JP2007227429A - AlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法およびMOCVD装置 - Google Patents

AlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法およびMOCVD装置 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶品質の優れたAlN系III族窒化物結晶をエピタキシャル成長させる方法、およびこれを実現する装置を提供する。
【解決手段】反応管31の一部である、気相成長に際して基板が載置される載置部と略対向する対向部31a、つまりはIII族窒化物が付着する可能性のある部分が、非酸化物材料、好ましくはSUSで形成され、これを冷却する冷却配管41を備えており、対向部31aの表面を含む所定領域にはGa含有材料による再飛散防止用の被覆膜32を施してなるMOCVD装置100を用いる。結晶成長時、対向部31aを冷却しつつ基板1をヒータ30によって1100℃〜1250℃に加熱すると、被覆膜32を施した領域は500℃〜900℃に達するが、熱分解反応によって生成したIII族窒化物は、当該領域に飛来した場合には膜状に付着する。いったん付着した後は剥離しにくく、再飛散が起こりにくいので、エピタキシャル膜の汚染は防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、AlN系III族窒化物の気相成長方法およびこれに用いる装置に関する。
III族窒化物結晶を所定の基板上にエピタキシャル成長させる手法として、MOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学的気相成長)法が広く用いられている。例えば、加熱した基板上に原料ガスであるIII族元素の有機金属化合物ガスおよび窒素原子含有ガスを供給して、これらの熱分解反応によって生成されるIII族窒化物を基板上に堆積させることで、結晶成長が行える。このような結晶成長を行えるよう構成されてなる装置である、いわゆるMOCVD装置も、種々の態様のものが知られている。
MOCVD法によってIII族窒化物結晶をエピタキシャル成長させる場合に、その結晶品質を向上させるには、成長中の該III族窒化物結晶のエピタキシャル膜に汚染物が混入することを、できる限り抑制することが必要である。その際には、エピタキシャル形成に無関係な物質を混入させないことはもちろんであるが、エピタキシャル成長させているIII族窒化物結晶と同じ組成のパーティクル等が成長中のエピタキシャル膜上に付着することも、該エピタキシャル膜の結晶品質を劣化させる要因となるので、避けなければならない。
係る点に鑑み、反応管として石英製のものを用い、その内面の一部および基板を載置するサセプタ(表面にSiCのコーティングが施されてなるもの)表面にAlNその他のIII族窒化物よりなる汚染防止膜を形成することで、石英製やSiC製の部材との密着性が悪いIII族窒化物結晶のフレークが落下することによる汚染を抑制してなるMOCVD装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
また、反応管として石英製のものを用い、基板から離れたところで反応が起こることを防止すべく基板近傍までそれぞれの原料ガスを独立して導入する導入管を設けられてなり、かつ、結晶成長中に1000℃以上に加熱される部分(例えばサセプタの表面および側面)にAlNその他のAlリッチなIII族窒化物をコーティングすることで、サセプタ上に堆積するIII族窒化物に起因するエピタキシャル膜の汚染を抑制してなるMOCVD装置が公知である(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−345268号公報 特許3579344号公報
MOCVD法により、AlリッチなIII族窒化物であるAlN系III族窒化物結晶の形成を行うにあたっては、石英製以外の反応管を用いることもできる。この場合においても、上述のような汚染物の混入を抑制することが必要な点は同様である。
しかしながら、特許文献1においては、石英製の反応管を用いる態様が開示されているのみであり、他の材質の反応管を用いる場合に汚染物の混入を抑制する技術について何らの示唆もなされてはいない。また、特許文献1に具体的に開示されているのは、GaNをエピタキシャル成長させる場合のみであり、AlN系III族窒化物の成長に際して好適な汚染防止膜については、石英製の反応管の場合であっても開示はなされてはいない。すなわち、GaN結晶とAlN系III族窒化物結晶とでは、結晶成長の条件が異なることから、汚染物混入防止に求められる条件も異なるが、特許文献1においては、係る態様に関する具体的な開示はなされていない。
