JP2007222098A - 固定化酵素配合物及び固定化酵素の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機溶媒下または無溶媒下における酵素触媒を用いた有機合成反応においても酵素の脱離の起こらない固定化酵素触媒を提供する。
【解決手段】 両親媒性でかつエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物(A)、エチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(B)及びエチレン性不飽和結合を表面に化学結合した酵素の水溶液(C)を含んでなる固定化酵素配合物、および両親媒性でかつエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物(A)、エチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(B)及び表面にエチレン性不飽和結合を化学結合した酵素の水溶液(C)を混合し、次いで得られる混合物にラジカル重合開始剤(D)を混合し、ラジカル重合することを特徴とする固定化酵素の製造法に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、固定化酵素配合物及び固定化酵素の製造法に関する。
生体触媒である酵素は温和な反応条件(低温、中性付近pH、水中など)で種々の有機反応を触媒することが知られている。また自然界において加水分解反応を触媒する加水分解酵素は、有機溶媒存在下、または無溶剤下において結合生成反応を触媒することが広く知られている。このように酵素触媒を利用した有機合成反応は環境低負荷型の反応様式として工業的利用への関心が高まってきている。
このような酵素触媒反応において、酵素触媒の使用方法として酵素粉末、または、酵素水溶液をそのまま用いることは可能であるが、生成物の単離や精製、酵素の再利用といった面から不溶性担体への酵素を固定化した固定化酵素の利用は非常に有効な手段である。
酵素の固定化法として、1)予め調整された固定化用担体へ物理吸着、イオン結合、共有結合等による固定化法、および2)酵素を溶解、または懸濁させた樹脂を硬化することによる包括法による固定化法が一般に知られている(例えば非特許文献1参照)。
予め調整された固定化担体への酵素の固定化は、通常酵素を溶解させた酵素水溶液へ固定化担体を浸すことにより行われる。この固定化操作では固液界面での反応となり、固定化される酵素量は著しく制限される。また共有結合による固定化を行う場合にはより顕著であり、高い活性を示す固定化酵素の製造には多くの困難を伴う。
一方、包括法による固定化は,担体の調整(硬化)と同時に酵素を固定化できる利点があり、また他の固定化法に比べ安価に調整できるといった利点も有する。一般に、酵素を含有したアルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム水溶液中へ滴下することによりゲル化させる固定化方法、アクリルアミドやヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの親水性モノマーと酵素水溶液(または懸濁液)を均一に混合してそのままラジカル重合することによる固定化法などが公知である。また、固定化する酵素の脱離を抑制し、かつ基質の透過性低下の抑制を改良した固定化法も報告されている(例えば特許文献1、特許文献2および非特許文献2参照)。
包括法により得られる固定化酵素は、通常含水ゲル状の形態として調整される。そのためにマトリクスを形成する固定化担体と酵素との間の結合力は著しく弱く、また共有結合の形成はなく、固定化酵素を用いる反応条件において酵素の脱離が起きるという欠点を有していた。固定化酵素からの酵素の脱離は固定化酵素の繰り返し使用において活性の低下を引き起こすだけでなく、脱離した酵素が生成物中に不純物として混入することから好ましくない。特に加水分解酵素が触媒する加水分解反応の逆反応を用いたエステル合成反応においては、混入した脱離酵素が製品の安定性の低下、すなわち加水分解反応を引き起こすために脱離酵素の全く無い固定化酵素が望まれていた。
特開昭52−66681号公報 特開昭52−110888号公報 V. M. Balcao, A. L. Paiva, F. X. Malcata, Enzyme Microb. Technol., 第18巻, 第392−416頁, 1996年 A. Tanaka, N. Hagi, G. Gellf, S. Fukui, Agric. Biol. Chem., 第44巻, 第2399−2405頁, 1980年
