JP2007261343A - 電動パワーステアリング用モータ駆動装置 - Google Patents

電動パワーステアリング用モータ駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電動パワーステアリング用モータ駆動装置において、各相のモータ電流の検出タイミングの時間差及び電流センサの応答遅れに起因してモータ電流検出値に含まれる誤差の低減を課題とする。
【解決手段】上記課題は、モータ電流を検出するための電流検出手段の出力情報から得られたモータ電流検出値を、モータ100の印加交流電圧を制御するためのモータ電圧指令信号に応じて補正する電流補正手段225を設け、モータ電圧指令信号から得られたモータ電流に基づいて求められた電流検出誤差を、電流検出タイミングの異なる相のモータ電流検出値に加えることにより解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のステアリング装置に操舵用の電動力を供給する電動パワーステアリング用モータ駆動装置に関し、特にモータに流れる電流を高精度に検出するための技術に関する。
電動パワーステアリング用モータ駆動装置において、モータに流れる電流を高精度に検出するための背景技術としては、例えば特許文献1,2に記載されたものがある。このうち、特許文献1には、電流センサの出力信号に基づいて検出される電流のオフセット補正係数を調整する技術が記載されている。また、特許文献2には、オペアンプのオフセットを検出し、この検出したオフセットに基づいて、検出された電流を較正する技術が記載されている。
特開2004−359178号公報 特開2003−324985号公報
電動パワーステアリング装置では運転者の操作感覚の向上が重要である。このため、操舵用トルクを供給する電動パワーステアリング装置用モータ駆動装置には、モータのトルクリップルに対して大変厳しい低減要求がなされている。モータのトルクリップルを低減するためには、モータに流れる電流を精度良く検出し、モータを精度良く制御することが考えられる。
ところで、電動パワーステアリング装置用モータ駆動装置には、モータに流れる電流を検出するために、インバータ回路を構成する負極側スイッチング素子と電源の負極との間に設けたシャント抵抗などの電流検出素子と、電流検出素子の両端の電位の差をとり、その電位差に基づく出力信号を、インバータ回路の駆動を制御する制御器であるマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と記述する)に出力する電流検出回路とを備えた電流センサが設けられている。マイコンには、電流センサのアナログ出力信号をデジタル信号に変換してモータ電流を検出するために、アナログ・デジタル変換器(以下、「A/D変換器」と記述する)が設けられている。
ところが、上記手法では、電流検出素子の設置場所の関係上、モータ電流の検出タイミングが、負極側スイッチング素子がオンしているタイミングに限定される。しかも、上記電流検出回路では、電流検出素子の両端の電位差をとる差動増幅器や、スイッチング素子を駆動する際に生じるノイズの影響を受け難くするために設けられたノイズフィルタ回路のもつ時定数の影響により、負極側スイッチング素子に供給されるパルス信号のオン時間に対して応答遅れが生じる。このため、電流センサの個数に対してA/D変換器の個数が少なく、各相のモータ電流の検出タイミングに時間差が生じる場合には、電流センサの出力信号に誤差が含まれていない場合であっても、各相のモータ電流の検出タイミングの時間差及び電流センサの応答遅れに起因した誤差がモータ電流検出値に含まれる。上記誤差は、背景技術のような補正或いは較正をもっても解消できず、モータのトルクリップルとなって現れる。
本発明は、各相のモータ電流の検出タイミングの時間差及び電流センサの応答遅れに起因する誤差を低減できる信頼性の高い電動パワーステアリング用モータ駆動装置を提供する。
