JP2007256603A - 液晶プロジェクター用波長板 - Google Patents

液晶プロジェクター用波長板 Download PDF

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Takuhiro Ushino
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Abstract

【課題】面内位相差が低く、波面収差が小さい液晶プロジェクター用波長板を提供すること。
【解決手段】本発明に係る液晶プロジェクター用波長板は、環状オレフィン系樹脂よりなる位相差フィルム2枚が、各々のフィルム面内の光軸が90±1度の角度で交わるように貼合された積層フィルムを含むことを特徴とする。本発明の液晶プロジェクター用波長板において、上記各位相差フィルムの面内位相差が50〜200nmであること、貼合後の積層フィルムの面内位相差が5〜50nmであること、該積層フィルムの面内位相差の分布が中心値±1nm以内であること、ならびに、波面収差が20mλ以内であることが好ましい。また、上記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が140〜200℃であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶プロジェクター用波長板に関する。
液晶プロジェクターに用いられる波長板は、従来から偏光変換素子しての利用方法が知られている。偏光変換素子とは、該偏光変換素子に入射される自然光を、偏光面が互いに直交するP偏光光およびS偏光光に分離し、分離されたP偏光光およびS偏光光のいずれか一方の偏光面を実質的に90度回転させることにより、該偏光光における偏光面の角度を他方の偏光光における偏光面と一致させる機能を有するものである。このような偏光変換素子によれば、得られる偏光光の大部分が実質的に単一の偏光面を有するものとなるので、液晶プロジェクターにおいて高い光の利用効率を得られる。
このような偏光変換素子において、入射される偏光光における偏光面を実質的に90度回転させる手段としては、1/2波長板が用いられている。また、液晶プロジェクターでは、ダイクロイックミラーで光の三原色(R.G.B)に分光された後に、対応する液晶パネルにそれぞれ透過させ、クロスプリズムにより合成されて投射レンズから出光するが、液晶パネルとクロスプリズムの間に輝度向上を目的に1/4波長板が用いられる場合がある。その際、分光された光の波長はある程度幅を持っていることから、特定の短波長だけではなく広い帯域で1/4波長とする波長板が求められる場合がある。
ここで、1/2波長板とは、特定波長の直交する2つの偏光成分の間にλ/2の光路差(すなわちπの位相差)を与えるものであり、1/4波長板とは、特定波長の直交する2つの偏光成分の間にλ/4の光路差(すなわちπ/2の位相差)を与えるものである。
このような波長板としては、複屈折性を有する雲母、石英、水晶、方解石、LiNbO3、LiTaO3などの単結晶から形成される波長板、ガラス基板などの下地基板に対して斜め方向から無機材料を蒸着することにより得られる下地基板の表面に複屈折膜を有する波長板、複屈折性を有するLB(Langmuir-Blodget)膜を有する波長板など無機系のものが従来使用されている。
また、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アクリル樹脂などの透明樹脂フィルムを延伸し配向させることにより、複屈折性(透過光に位相差を与える機能)を付与した位相差フィルムを、平坦性や定形性維持のためガラス基板に接着したり、2枚のガラス基板で挾持したりした波長板も使用されている(たとえば、特許文献1、2参照)。
一方、近年、上記の偏光変換素子以外にも液晶プロジェクターにおいて波長板が使用されるようになった。具体的には、たとえば、液晶プロジェクターを内蔵したTVなどにおいて、コントラスト向上素子として波長板が用いられている。この用途に対しても、上記の偏光変換素子と同じく、複屈折性を有する雲母、石英、水晶、方解石、LiNbO3
LiTaO3などの単結晶から形成される波長板、ガラス基板などの下地基板に対して斜
め方向から無機材料を蒸着することにより得られる下地基板の表面に複屈折膜を有する波長板、複屈折性を有するLB(Langmuir-Blodget)膜を有する波長板など無機系のものや、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレンテレフタレート(PET
)、ポリプロピレン(PP)、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アクリル樹脂などの透明樹脂フィルムを延伸し配向させることにより、複屈折性(透過光に位相差を与える機能)を付与した位相差フィルムを、平坦性や定形性維持のためガラス基板に接着したり、2枚のガラス基板で挾持したりした波長板を使用することができる。
ここで、コントラスト向上素子として波長板が用いられる理由は、内蔵された液晶プロジェクターが液晶パネルを用いているため、この液晶パネルに使用されている液晶自体の持つ複屈折性に由来して、画面の黒表示時に光漏れが起こってしまい、その結果、映像投影時のコントラストが低下してしまうという課題を改善するためである。また、波長板は液晶プロジェクターの結像焦点に近い位置に配置されるのが一般的であるので、光学的なうねりなどの不均一性が投影画像に大きく反映してしまう。近年、液晶プロジェクターの投影性能に対する要求がますます厳しくなってきているため、それに応じて波長板に対する要求特性もますます厳しくなっている状況にある。特に、面内位相差(R0)が低く、波面収差が小さいことなどが要求されているが、従来知られている波長板ではこのような厳しい要求を満たすことが難しかった。
特開平2003−227938号公報 特開平2005−208588号公報
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、面内位相差が低く、波面収差が小さい液晶プロジェクター用波長板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、比較的位相差の近い環状オレフィン系樹脂よりなる位相差フィルム2枚を、光軸を90度ずらして貼合することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る液晶プロジェクター用波長板は、環状オレフィン系樹脂よりなる位相差フィルム2枚が、各々のフィルム面内の光軸が90±1度の角度で交わるように貼合された積層フィルムを含むことを特徴とする。
本発明の液晶プロジェクター用波長板において、上記各位相差フィルムの面内位相差が50〜200nmであること、貼合後の積層フィルムの面内位相差が5〜50nmであること、2枚の位相差フィルムの面内位相差の差と積層フィルムの面内位相差との差の絶対値が5nm以内であること、該積層フィルムの面内位相差の分布が中心値±1nm以内であること、ならびに、波面収差が20mλ以内であることが好ましい。また、上記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が140〜200℃であることが好ましい。
本発明の液晶プロジェクター用波長板は、面内位相差(R0)が低く、波面収差が小さいことから、高性能の液晶プロジェクターを提供することができる。
以下、本発明に係る液晶プロジェクター用波長板(以下、単に「波長板」ともいう。)について詳細に説明する。
〔環状オレフィン系樹脂〕
本発明の波長板には、環状オレフィン系樹脂からなる位相差フィルム2枚が用いられる。前記環状オレフィン系樹脂としては、たとえば、
(1)下記一般式(I)で表される環状オレフィン(以下「環状オレフィン(I)」とも
いう。)の開環重合体、
(2)環状オレフィン(I)と共重合性単量体との開環共重合体、
(3)上記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体、
(4)上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体、
(5)環状オレフィン(I)と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体、
(6)環状オレフィン(I)、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体、
(7)環状オレフィン(I)とアクリレートとの交互共重合体
などが挙げられる。
Figure 2007256603
上記式(I)中、R1〜R4は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基またはその他の1価の有機基であり、R1とR2またはR3とR4は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R1またはR2とR3
たはR4とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の
整数であり、pは0または正の整数である。
<環状オレフィン(I)>
上記環状オレフィン(I)の具体例としては、以下の化合物などが挙げられる。ただし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8-n-プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、
8-イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、
8-n-ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、
8-メチル-8-メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、
8-メチル-8-エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、
8-メチル-8-n-プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、
5,5-ジフルオロ-6,6-ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、
5,6-ジフルオロ-5,6-ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、
5,5,6-トリフルオロ-5-トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6-ジクロロ-5,6-ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、
5,5,6-トリフルオロ-6-トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、
5,5,6-トリフルオロ-6-ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8-ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、
8,9-ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、
8-メチル-8-トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9-トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8-クロロ-8,9,9-トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.
