JP2007250229A - ショートアーク形水銀ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】
気密容器の包囲部内の最冷部温度が高くて、しかも温度差が少なくてランプ特性および信頼性が良好なショートアーク形水銀ランプを提供する。
【解決手段】
ショートアーク形水銀ランプSHLは、放電空間1cを包囲する包囲部1aおよびこの包囲部の両端から延在する一対の封止部1bを有する紫外線透過性の気密容器1と、前記気密容器1に封装され管軸方向に沿って前記包囲部1b内に突出して離間対向する陰極2Kおよび陽極2Aと、前記気密容器1内に封入された水銀および希ガスを含む放電媒体とを具備し、前記包囲部1aの管軸方向の長さをL1とし、前記陰極2Kおよび陽極2Aの間に位置する電極間中心Pと前記包囲部1a内面における陰極2Kの端部との間の距離をL2としたとき、数式:0.07≦{L2−(L1/2)}/(L1/2)<0.2を満足する。
【選択図】
図2
気密容器の包囲部内の最冷部温度が高くて、しかも温度差が少なくてランプ特性および信頼性が良好なショートアーク形水銀ランプを提供する。
【解決手段】
ショートアーク形水銀ランプSHLは、放電空間1cを包囲する包囲部1aおよびこの包囲部の両端から延在する一対の封止部1bを有する紫外線透過性の気密容器1と、前記気密容器1に封装され管軸方向に沿って前記包囲部1b内に突出して離間対向する陰極2Kおよび陽極2Aと、前記気密容器1内に封入された水銀および希ガスを含む放電媒体とを具備し、前記包囲部1aの管軸方向の長さをL1とし、前記陰極2Kおよび陽極2Aの間に位置する電極間中心Pと前記包囲部1a内面における陰極2Kの端部との間の距離をL2としたとき、数式:0.07≦{L2−(L1/2)}/(L1/2)<0.2を満足する。
【選択図】
図2
Description
本発明は、紫外線照射装置の光源として好適なショートアーク形水銀ランプに関する。
放電空間を包囲する包囲部およびこの包囲部の両端から延在する一対の封止部を有する紫外線透過性の気密容器と、前記気密容器に封装され管軸方向に沿って前記包囲部内に突出して離間対向する陰極および陽極と、前記気密容器内に封入された水銀および希ガスを含む放電媒体とを具備したショートアーク形水銀ランプは既知である(例えば、特許文献1参照。)。この種のショートアーク形水銀ランプは、主として紫外線照射装置の光源として使用される。紫外線照射装置の性能向上のためには、この種の光源のランプ特性および信頼性を向上させる必要がある。
ショートアーク形水銀ランプのランプ特性および信頼性を向上させるには、気密容器の包囲部内の最冷部温度が高くて、しかも温度差が少なくなるようにするのがよい。
ところが、従来のショートアーク形水銀ランプは、ランプ特性および信頼性の点で必ずしも要求に応えることができなかった。
本発明は、気密容器の包囲部内の最冷部温度が高くて、しかも温度差が少なくてランプ特性および信頼性が良好なショートアーク形水銀ランプを提供することを目的とする。
本発明のショートアーク形水銀ランプは、放電空間を包囲する包囲部およびこの包囲部の両端から延在する一対の封止部を有する紫外線透過性の気密容器と;前記気密容器に封装され管軸方向に沿って前記包囲部内に突出して離間対向する陰極および陽極と;前記気密容器内に封入された水銀および希ガスを含む放電媒体と;を具備し、前記包囲部の管軸方向の長さをL1とし、前記陰極および陽極の間に位置する電極間中心と前記包囲部内面における陰極の端部との間の距離をL2としたとき、数式:0.07≦{L2−(L1/2)}/(L1/2)<0.2を満足することを特徴としている。
本発明によれば、気密容器の包囲部に対する電極オフセット率を所定範囲内に規定したことにより、気密容器の包囲部内の最冷部温度が高くて、しかも上下部分間の温度差が少なくなり、ランプ特性および信頼性が向上したショートアーク形水銀ランプを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
図1および図2は、本発明のショートアーク形水銀ランプを実施するための一形態を示し、図1は正面図、図2は電極オフセット率の模式的説明図である。
