JP2007248914A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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康夫 鈴木
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Yoshinori Inaba
佳範 稲葉
Yukio Fujiwara
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Abstract

【課題】省エネルギーを向上させることを可能にする電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】硬化型表面層を積層する有機系電子写真感光体は、この表面層に硬化性電荷輸送成分と硬化性バインダー成分、及び硬化性のフッ素樹脂成分とポリシロキサン成分を含有する。プロセスカートリッジは、前記電子写真感光体を搭載する。電子写真装置は、前記電子写真感光体又は前記プロセスカートリッジを搭載し、且つドラムヒーターを設けず、且つトナーの定着温度が120℃未満である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
近年、地球環境保全を目的とする省資源と省エネルギーの取り組みが重要となっている。電子写真装置の開発におけるこの取り組みとしてトップランナー方式に沿った装置の省エネ化が推進されている。ここで、電子写真装置の消費電力は電熱器を搭載する定着手段の使用率が大きい。装置の省エネルギー化を図るためには定着機の低消費電力化が有利である。これには定着温度の低温化が必要となる。
現在、電子写真装置の定着温度は150℃程度が一般的で未だ低温化の余地が残されている。定着温度が高いと装置の立ち上げ時間に長時間を要するため、省エネ性のみならず使用上の利便性も欠くこととなる。例えば、会議直前、直ちにコピーをとりたい時に装置のウォームアップ時間を待たなければならないシーンや、定着機のトラブルで長らくコピーが取れない経験をすることは未だ少なくない。トナーのコールドオフセット性や保存性を勘案し、定着温度は150℃以下、好ましくは80℃〜120℃で定着できることが望ましい。また、加圧のみの定着では定着温度は室温であることが望ましい。この場合、メンテナンス性が向上し、装置のダウンタイムを短縮できる。
このような低い温度で定着するためには相応のトナーが必要となる。例えば特許文献1に記載の通り、トナーの組成樹脂の軟化温度をコントロールしたり、トナー成分に結晶性低分子量ポリエステル樹脂を他の樹脂と非相溶の状態で配合したり、比較的ガラス転移温度の低い離型剤を配合したりすることで定着温度の低温度化が達成できる。(尚、本発明では天然または合成樹脂に着色剤を分散して作成される乾式現像剤をトナーと称する。また、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉等の磁性キャリアを含む二成分現像剤の場合、キャリアを除く成分をトナー成分と区別する。)ところが、このような低温定着が可能なトナーの使用は感光体表面へのトナー成分のフィルミングを生じ、画像流れや解像度劣化等フィルミングに起因する異常画像を出力することが多い。
この対策として耐摩耗性の低い感光体を選び、感光体表面を削ることで同時にフィルミング成分を除去する方法が採られることが多い。この場合、感光体の交換寿命は短くなる。使用不能となった感光体をリサイクルするのに要するエネルギーは、リサイクル頻度が増加する分大きくなる。このため、電子写真装置の環境へ与えるインパクトはむしろ増大することが懸念される。
また、別の方法として例えば特許文献2に記載されているような、表面硬度の高いアモルファスシリコン感光体を選び、クリーニング方法の工夫をすることが考えられる。アモルファスシリコン感光体の製法はドライプロセスとなるため製造コストが高く、使用対象は一部の例外を除き、ハイエンド機に限定される。すなわち、コスト上汎用性に欠ける方法と言える。
このように、省資源と省エネの双方に対して同時に改善可能な感光体は現在、得られていない状況といえる。
特開2003−167384号公報 特開2004−77963号公報
本発明の目的は、省エネルギーを向上させることを可能にする電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
本発明の第一の態様は、硬化型表面層を積層する有機系電子写真感光体において、この表面層に硬化性電荷輸送成分と硬化性バインダー成分、及び硬化性のフッ素樹脂成分とポリシロキサン成分を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様である電子写真感光体を搭載することを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明の第三の態様は、本発明の第一の態様である電子写真感光体又は本発明の第二の態様であるプロセスカートリッジを搭載し、且つドラムヒーターを設けず、且つトナーの定着温度が120℃未満であることを特徴とする電子写真装置である。
本発明の第一の態様によれば、省エネルギーを向上させることを可能にする電子写真感光体を提供することができる。
本発明の第二の態様によれば、省エネルギーを向上させることを可能にするプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明の第三の態様によれば、省エネルギーを向上させることを可能にする電子写真装置を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
本発明の実施の形態のために、例えば、次の[1]〜[16]の構成が挙げられる。
[1]硬化型表面層を積層する有機系電子写真感光体において、この表面層に硬化性電荷輸送成分と硬化性バインダー成分、及び硬化性のフッ素樹脂成分とポリシロキサン成分を含有することを特徴とする電子写真感光体。
[2]前記硬化性のフッ素樹脂成分と前記ポリシロキサン成分が硬化性フッ素樹脂/シロキサングラフトポリマーであることを特徴とする[1]に記載の電子写真感光体。
[3]前記硬化性フッ素樹脂/シロキサングラフトポリマーが少なくともウレタン結合を介してラジカル重合性不飽和結合部分を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂成分(A)と片末端ラジカル重合性ポリシロキサン成分(B)、および片末端ラジカル重合性アルコキシポリアルキレングリコール(C)のグラフト共重合体であることを特徴とする[2]に記載の電子写真感光体。
[4]前記硬化性フッ素樹脂/シロキサングラフトポリマーが少なくともウレタン結合を介してラジカル重合性不飽和結合部分を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂成分(A)と片末端ラジカル重合性ポリシロキサン成分(B)、およびラジカル重合反応条件下において、前記のウレタン結合を介してラジカル重合性不飽和結合部分を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂(A)と二重結合による重合反応以外には反応しないラジカル重合性単量体のグラフト共重合体であることを特徴とする[2]に記載の電子写真感光体。
[5]前記片末端ラジカル重合性ポリシロキサンが下記一般式(1)
Figure 2007248914
(式中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R2、R3、R4、R5、及びR6は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、nは2以上の整数である)で示される片末端ラジカル重合性ポリシロキサン及び/又は下記一般式(2)
Figure 2007248914
(式中、R7は水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R8、R9、R10、R11、及びR12は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、pは0〜10の整数であり、qは2以上の整数である)で示される片末端ラジカル重合性ポリシロキサン4〜40重量%であることを特徴とする[3]又は[4]に記載の電子写真感光体。
[6]前記片末端ラジカル重合性アルコキシポリアルキレングリコールが下記一般式(3)
Figure 2007248914
(式中、R13は水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R14は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、及びR15は炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐状のハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基であり、lは1以上の整数であり、mは任意の整数である)で示される片末端ラジカル重合性アルコキシポリアルキレングリコール1〜25重量%、及び(D)成分(A)、(B)、及び(C)以外のラジカル重合性単量体28〜92重量%をランダム共重合してなるグラフト共重合体であることを特徴とする[3]に記載の電子写真感光体。