ここに、本発明は、電動パワーステアリング用モータ駆動装置において、モータ電流を検出するための電流検出手段の出力情報から得られたモータ電流検出値を、モータに印加される交流電圧を制御するためのモータ電圧指令信号に応じて補正する電流補正手段を有することを特徴とする。
上記電流補正手段を備えた本発明によれば、モータ電圧指令信号から得られたモータ電流に基づいて電流検出誤差を求めて、その電流検出誤差を電流検出タイミングの異なる相のモータ電流検出値に加え、電流検出タイミングの異なる相のモータ電流検出値を補正できる。これにより、本発明によれば、検出されたモータ電流に含まれる上記誤差を低減でき、モータ電流を精度高く検出できる。
以上説明したように、本発明によれば、検出されたモータ電流に含まれる上記誤差を低減し、モータ電流を精度高く検出するので、操舵用の電動力を発生するモータを精度良く制御でき、モータのトルクリップルを低減できる。
従って、本発明によれば、運転者の操作感覚を向上できる電動パワーステアリング装置用モータ駆動装置を提供できる。
以下、図1乃至図9を用いて、本発明が適用された電動パワーステアリング装置用モータ駆動装置の実施例を説明する。
尚、本実施例において説明するモータ駆動装置の構成は、電動ブレーキ装置など他の電動車載補機に用いられるモータ駆動装置や、家電用品或いは産業機器に用いられるモータ駆動装置に適用しても構わない。特にモータのトルクリップルの低減を必要とするモータ駆動装置への適用が好ましい。
また、本実施例では、モータ駆動装置に搭載されるモータとして、永久磁石式交流同期モータ(ブラシレスDCモータ)を用いた場合を例に挙げて説明するが、交流誘導モータなど他の交流モータを用いても構わない。
まず、図7を用いて、本実施例のモータ駆動装置を適用した電動パワーステアリング装置の構成を説明する。
電動パワーステアリング装置は、ステアリング装置にモータ駆動装置を付加し、運転者が操作するステアリングSTからマニュアルステアリングギアSTGに伝達される回転駆動力をモータ100の回転駆動力で補い、ステアリングSTに対する運転者の操作量を軽減(アシスト)するように構成されている。運転者の回転操作によってステアリングSTが回転すると共にモータ100が駆動されると、ステアリングST及びモータ100から出力された回転駆動力はロッドROを介してマニュアルステアリングギアSTGに伝達されて減速される。この減速された回転駆動力は左右のタイロッドTR1,TR2に伝達されて左右の車輪WH1,WH2に伝達される。これにより、左右の車輪WH1,WH2が舵取される。
モータ駆動装置は、操舵用の回転駆動力を発生するモータ100と、モータ100の駆動を制御するインバータ装置(モータ制御装置)200とを備えている。モータ100はバッテリBAを駆動電源とするものであり、マニュアルステアリングギアSTGの近傍に取り付けられて、その出力軸がギアGEを介してマニュアルステアリングギアSTGに機械的に接続されている。インバータ装置200は、バッテリBAから供給された直流電力を3相交流電力に変換してモータ100に供給し、モータ100の駆動を制御する。これにより、モータ100は操舵用の回転駆動力をマニュアルステアリングギアSTGにギヤGEを介して供給する。
ギヤGEは、ウォーム及びホイールからなる又は遊星ギヤからなる減速機構、或いは油圧機構を用いたトルク伝達機構などによって構成されている。ロッドROには、ステアリングSTに与えられた回転駆動力(トルク)を検出するためのトルクセンサTSが取り付けられている。トルクセンサTSの出力信号は、モータ100から出力されるトルクを制御するために、インバータ装置200に出力される。
尚、本実施例では、ラック&ピニオンギアの近傍にモータ100を取り付けたラック型電動パワーステアリング装置を例に挙げて説明する。電動パワーステアリング装置としては、ステアリングの近傍にモータを取り付けたコラム型電動パワーステアリング装置などもある。本実施例のモータ駆動装置はそのコラム型電動パワーステアリング装置にも同様に適用可能である。
