慮すると、70〜160℃が特に好ましい。乾燥温度が70℃より低いと乾燥が不十分になる場合があり、200℃より高いと、弾性層3や中間層6並びに表面層7の劣化を招く恐れがある。なお、表面層7の厚さは2〜50μm程度であり、推奨される範囲は2〜10μm程度である。ここで中間層6の厚さを調整するために、上記したスプレー、ディップ塗布等の方法を数回繰り返し、重ね塗りしてもよい。
このようにして作製された現像ローラ1は、発泡セル径が小径化及び均一化された発泡体からなる弾性層3を有し、硬度、弾性復元性、及びローラ表面へのブリード抑制のバランスが良い。
以下に、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.各種導電性ローラの作製
(A−1)アリル末端ポリオキシプロピレン(商品名:カネカサイリルACS003、カネカ社):100重量部と、
(B−1)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(商品名:CR100、カネカ社):3.1重量部と、
(C−1)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率3wt%、キシレン溶液):0.06重量部と、
(D−1)リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド:0.1重量部と、
(E−1)炭酸カルシウム(商品名:スーパー#2000、丸尾カルシウム社):25重量部と、
(F−1)ステアリン酸(商品名:ステアリン酸つばき、日本油脂社):1重量部と、
シリカ(商品名:ニップシールSS−50A、東ソー・シリカ社):10重量部と、
貯蔵安定性改良剤としてマレイン酸ジメチル:0.04重量部と、
を混合し、10mmHg以下で120分間減圧脱泡し、液状樹脂原料を調製した。5MPaの圧力下で、この液状樹脂原料にその100%相当量の空気を混合し、よく攪拌した。これにより、微細な気泡を内包する液状樹脂原料が調製された。一方、内径16mmの円筒形の金型に、直径8mm、長さ267mmのSUM材製シャフト(導電性支持部材)をあらかじめ装着した。この金型に、発泡させた液状樹脂原料を加圧注入した。金型を140℃で20分間保持し、樹脂原料を硬化させた。硬化後、金型から樹脂とシャフトとが一体となったローラを取り出した。これにより、SUM材製シャフトの外周部に発泡体(発泡倍率2倍)からなる弾性層が設けられた。弾性層の厚さは4mm、長さは235mmであった。
セプトン2002(クラレ社)80重量部とタフテックM1913(旭化成ケミカルズ社)20重量部との混合物18gと、導電性付与剤としてのカーボンブラックHS−100(電気化学工業社)7.2gとを、キシレン400gで希釈した溶液を調製し、1時間静置した。この溶液を、上記弾性層の周りにディッピングし、乾燥させ、中間層を形成させた。
60gのハイムレンY−258(大日精化工業社)と、導電性付与剤としてのカーボンブラックHS−100(電気化学工業社)7.2gとを、DMF:MEK=1:1の混合溶媒437gで希釈した溶液を調製し、1時間静置した。この溶液を、上記中間層の周りにディッピングし、乾燥させ、表面層を形成させた。これにより、シャフトの周りに厚さ4mmの弾性層が同心円上に設けられ、さらに該弾性層上に中間層が設けられ、またさらに該中間層上に表面層が設けられた導電性ローラが作製された。本導電性ローラを、実施例1の導電性ローラとした。
実施例1で用いた樹脂原料と同じ組成を有し、200%相当量の空気を混合した樹脂原料で弾性層を形成させ(発泡倍率3倍)、その他は実施例1と同様の手順で導電性ローラを作製した。本導電性ローラを、実施例2の導電性ローラとした。
実施例1で用いた樹脂原料において、(D−1)成分に代わって、
(D−2)カーボンブラック(商品名:#3030B、三菱化学社):14重量部、
を有し、かつシリカを含有しない組成からなる樹脂原料で弾性層を形成させ(発泡倍率2倍)、その他は実施例1と同様の手順で導電性ローラを作製した。本導電性ローラを、実施例3の導電性ローラとした。
実施例1で用いた樹脂原料と同じ組成を有し、かつ空気を混合しない樹脂原料を用いて弾性層(未発泡、発泡倍率1倍)を形成させ(脱泡後の樹脂原料を金型に注入)、その他は実施例1と同様の手順で導電性ローラを作製した。本導電性ローラを、比較例1の導電性ローラとした。
