JP2007245719A - 枚葉紙搬送装置 - Google Patents

Abstract

【課題】枚葉紙のための改良された支持特性を有する流体力学的な支持エアクッションが使用される枚葉紙搬送装置を提供する。
【解決手段】支持エアクッションを形成するための装置が、多数の流れ媒体流出部材（７）を有しており、各流れ媒体流出部材（７）にそれぞれ流れ通路（１０）が前置されており、流れ媒体（８）が搬送路（４，５）に向けられて流出するようになっているようにした。
【選択図】図１

Description

本発明は、枚葉紙搬送装置であって、搬送路に沿って搬送する間に枚葉紙縁部を保持するグリッパと、枚葉紙の下側に流体力学的な支持エアクッションを形成するための装置とを備えている形式のものに関する。

枚葉紙印刷機において、枚葉紙の前縁がグリッパに保持され且つ搬送路に沿って運動される間に枚葉紙に力作用を加える吸込み空気装置及び／又は吹付け空気装置を設けることは公知である。この場合、支持エアクッションが形成されるので、枚葉紙が搬送路に沿って配置された案内板と接触することはない。支持エアクッションは、案内板に形成されたノズルによって生ぜしめられる。１つの案内板に格子状に配置された複数のノズルを設けることが公知であり、これらのノズルから吹付け空気が有利な方向へ流出する。ノズルの数、配置形式及びジオメトリは、できるだけ静かな枚葉紙走行が得られるように選択されている。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第１０３２３４６８号明細書に記載の枚葉紙案内装置の場合、１つの案内板にスリット状の複数の吹付け空気ノズルが設けられており、この場合、スリット幅が所定の伝動装置によって調節可能である。ノズルには各１つの流れ通路が前置されており、この流れ通路には、流出する空気を均質にし且つ枚葉紙支持力を強めるために、空気透過性の材料が絞りとして配置されている。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第１００６４５８９号明細書に記載された、枚葉紙を浮動案内するための装置では、空気力学の逆説に従って働く１つのエアクッションが、複数のノズルから空気供給される。安定した振動のないガイドは、ディフューザの場合と同様にそれぞれ分散した案内面を有する複数のノズルによって達成される。有利には、各ノズルは吹付け空気開口で始まる、側方フランクを有する案内面のラッパ状の拡径部を備えて形成されている。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９７２１９０７号明細書に記載された無接触式の枚葉紙案内装置では、１つの枚葉紙案内板に、傾斜した空気案内面を備えた複数のノズルが設けられている。裏移りを回避するためには、吹付け空気ノズルから流出する空気の流れ方向が、枚葉紙案内面の平面に対して鋭角で形成されている。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第１０１４１４１５号明細書に記載の、枚葉紙印刷機に設けられた枚葉紙案内装置では、枚葉紙案内部材に自由噴流ノズルと絞られたノズルとが装備されている。これらのノズルは互いに無関係に、それぞれ異なる圧力レベルで負荷されている。空気流出部には、それぞれ穴あき板から形成された渦流室が前置されている。これにより絞り作用が発生し、この場合、垂直方向で枚葉紙に向かって流れる吹付け空気の速度は低下される。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９９０５０９５号明細書には、複数のスリット状の開口を備えた枚葉紙案内板が記載されている。各開口内には流れ案内体が配置されており、この流れ案内体の案内板表面に対する角度は調節可能である。これにより、前記開口から流出する吹付け空気の支持作用は、枚葉紙の単位面積当たり重量、題材及び速度に適合され得る。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第１０３０４６１８号明細書に記載の枚葉紙のための支持装置又は案内装置は、吹付け空気用の複数の流出開口を有しており、この場合、これらの流出開口は絞り区間を介して吹付け空気源と接続されている。吹付け空気の流出方向は、枚葉紙表面に対して垂直方向である。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９７２１３９０号明細書に記載の、印刷機における枚葉紙案内装置では、１つの案内面に多数のノズル対が設けられている。ノズル対の一方のノズルは、吹付け空気を枚葉紙に対して鋭角で案内する。ノズル対の第２のノズルは、吹付け空気を枚葉紙表面に対して垂直方向に向ける。第２のノズルによって、吹付け空気ノズルのディフューザ作用に基づき生じる負圧領域のすぐ近くで付加的に空気が枚葉紙の下側に吹き付けられるので、枚葉紙は衝撃力によって、さもなければ負圧領域に基づき惹起される裏移り箇所から押し離される。