次に、図1乃至図6を用いて、本実施例のモータ駆動装置の構成及び動作を詳細に説明する。
モータ100は、図1に示すように、3相の電機子巻線102U〜102Wがステータコアに巻かれて構成されたステータと、このステータの内周側に空隙を介して回転可能に配置されたロータ101と、ロータ101の磁極位置を検出するためのセンサ素子部を構成する回転位置検出器103とを備えている。電機子巻線102U〜102Wはスター結線により構成されている。ロータ101は、複数の磁極の極性(径方向の着磁方向)が周方向に交互になるように、磁極を構成する複数の永久磁石がロータコアの外周表面に所定の間隔をもって固着されて構成されている。
インバータ装置200は、バッテリBAから供給された直流電力を3相交流電力に変換するための電力系主回路を構成するインバータ回路(パワーモジュール部)210と、インバータ回路210のスイッチング動作を制御するための制御系回路を構成する制御モジュール部220とを備えている。制御モジュール部220は、ドライバ回路227,電流検出回路228,回転位置検出回路229,操作量指令器110及び制御器221などの回路を備えている。
インバータ回路210は、制御モジュール部220から出力されたゲート駆動信号(デッドタイム信号を含む)を受けてスイッチング動作する6個のスイッチング素子である電界効果トランジスタ(以下、「FET」と記述する)211A〜211Fによって構成されている。バッテリBAの正極側(ハイサイド)に接続されたFET211A〜211Cと、バッテリBAの負極側(ローサイド)に接続されたFET211D〜211Fは同相のもの同士、電気的に直列に接続され、アームと呼ばれる直列回路を構成している。これにより、バッテリBAの正負極間には3相分のアームが電気的に並列に接続され、ブリッジ回路が構成される。各アームの中点には、対応する相の電機子巻線102U〜102Wが電気的に接続されている。
インバータ回路210がスイッチング動作すると、バッテリBAから供給された直流のバッテリ電圧Edは3相交流のモータ印加電圧Vs(Vsu,Vsv,Vsw)に変換される。変換されたモータ印加電圧Vs(Vsu,Vsv,Vsw)は、対応する電機子巻線102U〜102Wに印加される。これにより、電機子巻線102U〜102Wに電流が流れて回転磁界が発生し、その回転磁界とロータ101の永久磁石が発生する磁束との磁気的作用によってロータ101が回転する。これにより、モータ100からトルク(回転駆動力)τmが出力される。
制御モジュール部220には、インバータ回路210のスイッチング動作を制御するために、ロータ101の回転位置(磁極位置)を検出するためのセンサの出力信号(検出信号)、及び3相の電機子巻線102U〜102Wに供給されるモータ電流を検出するためのセンサの出力信号(検出信号)が、トルクセンサTSの出力信号(検出信号)と共に入力されている。
ロータ101の回転位置(磁極位置)は、レゾルバ,エンコーダ,ホールIC,ホール素子及び磁気抵抗素子などから構成された回転位置検出器103(センサ素子部)と、回転位置検出器103の出力に基づく出力信号を出力する回転位置検出回路229(センサ回路部)とを備えた回転位置検出手段(回転位置センサ)によって検出される。回転位置検出回路229の出力信号は入力情報として制御器221に出力される。制御器221はその信号からロータ磁極位置を検出する。
尚、制御器21において検出されたロータ磁極位置は制御上、角度位置Psとして扱われる。ここで、角度には機械角と電気角があり、角度位置Psに用いられる角度は電気角である。ちなみに機械角はロータ101の1回転を360度、電気角はロータ101の磁極(極対)の角度を360度とするものであり、両方の角度間には電気角360度=機械角360度/極対数の関係がある。