本発明のショートアーク形水銀ランプSHLは、気密容器1、陰極2K、陽極2Aおよび放電媒体を具備した直流点灯形式のものである。なお、図中、符号3、4は外部リード構体、5は陰極保温膜、6は陽極保温膜、7はトリガーワイヤである。これらの構成は後述するように所望に応じて適宜付加される。
気密容器1は、少なくとも主要部が紫外線透過性であり、例えば石英ガラスなどから形成されている。そして、包囲部1aおよび一対の封止部1b、1bを備えている。包囲部1aの内部には放電空間1cが形成されている。また、包囲部1aは、適宜の形状であることが許容されるが、例えば管軸方向に長い紡錘形状をなしている。一対の封止部1b、1bは、包囲部1aの管軸方向の両端から管軸方向へ延在しており、気密容器1を気密に封止するとともに、後述する陰極2Kおよび陽極2Aを支持して、放電空間1c内に封装するのに寄与している。
さらに詳述すれば、気密容器1が石英ガラスからなる場合、封止部1bは、その内部に例えば封着金属箔(図示しない。)を気密に埋設している。なお、封着金属箔は、例えばモリブデン箔からなり、所要の電流容量を得るために、1枚または並列状態で複数枚、例えば2枚が電極の基端部に溶接される。
陰極2Kおよび陽極2Aは、耐火性で導電性の金属、例えばタングステン(W)、レニウム(Re)またはタングステン−レニウム合金などからなる。また、上記陰極2Kおよび陽極2Aは、ショートアーク形式の放電がそれら電極間に生起するように包囲部1aの内径より小さい電極間距離、例えば2mmとなるようにそれぞれ先端が管軸上において離間対向して配置されている。
陰極2Kは、ランプ点灯中に流入するイオン電流が小さいので、既知のように相対的に小径である。そして、安定点灯中における陰極スポット位置の安定を図るために、既知のように先端部が先細に成形されている。さらに、所望により、陰極2Kの先端部から適当な距離だけ後退した位置に、電子放射性物質をドープするなどして電子放射性を有する耐火性金属の細線を陰極軸部に巻装して形成したコイル部Ckが配設されている。このコイル部Ckを備えることにより、始動時にのみ陰極スポットが上記コイル部Cに形成され、適当な時間遅れの後に陰極2Kの先端部に転移するように構成することが可能になる。これによって陰極2Kの損耗を低減することができる。なお、陰極2Kおよびコイル部Ckの構成金属としては、例えばトリア、アルミナ、マグネシア、ジルコニアなどの電子放射性物質をドープした前記耐火性金属を用いることができる。
これに対して、陽極2Aは、ランプ点灯中に流入する電子電流が大きいので、放熱を促進するために既知のように先端部を大径にして表面積が大きくなるように構成されている。
また、本発明のショートアーク形水銀放電ランプSHLは、その陰極2Kが上側に位置し、陽極2Aが陰極2Bの下側に位置する垂直状態で点灯される。これに加えて、電極間距離Gの中心Pが包囲部1aの管軸方向における長さの中心位置より陽極2A側へ所定距離の範囲内で変位して位置するように構成されている。
すなわち、図2に示すように、気密容器1における包囲部1aの管軸方向の長さをL1とし、電極間距離Gの中心Pと包囲部1a内面から放電空間1cの内面における陰極2Kの端部との間の距離をL2としたとき、数式:0.07≦{L2−(L1/2)}/(L1/2)<0.2を満足するように構成されている。なお、上記数式において、{L2−(L1/2)}/(L1/2)は、電極オフセット率を表している。また、包囲部1aの管軸方向の長さは、包囲部1aと封止部1bとの間の接続部の外面が一般的には小さな凹曲アールの部分になっているように外面の形状線の変化率が大きくなっている部位を境界として計測するものとする。
そうして、上記電極オフセット率が上記数式を満足することにより、ショートアーク形水銀ランプは、本発明の所期の効果を奏することができる。
これに対して、電極オフセット率が0.07以下になると、気密容器1の包囲部1aの上下部分における点灯中の温度差が大きくなりすぎて包囲部1aの温度バランスが悪くなるとともに、最冷部温度が低下してしまうので、不可である。なお、電極オフセット率が0およびマイナス数値になると上記の傾向が一層強まるので、やはり不可である。他方、電極オフセット率が0.2以上になると、陽極2Aが包囲部1aの内面に接近しすぎてしまい、そのために陽極2Aの気密容器1への封装が困難になるので、不可である。