本発明によって解決しようとする課題は、有機溶媒下または無溶媒下における酵素触媒を用いた有機合成反応においても酵素の脱離の起こらない固定化酵素触媒を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果,両親媒性でかつ末端にエチレン性不飽和結合を有する化合物および水溶性単量体とエチレン性不飽和結合を酵素表面に化学結合した酵素をラジカル共重合することにより酵素の脱離の起こらない固定化酵素触媒が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、両親媒性でかつエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物(A)、エチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(B)及びエチレン性不飽和結合を表面に化学結合した酵素の水溶液(C)を含んでなる固定化酵素配合物に関するものである。また本発明は、両親媒性でかつエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物(A)、エチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(B)及び表面にエチレン性不飽和結合を化学結合した酵素の水溶液(C)を混合し、次いで得られる混合物にラジカル重合開始剤(D)を混合し、ラジカル重合することを特徴とする固定化酵素の製造法に関する。
また本発明は、両親媒性でかつエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物(A)、エチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(B)及び表面にエチレン性不飽和結合を化学結合した酵素の水溶液(C)を混合し、次いで得られる混合物にラジカル重合開始剤(D)を混合し、ラジカル重合することを特徴とする固定化酵素の製造法に関する。
本発明の酵素固定化法により、有機溶媒下または無溶媒下における酵素触媒を用いた有機合成反応においても、酵素の脱離が起こらない固定化酵素を得ることができる。
次に、本発明の固定化酵素配合物をさらに詳しく説明する。
本発明は、両親媒性でかつエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物(A)(以下、両親媒性化合物(A)という)、エチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(B)、エチレン性不飽和結合を表面に化学結合した酵素の水溶液(C)およびラジカル重合開始剤(D)を含む固定化酵素配合物である。
以下両親媒性でかつエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物(A)(以下、両親媒性化合物(A)という)、エチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(B)、エチレン性不飽和結合を表面に化学結合した酵素の水溶液(C)およびラジカル重合開始剤(D)について、それぞれ説明する。
<両親媒性化合物(A)>
本発明において用いる両親媒性化合物(A)は、末端にエチレン性不飽和結合を2個以上有し、両親媒性を示す化合物である。両親媒性化合物としては、例えばグリコールなどを開始剤としてプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドを付加重合してなる両親媒性トリブロック共重合体の両末端ヒドロキシル基に種々の不飽和基を導入した化合物が挙げられる。またトリブロック共重合体の官能基数は使用する開始剤の官能基数に依存しており、通常2〜6程度のものが使用可能である。
本発明に用いられる両親媒性化合物(A)の一例を次に示す。
すなわち(a)両親媒性トリブロック共重合体の両末端ヒドロキシル基に(メタ)アクリル酸を縮合したエステル化合物、(b)両親媒性トリブロック共重合体の両末端ヒドロキシル基に(メタ)アクリロイロキシエチルイソシアネートを付加したウレタン化合物、(c)両親媒性トリブロック共重合体の両末端ヒドロキシル基に種々のジイソシアネート化合物を付加して得られるイソシアネート末端プレポリマーに(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルを付加したウレタンアクリレート化合物等である。
<エチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(B)>
本発明に用いる水溶性単量体(B)としては、特に限定されず、例えば2-ヒドロキシ(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド、N-アルキルアクリルアミド、スチレンスルホン酸、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。
本発明では、両親媒性化合物(A)と水溶性単量体(B)との重量比は、得られる固定化酵素の力学的強度および表面にエチレン性不飽和結合を化学結合した酵素の水溶液(C)との反応性の点で75/25〜5/95であることが好ましい.
