JP2007229015A - 超音波観測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子式のラジアル走査方式を用いる超音波内視鏡を備えた超音波観測装置において、マルチビーム走査を可能とすると共に信号線数を削減する。
【解決手段】N本の超音波ビーム(N≧2)により被検体の体腔内をラジアル走査する超音波観測装置であって、超音波観測装置本体と、円周上に配列されており、各々が、供給される駆動信号に従って超音波を発生すると共に、超音波を受信することにより受信信号を出力するM個の超音波トランスデューサTR1〜TR256と、複数の信号線を介して超音波観測装置本体に接続されており、各々が、超音波観測装置本体から供給される駆動信号をN個の超音波トランスデューサに供給すると共に、N個の超音波トランスデューサから出力される受信信号を超音波観測装置本体に出力するM/N個の分配部C1−01〜64とを有する超音波内視鏡とを含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、医療診断のために患者の体腔内に挿入して超音波断層像を撮影することが可能な超音波内視鏡を備えた超音波観測装置に関する。
近年、患者の体腔内周辺に関する医療診断を行うために、患者の体腔内に挿入して超音波撮像を行う超音波内視鏡が利用されている。一般に、超音波内視鏡においては、超音波を送受信する複数の超音波トランスデユーサ(超音波振動子)を含むアレイを機械的に回転させることにより視野角360°の走査を行うメカニカルラジアル走査方式が採用されている。
このような超音波内視鏡を用いて画質の良い超音波画像を取得するために、周波数の異なる複数種類の超音波を送受信することにより、超音波画像データを取得することが提案されている。しかしながら、超音波の送信周波数を変化させるには、複数種類のプローブを交替で使用しなければならないので、プローブを患者の体腔内に挿入及び抜去するのに時間と手間を要すると共に、患者の身体的負担が大きい。
関連する技術として、特許文献1には、高周波化にともなう超音波減衰に対処して周波数選択を容易に行うための超音波診断装置が開示されている。この超音波診断装置は、少なくとも2つ以上の中心周波数をもつ超音波パルスを送受波して受信信号を得る各中心周波数共用の超音波トランスデューサと、該超音波トランスデューサを用いて中心周波数毎に独立して受信信号を収集する手段とを備えている。
また、特許文献2には、周波数特性の異なる複数の超音波画像を同一の画像上で滑らかな画像として合成表示するための超音波画像処理装置が開示されている。この超音波画像処理装置は、互いに異なる複数の周波数特性を有する超音波送受信手段と、該複数の超音波送受信手段を駆動する制御手段と、複数の超音波送受信手段から出力される受信信号に画面内における超音波送受信手段に対応した位置からの距離に応じた重み付けを行い一画面に合成して表示する表示手段とを備えている。
さらに、特許文献3には、分解能を優先させたエコーデータや深達度を優先させたエコーデータを得ることによって、より診断に有効な超音波断層像を表示するための超音波診断装置が開示されている。この超音波診断装置は、超音波を送受波する広帯域超音波振動子を有する超音波プローブと、該広帯域超音波振動子に付与する駆動周波数を変化させて供給するとともに、この広帯域超音波振動子から発せられた超音波のエコー信号を受信してエコーデータを得る送受信部と、この送受信部で得られたエコーデータを記憶する記憶手段と、上記送受信部で発生された駆動周波数の変化を制御するとともに、この駆動周波数の変化に対応させて上記エコーデータを記憶手段に記憶させる制御を行う制御手段と、該記憶制御手段に駆動周波数に対応して記憶されているエコーデータを基に、超音波断層像に生成する画像処理手段とを備えている。
これらの特許文献1〜3に開示された発明によれば、周波数特性の異なる複数種類の振動子又は広帯域超音波振動子を用いることにより、超音波プローブの挿入及び抜去といった手間を要することなく、周波数の異なる複数種類の超音波を切り換えながら送受信することができる。しかしながら、これらの特許文献1〜3においては、いずれもメカニカルラジアル走査方式が採用されているため、走査速度を向上させるには限界がある。そのため、電子ラジアル走査方式によっても同様に複数種類の超音波を送受信できることが望まれる。なお、特許文献1には、当該発明が電子走査方式に適用される場合があることも開示されているが(第2頁)、具体的な構成は明らかにされていない。
一方、電子的な走査により視野角360°の走査を行う電子ラジアル走査方式も提案されている。例えば、非特許文献1には、各種消化器疾患に対する電子ラジアル型超音波内視鏡の使用経験に基づいて、電子ラジアル型超音波内視鏡の有用性及び問題点を検討した結果が記載されている。
関連する技術として、特許文献4には、複数個の超音波振動子を固定した可撓性基板を円筒状に形成する際に、可撓性基板の接合部分における超音波振動子間の間隔を各振動子の配置間隔の整数倍にすると共に、接合部分における超音波振動子間の間隔位置での走査を、この間隔に隣設する超音波振動子を駆動して行うための駆動素子切換回路及びディレイラインを具備する電子ラジアル型超音波ビーム装置が開示されている。この電子ラジアル型超音波ビーム装置においては、上記駆動素子切換回路及びディレイラインを設けることにより、可撓性基板の接合部分における視野を確保している。
特開平5−56980号公報(第1、2頁) 特開平8−173420号公報(第2頁) 特開2001−333902号公報(第1頁) 特開平2−134142号公報(第2頁) 竹田、他、「消化器疾患に対する電子ラジアル型超音波内視鏡検査の現状」、超音波医学(Jpn J Med Ultrasonics)、社団法人日本超音波医学会、2004年、第31巻補遺、77−C062
ところで、電子ラジアル走査方式によれば、例えば、360°の走査範囲を確保するために、プローブ内に多数の振動子(例えば、256個)が配置される。これらの振動子の各々は、駆動信号や超音波の受信信号を伝送するために、信号線を介して超音波観測装置本体に接続される。そのため、振動子の数を増やすと、それに応じて信号線の数も増えてしまう。特に、複数の超音波ビーム(マルチビーム)によって走査を行う場合には、駆動信号を複数の振動子にタイミングをずらして供給しなければならないので、複数の振動子の信号線を兼用することはできない。その結果、信号線を含むケーブルが太くなるので、取り扱いが不便になるだけでなく、それが体内に挿入される患者への身体的負担が極めて大きくなってしまう。
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、電子式のラジアル走査方式を用いる超音波内視鏡を備えた超音波観測装置において、マルチビーム走査を可能とすると共に信号線の数を削減することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る超音波観測装置は、N本の超音波ビーム(Nは2以上の整数)を送信し、該超音波ビームによって被検体の体腔内をラジアル走査することにより、被検体に関する超音波画像を表す画像データを生成する超音波観測装置であって、円周上に配列されたM個(MはNの倍数)の超音波トランスデューサであって、各々が、供給される駆動信号に従って超音波を発生すると共に、超音波を受信することにより受信信号を出力する上記M個の超音波トランスデューサと、複数の信号線を介して超音波観測装置本体に接続されているM/N個の分配部であって、各々が、超音波観測装置本体から供給される駆動信号を上記M個の超音波トランスデューサの内のN個の超音波トランスデューサに供給すると共に、N個の超音波トランスデューサから出力される受信信号を超音波観測装置本体に出力する上記M/N個の分配部とを有する超音波内視鏡と、該M/N個の分配部に供給される複数の駆動信号を発生する駆動信号発生部と、M/N個の分配部から出力される受信信号をそれぞれ処理するM/N個のチャンネルを含み、各チャンネルが、それぞれの分配部から出力される受信信号に基づいて、上記N個の超音波トランスデューサからそれぞれ出力される複数の受信信号を分離する受信信号処理部と、該受信信号処理部において分離された複数の受信信号に基づいて、超音波画像を表す画像データを生成する画像データ生成部とを有する超音波観測装置本体とを具備する。
本発明によれば、超音波観測装置本体において発生させた駆動信号を、超音波内視鏡側に設けられた分配部において分割して複数の超音波トランスデューサに供給するので、マルチビーム走査が可能になると共に、超音波内視鏡と超音波観測装置本体とを接続する信号線の数を削減することが可能となる。従って、マルチビーム走査によって取得された超音波の受信信号に基づいて様々な種類の超音波画像を生成することにより、画質の向上や診断効率の向上を図ることが可能となる。また、患者の体腔内に挿入されるケーブルを細くすることができるので、患者の身体的負担を軽減することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波観測装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る超音波観測装置は、電子ラジアル型の超音波内視鏡1と、超音波内視鏡1に接続可能な超音波観測装置本体2とを含んでいる。
図2は、図1に示す超音波内視鏡1の外観を示す模式図である。図2に示すように、超音波内視鏡1は、挿入部911と、操作部912と、接続コード913と、ユニバーサルコード914とを含んでいる。
超音波内視鏡1の挿入部911は、患者の体内に挿入することができる細長い可撓性の管によって形成されている。操作部912は、挿入部911の基端に設けられており、接続コード913を介して超音波観測装置本体2に接続されていると共に、ユニバーサルコード914を介して光源装置に接続されている。超音波内視鏡1の挿入部911の先端には、超音波を送受信する超音波トランスデューサ部10が配置されている。
図3は、図2に示す超音波内視鏡1の先端を拡大して示している。
超音波内視鏡1の先端には、超音波トランスデューサ部10及び回路部11が配置されていると共に、照明窓921、観察窓923、処置具導出孔926、及び、ノズル穴927が設けられている。照明窓921には、光源装置からライトガイドを介して供給される照明光を出射させるための照明用レンズ922が装着されている。また、観察窓923には、対物レンズ924が装着されており、この対物レンズ924の結像位置に、イメージガイドの入力端又はCCDカメラ等の固体撮像素子925が配置されている。
