JP2007241026A - 簡約楽譜作成装置および簡約楽譜作成プログラム - Google Patents

簡約楽譜作成装置および簡約楽譜作成プログラム Download PDF

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Abstract

【構成】簡約楽譜作成装置10は、楽曲のオリジナル楽譜情報を抽象化楽譜情報に変換し、演奏困難度知識ベース18に基づいて個々の抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価する。また、オリジナル楽譜の各音符の音楽的重要度を楽理知識ベース20に基づいて評価する。そして、各抽象化楽譜要素の演奏困難度、各音符の音楽的重要度、および音符選択知識ベース22に基づいて、簡約レベルに応じて個々の音符の取捨を判定し、採用と判定した音符によって簡約楽譜情報を生成する。演奏データに基づいて演奏者に固有の演奏困難度知識ベースを作成する場合、当該固有の演奏困難度に基づく簡約を行ってよい。演奏データに基づいて演奏者の演奏レベルを判定する場合、当該演奏レベルと楽曲難易度に対応する簡約レベルに基づく簡約を行ってよい。
【効果】音符通りに演奏する負担を低減し音楽的な演奏表現に取り組み易くする簡約楽譜を作成できる。
【選択図】図1

Description

この発明は簡約楽譜作成装置および簡約楽譜作成プログラムに関し、特にたとえば、楽曲のオリジナル楽譜を音符通りに演奏する負担を低減した簡約楽譜を作成する、簡約楽譜作成装置および簡約楽譜作成プログラムに関する。
音楽認知の分野において、コンピュータを用いて音楽の構造解析を試みる技術が存在している。たとえば、非特許文献1には、音楽理論Generative Theory of Tonal Music(GTTM)に基づくグルーピング構造解析と拍節構造解析のコンピュータ上への実装が開示されている。なお、GTTMは、LerdahlとJackendoffによって提唱され、或る音楽語法(調性音楽)の経験を持つ聴衆に共通した音楽的直感によって得られる内容を形式的に記述することを目的としている。グルーピング構造解析は楽曲を音楽的にまとまり感のあるグループに階層的に分割するものであり、拍節構造解析は各拍節レベルにおける強拍と弱拍を同定するものである。
浜中雅俊(他2名)、GTTMに基づく楽曲構造分析の実装:グルーピング構造と拍節構造の獲得、情報処理学会研究報告、2004−MUS−56(1)、pp.1−8、2004
一方、近年、子どもの頃に楽器演奏の経験が多少なりともある中高年の人々が増えたことで、再び楽器を手にエンタテインメントとして演奏を楽しむことが多くなった。しかし、音符通りに楽曲を弾き通すことが大きな目標とされ、このため、少しでも自分のレベルより高い楽曲に挑戦しようとすると困難が生じ、練習を中断してしまうばかりか、挑戦することすら断念してしまう例も少なくない。このように、演奏の技術的な敷居が高いために、芸術本来の自分なりの音楽的な演奏表現を行う醍醐味を味わうことが困難であった。楽曲を演奏したい人が技術的に多少困難な楽曲であっても演奏の練習を開始し易いようにすることが望まれる。
また、上述の関連技術は、楽曲の階層的な構造を取得しようとするものであり、当該楽曲の演奏の技能的なレベルや困難さが考慮されることがない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、技術的な敷居を低くして音楽的な演奏表現に取り組み易くする簡約楽譜を作成することができる、簡約楽譜作成装置および簡約楽譜作成プログラムを提供することである。
第1の発明(請求項1の発明)は、楽曲のオリジナル楽譜から簡約楽譜を作成する装置であって、楽曲のオリジナル楽譜に記載されている楽譜情報を記憶するオリジナル楽譜記憶手段、抽象化楽譜要素と演奏困難度とを対応付けて記憶する演奏困難度知識ベース、楽譜上の個々の音符の音楽的な重要度を判定するルール群を記憶する楽理知識ベース、音符の取捨選択を判定するルール群を記憶する音符選択知識ベース、オリジナル楽譜記憶手段に記憶された楽曲の楽譜情報を解析して当該楽曲の抽象化楽譜情報を生成する楽譜抽象化手段、楽譜抽象化手段によって生成された楽曲の抽象化楽譜情報を演奏困難度知識ベースと照合することによって、当該抽象化楽譜情報に含まれる個々の抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価する演奏困難度判定手段、オリジナル楽譜記憶手段に記憶された楽曲の楽譜情報を楽理知識ベースに記載されたルール群と照合することによって、当該楽譜情報に含まれる各音符の音楽的重要度を評価する音楽的重要度判定手段、演奏困難度判定手段によって得られた各抽象化楽譜要素の演奏困難度および音楽的重要度判定手段によって得られた各音符の音楽的重要度を、音符選択知識ベースに記載されたルール群と照合することによって、各音符の取捨選択を判定する音符選択手段、および音符選択手段によって採用と判定された音符によって簡約楽譜情報を生成する簡約楽譜生成手段を備える、簡約楽譜作成装置である。
請求項1の発明では、簡約楽譜作成装置(10:後述する実施例において相当する部分の参照符号。以下同じ。)は、オリジナル楽譜記憶手段(14)に記憶された楽曲のオリジナル楽譜から簡約楽譜を作成するためのものである。演奏困難度知識ベース(18)には、抽象化楽譜要素と演奏困難度とが対応付けて記憶されている。ここで、抽象化楽譜要素は、抽象化楽譜情報から抽出される或る音列または1つの音である。また、抽象化楽譜情報は、通常の楽譜における個々の音符の音高、音価などの属性情報、複数の音符の連鎖の時系列的配列情報、および複数の音符の同時発音情報などを、特定の楽曲に依存しないように抽象化することによって得られる楽譜データである。つまり、演奏困難度知識ベースには、抽象化された音高情報、抽象化された音価情報などのような抽象化楽譜要素のそれぞれに対応付けて、当該抽象化楽譜要素を演奏する際の技術的な困難さを示す評価点が記憶されている。楽理知識ベース(20)には、楽譜上の個々の音符の音楽的な重要度を判定するための複数のルールを含むルール群が記憶されている。各音の音楽的重要度はたとえば何らかの音楽理論に基づいて設定される。この音楽的重要度のためのルールは、音楽的な流れに配慮されるように規定される。音符選択知識ベース(22)には、音符の取捨選択を判定するための複数のルールを含むルール群が記憶されている。この取捨選択のためのルールは、たとえば、抽象化楽譜要素の演奏困難度および音符の音楽的重要度に基づいて規定される。簡約レベルの低いルールでは、演奏困難度が低く、音楽的重要度が高いような音符が主として採用され、簡約レベルの高いルールでは、上記に加えて、演奏困難度が高く、音楽的重要度が低いような音符も採用される。楽譜抽象化手段(12、S11)は、楽曲のオリジナル楽譜情報を解析し、抽象化変換によって当該楽曲の抽象化楽譜情報を生成する。演奏困難度判定手段(12、S13)は、演奏困難度知識ベースを参照して、当該楽曲の抽象化楽譜情報に含まれる個々の抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価する。音楽的重要度判定手段(12、S15)は、楽理知識ベースを参照して、当該楽曲の楽譜情報に含まれる各音符の音楽的重要度を評価する。音符選択手段(12、S17)は、各抽象化楽譜要素の演奏困難度および各音符の音楽的重要度を音符選択知識ベースと照合することによって、楽曲の各音符の取捨選択を判定する。簡約楽譜生成手段(12、S19)は、採用と判定された音符によって楽曲の簡約楽譜情報を生成する。音符選択知識ベースに簡約レベルごとのルールが記憶されている場合には、音符選択手段によって各簡約レベルに対応するルールに基づく音符選択を行って、簡約楽譜生成手段によって複数種類(簡約レベル)の簡約楽譜を作成してよい。