<エチレン性不飽和結合を表面に化学結合した酵素の水溶液(C)>
酵素表面にエチレン性不飽和結合を導入する方法としては、酵素のアミノ酸残基と反応可能な官能基を有する水溶性単量体と酵素とを反応させることによって得ることができる。
酵素のアミノ酸残基と反応可能な官能基として、例えばリジン残基のアミノ基と反応する活性エステル基(例えば,カルボキシル基とN-ヒドロキシコハク酸イミドから合成される)やエポキシ基、マレイン酸イミド基、4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジニル基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、酸無水物などが挙げられる。このようなアミノ酸残基と反応可能な官能基を有する単量体は、(メタ)アクリル酸誘導体などと公知の方法によって合成可能である。またエポキシ基を有するグリシジル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリル酸、N-ヒドロキコハク酸イミド、(メタ)アクリル酸無水物、2−(メタ)アクリロイロキシエチルイソシアネートなどは市販されている。
酵素へのエチレン性不飽和結合の導入方法は公知の方法によって行うことが可能である。例えば酵素表面に存在するリジン残基のアミノ基と反応可能なエポキシ基を持つグリシジル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリル酸N-ヒドロキコハクイミドなどと酵素水溶液とを混合し、数時間ないし数十時間反応することにより酵素へエチレン性不飽和結合を導入することができる。
アミノ酸残基と反応可能な官能基を有する単量体の使用量は任意に選択することができるが、かかる単量体の使用量が少なすぎると酵素の固定化量および固定化率の低下する。また使用量が多すぎると酵素活性の低下が引き起こされるために通常は酵素量に対し0.05〜50重量部の範囲で使用される。
本発明に用いる酵素は、目的とする反応を触媒する酵素を含む水溶液であれば制限を受けない。特に酵素を触媒として用いたエステル化反応は穏和な条件で反応できる点で大変興味深い。
エステル化反応を触媒する酵素としては、加水分解酵素が挙げられる。特に、カルボキシル基(例えば、エステル結合やペプチド結合)に作用するものが、酵素反応機構上好ましい。かかる加水分解酵素としては、例えば国際生化学・分子生物学連合(International Union of Biochemistry and Molecular Biology (IUBMB))によって定義される酵素番号(Enzyme Commission Number)EC3.1群に分類されるカルボキシエステラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ホスホリパーゼ、アセチルエステラーゼ、コレステロールエステラーゼ、モノアシルグリセロールリパーゼ、ラクトナーゼ、リポプロテインリパーゼ等のエステル加水分解酵素類、EC3.4群に分類されるアミノペプチダーゼ、キモトリプシン、トリプシン、ズブチリシン等のペプチド結合に作用する加水分解酵素類等を挙げることができる。
上記の加水分解酵素のうち、EC3.1群に分類されるエステル加水分解酵素類は、酵素本来の機能であるエステル加水分解反応の触媒作用を行うだけでなく、エステル加水分解反応の逆反応である種々のエステル化反応をも効率よく行う点、反応効率および収率も良い点からエステル加水分解酵素を用いることが好ましい。
エステル加水分解酵素としては、次の酵素を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
すなわち、エステル加水分解酵素の一種であるリパーゼとして、例えばアスペルギルス(Aspergillus oryzae)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、バシラス(Bacillus)属、カンジダ(Candida)属、クロモバクター(Chromobacter)属、フザリウム(Fusarium)属、フミコラ(Humicola)属、ハイフォザイマ(Hyphozyma)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、リゾムーコル(Rhizomucor)属、リゾプス(Rhizopus)属、またはテルモマイセス(Thermomyces)属の微生物から得られるリパーゼが挙げられる。更に、植物種子から得られるリパーゼ、動物組織から得られるリパーゼ、さらにパンクレアチン、ステアプシン等を挙げることができる。
またエステル加水分解酵素の一種であるクチナーゼとして、例えばアスペルギルス(Aspergillus)属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、アルテルナリア(Alternaria)属、フザリウム(Fusarium)属、ヘルミントスポルム(Helminthosporum)属、フミコラ(Humicola)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、またはウロクラジウム(Ulocladium)属の微生物から得られるものが挙げられる。
また、酵素水溶液としては,市販の酵素粉末を水に溶解して用いてもよい。このとき、酵素の安定化剤として水溶性添加物やpH調整剤を含有していても、酵素固定化反応に影響を及ぼさないものであれば何ら問題ない。安定化剤としては、ソルビトールやグリセリンなどが挙げられる。またpH安定化剤としては、リン酸緩衝剤などが挙げられる。
さらには目的とする酵素を分泌する菌体を培養して得られる酵素含有培養液をそのまま、または必要に応じて精製/希釈して用いても良い。
上記酵素水溶液中の酵素濃度は、特に制限はない。希薄水溶液は最終的に得られる固定化酵素量が少なくなり、酵素活性が低くなるため好ましくない。通常1〜50重量%の範囲が好ましい。
本発明におけるエチレン性不飽和結合を酵素表面に化学結合した酵素の水溶液(C)は,両親媒性化合物(A)および水溶性単量体(B)の合計100重量部あたり、10〜500重量部用いることができる。酵素水溶液の量が500重量部を越えるとラジカル重合物が水分散体となり単離が困難になる。また酵素水溶液の量が10重量部未満であると重合熱により著しく反応温度が上昇し好ましくない.