電機子巻線102U〜102Wに流れるモータ電流は、FET211D〜211FとバッテリBAの負極側との間に直列に接続されたシャント抵抗212A〜212C(センサ素子部)と、差動増幅器及びフィルタ回路などから構成された電流検出回路228(センサ回路部)とを備えた電流検出手段(電流センサ)によって検出される。具体的に電流検出手段は、シャント抵抗212A〜212Cの端子間の電位差を差動増幅器により求めてその電位差に基づくパルス状の電圧信号を増幅し、この増幅信号を出力信号として制御器221に出力する。フィルタ回路は、FET211D〜211Fのスイッチング動作によるノイズの影響を受け難くするために、例えば差動増幅器の入力側に設けられ、差動増幅器の入力に含まれるノイズ成分を除去する。制御器221は、入力情報として電流検出回路228の出力信号を入力し、その信号からモータ電流検出値IUs,IVs,IWsを検出する。
モータ100から出力されるトルクは、トルクセンサTSの出力信号に基づいて操作量指令器110が演算する。操作量指令器110は、トルクセンサTSの出力信号に基づく操舵状態量(操舵角や操舵トルクなど)に車両状態量(車両速度や路面状態など)を加味してトルク指令値τ0を演算し、そのトルク指令値τ0を入力情報として制御器221に出力する。
制御器221は、モータ電流検出値IUs,IVs,IWs、トルク指令値τ0及び角度位置Psに基づいて、モータ印加電圧Vs(Vsu,Vsv,Vsw)を制御するためのモータ電圧指令値を演算し、そのモータ電圧指令値に対応したモータ電圧指令信号(正弦波を基本波とするPWM変調波)Wv(Wvu,Wvv,Wvw)をPWM搬送波(三角波)でPWM変調してドライバ回路227に出力する。ドライバ回路227には、幅が変調された3アーム分(6つ)のドライブ信号PWM(矩形波状のパルス信号)が入力される。
ドライバ回路227は、入力されたドライブ信号PWMに基づいて、各スイッチング素子のゲートに入力されるゲート駆動信号を生成し、各スイッチング素子のゲートに出力する。
制御器221はマイコンによって構成されており、機能的に電流指令器222,電流制御器223と、波形制御手段224,PWM変調器226及び電流補正手段225を備えている。また、制御器221は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を備えている。
電流指令器222は、モータ100のトルク定数などに基づいて予め設定した電流指令マップ(トルク指令値τoに対する電流指令値の関係を示すテーブル)を参照し、ベクトル制御を行うために必要な電流指令値Io(トルク電流指令(q軸電流指令)と励磁電流指令(d軸電流指令))を、入力されたトルク指令値τoに基づいて演算する。電流指令値Ioは電流制御器223に出力される。
電流制御器223は、電流補正手段225から出力されたモータ電流値Is(トルク電流値Iq(q軸電流値)と励磁電流値Id(d軸電流値)),電流指令値Io及び角度位置Psを入力し、モータ電流値Isと電流指令値Ioとの比較に基づいて、てモータ電流値Isが電流指令値Ioに一致するように、出力電圧指令値Vo(トルク電圧値Vq(q軸電圧値)と励磁電圧値Vd(d軸電圧値))を演算する。出力電圧指令値Voは波形制御手段224に出力される。
尚、モータ電流値Isを出力する電流補正手段225の動作については、後ほど図を用いて具体的に説明する。
波形制御手段224は出力電圧指令値Vo及び角度位置Psを入力し、出力電圧指令値Vo及び角度位置Psに基づいて3相のモータ電圧指令値を演算する。すなわち出力電圧指令値Voを角度位置Psに基づいて2相3相変換する。モータ電圧指令値はモータ電圧指令信号(正弦波を基本波とするPWM変調波)Wv(Wvu,Wvv,Wvw)としてPWM変調器226及び電流補正手段225に出力される。
PWM変調器226は、三角波発生器から出力されたPWM搬送波及びモータ電圧指令信号Wvを入力し、モータ電圧指令信号WvとPWM搬送波Wcとを比較して、各相上下アームのスイッチング素子を駆動するためのドライブ信号PWMをドライバ回路227に出力する。