請求項1の発明によれば、抽象化楽譜要素の演奏困難度および各音符の音楽的重要度に基づいて楽曲の各音符の採用の可否を判定するようにしたので、演奏の技術的な敷居を低くするとともに楽曲の雰囲気を保った簡約楽譜を作成することができる。したがって、演奏者にとって負担が小さくなり、音楽的な演奏表現の表出にも取り組み易くさせることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明に従属し、オリジナル楽譜記憶手段は、複数の楽曲のオリジナル楽譜を記憶しており、オリジナル楽譜記憶手段に記憶された複数の楽曲から利用者が簡約のための楽曲を指定する楽曲指定手段をさらに備える。
請求項2の発明では、楽曲指定手段(12、S5、S7)によって、利用者は、オリジナル楽譜記憶手段に記憶された複数の楽曲のオリジナル楽譜情報から簡約のための楽曲を指定する。したがって、簡約楽譜の作成者や演奏者など利用者は所望の楽曲の簡約楽譜を作成することができる。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明に従属し、利用者が簡約の度合いを指定する簡約レベル指定手段をさらに備え、音符選択手段は、簡約レベル指定手段によって指定された簡約の度合いに応じて各音符の取捨選択を判定する。
請求項3の発明では、簡約レベル指定手段(12、S1、S3)によって、利用者は簡約の度合い(簡約レベル)を指定する。音符選択手段は、指定された簡約の度合いに応じて、たとえば簡約レベルに対応付けられた取捨選択のためのルールに従って、各音符の取捨選択を判定する。したがって、簡約楽譜の作成者や演奏者など利用者は所望の簡約レベルの簡約楽譜を作成することができる。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に従属し、演奏者による楽曲の演奏データを取得する演奏データ取得手段、演奏データ取得手段によって取得した演奏データから演奏の誤り位置を検出する演奏誤り位置検出手段、演奏誤り位置検出手段によって検出された演奏誤り位置を、オリジナル楽譜記憶手段に記憶された楽曲のオリジナル楽譜情報および楽譜抽象化手段によって生成された抽象化楽譜情報と照合することによって、演奏者に固有の演奏誤りパターンを判定する演奏誤りパターン判定手段、および演奏誤りパターン判定手段によって判定された演奏者に固有の演奏誤りパターンに関連する抽象化楽譜情報に基づいて、演奏者に固有の演奏困難度知識ベースを構築する固有知識ベース生成手段をさらに備え、演奏困難度判定手段は、固有知識ベース生成手段によって生成された演奏者に固有の演奏困難度知識ベースも併せて参照して、各抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価する。
請求項4の発明では、演奏データ取得手段(12、S31、S33)は演奏者による楽曲の演奏データを取得し、演奏誤り位置検出手段(12、S35)は演奏データから演奏誤り位置を検出する。弾き直し、挿入、音高誤りおよび脱落などの演奏誤り位置が、たとえば楽譜上の音高と演奏データの音高とを比較して各音の重みを評価することによって検出される。演奏誤りパターン判定手段(12、S37)は、検出された演奏誤り位置を楽曲のオリジナル楽譜情報および抽象化楽譜情報と照合して、演奏者に固有の演奏誤りパターンを判定する。固有知識ベース生成手段(12、S39)は、演奏者に固有の演奏誤りパターンに関連する抽象化楽譜情報に基づいて、演奏者に固有の演奏困難度知識ベース(24)を構築する。演奏誤りパターンに関連する抽象化楽譜情報(すなわち抽象化楽譜要素)の演奏困難度はたとえば演奏誤りとしての検出頻度に応じて評価される。演奏困難度判定手段は、演奏者に固有の演奏困難度知識ベースも演奏困難度知識ベースに併せて参照して、簡約対象の楽曲における各抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価する。したがって、各抽象化楽譜要素の演奏困難度の評価が演奏者の技術的な特徴に基づいて行われるので、演奏者の技術的な特徴に合わせた簡約を行うことができ、楽譜通りに演奏する負担を演奏者に合わせて低減した簡約楽譜を作成できる。
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に従属し、演奏者による楽曲の演奏データを取得する演奏データ取得手段、演奏データ取得手段によって取得した演奏データから演奏の誤り位置を検出する演奏誤り位置検出手段、演奏誤り位置検出手段によって検出された演奏誤り位置を、オリジナル楽譜記憶手段に記憶された楽曲のオリジナル楽譜情報および楽譜抽象化手段によって生成された抽象化楽譜情報と照合することによって、演奏者に固有の演奏誤りパターンを判定する演奏誤りパターン判定手段、および演奏誤りパターン判定手段によって判定された演奏者に固有の演奏誤りパターンに関連する抽象化楽譜情報に基づいて、演奏困難度知識ベースの演奏困難度を演奏者の情報に更新する更新手段をさらに備える。
請求項5の発明では、演奏データ取得手段(12、S51、S53)は演奏者による楽曲の演奏データを取得し、演奏誤り位置検出手段(12、S55)は演奏データから演奏誤り位置を検出する。弾き直し、挿入、音高誤りおよび脱落などの演奏誤り位置が、たとえば楽譜上の音高と演奏データの音高とを比較して各音の重みを評価することによって検出される。演奏誤りパターン判定手段(12、S57)は、検出された演奏誤り位置を楽曲のオリジナル楽譜情報および抽象化楽譜情報と照合して、演奏者に固有の演奏誤りパターンを判定する。更新手段(12、S59)は、演奏者に固有の演奏誤りパターンに関連する抽象化楽譜情報に基づいて、演奏困難度知識ベースの演奏困難度を演奏者の情報に更新する。演奏誤りパターンに関連する抽象化楽譜情報(すなわち抽象化楽譜要素)の演奏困難度はたとえば演奏誤りとしての検出頻度に応じて評価される。これによって、演奏困難度知識ベースを演奏者の特徴を反映した知識ベースに修正ないし調整することができる。したがって、楽曲における各抽象化楽譜要素の演奏困難度の評価が演奏者の技術的な特徴に基づいて行われるので、演奏者の技術的な特徴に合わせた簡約を行うことができ、楽譜通りに演奏する負担を演奏者に合わせて低減した簡約楽譜を作成できる。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明に従属し、演奏者による楽曲の演奏データを取得する演奏データ取得手段、演奏データ取得手段によって取得した演奏データから演奏の誤り位置を検出する演奏誤り位置検出手段、および演奏誤り位置検出手段によって検出された演奏誤り位置を、オリジナル楽譜記憶手段に記憶された楽曲のオリジナル楽譜情報および楽譜抽象化手段によって生成された抽象化楽譜情報と照合することによって、演奏者に固有の演奏誤りパターンを判定する演奏誤りパターン判定手段を備えていて、オリジナル楽譜記憶手段は、楽譜情報に加えて各楽曲の難易度を記憶しており、演奏誤りパターン判定手段によって判定された演奏誤りパターンを演奏困難度知識ベースと照合することによって、演奏者の演奏レベルを判定する演奏レベル判定手段、および演奏レベル判定手段によって判定された演奏者の演奏レベルと、オリジナル楽譜記憶手段に記憶されている楽曲の難易度とに基づいて、楽曲の簡約の度合いを判定する簡約レベル判定手段をさらに備え、音符選択手段は、簡約レベル判定手段によって判定された簡約の度合いに応じて各音符の取捨選択を判定する。
請求項6の発明では、演奏データ取得手段(12、S71、S73)は演奏者による楽曲の演奏データを取得し、演奏誤り位置検出手段(12、S75)は演奏データから演奏誤り位置を検出する。弾き直し、挿入、音高誤りおよび脱落などの演奏誤り位置が、たとえば楽譜上の音高と演奏データの音高とを比較して各音の重みを評価することによって検出される。演奏誤りパターン判定手段(12、S77)は、検出された演奏誤り位置を楽曲のオリジナル楽譜情報および抽象化楽譜情報と照合して、演奏者に固有の演奏誤りパターンを判定する。また、オリジナル楽譜記憶手段には、楽譜情報に加えて各楽曲の難易度が記憶されている。演奏レベル判定手段(12、S79)は、演奏誤りパターンを演奏困難度知識ベースと照合することによって、たとえば演奏者の平均困難度を算出し、演奏者の演奏レベルを判定する。簡約レベル判定手段(12、S81)は、演奏者の演奏レベルと楽曲の難易度とに基づいて、楽曲の簡約の度合い(簡約レベル)を判定する。音符選択手段は、判定された簡約の度合いに応じて各音符の取捨選択を判定する。したがって、演奏者の演奏技能と楽曲の難易度に基づく簡約レベルに対応する簡約楽譜、つまり、演奏者の演奏の技能的レベルに適合する簡約楽譜を作成することができる。よって、演奏者の演奏技能が上達してくれば間違いが減り、演奏レベルおよび簡約レベルが高く評価されることとなるので、簡約される音符が少ないレベルの高い簡約楽譜が作成される。