7,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記環状オレフィン(I)のうち好ましいのは、上記式(I)中、R1およびR3が水素原子または炭素数1〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、R2およびR4が水素原子または一価の有機基であって、R2およびR4の少なくとも1つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する極性基であり、mは0〜3の整数、pは0〜3の整数であり、より好ましくはm+p=0〜4、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくはm=1、p=0であるものである。m=1、p=0である環状オレフィン(I)は、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くかつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
上記環状オレフィン(I)の極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これらはメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基が好ましい。
さらに、R2およびR4の少なくとも1つが、−(CH2nCOORで表される極性基である単量体は、高いガラス転移温度、低い吸湿性、および、各種材料との優れた密着性を有する環状オレフィン系樹脂が得られる点で好ましい。前記極性基を表す式において、Rは炭素原子数1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは、通常、0〜5であるが、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である環状オレフィン(I)はその合成が容易である点で好ましい。
また、上記式(I)において、R1またはR3がアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、より好ましくは1〜2のアルキル基、特に好ましくはメチル基であり、さらに、このアルキル基が上記−(CH2nCOORで表される極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが、得られる環状オレフィン系樹脂の吸湿性を低くできる点で好ましい。
<共重合性単量体>
上記共重合性単量体としては、たとえば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数は、好ましくは4〜20、より好ましくは5〜12である。これらは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記共重合性単量体は、「環状オレフィン(I)/共重合性単量体」(重量比)が、好ましくは100/0〜50/50、より好ましくは100/0〜60/40の範囲となる量で用いられる。
なお、上記環状オレフィン(I)と上記共重合性単量体との開環共重合反応は、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下で行ってもよい。
<開環重合触媒>
上記(1)環状オレフィン(I)の開環重合体および(2)環状オレフィン(I)と共重合性単量体との開環共重合体を得るための開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えば、Li、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA
族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)またはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合もしくは該元素−水素結合を有するものから選ばれる少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
上記(a)成分として適当なW、MoまたはReの化合物の代表例としては、WCl6
、MoCl6 、ReOCl3 などの特開平1−132626号公報第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
上記(b)成分の具体例としては、n−C49Li、(C253 Al、(C252
AlCl、(C251.5AlCl1.5、(C25)AlCl2、メチルアルモキサン、L
iHなど特開平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
上記(c)成分である添加剤としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などを好適に用いることができ、さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を使用することができる。
上記(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比[(a):(b)]で1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲内である。また、上記(a)成分と(c)成分との割合は、モル比[(c):(a)]で0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲内である。
上記メタセシス触媒は、「(a)成分:環状オレフィン(I)」(モル比)が、通常、1:500〜1:50,000、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる範囲
の量で用いられる。
<重合反応用溶媒>
上記開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、環状オレフィン(I)および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、たとえば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリール;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などが挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、芳香族炭化水素が好ましい。
上記溶媒は、「溶媒:環状オレフィン(I)」(重量比)が、通常、1:1〜10:1、好ましくは1:1〜5:1となる量で用いられる。
<分子量調節剤>
得られる開環(共)重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することもできる。
好適な分子量調節剤としては、たとえば、エチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらの中では、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。
上記分子量調節剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記分子量調節剤は、開環重合反応に供される環状オレフィン(I)1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとなる量で用いられる。
<水素添加>