処置具導出孔926は、操作部912に設けられた処置具挿入口915(図2)から挿入された処置具等を導出させる孔である。この孔から鉗子等の処置具を被検体の体腔内に突き出し、操作部912においてこれを操作することにより、種々の処置が行われる。さらに、ノズル孔927は、照明窓921及び観察窓923を洗浄するための液体を供給するために設けられている。
図4は、図3に示す超音波トランスデューサ部10及び回路部11の構成を示す図である。図4に示すように、超音波トランスデューサ部10は、円周上に並べられた複数の超音波トランスデューサTR1、TR2、…を含んでいる。本実施形態においては、直径が約11.5mmの円の円周上に、256個の超音波トランスデューサTR1〜TR256が配列されている。
各超音波トランスデューサTR1〜TR256は、例えば、4MHz〜20MHzの周波数帯域を含む広帯域な周波数特性を有する振動子である。各超音波トランスデューサTR1〜TR256は、圧電体101と、圧電体101の両面に配置された電極102及び103とを含んでいる。圧電体101は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電体等によって形成されている。また、一方の電極102の引き出し配線は、回路部11の分配部C1−01〜64に接続されている。さらに、他方の電極103の引き出し配線は、共通配線に接続されている。この共通配線は、超音波観測装置本体において接地配線に接続されている。なお、電極103側を共通電極としても良い。また、図4において、分配部C1−01〜64への配線は超音波トランスデューサ部10の外側から引き出されているが、それらの配線を超音波トランスデューサ部10の内側から引き出し、超音波トランスデューサ部10の外側を共通配線又は共通電極としても良い。
このような超音波トランスデューサTR1〜TR256は、駆動信号が印加されることにより伸縮して超音波を発生する。そこで、隣接する複数の超音波トランスデューサ(超音波トランスデューサ群)を、遅延時間を設けて順次駆動することにより、所望の方向に送信される超音波ビームが形成される。このような超音波ビームを、異なる位置に配置された複数の超音波トランスデューサ群を用いて、同時又はほぼ同時に形成することにより、複数の超音波ビーム(マルチビーム)が送信される。さらに、それらの超音波ビームの方向を送信タイミングに応じてずらすことにより、マルチビームによって被検体内がラジアル走査される。
また、超音波トランスデューサTR1〜TR256は、被検体において発生した超音波エコーを受信し、それを電気信号に変換して受信信号として出力する。この受信信号は、分配部C1−01〜64を介して超音波観測装置本体2に伝送される。
分配部C1−01〜64は、駆動信号供給線SD01〜SD64を介して超音波観測装置本体2にそれぞれ接続されている。また、各分配部C1−01〜64には、64個おき(即ち、約90°間隔)に配置されている4つの超音波トランスデューサが接続されている。例えば、分配部C1−01には、超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193が接続されており、分配部C02には、超音波トランスデューサTR2、TR66、TR130、及び、TR194が接続されている。
このような分配部C1−01〜64の各々は、超音波観測装置本体2において生成され、信号供給線SD01〜SD64を介して伝送される駆動信号を4つの超音波トランスデューサに分配して供給すると共に、それらの超音波トランスデューサによって取得された受信信号を、信号供給線SD01〜SD64を介して超音波観測装置本体2に伝送する。
図5は、図4に示す分配部C1−01の構成を説明するためのブロック図である。なお、分配部C1−02〜64も、図5に示すものと同様の構成を有している。図5に示すように、分配部C1−01は、駆動信号分配部111と、切換部112と、受信信号合成部113とを含んでいる。
駆動信号分配部111は、信号供給線SD01を介して供給される駆動信号を4個の超音波トランスデューサに分配する。
切換部112は、駆動信号の供給と受信信号の取り込みとを切り換えるための4つのスイッチSWを含んでいる。切換部112は、信号供給線SD01から駆動信号が供給されている間には、分割された4つの駆動信号が超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193にそれぞれ供給されるように、スイッチSWを送信モードに切り換える。また、切換部112は、駆動信号が供給されていない間には、超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193から出力された受信信号が受信信号合成部113に入力されるように、スイッチSWを受信モードに切り換える。なお、図5には、送信モードの状態が示されている。
受信信号合成部113は、4つの超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193によってそれぞれ受信された受信信号を合成して出力する。図6は、受信信号合成部113の構成例を示している。受信信号合成部113は、4つの前置増幅器(PREAMP)113と、4つのA/D変換器115と、1つのミキサ116とを有している。4つの超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193からそれぞれ出力された4つの受信信号は、切換部112を介して受信信号合成部113に入力され、前置増幅及びアナログ/ディジタル変換された後で、ミキサ116において時分割多重等により合成される。このようにして生成された合成受信信号が、信号線SD01を介して超音波観測装置本体2に入力される。
再び、図1を参照すると、超音波観測装置本体2は、制御部20と、操作卓21と、記録部22と、送信ビーム設定部23と、ビーム情報記憶部24と、送信制御部25と、送信タイミング設定部26と、駆動信号発生部27と、受信制御部28と、送受信切換部29と、受信信号処理部30と、音線データ処理部31と、Bモード画像データ生成部32と、画像メモリ33と、画像処理部34と、表示部35とを含んでいる。
制御部20は、例えば、CPU(中央演算処理装置)とソフトウェアとによって構成されており、超音波観測装置本体2の各部を制御している。
操作卓21は、種々の命令や情報を入力するためにオペレータによって操作される入力装置であり、オペレータの操作に従って、超音波内視鏡1における超音波観測動作の開始/停止を制御するための制御信号等を制御部20に出力する。操作卓21は、キーボード、タッチパネル等の入力デバイスや、マウス等のポインティングデバイスや、調節ツマミや、入力ボタン等を含んでいる。超音波観察を行う際にオペレータによって入力される情報としては、超音波ビームの本数(1〜4本)、超音波ビームの焦点距離(焦点深度)、超音波ビームの周波数等がある。
記録部22は、CPUに動作を実行させるための基本プログラムや、種々の処理を行うために用いられるプログラム(ソフトウェア)や、それらの処理に用いられる情報等を記録するための記録媒体を制御する。なお、記録媒体としては、内蔵のハードディスクの他に、外付けハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、又は、DVD−ROM等を用いても良い。
送信ビーム設定部23には、超音波ビームの周波数や焦点距離に対応する適切な開口幅や駆動信号の波形等の情報が格納されているビーム情報記憶部24が備えられている。送信ビーム設定部23は、制御部20の制御の下で、ビーム情報記憶部24から必要な情報を読み出すことにより、超音波の送信開始位置、焦点距離及び送信方向に応じた遅延パターン、焦点距離及び焦点径に応じた開口幅、送信角度間隔、並びに、超音波の送信周波数を設定する。
送信制御部25は、送信ビーム設定部23によって設定された情報に基づいて、超音波トランスデューサTR1、TR2、…に供給される駆動信号に関する設定を行う。具体的には、送信制御部25の送信開口設定部251、送信フォーカス設定部252、及び、送信周波数設定部253が次の設定を行う。
送信開口設定部251は、4つの超音波トランスデューサ群を送信開口として設定する。この設定は、後述する送信タイミング設定部26によって設定される駆動信号の送信タイミングに同期して行われる。例えば、図7に示すように、90°ずつ離れた4つの位置PT1〜PT4からラジアル走査を開始する場合には、最初の送信タイミングにおいて、それらの位置PT1〜PT4を含む4つの超音波トランスデューサ群(超音波トランスデューサTR254〜TR4、TR62〜TR68、TR126〜TR132、及び、TR190〜TR196)が送信開口として設定される。また、次の送信タイミングにおいては、送信角度間隔に応じてラジアル走査方向にシフトされた4つの超音波トランスデューサ群が送信開口として設定される。例えば、送信角度間隔を360°/256とする場合には、超音波トランスデューサTR255〜TR5、TR63〜TR69、TR127〜TR133、及び、TR191〜TR197が次の送信開口となる。
送信フォーカス設定部252は、送信ビーム設定部23によって設定された遅延パターンに基づいて、各超音波トランスデューサに供給される駆動信号に与えられる遅延時間を設定する。図8は、超音波トランスデューサTR254〜TR4に与えられる遅延パターンを示している。
送信周波数設定部253は、各超音波トランスデューサに与えられる駆動信号の周波数を設定する。
送信タイミング設定部26は、制御部20の制御の下で、超音波ビームの送信タイミング、又は、パルス繰り返し数(PRF:pulse repetition frequency)を設定する。