第2の発明(請求項7の発明)は、楽曲のオリジナル楽譜から簡約楽譜を作成するためのプログラムであって、楽曲のオリジナル楽譜に記載されている楽譜情報を記憶するオリジナル楽譜記憶手段、抽象化楽譜要素と演奏困難度とを対応付けて記憶する演奏困難度知識ベース、楽譜上の個々の音符の音楽的な重要度を判定するルール群を記憶する楽理知識ベース、および音符の取捨選択を判定するルール群を記憶する音符選択知識ベースを備えるコンピュータを、オリジナル楽譜記憶手段に記憶された楽曲の楽譜情報を解析して当該楽曲の抽象化楽譜情報を生成する楽譜抽象化手段、楽譜抽象化手段によって生成された楽曲の抽象化楽譜情報を演奏困難度知識ベースと照合することによって、当該抽象化楽譜情報に含まれる個々の抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価する演奏困難度判定手段、オリジナル楽譜記憶手段に記憶された楽曲の楽譜情報を楽理知識ベースに記載されたルール群と照合することによって、当該楽譜情報に含まれる各音符の音楽的重要度を評価する音楽的重要度判定手段、演奏困難度判定手段によって得られた各抽象化楽譜要素の演奏困難度および音楽的重要度判定手段によって得られた各音符の音楽的重要度を、音符選択知識ベースに記載されたルール群と照合することによって、各音符の取捨選択を判定する音符選択手段、および音符選択手段によって採用と判定された音符によって簡約楽譜情報を生成する簡約楽譜生成手段として機能させる、簡約楽譜作成プログラムである。
請求項7の発明は、上述の第1の発明の簡約楽譜作成装置に対応する簡約楽譜作成プログラムであり、第1の発明と同様な効果を奏する。
この発明によれば、楽曲の抽象化楽譜情報を生成して個々の抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価するとともに楽譜上の各音符の音楽的重要度を評価し、各抽象化楽譜情報の演奏困難度および各音符の音楽的重要度に基づいて採用と判定された音符によって簡約楽譜を生成するようにした。したがって、音符通りに演奏する負担を低減することができ、楽曲の技術的な敷居を低くして演奏者を音楽的な演奏表現の表出に取り組み易くすることの可能な簡約楽譜を作成することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1を参照して、この実施例の簡約楽譜作成装置10は、楽曲のオリジナル楽譜から演奏の技能的レベルに応じた簡約楽譜を作成するコンピュータ12を含む。コンピュータ12は、たとえば、図示しないCPU、メモリ、入力装置、表示装置および通信装置等を備えるPCである。コンピュータ12のメモリはHDDやROMおよびRAMを含み、HDDやROMには簡約楽譜を作成するためのプログラムおよびデータが予め記憶されている。
コンピュータ12は、1または複数の楽曲のオリジナル楽譜データが予め記憶されたオリジナル楽譜データベース(DB)14、および作成された簡約楽譜データが記憶される簡約楽譜DB16に接続される。なお、これらオリジナル楽譜DB14および簡約楽譜DB16は、図示するようにコンピュータ12の外部に設けられてもよいしコンピュータ12内のHDD等に設けられてもよい。また、これらDB14およびDB16は、コンピュータ12と通信可能なネットワーク上の他のコンピュータに設けられてもよい。
なお、ここでいう「オリジナル楽譜」は、オリジナルの楽曲そのままの楽譜だけでなく、有名であったり定型化していたりする場合等にはオリジナルの抜粋の楽譜も含むものとする。たとえば、一般的に「弾けるようになりたい」という希望が多い「別れの曲」のオリジナルは、ショパンの「エチュード第3番」の抜粋であり、この種の楽曲の楽譜もオリジナル楽譜として扱われる。
作成される簡約楽譜データは、インターネット等のネットワーク上の流通、つまり、ネットワーク配信を考慮して、この実施例では、PDF等の形式ではなくMusicXML形式のテキストデータである。これによって、楽譜のデータ量を少なくすることができる。また、MusicXML形式の簡約楽譜データを困難なく作成できるように、オリジナル楽譜データもまたMusicXML形式で準備される。
なお、MusicXMLは、楽譜上の情報を記述するXML(拡張可能マーク付け言語)である。MusicXMLでは、まず、調記号(ハ長調等)、拍子記号、音部記号(ト音記号等)が記述できる。そして、各音の音高、音価、およびタイ、アーティキュレーション記号(スラー、スタッカート等)、強弱記号、装飾音などが記述できる。なお、SMF(Standard MIDI File)では、演奏データの音高、音長、音量を記述することが可能であるが、MusicXMLのような楽譜上の記号まで記述することは困難であった。また、MusicXMLとしては、日本のミュージカルプラン社(http://www.musicalplan.com/home.html)と米国のRecordare社(http://www.recordare.com/xml.html)から別々の規格が提唱されている。
MusicXML形式のオリジナル楽譜データは、たとえば河合楽器製作所の製品「スコアメーカー」(http://www.kawai.co.jp/cmusic/products/scomwin/index.htm)のような楽譜認識ソフトや楽譜入力ソフトを用いて、イメージスキャナ認識や入力等によって生成され得る。あるいは、コンピュータ12は、ネットワーク配信されるまたは記憶媒体に記憶されているオリジナル楽譜データをオリジナル楽譜DB14に取得するようにしてもよい。
コンピュータ12のHDD等には、さらに演奏困難度知識ベース18、楽理知識ベース20および音符選択知識ベース22が設けられる。
演奏困難度知識ベース18は、抽象化楽譜要素と演奏困難度とを対応付けて記憶している。抽象化楽譜要素は、抽象化された楽譜情報から抽出される或る音列または1つの音であり、演奏困難度は、その抽象化楽譜要素の演奏の技術的な困難さの度合いである。
具体的には、まず、抽象化されていない楽譜情報とは、通常の楽譜を指す。たとえば、童謡の「たき火」のメロディの楽譜であれば、最初の1小節は、音価が四分音符である4つの音符を含み、音高は順に「G5、A5、G5、E5」である。抽象化においては、たとえば音高については、すべて隣接音間の音程で示すことによって音高情報を抽象化する。上記楽曲「たき火」の第1小節の例では、「0、+2、−2、−3」のように表現される。ここで、「+2」とは、1つ前の音よりも半音2つ高い音であることを意味し、「−3」とは1つ前の音よりも半音3つ低い音であることを意味する。また、音価情報を抽象化する場合には、1小節において各音符の占める長さで音価情報を示す。上記楽曲「たき火」の第1小節の例では、1小節の長さを1.0とすると、4つの四分音符であるので「0.25、0.25、0.25、0.25」となる。なお、たとえば、八分音符は0.125、二分音符は0.5、付点四分音符は0.375となる。
抽象化された楽譜情報とは、通常の楽譜における個々の音符の音高、音価などの属性情報、複数の音符の連鎖の時系列的配列情報、および複数の音符の同時発音情報などを、上述のように、特定の楽曲に依存しないように変換(抽象化)した楽譜データ全体を指す。また、抽象化された楽譜要素は、抽象化された音高の情報や抽象化された音価の情報などの全体あるいは部分を指す。個々の抽象化楽譜要素の単位は、1つの音、連続する2音、連続する3音など、さまざまに選ばれる。演奏困難度知識ベース18では、各抽象化楽譜要素に対して、その演奏の技術的な困難さの評価点が付されている。