上記のようにして得られる開環(共)重合体は、そのままでも用いることができるが、この(共)重合体の分子中のオレフィン性不飽和結合を水素添加して得られた(3)水素添加(共)重合体は、耐熱着色性や耐光性に優れ、位相差フィルムの耐久性を向上させることができるので好ましい。
上記水素添加反応は、通常のオレフィン性不飽和結合を水素添加する方法が適用できる。すなわち、開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
上記水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。このような水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリ
ド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。
上記水素添加触媒は、開環(共)重合体:水素添加触媒(重量比)が1:1×10-6〜1:2の範囲となる量で用いられる。
水素添加(共)重合体の水素添加率は、500MHz 1H−NMRで測定した値が5
0%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたものとなり、本発明の波長板として使用した場合に長期にわたって安定した特性を得ることができる。
なお、開環(共)重合体分子中に芳香族基を有する場合、該芳香族基は耐熱着色性や耐光性を低下させることが少なく、逆に光学特性、例えば屈折率や波長分散性等の光学的特性あるいは耐熱性に関して有利な効果をもたらすこともあり、必ずしも水素添加される必要はない。
また、上記環状オレフィン系樹脂として使用される水素添加(共)重合体は、該水素添加(共)重合体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下であることが好ましく、特に1重量%以下であることが好ましい。
<フリーデルクラフト反応による環化>
上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化する方法は特に限定されるものではないが、特開昭50−154399号公報に記載の酸性化合物を用いた公知の方法を採用することができる。前記酸性化合物としては、具体的には、AlCl3、BF3、FeCl3、Al23、HCl、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土などのルイス酸やブレンステッド酸が用いられる。
なお、環化された開環(共)重合体は、上記(3)開環(共)重合体の水素添加(共)重合体と同様の方法で水素添加できる。
<飽和共重合体>
上記(5)飽和共重合体を得るために用いられる不飽和二重結合含有化合物としては、たとえば、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン系化合物、好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜8のオレフィン系化合物を挙げることができる。
上記不飽和二重結合含有化合物は、環状オレフィン(I):不飽和二重結合含有化合物(重量比)が、好ましくは90:10〜40:60、より好ましくは85:15〜50:50の範囲となる量で用いられる。
上記(5)飽和共重合体は、付加重合触媒を用いた付加重合法により製造することができる。前記付加重合触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれた少なくとも一種と、助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いられる。
上記チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタンなどが挙げられ、上記ジルコニウム化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
上記バナジウム化合物としては、下記一般式で表されるバナジウム化合物またはこれらの電子供与付加物が用いられる。
VO(OR)abまたはV(OR)cd
上記式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、a、b、cおよびdは、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4を満たす。
上記電子供与体としては、たとえば、アルコール、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸もしくは無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシランなどの含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアナートなどの含窒素電子供与体などが挙げられる。
上記助触媒としての有機アルミニウム化合物としては、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合またはアルミニウム−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種が用いられる。
上記バナジウム化合物を用いる場合、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物との比率は、バナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)が2以上、好ましくは2〜50、より好ましくは3〜20の範囲である。
上記付加重合に用いられる重合反応用溶媒は、上記開環重合反応に用いられる溶媒と同じものを用いることができる。また、得られる(5)飽和共重合体の分子量の調節は、通常、水素を用いて行われる。
<付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体>
上記(6)環状オレフィン(I)、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型(共)重合体は、上記(5)飽和共重合体と同様の付加重合法で得ることができる。また、上記付加型(共)重合体の水素添加(共)重合体は、上記(3)開環(共)重合体の水素添加(共)重合体と同様の水添法で得ることができる。
上記ビニル系環状炭化水素系単量体としては、たとえば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテン等のビニルシクロペンテン系単量体、4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタン等のビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体;4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体;4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体;d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体;4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体;4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。これらの中では、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。上記ビニル系環状炭化水素系単量体は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記シクロペンタジエン系単量体としては、たとえば、シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられ、
