JP2007254588A - 部分酸型カルボキシメチルセルロースの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】CMC塩の粉末原料を用いた際に生じる、部分酸型CMCの精製溶媒への溶出および流出のない部分酸型CMCの製造方法を提供する。
【解決手段】(a)原料パルプをアルカリセルロース化し、さらにエーテル化してCMC塩水溶液を製造する工程、(b)該CMC塩水溶液を中和し、pHを8.0以下に調整する工程、(c)工程(b)でpHを調整したCMC塩水溶液における溶媒を一部除去し、CMC塩の固形分濃度を30〜80重量%に調整する工程、および(d)工程(c)で固形分濃度を調整したCMC塩水溶液に、目的とする酸型エーテル化度に必要な理論モル量の1.1〜1.3倍の酸を添加し、撹拌後、60〜110℃で30〜60分間加熱および撹拌する工程を含む部分酸型CMCの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は部分酸型カルボキシメチルセルロース(以下、部分酸型CMCという)の製造方法に関する。
部分酸型CMCは、カルボキシメチルセルロース塩(以下、CMC塩という)を酸によって部分的に酸型に置換することによって得られるものである。該部分酸型CMCは、CMC塩を不溶化させることにより、水への膨潤度を調整する事ができるため、錠剤の崩壊剤、打錠菓子、ココア飲料などの粘度調整剤として一般的に用いられている。
従来、部分酸型CMCの製造方法としては、精製されたCMC塩粉末を原料として酸を溶媒中に添加し、CMC塩を酸型CMCに置換する方法が開示されている(特許文献1および特許文献2参照)。しかしながら、このような従来の部分酸型CMCの製造方法は、CMC塩を原料とすることにより、部分酸型CMCを得るための固有設備が必要である点、CMC塩の粉末原料を用いるため、部分酸型CMCを精製する過程における精製溶媒への溶出、流出することによる歩留低下、CMC塩の原料仕込み、取り出し工程でつきまとう手作業による作業環境の低下等の問題があった。
特開昭59−122501号公報 特開昭60−26001号公報
本発明は、CMC塩の粉末原料を用いた際に生じる、部分酸型CMCの精製溶媒への溶出および流出のない部分酸型CMCの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、(a)原料パルプをアルカリセルロース化し、さらにエーテル化してCMC塩水溶液を製造する工程、
(b)該CMC塩水溶液を中和し、pHを8.0以下に調整する工程、
(c)工程(b)でpHを調整したCMC塩水溶液における溶媒を一部除去し、CMC塩の固形分濃度を30〜80重量%に調整する工程、および
(d)工程(c)で固形分濃度を調整したCMC塩水溶液に、目的とする酸型エーテル化度に必要な理論モル量の1.1〜1.3倍の酸を添加し、撹拌後、60〜110℃で30〜60分間加熱および撹拌する工程
を含む部分酸型CMCの製造方法に関する。
また、本発明は、前記の製造方法によって得られる部分酸型CMCであって、全エーテル化度が0.30〜2.50であり、酸型のエーテル化度が全エーテル化度の1.0〜80.0%である部分酸型CMCにも関する。
部分酸型CMCにおける残余カルボキシメチル基が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、ルビジウム塩およびセシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ塩であることが好ましい。
本発明によれば、原料パルプから部分酸型CMCを同一設備で製造することができ、さらに、酸の添加量、加熱温度および撹拌時間を特定の条件に設定することで、目的通りに酸型エーテル化度の比率を調製することができる。
本発明は、(a)原料パルプをアルカリセルロース化し、さらにエーテル化してCMC塩水溶液を製造する工程、(b)該CMC塩水溶液を中和し、pHを8.0以下に調整する工程、(c)工程(b)でpHを調整したCMC塩水溶液における溶媒を一部除去し、CMC塩の固形分濃度を30〜80重量%に調整する工程、および(d)工程(c)で固形分濃度を調整したCMC塩水溶液に、目的とする酸型エーテル化度に必要な理論モル量の1.1〜1.3倍の酸を添加し、撹拌後、60〜110℃で30〜60分間加熱および撹拌する工程を含む部分酸型CMCの製造方法に関する。
ここで、部分酸型CMCとは、CMC塩を酸によって部分的に遊離酸に置換したCMC(以下、CMC−Hという)を意味する。