たとえば、ある楽譜で「ドレラ」という3音の連なりが存在し、比較的演奏困難と判断されたために困難度「4(最大5)」が与えられたとする。この場合、「ソラミ」という3音の連なりもおそらく同じ程度に困難なはずである。ところが、「ドレラ」という元の抽象化されていない楽譜情報に対して演奏困難度を与えていた場合、他の楽譜で「ソラミ」が現れたときには、全く未知の3音の連なりと判断されるため、困難度を評価できない。そこで、抽象化することによって「ドレラ」も「ソラミ」もいずれも「*、+2、+7」となるため、「ドレラ」という楽譜に与えられた困難度4を、「ソラミ」に対しても適用可能となる。このように、元の楽譜の音列または音に対して直接困難度を割り振るのではなく、一旦抽象化した音列または音に対して困難度を割り振るようにすることによって、1つの知識を複数の事例に適用可能としている。演奏困難度知識ベース18は、このような抽象化された楽譜情報と困難度の対応関係を蓄えた知識ベースである。
たとえば、次に挙げるような抽象化楽譜情報には比較的高い困難度が設定される。音高の幅が直前の音符より4−7度または9度以上離れているような抽象化楽譜要素、音価が直前の音符より1/2、1/3または2倍になっているような抽象化楽譜要素、調号によりシャープまたはフラットをつけるべき音符でありかつその調号が特に3番目以降の調号であるような抽象化楽譜要素、または、同時に演奏すべき音符がその音符以外に3つ以上あるような抽象化楽譜要素など。
このような演奏困難度知識ベース18は、被験者実験によってその知識が取得されてコンピュータ12に実装される。実験によって、音符通りに演奏する困難さの要因になっている音符または音列の特性を抽出する。具体的には、実験では、市販の複数の練習曲(課題曲)を被験者に初見で演奏してもらう。楽器はこの実施例ではピアノとする。被験者は、たとえばピアノ学習者の初級者と中級者の合計100名程度とする。課題曲は被験者のレベルよりも少し高いレベルの曲とし、1回目の演奏(両手)を記録する。MIDIとビデオ収録(手元と全体像)によって、失敗した箇所と演奏が停止した箇所を記録する。演奏終了後にビデオを見ながら被験者に失敗・停止した要因となった箇所と、その理由を述べてもらう(レトロスペクティブプロトコル分析)。
一方、全ての課題曲のすべての音符の特性を取り出しておく。たとえば、音高(ドレミ等のピッチ)、音価(四分音符等)、調号、臨時記号、前音との音高幅、直下(上)の音との音高幅、前音との音価比率、同時に発音する音の数などの特性を取り出す。ここでは、演奏における困難をヒューマンインターフェースの観点からも抽出している。つまり、鍵盤の「横並び」というインターフェースの特長をもとに、「前の音符」および現音符の音高幅と、鍵盤の幅との関係に注目している。たとえば、奏者が音符列「ド、レ」をピアノで演奏する場合、次の2通りの流れを想定できる。(1)音符を「ド」と判定し、ドに対応する鍵盤を探して打つ。次の音符を「レ」と判定し、レに対応する鍵盤を探して打つ。(2)音符を「ド」と判定すると同時に次の音符との音高幅が2度(隣)であると判定する。ドに対応する鍵盤を探すと同時に、ドから2度上(右隣)の鍵盤を次に弾くべき音として認識する。
音符列に対応する鍵盤を打つ作業は、鍵盤という横並びのインターフェースと切っても切れない関係にあり、初級者以上ならば音符同士の幅と鍵盤の幅とを対応付ける上記(2)のパターンになってくる。しかし、隣同士(2度の幅)の音符列ならともかく、5度の幅(たとえばドとソの幅)を瞬時に判定し鍵盤上で指を動かす能力は、ピアノの演奏経験を必要とする。したがって、演奏における困難を抽出する際には、前の音符との音高幅(音程)や音価の比率もその音符の要素に含める。
そして、重回帰式(変数減数法)または決定木等によって、実験結果の失敗・停止した要因になった箇所に関係の強い音符または音列の特性を抽出する。こうして抽出した困難さを引き起こす音符または音列の特性を演奏困難な音符の要素として採用する。そして、当該音符または音列を抽象化して抽象化楽譜情報として採用するとともに、その演奏困難度と対応付けて、演奏困難度知識ベース18に取り込む。
楽理知識ベース20は、音楽理論に基づいて楽譜上の個々の音符の音楽的な重要度を判定する複数のルール(ルール群)を記憶している。各音符の音楽的重要度を評価および設定するために1または複数の音楽理論が考慮される。一例として、LerdahlとJackendoffによって提唱されたGTTM(Generative Theory of Tonal Music)が適用されてよい。この楽理知識ベース20のルール群によって、音楽的な流れに配慮して、各音符の重要度が評価される。後述するように、音符選択知識ベース22ではこの重要度に基づく音符採用ルールが定められる。したがって、楽曲の持つ雰囲気を極力保ちかつ利用者(すなわち演奏者)に拍子感覚を失わせないような音符の重要度が比較的高く評価されるようにルールが定められる。
たとえば、ルールの作成にあたっては次のような指針を取るようにする。(1)和音の性質を決定付けて楽曲の持つ雰囲気(音楽的な魅力)を極力保ち演奏者に拍子感覚を失わせないために、各拍の頭の「バス音(楽譜上、各和音で最低音として設置されている音)」の重要度を高くする。(2)メロディが断片的になることは極力避けた方がよい。まず比較的メロディと伴奏が明確に分けられている楽曲(たとえば西洋クラシック音楽の古典派からロマン派初期)を対象とする。バス音以外の声部では、少なくとも小節の頭の音符の重要度を高く評価するようにする。また、演奏困難な音高幅に当たらない限りは、横方向へ連続的に採用されるような重要度設定を行う。(3)バス音、最高音(メロディになり易い)、その他の内声部は極力段階ごとに交互に採用するような重要度設定を行う。
なお、ルールの作成にあたっては、コーディングのし易さを考慮した音符の指定を行うようにする。楽曲中の音符が各箇所で、どの声部(ソプラノ、アルト、テノール、バス等)に属しているかをコンピュータが決定することは、箇所によって声部の増減があるために困難である。しかし、同時に発音する音の中での「最高音」、「最低音」または「最高音から2つ目」等をコンピュータに指示することは比較的容易であるので、このような指示方法を採用する。
この楽理知識ベース20のルール群を用いて、たとえば、簡約楽譜のメロディが断片的になるのを防いだり、楽曲の雰囲気を左右する「バス音」を簡約の早い段階から取り込んだりできるように、各音符の重要度が判定される。
音符選択知識ベース22は、音符の取捨選択を判定する複数のルール(ルール群)を記憶している。ルールは、if−thenルールの集合、またはマルコフモデルのような確率モデル等の形態で記述され得る。具体的には、或る箇所の音符を簡約楽譜に採用するか否かを、当該箇所の抽象化楽譜要素の演奏困難度、当該音符の音楽的重要度、および簡約レベルに基づいて判定するための条件が規定されている。たとえば、簡約レベルの低いルールでは、演奏困難度が低く、音楽的重要度が高いような音符が主として採用され、簡約レベルの高いルールでは、上記に加えて、演奏困難度が高く、音楽的重要度が低いような音符も採用される。したがって、この音符選択知識ベース22のルール群を用いて、簡約レベルに応じて演奏の難易度が段階的に変化する複数の簡約楽譜を作成することができるとともに、楽曲の持つ雰囲気を極力保ちかつ演奏者に拍子感覚を失わせないような簡約楽譜を作成することができる。
この簡約楽譜作成装置10の具体的な動作を図2のフロー図に従って説明する。簡約楽譜作成処理を開始すると、コンピュータ12のCPUは、まず、ステップS1で簡約レベルの選択が行われたか否かを判断する。この実施例では、表示装置に簡約レベル指定画面が表示され、利用者(作成者あるいは演奏者)による入力装置の操作によって楽曲の簡約の度合い(簡約レベル)が選択される。ステップS1で“YES”であれば、ステップS3で、選択された簡約レベルを記憶および指定する。一方、ステップS1で“NO”であれば、そのままステップS5に進む。なお、利用者による選択が無い場合には、簡約レベルはデフォルトの所定レベルが指定されてよい。また、他の実施例では、簡約レベルは利用者の入力によらず自動的に段階的に指定されてよいし、あるいは所定レベルに固定されてもよい。