好ましくはシクロペンタジエンである。これらは、1種単独で用いても、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
<交互共重合体>
上記(7)交互共重合体は、ルイス酸存在下、上記環状オレフィン(I)とアクリレートの合計を100モルとしたとき、通常、「環状オレフィン(I):アクリレート」(モル比)が30:70〜70:30、好ましくは40:60〜60:40、特に好ましくは45:55〜55:45の割合でラジカル重合することにより得られる。なお、前記ルイス酸は、アクリレート100モルに対して0.001〜1モルとなる量で用いられる。
上記アクリレートとしては、たとえば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート;グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート;ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート;イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
また、上記(7)交互共重合体を製造する際に、公知のフリーラジカルを発生する有機過酸化物またはアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることができ、重合反応温度は、通常、−20℃〜80℃、好ましくは5℃〜60℃である。また、重合反応用溶媒には、開環重合反応に用いられる溶媒と同じものを使用することができる。
なお、本発明でいう「交互共重合体」とは、上記環状オレフィン(I)に由来する構造単位が隣接しない、すなわち、上記環状オレフィン(I)に由来する構造単位の隣は必ずアクリレートに由来する構造単位となる構造を有する共重合体のことを意味しており、アクリレート由来の構造単位同士が隣接して存在する構造を否定するものではない。
<分子量>
上記環状オレフィン系樹脂の分子量としては、固有粘度〔η〕inhが、好ましくは0.
2〜5dl/g、さらに好ましくは0.3〜3dl/g、特に好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、好ましくは8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)が、好ましくは20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000の範囲である。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量および重量平均分子量が上記範囲にあることによっ
て、環状オレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明の波長板として使用したときの位相差の安定性とのバランスが良好となる。
<ガラス転移温度(Tg)>
上記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常、140℃以上、好ましくは140〜350℃、さらに好ましくは140〜250℃、特に好ましくは140〜200℃である。Tgが前記範囲よりも低いと、レーザー光源やプロジェクター光源その隣接部品からの熱により、得られる環状オレフィン系樹脂フィルムの光学特性変化が大きくなる傾向にあり、一方、Tgが350℃を超えると、延伸加工など、Tg近辺まで加熱して加工する場合に樹脂が熱劣化する可能性が高くなる。
<飽和吸水率>
上記環状オレフィン系樹脂の23℃における飽和吸水率は、好ましくは0.05〜2重
量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。飽和吸水率が前記範囲内であると、位相差が均一であり、得られる環状オレフィン系樹脂フィルムとガラス基板などとの密着性が優れ、使用途中で剥離などが発生せず、また、酸化防止剤などとの相溶性にも優れ、多量に添加することも可能となる。飽和吸水率が前記範囲より低いと、ガラス基板や透明支持体などの支持体との密着性が乏しくなり、剥離を生じやすくなる傾向にあり、一方、前記範囲を超えると、環状オレフィン系樹脂フィルムが吸水により寸法変化を起こしやすくなる傾向にある。なお、上記飽和吸水率はASTM D570に従い、23℃水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより得られる値である。
<光弾性係数(CP)および応力光学係数(CR)>
上記環状オレフィン系樹脂としては、その光弾性係数(CP)が0〜100(×10-12Pa-1)であり、かつ、応力光学係数(CR)が1,500〜4,000(×10-12Pa-1)を満たすものが好適に用いられる。
ここで、光弾性係数(CP)および応力光学係数(CR)については、種々の文献(Polymer Journal、Vol.27、No.9、pp 943-950(1995);日本レオロジー学会誌、Vol.19、No.2
、p93-97(1991);光弾性実験法、日刊工業新聞社、昭和50年第7版)に記載されており、前者がポリマーのガラス状態での応力による位相差の発生程度を表すのに対し、後者は流動状態での応力による位相差の発生程度を表す。
光弾性係数(CP)が大きいことは、ポリマーをガラス状態下で使用した場合に、外的
因子または自らの凍結した歪みから発生する応力などによって敏感に位相差を発生しやすくなってしまうことを表す。具体的には、本発明のように積層したり支持体に固定したりした際の貼り合わせ時の残留歪みや、温度変化や湿度変化などにともなう材料の収縮により発生する微小な応力によって、不必要な位相差を発生しやすいことを意味する。したがって、光弾性係数(CP)は小さい程よい。
一方、応力光学係数(CR)が大きいことは、例えば、環状オレフィン系樹脂フィルム
に位相差の発現性を付与する際に、少ない延伸倍率で所望の位相差を得られるようになったり、大きな位相差を付与しうるフィルムを得やすくなったり、同じ位相差を所望の場合には応力光学係数(CR)が小さいものと比べてフィルムを薄肉化できるという大きなメ
リットがある。
以上のような見地から、光弾性係数(CP)は、好ましくは0〜100(×10-12Pa-1)、さらに好ましくは0〜80(×10-12Pa-1)、特に好ましくは0〜50(×1
-12Pa-1)、より好ましくは0〜30(×10-12Pa-1)、最も好ましくは0〜20(×10-12Pa-1)である。光弾性係数(CP)が前記範囲を超えると、位相差フィルム同士の貼り合わせ時に発生する応力、位相差フィルムを支持体に固定した時に発生する応力、ならびに、使用する際の環境変化などによって発生する位相差変化などによって、最適貼り合わせ光軸角度の許容誤差範囲からのずれが発生してしまい、波長板として使用した時に透過光量が低下してしまう場合があり好ましくない。
<水蒸気透過度>
上記環状オレフィン系樹脂の水蒸気透過度は、40℃、90%RHの条件下で25μm厚のフィルムとしたときに、通常、1〜400g/m2・24hrであり、好ましくは5
〜350g/m2・24hrであり、さらに好ましくは10〜300g/m2・24hrである。水蒸気透過度を本範囲とすることで、ガラス板や透明支持体などの支持体と位相差フィルムとの貼り合わせに使用した接着剤の含有水分や波長板が使用される環境の湿度による特性変化を低減・回避できることから好ましい。