[7]前記ウレタン結合を介してラジカル重合性不飽和結合部分を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂(A)が、水酸基を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂(A−1)とイソシアネート基を有するラジカル重合性単量体(A−2)との反応生成物である[3]乃至[6]のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
[8]前記イソシアネート基を有するラジカル重合性単量体(A−2)が、メタクリロイルイソシアネート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、又はm−若しくはp−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートから選ばれた単量体1種又は2種以上である[3]乃至[6]のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
[9]前記硬化性電荷輸送成分が下記一般式(4)
Figure 2007248914
Figure 2007248914
を表わす。)のラジカル重合性単量体であることを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
[10]前記架橋型電荷輸送層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(4)
Figure 2007248914
Figure 2007248914
を表わす。)のラジカル重合性単量体の一種以上であることを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
[11]前記硬化性バインダー成分がトリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの少なくとも一種類であることを特徴とする[1]乃至[10]のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
[12]前記硬化型表面層の弾性仕事率が50%以上でCS5摩耗量が1.5mg/1万回転以下で電子写真装置の使用前後について電子写真装置内での表面層温度における表面層とトナーとの接着仕事が20mN/m以上75mN/m以下で感光体駆動の回転力(トルク)が2.5kgfcm以下であることを特徴とする[9]乃至[11]のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
[13][1]乃至[12]のいずれか一つに記載の電子写真感光体を搭載することを特徴とするプロセスカートリッジ。
[14][1]乃至[12]のいずれか一つに記載の電子写真感光体又は[13]に記載のプロセスカートリッジを搭載し、且つドラムヒーターを設けず、且つトナーの定着温度が120℃未満であることを特徴とする電子写真装置。
発明者は低温定着用のトナーを感光体表面にフィルミングさせない要件として、装置内使用時の感光体表面温度におけるトナーと表面層との接着仕事がトナー同士の接着エネルギーよりも小さくすることが重要であると想到した。特にこの値は感光体表面温度が装置内使用時の温度条件であることが重要である。従来、感光体の表面自由エネルギーや感光体と他の物質との接着仕事(濡れ性;Wettability)を規定し、特定の性能を確保する提案が幾つかなされてきた。殊に低温定着用のトナーに対してはこのパラメーターの規定だけでは不十分であり、この規定値は使用温度に合わせる必要がある。重合トナー、粉砕トナー、カラー用トナーおよびモノクロ用トナーについて、特開2005−062830号公報に記載の方法で算出されるトナー同士の接着仕事は100mN/m程度となる。同じく、上市されている一般的な有機感光体とトナーとの接着仕事は大凡、100mN/mとなり、感光体表層を削らなければトナーは堆積する傾向にある。低温定着トナーも同様であり、具体的には感光体とトナーとの接着仕事は75mN/m未満にすると良い。但し、接着仕事が小さすぎると現像不能となるため、少なくとも感光体とトナーがくっつく条件として接着仕事は20mN/m以上とする必要がある。このような感光体表面を形成するには端的には感光体表面材料に潤滑剤を配合することで具体化される。潤滑剤はフッ素樹脂が有効である。
また、感光体のフィルミングを防止するためには感光体のクリーナーへのダメージを抑制することも重要である。通常、感光体のクリーナーは感光体と接触しており、クリーナーに対する負荷の大きさは間接的であるが感光体の駆動力として、回転力(トルク)が指標となる。この回転力は感光体の駆動に使用されるエネルギー分を除くと、感光体表面の摩耗に要するエネルギー、発熱に要するエネルギー、ないし感光体と接触している部材の劣化に要するエネルギー等に変換されていると考えられる。回転力は小さい条件で使用した方がクリーナーの劣化は抑制され、具体的には2.5kgfcm以下で稼働させることが望ましい。
感光体のクリーナーはブラシとブレード形状のウレタンゴム(クリーニングブレードと称する)が通常用いられる。クリーニングブレードの押圧力を低減すると、回転力は低減するがクリーニングの機能も弱くなるため大幅な調整はできない。そこで回転力を下げるために感光体の摩擦性を低減することが有効となる。特に、熱および光硬化型樹脂表面はこの回転力が熱可塑性樹脂表面と比較して一段高く、硬化型樹脂を使用する場合改良が望まれる。
感光体表面にシリコーンオイルを配合すると感光体の摩擦性が低減する効果は一般に知られている。但し、シリコーンオイルはブリードアウトする性状から持続性を得ることが難しい。このため、感光体の回転力を所定以下にするためにはシリコーンオイルを感光体表層に固定化すると良い。
また、トナーのフィルミングを防止するためには感光体表面は塑性変形の小さい材料を用いると有利となる。現時点で詳細は不明であるが、感光体表面が、例えば厚手のビニールシートの様に可撓性が高くなるとタック性が増大し、汚れやすくなる。具体的にはダイナミック硬度試験によって得られる弾性仕事率(ηIT)が50%以上であると感光体表面の汚染が予防されやすい。弾性仕事率を高めるには架橋型の樹脂を用いると良い。
また、省資源化のために感光体は交換頻度を抑制することが望ましい。これには感光体表面の耐摩耗性を強化することが重要である。耐摩耗性の指標は従来、幾つかの方法が提案されている。このうちCS5を用いたテーバー摩耗試験は被試験体の極表層を徐々に摩耗する試験方法になる。このため、試験によって得られる摩耗量のS/Nは大きく取れることが多い。CS5摩耗量は小さいほど好ましいが、具体的には荷重1kgfの条件で1.5mg/1万回転以下であれば感光体の機械強度は強靱で省資源化の効果が得られると言える。
以上、四項目の要件を同時に満足する方策は未だ提案されていない。
最初の表面自由エネルギーに係る公知の技術として特開平11−311875号公報に表面自由エネルギーとクリーニング性との関係が開示されている。しかしながら特に有機感光体を使用する装置に対して具体的な方策を本件から知り得ることは出来ない。また、第二の要件である感光体の回転力に対しては例えば特開2001−265039号公報に開示されている。しかしながら、クリーナーの劣化を防止する直接的な内容では無い。
これらに対し、感光体表面材料にブリードアウトの生じない硬化性のフッ素樹脂成分と硬化性のポリシロキサン成分を配合することが効果的であることを見いだした。特に特開2000−119354号公報、特開2000−119355号公報に記載の硬化性フッ素樹脂/シロキサングラフトポリマーを感光体表面層の材料に使用することで上記の接着仕事と回転力の低減に有効であることを見いだした。
この材料を用いる感光体表面層はポリカーボネートのような熱可塑性樹脂よりも架橋構造を採る熱または光硬化型樹脂を用いた方が弾性仕事率を大きくしやすい。これは分子構造が網目状をとることに起因すると思われる。中でもトリメチロールプロパントリアクリレート乃至カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート乃至ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートをバインダー成分に用いる光硬化型樹脂はCS5摩耗量が小さく、機械的に強靱な表面層を形成する方策として有利である。
別に、この硬化型表面層を感光体表面に積層する場合、画像出力が可能な静電特性を確保する必要がある。この表面層に電荷輸送性を付与することで静電特性は確保されやい。特に以下の硬化性電荷輸送物質は有利となる。
(光硬化型)
(一般式4)
Figure 2007248914
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
Figure 2007248914
を表わす。)
(熱硬化型)
熱硬化型の電荷輸送成分は以下の一般式(5)乃至(7)が有利である。また、これらの化合物に共通して分子量を官能基(活性水素)数で除した値が小さいと硬化型保護層中の硬化剤の含有量を高めてしまい、結果、硬化可能な電荷輸送物質の最大含有量を制約してしまう。処方設計上、この値は大きい材料が好ましく、具体的にはが200以上の材料が好ましい。
(一般式5)
Figure 2007248914