ステップS5では、楽曲の選択が行われたか否かを判断する。この実施例では、表示装置にオリジナル楽譜DB14に記憶されている楽曲のリストを含む楽曲選択画面を表示し、利用者による入力装置の操作によって楽曲を選択させる。ステップS5で“NO”であれば処理はステップS1に戻る。一方、ステップS5で“YES”であれば、ステップS7で、利用者に選択された楽曲を簡約対象として記憶および指定する。なお、他の実施例では、簡約対象楽曲は利用者の入力によらず自動的に選択ないし指定されてよい。ステップS9では、指定楽曲のオリジナル楽譜情報をオリジナル楽譜DB14から検索抽出し、コンピュータ12のメモリに読み出す。
続いて、ステップS11で、オリジナル楽譜情報を解析して抽象化楽譜情報に変換する。上述のように、オリジナル楽譜の各音符の音高情報、音価情報および同時発音情報等を抽象化する。たとえば、音高情報はすべての隣接音間の音程を示す情報に変換される。また、音価情報は各小節ごとに各音符の長さの比を示す情報に変換される。
ステップS13では、抽象化楽譜情報を演奏困難度知識ベース18と照合することによって、抽象化楽譜に含まれる個々の抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価する。演奏困難度知識ベース18では、上述のように、抽象化楽譜要素と演奏困難度とが対応付けられているので、楽曲の抽象化楽譜情報における個々の抽象化楽譜要素を抽出して、各抽象化楽譜要素を演奏困難度知識ベース18で検索することによって、当該抽象化楽譜要素の演奏困難度を評定することができる。このようにして、指定楽曲の各箇所の演奏困難度を算出できる。
ステップS15では、オリジナル楽譜情報を楽理知識ベース20のルール群と照合することによって、各音符の音楽的な重要度を評価する。楽理知識ベース20には、上述のように、音楽理論に基づく各音符の音楽的重要度を判定するための複数のルールが記憶されており、音楽的な流れに配慮して各音符の重要度を評定することができる。
ステップS17では、各抽象化楽譜要素の演奏困難度と各音符の音楽的重要度とを音符選択知識ベース22のルール群と照合することによって、簡約レベルに応じて各音符の取捨選択を判定する。音符選択知識ベース22には、上述のように、簡約レベルと演奏困難度と音楽的重要度とに基づいて定められた複数のルールが記憶されているので、オリジナル楽譜の個々の音符について、指定簡約レベルにおける採用の可否を判定することができる。
ステップS19では、採用と判定した音符によって、指定簡約レベルに対応する簡約楽譜情報を生成する。簡約楽譜は、オリジナル楽譜の音符のうち「採用」と判定された音符のみによって構成され、何らかの音符が追加されることはない。なお、音符が選出されなかった箇所には必要に応じて適切な休符が挿入される。
そして、ステップS21で、作成した簡約楽譜の出力が実行され、この実施例では、作成された簡約楽譜データは簡約楽譜DB16に記憶される。簡約楽譜データは、たとえば、簡約楽譜識別情報、簡約レベル、オリジナル楽曲識別情報などに対応付けて記憶されてよい。
なお、このステップS21の出力処理では、作成した簡約楽譜をコンピュータ12の表示装置に表示するようにしてもよいし、あるいは他のコンピュータに配信するようにしてもよい。
このようにして、楽曲のオリジナル楽譜から簡約レベルに応じた音が、当該音の含まれる箇所の抽象化楽譜要素の演奏困難度と当該音の音楽的重要度とに基づいて選出されて、当該簡約レベルに対応する簡約楽譜データが生成される。また、複数の簡約レベルを手入力または自動的に順次指定することによって、当該楽曲について複数の段階(簡約レベル)の簡約楽譜を作成することができる。
この実施例によれば、楽曲のオリジナル楽譜から抽象化楽譜情報を生成して個々の抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価するとともに楽譜上の各音符の音楽的重要度を評価し、各抽象化楽譜情報の演奏困難度および各音符の音楽的重要度に基づいて採用と判定された音符によって簡約楽譜を生成するようにした。したがって、音符通りに楽器を操作する負担を低減した簡約楽譜を作成することができる。また、音楽的な流れに配慮した音符の採用が行われるので、楽曲のもつ雰囲気を保ち演奏者に拍子感覚を失わせないようにすることが可能である。このような簡約楽譜よって、楽曲の技術的な敷居を低くすることができ、演奏者を音楽的な演奏表現の表出に取り組み易くすることができる。
また、複数の簡約レベルごとの選択ルールを備えた音符選択知識ベース22を用いて各簡約レベルに従った簡約を行う場合には、1つのコンテンツすなわちオリジナル楽譜を複数のレベルに編集することができる。具体的には、オリジナル楽譜の音符だけを用いて複数段階の楽譜に編曲して、コンテンツのレベルを多様化することができる。1つの楽曲について複数の種類(段階)の簡約楽譜が作成されるので、演奏者は自分のレベルに合う段階の簡約楽譜から練習を開始できる。また、各簡約楽譜には音符通りに演奏する負担を簡約レベルに応じて段階ごとに徐々に取り入れることができるので、楽曲の技術的な敷居を段階的に低くし、演奏者の負担を低減できる。
なお、従来、有名な楽曲は、初級者でも簡単に弾けるように編曲されて市販されている。しかし、この種の編曲楽譜には次のような問題点があった:必ずしも学習者のレベルに合うわけではなく、簡単過ぎてやる気を損ねている場合もあれば困難過ぎて挫折してしまう場合もある。オリジナル楽譜に表示された音符をほとんど使用しておらず、編曲した楽譜で演奏できるようになっても、その後オリジナル楽譜で演奏する際には一から練習しなおさなければならない。オリジナルの楽曲と比較して著しく音楽的な質が落ちていたり、似ても似つかないものだったりする場合には学習者に不満をもたらしている。
一方、この実施例で作成される簡約楽譜の音楽的な質については、演奏困難さの低減に重点を置いたのでプロフェッショナルの作曲家による編曲に比較すると低いこともあり得る。しかし、この実施例では、オリジナル楽譜に表示された音符のみを使用して数段階の簡約楽譜を作成し、簡約楽譜の段階を経た頂上にはオリジナル楽譜が据えられている。したがって、学習者は、上達した暁には何ものにも劣らない本物の楽譜に挑戦できるという期待感をもって簡約楽譜で練習することができる。
図3にはオリジナル楽譜の一例が示され、図4および図5には簡約楽譜作成装置10によって作成された簡約楽譜の一例が示される。図3のオリジナル楽譜の楽曲は、ドビュッシーの「月の光」である。図3と図4または図5とを比較してみると、簡約楽譜ではオリジナルの楽曲のもつ雰囲気や拍子感覚が維持されていることがよくわかる。また、図4のレベル1の簡約楽譜は初級者でも挑戦できるようなものであり、図5のレベル5の簡約楽譜は初級から中級者向きであることがわかる。
このように、簡約楽譜は、オリジナル楽譜の難易度が少しばかり高めであっても、利用者(演奏者)の技能的レベルに合うものがあるので、利用者が練習を開始する敷居を低くすることができる。音符通りに演奏することが多少困難な人でも気軽に演奏してみたい曲に挑戦できるし、各段階の楽譜で演奏を達成することがサブゴールとなり、オリジナル楽譜で練習できるようになるまで練習が継続され易くなると考えられる。また、音符通りに楽器(鍵盤等)を操作する負担が小さくなるため、演奏者に音楽的な演奏表現の表出にも取り組み易くさせることが可能である。
なお、この簡約楽譜作成装置10で作成された簡約楽譜データおよびオリジナル楽譜データは、記憶媒体を介して演奏者のコンピュータまたは電子楽器に取り込まれてもよい。または、簡約楽譜データおよびオリジナル楽譜データは、ネットワーク上に設けたサーバから演奏者のコンピュータまたは電子楽器に配信されるようにしてもよい。その場合、簡約楽譜作成装置10が当該サーバとして機能してもよい。演奏者のコンピュータまたは電子楽器では、取得した簡約楽譜データおよびオリジナル楽譜データに基づいて、簡約楽譜およびオリジナル楽譜がそのディスプレイに表示される。楽譜データはMusicXML形式で記述されているのでデータ量による通信上の問題は生じ難い。