駆動信号発生部27は、超音波トランスデューサ部10に含まれる複数の超音波トランスデューサTR1〜TR256(図4)に対応する複数のパルサを含んでいる。各パルサは、送信制御部25において行われた設定に従って、所定の周波数を有する駆動信号を、送信タイミング設定部26において設定された送信タイミング又はPRFに従って発生する。それにより、各送信開口に含まれる複数の超音波トランスデューサから、複数の超音波が、設定された時間差を伴ってそれぞれ発生する。その結果、図8に示すように、それらの超音波の重ね合わせによって、設定された深度に焦点を有する超音波ビームが形成される。本実施形態においては、90°ずつ離れた4つの超音波トランスデューサに同じ駆動信号が同じタイミングで供給されるので、そのような超音波ビームが、同時に4つの方向に送信される。
受信制御部28は、制御部20の制御の下で、超音波トランスデューサTR1〜TR256から出力された受信信号についての信号処理及び画像データの生成処理を制御する。具体的には、受信制御部28の受信開口設定部281、受信フォーカス設定部282、及び、受信周波数設定部283が次の設定を行う。
受信開口設定部281は、送信制御部25において設定された複数の送信開口に対応する複数の受信開口を設定する。受信開口として設定される超音波トランスデューサ群は、送信開口として設定される超音波トランスデューサ群と同じであっても良いし、送信開口として設定される超音波トランスデューサ群を含む、より広い範囲の超音波トランスデューサ群であっても良い。
受信フォーカス設定部282は、各受信開口に含まれる複数の超音波トランスデューサからそれぞれ出力される複数の受信信号に与えられる遅延時間を、受信開口ごとに設定する。このような遅延時間の設定(受信フォーカス設定)は、後述する受信フォーカス処理において用いられる。
受信周波数設定部283は、設定された周波数に応じて受信周波数帯域を設定する。
送受信切換部29は、駆動信号発生部27において発生した駆動信号の超音波内視鏡1への供給と、受信信号処理部30における受信信号の取り込みとを、所定のタイミングで切り換える。このように受信信号の取り込み時間帯を限定することにより、送信された超音波ビームが被検体の特定の深度において反射されることにより生じる超音波エコーを検出することができる。
図9は、図1に示す受信信号処理部30及び音線データ処理部31の構成を示すブロック図である。
受信信号処理部30は、分配部C1−01〜64に対応する64の入力チャンネルを含んでいる。各チャンネルには、入力された受信信号(受信データ)を4つの超音波ビームに対応する4種類の受信データに分離するマルチプレクサ(MUX)301が備えられている。マルチプレクサ301において分離された受信データは、そのチャンネルに対応する分配部C1−01〜64(図4)に接続されている4つの超音波トランスデューサからそれぞれ出力された受信信号に相当する。
音線データ処理部31は、受信フォーカス処理部311と、受信フィルタ処理部312と、メモリ(1次メモリ)313と、ゲイン/階調処理部314とを有している。受信フォーカス処理部311は、マルチプレクサ301から出力された受信データを入力するための(即ち、超音波トランスデューサTR1〜TR256に対応する)複数の入力チャンネルを有している。受信フォーカス処理部311は、それらの入力チャンネルに入力される受信データの値を、受信フォーカス設定部282において設定された遅延時間を与えて加算する。それにより、設定された方向に焦点が絞り込まれた受信ビームを表す音線データが生成される。
受信フィルタ処理部312は、音線データに包絡線検波処理を施す。また、メモリ313は、受信フィルタ処理部312から出力された音線データを順次格納する。このメモリ313に1フレーム分の音線データ(フレームデータ)が蓄積されると、フレームデータがゲイン/階調処理部314に出力される。ゲイン/階調処理部314は、受信制御部28の制御の下で、メモリ313から出力されたフレームデータについて、距離による減衰の補正、及び、超音波ビームの送信周波数に応じた階調補正を行う。
再び、図1を参照すると、Bモード画像データ生成部32は、音線データ処理部31において生成されたフレームデータについて、走査フォーマットを変換するDSC(ディジタル・スキャン・コンバータ)処理を行う。それにより、超音波ビームの走査空間における音線方向の画像情報を表す音線データが、物理空間における表示用の画像データに変換される。即ち、Bモード画像データ生成部32は、超音波内視鏡1のラジアル走査方式に対応する座標変換処理及び補間処理を音線データに施すことにより、画像表示範囲に対応するリサンプリングを行う。
画像メモリ(2次メモリ)33は、Bモード画像データ生成部32において生成されたBモード画像データを格納する。
画像処理部34は、画像メモリ33に格納されているBモード画像データについて、ゲイン調整及びコントラスト調整を含む線形の階調処理や、γ補正を含む非線形な階調処理等の必要な画像処理を施すと共に、ディジタルの画像データをアナログの画像信号に変換して出力する。
表示部35は、ラスタスキャン方式のCRTディスプレイ又はLCDディスプレイであり、画像処理部34から出力された画像信号に基づいて超音波画像を表示する。
以上説明したように、本実施形態によれば、4本のマルチビームにより被検体内をラジアル走査するので、シングルビームを用いる場合に比較して、1フレーム辺りの超音波画像情報を取得する時間を約1/4に短縮することができる。従って、シングルビームと同程度の分解能を維持する場合には、フレームレートを約4倍に向上させることができる。また、シングルビームと同程度のフレームレートを維持する場合には、分解能を約4倍に向上させることができる。
また、本実施形態によれば、超音波内視鏡内に分配部を設けることにより、256個の超音波トランスデューサに対して、超音波内視鏡と超音波観測装置本体との間における信号線の数を64(=256/4)本まで低減することが可能となる。そのため、共通配線を含めると総配線数が65(=64+1)本となるので、これらの配線を収納するケーブルを細くすることができる。従って、超音波内視鏡の取り扱いが容易になると共に、患者の身体的負担を低減することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る超音波観測装置について、図10〜図17を参照しながら説明する。図10は、本実施形態に係る超音波観測装置の構成を示すブロック図である。また、図11は、本実施形態に係る超音波撮像装置によって超音波ビームが送信される様子を示す模式図である。本実施形態に係る超音波観測装置は、焦点距離が互いに異なるマルチビームTB1〜TB4によって被検体をラジアル走査できることを特徴としている。
図10に示すように、この超音波観測装置は、超音波内視鏡3及び超音波観測装置本体4を含んでいる。超音波内視鏡3は、超音波トランスデューサ部10及び回路部40を含んでいる。回路部40は、図4に示す分配部C1−01〜64の替わりに、分配部C2−01〜64を含んでいる。これらの分配部C2−01〜64には、図4に示すのと同様に、駆動信号供給線SD01〜SD64、及び、制御信号供給線SC01〜SC64がそれぞれ接続されている。超音波トランスデューサ部10の構成、及び、超音波トランスデューサTR1〜TR256と分配部C2−01〜64との接続形態については、図4に示す回路部11におけるものと同様である。
図12は、図10に示す分配部C2−01の構成を示す図である。なお、分配部C2−02〜64も、同様の構成を有している。図12に示すように、分配部C2−01は、マスク信号生成部121と、駆動信号形成部122と、切換部123と、受信信号合成部124とを含んでいる。
マスク信号生成部121は、超音波観測装置本体4において生成され、制御信号供給線SC01を介して供給されるマスク制御信号に従って、4つの超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193の駆動タイミング及び駆動時間を制御するための4つのマスク信号を生成する。なお、マスク信号の具体例については、後で詳しく説明する。
駆動信号形成部122は、4つのアンドゲートGTを含んでいる。信号供給線SD01を介して供給された駆動信号は、駆動信号形成部122において4つに分割され、それぞれのアンドゲートGTに入力される。各アンドゲートGTは、入力された駆動信号とマスク信号生成部121において生成されたマスク信号との論理積を取って出力する。それにより、4つの超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193をそれぞれ駆動するための4つの駆動信号が形成される。
切換部123は、駆動信号の供給と超音波受信信号の受信とを切り換えるための4つのスイッチSWを含んでいる。切換部123は、信号供給線SD01から駆動信号が供給されている間には、駆動信号形成部122から出力された4つの駆動信号が超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193にそれぞれ供給されるように、スイッチSWを送信モードに切り換える。また、切換部123は、駆動信号が供給されていない間には、超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193から出力された受信信号が受信信号合成部124に入力されるように、スイッチSWを受信モードに切り換える。なお、図12には、送信モードの状態が示されている。
受信信号合成部124は、4つの超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及びTR193からそれぞれ出力された4つの受信信号を順次取り込み、それらを合成して超音波観測装置本体4に出力する。図13の(a)〜(d)は、受信信号合成部124における受信信号の取り込みパターンを示している。例えば、超音波ビームの最初の送信時(図11参照)には、超音波ビームの焦点深度が浅い方から順に受信信号を取り込むように、図13の(a)に示す取り込みパターンが設定される。そして、駆動信号に同期したカウンタに基づいて、例えば、64カウントごとに、取り込みパターンが(a)→(b)→(c)→(d)→(a)…の順に切り換えられる。それにより、超音波ビームTB4、TB3、TB2、TB1によって走査することにより取得された受信信号が、常にこの順で合成されて、受信信号合成部124から出力される。
再び、図10を参照すると、超音波観測装置本体4は、図1に示す送信制御部25、受信制御部28、受信信号処理部30、音線データ処理部31、及び、Bモード画像データ生成部32の替わりに、送信制御部41、受信制御部42、受信信号処理部43、音線データ処理部44、及び、Bモード画像データ生成部45を有しており、さらに、Bモード画像合成部46を有している。