式中、R2は水素原子、アルキル基、フッ素原子、シアノ基、フェニル基又はハロゲン原子で置換されたアルキル基、C1〜C4のアルキル基で置換されたフェニル基で置換されたアルキル基、アリール基、フッ素原子、シアノ基、フェニル基又はハロゲン原子で置換されたアリール基、C1〜C4のアルキル基で置換されたフェニル基で置換されたアリール基を表し、R3は水素原子、アルキル基、フッ素原子、シアノ基、フェニル基又はハロゲン原子で置換されたアルキル基、C1〜C4のアルキル基で置換されたフェニル基で置換されたアルキル基、アリール基、フッ素原子、シアノ基、フェニル基又はハロゲン原子で置換されたアリール基、C1〜C4のアルキル基で置換されたフェニル基で置換されたアリール基、ハロゲン原子を表し、R3は水素原子を表し、Ar1、Ar2はアリール基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されたアリール基を表す。但し、R3が水素原子、且つAr1及びAr2がp−トリル基である場合を除く。
Xは下記(a)〜(d)のいずれかを表す。
(a)アルキレン基
(b)フッ素原子、シアノ基、フェニル基、又はハロゲン原子若しくはC1〜C5のアルキル基で置換されたフェニル基によって置換されたアルキレン基
(c)アリーレン基
(d)下記一般式(8)で表される基
(一般式8)
Figure 2007248914
{式中、Yは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−及び以下の2価基を表す。
Figure 2007248914
Figure 2007248914
Figure 2007248914
Figure 2007248914
(ここで、R5、R6は水素原子、アルキル基、前記(c)で定義された置換基を有するアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、前記(e)で定義された置換基を有するアリール基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基を表し、p、q、r、sは1〜12の整数を表す)}
(一般式6)
Figure 2007248914
R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基を表す。R7、R8は同一であっても異なってもよい。
また、Ar3、Ar4およびAr5で示されるアリーレン基としてはR5およびR6と同様のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
Xは一般式(5)で挙げたものと同じである。
(一般式7)
Figure 2007248914
R9、R10は置換もしくは無置換のアリール基を表す。R9、R10は同一であっても異なってもよい。
また、Ar6、およびAr7で示されるアリーレン基としてはR9およびR10と同様のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
Xは一般式(5)で挙げたものと同じである。
電子写真装置の低温定着は、低温定着用のトナーが必要であるが、加えて、このトナーを使いこなす技術が無ければ成立できない。低温定着トナーの使いこなしに対して、感光体のフィルミング予防は極めて重要となる。以上のようにして作製した感光体表面層はトナーフィルミングを未然に防止することができ、装置の低温定着を具現化する。また、以下に記す実施例で明らかなようにアモルファスシリコン感光体相当の耐摩耗性を有機感光体で達成しており、本発明の電子写真感光体は従来の感光体と比較して環境性能の極めて高い感光体ということができる。
以下、本発明の実施の形態をさらに詳細に説明する。
始めに図面に沿って本発明で用いられる電子写真装置を説明する。
画像形成を行うための装置として、広く一般に普及しているファクシミリ、レーザープリンタ、電子写真複写機、ダイレクト製版機及びこれらの複合機等、間接電子写真法(ゼログラフ法)を用いたデスクトップ型あるいはフロア型の画像形成装置は、一般に、電子写真感光体(又は像担持体)、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、分離装置、クリーニング装置、除電装置、定着装置、コピー用紙(被転写体)用の給紙トレイ、排紙トレイ等が備えられている。
図1に電子写真方式を使用した画像形成装置の概略図を示す。
画像形成に使用される電子写真感光体1(以後単に感光体と称する)にはセレン系(a−Se、a−Se2Se3、a−SeTeなど)、シリコン系(a−Si:H、a−Si:Ge:H等)、CdSe系、CdS系、ZnO系などの感光材料を使用したものが知られている。本発明では硬化性電荷輸送成分と硬化性バインダー成分、及び硬化性のフッ素樹脂成分とポリシロキサン成分を含有する硬化型表面層を積層する有機感光体が搭載される。
帯電は感光体1に対向して配置される帯電装置2によって行われる。
帯電装置2にはコロナ帯電装置、接触帯電装置、近接帯電装置(又は非接触帯電装置)が知られている。
コロナ帯電装置は、40〜60(μm)の放電ワイヤー(たとえばタングステンワイヤー)をコの字型をしたシールドケース内に帳架し、−4000〜−7000Vの直流電圧を印加し、感光体から8〜10mm程度離し、無声放電させて帯電するコロナ帯電装置である。
マイナス帯電を行う場合、放電が不均一なため通常はグリッドが設置され帯電電位を均一化される。
接触帯電装置及び近接帯電装置は、炭素繊維や、化学繊維にカーボンなどの低抵抗物質を分散し、抵抗制御を図った繊維から構成されるブラシ状帯電部材、またはエピクロルヒドリンゴム単体、又はさらにカーボンを添加し抵抗制御を図り、必要に応じフッ素樹脂や、シリカを添加して構成されるローラー状帯電部材、樹脂にカーボンや金属粉末、イオン性の導電材を分散し、抵抗制御を図ったローラー状帯電部材等があり、それらの帯電部材をユニットに装着し、感光体1に接触、又は感光体から30〜80μm程度隔離して設置される。帯電部材に−400〜−1000(V)の直流電圧、又は直流電圧に800〜2500V/800〜4500Hzの交流電圧を重畳した電圧が印加される。
感光体の帯電々位は−400〜−800V程度に設定される。
コロナ帯電装置は、帯電追随性に優れるが、オゾンが多量(10ppm前後)に発生するため環境上の課題がある。一方、接触帯電法または近接帯電法(又は非接触帯電)は感光体に接触又は近接配置されるため、帯電部材が汚染され、帯電不均一性が起こりやすいという課題があるが、コンパクト性、電源が小さく省エネルギーである、オゾンの生成が少なく(0.05〜0.3ppm程度)環境性に優れるなどの利点を有するため、近年では帯電手段として多く使用される。
感光体1に均一な帯電が施された後、原稿像やパソコンからの信号はCCD、LD素子またはLED素子、ポリゴンミラー、フィルター、シリンドリカルレンズなどから構成される画像露光装置3によりドットパターンで照射され、感光体1にデジタルパターンの静電潜像(明暗電位差)が形成される。
静電潜像はマグネットブラシ現像法による現像装置4によって現像される。
現像装置にはキャリアと呼ばれる平均粒径が40〜80μm程度の磁性紛と、4〜10μm程度の粒径のトナーから成る現像剤が入れられており、トナー濃度が3〜8重量%程度に設定される。現像装置には現像バイアスが印加され現像される。
現像剤に使用されるトナーには、形がいびつで凹凸を有する機械的製法で製造される粉砕トナーと、化学的な製法(懸濁重合法や乳化重合法など)で製造される重合トナーがあるが、近年、高画像品質の要求に伴い、製造コストが粉砕トナーに比べ安価で有り、形状が比較的揃い、保有電荷がほぼ均一な重合トナーの使用が増える傾向にある。
現像で得られたトナー像は、トナーの帯電極とは反対の電圧が印加された転写装置5によって、給紙トレイ10より搬送された被転写体(コピー用紙)11上に転写され、定着装置9に運ばれ定着されてハードコピー13とされ、排紙トレイ12に排出される。
転写後の感光体上の残留トナーは、ゴム状弾性体をブレードとするクリーニングブレードから成るクリーニング装置7でクリーニングされた後、感光体表面は除電装置8によって、全面照射され内部潜像が除電され、電気的に初期化され一連の複写サイクルが終了する。
画像形成装置は図1の構成に限定されず、感光体1をベルト状にしたものや、感光体をタンデム型のレイアウトにしてカラープリントするもの、また中間転写体を介してプリントする電子写真装置も用いられる。
また、以上に示すような画像形成手段は、複写機、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。本発明におけるプロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ一つのモジュールである。
次に図面を参照しつつ本発明の電子写真感光体について詳細に説明する。
図2は本発明の更に別の層構成を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体21上に電荷発生層25と電荷輸送層26と硬化型保護層28が設けられている。
図3は本発明の更に別の層構成を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体21と電荷発生層22の間に下引き層25が設けられ、電荷発生層22の上に電荷輸送層26と硬化型保護層28が設けられている。