あるいは、演奏者のコンピュータにこの実施例の簡約楽譜作成プログラムおよびデータ(各知識ベースを含む)をインストールすることによって、当該演奏者のコンピュータを簡約楽譜作成装置10として機能させるようにしてもよい。オリジナル楽譜データは、上述の実施例と同様に、記憶媒体またはネットワーク上のサーバ等から取得されてよい。この場合には、演奏者自身の入力によって、所望の楽曲や簡約レベルを選択することができる。
また、上述の実施例では、一般的ないし標準的な演奏の困難度に基づいて構築した演奏困難度知識ベース18を使用するようにしていた。しかし、他の実施例では、簡約楽譜作成装置10は、演奏者ごとの技術的な特徴に対応するように、演奏者固有の演奏困難度に基づく簡約を行うようにしてよい。
図6に示す実施例の簡約楽譜作成装置10では、演奏者に固有の演奏困難度に基づく固有演奏困難度知識ベース24が構築され、この固有演奏困難度知識ベース24を演奏困難度知識ベース18と併用して簡約楽譜の作成が行われる。
演奏者の固有演奏困難度知識ベース24を作成するために、簡約楽譜作成装置10のコンピュータ12は演奏者の電子楽器26と接続され、演奏者の演奏データを取得する。演奏データはたとえばMIDIデータである。あるいは、コンピュータ12は、演奏者の電子楽器26と接続された他のコンピュータからネットワーク等を介して演奏データを取得してもよい。コンピュータ12は、取得した演奏データに基づいて当該演奏者用の固有演奏困難度知識ベース24を作成する。
固有演奏困難度知識ベース24の生成処理の動作を図7のフロー図を参照して説明する。固有ベース生成処理を開始すると、コンピュータ12のCPUは、まず、ステップS31で演奏データを取得済みであるか否かを判断し、“NO”であればこの生成処理を終了する。
一方、ステップS31で“YES”であれば、固有演奏困難度知識ベース24の構築を行う。具体的には、ステップS33で当該演奏データを読み出して、ステップS35で演奏誤り位置を検出する。
演奏誤り位置の検出方法としては、たとえば本件出願人による特開2005−250053号に開示される演奏位置判定方法を使用できる。この演奏位置判定方法は、Dannenbergが提案したDPマッチングによる手法を拡張し、挿入、音高誤りおよび脱落だけでなく弾き直しにも対処可能になっている。この方法では、各音の楽譜上での音価と演奏音の音長は無視して、音高のみのマッチングで演奏位置を判断する。
具体的には、楽譜に含まれる音の数をNとする。ただし、和音のように複数の音が同時に発音される場合、その個所の音数は、同時に発音する音の数に拘らず「1」とし、最高音のみをマッチングの対象とする。演奏開始からj番目の音Pjの判定をするとき(この時刻を「演奏時点tj」とする)、前回のマッチングで演奏時点tj-1での楽譜上の演奏位置がSi(1≦i≦N)の音であると判定されていたとする。このとき、Pjが楽譜上のどの音にあたるかの判定は、以下のアルゴリズムによって行う。
(1)楽譜上のすべての音Sk(1≦k≦N)の音高Pitch(Sk)と、Pjの音高Pitch(Pj)とを比較し、すべての音について演奏時点tjにおける重みW(Sk,tj)を次に示す方法で評価する。
(a)Pitch(Sk)がPitch(Pj)に等しい場合には、演奏時点tjにおける音符Skの重みW(Sk,tj)として、前の時点tj-1での音符Sk-1の重みW(Sk-1,tj-1)に所定値(たとえば「1」)を加算した値を設定する。
(b)そうでない場合には、時点tjでの音符Skの重みW(Sk,tj)として、前の時点tj-1での音符Sk-1の重みW(Sk-1,tj-1)から所定値(たとえば「1」)を減算した値を設定する。ただし、W(Sk-1,tj-1)が「0」より小さいとき、時点tjでの音符Skの重みW(Sk,tj)として、「0」を設定する。
すべてのポジションについて重みWを評価したなら、時点tjでの演奏位置Si+1における重みが、時点tj-1での演奏位置Siにおける重みに「1」加えたものと等しいかどうか、つまりW(Si+1,tj)=W(Si,tj-1)+1かどうか判断する。つまり、演奏位置が正しく更新されているかどうか判断する。
ここで、この条件判定について詳しく説明する。演奏時点tjにおける演奏位置の判定を試みている状態である。そして、演奏時点tj-1での演奏位置がSiである。したがって、W(Si,tj-1)とは、前回の判定(tj-1)時点での判定で「ここが演奏位置だ」と判定した箇所の重みである。そして、W(Si+1,tj)とは、楽譜上でSiの次の音Si+1の、今回(tj時点)での重み付け処理の結果得られた重みである。そして、W(Si+1,tj)の値がW(Si,tj-1)の値に「1」を加えた値になっていた場合に、Si+1をtj時点での演奏位置と判定するものである。
そして、W(Si+1,tj)=W(Si,tj-1)+1であれば、演奏位置が正しいのであるから、次の演奏位置Si+1をtj時点の演奏箇所とする。
(2)一方、W(Si+1,tj)≠W(Si,tj-1)+1であれば、演奏誤り(弾き直しを含む)への対応を行う。つまり、演奏を間違った場合には、正しい演奏位置を同定する処理を実行することになる。
まず、弾き直しへの対応について、詳しく説明すると、「1」から「i」の範囲にあって、かつ楽譜上の小節、フレーズ、段およびページ頭など、「弾き直しが発生し易い個所」として予め楽譜データ上に指定されている個所すべての重みを、W(Si+1,tj)−m(mは正の定数)とする。つまり、楽譜データで弾き直し位置マーカの設定されている演奏位置の重みをすべて最大より「m」小さい値に設定する。ただし、その個所の元の重みがこの計算で得られた重みより大きい場合は、値を変更しない。なお、発明者等の実験においてmの値は、経験的に「2」としている。mの値を小さくすると、弾き直しへの追従性が向上するが、一方で類似したパターンが繰り返し現れる楽曲の場合、軽微な誤り(音脱落など)で演奏個所の認識誤りを招く可能性が高くなる。つまり、m個の音数だけ余裕を見て「弾き直し箇所」と思われる箇所からの音がm個連続して弾かれたとき初めて「弾き直し」として判定するようにしている。これによって、1音程度の音の抜けや挿入などの微少な誤りに過剰に反応しないようにしている。
ついで、挿入、音高誤り、脱落への対応について説明する。位置Si-rからSi+rまでの範囲の音すべてについて、重みをW(Si+1,tj)と同じにする。つまり、tj-1時点での現在演奏位置の前後r音ずつをtj時点での演奏位置としての可能性を高く評価することにより、r個までの挿入や音高誤り、脱落に対処している。なお、音数rは正の定数とし、実験においてはrの値は、経験的に「2」としている。この値を大きくすると、より多数の音にわたる誤りに対処できるが、大きくし過ぎると可能性の範囲が広がりすぎ、逆に誤った一致箇所を見いだしてしまう危険性が高くなる。
(3)そして、重みW(Sk,tj)(ただし、1≦k≦N)が最大値をとる個所を現在の演奏位置とする。もし複数の箇所が同じ重みである場合は、以下の順に優先する。
(a)重みW(Sk,tj)が最大値をとる箇所が唯一であるならば、そのときの重みW(Sk,tj)が最大値となる位置Skを現在の演奏位置とする。
(b)重みW(Sk,tj)が最大値をとる箇所が複数個あるならば、現在の演奏位置が次のようにして決められる。
(i)Siに最も近い最大値を取る個所Skが唯一であるならばその個所Skを現在の演奏位置とする。
(ii)Siに最も近い最大値を取る個所が複数個ある場合、すなわちSiから等距離の位置Si-dとSi+dとに最大値が生じる場合は、Si-dを現在の演奏位置とする。
以上のアルゴリズムによって、従来から扱われてきた3種類の演奏誤りに加えて、初心者の演奏で頻発する「弾き直し」に対しても追従できる頑健な演奏追跡処理が実現される。そして、取得した演奏データにおける挿入、音高誤り、脱落および弾き直しなどの演奏誤り位置が検出される。
続いて、ステップS37では、演奏誤り位置をオリジナル楽譜データおよび抽象化楽譜データと照合することによって、演奏誤りパターンを判定する。たとえば、或る演奏者が「ドミレ」という音の並びや、「ソシラ」、「ファラソ」などでよく間違う場合には、これらの抽象化音高列である「*、+4、−2」がこの演奏者特有の誤りパターンであることが見出される。このように、検出された演奏誤り位置に対応する部分のオリジナル楽譜情報と抽象化楽譜情報から、間違いを多くまたは少数でも生じた抽象化楽譜要素を演奏誤りパターンとして検出する。