放電媒体は、水銀および希ガスを主体として構成されている。なお、水銀は、点灯時に蒸発して例えば数十気圧となるような超高圧水銀蒸気状態を呈する。希ガスは、例えばアルゴンガスからなり、始動ガスおよび緩衝ガスとして作用する。
外部リード構体3、4は、陰極2Kおよび陽極2Aを点灯回路に接続して受電するための接続手段である。また、ショートアーク形水銀ランプSHLを紫外線照射装置の内部に装着する際に、取付手段として外部リード構体3、4を利用することができる。この場合、外部リード構体3、4は、図示のような口金構造を採用することができる。この口金構造部分を所定の位置に定置されたランプソケット(図示しない。)に装着することでショートアーク形水銀ランプSHLを紫外線照射装置などの組込み機器の内部に取り付けることができる。
さらに詳述すれば、外部リード構体3の口金部分3aから図2において右側へ突出しているボルト部分3bを、いずれも図示しないナットを用いてランプソケットに支持することによって、ショートアーク形水銀ランプSHLを紫外線照射装置などの内部に装着することができる。また、同時に点灯回路の出力端の負極側に接続するように構成されている。
他方、外部リード構体4は、口金部分4aから外部へ延在する可とう性の被覆導体4bを備えている。なお、被覆導体4bの先端には、接続端子4cが配設されている。
さらに、外部リード構体3、4は、図示しないが、それらの一端が封止部1b、1b内に延在して封着金属箔に溶接されている。
以上説明したショートアーク形水銀ランプSHLは、点灯すると透光性気密容器1の内部に超高圧水銀蒸気放電が生起して主として波長365nmの紫外線を発生する。
ショートアーク形水銀ランプSHLは、上述した基幹的な構造に加えて、所望により以下の構成を付加することが許容される。
1.(陰極保温膜5について) 陰極保温膜5は、陰極2Kに水銀が付着するのを防止するために陰極2Kを保温する手段である。そして、例えば主として陰極2K側の封止部の外面に形成された白金、金などの塗付膜などからなる。なお、陰極2Kに水銀が付着すると、始動電圧過昇や点灯不良を生じやすくなる。
2.(陽極保温膜6について) 陽極保温膜6は、気密容器1の温度上昇を早めるための手段である。そして、例えば陽極2Aの主として基端部分に対向する気密容器1の外面に形成された白金、金などの塗付膜などからなる。なお、気密容器1の温度上昇を早めることで光束立ち上がりが速くなる。
3.(排気チップオフ部保温膜について) 排気チップオフ部保温膜は、図示を省略しているが、排気チップオフ部の外面に形成される。排気チップオフ部は、包囲部1aの側面に配設されて包囲部の内部を排気し、かつ放電媒体を封入するための排気管を封じ切った後に形成される。ところが、排気チップオフ部は、包囲部1aから外部へ突出しているために、冷却されやすくて包囲部1aの温度低下をもたらすので、排気チップオフ部保温膜により排気チップオフ部を保温する。なお、保温膜は、白金、金などの塗付膜などによって形成することができる。
4.(トリガーワイヤ7について) トリガーワイヤ7は、始動時に電極近傍の電位傾度を大きくしてショートアーク形水銀ランプSHLの始動性を良好にするための手段である。そして、例えば基端が陰極2K側の外部リード構体3に接続し、中間が包囲部1aの外面に近接して延在し、先端が陽極2A側の封止部1bの包囲部1aに隣接する部位に巻き付けられている。
図3は、ショートアーク形水銀ランプにおける電極オフセット率の変化と紫外線の照度維持率の関係を測定した結果を示すグラフである。図において、横軸は点灯時間(h)を、縦軸は紫外線の照度維持率(%)を、それぞれ示す。図中の複数の曲線は、以下のとおりである。なお、測定は、電極オフセット率の異なる以外は、同一仕様(定格ランプ電力250W、包囲部の長さ25mm、電極間距離2mm)のショートアーク形水銀ランプを試作して行った。
曲線A(測定値が▲で示されている):電極オフセット率0.07の場合
曲線B(測定値が大きな■で示されている):電極オフセット率0.2の場合
曲線C(測定値が◆で示されている):電極オフセット率0の場合