枚葉紙を無接触式で案内するためには、ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９６２８６２０号明細書に基づき第１のノズル構造及び第２のノズル構造が規定されている。第１の構造のノズルは吹付け空気を枚葉紙の搬送方向に向け、第２の構造のノズルは、枚葉紙表面に対して垂直方向で支持作用を及ぼす旋回流を生ぜしめる。

前記従来技術に基づく構成の欠点は、枚葉紙表面に対して垂直方向の空気流が、枚葉紙の搬送方向の空気流に対して極端に大なので、不安定性が生じるという点にある。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第１０３２３４６８号明細書 ドイツ連邦共和国特許出願公開第１００６４５８９号明細書 ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９７２１９０７号明細書 ドイツ連邦共和国特許出願公開第１０１４１４１５号明細書 ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９９０５０９５号明細書 ドイツ連邦共和国特許出願公開第１０３０４６１８号明細書 ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９７２１３９０号明細書 ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９６２８６２０号明細書

本発明の課題は、枚葉紙のための改良された支持特性を有する流体力学的な支持エアクッションが使用される枚葉紙搬送装置を提供することである。

この課題を解決するために本発明では、支持エアクッションを形成するための装置が、多数の流れ媒体流出部材を有しており、各流れ媒体流出部材にそれぞれ流れ通路が前置されており、流れ媒体が搬送路に向けられて流出するようになっているようにした。

有利な構成は従属請求項に記載されている。

本発明に基づき、枚葉紙搬送装置は多数の流れ媒体流出部材を有しており、これらの流れ媒体流出部材にはそれぞれ流れ通路が前置されており、しかも、流れ媒体は、有利には枚葉紙の搬送路に対してほぼ平行に向けられて流出する。流れ媒体は、それぞれ流れ通路内で加速される。流れ媒体流出部材は、通路内で形成された流れ媒体噴流のための案内装置を形成している。搬送路に対して垂直方向で存在する流れ媒体成分は、事実上最小限に減少されている。

前記流出部材が案内板に配置されており、しかも、流れ媒体として空気が使用されると有利である。流出部材は、案内板において切り欠かれた舌片を曲げ加工することにより形成されていてよく、この場合、曲げラインは有利には搬送方向に対して垂直方向で位置している。流れ通路は、流出する空気を搬送方向で案内するか、又は搬送方向に対して斜めに案内する。１構成において、流れ通路は１つ又は複数の舌片若しくは流出部材を流体技術的に包囲する構成部材によって形成されている。流れ通路は、制御可能な吹付け空気装置と接続されている。流れ通路の横断面積は、それぞれ流出部材の横断面積よりも小であるか、又は流出部材の横断面積と等しい。流れ通路が方形の横断面を有しており、しかも、通路長さが横断面高さと横断面幅からの最大値の２／３よりも大であると、製作技術的に有利である。

本発明は、枚葉紙印刷機において、特に枚葉紙を印刷機構間で搬送する場合、並びに枚葉紙を最後の印刷機構から排紙スタックへ搬送する場合に適用可能である。

以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。

図１に示した枚葉紙１は、前縁２をグリッパシステム３に保持されており且つ枚葉紙印刷機の２つの印刷機構の間を、湾曲された経路４に沿って搬送方向５で運動される。グリッパシステム３に対して間隔をあけて、経路４に沿って案内板６が配置されており、この案内板６は多数の吹付け空気ノズル７を有している。これらのノズル７からは吹付け空気８が流出するので、案内板６と枚葉紙１との間にはエアクッションが生ぜしめられる。このエアクッションは、枚葉紙１の自由端部の案内板６との不都合な接触を防止する。

吹付け空気ノズル７は、三方を切り落とされた舌片９を曲げ加工することによって形成されている。曲げラインは、搬送方向５に対して垂直方向に延びている。舌片９は鋭角αだけ曲げられているので、吹付け空気８が通流するための所望の横断面が存在している。吹き付け空気ノズル７には流れ通路１０が前置されている。この流れ通路１０は、ノズル７を取り囲む構成部材１１によって形成されている。この構成部材１１は案内板６の下面と気密に接触している。流れ通路１０の上面は、案内板６の下面によって閉鎖されている。流れ通路１０は方形の横断面を有している。流れ通路１０の横断面積の大きさは、ノズル７の流出開口の横断面積ととほぼ同じである。流れ通路１０の長さｌは、この流れ通路１０の高さｈよりも大である。流れ通路１０は搬送方向５に対して平行に位置している。構成部材１１は、曲げられた舌片９を収容するための切欠き１２を有している。この切欠き１２の深さは案内板６の厚さｄと通路高さｈとに合わせられているので、舌片９の前縁１３が流れ抵抗を形成することはない。構成部材１１は、有利にはプラスチック製であり且つ列状に配置された複数のノズル７に対応配置されていてよい。通路１０は、それぞれ導管を介して制御弁１４及び吹付け空気源１５に接続されている。