本発明の固定化酵素の製造法は、前記両親媒性でかつエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物(A)、エチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(B)及び表面にエチレン性不飽和結合を化学結合した酵素の水溶液(C)を混合し、次いで得られる混合物にラジカル重合開始剤(D)を混合し、ラジカル重合することを特徴とするものである。
<ラジカル重合開始剤(D)>
本発明において用いるラジカル重合開始剤(D)は、ラジカル重合または乳化重合に一般に用いられるラジカル重合開始剤を使用することができる。例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾイソブチロニトリルおよびその塩酸塩、過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。
本発明のラジカル重合反応条件は、酵素が失活しない温度かつ反応が進行する温度であれば特に問題無く行うことができる。すなわち、両親媒性化合物(A)および水溶性単量体(B)の合計100重量部あたり、ラジカル重合開始剤0.1〜5重量部用い、0〜80℃で重合することができる。また重合反応開始温度を低温で行うために上記ラジカル開始剤と併用してアミン系や鉄イオンなどの多価金属塩イオン系の促進剤を0.1〜5重量部併用することができる。
本発明により得られる固定化酵素は、そのまま含水状態で酵素触媒反応に用いても良く、また必要に応じて水分を除去し乾燥した形態で用いても良い。特にエステル合成反応に用いる場合には含水状態では収率の低下を引き起こすことがあるので乾燥した方が好ましい。
以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(両親媒性化合物(A)の製造例)
窒素雰囲気下、パンデックスT654P(両親媒性イソシアネート末端プレポリマー,大日本インキ化学工業(株)製)224.8gにメトキシハイドロキノン0.013gを加え60℃に加温した.2−ヒドロキシエチルメタクリレート28.63gをゆっくり滴下した。オクチル酸第一錫を1滴加え、3時間反応を行い目的物である両親媒性化合物(A)を得た。
(酵素表面にエチレン性不飽和結合を化学結合した酵素の水溶液(C)の製造例)
<Candida antarctica由来リパーゼBへの不飽和結合の導入>
ノボザイムCALB L(ノボザイム ジャパンより市販されているCandida antarctica由来リパーゼBの水溶液)20mlと300ppmジメチルアミノピリジン水溶液10mlの混合溶液にグリシジルメタクリレート(GMA)0.20mlを添加し室温で6時間反応させた。反応混合物を10mMリン酸緩衝液(pH7.0),次いで蒸留水で透析(分画分子量10000以下)を行い、未反応物を除去した。遠心分離により沈殿物を除去した後、凍結乾燥にて不飽和結合修飾リパーゼB0.41gを粉末として得た。10mMリン酸緩衝液で10重量%酵素水溶液して調整を行い固定化に用いた。
<固定化酵素の活性評価方法>
200mMアジピン酸のn-ブタノール溶液1mlに固定化酵素25mgを添加し、60℃にて1時間反応させた。反応終了後、固定化酵素を取り除き、得られた反応液について直接ガスクロマトグラムにより分析を行った。
ガスクロマトグラム条件:
カラム: キャピラリーカラムTC−5(GLサイエンス社製)
検出方法: FID
インジェクション温度: 250℃
検出器温度: 270℃
カラム温度: 150℃(2分保持)→20℃/分→250℃(1分保持)
得られるガスクロマトグラムより下記式(1)に基づき固定化酵素の活性値を算出した。
活性値 = (アジピン酸ジブチルエステルに帰属されるGCエリア面積)÷{(アジピン酸に帰属されるGCエリア面積)+(アジピン酸モノブチルエステルに帰属されるGCエリア面積)+(アジピン酸ジブチルエステルに帰属されるGCエリア面積)}×100
式(1)
実施例1