図6は、ドライバ回路227に出力される各相上アームのドライブ信号PWM(PWMパルス信号UgH,UgL,VgH,VgL,WgH,WgL)例であり、各相のモータ電圧指令信号Wv(Wvu,Wvv,Wvw)とPWM搬送波Wcとの比較により、パルス幅が変調されたパルス信号が出力されている。
次に、図2乃至図5を用いて、電流補正手段225の動作を説明する。
FET211A〜211Cがオフ(PWMパルスUgH,VgH,WgHがoff)になる、すなわちFET211D〜211Fがオン(PWMパルスUgL,VgL,WgLがon)になると、各相のモータ電流は、FET211D〜211F(FET内のボディダイオードを含む)とシャント抵抗212A〜212Cを流れる。これにより、シャント抵抗212A〜212Cの両端には電位差が生じる。シャント抵抗212A〜212Cの両端の電位は電流検出回路228の差動増幅器に入力され、その差分(電位差)が求められる。その電位差は増幅されてシャント電圧波形信号IUp,IVp,IWpとして電流検出回路228から制御器221に出力される。
ここで、シャント電圧波形信号IUp,IVp,IWpは、図5に示すように、PWMパルスUgH,VgH,WgHの立ち下がりと立ち上がりのエッジの部分(PWMパルスUgL,VgL,WgLの立ち上がりと立ち下がりのエッジの部分)に同期して出力される。制御器221は、入力されたシャント電圧波形信号IUp,IVp,IWpを上記エッジに同期してA/D変換器によりアナログ信号からデジタル信号に変換すると共に、信号のレベル変換を行う。これにより、モータ電流検出値IUs,IVs,IWsを検出する。この検出されたモータ電流検出値IUs,IVs,IWsは電流補正手段225に出力される。
ところが、電流センサの個数に対して制御器221のA/D変換器の個数が2個以下の場合、A/D変換器による各相のモータ電流の検出タイミングには、例えばA/D変換器の個数を2個とし、U相とV相のモータ電流を同時に検出する場合、U相とV相の検出タイミングとW相の検出タイミングとの間には時間差taが生じる。この時、電流検出回路228はFET211D〜211Fのオン時間に対してフィルタ回路及び差動増幅器の時定数による応答遅れが生じるので、W相のモータ電流検出値には、その応答遅れに応じた電流検出誤差Ieが含まれる。その電流検出誤差Ieは、制御器221におけるモータ電流検出精度を低下させ、この結果、モータ100の制御精度を低下させてしまう。すなわちモータ100のトルクリップルとなって現れる。
尚、本実施例では、W相のモータ電流検出値に上記時間差taと上記応答遅れによる電流検出誤差Ieが含まれた場合を例に挙げて説明するが、電流検出誤差Ieが含まれる相はモータ電流を同時に検出する相の組み合わせによって変わる。例えばV相とW相を同時に検出した後にU相を検出した場合にはU相に上記時間差と上記応答遅れによる誤差が含まれ、U相とW相を同時に検出する前にV相を検出した場合にはV相に上記時間差と上記応答遅れによる誤差が含まれる。
そこで、本実施例では、電流補正手段225を制御器221に設け、検出されたW相のモータ電流検出値IWsを、波形制御出から出力されたモータ電圧指令信号Wvに基づいて補正している。
具体的には、図2,図3の関係から、図4に示すように、モータ電圧指令信号Wvに基づくモータ電圧指令値に対する電流検出誤差Ieを演算し、その電流検出誤差IeをW相のモータ電流検出値IWsに加算(IWs+Ie)し、W相のモータ電流検出値IWsを補正する。
ここで、図2は、モータ電流に対するモータ電流検出値の関係を、図3は、モータ電圧指令値に対するモータ電流の関係を、図4は、モータ電圧指令値に対する電流検出誤差の関係をそれぞれ示す。
図2に示すように、同じモータ電流が流れた場合であっても、W相の検出タイミングにおけるモータ電流検出値と他相(U相とV相)の検出タイミングにおけるモータ電流検出値との間にはIe分だけの差が生じる。すなわち電流検出誤差Ieが生じる。このようなことから、その電流検出誤差Ie分だけ、検出タイミングの異なる相のモータ電流検出値を補償すればよい。また、図3に示すように、モータ電流はモータ電圧指令信号Wvに基づくモータ電圧指令値から演算により推定できる。