<添加剤>
上記環状オレフィン系樹脂には、公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェノール、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタン;紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどを添加することによって安定化することができる。また、加工性を向上させる目的で、滑剤などの添加剤を添加することもできる。
〔位相差フィルム〕
本発明の波長板に用いられる位相差フィルムは、上記環状オレフィン系樹脂よりなる樹脂フィルムに延伸加工を施すことによって得られる。前記環状オレフィン系樹脂フィルムの成形方法としては、溶融成形法や溶液流延法(溶剤キャスト法)などが挙げられる。膜厚の均一性および表面平滑性が良好になる点においては溶剤キャスト法が好ましく、製造コスト面においては溶融成形法が好ましい。
<溶剤キャスト法>
溶剤キャスト法により環状オレフィン系樹脂フィルムを得る方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法を適用すればよい。例えば、上記環状オレフィン系樹脂を溶媒に溶解または分散させて適度の濃度の液にし、適当な基材上に注ぐかまたは塗布し、これを乾燥した後、基材から剥離させる方法が挙げられる。
以下に、溶剤キャスト法により環状オレフィン系樹脂フィルムを得る方法の諸条件を示すが、本発明は係る諸条件に限定されるものではない。
上記環状オレフィン系樹脂を溶媒に溶解または分散させる際には、該樹脂の濃度を、通常は0.1〜90重量%、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは10〜35重量%にする。樹脂の濃度が前記範囲よりも低いと、フィルムの厚みを確保することが困難になり、また、溶媒蒸発にともなう発泡などによりフィルムの表面平滑性が得にくくなる傾向にある。一方、濃度が前記範囲を超えると、溶液粘度が高くなりすぎて得られる環状オレフィン系樹脂フィルムの厚みや表面が均一になりにくくなる傾向にある。
また、室温での上記溶液の粘度は、通常は、1〜1,000,000mPa・s、好ましくは10〜100,000mPa・s、さらに好ましくは100〜50,000mPa・s、特に好ましくは1,000〜40,000mPa・sである。
上記溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノールなどのセロソルブ系溶媒;ジアセトンアルコール、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサンなど
のシクロオレフィン系溶媒;2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、塩化メ
チレン、クロロホルムなどのハロゲン含有溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒;1−ペンタノール、1−ブタノールなどのアルコール系溶媒などが挙げられる。
また、上記以外でも、SP値(溶解度パラメーター)が10〜30(MPa1/2)、好
ましくは10〜25(MPa1/2)、さらに好ましくは15〜25(MPa1/2)、特に好ましくは15〜20(MPa1/2)の範囲の溶媒を使用すれば、良好な表面均一性および
光学特性を有する環状オレフィン系樹脂フィルムを得ることができる。
上記溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。混合系の場合には、混合系としたときのSP値の範囲を上記範囲内とすることが好ましい。このとき、混合系でのSP値の値は、重量比で予測することができ、たとえば、2種の混合では、それぞれの重量分率をW1およびW2、SP値をSP1およびSP2とすると混合系のSP値は下記式:
SP値=W1・SP1+W2・SP2
により求めることができる。
上記溶液を基材上に塗布する方法としては、たとえば、ダイスやコーターを用いる方法の他、スプレー法、刷毛塗り法、ロールコート法、スピンコート法、デッピング法などを採用することができる。なお、繰り返し塗布することで厚みや表面平滑性などを制御してもよい。
上記基材としては、たとえば、金属ドラム、スチールベルト、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレン(商品名;テフロン(登録商標))ベルトなどが挙げられる。
上記溶剤キャスト法の乾燥工程については、特に制限はなく、一般的に用いられる方法、たとえば、多数のローラーを介して乾燥炉中を通過させる方法などで実施できる。ただし、乾燥工程において溶媒の蒸発に伴い気泡が発生すると、フィルムの特性を著しく低下させるので、これを避けるために、乾燥工程を2段以上の複数工程とし、各工程での温度や風量を制御することが好ましい。
環状オレフィン系樹脂フィルム中の残留溶媒量は、通常は10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。ここで、残留溶媒量が前記範囲を超えると、実際に使用したときに経時による寸法変化が大きくなる傾向にあり、また、残留溶媒によりTgが低くなり、耐熱性が低下することがある。
なお、後述する延伸工程を好適に行うためには、上記残留溶媒量を上記範囲内で適宜調節する必要がある場合がある。具体的には、延伸配向時の位相差を安定して均一に発現させるために、残留溶媒量を通常は10〜0.1重量%、好ましくは5〜0.1重量%、さらに好ましくは1〜0.1重量%にすることがある。溶媒を微量残留させることで、延伸加工が容易になる、あるいは位相差の制御が容易になる場合がある。
上記環状オレフィン系樹脂フィルムの厚さは、通常は0.1〜500μm、好ましくは0.1〜300μm、さらに好ましくは1〜250μmである。0.1μm未満の厚みの場合実質的にハンドリングが困難となる。一方、500μmを超える場合、ロール状に巻き取ることが困難になるとともに、透過率が低下するので好ましくない。
上記環状オレフィン系樹脂フィルムの厚み分布は、通常、平均値に対して±20%以内、好ましくは±10%以内、さらに好ましくは±5%以内、特に好ましくは±3%以内である。また、1cmあたりの厚みの変動は、通常は10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。かかる厚み制御を実施することにより、延伸配向した際の位相差ムラを防ぐことができる。
<延伸加工>
本発明の波長板に用いられる位相差フィルムは、上記方法によって得られた環状オレフィン系樹脂フィルムに延伸加工を施すことによって得られる。延伸加工は、公知の一軸延伸法または二軸延伸法により行われる。すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロー
ル間圧縮延伸法、周遠の異なるロールを利用する縦一軸延伸法、横一軸と縦一軸を組み合わせた二軸延伸法、インフレーション法による延伸法などを用いることができる。
一軸延伸法の場合、延伸速度は、通常は1〜5,000%/分、好ましくは50〜1,000%/分、さらに好ましくは100〜1,000%/分、特に好ましくは100〜500%/分である。
二軸延伸法の場合、同時2方向に延伸を行う場合や一軸延伸後に最初の延伸方向と異なる方向に延伸処理する場合がある。これらの場合、2つの延伸軸の交わり角度は、通常は120〜60度の範囲である。また、延伸速度は各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常は1〜5,000%/分、好ましくは50〜1,000%/分、さらに好ましくは100〜1,000%/分、特に好ましくは100〜500%/分である。