導電性支持体21としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状又は円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研磨などにより表面処理した管などを使用することが出来る。
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体と感光層との間に下引き層24を設けることが出来る。下引き層は、接着性の向上、モワレの防止、上層の塗工性の改良、導電性支持体からの電荷注入の防止などの目的で設けられる。
下引き層は通常、樹脂を主成分とする。通常、下引き層の上に感光層を塗布するため、下引き層に用いる樹脂は有機溶剤に難溶である熱硬化性樹脂が相応しい。特に、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂は以上の目的を十分に満たすものが多く、特に好ましい材料である。樹脂はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いて適度に希釈したものを塗料とすることができる。
また、下引き層には、伝導度の調節やモアレを防止するために、金属、または金属酸化物などの微粒子を加えてもよい。特に酸化チタンが好ましく用いられる。
微粒子はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液と樹脂成分を混合した塗料とする。
下引き層は以上の塗料を浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などで支持体上に成膜し、必要な場合、加熱硬化することで形成される。
下引き層の膜厚は2〜5μm程度が適当になるケースが多い。感光体の残留電位の蓄積が大きくなる場合、3μm未満にすると良い。
本発明における感光層は、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型感光層が好適である。
積層型感光体における各層のうち、電荷発生層25について説明する。電荷発生層は、積層型感光層の一部を指し、露光によって電荷を発生する機能をもつ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。電荷発生層は必要に応じてバインダ−樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることが出来、例えば、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ペリレン系顔料などが挙げられる。このうち、金属フタロシアニン、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料およびペリレン系顔料は電荷発生の量子効率が軒並み高く、本発明に用いる材料として好適である。これらの電荷発生物質は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。また、後述する高分子電荷輸送物質を用いることもできる。このうちポリビニルブチラールが使用されることが多く、有用である。これらのバインダー樹脂は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層を形成する方法としては、大きく分けて真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法がある。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などがあり、上述した無機系材料や有機系材料からなる層が良好に形成できる。
また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系又は有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。このうちの溶媒として、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより行うことが出来る。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は通常、0.01〜5μm程度が適当である。
残留電位の低減や高感度化が必要となる場合、電荷発生層は厚膜化するとこれらの特性が改良されることが多い。反面、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成など帯電性の劣化を来すことも多い。これらのバランスから電荷発生層の膜厚は0.05〜2μmの範囲がより好ましい。
また、必要により、電荷発生層中に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの材料は例えば特開2003−322984号公報の段落番号[0127]〜[0160]に記される材料が用いられる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物およびレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して、0.1〜20phr、好ましくは、0.1〜10phr、レベリング剤の使用量は、0.001〜0.1phr程度が適当である。
次に、電荷輸送層26について説明する。
電荷輸送層は電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を担う積層型感光層の一部を指す。電荷輸送層の主成分は電荷輸送成分とこれを結着するバインダー成分と言うことができる。
電荷輸送物質に用いることのできる材料としては、低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質が挙げられる。
電子輸送物質としては、例えば非対称ジフェノキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタルイミド誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送物質としては、電子供与性物質が好ましく用いられる。
その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
また、以下に表される高分子電荷輸送物質を用いることができる。たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾ−ル環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開2001−330973号公報の一般式(1)〜一般式(6)に例示される芳香族ポリカーボネートが挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。特に特開平7−292095号公報の例示化合物は静電特性面の性能が良好であり有用である。
高分子電荷輸送物質は硬化型保護層を積層する際、低分子型の電荷輸送物質と比べて、表面層へ滲みだしが少なく、表面層の硬化不良を防止するのに適当な材料である。また、電荷輸送物質の高分子量化により耐熱性にも優れる性状から、硬化型保護層を成膜する際の硬化熱による劣化が少なく有利である。
電荷輸送層のバインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニル、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。このうち、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネートは電荷輸送成分のバインダー成分として用いる場合、電荷移動特性が良好な性能を示すものが多く、有用である。また、電荷輸送層はこの上層に硬化型保護層または保護層が積層されるため、電荷輸送層は従来型の電荷輸送層に対する機械強度の必要性が要求されない。このため、ポリスチレンなど、透明性が高いものの機械強度が多少低い材料で従来技術では適用が難しいとされた材料も、電荷輸送層のバインダー成分として有効に利用することができる。
これらの高分子化合物は単独又は2種以上の混合物として、或いはそれらの原料モノマー2種以上からなる共重合体として、更には、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送層の改質に際して電気的に不活性な高分子化合物を用いる場合にはフルオレン等の嵩高い骨格をもつカルドポリマー型のポリエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、C型ポリカーボネートのようなビスフェノール型のポリカーボネートに対してフェノール成分の3,3’部位がアルキル置換されたポリカーボネート、ビスフェノールAのジェミナルメチル基が炭素数2以上の長鎖のアルキル基で置換されたポリカーボネート、ビフェニルまたはビフェニルエーテル骨格をもつポリカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンの様な長鎖アルキル骨格を有するポリカーボネート(例えば、特開平7−292095号公報に記載)やアクリル樹脂、ポリスチレン、水素化ブタジエンが有効である。
ここで電気的に不活性な高分子化合物とは、トリアリールアミン構造のような光導電性を示す化学構造を含まない高分子化合物を指す。