工程(a)における原料パルプは、リンターパルプ、針葉樹材を主としたN材パルプ、広葉樹材を主としたL材パルプが用いられる。原料パルプは、チップ状、綿状に粉砕するか、あるいはシート状のまま用いることができるが、アルカリセルロース化およびエーテル化するときに用いる薬剤との反応を促進させるために、原料パルプは粉砕して用いることが好ましい。
アルカリセルロース化に用いるアルカリとしては、通常アルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等の1価の金属の水酸化物があげられる。これらの中で、価格および得られるCMC塩の特性の点から水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリの配合量は、原料パルプ中のセルロースのグルコース単位量に対して、モル比で1.5〜6.0倍が好ましく、2.0〜4.0倍がより好ましい。アルカリの配合量が1.5倍より小さいと、アルカリセルロースを充分に生成させることができず、エーテル化が不充分となる傾向がある。一方、アルカリの配合量が4.0倍より大きいと、特に支障はないがアルカリを浪費することになり、また、得られるCMC塩の水溶液の粘度が低下する傾向がある。
アルカリセルロース化を行うときの反応温度は、30〜50℃が好ましく、30〜40℃がより好ましい。アルカリセルロース化の反応温度が30℃より低いと、アルカリセルロースを充分に生成させることができない傾向がある。一方、反応温度が50℃より高いと、得られるCMC塩の水溶液の粘度が低下する傾向がある。また、アルカリセルロース化を行うときの反応時間は、30〜60分間が好ましく、40〜50分間がより好ましい。反応時間が30分間より短いと、アルカリセルロースを充分に生成させることができない傾向がある。一方、反応時間が60分間より長いと、得られるCMC塩の水溶液の粘度が低下する傾向がある。
アルカリセルロース化を行うときの溶媒は、アルカリとの相溶性をもたせるため、含水有機溶媒が使用される。有機溶媒としては、エタノール、メタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール(以下、IPAという)、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどの炭素数1〜4のアルコール類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。とくに入手の手軽さ、低価格、取り扱いやすさの点で、IPA、エタノール、メタノールが好ましい。さらに、エタノール−ベンゼン、エタノール−トルエン、IPA−ベンゼンなどの混合溶媒も使用できる。
含水有機溶媒中の水と有機溶媒の重量比としては、反応系中のアルカリ濃度を充分に高濃度に保つことができるという観点から、水:有機溶媒が10:90〜40:60が好ましく、15:85〜30:70がより好ましい。水と有機溶媒との重量比が10:90を外れて水の量が少なくなると、水によるセルロース分子へのアタックが減少し、結晶化領域の破壊が少なくなるため、水溶液としたときに透明性が高いCMC塩を得ることが困難になる。一方、水と有機溶媒との重量比が40:60をはずれて水の量が多くなると、水とカルボキシメチルエーテル化剤とのあいだでの副反応が進み、カルボキシメチルエーテル化剤の有効利用率が低下する。
含水有機溶媒の配合量は、原料パルプに対して、重量比で2.5〜10倍が好ましく、3〜8倍がより好ましい。含水有機溶媒の配合量が2.5倍より小さいと、含水有機溶媒と原料パルプ中のセルロースとが充分に撹拌混合されなくなるため、撹拌時の反応機に対する負荷が大きくなり、また均一反応に支障をきたす傾向がある。一方、含水有機溶媒の配合量が10倍より大きいと、原料経費が高くなる傾向がある。
次に、得られたアルカリセルロースにエーテル化剤を反応させてエーテル化する。エーテル化は、通常アルカリ過剰下で進行させる。エーテル化剤としては、例えばモノクロル酢酸、モノクロル酢酸ナトリウム、モノクロル酢酸メチル、モノクロル酢酸エチル等が使用される。エーテル化剤の配合量は、目的とするCMC塩のエーテル化度によって決定されるため、特に制限はないが、通常原料パルプ中のグルコース単位量に対して、モル比で0.5〜6倍が好ましく、2〜4倍がより好ましい。エーテル化剤の配合量が、0.5倍より小さいと、CMC塩のエーテル化度が低く、目的とするエーテル化度が得にくい傾向がある。一方、エーテル化剤の配合量が6倍より大きいと、特に支障はないが、高価なエーテル化剤を無駄に使用する傾向がある。