延伸加工温度は、特に限定されるものではないが、上記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)を基準として、通常はTg±30℃、好ましくはTg±10℃、さらに好ましくはTg−5〜Tg+10℃の範囲である。上記範囲内とすることで、位相差ムラの発生を抑えることが可能となり、また屈折率楕円体の制御が容易になることから好ましい。
延伸倍率は、所望する特性により決定されるため特に限定はされないが、通常は1.01〜10倍、好ましくは1.1〜5倍、さらに好ましくは1.1〜3.5倍である。延伸倍率が10倍を超える場合、位相差の制御が困難になる場合がある。
延伸したフィルムは、そのまま冷却してもよいが、Tg−20℃〜Tgの温度雰囲気下に少なくとも10秒以上、好ましくは30秒〜60分、さらに好ましくは1分〜60分静置されることが好ましい。これにより、位相差特性の経時変化が少なく安定した環状オレフィン系樹脂フィルムからなる位相差フィルムが得られる。
<線膨張係数>
上記環状オレフィン系樹脂フィルムの線膨張係数は、温度20℃〜100℃の範囲において、好ましくは1×10-4(1/℃)以下、さらに好ましくは9×10-5(1/℃)以下、特に好ましくは8×10-5(1/℃)以下、最も好ましくは7×10-5(1/℃)以下である。また、位相差フィルムの場合には、延伸方向とそれに垂直方向の線膨張係数差が、好ましくは5×10-5(1/℃)以下、さらに好ましくは3×10-5(1/℃)以下、特に好ましくは1×10-5(1/℃)以下である。線膨張係数を前記範囲内とすることで、上記環状オレフィン系樹脂フィルムからなる位相差フィルムを本発明の波長板に用いたときに、使用時の温度および湿度などの影響からなる応力変化が及ぼす位相差の変化が抑えられ、特性の長期安定性が得られる。
<位相差>
上記のようにして延伸したフィルムは、延伸により分子が配向し透過光に位相差を与えるようになるが、この位相差は、延伸前のフィルムの位相差値と延伸倍率、延伸温度、延伸配向後のフィルムの厚さにより制御することができる。ここで、位相差は複屈折光の屈折率差(△n)と厚さ(d)の積(△nd)で定義される。
延伸前のフィルムが一定の厚さの場合、延伸倍率が大きいフィルムほど位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸倍率を変更することによって所望の位相差値の位相差フィルムを得ることができる。
本発明では2枚の位相差フィルムが使用されるが、各位相差フィルムの面内位相差は、
好ましくは50〜200nm、より好ましくは70〜200nm、さらに好ましくは90〜200nmである。また、前記2枚の位相差フィルムの面内位相差値の差は、好ましくは5〜50nm、より好ましくは5〜40nm、さらに好ましくは5〜30nmである。このような2枚の位相差フィルムを後述するように貼合することにより、面内位相差(R0)が低く、かつ、波面収差が小さい液晶プロジェクター用波長板を得ることができる。
<配向角>
上記のようにして延伸したフィルムは、延伸により分子が配向し透過光に位相差を与えるようになるが、このときの配向角も、延伸前のフィルムの位相差値と延伸倍率、延伸温度、延伸配向後のフィルムの厚さにより制御することができる。そのため、適宜各種条件を調整することにより、配向角の面内分布が小さくて均一な位相差フィルムを得ることができる。
本発明では2枚の位相差フィルムが使用されるが、各位相差フィルムの面内配向角は、所望の配向角を0度とした場合、好ましくは−5〜5度、より好ましくは−2〜2度、さらに好ましくは−1〜1度である。また、前記2枚の位相差フィルムの面内配向角の差の絶対値は、好ましくは0〜5度、より好ましくは0〜2度、さらに好ましくは0〜1度である。2枚の位相差フィルムの面内配向角の差が小さいほど、各々の光軸が90度となるように調整しやすいために好ましい。このような2枚の位相差フィルムを後述するように貼合することにより、面内位相差(R0)が低く、かつ、波面収差が小さい液晶プロジェクター用波長板を得ることができる。
〔波長板〕
本発明の波長板は、上記位相差フィルム2枚が、各々のフィルム面内の光軸が90±1度の角度で交わるように貼合された積層フィルムを含む。このように、位相差値が比較的近い2枚の位相差フィルムを、光軸の角度が90度となるように高精度に貼合することにより、前記積層フィルムの面内位相差(R0)を、好ましくは5〜50nm、より好ましくは5〜40nm、さらに好ましくは5〜30nmとすることができ、加えて2枚の位相差フィルムの面内位相差値の差と前記積層フィルムの面内位相差との差の絶対値(ΔRR)を、好ましくは0〜5nm、より好ましくは0〜3nm、さらに好ましくは0〜2nm、特に好ましくは0〜1nmとすることができる。
また、上記積層フィルムは、面内位相差の分布が中心値±1nm以内で制御されていることが好ましい。位相差は複屈折光の屈折率差(△n)と厚さ(d)の積(△nd)で定義されるため、面内位相差の分布を前記範囲内に制御するためには、貼合される2枚の位相差フィルムについて、各々の延伸前のフィルムの位相差値、延伸倍率および延伸温度、ならびに延伸配向後のフィルムの厚さを適切に制御することが必要である。
上記位相差フィルム2枚の貼合は、たとえば、天然ゴム系、合成ゴム系、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー系、シリコン系、ポリビニルエーテル系、アクリル系、変性ポリオレフィン系、エポキシ系またはウレタン系などの公知の接着剤を用いて行うことができるが、これらに限定されるものではない。これらの中ではアクリル系の接着剤が、被接着物との密着性に優れていることから好ましい。なお、接着固定にあたっては、位相差フィルムの表面に、コロナ処理、プラズマ処理、カップリング剤処理またはアンカーコート処理などの下地処理を施してもよい。
上記接着剤の接着強度は、取扱い中に容易に剥がれないものであることが必要である。接着強度の具体値としては、2枚の位相差フィルムを互いに接着したときの90度剥離力が、好ましくは0.5N/cm2以上、さらに好ましくは1N/cm2以上、最も好ましくは3N/cm2以上である。接着強度が0.5N/cm2よりも小さくなると、取扱い時の
衝撃により剥がれてしまったり、接着された層同士がずれてしまったりするために好ましくない。
上記接着剤の厚さは、上記接着強度が確保できる厚さであれば特に限定されないが、通常1μm〜100μm、好ましくは2μm〜70μm、さらに好ましくは3μm〜50μm、最も好ましくは4μm〜30μmである。接着剤の厚さが100μmよりも厚くなると、波長板の厚さが厚くなり光透過率等の光学特性に問題が生じたり取扱いが不便になったりすることがある。また、厚さが1μm未満の場合、接着強度が確保できないことがある。
本発明の波長板は、上記位相差フィルム2枚が貼合された積層フィルムを有するものであれば、種々の構造のものを採用することができる。具体的には、積層フィルムのみからなるもの、積層フィルムが透明支持体上に一体的に積層された構造のもの、積層フィルムが2つの透明支持体の間に挟持されて一体的に積層された構造のものなどが挙げられる。これらの中では、波長板の耐熱耐久性が向上するという観点から、積層フィルムが2つの透明支持体の間に挟持されて一体的に積層された構造のものが好ましい。