そして、ステップS39で、演奏誤りパターンに関連する抽象化楽譜情報に基づいて、演奏者固有の演奏困難度知識ベース24を生成する。固有演奏困難度知識ベース24では、各抽象化楽譜要素に対応付けて、演奏者に固有の演奏困難度が記憶される。演奏誤りパターンの演奏困難度の評価では、一例として、演奏誤りとしての検出頻度が高い抽象化楽譜要素ほど、その演奏の技術的困難度は高い値に設定される。こうして、演奏者が間違い易い楽譜パターンと演奏困難度とが対応付けて記憶された固有演奏困難度知識ベース24が構築される。この固有演奏困難度知識ベース24は、演奏者が苦手もしくは不得手とする抽象化楽譜要素、演奏者が修得していない抽象化楽譜要素など、演奏者の技術的な特徴が集約された演奏困難度知識ベースである。ステップS39を終了すると、この固有ベース生成処理を終了する。
この実施例の簡約楽譜作成装置10が簡約楽譜を作成する際には、一般的な演奏困難度知識ベース18と固有演奏困難度知識ベース24とを融合して使用し、個々の抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価する。つまり、図2のステップS13で演奏困難度を評価する際には、コンピュータ12は、固有演奏困難度知識ベース24も併せて参照する。これによって、楽曲における各抽象化楽譜要素の演奏困難度は、演奏者の技術的な特徴に基づいて評価され、演奏者の技術的な特徴を考慮した簡約が行われることとなる。
なお、ステップS5およびS7の楽曲指定処理では、取得した演奏データに対応する楽曲が作成者または演奏者など利用者の入力によって指定される。演奏データに楽曲の識別情報が付与されている場合には、当該楽曲識別情報に基づいて指定がなされる。
この図6の実施例によれば、演奏者の技術的な特徴に合わせて、演奏者に特化した簡約楽譜を作成することができる。音符通りに楽器を操作する負担を演奏者の技術的な特徴に合わせて簡約楽譜に取り入れることができるので、演奏者の負担をさらに抑えることができる。したがって、この簡約楽譜によれば、演奏者にとって練習の開始および継続がさらに容易になるとともに音楽的な演奏表現の表出にもさらに取り組み易くなる。
また、上述の図6実施例では、固有演奏困難度知識ベース24を別途構築して、演奏者の技術的な特徴に対応するようにしていた。しかし、他の実施例では、固有演奏困難度知識ベース24を構築する代わりに、演奏者の演奏データを取得して、一般的な演奏困難度知識ベース18を演奏者の技術的な特徴に合わせて修正し個性化するようにしてもよい。
この実施例では、図8に示すような個性化処理によって演奏困難度知識ベース18が修正される。個性化処理を開始すると、コンピュータ12のCPUは、ステップS51で演奏データを取得済みであるか否かを判定する。ステップS51で“NO”であれば、そのままこの個性化処理を終了する。
一方、ステップS51で“YES”であれば、演奏困難度知識ベース18の修正を行う。つまり、ステップS53で演奏者の演奏データを読み出して、ステップS55で演奏誤り位置を検出する。そして、ステップS57で、演奏誤り位置をオリジナル楽譜データおよび抽象化楽譜データと照合することによって、演奏誤りパターンを判定する。なお、ステップS55およびS57の具体的な処理内容は、上述の図7のステップS35およびS37と同様である。
そして、ステップS59で、演奏誤りパターンに関連する抽象化楽譜情報に基づいて、演奏困難度知識ベース18を更新する。これによって、演奏困難度知識ベース18では、各抽象化楽譜要素に対応付けられた演奏困難度が、演奏者に固有の情報に上書きされる。各抽象化楽譜要素の演奏の技術的困難度は、たとえば、演奏誤りとして検出された回数が多いものほど高い値が元の値に加算されて更新される。ステップS59を終了すると、この個性化処理を終了する。この実施例によっても、図6実施例と同様に、演奏者の技術的な特徴に合わせて、演奏者に特化した簡約楽譜を作成することができる。
また、上述の各実施例では、利用者の入力に応じて選択された簡約レベル、あるいは段階的もしくは所定値に自動的に設定された簡約レベルに基づいて、簡約楽譜を作成するようにしていた。しかし、他の実施例では、演奏者の演奏データに基づいて自動的に判定された簡約レベルに基づいて、簡約楽譜を作成するようにしてもよい。
この実施例では、図9に示すような簡約レベル判定処理によって演奏者のための簡約レベルが判定される。簡約レベル判定処理を開始すると、コンピュータ12のCPUは、まずステップS71で、演奏データを取得済みであるか否かを判断し、“NO”であれば、そのままこの簡約レベル判定処理を終了する。
一方、ステップS71で“YES”であれば、ステップS73で演奏データを読み出し、ステップS75で演奏誤り位置を検出する。そして、ステップS77で、演奏誤り位置をオリジナル楽譜データおよび抽象化楽譜データと照合することによって、演奏誤りパターンを判定する。なお、ステップS75およびS77の具体的な処理内容は、上述の図7のステップS35およびS37と同様である。
続いて、ステップS79で、演奏誤りパターンを演奏困難度知識ベース18と照合することによって、演奏者の演奏レベルを判定する。演奏レベル判定方法の一例として、演奏者の演奏誤りパターンの出現頻度の統計に基づく判定方法が考えられる。たとえば、演奏者の演奏データに基づいて検出された演奏誤りパターン(抽象化された楽譜要素)の集合をQ={qi;1≦i≦n}とする。さらに、このQの部分集合をQ’(Q’⊆Q)とし、Q’={qi;1≦i≦k,k≦n}とする。この部分集合Q’に含まれる演奏誤りパターンすなわち抽象化楽譜要素が演奏困難度知識ベース18に登録されている。また、各演奏誤りパターンの出現頻度をf(qi)とし、一般的な演奏困難度知識ベース18に登録されている各演奏誤りパターンの演奏困難度の値をw(qi)とする。
平均困難度Wave.は次の数1で算出される。
[数1]
Wave.={Σf(qi)・w(qi)}/{Σf(qi)}
なお、総和(Σ)は、いずれも1からkまでの総和である。つまり、部分集合Q’に含まれない演奏誤りパターンについては、一般的な難易度が判定できないので、考慮にいれない。
上記Wave.の値が高いほど、当該演奏者は「より難しいパターンで間違うことが多い」こととなる。つまり、当該演奏者は「簡単なパターンでは間違わない」ことになり、「レベルは高い」と判断することができる。このWave.の値によって演奏者の演奏レベルが判定される。
そして、ステップS81で、演奏者の演奏レベルと楽曲の難易度に基づいて、簡約レベルを判定する。なお、各楽曲の難易度は、たとえば当該楽曲の識別情報およびオリジナル楽譜情報に対応付けてオリジナル楽譜DB14に記憶されている。たとえば、演奏レベルの値および楽曲難易度の値の組合せと簡約レベルとを対応付けたテーブルデータをコンピュータ12のメモリに予め記憶しておき、当該テーブルデータを参照して簡約レベルが評価される。ステップS81を終了すると、この簡約レベル判定処理を終了する。
この実施例の簡約楽譜作成装置10が簡約楽譜を作成する際には、演奏者の演奏データに基づいて判定された簡約レベルに対応する簡約楽譜データを生成する。つまり、図2のステップS17では、判定された簡約レベルに対応するルールに従って音符の取捨選択が行われる。このように、演奏者の演奏レベルと楽曲の難易度に基づいて簡約レベルを判定し、当該簡約レベルに対応する簡約楽譜を作成することができる。つまり、演奏者の演奏の技能的レベルに合わせた簡約楽譜を作成できる。したがって、現在の演奏者の技能的レベルにちょうど適切な簡約楽譜によって、演奏者に効率よく練習を行わせることができるとともに、音楽的な演奏表現の表出にもさらに取り組み易くさせることができる。また、演奏者の演奏技能が上達してくれば間違いが減り、演奏レベルおよび簡約レベルが高く評価されることとなるので、簡約される音符が少ないレベルの高い簡約楽譜(すなわち、オリジナル楽譜から採用されない音符が少なくオリジナル楽譜に近い楽譜)が作成される。