送信制御部41は、送信ビーム設定部23において設定された情報(即ち、超音波ビームの本数、超音波の送信開始位置、焦点距離及び送信方向に応じた遅延パターン、焦点距離及び焦点径に応じた開口幅、送信角度間隔、並びに、超音波の送信周波数)に基づいて、超音波トランスデューサTR1、TR2、…(図4)に供給される駆動信号に関する設定を行う。具体的には、送信制御部41の送信開口設定部411、送信フォーカス設定部412、及び、送信周波数設定部413が次の設定を行う。
送信開口設定部411は、4つの超音波トランスデューサ群を送信開口として設定する。この設定は、送信タイミング設定部26によって設定される駆動信号の送信タイミングに同期して行われる。例えば、図11に示すように、90°ずつ離れた4つの位置PT1〜PT4から、4つの超音波ビームTB1〜TB4によるラジアル走査を開始する場合には、それらの位置PT1〜PT4を含む超音波トランスデューサTR253〜TR5、TR62〜TR68、TR127〜TR131、TR193〜TR194が送信開口として設定される。また、次の送信タイミングにおいては、送信角度間隔に応じてラジアル走査方向にシフトされた4つの超音波トランスデューサ群(例えば、超音波トランスデューサTR254〜TR6、TR63〜TR69、TR128〜TR132、及び、TR194〜TR195)が送信開口として設定される。
ここで、超音波ビームにおいては、焦点深度を深くするほど、焦点径が大きくなって方位分解能が低下する。そのため、深部においても浅部と同程度の方位分解能を維持するためには、送信開口を広く取ることにより焦点径を絞る必要がある。そのため、図11においては、焦点深度が深いほど開口径を広くしている。
送信フォーカス設定部412は、送信ビーム設定部23によって設定された遅延パターンに基づいて、各超音波トランスデューサに供給される駆動信号に与えられる遅延時間を設定する。
送信周波数設定部413は、各超音波トランスデューサに与えられる駆動信号の周波数を設定する。
送信制御部41は、これらの各部411〜413によって設定された情報を、制御信号供給線を介して、超音波内視鏡3の回路部40に供給する。
受信制御部42の受信開口設定部421は、送信制御部41において設定された複数の送信開口に対応する複数の受信開口を設定する。また、受信フォーカス設定部422は、各受信開口に含まれる複数の超音波トランスデューサからそれぞれ出力される複数の受信信号に与えられる遅延時間を、超音波ビームの焦点距離に応じて設定する。受信周波数設定部423は、送信された超音波ビームの周波数に応じて、受信周波数帯域を設定する。画像域設定部424は、受信フォーカス処理によって形成される受信ビームの焦点距離に応じて、その受信ビームに基づいて生成される超音波画像の適切な表示範囲(画像域)を設定する。即ち、受信ビームによって表される画像においては、焦点を中心とする所定の深度範囲が最も明確に表示されるので、そのような範囲を切り出すために画像域が設定される。例えば、図14に示すように、焦点距離を8cm、4cm、2cm、0.5cmとする4本の受信ビームについて、画像域A、B、C、Dがそれぞれ設定される。
図15は、受信信号処理部43及び受信フォーカス処理部44の構成を示すブロック図である。
受信信号処理部43は、複数の分配部C2−01〜64に対応する複数の入力チャンネルを有している。分配部C2−01〜64から出力された合成受信信号は、対応するチャンネルの前置増幅器431において前置増幅され、A/D変換器432においてアナログ/ディジタル変換される。さらに、それによって得られた受信データは、マルチプレクサ(MUX)433において、4つの超音波ビームに対応する4種類の受信データに分離される。受信データの分割タイミングは、図12に示す受信信号合成部124における受信信号の取り込みタイミング(図13参照)に対応して設定される。
受信データ処理部44は、音線データを生成するための4つの処理系統441a〜444a、441b〜444b、441c〜444c、441d〜444dを含んでいる。各マルチプレクサ433において時分割された受信データは、これらの4つの処理系統に順次入力される。それにより、これらの4つの処理系統に、焦点距離の異なる4本の超音波ビームTB1〜TB4(図11)によって得られた超音波画像情報を表す受信データがそれぞれ入力される。
受信フォーカス処理部441a、441b、441c、441dの各々は、入力される受信データに受信フォーカス設定部422において設定された遅延時間を与え、それらの値を加算することにより、設定された方向及び深度に焦点が絞り込まれた受信ビームを表す音線データを生成する。受信フィルタ処理部442a、442b、442c、442dは、それぞれの受信フォーカス処理部441a、441b、441c、441dにおいて生成される音線データについて、受信周波数設定部423において設定された受信周波数帯域に従ってバンドパスフィルタ処理を施すことにより、所定の帯域に周波数が制限された音線データを生成すると共に、さらに包絡線検波処理を施すことにより、検波処理が施された音線データを出力する。メモリ443a、443b、443c、443dは、それぞれの受信フィルタ処理部442a、442b、442c、442dから出力される音線データを順次格納する。これらのメモリ443a、443b、443c、443dの各々に1フレーム分の音線データ(フレームデータ)が蓄積されると、フレームデータがゲイン/階調処理部444a、444b、444c、444dに出力される。ゲイン/階調処理部444a、444b、444c、444dは、受信制御部42(図10)の制御の下で、それぞれのメモリ443a、443b、443c、443dから出力されたフレームデータについて、距離による減衰の補正、及び、超音波ビームの送信周波数に応じた階調補正を行う。
再び、図10を参照すると、Bモード画像データ生成部45は、音線データ処理部44の4つのデータ処理系統(図15参照)の各々において生成されたフレームデータについて、走査フォーマットを変換するDSC(ディジタル・スキャン・コンバータ)処理を行う。それにより、焦点距離の異なる4本の超音波ビームを用いて4種類の画像データが生成される。
Bモード画像合成部46は、画像域設定部424において設定された画像域A〜Dと、Bモード画像データ生成部45において生成された4種類のBモード画像データとに基づいて、焦点距離の異なる複数のBモード画像を合成する処理を行う。それにより、図16に示すように、各超音波画像における焦点付近の領域がつなぎ合わせられた合成Bモード画像を表す画像データが生成される。
次に、分配部C2−01〜64のマスク信号生成部121(図12)において生成されるマスク信号の具体例について、図4及び図11〜図17を参照しながら説明する。なお、図4においては、分配部C1−01〜64の替わりに、図12に示す構成を有する分配部C2−1〜64が配置される。
図11に示すように、超音波トランスデューサ部10の位置PT1〜PT4から、焦点距離が異なる4本の超音波ビームTB1〜TB4によるラジアル走査を開始する場合には、開口幅が異なる4つの超音波トランスデューサ群(超音波トランスデューサTR253〜TR5、TR62〜TR68、TR127〜TR131、及び、TR192〜TR194)が送信開口として設定される。ここで、焦点距離に応じて開口幅を変化させるのは、焦点距離にかかわらず、方位分解能をほぼ一定に維持するためである。
最初の送信タイミングにおいて、超音波観測装置本体4において生成された駆動信号及びマスク制御信号が、それらの超音波トランスデューサに接続されている分配部C2−01〜05及びC2−61〜64に供給される。それに応じて、各分配部C2−01〜05及びC2−61〜64において、マスク信号生成部121が、マスク制御信号に従って図17に示すマスク信号(1)〜(20)を生成する。なお、それ以外の分配部においては、インヒビット信号を生成するようにしても良いし、そのような分配部には超音波観測装置本体4から駆動信号を供給しないようにしても良い。
ここで、マスク信号(1)〜(4)は、分配部C2−05及びC2−61において、超音波トランスデューサTR5、TR69、TR133及びTR197、並びに、超音波トランスデューサTR253、TR61、TR125及びTR189のためにそれぞれ生成される。マスク信号(5)〜(8)は、分配部C2−04及びC2−62において、超音波トランスデューサTR4、TR68、TR132及びTR196、並びに、TR254、TR62、TR126、TR190のためにそれぞれ生成される。マスク信号(9)〜(12)は、分配部C2−03及びC2−63において、超音波トランスデューサTR3、TR67、TR131及びTR195、並びに、TR255、TR63、TR127、TR191のためにそれぞれ生成される。マスク信号(13)〜(16)は、分配部C2−02及びC2−64において、超音波トランスデューサTR2、TR66、TR130及びTR194、並びに、TR256、TR64、TR128、TR192のためにそれぞれ生成される。マスク信号(17)〜(20)は、分配部C2−01において、超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129及びTR193のためにそれぞれ生成される。
各分配部の駆動信号形成部122においては、マスク信号と駆動信号との論理積を取ることにより、それぞれの超音波トランスデューサに供給される駆動信号が形成される。その結果、送信開口として設定された超音波トランスデューサTR253〜TR5から、ビームTB1の遅延パターンに従う超音波が送信されて、超音波ビームTB1が形成される。同様に、送信開口として設定された超音波トランスデューサTR62〜TR68、TR127〜TR131、及び、TR192〜TR194から、ビームTB2、TB3、及び、TB4の遅延パターンに従う超音波がそれぞれ送信されて、超音波ビームTB2、TB3、及び、TB4がそれぞれ形成される。