従って、モータ電圧指令信号Wvに基づくモータ電圧指令値に基づいてモータ電流を演算して、そのモータ電流に対するW相の検出タイミングにおけるモータ電流検出値と、他相(U相とV相)の検出タイミングにおけるモータ電流検出値とを演算し、それらの差分を演算することにより、図4に示すように、モータ電圧指令値に対する電流検出誤差の関係を求めることができる。すなわち上記原理に基づいてモータ電圧指令値から電流検出誤差Ieを演算できる。
W相のモータ電流検出値IWsを補正した後、電流補正手段225は、補正後のW相のモータ電流検出値IWsと他相(U相とV相)のモータ電流検出値IUs,IVsに基づいてモータ電流検出値Isを演算し、そのモータ電流検出値Isを電流制御器223に出力する。
以上のことから、検出タイミングが異なっても、その分、モータ電圧指令信号Wvに基づいて、検出タイミングが異なる相のモータ電流検出値を補正することができ、各相とも同じタイミングで検出してモータ電流検出値を求めた場合と同じように、モータ電流検出値を求めることができる。従って、本実施例によれば、上記時間差taと上記応答遅れによる電流検出誤差Ieを低減できるので、モータ100のモータ電流を精度良く検出できる。これにより、本実施例によれば、モータ100を精度良く制御して、モータ100のトルクリップルを低減できるので、ステアリングSTを回転させた時の運転者の操舵感覚を向上できる。
次に、図8,図9を用いて、電動パワーステアリング用モータ駆動装置に搭載される実際のインバータ装置200の構成を説明する。
インバータ装置200は、図8に示すように、ケース240及びシールドカバー250から構成された筐体内に、パワーモジュール210と、制御モジュール220と、導体モジュール230を収納したものである。ケース240及びシールドカバー250はアルミニウム製である。
パワーモジュール210は、実際に、メタル基板上に絶縁物を介して配線パターンが形成され、その上に、図2を用いて説明したFETなどの半導体スイッチング素子SSWが取り付けられることにより構成されている。パワーモジュール210には、複数のリードフレーム210LFの一端が半田付けにより固定されている。リードフレーム210LFはパワーモジュール210と制御モジュール220とを電気的に接続するために用いられるものである。
制御モジュール220は、実際に、制御器221やドライバ回路227などを構成する電子部品などがPCB基板の上に取り付けられることにより構成されている。図示の状態では、基板の下側の面に、制御器221やドライバ回路227などを構成する電子部品などが取り付けられている。制御モジュール220には信号コネクタ220Cが取り付けられている。
導体モジュール230は、バッテリBAとパワーモジュール210の半導体スイッチング素子SSWのコレクタ端子とを接続する電力線となるバスバー230Bを樹脂のモールドにより一体成形したものである。図9に示すように、太い実線部分がそのバスバーを示す。導体モジュール230には、モータ100にモータ電流を供給する端子であるモータコネクタ230SC、及びバッテリBAから電力が供給される電源コネクタ230PCも同時に一体成形されている。また、導体モジュール230にはパーツ230Pが予め取り付けられている。パーツ230Pは、図9に示すように、コモンフィルタCF,ノーマルフィルタNF,コンデンサC1,C2,リレーRY1であり、バスバー230Bに接続されている。
コモンフィルタCF及びノーマルフィルタNFは、ラジオノイズを防止するために設置されたものである。リレーRYは、モータ100の異常時や制御モジュール220の異常時などにおいて、モータ100への通電を遮断するフェールセーフのために用いられるものである。コンデンサC1,C2は、パワーモジュール210に供給される直流電力を平滑するために用いられる。