上記透明支持体としては、ガラス基板などが挙げられる。本発明で用いることができるガラス基板としては、実質的に複屈折を持たないものであることが好ましい。透明支持体が複屈折を持つと、波長板としての特性に影響を与えることから好ましくない。また、ガラス基板の形状は特に限定されるものではなく、平板状であっても格子形状やプリズム形状など光学的な機能を有する形状であってもよい。また、厚さは、通常、0.01〜5mm、好ましくは0.05〜3mm、さらに好ましくは0.05〜1mmである。0.01mm未満であると、剛性が不足するとともにハンドリング性に劣り、一方、5mmを超えると、液晶プロジェクターの小型化が難しくなる。
上記積層フィルムと透明支持体との積層は、公知の接着剤を用いて行うことができ、該接着剤としては、上記位相差フィルムの貼合に用いることができる接着剤と同様のものを用いることができる。
本発明においては、上記積層フィルムもしくは透明支持体の片面または両面に、反射防止膜を積層してもよい。前記反射防止膜は、たとえば、フッ素系共重合体を有機溶媒に溶解し、その溶液をバーコーターなどを用いて、キャスト法などにより上記積層フィルムもしくは透明支持体の上に塗布形成し、プレスを用いて加熱し、硬化させることにより形成することができる。前記加熱温度としては、通常は80〜165℃、好ましくは100〜150℃の温度であり、加熱時間としては、通常は10分〜3時間、好ましくは30分〜2時間である。
反射防止膜の厚みは、通常は5〜2,000nm、好ましくは10〜1,000nm、さらに好ましくは50〜200nmである。5nm未満であると、反射防止効果が発揮されないことがあり、一方、2,000nmを超えると、塗膜の厚みにムラが生じやすくなり、外観などが悪化することがある。
また、蒸着法やスパッタ法を用いて、アルミニウム、マグネシウムあるいはケイ素などの透明無機酸化物の被覆層を設けて反射防止膜を形成することもできる。前記無機系反射防止膜の場合、透明無機酸化物被覆層の厚みは、特定の光波長の1/4とされている。さらに、前記透明無機酸化物被覆層を多層積層することで、より反射防止性能を向上できる。
本発明の波長板の波面収差は、小さければ小さいほど好ましく、通常25mλ以内、好
ましくは20mλ以内、より好ましくは15mλ以内である。波長板の波面収差を前記範囲内とすることで、投影された画面にゆがみや投影ムラが少なくなり好ましい。
本発明の波長板中の異物数としては、可能な限り少ない方がよく、粒径10μm以上のものが、通常10(個/mm2)以下、好ましくは5(個/mm2)以下、さらに好ましくは1(個/mm2)以下である。10μm以上の異物数が前記範囲を超えると、投影され
た画面に異物由来のゆがみや投影ムラが生じてしまい好ましくない。ここで、波長板中の異物とは、光の透過を低下させるものや、その異物の存在により光の進行方向を大きく変えるものが含まれる。前者の例としては、塵や埃、樹脂の焼けや金属粉末、鉱物などの粉末などが挙げられ、後者の例としては、他樹脂のコンタミや屈折率が異なる透明物質などが挙げられる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中の「部」および「%」は、特に断らない限り「重量部」および「重量%」である。また、各種の測定方法は、次のとおりである。
(1)固有粘度(〔η〕inh
溶媒にクロロホルムまたはシクロヘキサンを使用し、0.5g/dlの重合体濃度で30℃の条件下、ウベローデ粘度計にて測定した。
(2)ゲル含有量
25℃の温度で、水素添加(共)重合体50gを1%濃度になるようにクロロホルムに溶解し、この溶液をあらかじめ重量を測定してある孔径0.5μmのメンブランフィルター〔アドバンテック東洋(株)〕を用いてろ過し、ろ過後のフィルターを乾燥後、その重量の増加量からゲル含有量を算出した。
(3)水素化率
水素添加単独重合体の場合には、500MHz 1H−NMRを測定し、エステル基のメチル水素とオレフィン系水素のそれぞれの吸収強度の比、またはパラフィン系水素とオレフィン系水素のそれぞれの吸収強度の比から水素化率を測定した。また、水素添加共重合体の場合には、重合後の共重合体の1H−NMR吸収と水素化後の水素添加共重合体のそ
れを比較して算出した。
(4)樹脂のガラス転移温度
走査熱量計(DSC)により、チッ素雰囲気下において、10℃/分の昇温速度で測定した。
(5)波面収差
富士写真光機(株)製の小口径レーザー干渉計R10を用い、5mmφの範囲について波長650nmのレーザー光を使用して透過波面収差を測定した。
(6)位相差値・配向角
王子計測機器(株)製「KOBRA−21ADH」を用い、波長590nmにおける位相差を測定した。
(7)位相差値分布
王子計測機器(株)製「KOBRA−CCD」を用い、波長590nmにおける位相差分布を測定した。
(8)光弾性係数(CP
短冊状のフィルムサンプルに、室温(25℃)で数種類の一定荷重を加え、発生する位相差とそのときサンプルが受けた応力とから算出した。
(9)応力光学係数(CR
フィルム状サンプルに、ガラス転移温度(Tg)以上で数種類の一定荷重を加えた後、フィルムが数パーセント伸びた状態でゆっくりと冷やして室温まで戻し、フィルムに発生した位相差と加えた応力との関係から算出した。
<合成例1>
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン(環状オレフィン(I))250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/L)のトルエン溶液0.62部と、t−ブタノールおよびメタノー
ルで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.3
5モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/L)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であり、得られた開環重合体について、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh)は0.75dl/gであった。
このようにして得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この
開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C65)33 0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応
を行った。得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(以下「樹脂A」という。)を得た。
得られた樹脂Aは、水素化率が99.9%、ガラス転移温度(Tg)が165℃、30℃のクロロホルム中における固有粘度(ηinh)が0.78dl/g、ゲル含有量が0.4%であった。また、樹脂Aについて、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mnは32,000、Mwは137,000、分子量分布(Mw/Mn)は4.29であった。
<合成例2>
環状オレフィン(I)として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン215部と、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン35部とを用いたこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体(以下「樹脂B」という。)を得た。
得られた樹脂Bは、水素化率が99.9%、ガラス転移温度(Tg)が125℃、30℃のクロロホルム中における固有粘度(ηinh)が0.69dl/g、ゲル含有量が0.