また、次の送信タイミングにおいては、送信角度間隔に応じてラジアル走査方向にシフトされた4つの超音波トランスデューサ群が送信開口として設定されると共に、各分配部において、超音波観測装置本体4から供給されたマスク制御信号に従ってマスク信号が生成される。例えば、送信角度間隔を360°/256とする場合には、超音波トランスデューサTR255〜TR5、TR63〜TR69、TR127〜TR133、及び、TR191〜TR197が送信開口として設定される。そして、分配部C2−02においてマスク信号(17)〜(20)が生成され、分配部C2−01及びC2−03においてマスク信号(13)〜(16)が生成され、分配部C2−64及びC2−04においてマスク信号(9)〜(12)が生成され、分配部C2−63及びC2−05においてマスク信号(5)〜(8)が生成され、分配部C2−62及びC2−06においてマスク信号(1)〜(4)が生成される。さらに、超音波ビームの送信タイミングに至る毎に、各分配部のマスク信号生成部121において生成されるマスク信号群は同様にシフトする。
このようなマスク信号生成部121は、マスク制御信号及びクロック信号によって動作するカウンタを用いて構成される。この場合には、マスク信号生成部121の構成を簡単にできるというメリットがある。或いは、予め用意された複数パターンの遅延回路を、駆動信号をカウントするカウンタのカウント値に基づいて切り換えるようにしても良い。この場合には、マスク制御信号供給線の線数を削減できるというメリットがある。
以上説明したように、本実施形態によれば、回路部においてマスク信号を生成することにより、超音波観測装置本体において生成された1つの駆動信号を、複数の超音波トランスデューサに異なるタイミングで供給することができるようになる。それにより、互いに焦点距離の異なるマルチビームによって被検体内をラジアル走査することが可能となる。従って、焦点が適切に設定された超音波ビームによって被検体内の各深度領域を走査する所謂多段フォーカス撮像を、フレームレートの低下を招くことなく行うことができるので、超音波画像の画質を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、256個の超音波トランスデューサに対して、超音波内視鏡と超音波観測装置本体との間における配線数を、例えば、128本(駆動/受信信号伝送用として256/4本、制御信号供給用として256/4本)に低減することが可能となる。従って、これらの配線を収納するケーブルを細くすることが可能となるので、超音波内視鏡の取り扱いが容易になると共に、患者の身体的負担を低減することが可能となる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る超音波観測装置について、図11及び図18〜図23を参照しながら説明する。図18は、本実施形態に係る超音波観測装置の構成を示すブロック図である。図18に示すように、この超音波観測装置は、超音波内視鏡5及び超音波観測装置本体6を含んでいる。本実施形態に係る超音波観測装置は、互いに周波数が異なる複数の超音波ビーム(マルチビーム)によって被検体をラジアル走査することを特徴としている。その際には、図11に示す超音波ビームTB1〜TB4と同様に、それらの超音波ビームの焦点距離を変化させても良い。その理由は、超音波ビームは、周波数が低いほど被検体の深部まで到達できるが、それに伴い距離分解能が低下するので、周波数に応じて適切な焦点距離を設定することにより、深度ごとに最良の超音波画像情報を取得するためである。
超音波内視鏡5は、超音波トランスデューサ部10及び回路部60を含んでいる。回路部60は、図4に示す分配部C1−01〜64の替わりに、複数の分配部C3−01〜64を含んでいる。これらの分配部C3−01〜64には、図4に示すのと同様に、駆動信号供給線SD01〜SD64、及び、制御信号供給線SC01〜SC64がそれぞれ接続されている。超音波トランスデューサ部10の構成、及び、超音波トランスデューサTR1〜TR256と分配部C3−01〜64との接続形態については、図4に示す回路部11におけるものと同様である。
図19は、図18に示す分配部C3−01の構成を示すブロック図である。なお、分配部C3−02〜64も、図19に示すものと同様の構成を有している。
図19に示すように、分配部C3−01は、マスク信号生成部131と、分周部132と、駆動信号形成部133と、第1切換部134と、第2切換部135と、受信信号合成部136とを含んでいる。
マスク信号生成部131は、超音波観測装置本体4において生成され、制御信号供給線SC01を介して供給されるマスク制御信号に従って、4つの超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193の駆動タイミング及び駆動時間を制御するための4つのマスク信号を生成する。図20は、マスク信号生成部131において生成されるマスク信号のパターンを示している。
分周部132は、第1分周部DV1と、第2分周部DV2と、第3分周部DV3を含んでいる。また、駆動信号形成部133は、4つのアンドゲートGT1〜GT4を含んでいる。
各分周部DV1〜DV3は、入力された駆動信号を分周することにより、その周波数を1/2にして出力する。例えば、周波数が20MHzの駆動信号が分周部132に入力された場合に、その駆動信号は分岐されて、アンドゲートGT4及び第1分周部DV1に入力される。第1分周部DV1は、入力された20MHzの駆動信号を分周することにより、10MHzの駆動信号をアンドゲートGT3及び第2分周部DV2に出力する。第2分周部DV2は、入力された10MHzの駆動信号を分周することにより、5MHzの駆動信号をアンドゲートGT2及び第3分周部DV3に出力する。第3分周部DV3は、入力された5MHzの駆動信号を分周することにより、2.5MHzの駆動信号をアンドゲートGT1に出力する。
図21に示すように、アンドゲートGT1〜GT4は、入力された駆動信号(下段)とマスク信号生成部131において生成されたマスク信号(上段)との論理積を取ることにより、周波数及び駆動タイミングが調節された駆動信号(太線)を形成する。
ここで、図3、図11、及び、図20を参照しながら、マスク信号生成部131において生成されるマスク信号の具体例について説明する。
図11に示すように、4つの位置PT1〜PT4から、周波数が異なる4本の超音波ビームTB1〜TB4によるラジアル走査を開始する場合には、開口幅が異なる4本の超音波トランスデューサ群TR253〜TR5、TR62〜TR68、TR127〜TR131、及び、TR192〜TR194が送信開口として設定される。
図20は、超音波ビームの最初の送信タイミングの際に、送信開口として設定された超音波トランスデューサに接続されている分配部において生成されるマスク信号を表している。即ち、分配部C3−61及びC3−05においてはマスク信号(1)〜(4)が生成され、分配部C3−62及びC3−04においてはマスク信号(5)〜(8)が生成され、分配部C3−63及びC3−03においてはマスク信号(9)〜(12)が生成され、分配部C3−64及びC3−02においてはマスク信号(13)〜(16)が生成され、分配部C3−01においてはマスク信号(17)〜(20)が生成される。なお、それ以外の分配部においては、インヒビット信号を生成するようにしても良いし、そのような分配部には超音波観測装置本体6から駆動信号を供給しないようにしても良い。
図20に示すマスク信号の内で、マスク信号(1)、(5)、(9)、(13)、(17)は、周波数が2.5MHzの超音波ビームを生成するための駆動パターンを形成しており、各分配部において、駆動信号形成部133のアンドゲートGT1に供給される。また、マスク信号(2)、(6)、(10)、(14)、(18)は、周波数が5MHzの超音波ビームを生成するための駆動パターンを形成しており、各分配部においてアンドゲートGT2に供給される。さらに、マスク信号(3)、(7)、(11)、(15)、(19)は、周波数が10MHzの超音波ビームを生成するための駆動パターンを形成しており、各分配部においてアンドゲートGT3に供給される。また、マスク信号(4)、(8)、(12)、(16)、(20)は、周波数が20MHzの超音波ビームを生成するための駆動パターンを形成しており、各分配部においてアンドゲートGT4に供給される。
また、次の送信タイミングにおいては、送信角度間隔に応じてラジアル走査方向にシフトされた4つの超音波トランスデューサ群(例えば、超音波トランスデューサTR254〜TR6、TR63〜TR69、TR128〜TR132、及び、TR193〜TR195)が送信開口として設定され、各分配部において超音波観測装置本体6から供給されたマスク制御信号に従ってマスク信号が生成される。例えば、分配部C3−62及びC3−06においてマスク信号(1)〜(4)が生成され、分配部C3−63及びC3−05においてはマスク信号(5)〜(8)が生成され、分配部C3−64及びC3−04においてはマスク信号(9)〜(12)が生成され、分配部C3−01及びC3−03においてはマスク信号(13)〜(16)が生成され、分配部C3−02においてはマスク信号(17)〜(20)が生成される。さらに、超音波ビームの送信タイミングに至る毎に、各分配部のマスク信号生成部131において生成されるマスク信号群が、同様にシフトする。
このようなマスク信号生成部131は、マスク制御信号及びクロック信号によって動作するカウンタを用いて構成しても良い。この場合には、マスク信号生成部131の構成を簡単にできるというメリットがある。或いは、予め用意された複数パターンの遅延回路を、駆動信号をカウントするカウンタのカウント値に基づいて切り換えるようにしても良い。この場合には、マスク制御信号供給線を省略することができるので、超音波内視鏡5と超音波観測装置本体6とを接続する信号線数を削減できるというメリットがある。
再び、図19を参照すると、第1切換部134は、駆動信号形成部133において形成された4種類の駆動信号の出力先(超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、TR193)を、駆動信号と同期するカウンタに基づいて切り換える。図22の(a)〜(d)は、第1切換部134における4つのスイッチングパターンを示している。例えば、図11に示す超音波ビームの最初の送信タイミングの際には、第1切換部134は、図22の(a)に示すスイッチングパターンに設定される。そして、駆動信号に同期したカウンタに基づいて、例えば、64カウントごとに(即ち、超音波ビームを1/4周走査するのに対応するタイミングで)、スイッチングパターンが(a)→(b)→(c)→(d)→(a)…の順に切り換えられる。このように、マスク信号群をシフトさせながら(図20参照)、駆動信号の出力先を切り換えることにより(図22参照)、図11に示す周波数及び焦点距離の異なる4本の超音波ビームTB1〜TB4によるラジアル走査が行われる。