これらの樹脂を添加剤としてバインダー樹脂と併用する場合、光減衰感度の制約から、その添加量は、電荷輸送層の全固形分に対して50wt%以下とすることが好ましい。
低分子型の電荷輸送物質を用いる場合、その使用量は40〜200phr、好ましくは70〜100phr程度が適当である。また、高分子電荷輸送物質を用いる場合、電荷輸送成分100重量部に対して樹脂成分が0〜200重量部、好ましくは80〜150重量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
また電荷輸送層に2種以上の電荷輸送物質を含有させる場合、これらのイオン化ポテンシャル差は小さい方が好ましく、具体的にはイオン化ポテンシャル差を0.10eV以下とすることにより、一方の電荷輸送物質が他方の電荷輸送物質の電荷トラップとなることを防止することができる。
このイオン化ポテンシャルの関係は電荷輸送層に含有する電荷輸送物質と後述する硬化性電荷輸送物質との関係についても同様にこれらの差は0.10eVにすると良い。
尚、本発明における電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル値は理研計器社製大気雰囲気型紫外線光電子分析装置AC−1により一般的な方法で計測して得られた数値である。
高感度化を満足させるには電荷輸送成分の配合量を70phr以上とすることが好ましい。また、電荷輸送物質としてα−フェニルスチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物の単量体、二量体およびこれらの構造を主鎖または側鎖に有する高分子電荷輸送物質は電荷移動度の高い材料が多く有用である。
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
電荷輸送層は電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成出来る。塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
電荷輸送層の上層には、硬化型保護層が積層されているため、この構成における電荷輸送層の膜厚は、実使用上の膜削れを考慮した電荷輸送層の厚膜化の設計が不要であり、薄膜化も可能となる。
電荷輸送層の膜厚は、実用上、必要とされる感度と帯電能を確保する都合、15〜40μm程度が適当であり、好ましくは15〜30μm程度が適当である。
また、必要により、電荷輸送層中に電荷発生層で記載した酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物およびレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して、0.1〜20phr、好ましくは、0.1〜10phr、レベリング剤の使用量は、0.001〜0.1phr程度が適当である。
続いて、硬化型表面層28について説明する。
硬化型表面層は架橋反応を経て3次元の網目構造を形成する材料を選ぶ必要がある。特に(A)硬化性のフッ素樹脂成分とポリシロキサン成分と(B)硬化性電荷輸送成分および(C)硬化性バインダー成分を含有する必要がある。
(A)硬化性のフッ素樹脂成分とポリシロキサン成分
硬化性のフッ素樹脂成分とポリシロキサン成分は硬化が可能であれば何れの材料を用いることができる。例えば、これらの材料には硬化性フッ素樹脂としてネオス社フタージェントシリーズ、東亜合成社レゼダシリーズ、及びザフロンシリーズ、日本油脂社モディパーFシリーズ等を挙げることができる。また、硬化性のポリシロキサンはチッソ社サイラプレーンシリーズ、ビックケミー社BYK―UVシリーズ、BYK−SILCLEAN3700、東亞合成社サイマックシリーズ等を挙げることができる。
特に、本発明では特開2000−119354号公報及び特開2000−119354号公報に記載のようなフッ素樹脂の主骨格にポリシロキサン成分をグラフトしたものが好ましい。但し、硬化が可能なラジカル重合性または熱硬化が可能な官能基を有する必要がある。この材料は例えば富士化成工業株式会社から上市されている疎水性樹脂ZXシリーズを入手することができる。
この成分の添加量は硬化型表面層全固形分の5〜10wt%が適量となる。
(B)硬化性電荷輸送成分
硬化性電荷輸送成分は下地の電荷輸送層からの注入性に優れ、電荷輸送能の高い材料が好ましい。これに対し特開2001−330973号公報に例示される高分子電荷輸送物質の合成に用いられる電荷輸送性モノマーの利用は実績が高く、極めて有用である。また、分子骨格に含む硬化を官能基1個当たりの物質量(当量)が小さいと硬化型保護層中の硬化剤の含有量を高めてしまい、結果、硬化可能な電荷輸送物質の最大含有量を制約してしまう。処方設計上、この当量は大きい材料が好ましく、具体的には当量が200以上の材料を選択すると良い。熱硬化タイプでは、上述した一般式5〜7の化合物の利用は合理的と言える。また、光硬化タイプでは特開2004−302451号公報に記載のラジカル重合性電荷輸送物質が有用である。上述の一般式4の化合物は特に優れた静電特性を呈することが多い。
硬化性電荷輸送成分の配合比率は電子写真装置内での感度特性に合わせて設計することになるが、大凡、硬化性表面層全固形分に対して、7.5wt%〜60wt%とすることが多い。
(C)硬化性バインダー成分
硬化性のバインダー成分は膜強度と静電特性のバランスから熱硬化タイプではメラミン、イソシアネート、オルガノシランが適当といえる。これらの化合物は大日本インキ化学工業社スーパーベッカミンGシリーズ(メラミン)、同Lシリーズ(メラミン)、日本ポリウレタン社コロネートHXシリーズ(HDI系ポリイソシアネート)、日本精化社NSCシリーズ(オルガノシリカゾル)、大橋化学社ヒートレスグラスGOシリーズ(オルガノシラン)として上市されているものを入手することができる。膜の平滑性を得るためにビックケミー社から上市されているBYK−3シリーズ等のレベリング剤を0.1〜1phr程度配合しても良い。
また、光硬化タイプでは特開2004−302451号公報に記載の電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーを使用することが好ましい。特にトリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。これらは東京化成社等の試薬メーカー、日本化薬社KAYARD DPCAシリーズ、同DPHAシリーズ等を入手することができる。
これにチバ・スペシャリティーケミカルズ社イルガキュア184等の開始剤を全固形分に対して5〜10wt%程度加えても良い。
硬化型表面層塗料を調製する際に使用する分散溶媒はモノマーを十分に溶解するものが好ましく、上述のエーテル類、芳香族類、ハロゲン類、エステル類の他、エトキシエタノールのようなセロソルブ類、1−メトキシ−2−プロパノールのようなプロピレングリコール類を挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−プロパノールは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
硬化型表面層の形成方法として、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。多くの場合、塗工液はポットライフが長くないため、少量の塗料で必要な分量のコーティングができる手段が環境への配慮とコスト面で有利となる。このうちスプレー塗工法とリングコート法が好適である。
熱硬化タイプの場合、硬化型保護層塗工液被膜を加熱乾燥する際、この被膜はタックフリーにならない状態であることが重要となる。これにより硬化不足や硬化具合の不均一化を抑制することができる。また、硬化温度は高すぎても低すぎても硬化不良を生じてしまうため、この設定も品質の安定化を左右することとなる。充分な硬化を進めるためには急激な溶媒の揮発は回避した方が良い。一方、硬化速度が緩慢すぎると硬化型保護層自体の膜厚ムラやクラックや電荷輸送物質の結晶化など下地の変質を来すため、適正な温度で加熱する必要がある。
使用する材料によって具体的な設定温度は調整する必要があるが、保護層塗工液の吸熱ピーク温度をX(℃)、該塗工液溶媒の沸点をY(℃)、保護層成膜時の最大加熱乾燥温度をZ(℃)としたとき、次の条件を満たす設定温度で硬化を進めると良い。
(数1)
X < Z < Y
ここで保護層塗工液の吸熱ピーク温度はDSC測定装置によって得られる値である。本発明では理学電機社製示差走査熱量計Thermoplus DSC8230を用いて計測している。測定は開放型アルミパンを用いて、40℃から200℃の温度範囲を10℃/分の走査速度で昇温した時に得られるファーストスキャン時のDSCカーブを採用した。
架橋反応が進むことで加熱温度が溶媒の沸点以下でも溶媒は揮発してしまうことが多い。溶媒の大気中への拡散と架橋の発熱が揮発を助長していると思われる。
充分な迄に残留溶剤の滞留や硬化不良が抑制された硬化型保護層の硬化膜は先と同様にしてDSCカーブを得ても吸熱ピークが観測されない。そこで、この特徴を呈する硬化型保護層を成膜することが望ましい。