2%であった。また、樹脂Bについて、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mnは46,000、Mwは190,000、分子量分布(Mw/Mn)は4.15であった。
<製造例1>
合成例1で得られた樹脂Aをトルエンに濃度30%(室温での溶液粘度は30,000
mPa・S)になるように溶解した溶液を、アクリル酸系で親水化(易接着)の表面処理した厚さ100μmのPETフィルム(東レ製「ルミラーU94」)に、乾燥後のフィルム厚みが100μmになるように、井上金属工業製「INVEXラボコーター」を用いて塗布
した。これを50℃で一次乾燥の後、90℃で二次乾燥を行い、PETフィルムより剥がして樹脂フィルムAを得た。得られた樹脂フィルムAは、残留溶媒量が0.5%、光弾性係数(CP)が4(×10-12pa-1)、応力光学係数(CR)が1750(×10-12pa-1)であった。
<製造例2>
合成例2で得られた樹脂Bを使用し、製造例1と同様にして樹脂フィルムBを得た。得られた樹脂フィルムBは、残留溶媒量が0.5%、光弾性係数(CP)が9(×10-12pa-1)、応力光学係数(CR)が2,350(×10-12pa-1)であった。
〔実施例1〕
製造例1で得られた樹脂フィルムAを、テンター内で、Tg+10℃である175℃に加熱し、延伸速度400%/分で1.4倍に一軸延伸した後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持した。その後、室温まで冷却することにより、厚みが89μm、波長590nmにおける面内位相差が160nm、配向角が0.2度である位相差フィルムA−1を得た。
また、製造例1で得られた樹脂フィルムAを、テンター内で、Tg+10℃である175℃に加熱し、延伸速度400%/分で1.32倍に一軸延伸した後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持した。その後、室温まで冷却することにより、厚みが90μm、波長590nmにおける面内位相差が140nm、配向角が0.2度である位相差フィルムA−2を得た。
得られた位相差フィルムA−1と位相差フィルムA−2とを、各々の光軸が90度の角度で交わるように、厚さ10μmのアクリル系接着剤(住友スリーエム(株)製「8142」)を用いて貼り合わせた。さらに、この貼り合わせた積層フィルムの両面に、厚さ5μmのアクリル系接着剤(協立化学産業(株)製「XVL−90」)を用いて厚さ250μmのガラス板を積層し、波長板Aを得た。
波長板Aの位相差を測定したところ、590nmにおける位相差が20nm、配向角が0.0度であった。また、波長板Aは、面内位相差の分布が中心値±1nm以内でコントロールされ、波面収差が10mλ、異物個数は0個であった。
〔実施例2〕
実施例1で得られた波長板Aを液晶プロジェクターに組み込んで使用したところ、画面のゆがみがなく良好なコントラストであった。次に、波長板Aを120℃×2000時間の条件下、長期耐熱試験を実施した。試験後の波長板Aの位相差を測定したところ、590nmにおける位相差が20nm、配向角が0.0度で試験前と変化がなかった。また、波長板Aは、面内位相差の分布が中心値±1nm以内でコントロールされ、波面収差が10mλ、異物個数は0個と試験前と変化が認められなかった。試験後に再度波長板Aを液晶プロジェクターに組み込んで使用したところ、画面のゆがみがなく良好なコントラストであることを確認した。
〔比較例1〕
製造例2で得られた樹脂フィルムBを、テンター内で、Tg+10℃である135℃に加熱し、延伸速度400%/分で1.19倍に一軸延伸した後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持した。その後、室温まで冷却することにより、厚みが91μm、波長
590nmにおける面内位相差が190nm、配向角が0.0度である位相差フィルムB−1を得た。
また、製造例2で得られた樹脂フィルムBを、テンター内で、Tg+10℃である135℃に加熱し、延伸速度400%/分で1.17倍に一軸延伸した後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持した。その後、室温まで冷却することにより、厚みが92μm、波長590nmにおける面内位相差が183nm、配向角が0.1度である位相差フィルムB−2を得た。
得られた位相差フィルムB−1と位相差フィルムB−2とを、各々の光軸が90度の角度で交わるように、厚さ10μmのアクリル系接着剤(住友スリーエム(株)製「8142」)を用いて貼り合わせた。さらに、この貼り合わせた積層フィルムの両面に、厚さ5μmのアクリル系接着剤(協立化学産業(株)製「XVL−90」)を用いて厚さ250μmのガラス板を積層し、波長板Bを得た。
波長板Bの位相差を測定したところ、590nmにおける位相差が7nm、配向角が0.0度であった。また、波長板Bは、面内位相差の分布が中心値±1nm以内でコントロールされ、波面収差が12mλ、異物個数は0個であった。
〔比較例2〕
比較例1で得られた波長板Bを液晶プロジェクターに組み込んで使用したところ、画面のゆがみがなく良好なコントラストであった。次に、波長板Bを120℃×2000時間の条件下、長期耐熱試験を実施した。試験後の波長板Bの位相差を測定したところ、590nmにおける位相差が3nm、配向角が0.0度で試験前と大きく変化していることが確認された。また、波長板Bは、面内位相差の分布が中心値±1nm以内でコントロールされてはいたが、波面収差が26mλと悪化していた。異物個数は0個と試験前と変化が認められなかった。試験後に再度波長板Bを液晶プロジェクターに組み込んで使用したところ、画面のゆがみが認められ、コントラストも低下していることが確認された。
〔比較例3〕
位相差フィルムA−1と位相差フィルムA−2とを、各々の光軸が85度の角度で交わるように、厚さ10μmのアクリル系接着剤(住友スリーエム(株)製「8142」)を用いて貼り合わせた。さらに、貼り合わせた積層フィルムの両面に、厚さ5μmのアクリル系接着剤(協立化学産業(株)製「XVL−90」)を用いて厚さ250μmのガラス板を積層し、波長板Cを得た。
波長板Cの位相差を測定したところ、590nmにおける位相差が15nmであり、目標の20nmからの乖離が大きくなっていた。波面収差は13mλ、異物個数は0個であった。
〔比較例4〕
比較例3で得られた波長板Cを液晶プロジェクターに組み込んで使用したところ、画面のゆがみはないものの、コントラストが低下していたため使用不可であった。次に、波長板Cを120℃×2000時間の条件下、長期耐熱試験を実施した。試験後の波長板Cの位相差を測定したところ、590nmにおける位相差が15nm、配向角が0.0度で試験前と変化はなかった。また、波長板Cは、面内位相差の分布が中心値±1nm以内でコントロールされ、波面収差が10mλ、異物個数は0個と試験前と変化が認められなかった。試験後に再度波長板Cを液晶プロジェクターに組み込んで使用してみたが、やはり画面のゆがみはないものの、コントラストが低下していたため使用不可であった。

Claims (5)

  1. 環状オレフィン系樹脂よりなる位相差フィルム2枚が、各々のフィルム面内の光軸が90±1度の角度で交わるように貼合された積層フィルムを含むことを特徴とする液晶プロジェクター用波長板。
  2. 上記各位相差フィルムの面内位相差がそれぞれ50〜200nmであり、貼合後の積層フィルムの面内位相差が5〜50nmであり、かつ、2枚の位相差フィルムの面内位相差の差と積層フィルムの面内位相差との差の絶対値が5nm以内であることを特徴とする請求項1に記載の液晶プロジェクター用波長板。
  3. 上記積層フィルムの面内位相差の分布が中心値±1nm以内であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶プロジェクター用波長板。
  4. 波面収差が20mλ以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶プロジェクター用波長板。
  5. 上記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が140〜200℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶プロジェクター用波長板。
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