図19に示す第2切換部135は、駆動信号の供給と超音波受信信号の受信とを切り換えるための4つのスイッチSWを含んでいる。第2切換部135は、信号供給線SD01から駆動信号が供給されている間には、第1切換部134から出力された4つの駆動信号が超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193にそれぞれ供給されるように、スイッチSWを送信モードに切り換える。また、第2切換部135は、駆動信号が供給されていない間には、超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193から出力された受信信号が受信信号合成部136に入力されるように、スイッチSWを受信モードに切り換える。なお、図19には、送信モードの状態が示されている。
受信信号合成部136は、4つの超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及びTR193によってそれぞれ受信された4つの受信信号を順次取り込み、それらを合成して超音波観測装置本体6に出力する。受信信号合成部136における受信信号の取り込みパターンは、図13の(a)に示すものと同様である。これらの取り込みパターンは、駆動信号をカウントするカウンタのカウント値に基づいて、例えば、64カウントごとに順次切り換えられる。
再び、図18を参照すると、超音波観測装置本体6は、図10に示す送信制御部41及び受信制御部42の替わりに、送信制御部61及び受信制御部62を有している。その他の構成については、図10に示す超音波観測装置本体4におけるものと同様である。
送信制御部61は、送信開口設定部411と、送信フォーカス設定部412と、送信周波数設定部610とを有している。これらの内の送信開口設定部411及び送信フォーカス設定部412の動作については、第2の実施形態(図10)におけるものと同様である。また、送信周波数設定部610は、複数の超音波トランスデューサに与えられる駆動信号の周波数を送信開口ごとに設定する。送信制御部61は、これらの各部411、412、及び、610によって設定された情報を、制御信号供給線を介して、超音波内視鏡5の回路部60に供給する。
受信制御部62は、受信開口設定部421と、受信フォーカス設定部422と、受信周波数設定部620と、画像域設定部424とを有している。これらの内の受信開口設定部421、受信フォーカス422、及び、画像域設定部424の動作については、第2の実施形態(図10)におけるものと同様である。また、受信周波数設定部620は、音線データ処理部44の受信フィルタ処理部442a〜442d(図15参照)に対して、送信開口に対応する(即ち、超音波ビームの周波数に応じた)受信周波数帯域を設定する。例えば、先に第2の実施形態において説明したように、受信データ処理部44の4つの処理系統441a〜444a、441b〜444b、441c〜444c、441d〜444dには、超音波ビームTB1〜TB4に関する超音波画像情報を表す受信データがそれぞれ入力されので、受信フィルタ処理部442a〜442dには、2.5MHz、5MHz、10MHz、及び、20MHZを中心とする周波数帯域が設定される。
このような送信制御部61及び受信制御部62における設定に従って超音波ビームの送受信を行い、受信信号処理部43及び音線データ処理部44において生成された音線データに基づいて、超音波の周波数別に4種類のBモード画像データが生成される。さらに、そのようなBモード画像データを、画像域設定部424における設定(図14参照)に従って合成することにより、複数の画像域A〜Dによって構成される合成画像を表す画像データが生成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、超音波観測装置本体から供給された駆動信号を回路部において分周するので、信号線数を削減しつつ、周波数の異なるマルチビームによって被検体内をラジアル走査することができる。従って、超音波内視鏡を交換する手間や、それに伴う患者の身体的負担を要することなく、周波数別のBモード画像を得ることが可能となる。
また、それにより、浅部における高分解能と深部へのビーム深達度とを両立させることのができるので、浅部から深部に渡る広い範囲を、良好な状態で画像化することが可能となる。そのような画像においては、画像域ごとに送信周波数に応じた階調補正処理が為されているので、異なる画像域の間において不自然さがなく、全体的に見やすい画像となる。従って、医療診断において、1つの画像に基づいて適切な判断を下せるようになる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る超音波観測装置について、図23〜図28を参照しながら説明する。図23は、本実施形態に係る超音波観測装置の構成を示すブロック図である。図23に示すように、この超音波観測装置は、超音波内視鏡7及び超音波観測装置本体8を含んでいる。本実施形態に係る超音波観測装置は、互いに周波数が異なるマルチビームによって被検体をラジアル走査し、それによって得られた画像データに基づいてドップラー画像を生成することを特徴としている。
超音波内視鏡7は、超音波トランスデューサ部10及び回路部80含んでいる。回路部80は、図4に示す分配部C1−01〜64の替わりに、複数の分配部C4−01〜64を含んでいる。超音波トランスデューサ部10の構成及び超音波トランスデューサTR1〜TR256と分配部C4−01〜64との接続形態については、図4に示すものと同様である。
図24は、分配部C4−01の構成を示すブロック図である。なお、分配部C4−02〜64も、図24に示すものと同様の構成を有している。
図24に示すように、分配部C4−01は、図19に示す分配部C3−01における受信信号合成部136の替わりに、受信信号合成部140を有している。その他の構成については、分配部C3−01におけるものと同様である。
受信信号合成部140は、分配部C4−01に接続されている4つの超音波トランスデューサに対応する4つの前置増幅器(PREAMP)141及び4つのA/D変換器142と、1つのミキサ143とを有している。4つの超音波トランスデューサTR1、TR65、TR129、及び、TR193から、第2切換部135を介して受信信号合成部140に入力された4つの受信信号は、前置増幅及びアナログ/ディジタル変換された後で、ミキサ143に入力されて合成される。このようにして生成された合成受信信号が、信号線SD01を介して超音波観測装置本体8に入力される。このように複数の受信信号を合成することにより、異なる複数の開口において同時に受信された受信信号(即ち、深度が等しい領域に関する情報)を取得することが可能となる。
再び、図23を参照すると、超音波観測装置本体8は、図18に示す受信信号処理部43の替わりに、受信信号処理部81を有しており、さらに、ドップラー処理部82、画像合成部83、及び、表示形式設定部84を有している。また、本実施形態において、Bモード画像データ生成部45から出力された4種類のBモード画像データは、Bモード画像合成部46及び画像メモリ33の両方に出力される。その他の構成については、図18に示すものと同様である。
図25は、受信信号処理部81の構成を説明するためのブロック図である。図25に示すように、受信信号処理部81は、分配部C4−01〜64に対応する複数のマルチプレクサ(MUX)811を有している。各マルチプレクサ811は、対応する分配部において生成された合成信号を4つの超音波ビームに対応する4種類の受信データに分離し、受信データ処理部44の4つの系統441a〜444a、441b〜444b、441c〜444c、441d〜444aにそれぞれ出力する。分離された受信信号をいずれの系統に出力するかについては、送信制御部61における設定に従う。例えば、4つの受信信号が、周波数の低い順から、受信フォーカス処理部441a、441b、441c、441dに出力される。
図23に示すドップラー処理部82は、音線データ処理部44から出力された音線データに基づいて、受信フォーカス処理が施された受信信号から高周波成分を除去すると共に、その受信信号に対して直交位相検波処理を行う。さらに、ドップラー処理部82は、直交位相検波された受信信号から、血管壁や心臓壁等のスペキュラーエコーの変動によって生じる不要なクラッター成分を取り除く。このようにして、血流からの反射成分のみを抽出したドップラー画像データが生成される。このドップラー画像データは、メモリ33に格納される。
画像合成部83は、Bモード画像データ生成部45において生成された複数種類のBモード画像データによって表される周波数別のBモード画像のいずれか、又は、Bモード画像合成部46において生成された合成Bモード画像データによって表される合成Bモード画像と、ドップラー処理部82において生成されたドップラー画像データによって表されるドップラー画像との合成画像を表す画像データ生成する。合成画像においては、Bモード画像又は合成Bモード画像を輝度によって表し、ドップラー画像を色度によって表すようにしても良い。
表示形式設定部84は、周波数別のBモード画像や、合成Bモード画像や、それらの画像とドップラー画像との合成画像を表示部35に表示する際に、画面における画像の表示形式を設定する。表示させる画像の種類や表示形式は、オペレータが操作卓21を用いて命令を入力することにより選択することができる。表示形式としては、例えば、次に示す形式を選択することができる。
(1)Bモード画像とドップラー画像との合成画像を単独で表示する表示形式(図26)
(2)合成画像と周波数別のBモード画像又は合成Bモード画像とを並べて表示する表示形式(図27)
或いは、Bモード画像データのみを用いて、次のような形式で表示しても良い。
(3)合成Bモード画像のみを表示する表示形式(図16)
(4)周波数別のBモード画像のみを表示する表示形式(図28)
(5)合成Bモード画像及び周波数別のBモード画像を表示する表示形式
表示形式(4)又は(5)を選択する場合には、さらに、表示させるBモード画像の枚数(1〜4枚)、種類(2.5MHz、5MHz、10MHz、20MHz等)、各画像のサイズ、及び、レイアウトを選択することができる。