両親媒性化合物1.50gを蒸留水2.00gに溶解した後に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.50gを加えた。エチレン性不飽和結合を導入したリパーゼBの10重量%水溶液2.00gを加え、脱気窒素置換を行った。5%過硫酸アンモニウム水溶液0.20gおよびN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)5μlを加え、10ml遠沈管(直径約10mm)に流し込み、3時間室温、次いで37℃で2時間硬化させた。脱型した後、約2mmにスライスした後、蒸留水(4℃)に12時間浸し未反応物を除去した後、減圧乾燥を行い固定化酵素を得た。
固定化酵素活性測定結果: 活性値 28
比較例1
水溶性単量体の代わりに非水溶性単量体としてスチレン1.50gを用いた以外は実施例1と同様にして固定化酵素を作成した。
固定化酵素活性測定結果: 活性値 54
比較例2
水溶性単量体の代わりに非水溶性単量体としてMMA1.50gを用いた以外は実施例1と同様にして固定化酵素を作成した。
固定化酵素活性測定結果: 活性値 48
比較例3
レバチットOC1600(多孔質アクリル系ビーズ、バイエル社製)を蒸留水、次いで10mMリン酸緩衝液(pH7.0)で予備洗浄を行った後に、100mMリン酸緩衝液5mlおよびノボザイムCALB L(Candida antarctica由来リパーゼBの水溶液、ノボザイム ジャパン社製)2mlを加え4℃で一晩静置した。濾別後、得られた固定化酵素を蒸留水で洗浄を行い、凍結乾燥を行った。
固定化酵素活性測定結果: 活性値 38
<酵素脱離試験>
製造した固定化酵素および市販のノボザイム435(Candida antarctica由来リパーゼBをアクリル系ビーズに固定化した固定化酵素)を各々25mgにギ酸/アセトニトリル/水(=10/45/45重量比)混合溶液2.5mlを加え、1.5時間静置した。得られた溶離液についてゲル電気泳動測定(SDS-PAGE)を行い、クマシー ブリリアント ブルーを用いたタンパク質染色により脱離酵素の有無を試験した。
固定化酵素の酵素脱離試験におけるゲル電気泳動の結果
符号の説明
N・・・ノボザイム435を用いた溶離液
1・・・実施例1のより製造した固定化酵素を用いた溶離液
2・・・比較例1により製造した固定化酵素を用いた溶離液
3・・・比較例2により製造した固定化酵素を用いた溶離液
4・・・比較例3により製造した固定化酵素を用いた溶離液
M・・・分子量マーカー

Claims (5)

  1. 両親媒性でかつエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物(A)、エチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(B)及び表面にエチレン性不飽和結合を化学結合した酵素の水溶液(C)を含んでなる固定化酵素配合物。
  2. 前記水溶性単量体(B)に対する両親媒性でかつ末端にエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物(A)の割合が、重量比で75/25〜5/95である請求項1に記載の固定化酵素配合物。
  3. 前記酵素が、加水分解酵素である請求項1又は2に記載の固定化酵素配合物。
  4. 前記加水分解酵素が、エステル加水分解酵素である請求項3に記載の固定化酵素配合物。
  5. 両親媒性でかつエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物(A)、エチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(B)及び表面にエチレン性不飽和結合を化学結合した酵素の水溶液(C)を混合し、次いで得られる混合物にラジカル重合開始剤(D)を混合し、ラジカル重合することを特徴とする固定化酵素の製造法。

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