次に光硬化タイプの場合、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できる。また、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、50mW/cm未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cmより強いと反応の進行が不均一となり、架橋型電荷輸送層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生ずる。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
硬化型表面層の膜厚は1〜10μm程度が適当であり、好ましくは2〜8μm程度が適当である。
以下、実施例によって本発明を説明する。
始めに本発明に係る測定方法について述べる。
(1)接着仕事、表面自由エネルギーの算出
フッ素樹脂粉体はフッ素樹脂粉体をペレット錠剤機にて円盤状に加圧成型したものを接触角測定用のサンプルとして用意した。また、バインダー樹脂混合物はテトラヒドロフランに溶解させたものをアルミ板上にドクターブレードにて塗布後、150℃にて30分間加熱乾燥したものを接触角測定用のサンプルとして用意した。
これらのサンプルを自動接触角計(CA−W、協和界面科学社製)を使用して上記サンプルの55℃における接触角を求めた。対象とする標準物質としてイオン交換水、ヨウ化メチレン、α−ブロモナフタレンを選んだ。
個々の標準物質に対する接触角測定値と標準物質の表面自由エネルギー値は、北崎 寧昭、畑敏雄ら、日本接着協会紙8(3)、131−141(1972)に記載のデータ(表1)を用いて、下記数2を用いて標準物質とサンプル間の接着力を算出した。
Figure 2007248914
(数2)
Solid Liquid=γLiquid(1+cosθ)
次に、ヨウ化メチレンとα−ブロモナフタレンとサンプルの接着力、および下記数3を用いて連立方程式を立てる。
(数3)



ここで、標準物質のγ とγ は上記資料のデータを使用する。
これから、サンプルの√γと√γを算出した。
次に水と感光体間の接着力、および数2を用いてサンプルの√γを算出した。
得られた感光体の√γ、√γ、√γと数3から感光体の表面自由エネルギーを算出した。
(数4)
γ=γ+γ+γ
フッ素樹脂とバインダー樹脂との接着力は以上の計算から求められる各数値を数3に代入して得た。
(2)弾性仕事率測定
微少硬さ試験機(FISCHER SCOPE H100C、フィッシャー社製)により、最大押し込み荷重9.8mN、クリープ時間5秒の条件で測定した感光体の荷重―押し込み深さの曲線から弾性仕事率を算出した。
(3)テーバー摩耗試験
10cm角のアルミ平版に電荷輸送層と硬化性表面層を設けたサンプルを作製し、これをJIS K 5600−5−9:1999に準じ、荷重1kgf、CS5摩耗輪を装着し、10万回転時のサンプルの重量減少量を秤量した。
(4)感光体回転力(トルク)測定
感光体を駆動させるモーター、トルクコンバーター、現像機、クリーナー、およびプログラマブルロジックコントローラから構成される単体試験機(リコー社製)により回転力を測定した。単体試験機はカラーレーザプリンター(IPSiO Color8100、リコー社)と同じ条件に整え、ドラム二回転分だけ感光体表面にトナーを黒べた現像した後の感光体が回転している状態での回転力(トルク)の平衡値を読み取った。
(5)膜厚測定
渦電流方式膜厚測定器(FISCHER SCOPE mms、フィッシャー社製)により、感光体ドラム長手方向1cm間隔に膜厚を測定し、それらの平均値を感光層膜厚とした。
(6)感光体表面電位測定
表面電位計(Trek MODEL344、トレック社製)のプローブを取り付けた改造現像ユニットを複写機内現像部に取り付け、感光体中央部の表面電位を測定した。
実施例と比較例に用いるトナーは粉砕方法のものは特開2003−167384号公報を基に作製した。また、重合性のトナーは次の通り作製した。本発明ではこのトナーをAトナーと称する。
<樹脂微粒子エマルションの合成>
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イオン交換水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度80℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を滴下して加え、80℃で7時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エテレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、0.09μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは58℃であった。
<水相の調整>
イオン交換水1000部、[微粒子分散液2]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
<低分子ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
<イソシアネート基を有するプレポリマーの合成>
製造例13
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリツト酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
<ケチミンの合成>
製造例14
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
<顔料マスターバッチの調整>
製造例15
水1200部、カーボンブラック(Printex60 デクサ製)540部、[低分子ポリエステル1]を1200部加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で45分混練後、圧延冷却しパルペライザーで1mmφ以下に粉砕し[マスターバッチ1]を得た。
<油相の作成>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、合成エステルワックス110部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行なった。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
<乳化→脱溶剤>
[顔料・WAX分散液1]650部、[プレポリマー1]を140部、[ケチミン化合物1]6.0部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、40℃で8時間熟成を行ない、[分散スラリー1]を得た。
<洗浄→乾燥>
[乳化スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行ない、[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー粒子1を得た。
このトナーの体積平均粒径は5.43μm、Tgは46℃、樹脂成分のTHF不溶分は12%であった。平均粒径35μmのマグネタイト粉にメチルメタクリレート樹脂(35重量%)及びシリコン樹脂(60重量%)、カーボン(ケッチェンブラック、5重量%)を被覆したキャリア95重量部に対してトナー粒子1を5重量部を混合した。
[実施例1]
φ30mmアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成した。その上に下記組成の硬化型表面層をスプレーで塗工して、 硬化型表面層を硬化させて、7μmのフッ素樹脂配合電荷輸送層を設け電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂溶液(ベッコライト M6401−50、大日本インキ化学工業社製) 12重量部
メラミン樹脂溶液(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製) 8重量部
酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40重量部
メチルエチルケトン 200重量部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造のビスアゾ顔料(リコー社製) 5重量部
Figure 2007248914
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 1重量部
シクロヘキサノン 200重量部
メチルエチルケトン 80重量部
〔電荷輸送層用塗工液〕
Z型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製) 9重量部
下記構造の低分子電荷輸送物質 8重量部
Figure 2007248914
テトラヒドロフラン 100重量部
1%シリコーンオイル(KF50−100CS信越化学工業社製)テトラヒドロフラン溶液 1重量部
〔硬化型表面層塗工液〕
下記構造の硬化性電荷輸送物質 30重量部
Figure 2007248914
自己治癒性クリヤーNo.100(主剤)、ナトコ社 27.7重量部
熱硬化性疎水性樹脂、ZX−007C、富士化成工業社 5重量部(固形分重量)
HDI系ポリイソシアネート、コロネートHX、日本ポリウレタン社 37.3重量部
1−メトキシ−2プロパノール 900重量部
[実施例2]