また、特許文献2においては、原料ガスとして用いるアンモニアガスによる腐食が生じることを防止すべく、反応管の内壁の、結晶成長中に高温に達する部分にSiC、p−BN等によるコーティングを施す態様について、III族窒化物結晶のパーティクルが発生するという問題点があることが示されている。しかしながら、係るパーティクルの発生そのものを防止する方策について、何ら開示はなされていない。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、結晶品質の優れたAlN系III族窒化物結晶をエピタキシャル成長させる方法、およびこれを実現する装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、反応管内にてAlN系III族窒化物厚膜を所定の基板上に気相成長させる方法であって、反応管の、気相成長の際に基板が載置される載置部と略対向する対向部を少なくとも含む被覆対象部分の内表面に、Ga含有材料による被覆を施す被覆工程と、前記被覆工程を経た反応管を用いて気相成長を行う成長工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の気相成長方法であって、前記被覆対象部分が、気相成長中に300℃以上900℃以下の温度となる部分を含む、ことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の気相成長方法であって、 反応管の前記被覆対象部分を粗面化する粗面化工程、をさらに備え、前記粗面化工程を経た反応管を用いて前記被覆工程を行う、ことを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の気相成長方法であって、前記成長工程の際には前記対向部を冷却する、ことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の気相成長方法であって、前記成長工程の際には前記反応管の全体を冷却する、ことを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の気相成長方法であって、前記Ga含有材料がAlxGa1-xN(0≦x<1)である、ことを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の気相成長方法であって、前記反応管として、前記対向部が、融点が900℃より高い非酸化物材料にて構成されてなる反応管を用いる、ことを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の気相成長方法であって、前記反応管として、前記対向部が金属材料にて構成されてなる反応管を用いる、ことを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の気相成長方法であって、前記反応管として、前記対向部がSUSにて構成されてなる反応管を用いる、ことを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の気相成長方法であって、前記反応管として、全体が前記対向部と同一の材料にて構成されてなる反応管を用いる、ことを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の気相成長方法であって、前記反応管として、いったんIII族窒化物結晶の形成に用いられた反応管を用いる、ことを特徴とする。
また、請求項12の発明は、III族窒化物結晶成長用のMOCVD装置であって、反応管として、基板が載置される載置部と略対向する対向部を少なくとも含む被覆対象部分の内表面にGa含有材料による被覆を施してなる反応管を備える、ことを特徴とする。
また、請求項13の発明は、請求項12に記載のMOCVD装置であって、前記被覆対象部分が、気相成長中に300℃以上900℃以下の温度となる部分を含む、ことを特徴とする。
また、請求項14の発明は、請求項12または請求項13に記載のMOCVD装置であって、前記被覆が、あらかじめ粗面化してなる前記被覆対象部分の表面に施されてなる、ことを特徴とする。
また、請求項15の発明は、請求項12ないし請求項14のいずれかに記載のMOCVD装置であって、前記対向部を冷却する冷却手段、をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項16の発明は、請求項15に記載のMOCVD装置であって、前記冷却手段が前記反応管の全体を冷却するように設けられてなる、ことを特徴とする。
また、請求項17の発明は、請求項12ないし請求項16のいずれかに記載のMOCVD装置であって、前記Ga含有材料がAlxGa1-xN(0≦x<1)である、ことを特徴とする。