実施例1で用いた樹脂原料において、(D−1)成分に代わって、
(D−2)カーボンブラック(商品名:#3030B、三菱化学社):14重量部、
を有し、かつシリカを含有しない組成からなり、かつ空気を混合しない樹脂原料を用いて弾性層(未発泡、発泡倍率1倍)を形成させ(脱泡後の樹脂原料を金型に注入)、その他は実施例1と同様の手順で導電性ローラを作製した。本導電性ローラを、比較例2の導電性ローラとした。
実施例1で用いた樹脂原料において、(B−1)成分の部数を1.7重量部とし、かつ空気を混合しない樹脂原料を用いて弾性層(未発泡、発泡倍率1倍)を形成させ(脱泡後の樹脂原料を金型に注入)、その他は実施例1と同様の手順で導電性ローラを作製した。本導電性ローラを、比較例3の導電性ローラとした。
各導電性ローラの弾性層を構成する発泡体の組成の概要を第1表にまとめた。
Figure 2007271780
2.アスカーC硬度の測定
温度23℃、相対湿度55%の環境で、JIS K6301に準ずる方法にて各導電性ローラのアスカーC硬度を測定した。測定箇所は、各導電性ローラにつき、弾性層の両端から30mmの位置および中央位置における周方向8箇所(計24箇所)とし、平均値を算出した。
3.ローラ抵抗の測定
温度23℃、相対湿度55%の環境で、各導電性ローラを金属ドラムに水平に当てて、導電性シャフトの両端部の各々に500gの荷重を金属ドラム方向に加え、金属ドラムを回転させることで導電性ローラを従動(回転)させながら、導電性シャフトと金属ドラム間に50ボルトの直流電圧を印加して、ローラ抵抗を測定した。
4.損失正接tanδの測定
各導電性ローラの作製時に金型に加圧注入された各液状樹脂原料と同じ液状樹脂原料を、別途、縦80mm、横50mm、高さ4mmの型枠に10MPaの圧力で吐出し、オーブン内で140℃の条件下で20分間静置して硬化させ、各弾性層の試験片を作製した。これらの試験片について、温度23℃の環境で、動的粘弾性測定装置DMS110(エスアイアイ・ナノテクノロジー社)を用いて、周波数0.1Hzと10Hzにおける損失正接tanδを測定した。さらに、周波数10Hzにおける損失正接の、周波数0.1Hzにおける損失正接に対する比を算出した。
第2表に、各導電性ローラにおける上記の各測定結果を示す。
Figure 2007271780
5.トナーかぶり試験
各導電性ローラを現像ローラとして用い、トナーかぶり試験を行った。本試験は、カートリッジに充填されているトナーの単位時間当たりの減少量を測定するものである。ローラ表面の硬度が高いと印刷時にトナーにストレスがかかり、トナーの劣化が促進される。劣化したトナーは帯電量にばらつきを生じ、その結果、必要以上のトナーが消費されることとなる(トナーかぶり)。
各現像ローラ(導電性ローラ)を、カラーレーザービームプリンター(LBP−2510、キャノン社)のトナーカートリッジ(色:シアン)にセットし、温度10℃、相対湿度15%の環境で、0%(白地画像)の画像濃度で1000枚/時間のスピードで印刷した。試験開始から1時間目までの間、および9時間目から10時間目までの間のトナーの減少量を測定した。
6.感光体汚染試験(ブリード試験)
各導電性ローラを現像ローラとして用い、感光体汚染試験(ブリード試験)を行った。各現像ローラ(導電性ローラ)をカラーLBPカートリッジEP−85(キャノン社)にセットし、温度40℃、相対湿度90%の環境で1週間放置した。その後ローラを取り出し、ローラと接触していた感光体部分を電子顕微鏡で観察し、感光体表面におけるオイル成分の付着およびクラックの有無を確認した。オイル成分の付着およびクラックが確認されない場合は良好(○)、確認された場合は不良(×)と判定した。
7.試験結果
各導電性ローラについて、トナーかぶり試験の結果(0〜1時間、9〜10時間のトナー減少量)、および感光体汚染試験の結果を第3表に示す。
Figure 2007271780