パーツ230Pの端子とバスバー230BはTIG溶接(アーク溶接)により接続されている。図9の二重丸部分はその溶接部分を示しており、コモンフィルタCFの4個の端子,ノーマルフィルタNFの2個の端子,セラミックコンデンサC1,C2のそれぞれ2個の端子,リレーRYの3個の端子が、それぞれ、バスバー230Bの端子に溶接により接続されている。
また、図9に示すように、パワーモジュール210からモータ100にモータ電流を供給する配線にもバスバーを用いている。そのバスバーとパワーモジュール210はワイヤのボンディングにより接続されている。
パワーモジュール210の半導体スイッチング素子SSWをオンオフ制御する制御信号は制御モジュール220からパワーモジュール210にリードフレーム210LFを介して出力されている。また、パワーモジュール210のモータ電流を検出するためのセンサ素子であるモータ電流検出抵抗(シャント抵抗)DR1,DR2,DR3の出力信号もパワーモジュール210から制御モジュール220にリードフレーム210LFを介して出力されている。リードフレーム210LFは半田付けにより両モジュールに接続されている。
以上のように構成されたインバータ装置200はその製造時、次の手順によって組み立てられる。まず、ケース240の中にパワーモジュール210及び導体モジュール230をそれぞれネジ止めする。次に、パワーモジュール210及び導体モジュール230の上の位置に、制御モジュール220を同じくネジ止めする。次に、パワーモジュール210の端子に一端が半田付けされたリードフレーム210LFの他端を制御モジュール220の端子に半田付けする。最後に、シールドカバー250をケース240をネジ止めすることにより、インバータ装置200が完成する。
本発明の実施例である電動パワーステアリング用モータ駆動装置の全体構成を示す回路図。 モータ電流に対するモータ電流検出値の関係を示す特性図。 モータ電圧指令値に対するモータ電流の関係を示す特性図。 モータ電圧指令値に対する電流検出誤差の関係を示す特性図。 PWMパルスのオンオフタイミングと電流センサから制御器に出力される出力信号との関係を示す信号波形図。 モータ電圧指令信号(PEM変調波)をPWM搬送波によってPWM変調することにより得られる各アームのPEMパルス信号を示す信号波形図。 図1のモータ駆動装置が適用された電動パワーステアリング装置の構成を示す概略図。 図1のモータ駆動装置に搭載される実際のインバータ装置の全体構成を示す分解斜視図。 図8のインバータ装置の回路構成を示す回路図。
符号の説明
100…モータ、103…回転位置検出器、200…インバータ装置、210…パワーモジュール、212A〜212C…シャント抵抗、221…制御器、225…電流補正手段、228…電流検出回路、229…回転位置検出回路。

Claims (2)

  1. 交流電力により駆動されて操舵用の電動力を発生するモータと、
    該モータに前記交流電力を供給するインバータと、
    前記モータに流れるモータ電流を検出するための電流検出手段と、
    前記モータのロータ回転位置を検出するための回転位置検出手段と、
    トルク指令値,前記電流検出手段の出力情報及び前記回転位置検出手段の出力情報を含む情報を入力し、前記モータに印加される交流電圧を制御するためのモータ電圧指令信号をPWM変調して出力する制御手段と、
    前記電流検出手段の出力情報に基づくモータ電流検出値を前記モータ電圧指令信号に応じて補正する電流補正手段とを有することを特徴とする電動パワーステアリング用モータ駆動装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング用モータ駆動装置において、
    前記電流補正手段は、前記モータ電圧指令信号から得られたモータ電流に基づいて電流検出誤差を求め、前記電流検出誤差を電流検出タイミングの異なる相の前記モータ電流検出値に加えることを特徴とする電動パワーステアリング用モータ駆動装置。
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