また、請求項18の発明は、請求項12ないし請求項17のいずれかに記載のMOCVD装置であって、前記対向部が、融点が900℃より高い非酸化物材料にて構成されてなる、ことを特徴とする。
また、請求項19の発明は、請求項18に記載のMOCVD装置であって、前記対向部が金属材料にて構成されてなる、ことを特徴とする。
また、請求項20の発明は、請求項19に記載のMOCVD装置であって、前記対向部がSUSにて構成されてなる、ことを特徴とする。
また、請求項21の発明は、請求項12ないし請求項20のいずれかに記載のMOCVD装置であって、前記反応管の全体が前記対向部と同一の材料にて構成されてなる、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項10の発明によれば、熱分解反応によって生成したAlN系III族窒化物が付着する可能性のある領域にGa含有材料による再飛散防止用被覆を施してなる反応管を用いて気相成長を行うようにすることで、汚染物となりうるAlN系III族窒化物が反応管に付着する場合には剥離しにくい膜状に付着するようにしているので、汚染物の付着が防止された結晶品質の優れたAlN系III族窒化物結晶を形成することができる。
<装置構成>
図1は、本実施の形態に係る製造装置100の構成を例示する断面模式図である。製造装置100は、MOCVD法を用いて基材1上にIII族窒化物からなる結晶層2をエピタキシャル形成することができる、いわゆるMOCVD装置である。製造装置100は、特に、AlN系III族窒化物にて結晶層2を形成するのに好適である。
製造装置100は、係るエピタキシャル形成のための原料ガスを、基材1の主面上に流すことができるように構成される。製造装置100は、反応性ガスを基材1の主面に導入するための、反応管31を備える。反応管31は、気密の処理容器21内にあり、その2つの外部端は、それぞれ、反応性ガスの導入口22および排気口23となっている。また、反応管31には、基材1の主面上に反応性ガスを接触させるために開口部31hが設けられている。
また、処理容器21の内部には、基材1を載置する基材台(サセプタ)28と、基材台28を処理容器21の内部に支持する支持脚29とが設けられる。基材台28は、その上面である基材1の載置面が、開口部31hに位置するように設けられる。基材台28は、ヒータ30によって温度制御可能である。製造装置100においては、基材1と密着している基材台28の温度を変更することにより、基材1の成長温度を変化させる。換言すれば、ヒータ30を制御することによって基材1の温度は制御可能である。ここで、結晶層2を形成する際の基材1の温度は、SiCをコーティングしたカーボンで構成される厚み(5mm)の基材台28を、波長0.95μmにて裏面から輻射率(0.5)と設定した放射温度計を用いて測定した温度により規定している。
処理容器21の外側にある導入口22には、配管系L1およびL2が接続されている。配管系L1は、アンモニアガス(NH3)を供給するための配管系である。配管系L1には、アンモニアガス、窒素ガスおよび水素ガスの供給源24a、24b、および24cが接続される。一方、配管系L2は、TMA(トリメチルアルミニウム;Al(CH33)、TMG(トリメチルガリウム;Ga(CH33)、TMI(トリメチルインジウム;In(CH33)、CP2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム;Mg(C552)、シランガス(SiH4)、窒素ガスおよび水素ガスを供給するための配管系である。さらに、配管系L2には、窒素ガスおよび水素ガスの供給源24bおよび24cが接続されるほか、TMA、TMG、TMIおよびCP2Mgの供給源24d〜24gが接続される。
TMA、TMG、TMIおよびCP2Mgの供給源24d〜24gは、バブリングを行うために、窒素ガスの供給源24bに接続されている。同様に、TMA、TMG、TMIおよびCP2Mgの供給源24d〜24gは、水素ガスの供給源24cに接続されている。
製造装置100においては、配管系L1から供給されるアンモニアガスが窒素原子の原料ガスとなり、配管系L2から供給されるTMA、TMG、TMIがIII族金属材料の原料ガスとなる。有機金属材料としては、TEA(トリエチルアルミニウム)、TEG(トリエチルガリウム)などの有機金属も用いることができる。なお、CP2Mgおよびシランガスはそれぞれ、p型ドーパントとして機能するMgとn型のドーパントとして機能するSiを導入する場合に供給される。また、いずれの配管系においても、水素(H2)もしくは窒素(N2)、またはその混合ガスがキャリアガスとして機能する。なお、全てのガス供給系は、流量計を用いて、ガス流量が制御される。