ここで、本実施形態においては、受信信号を取り込む際に、焦点距離に応じた取り込み時間の制限は行っていない。そのため、図28に示すように、周波数別のBモード画像において、深度が等しい領域を比較することも可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、互いに周波数の異なるマルチビームを用いることにより、通常のシングルビームを用いるのと同程度の撮像時間で複数種類の超音波画像情報を取得できる。従って、そのような超音波画像情報に基づいてBモード画像やドップラー画像やそれらの合成画像を表示させることにより、効率的で良質な医療診断を行うことが可能となる。また、それらの画像の表示形式を、診断目的やユーザが好みに応じて選択できるので、医療診断の現場において診断効率を上げることが可能となる。
本実施形態においては、周波数の異なる4種類の超音波ビームを送信しているが、それらの超音波ビームの内の複数のビームをドップラー画像生成のために確保しても良い。超音波ビームの周波数の組み合わせを変更するためには、回路部80の分周部132に対して予め設定を行っておけば良い。例えば、第2分周部DV2において分周された駆動信号がアンドゲートGT1及びGT2に入力されるように設定しておく。それにより、フレームレートの低下を招くことなく、ドップラー画像とBモード画像との両方を生成することが可能となる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る超音波観測装置について、図29及び図30を参照しながら説明する。図29は、本実施形態に係る超音波観測装置の構成を示すブロック図である。図29に示すように、この超音波観測装置は、超音波内視鏡7及び超音波観測装置本体9を含んでいる。超音波内視鏡7の構成については、図23に示すものと同様である。
図29に示すように、超音波観測装置本体9は、図23に示すドップラー処理部82、画像合成部83、及び、表示形式設定部84の替わりに、周波数処理部91、画像合成部92、及び、表示形式設定部93を有している。その他の構成については、図23に示すものと同様である。
図30に示すように、周波数処理部91は、周波数解析部901と、注目周波数自動決定部902と、抽出周波数演算部903と、周波数画像データ生成部904とを含んでいる。
周波数解析部901は、音線データ処理部44の各データ処理系統から出力された音線データについてFFT(高速フーリエ変換)を施すことにより、それらの音線データに含まれている複数の周波数成分を算出する。
注目周波数自動決定部902は、それらの周波数成分の中から、少なくとも1つの注目すべき周波数成分を自動的に決定する。例えば、注目周波数自動決定部912は、予め定められている周波数を有する成分を注目すべき周波数成分として決定しても良いし、強度の大きい周波数成分を注目すべき周波数成分として決定しても良いし、被検体の深度方向の全部又は一部の領域において大きなピーク又はディップを有する周波数成分を注目すべき周波数成分として決定しても良い。
ここで、超音波エコー強度の大きい部分における特定の組織の周波数特性に関する特徴に基づいて周波数成分を決定することにより、その特定の組織をより強調して表示することができる。一方、超音波エコー強度の小さい部分に着目して周波数成分を決定することにより、多数の弱いエコーが加算され干渉した結果として生じるスペックル成分を低減することも可能である。いずれにしても、SN比を改善することができる。また、複数の周波数成分の相対値を算出する場合には、その相対値に基づいて、特定の組織の2次元的な分布を正確に求めることができる。
抽出周波数演算部903は、注目周波数自動決定部902によって決定された少なくとも1つの注目すべき周波数成分を周波数解析部901から入力し、超音波トランスデューサの送受信における周波数特性の補正等を行う。ここで、超音波トランスデューサの送受信における周波数特性を記録部22に記録しておき、制御部20の制御の下で、抽出周波数演算部903が、周波数解析部901から入力された少なくとも1つの周波数成分の強度を補正するようにすれば、より正確な強度を求めることができる。
抽出周波数演算部903は、音線データ処理部44の複数の信号処理系統から出力された受信データ(即ち、周波数が異なる超音波ビームにより取得されたデータ)の解析結果に基づいて、複数の周波数成分の強度の相対関係として、それらの差を算出する。或いは、相対関係として比を算出しても良い。また、受信信号の周波数成分のみならず、位相成分の抽出して超音波画像の生成に利用すれば、さらに多くの情報を得ることができる。
周波数画像データ生成部904は、抽出周波数演算部903から出力されたデータに基づいて、周波数画像データを生成する。この周波数画像データは、周波数差分画像を表しており、医療診断においては、組織性状を判別する際に用いることができる。この周波数画像データは、画像メモリ33に格納される。
図29に示す画像合成部92は、Bモード画像データ生成部45において生成されたBモード画像データによって表される周波数別のBモード画像のいずれか、又は、Bモード画像合成部46において生成された合成Bモード画像データによって表される合成Bモード画像と、周波数処理部91において生成された周波数画像データによって表される周波数差分画像との合成画像を生成する。合成画像においては、Bモード画像又は合成Bモード画像を輝度によって表し、周波数差分画像を色度によって表すようにしても良い。
表示形式設定部93は、周波数別のBモード画像や、合成Bモード画像や、それらの画像と周波数差分画像との合成画像を表示部35に表示する際に、画面における画像の表示形式を設定する。表示形式としては、合成画像を単独で表示する形式や、合成画像と合成Bモード画像を並べて表示する形式等、様々な形式を採用することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、周波数別のBモード画像と共に、周波数差分画像を生成することができる。この周波数差分画像においては、広帯域パルスに基づいて取得された受信信号を用いる一般的な方法に比較して、SN比が改善されている。従って、周波数差分画像を用いて観察部位の組織性状を診断する場合に、診断の精度を上げることが可能となる。
なお、本実施形態においては、図23に示すドップラー処理部82の替わりに図29に示す周波数処理部91が設けられているが、ドップラー処理部を有する超音波観測装置本体8に周波数処理部91をさらに付加しても良い。
以上説明した本発明の第1〜第5の実施形態においては、音線データを生成する際に、受信フィルタ処理部において送信ビームの周波数に対応する周波数(基本周波数成分)を抽出している。しかしながら、基本周波数成分の整数倍(例えば、2倍)の周波数成分を有する高調波を抽出することにより、ハーモニックイメージングを行っても良い。
また、本発明の第2〜第5の実施形態においては、4本の超音波ビームをマルチビーム送信する場合について説明しているが、4本以下のマルチビーム又はシングルビームによって走査しても良い。その場合には、回路部のマスク信号生成部に対して、動作させない超音波トランスデューサへの駆動信号の供給を遮断するマスク信号を生成するように、予め設定を行っておけば良い。
さらに、本発明の実施形態においては、1つの分配部に4つの超音波トランスデューサを接続することにより、互いに90°離れた4本のマルチビームを送信しているが、分配部に接続される超音波トランスデューサの数を変更することにより、3本以下、又は、5本以上のマルチビーム送信を行うことも可能である。しかしながら、超音波ビームの本数が多くなるほど、隣接する超音波ビームの角度間隔が狭くなる。そのため、クロストークが生じ易くなると共に、送信開口又は受信開口を広く取ることができなくなるので、留意が必要である。マルチビームの本数が4本(角度間隔が90°)の場合には、通常の使用状態においてクロストークはあまり問題になることはない。
本発明は、医療診断のために体内に挿入して超音波断層像を撮影することが可能な超音波内視鏡を備えた超音波観測装置に利用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る超音波観測装置の構成を示すブロック図である。 図1に示す超音波内視鏡の構成を示す模式図である。 図2に示す超音波内視鏡の先端を示す拡大図である。 図3に示す超音波トランスデューサ部及び回路部の構成を示す図である。 図1に示す分配部の構成を示す図である。 図5に示すマルチプレクサの構成を示すブロック図である。 図1に示す超音波観測装置による走査方法を説明するための図である。 超音波ビームの形成方法を説明するための図である。 図1に示す受信信号処理部及び音線データ処理部の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る超音波観測装置の構成を示すブロック図である。 図10に示す超音波観測装置による走査方法を説明するための図である。 図10に示す分配部の構成を示す図である。 図12に示すマルチプレクサにおける受信信号の取り込みパターンを示す図である。 超音波ビームの焦点距離に応じた超音波画像の画像域を示す図である。 図11に示す受信信号処理部及び音線データ処理部の構成を示すブロック図である。 図11に示す超音波観測装置によって生成される合成Bモード画像を示す模式図である。 図12に示すマスク信号生成部において生成されるマスク信号を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る超音波観測装置の構成を示すブロック図である。 図18に示す分配部の構成を示す図である。 図19に示すマスク信号生成部において生成されるマスク信号を示す図である。 図19に示す駆動信号形成部における駆動信号の形成方法を説明するための図である。 図19に示す第1切換部におけるスイッチングパターンを示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る超音波観測装置の構成を示すブロック図である。 図23に示す分配部の構成を示す図である。 図23に示す受信信号処理部及音線データ処理部の構成を示すブロック図である。 図23に示す表示形式設定部において設定される超音波画像の表示形式を示す模式図である。 図23に示す表示形式設定部において設定される超音波画像の表示形式を示す模式図である。 図23に示す表示形式設定部において設定される超音波画像の表示形式を示す模式図である。 本発明の第5の実施形態に係る超音波観測装置の構成を示すブロック図である。 図29に示す周波数処理部の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1、3、5、7 超音波内視鏡