実施例1における硬化性表面層用塗工液を以下のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔硬化型表面層塗工液〕
下記構造の硬化性電荷輸送物質 30重量部
Figure 2007248914
自己治癒性クリヤーNo.100(主剤)、ナトコ社 27.7重量部
熱硬化性フッ素系界面活性剤、モディパーF200、日本油脂社 2.5重量部(固形分重量)
熱硬化性シリコーン、サイマック US−380、東亜合成社 2.5重量部(固形分重量)
HDI系ポリイソシアネート、コロネートHX、日本ポリウレタン社 37.3重量部
1−メトキシ−2プロパノール 900重量部
[比較例1]
実施例1における硬化性表面層用塗工液を以下のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔硬化型表面層塗工液〕
下記構造の硬化性電荷輸送物質 30重量部
Figure 2007248914
自己治癒性クリヤーNo.100(主剤)、ナトコ社 27.7重量部
熱硬化性フッ素系界面活性剤、モディパーF200、日本油脂社 5重量部(固形分重量)
HDI系ポリイソシアネート、コロネートHX、日本ポリウレタン社 37.3重量部
1−メトキシ−2プロパノール 900重量部
[比較例2]
実施例1における硬化性表面層用塗工液を以下のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔硬化型表面層塗工液〕
下記構造の硬化性電荷輸送物質 30重量部
Figure 2007248914
自己治癒性クリヤーNo.100(主剤)、ナトコ社 27.7重量部
熱硬化性シリコーン、サイマック US−380、東亜合成社 2.5重量部(固形分重量)
HDI系ポリイソシアネート、コロネートHX、日本ポリウレタン社 37.3重量部
1−メトキシ−2プロパノール 900重量部
[比較例3]
実施例1における硬化性表面層用塗工液を以下のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔保護層用塗工液〕
フッ素樹脂粒子(MPE−056、三井デュポンフロロケミカル社製) 55重量部
フッ素系界面活性剤(モディパーF210、日本油脂社製) 10重量部(固形分:3重量部)
ポリカーボネート(Zポリカ、粘度平均分子量;5万、帝人化成社製) 42重量部
テトラヒドロフラン 2500重量部
シクロヘキサノン 700重量部
[比較例4]
実施例1における硬化性表面層用塗工液を以下のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
〔硬化型表面層塗工液〕
下記構造の硬化性電荷輸送物質 30重量部
Figure 2007248914
自己治癒性クリヤーNo.100(主剤)、ナトコ社 30重量部
HDI系ポリイソシアネート、コロネートHX、日本ポリウレタン社 40重量部
1−メトキシ−2プロパノール 900重量部
以上のように作製した実施例1〜実施例3と比較例1〜4の電子写真感光体を実装用にした後、電子写真装置(リコー社製:Imagio Neo C600)に搭載し、画素密度が600dpi×600dpiで画像濃度が5%となるテキストとグラフィック画像のパターンを連続5枚づつ印刷する条件で、通算4万枚、コピー用紙(リコー社製TYPE6000)にプリントアウトした。
トナーは前述のAトナーを用いた。また、現像剤キャリアは平均粒径が40μmのシリコーン被服されたフェライトキャリアを用いた。フェライトキャリアとトナー含有量が5wt%となるAトナーを混合したもの280gを現像剤キャリアとして、各色現像ステーションのユニットに入れて使用した。
電子写真装置の帯電手段は電子写真感光体に近接配置された帯電ローラーを用いた。また、定着温度は120℃に設定した。Aトナーの使用では問題なく定着できた。
帯電ローラーの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.5kV、周波数0.9kHzを選択した。また、DC成分は試験開始時の感光体の帯電電位が−700Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行った。また、現像バイアスは−500Vとした。尚、この装置において、除電手段は設けていない。また、クリーニング手段は純正のものをそのまま用いた。
試験環境は、24℃/54%RHであった。
試験終了時に、画素密度が1200dpi×1200dpiで画像濃度が5%のハーフトーン画像を連続10枚プリントアウトした。次ぎに、クリーニングブレードの通過部分の感光体表面を顕微鏡観察して、クリーニングの良否を5段階に分けて判定した。また、試験による感光体の摩耗量を測定した。試験結果を表2に記す。併せて、試験前後に測定したトナーー感光体表面層間接着仕事、感光体回転力(トルク)、テーバー摩耗量、弾性仕事率の測定値も記載する。
Figure 2007248914
試験前後の接着仕事が小さい実施例1と2および比較例3は低温定着用のトナーを使用しても トナーのフィルミングは見られなかった。但し、比較例3は激しい膜削れを来した。他方、実施例1と実施例2では膜削れが格段に小さい。また、比較例1、比較例2は感光体表面に潤滑剤が配合されているもののクリーニング性は十分とは言えない。これらはクリーニングブレードの欠けが見られこれがクリーニング性に影響したと考えられる。
[実施例3]
肉厚0.8mm、φ100mmアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、29μmの電荷輸送層を形成した。次に感光体最表面層用塗工液をリングコートで塗工し、 硬化型表面層を硬化させて、5μmの感光体最表面層を設け本発明の電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業製) 12重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製) 8重量部
CR−EL 石原産業社製) 40重量部
メチルエチルケトン 200重量部
〔電荷発生層用塗工液〕
チタニルフタロシアニン(リコー社製) 20重量部
ポリビニルアルコール(エスレックB BX−1、積水化学工業社製) 10重量部
メチルエチルケトン 100重量部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ポリカーボネート樹脂(パンライトTS−2050、帝人化成社製) 7重量部
下記構造の低分子電荷輸送物質 10重量部
Figure 2007248914
テトラヒドロフラン 79重量部
1%シリコーンオイル(KF50−100CS信越化学工業社製)テトラヒドロフラン溶液 1重量部
〔硬化型表面層用塗工液〕
下記構造の硬化性電荷輸送物質 42.5重量部
Figure 2007248914
ラジカル重合性疎水性樹脂(ZX−022−U、富士化成工業社) 5重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 21.25重量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARD DPCA−120、日本化薬社) 21.25重量部
開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャリティーケミカルズ社) 3重量部
テトラヒドロフラン 667重量部
[比較例5]
実施例3における硬化性表面層用塗工液を以下のものに変更した以外は実施例3と同様にして電子写真感光体を得た。
〔硬化型表面層用塗工液〕
下記構造の硬化性電荷輸送物質 45重量部
Figure 2007248914
トリメチロールプロパントリアクリレート 22.5重量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARD DPCA−120、日本化薬社) 22.5重量部
開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャリティーケミカルズ社) 3重量部
テトラヒドロフラン 667重量部
以上のように作製した実施例4と比較例5の電子写真感光体を実装用にした後、電子写真装置(リコー社製:Imagio Neo 1050Pro)に搭載し、画素密度が600dpi×600dpiで画像濃度が5%となるテキストとグラフィック画像のパターンを連続5枚づつ印刷する条件で、通算4万枚、コピー用紙(リコー社製TYPE6000)にプリントアウトした。
トナーは前述のAトナーを用いた。また、現像剤キャリアは平均粒径が40μmのシリコーン被服されたフェライトキャリアを用いた。フェライトキャリアとトナー含有量が5wt%となるAトナーを混合したもの280gを現像剤キャリアとして、各色現像ステーションのユニットに入れて使用した。
電子写真装置の帯電手段は電子写真感光体に近接配置された帯電ローラーを用いた。また、定着温度は120℃に設定した。Aトナーの使用では問題なく定着できた。
帯電ローラーの印加電圧は試験開始時の感光体の帯電電位が−800Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行った。また、現像バイアスは−550Vとした。クリーニング手段は純正のものをそのまま用いた。
試験環境は、24℃/54%RHであった。