エーテル化を行うときの反応温度は、75〜100℃が好ましく、80〜90℃がより好ましい。反応温度が75℃より低いと、エーテル化が不充分になる傾向がある。一方、反応温度が100℃より高いと反応溶媒の沸点をこえる場合があり、溶媒が揮発する傾向がある。また、反応時間は、50〜120分間が好ましく、50〜90分間がより好ましい。反応時間が50分間より短いとエーテル化が不充分になる傾向がある。一方、反応時間が90分間より長いと、特に支障はないが時間の浪費となり、得られるCMC塩の粘度が低下する傾向がある。
工程(b)においてCMC塩水溶液のpHを調整する。工程(a)によって得られたCMC塩水溶液において、アルカリセルロース化に用いたアルカリが過剰量であるとアルカリ性となるため、有機酸を添加することにより、過剰のアルカリを中和させる。有機酸としては、例えば酢酸、クエン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、プロピオン酸、ギ酸等が挙げられる。これらの中で、液状品である点、および中和調整のしやすさから酢酸が好ましい。また、エーテル化に用いたエーテル化剤が酸であって、酸が過剰量であると、CMC塩水溶液が酸性となるため、アルカリを添加することにより過剰の酸を中和させる。アルカリとしては、例えば、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ等が挙げられる。これらの中で、液状品である点、強アルカリ性である点から苛性ソーダが好ましい。CMC塩水溶液の酸またはアルカリによる調整後のpHは、8.0以下であり、7.5以下が好ましい。pHが8.0より大きいと、CMC塩の粘度が低下する傾向がある。また、pHの下限は特に限定されないが、6.5以上が好ましく、6.8以上がより好ましい。
工程(c)において、前記工程(b)によりpHを調整したCMC塩水溶液における溶媒を遠心分離によりしぼり、または加熱蒸留等により一部除去することによりCMC塩を一定の固形分濃度に調整する。工程(c)におけるCMC塩の固形分濃度は、30〜80重量%であり、40〜70重量%が好ましく、45〜65重量%がより好ましい。固形分濃度が30重量%より小さいと、部分酸型CMCを調製するときに添加される酸が均一に混ざらない傾向がある。一方、固形分濃度が80重量%より大きいと、部分酸型CMCを調製するときに添加される酸によりCMC塩が置換する反応速度が低下するため、目標とするCMC−Hが得られにくくなる傾向がある。
工程(d)において、前記工程(c)の固形分濃度のCMC塩水溶液またはスラリーを精製および単離を行わず、未精製のまま酸を添加し、CMC塩の一部をCMC−Hにする。工程(d)における酸の添加量は、酸型エーテル化度に必要な酸モル量の1.1〜1.3倍であり、1.18〜1.22倍が好ましい。酸の添加量が、1.1倍より小さいと、目標とする酸型CMCの当量値に至らない傾向がある。一方、酸の添加量が、1.3倍より大きいと、目標とする酸型CMCの当量値を超える傾向がある。
CMC塩を部分酸型CMCに置換する際に使用される酸としては、特に限定されないが、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、酢酸、モノクロル酢酸などが挙げられる。これらの中で、強酸でCMC−NaをCMC−Hに置換する効率が高い点で、硫酸、塩酸が好ましい。
酸を添加した後の反応温度は、60〜110℃であり、70〜105℃が好ましく、80〜105℃がより好ましい。反応温度が60℃より低いと、充分にCMC−Hへの置換ができない傾向がある。一方、反応温度が110℃より高いと、品質上CMCの粘度低下が発生し、さらにできあがった部分酸型CMCはゲル化する傾向がある。また、反応時間は、30〜60分間であり、45〜55分間が好ましい。反応時間が30分間より短いと、充分にCMC−Hへの置換ができない傾向がある。一方、反応温度が60分間より長いと、品質上CMCの粘度低下が発生し、さらにできあがった部分酸型CMCはゲル化する傾向がある。
工程(d)により部分酸型CMCを調製し、そののちに冷却すると副生塩を形成するが、該副生塩は公知のCMC塩の精製法により部分酸型CMCを精製することができる。
本発明の製造方法によれば、CMC塩反応物を単離せず、未精製のままCMC−Naの製造工程で同一製造設備を用いて、部分酸型CMCを製造することができる。
前記の製造方法によって得られる部分酸型CMCとしては、全エーテル化度が0.30〜2.50であり、酸型のエーテル化度が全エーテル化度の1.0〜80.0%である。