配管系L1は、導入口22において導入管25aに連通されてなり、同様に、配管系L2は導入管25bに連通されてなる。これらの導入管25a、25bの他方端部は、基材台28の近傍にまで達している。これにより、それぞれの配管系から供給される原料ガスが基材1と離れた場所において反応することが防止されている。
排気口23には、処理容器21の内部のガスを強制排気する真空ポンプ27が接続されてなる。
反応管31は、基材台28の上面と略対向する部分である対向部31aについては、融点が900℃より高い非酸化物材料にて構成される。また、対向部31aはエピタキシャル成長の際にヒータ30による基材1の加熱に伴って加熱されることから、対向部31aには、これを冷却すべく冷却配管41が配設されてなる。冷却配管41には、冷却水供給源42から対向部31aを冷却するための冷却水が供給される。なお、図1の製造装置100の場合には対応していないが、一度用いた冷却水を再び冷却に用いる、循環供給ができるようになっていてもよい。
対向部31a以外の部分についても、さらには反応管31全体をも、非酸化物材料にて構成する態様であってもよい。加えて、冷却配管41を反応管31の外周全体に設ける態様であってもよい。図2は、製造装置100が、これらに対応する構成を有する場合を例示する図である。
少なくとも対向部31aについては非酸化物材料で構成し、さらには冷却を行うことで、酸化物材料を用いた場合に生じうる、エピタキシャル成長時に高温に達する部分に由来する酸素が不純物となって混入することによる結晶層2の結晶品質の劣化を、抑制することが出来る。特に、AlN系III族窒化物にて結晶層2を形成する場合に、一般に反応管として用いられる、石英(SiO2)を反応管31の部材として用いると、酸素・シリコン不純物の混入により該AlN系III族窒化物の結晶品質が劣化するという問題があるが、非酸化物材料を用いて構成することで、係る状況は抑制される。ただし、以上のことは、酸化物材料を使用する可能性を完全に排除してしまうものではない。酸化物材料を用いて構成した場合であっても、エピタキシャル成長の際に反応管31が達する温度や、後述する再飛散防止用の被覆膜32の厚みによっては、酸素不純物の発生を結晶層2の結晶品質が劣化しない程度にまで抑制出来る可能性はある。また、融点が900℃より高いという要件は、対向部31aの破損を防ぐためである。
非酸化物材料としては、AlN、BN、TiNxなどの窒化物、CaF2などのフッ化物、さらにはMo、W等の高融点金属単体やSUS(ステンレス)などの合金が例示される。加工の容易さを考慮に入れると、対向部31aは金属材料にて構成することが好ましく、さらには、SUSにて構成することがより好ましい。SUSを用いる理由は、原料ガスに対する耐食性が強く長寿命だからである。
さらに、対向部31aの内表面には、Gaを含有する材料、例えばAlxGa1-xN(0≦x<1)による被覆膜32があらかじめ形成されてなる。例えば、5μmの厚みのAl0.5Ga0.5N膜を形成するのが、被覆膜32を形成する場合の好適な一例である。なお、対向部31a以外の領域にまで被覆膜32が形成されてなる態様であってもよい。係る場合も含め、被覆膜32が形成される部分を被覆対象部分とも称する。このような被覆膜32の形成は、結晶成長と同様の圧力条件やガス流量条件のもとでTMAやTMGを反応管31内に供給することで実現できる。係る被覆膜32は、基材1上に結晶層2をエピタキシャル形成する際に、被覆対象部分に付着するAlN系III族窒化物が再びパーティクルとなって飛散することを防止するために設けられるものである。係る汚染防止については次述する。ここで被覆膜32には、成長条件によって不可避的に含まれてしまうH、C、O、Si、B、Inあるいは、遷移金属等の不純物が存在する場合もあるし、導電率制御のために意図的に導入される、Si、Ge、Be、Mg、Zn、Cdといった不純物、あるいは、反応炉材等に由来する不純物を含んでいてもよい。
<エピタキシャル成長と汚染物の混入防止>
上述のような構成を有する製造装置100においてAlN系III族窒化物結晶を成長させる場合に実現される、該AlN系III族窒化物結晶の汚染防止について説明する。
例えば、サファイア単結晶を基材1として用い、AlNを結晶層2として成長させる場合を考える。この場合、基材台28にサファイア単結晶を載置し、これをヒータ30によって1100℃〜1500℃の範囲のある温度に加熱した状態で、配管系L1からはアンモニアガスを、配管系L2からはTMAを、それぞれ所定の流量で供給する。これにより、基材1の上部近傍でアンモニアとTMAとの熱分解反応によってAlNが生成し、これが基材1上に堆積することで結晶層2が基材1の上にエピタキシャル形成されることになる。