試験終了時に、画素密度が1200dpi×1200dpiで画像濃度が5%のハーフトーン画像を連続10枚プリントアウトした。次ぎに、クリーニングブレードの通過部分の感光体表面を顕微鏡観察して、クリーニングの良否を5段階に分けて判定した。また、試験による感光体の摩耗量を測定した。試験結果を表2に記す。併せて、試験前後に測定したトナー感光体表面層間接着仕事、感光体回転力(トルク)、テーバー摩耗量、弾性仕事率の測定値も記載する。
Figure 2007248914
光硬化タイプの硬化型表面層に対しても実施例 1と同様にクリーニング性に優れる結果を得た。ラジカル重合性疎水性樹脂がクリーニング性向上に作用したと考えられる。
以上説明したように本発明の電子写真感光体は耐摩耗性に優れるのみならず低温定着用トナーの使用に対してフィルミングの伴わない性状を呈する。電子写真装置の低温定着化が具体化できる省エネ対応の貢献度の高い感光体である。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
本発明は、表面に硬化型保護層を積層する電子写真感光体とその製造方法、及び電子写真装置、または電子写真装置に着脱可能なプロセスカートリッジに適用することができる。特に、本発明は、電子写真装置の省資源と省エネの改良を可能とする電子写真感光体の提供、低温定着用トナーの汚染を予防できる耐摩耗性有機系電子写真感光体とその製造方法の提供、及び省エネ性能の高い電子写真装置の提供に好適に適用することができる。
本発明に係る電子写真装置の例を示す模式断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の層構成を示す断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の別の層構成を示す断面図である。
符号の説明
(図1について)
11・・・電子写真感光体
12・・・帯電手段
13・・・露光手段
14・・・現像手段
15・・・トナー
16・・・転写手段
17・・・クリーニング手段
18・・・受像媒体
19・・・定着手段
1A・・・除電手段
1B・・・クリーニング前露光手段
1C・・・駆動手段
1D・・・第1の転写手段
1E・・・第2の転写手段
1F・・・中間転写体
1G・・・受像媒体担持体
(図2及び図3について)
21・・・導電性支持体
22・・・下引き層
25・・・電荷発生層
26・・・電荷輸送層
28・・・体最表面層

Claims (14)

  1. 硬化型表面層を積層する有機系電子写真感光体において、
    この表面層に硬化性電荷輸送成分と硬化性バインダー成分、及び硬化性のフッ素樹脂成分とポリシロキサン成分を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記硬化性のフッ素樹脂成分と前記ポリシロキサン成分が硬化性フッ素樹脂/シロキサングラフトポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記硬化性フッ素樹脂/シロキサングラフトポリマーが少なくともウレタン結合を介してラジカル重合性不飽和結合部分を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂成分(A)と片末端ラジカル重合性ポリシロキサン成分(B)、および片末端ラジカル重合性アルコキシポリアルキレングリコール(C)のグラフト共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記硬化性フッ素樹脂/シロキサングラフトポリマーが少なくともウレタン結合を介してラジカル重合性不飽和結合部分を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂成分(A)と片末端ラジカル重合性ポリシロキサン成分(B)、およびラジカル重合反応条件下において、前記のウレタン結合を介してラジカル重合性不飽和結合部分を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂(A)と二重結合による重合反応以外には反応しないラジカル重合性単量体のグラフト共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  5. 前記片末端ラジカル重合性ポリシロキサンが下記一般式(1)
    Figure 2007248914
    (式中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R2、R3、R4、R5、及びR6は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、nは2以上の整数である)で示される片末端ラジカル重合性ポリシロキサン及び/又は下記一般式(2)
    Figure 2007248914
    (式中、R7は水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R8、R9、R10、R11、及びR12は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、pは0〜10の整数であり、qは2以上の整数である)で示される片末端ラジカル重合性ポリシロキサン4〜40重量%であることを特徴とする請求項3又は4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記片末端ラジカル重合性アルコキシポリアルキレングリコールが下記一般式(3)
    Figure 2007248914
    (式中、R13は水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R14は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、及びR15は炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐状のハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基であり、lは1以上の整数であり、mは任意の整数である)で示される片末端ラジカル重合性アルコキシポリアルキレングリコール1〜25重量%、及び(D)成分(A)、(B)、及び(C)以外のラジカル重合性単量体28〜92重量%をランダム共重合してなるグラフト共重合体であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
  7. 前記ウレタン結合を介してラジカル重合性不飽和結合部分を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂(A)が、水酸基を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂(A−1)とイソシアネート基を有するラジカル重合性単量体(A−2)との反応生成物である請求項3乃至6のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記イソシアネート基を有するラジカル重合性単量体(A−2)が、メタクリロイルイソシアネート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、又はm−若しくはp−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートから選ばれた単量体1種又は2種以上である請求項3乃至6のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記硬化性電荷輸送成分が下記一般式(4)
    Figure 2007248914
    Figure 2007248914
    を表わす。)のラジカル重合性単量体であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  10. 前記架橋型電荷輸送層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(4)
    Figure 2007248914
    Figure 2007248914
    を表わす。)のラジカル重合性単量体の一種以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  11. 前記硬化性バインダー成分がトリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  12. 前記硬化型表面層の弾性仕事率が50%以上でCS5摩耗量が1.5mg/1万回転以下で電子写真装置の使用前後について電子写真装置内での表面層温度における表面層とトナーとの接着仕事が20mN/m以上75mN/m以下で感光体駆動の回転力(トルク)が2.5kgfcm以下であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電子写真感光体を搭載することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電子写真感光体又は請求項13に記載のプロセスカートリッジを搭載し、且つドラムヒーターを設けず、且つトナーの定着温度が120℃未満であることを特徴とする電子写真装置。
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