曲線D(測定値が小さな■で示されている):電極オフセット率−0.06の場合
図3から理解できるように、電極オフセット率0.07および0.2であれば、紫外線の照度維持率が電極オフセット率0および−0.06の場合に比較して明らかに良好である。なお、図示を省略しているが、電極オフセット率0.07および0.2の中間の値についても試作して測定したが、電極オフセット率0および−0.06の場合より照度維持率が良好であった。
曲線B(測定値が大きな■で示されている):電極オフセット率0.2の場合
曲線C(測定値が◆で示されている):電極オフセット率0の場合
曲線D(測定値が小さな■で示されている):電極オフセット率−0.06の場合
図3から理解できるように、電極オフセット率0.07および0.2であれば、紫外線の照度維持率が電極オフセット率0および−0.06の場合に比較して明らかに良好である。なお、図示を省略しているが、電極オフセット率0.07および0.2の中間の値についても試作して測定したが、電極オフセット率0および−0.06の場合より照度維持率が良好であった。
1…気密容器、1a…包囲部、1b…封止部、1c…放電空間、2K…陰極、2A…陽極、3、4…外部リード構体、5…陰極保温膜、6…陽極保温膜、7…トリガーワイヤ、Ck…コイル部、G…電極間距離、SHL…ショートアーク形水銀ランプ、P…電極間の中心
Claims (1)
- 放電空間を包囲する包囲部およびこの包囲部の両端から延在する一対の封止部を有する紫外線透過性の気密容器と;
前記気密容器に封装され管軸方向に沿って前記包囲部内に突出して離間対向する陰極および陽極と;
前記気密容器内に封入された水銀および希ガスを含む放電媒体と;
を具備し、
前記包囲部の管軸方向の長さをL1とし、前記陰極および陽極の間に位置する電極間中心と前記包囲部内面における陰極の端部との間の距離をL2としたとき、数式:0.07≦{L2−(L1/2)}/(L1/2)<0.2を満足することを特徴とするショートアーク形水銀ランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006068522A JP2007250229A (ja) | 2006-03-14 | 2006-03-14 | ショートアーク形水銀ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006068522A JP2007250229A (ja) | 2006-03-14 | 2006-03-14 | ショートアーク形水銀ランプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007250229A true JP2007250229A (ja) | 2007-09-27 |
Family
ID=38594301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006068522A Pending JP2007250229A (ja) | 2006-03-14 | 2006-03-14 | ショートアーク形水銀ランプ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007250229A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103606512A (zh) * | 2013-11-25 | 2014-02-26 | 辽宁爱华照明科技股份有限公司 | 一种175w金属卤化物灯 |
-
2006
- 2006-03-14 JP JP2006068522A patent/JP2007250229A/ja active Pending
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CN103606512A (zh) * | 2013-11-25 | 2014-02-26 | 辽宁爱华照明科技股份有限公司 | 一种175w金属卤化物灯 |
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