なお、基材1を加熱すると、これに伴って反応管31の温度も上昇することになるが、基材1以外の部分が基材1と同程度に加熱されてしまうと、上記の熱分解反応が基材1以外の部分においても促進され、基材1以外の場所でIII族窒化物結晶が多量に生成してしまうことになり好ましくない。本実施の形態に係る製造装置100では、係る状況が特に生じやすい上述の対向部31aに冷却配管41に冷却水を供給して冷却することで、このような好ましくない熱分解反応が起こるのを防いでいる。
ただし、対向部31aの表面およびその近傍の領域は、このように冷却水を供給したとしても300℃〜900℃程度の温度に達することになるので、係る領域には、基材1の上方で生成したAlNがパーティクルとなって飛来し、付着しうる。それゆえ、いったんそのように付着したパーティクルが再び飛散して結晶層2の上に汚染物となって混入することも、本来的には起こり得る。これは、Alを含む有機金属原料とアンモニアガスとの間での気相反応が特に激しいことに由来する、AlNの成長の際におこる特徴的な現象と考えられる。上記した程度の温度ではAlNの固相間の反応が起こり難く、パーティクルとして飛来したAlNの固着が不十分であることもその要因として考えられる。
こうした現象は、結晶層2を厚膜として形成する場合に、とりわけ0.1μm以上のAlN膜を形成する場合に大きな問題となる。特に、III族窒化物膜の成長用下地基板として用いるために、所定の基材上にAlN膜を形成する場合に問題となる。50nm程度以下の厚みしか有さない、いわゆる低温バッファ層や中間層を形成する際には、顕著に確認される現象ではない。
なお、ここでいうAlNには、導電性制御のため意図的に混入させた不純物、及び反応炉内の構成物より発生する不可避な不純物が、微量に含まれる場合もあり得る。従って、微量のB、Ga、Inを含む場合もある。
しかしながら、本実施の形態に係る製造装置100においては、対向部31aに上述したようなGaを含有する材料、例えばAlxGa1-xN(0<x<1)による被覆膜32をあらかじめ設けておくことで、このような事態が生じることが防止されている。具体的にいうと、被覆膜32を設けておくことによって、飛来したAlNが付着する場合には、膜状に(2次元的に)付着するようにしている。AlxGa1-xN(0<x<1)はAlNと比較して、上述した300℃〜900℃という温度範囲でも反応性が高く、固着が促進されることを利用している。仮に被覆膜32を設けない場合、AlNは粒状に付着するので付着力が弱く、再び飛散して汚染物となりやすいが、本実施の形態では膜状に付着するので、いったん付着した後は剥離しにくく、再飛散が起こりにくくなっている。
なお、冷却水による冷却をすることなく、対向部31aの内表面に被覆膜32を設けたとしても、本発明の効果を十分に得ることは難しい。なぜならば、係る態様の場合には反応管31に900℃以上の高温となる部分が生じることになるが、当該領域では被覆膜32に用いた材料が分解してしまい、Gaを含む不純物が生成し、結晶層2の結晶品質を劣化させてしまうからである。なお、当該領域の温度が前述のように、300℃〜900℃の範囲内の場合でもGaが微量の不純物として混入することはあり得るが、結晶層2の結晶品質を劣化させることはない。
また、被覆対象部分の表面は、あらかじめ粗面となっていることが望ましい。なぜならば、被覆膜32の密着強度が高くなるので、被覆膜32が臨界膜厚を超えて厚く形成されてしまった場合であっても、膜内の応力が緩和できず剥離することが、起こりににくくなるからである。係る粗面化は、例えば反応管31の被覆対象部分に対してエッチング処理を施したり、サンドブラスト処理を施したりすることによって実現できる。
また、反応管31への被覆膜32の形成は、必ずしも結晶層2の形成に先立って行わなくともよい。すなわち、被覆膜32を設けることなく結晶層2の形成に用いた反応管31に対して被覆膜32を形成し、その後、再び結晶層2の形成に用いてもよい。すなわち、いったん結晶層2の形成に使用することにより、III族窒化物が付着している反応管31に対して、被覆膜32の形成を行う場合であっても、その後の使用に際しての汚染物の混入を抑制することは可能である。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、AlN結晶をMOCVD法によってエピタキシャル成長させる場合に、反応管において気相成長に際して基板が載置される載置部と略対向する対向部、つまりはIII族窒化物が付着する可能性のある部分を非酸化物材料で構成すると共に、当該部分を冷却する冷却手段を備え、さらには対向部の表面を含む被覆対象部分にはGa含有材料による再飛散防止用被覆を施してなるMOCVD装置を用いることで、汚染物となりうるIII族窒化物が付着する場合には剥離しにくい膜状に付着するようにしているので、汚染物の付着が防止された結晶品質の優れたAlN結晶を形成することができる。
<実施例1および比較例>