2、4、6、8、9 超音波観測装置本体
10 超音波トランスデューサ部
11、40、60、80 回路部
20 制御部
21 操作卓
22 記録部
23 送信ビーム設定部
24 ビーム情報記憶部
25、41、61 送信制御部
26 送信タイミング設定部
27 駆動信号発生部
28、42、62 受信制御部
29 送受信切換部
30、43、81 受信信号処理部
31、44 音線データ処理部
32、45 Bモード画像データ生成部
33 画像メモリ
34 画像処理部
35 表示部
46 Bモード画像合成部
82 ドップラー処理部
83、92 画像合成部
84、93 表示形式設定部
91 周波数処理部
101 圧電体
102、103 電極
111 駆動信号分配部
112、123 切換部
113、116、124、136、140 受信信号合成部
114、141、431 前置増幅器(PREAMP)
115、142、432 A/D変換器
121、131 マスク信号生成部
122、133 駆動信号形成部
134 第1切換部
124 第2切換部
132 分周部
143 ミキサ
251、411 送信開口設定部
252、412 送信フォーカス設定部
253、413、610 送信周波数設定部
281、421 受信開口設定部
282、422 受信フォーカス設定部
283、423、620 受信周波数設定部
301、433、811 マルチプレクサ(MUX)
311、441a〜441d 受信フォーカス処理部
312、442a〜442d 受信フィルタ処理部
313、443a〜443d メモリ
314、444a〜444d ゲイン/階調処理部
424 画像域設定部
911 挿入部
912 操作部
913 接続コード
914 ユニバーサルコード
915 処置部挿入口
921 照明窓
922 照明用レンズ
923 観察窓
924 対物レンズ
925 固体撮像素子
926 処置具導出孔
927 ノズル孔

Claims (18)

  1. N本の超音波ビーム(Nは2以上の整数)を送信し、該超音波ビームによって被検体の体腔内をラジアル走査することにより、被検体に関する超音波画像を表す画像データを生成する超音波観測装置であって、
    円周上に配列されたM個(MはNの倍数)の超音波トランスデューサであって、各々が、供給される駆動信号に従って超音波を発生すると共に、超音波を受信することにより受信信号を出力する前記M個の超音波トランスデューサと、
    複数の信号線を介して超音波観測装置本体に接続されているM/N個の分配部であって、各々が、前記超音波観測装置本体から供給される駆動信号を前記M個の超音波トランスデューサの内のN個の超音波トランスデューサに供給すると共に、N個の超音波トランスデューサから出力される受信信号を超音波観測装置本体に出力する前記M/N個の分配部と、
    を有する超音波内視鏡と、
    前記M/N個の分配部に供給される複数の駆動信号を発生する駆動信号発生部と、
    前記M/N個の分配部から出力される受信信号をそれぞれ処理するM/N個のチャンネルを含み、各チャンネルが、それぞれの分配部から出力される受信信号に基づいて、前記N個の超音波トランスデューサからそれぞれ出力される複数の受信信号を分離する受信信号処理部と、
    前記受信信号処理部において分離された複数の受信信号に基づいて、超音波画像を表す画像データを生成する画像データ生成部と、
    を有する超音波観測装置本体と、
    を具備する超音波観測装置。
  2. 前記M/N個の分配部の各々が、前記M個の超音波トランスデューサの内の360°/N間隔で配置されたN個の超音波トランスデューサに接続されている、請求項1記載の超音波観測装置。
  3. 前記受信信号処理部によって分離された複数の受信信号に受信フォーカス処理を施すことにより、各々の超音波ビームの受信方向に関する超音波画像情報を表す音線信号を生成する受信フォーカス処理部をさらに具備する請求項1又は2記載の超音波観測装置。
  4. 前記M/N個の分配部の各々が、
    前記超音波観測装置本体から供給される駆動信号を前記N個の超音波トランスデューサに分配する駆動信号分配部と、
    N個の超音波トランスデューサから出力されるN個の受信信号を合成して、合成受信信号を出力する受信信号合成部と、
    前記N個の超音波トランスデューサへの駆動信号の供給と、前記N個の超音波トランスデューサからの受信信号の取り込みとを切り換える切換部と、
    を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の超音波観測装置。
  5. 前記M個の超音波トランスデューサの内からN群の超音波トランスデューサを送信開口として設定すると共に、前記N群の超音波トランスデューサの駆動タイミングを設定する送信制御部をさらに具備する請求項4記載の超音波観測装置。
  6. 前記M/N個の分配部の各々が、
    前記超音波観測装置本体から供給される駆動信号をゲートするためのN個のマスク信号を生成するマスク信号生成部と、
    前記超音波観測装置本体から供給される駆動信号と、前記N個のマスク信号とに基づいて、前記N個の超音波トランスデューサにそれぞれ供給されるN個の駆動信号を形成する駆動信号形成部と、
    前記N個の超音波トランスデューサから出力されるN個の受信信号を合成して、合成受信信号を出力する受信信号合成部と、
    前記N個の超音波トランスデューサへの駆動信号の供給と、前記N個の超音波トランスデューサからの受信信号の取り込みとを切り換える切換部と、
    を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の超音波観測装置。
  7. 前記M個の超音波トランスデューサの内のN群の超音波トランスデューサを送信開口として設定すると共に、前記N群の超音波トランスデューサから送信される超音波によって、互いに焦点深度が異なるN本の超音波ビームがそれぞれ形成されるように、各超音波トランスデューサの駆動タイミングを設定する送信制御部をさらに具備する請求項6記載の超音波観測装置。
  8. 前記画像データ生成部が、焦点深度の異なる複数種類のBモード画像を表す画像データを生成し、
    前記画像データ生成部によって生成された焦点深度の異なる複数種類のBモード画像を表す画像データに基づいて、焦点深度に応じて複数の画像域がつなぎ合わせられたBモード画像を表す画像データを生成する画像合成部をさらに具備する、請求項7記載の超音波観測装置。
  9. 前記M/N個の分配部の各々が、
    前記超音波観測装置本体から供給される駆動信号をゲートするためのN個のマスク信号を生成するマスク信号生成部と、
    前記超音波観測装置本体から供給される駆動信号を分周することにより、互いに周波数の異なるN個の駆動信号を生成する分周部と、
    前記N個のマスク信号と、前記互いに周波数の異なるN個の駆動信号とに基づいて、前記N個の超音波トランスデューサにそれぞれ供給されるN個の駆動信号を形成する駆動信号形成部と、
    前記N個の超音波トランスデューサから出力されるN個の受信信号を合成して、合成受信信号を出力する受信信号合成部と、
    前記N個の超音波トランスデューサへの駆動信号の供給と、前記N個の超音波トランスデューサからの受信信号の取り込みとを切り換える切換部と、
    を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の超音波観測装置。
  10. 前記M/N個の分配部の各々が、前記駆動信号形成部から出力されるN個の駆動信号を、前記N個の超音波トランスデューサの内のいずれに供給するかを切り換える第2の切換部をさらに有する、請求項9記載の超音波観測装置。
  11. 前記M個の超音波トランスデューサの内からN群の超音波トランスデューサを送信開口として設定すると共に、前記N群の超音波トランスデューサから送信される超音波の周波数を送信開口ごとに設定する送信制御部をさらに具備する請求項9又は10記載の超音波観測装置。
  12. 前記送信制御部が、前記N群の超音波トランスデューサから送信される超音波によって、互いに焦点深度が異なるN本の超音波ビームがそれぞれ形成されるように、各超音波トランスデューサの駆動タイミングを設定する、請求項11記載の超音波観測装置。
  13. 前記画像データ生成部が、焦点深度の異なる複数種類のBモード画像を表す画像データを生成し、
    前記画像データ生成部によって生成された焦点深度の異なる複数種類のBモード画像を表す画像データに基づいて、焦点深度に応じて複数の画像域がつなぎ合わせられたBモード画像を表す画像データを生成する画像合成部をさらに具備する、請求項12記載の超音波観測装置。
  14. 前記受信信号処理部によって生成された複数の受信信号に基づいて、ドップラー画像を表す画像データを生成する第2の画像データ生成部をさらに具備する、請求項9〜13のいずれか1項記載の超音波観測装置。
  15. 前記受信信号処理部によって生成された複数の受信信号に基づいて、周波数解析画像を表す画像データを生成する第3の画像データ生成部をさらに具備する、請求項9〜14のいずれか1項記載の超音波観測装置。
  16. 前記第1〜第3の画像データ生成部及び前記画像合成部の内の少なくとも1つにおいて生成された画像データに基づいて、Bモード画像又はドップラー画像又は周波数解析画像を画面に表示するための表示形式を設定する表示形式設定部をさらに具備する請求項13〜15のいずれか1項記載の超音波観測装置。
  17. 前記超音波内視鏡の前記受信信号合成部が、前記N個の受信信号の各々をディジタル変換するA/D変換器と、ディジタル変換されたN個の受信信号を合成するミキサとを有する、請求項4〜16のいずれか1項記載の超音波観測装置。
  18. 前記超音波内視鏡の前記受信信号合成部が、前記N個の受信信号を時分割多重により合成する、請求項4〜16のいずれか1項記載の超音波観測装置。
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