部分酸型CMCの全エーテル化度は、0.30〜2.50が好ましく、0.5〜1.8がより好ましく、0.6〜1.5がさらに好ましい。全エーテル化度が0.30より小さいと、CMC塩が不溶化するために用途上有用性が少ない傾向がある。一方、全エーテル化度が2.50より大きいと、高エーテル化度による用途上の有用性が少ない傾向がある。
酸型のエーテル化度は全エーテル化度の1.0〜80.0%であり、20〜60%が好ましい。酸型のエーテル化度が1.0%より小さいと、酸型にする効果が発揮できない傾向がある。一方、酸型のエーテル化度が80.0%より大きいと、酸型の進行によるCMCの不溶化が促進され、部分酸型とする効果が失われる傾向がある。
部分酸型CMCにおける残余カルボキシメチル基は、前記の工程(a)によって用いられたアルカリ金属水酸化物により得られるアルカリ塩が挙げられ、具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、ルビジウム塩およびセシウム塩等が挙げられる。これらの中で、ナトリウム塩、カリウム塩が、一般的に好ましく用いられる。
本発明の製造方法で得られる部分酸型CMCは、錠剤の崩壊剤、打錠菓子、ココア飲料などの粘度調整剤、クロスリンク化CMCの中間原料などの用途に、好ましく利用できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜9
<CMC−Naの製造>
2軸の撹拌翼を備えた容量3リットルのニーダー型反応機に、家庭用ミキサー等で粉砕したパルプ100gを仕込んだ。原料パルプとして、L−DPTおよびN−DSP(日本製紙ケミカル(株)製)を2:1の重量比で配合させたものを使用した。IPA:水を70:30(重量比)に調整した反応溶媒400g(IPA:水=280g:120g)を表1に示した所定量の水酸化ナトリウムを溶解させて40℃に調整した溶液を反応機内に添加し、60分間撹拌し、アルカリセルロースを生成した。
そののち、表1に示した所定量のモノクロル酢酸を等重量のIPAに溶解させた溶液を30〜50℃で60分間かけて反応熱を抑えながら仕込んだ。仕込み後、30分間かけて85℃に昇温し、75〜90℃でエーテル化反応を60分間行った。反応機には冷却管を設置してIPAの気化発散を防止した。そののち、過剰の水酸化ナトリウムを酢酸で中和してpH6.5〜8とし、スラリー状の中和物を反応機より取り出し、遠心分離してIPA/水を除去した。固形分を30〜80%に調整し、CMC−Na(A)〜(C)を得た。
Figure 2007254588
<部分酸型CMCの製造>
CMC−Naを部分的にCMC−Hとするために、前記の固形分濃度に調整した反応物を取り出し、CMC−Naを単離せず未精製のまま、20%硫酸を表2に示す必要モル数添加し、さらに表2に示す加熱温度および加熱時間で撹拌した。得られたCMC−Na/CMC−Hを70%メタノール水溶液で洗浄し、副生物の食塩、グリコール酸ナトリウム、酢酸ナトリウムを除去した。
この洗浄操作を2回繰り返した後、メタノール水溶液を遠心分離除去して90〜105℃で4時間乾燥後粉砕して部分酸型CMCを得た。
得られた部分酸型CMCの1%水溶液粘度、全エーテル化度(DS)、得られた部分酸型CMCのCMC−Na化度およびCMC−H化度を下記の方法により測定し、物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
<1%水溶液粘度>
1.水分の算出
試料1〜2gを秤量ビンに精密にはかりとり、105±2℃の低温乾燥機中において4時間乾燥し、デシケーター中に冷却したのちフタをして重さをはかり、その減量から水分を算出した。
Figure 2007254588
2.1%水溶液粘度の測定
300mlのトールビーカーに約2.5gの試料を精秤し、下記式を用いて求めた1%水溶液を得るために必要な溶解水量の水を加え、ガラス棒にて分散させた。
溶解水量(g)=試料(g)÷(99−水分(%))
得られた水溶液を一昼夜放置し、マグネチックスターラーで約5分間撹拌して完全な溶液としたのち30分間25℃の恒温水槽に入れて、溶液を25℃とした。この溶液をガラス棒でゆるやかにかき混ぜ、BM型粘度計の適当なローターおよびガードを取り付け、回転数60rpmで3分後の目盛りを読み取った。読み取り目盛りから下記式を用いて粘度を求めた。式中、kはローターと回転数によって決まる換算乗数である。
粘度(mPa・s)=読み取り目盛×k
<エーテル化度(DS)>