この発明の一実施例の簡約楽譜作成装置の構成を示す図解図である。 図1実施例の動作の一例を示すフロー図である。 オリジナル楽譜の一例を示す図解図である。 レベル1の簡約楽譜の一例を示す図解図である。 レベル5の簡約楽譜の一例を示す図解図である。 他の実施例の簡約楽譜作成装置の構成を示す図解図である。 他の実施例における固有ベース生成処理の動作の一例を示すフロー図である。 他の実施例における個性化処理の動作の一例を示すフロー図である。 他の実施例における簡約レベル判定処理の動作の一例を示すフロー図である。
符号の説明
10 …簡約楽譜作成装置
12 …コンピュータ
14 …オリジナル楽譜DB
16 …簡約楽譜DB
18 …演奏困難度知識ベース
20 …楽理知識ベース
22 …音符選択知識ベース
24 …固有演奏困難度知識ベース

Claims (7)

  1. 楽曲のオリジナル楽譜から簡約楽譜を作成する装置であって、
    楽曲のオリジナル楽譜に記載されている楽譜情報を記憶するオリジナル楽譜記憶手段、
    抽象化楽譜要素と演奏困難度とを対応付けて記憶する演奏困難度知識ベース、
    楽譜上の個々の音符の音楽的な重要度を判定するルール群を記憶する楽理知識ベース、
    音符の取捨選択を判定するルール群を記憶する音符選択知識ベース、
    前記オリジナル楽譜記憶手段に記憶された前記楽曲の楽譜情報を解析して当該楽曲の抽象化楽譜情報を生成する楽譜抽象化手段、
    前記楽譜抽象化手段によって生成された前記楽曲の抽象化楽譜情報を前記演奏困難度知識ベースと照合することによって、当該抽象化楽譜情報に含まれる個々の抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価する演奏困難度判定手段、
    前記オリジナル楽譜記憶手段に記憶された前記楽曲の楽譜情報を前記楽理知識ベースに記載された前記ルール群と照合することによって、当該楽譜情報に含まれる各音符の音楽的重要度を評価する音楽的重要度判定手段、
    前記演奏困難度判定手段によって得られた各抽象化楽譜要素の演奏困難度および前記音楽的重要度判定手段によって得られた前記各音符の音楽的重要度を、前記音符選択知識ベースに記載された前記ルール群と照合することによって、各音符の取捨選択を判定する音符選択手段、および
    前記音符選択手段によって採用と判定された音符によって簡約楽譜情報を生成する簡約楽譜生成手段を備える、簡約楽譜作成装置。
  2. 前記オリジナル楽譜記憶手段は、複数の楽曲のオリジナル楽譜を記憶しており、
    前記オリジナル楽譜記憶手段に記憶された複数の楽曲から利用者が簡約のための楽曲を指定する楽曲指定手段をさらに備える、請求項1記載の簡約楽譜作成装置。
  3. 利用者が簡約の度合いを指定する簡約レベル指定手段をさらに備え、
    前記音符選択手段は、前記簡約レベル指定手段によって指定された前記簡約の度合いに応じて前記各音符の取捨選択を判定する、請求項1または2記載の簡約楽譜作成装置。
  4. 演奏者による前記楽曲の演奏データを取得する演奏データ取得手段、
    前記演奏データ取得手段によって取得した前記演奏データから演奏の誤り位置を検出する演奏誤り位置検出手段、
    前記演奏誤り位置検出手段によって検出された前記演奏誤り位置を、前記オリジナル楽譜記憶手段に記憶された前記楽曲のオリジナル楽譜情報および前記楽譜抽象化手段によって生成された前記抽象化楽譜情報と照合することによって、前記演奏者に固有の演奏誤りパターンを判定する演奏誤りパターン判定手段、および
    前記演奏誤りパターン判定手段によって判定された前記演奏者に固有の演奏誤りパターンに関連する前記抽象化楽譜情報に基づいて、前記演奏者に固有の演奏困難度知識ベースを構築する固有知識ベース生成手段をさらに備え、
    前記演奏困難度判定手段は、前記固有知識ベース生成手段によって生成された前記演奏者に固有の演奏困難度知識ベースも併せて参照して、前記各抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価する、請求項1ないし3のいずれかに記載の簡約楽譜作成装置。
  5. 演奏者による前記楽曲の演奏データを取得する演奏データ取得手段、
    前記演奏データ取得手段によって取得した前記演奏データから演奏の誤り位置を検出する演奏誤り位置検出手段、
    前記演奏誤り位置検出手段によって検出された前記演奏誤り位置を、前記オリジナル楽譜記憶手段に記憶された前記楽曲のオリジナル楽譜情報および前記楽譜抽象化手段によって生成された前記抽象化楽譜情報と照合することによって、前記演奏者に固有の演奏誤りパターンを判定する演奏誤りパターン判定手段、および
    前記演奏誤りパターン判定手段によって判定された前記演奏者に固有の演奏誤りパターンに関連する前記抽象化楽譜情報に基づいて、前記演奏困難度知識ベースの前記演奏困難度を前記演奏者の情報に更新する更新手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の簡約楽譜作成装置。
  6. 演奏者による前記楽曲の演奏データを取得する演奏データ取得手段、
    前記演奏データ取得手段によって取得した前記演奏データから演奏の誤り位置を検出する演奏誤り位置検出手段、および
    前記演奏誤り位置検出手段によって検出された前記演奏誤り位置を、前記オリジナル楽譜記憶手段に記憶された前記楽曲のオリジナル楽譜情報および前記楽譜抽象化手段によって生成された前記抽象化楽譜情報と照合することによって、前記演奏者に固有の演奏誤りパターンを判定する演奏誤りパターン判定手段を備えていて、
    前記オリジナル楽譜記憶手段は、前記楽譜情報に加えて各楽曲の難易度を記憶しており、
    前記演奏誤りパターン判定手段によって判定された前記演奏誤りパターンを前記演奏困難度知識ベースと照合することによって、前記演奏者の演奏レベルを判定する演奏レベル判定手段、および
    前記演奏レベル判定手段によって判定された前記演奏者の演奏レベルと、前記オリジナル楽譜記憶手段に記憶されている前記楽曲の難易度とに基づいて、前記楽曲の簡約の度合いを判定する簡約レベル判定手段をさらに備え、
    前記音符選択手段は、前記簡約レベル判定手段によって判定された前記簡約の度合いに応じて前記各音符の取捨選択を判定する、請求項1ないし5のいずれかに記載の簡約楽譜作成装置。
  7. 楽曲のオリジナル楽譜から簡約楽譜を作成するためのプログラムであって、
    楽曲のオリジナル楽譜に記載されている楽譜情報を記憶するオリジナル楽譜記憶手段、
    抽象化楽譜要素と演奏困難度とを対応付けて記憶する演奏困難度知識ベース、
    楽譜上の個々の音符の音楽的な重要度を判定するルール群を記憶する楽理知識ベース、および
    音符の取捨選択を判定するルール群を記憶する音符選択知識ベースを備えるコンピュータを、
    前記オリジナル楽譜記憶手段に記憶された前記楽曲の楽譜情報を解析して当該楽曲の抽象化楽譜情報を生成する楽譜抽象化手段、
    前記楽譜抽象化手段によって生成された前記楽曲の抽象化楽譜情報を前記演奏困難度知識ベースと照合することによって、当該抽象化楽譜情報に含まれる個々の抽象化楽譜要素の演奏困難度を評価する演奏困難度判定手段、
    前記オリジナル楽譜記憶手段に記憶された前記楽曲の楽譜情報を前記楽理知識ベースに記載された前記ルール群と照合することによって、当該楽譜情報に含まれる各音符の音楽的重要度を評価する音楽的重要度判定手段、
    前記演奏困難度判定手段によって得られた各抽象化楽譜要素の演奏困難度および前記音楽的重要度判定手段によって得られた前記各音符の音楽的重要度を、前記音符選択知識ベースに記載された前記ルール群と照合することによって、各音符の取捨選択を判定する音符選択手段、および
    前記音符選択手段によって採用と判定された音符によって簡約楽譜情報を生成する簡約楽譜生成手段として機能させる、簡約楽譜作成プログラム。
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