図２に示した案内板６の平面図では、複数のノズル７．１−７．３が１列に搬送方向５に対して横方向で配置されている。ノズル７．１−７．３は、それぞれ間隔をあけて配置されているので、案内板６に設けられたノズル７．１−７．３の間にはウェブ１６．１，１６．２が生ぜしめられる。舌片９．１−９．３は、案内板６からレーザビーム切断によって製作されている。通路１０．１−１０．３は、舌片９の側縁及び搬送方向５に対して平行に位置している。ノズル７．１−７．３から流出する吹付け空気噴流８．１−８．３は、ノズル開口から流出した後は搬送方向５に対してほぼ平行に位置する。

図３に示した変化態様では、交互に吹き付ける個別ノズル７．１，７．２が設けられている。吹付け空気噴流８．１，８．２はそれぞれ反対方向を向いており且つ搬送方向５に対してほぼ平行に位置する。ノズル７．１，７．２間にはウェブ１６．１が生ぜしめられる。舌片９．１，９．２と同様に、通路１０．１，１０．２も交互に配置されている。

図４には、１列で相接して密に配置されたノズル７．１−７．３を備えた１群の変化態様が案内板６の平面図で示されており、通路１０．１−１０．３及び吹付け空気噴流８．１−８．３は搬送方向で位置する。搬送方向５に対して横方向でノズル７．１−７．３間にウェブは生じない。

図５に案内板６の平面図で示した変化態様は、搬送方向５に対して斜めに配置された通路１０．１−１０．３を有している。舌片９．１−９．３を斜めに通流することにより、吹付け空気噴流８．１−８．３も搬送方向５に対して角度βで位置する。
通路１０の斜めの配置形式は、図２及び図３に示した変化態様においても可能である。

案内板の空気流出部の横断面図である。 個別ノズルの列状配置を示した図である。 交互に吹き出す個別ノズルの列状配置を示した図である。 搬送方向の通路を備えたノズル群を示した図である。 搬送方向に対して斜めの通路を備えたノズル群を示した図である。

符号の説明

１ 枚葉紙、 ２ 前縁、 ３ グリッパシステム、 ４ 経路、 ５ 搬送方向、 ６ 案内板、 ７ 吹付け空気ノズル、 ８ 吹付け空気、 ９ 舌片、 １０ 流れ通路、 １１ 構成部材、 １２ 切欠き、 １３ 前縁、 １４ 制御弁、 １５ 吹付け空気源、 １６ ウェブ

Claims (9)

1. 枚葉紙搬送装置であって、搬送路に沿って搬送する間に枚葉紙縁部を保持するグリッパと、枚葉紙の下側に流体力学的な支持エアクッションを形成するための装置とを備えている形式のものにおいて、
   支持エアクッションを形成するための装置が、多数の流れ媒体流出部材（７）を有しており、各流れ媒体流出部材（７）にそれぞれ流れ通路（１０）が前置されており、流れ媒体（８）が搬送路（４，５）に向けられて流出するようになっていることを特徴とする、枚葉紙搬送装置。
2. 流れ媒体流出部材（７）が案内板（６）に配置されている、請求項１記載の装置。
3. 流れ媒体流出部材（７）が、案内板（６）に形成された舌片（９）を変形加工することにより形成されており、流れ通路（１０）が、それぞれ各舌片（９）を流体技術的に包囲する構成部材（１１）に形成されている、請求項２記載の装置。
4. 舌片（９）が、それぞれ案内板平面から鋭角（α）で曲げられており、構成部材（１１）の流れ通路（１０）が、それぞれ曲げラインに対して垂直方向に位置している、請求項３記載の装置。
5. 舌片（９）が、それぞれ案内板平面から鋭角（α）で曲げられており、構成部材（１１）の流れ通路（１０）が、それぞれ曲げラインに対して斜めに位置している、請求項３記載の装置。
6. 構成部材（１１）が案内板（６）と固着結合されている、請求項２記載の装置。
7. 流れ通路（１０）が吹付け空気装置（１４，１５）と接続されている、請求項１記載の装置。
8. 流れ通路（１０）の横断面積が、それぞれ流れ媒体流出部材（７）の横断面積よりも小であるか、又は流れ媒体流出部材（７）の横断面積に等しい、請求項１記載の装置。
9. 流れ通路（１０）が方形の横断面を有しており、通路長さ（ｌ）が、横断面高さと横断面幅からの最大値よりも大である、請求項１記載の装置。

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