製造装置100(ただし、対向部31aの表面に被覆膜32を設けていないものも含む)を用いて、0.7μm厚の、表面が原子レベルで平坦であるAlNエピタキシャル膜を結晶層2として成長させ、パーティクルの発生状況の推移を評価した。
まず、1回の成長においては、以下のような成長を行った。基板として2インチ径の厚さ400μmのC面サファイア基板を基材1として準備し、これを製造装置100の反応管31の載置台28に載置した。反応管31内の圧力を20Torr以下に設定した後、全ガスの平均流速を1m/sec以上となるように流量を設定し、基材1自体の温度を1200℃まで昇温した。
その後、NH3ガスを供給して基材1の表面に窒化処理を施した後、TMAとNH3とを供給して、結晶層2として厚さ1μmのAlN層を形成した。この際、形成速度が1μm/hrとなるように、TMA及びNH3の供給量を設定した。AlN層の(0002)面のX線ロッキングカーブを測定したところ、その半値幅は200秒以下であり、AFMにより求めた表面粗さRaは0.3nm以下であり、原子ステップが明瞭に観察された。すなわち、AlNによる結晶層2は良好な結晶品質を有することが確認された。
上記のような結晶層2の形成を、被覆膜32として5μmの厚みのAl0.5Ga0.5N膜を設けた場合(実施例1)と設けていない場合(比較例)とについてそれぞれ繰り返し行った。なお、被覆膜32の形成は、TMGとTMAと等モルとなるガス濃度でこれらを導入する以外は、結晶層2の形成と同様の条件で行っている。その後、結晶層2に付着した平均粒径5μm以上のパーティクルの面内密度を、顕微鏡を用いて評価した。
最初の15回におけるパーティクルの面内密度を比較すると、被覆膜32を形成した場合(実施例1)は平均2個/cm2でほぼ一定であるのに対し、被覆膜32を設けていない場合(比較例)は平均5個/cm2であった。その後、回数が増えるにつれて、パーティクルの面内密度は暫時増加していった。
<実施例2>
対向部31aに被覆膜32を設けていない反応管31を用いて、上記と同様の結晶層2の形成を、15回繰り返した後に、該対向部31aに実施例1と同様の条件で被覆膜32を設けた。その結果、被覆膜32を設けた後の次の15回のパーティクルの面内密度は、平均2個/cm2でほぼ一定であった。
実施例1および比較例の結果と併せ考えると、いったん被覆膜32を設けることなく結晶層2の形成を行った反応管31の対向部31aに被覆膜32を設ける場合であっても、結晶層2へのパーティクルの付着が抑制されているといえる。
<実施例3>
被覆膜32の形成領域である対向部31aの表面が鏡面である反応管31と、該領域があらかじめ粗面化してなる反応管31とのそれぞれについて、実施例1と同様に、被覆膜32を形成したうえでAlN膜の形成を15回繰り返し行い、パーティクルの面内密度を評価した。
その後、それぞれの反応管31について、被覆膜32の形成と、AlNの膜の形成と、パーティクルの面内密度とを同様に繰り返した。
鏡面の上に被覆膜32を形成した反応管31の場合は、7回目の被覆膜32の形成以降で、被覆膜32が剥離することが原因となってパーティクルが増加するのに対し、粗面の上に被覆膜32を形成した反応管31の場合は、係る剥離が原因のパーティクルの増加は15回目の被覆膜32の形成以降であった。
これにより、反応管31の被覆膜32の形成対象領域をあらかじめ粗面化しておくことは、被覆膜32の剥離の抑制に効果があることが確認された。
製造装置100の構成を例示する断面模式図である。 製造装置100の異なる構成を例示する断面模式図である。
符号の説明
1 基材
2 結晶層
21 処理容器
22 導入口
23 排気口
24a〜24g (種々の)ガス供給源
25a、25b 導入管
27 真空ポンプ
28 基材台
29 支持脚
30 ヒータ
31 反応管
31a 対向部
31h 開口部
32 被覆膜
41 冷却配管
42 冷却水供給源
100 製造装置
L1 配管系
L2 配管系

Claims (21)

  1. 反応管内にてAlN系III族窒化物厚膜を所定の基板上に気相成長させる方法であって、
    反応管の、気相成長の際に基板が載置される載置部と略対向する対向部を少なくとも含む被覆対象部分の内表面に、Ga含有材料による被覆を施す被覆工程と、
    前記被覆工程を経た反応管を用いて気相成長を行う成長工程と、
    を備えることを特徴とするAlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法。
  2. 請求項1に記載の気相成長方法であって、
    前記被覆対象部分が、気相成長中に300℃以上900℃以下の温度となる部分を含む、
    ことを特徴とするAlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の気相成長方法であって、