(1)全ナトリウム塩型CMCのDS
試料1g(純分換算)を磁性ルツボに入れて600℃で灰化し、灰化によって生成した酸化ナトリウムをN/10のH2SO4100mlを添加して中和した。次に、過剰のH2SO4をN/10のNaOHでフェノールフタレインを指示薬として滴定し、その滴下量Amlを下記式に入れて計算しDSを求めた。
Figure 2007254588
ここでf1:N/10のH2SO4の力価
2:N/10のHaOHの力価
(2)得られた部分酸型CMCのCMC−Na化度およびCMC−H化度
試料1g(純分換算)を純水200mlとN/10のNaOH100mlが入っているフラスコ中に入れて溶解した。次に、過剰のN/10のNaOHをN/10のH2SO4でフェノールフタレインを支持数として滴定し、その滴下量Bmlを得た。
次に、別の試料1g(純分換算)を磁性ルツボに入れて600℃で灰化し、灰化によって生成した酸化ナトリウムをN/10のH2SO4100mlを添加して中和した。次に、過剰のH2SO4をN/10のNaOHでフェノールフタレインを指示薬として滴定し、その滴下量Cmlを得た。
次に、次式によってCMC−Na化度およびCMC−H化度を求めた。
Figure 2007254588
Figure 2007254588
ここでf1:N/10のH2SO4の力価
2:N/10のHaOHの力価
比較例1〜3
部分酸型CMCの製造工程において、加熱時間を30℃(比較例1)、撹拌時間を10分(比較例2)、硫酸の添加量を0.30モル(比較例3)とした以外は、実施例2と同様の方法にて部分酸型CMCを製造した。
得られた部分酸型CMCの各物性を実施例1と同様の方法にて測定し、物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
比較例4〜6
部分酸型CMCの製造工程において、加熱時間を30℃(比較例4)、撹拌時間を10分(比較例5)、硫酸の添加量を0.10モル(比較例6)とした以外は、実施例5と同様の方法にて部分酸型CMCを製造した。
得られた部分酸型CMCの各物性を実施例1と同様の方法にて測定し、物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
比較例7〜8
部分酸型CMCの製造工程において、加熱時間を30℃(比較例7)、撹拌時間を10分(比較例8)とした以外は、実施例8と同様の方法にて部分酸型CMCを製造した。
得られた部分酸型CMCの各物性を実施例1と同様の方法にて測定し、物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2007254588
実施例1〜9において、加熱温度、加熱時間および酸の添加量を限定することにより、あらかじめ設定した酸型エーテル化度と実際に得られた部分酸型CMCの酸型エーテル化度はほぼ同様の値を示した。

Claims (3)

  1. (a)原料パルプをアルカリセルロース化し、さらにエーテル化してカルボキシメチルセルロース塩水溶液を製造する工程、
    (b)該カルボキシメチルセルロース塩水溶液を中和し、pHを8.0以下に調整する工程、
    (c)工程(b)でpHを調整したカルボキシメチルセルロース塩水溶液における溶媒を一部除去し、カルボキシメチルセルロース塩の固形分濃度を30〜80重量%に調整する工程、および
    (d)工程(c)で固形分濃度を調整したカルボキシメチルセルロース塩水溶液に、目的とする酸型エーテル化度に必要な理論モル量の1.1〜1.3倍の酸を添加し、撹拌後、60〜110℃で30〜60分間加熱および撹拌する工程
    を含む部分酸型カルボキシメチルセルロースの製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法によって得られる部分酸型カルボキシメチルセルロースであって、全エーテル化度が0.30〜2.50であり、酸型のエーテル化度が全エーテル化度の1.0〜80.0%である部分酸型カルボキシメチルセルロース。
  3. 部分酸型カルボキシメチルセルロースにおける残余カルボキシメチル基が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、ルビジウム塩およびセシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ塩である請求項2記載の部分酸型カルボキシメチルセルロース。
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