第3表に示すように、実施例1の導電性ローラでは、トナーかぶり試験における0〜1時間のトナー減少量が0.14g/h、9〜10時間のトナー減少量が7.8g/h、感光体汚染試験の結果は良好であった。また、実施例2の導電性ローラでは、トナーかぶり試験における0〜1時間のトナー減少量が0.12g/h、9〜10時間のトナー減少量が9.5g/h、感光体汚染試験の結果は良好であった。さらに、実施例3の導電性ローラでは、トナーかぶり試験における0〜1時間のトナー減少量が0.13g/h、9〜10時間のトナー減少量が8.3g/h、感光体汚染試験の結果は良好であった。
一方、比較例1の導電性ローラでは、感光体汚染試験の結果は良好であったが、トナーかぶり試験における0〜1時間のトナー減少量が0.38g/h、9〜10時間のトナー減少量が15.9g/hといずれも多かった。また、比較例2の導電性ローラでは、感光体汚染試験の結果は良好であったが、トナーかぶり試験における0〜1時間のトナー減少量が0.32g/h、9〜10時間のトナー減少量が14.8g/hといずれも多かった。さらに、比較例3の導電性ローラでは、トナーかぶり試験における0〜1時間のトナー減少量が0.32g/h、9〜10時間のトナー減少量が3.7g/hであったが、感光体汚染試験の結果が不良であった。
以上のように、実施例1〜3の導電性ローラは、比較例1〜3の導電性ローラと比べて現像ローラとしての性能が高いことが示された。
第2表に示すように、現像ローラとしての性能が高かった実施例1〜3の導電性ローラにおいては、いずれも下記(1)〜(5)の性質:
(1)発泡体の発泡倍率が1.2倍以上かつ4.0倍以下、
(2)弾性層のアスカーC硬度が10°以上かつ50°以下、
(3)ローラ抵抗が1×104Ω以上かつ1×108Ω以下、
(4)弾性層の周波数0.1Hzにおける損失正接が0.01以上かつ0.20以下、
(5)弾性層において、周波数10Hzにおける損失正接の、周波数0.1Hzにおける損失正接に対する比が1.0以上かつ2.0以下、
を有していた。一方、現像ローラとしての性能が低かった比較例1〜3の導電性ローラにおいては、上記(1)〜(5)の性質の少なくとも1つは有していなかった。
以上より、上記(1)〜(5)の性質を有する導電性ローラは、現像ローラとしての性能が高いことが示された
電子写真方式による印字装置の構成を表す概略図である。 現像ローラの断面図及びその一部拡大断面図である。
符号の説明
1 現像ローラ(導電性ローラ)
2 導電性シャフト(導電性支持部材)
3 弾性層
5 表層部(被覆層)

Claims (6)

  1. 導電性支持部材の外周面に発泡体からなる弾性層が設けられた導電性ローラであって、下記の性質を有することを特徴とする導電性ローラ。
    (1)発泡体の発泡倍率が1.2倍以上かつ4.0倍以下、
    (2)弾性層のアスカーC硬度が10°以上かつ50°以下、
    (3)ローラ抵抗が1×104Ω以上かつ1×108Ω以下。
  2. さらに弾性層が下記の性質を有することを特徴とする請求項1に記載の導電性ローラ。
    (4)周波数0.1Hzにおける損失正接が0.01以上かつ0.20以下、
    (5)周波数10Hzにおける損失正接の、周波数0.1Hzにおける損失正接に対する比が1.0以上かつ2.0以下。
  3. 前記発泡体が、炭酸塩と脂肪酸とを含有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性ローラ。
  4. 前記発泡体が、
    (A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体と、
    (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物と、
    (C)ヒドロシリル化触媒と、
    (D)導電性付与剤と、
    を主成分とするものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ローラ。
  5. 前記弾性層の厚さが2mm以上かつ6mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ローラ。
  6. 前記弾性層の外周面に、さらに被覆層が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ローラ。
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