    反応管の前記被覆対象部分を粗面化する粗面化工程、
    をさらに備え、
    前記粗面化工程を経た反応管を用いて前記被覆工程を行う、
    ことを特徴とするAlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の気相成長方法であって、
    前記成長工程の際には前記対向部を冷却する、
    ことを特徴とするAlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法。
  5. 請求項4に記載の気相成長方法であって、
    前記成長工程の際には前記反応管の全体を冷却する、
    ことを特徴とするAlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の気相成長方法であって、
    前記Ga含有材料がAlxGa1-xN(0≦x<1)である、
    ことを特徴とするAlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の気相成長方法であって、
    前記反応管として、前記対向部が、融点が900℃より高い非酸化物材料にて構成されてなる反応管を用いる、
    ことを特徴とするAlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法。
  8. 請求項7に記載の気相成長方法であって、
    前記反応管として、前記対向部が金属材料にて構成されてなる反応管を用いる、
    ことを特徴とするAlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法。
  9. 請求項8に記載の気相成長方法であって、
    前記反応管として、前記対向部がSUSにて構成されてなる反応管を用いる、
    ことを特徴とするAlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の気相成長方法であって、
    前記反応管として、全体が前記対向部と同一の材料にて構成されてなる反応管を用いる、
    ことを特徴とするAlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の気相成長方法であって、
    前記反応管として、いったんIII族窒化物結晶の形成に用いられた反応管を用いる、
    ことを特徴とするAlN系III族窒化物厚膜の気相成長方法。
  12. III族窒化物結晶成長用のMOCVD装置であって、
    反応管として、基板が載置される載置部と略対向する対向部を少なくとも含む被覆対象部分の内表面にGa含有材料による被覆を施してなる反応管を備える、
    ことを特徴とするMOCVD装置。
  13. 請求項12に記載のMOCVD装置であって、
    前記被覆対象部分が、気相成長中に300℃以上900℃以下の温度となる部分を含む、
    ことを特徴とするMOCVD装置。
  14. 請求項12または請求項13に記載のMOCVD装置であって、
    前記被覆が、あらかじめ粗面化してなる前記被覆対象部分の表面に施されてなる、
    ことを特徴とするMOCVD装置。
  15. 請求項12ないし請求項14のいずれかに記載のMOCVD装置であって、
    前記対向部を冷却する冷却手段、
    をさらに備えることを特徴とするMOCVD装置。
  16. 請求項15に記載のMOCVD装置であって、
    前記冷却手段が前記反応管の全体を冷却するように設けられてなる、
    ことを特徴とするMOCVD装置。
  17. 請求項12ないし請求項16のいずれかに記載のMOCVD装置であって、
    前記Ga含有材料がAlxGa1-xN(0≦x<1)である、
    ことを特徴とするMOCVD装置。
  18. 請求項12ないし請求項17のいずれかに記載のMOCVD装置であって、
    前記対向部が、融点が900℃より高い非酸化物材料にて構成されてなる、
    ことを特徴とするMOCVD装置。
  19. 請求項18に記載のMOCVD装置であって、
    前記対向部が金属材料にて構成されてなる、
    ことを特徴とするMOCVD装置。
  20. 請求項19に記載のMOCVD装置であって、
    前記対向部がSUSにて構成されてなる、
    ことを特徴とするMOCVD装置。
  21. 請求項12ないし請求項20のいずれかに記載のMOCVD装置であって、
    前記反応管の全体が前記対向部と同一の材料にて構成されてなる、
    ことを特徴とするMOCVD装置。
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