JP2007214210A - 点火コイル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱性を向上させて、出力性能を向上させることができる点火コイル及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】点火コイル1は、同心円状に巻回した一次コイル21及び二次コイル22を、熱可塑性樹脂からなるコイルケース4内に収容してなる。点火コイル1は、一次コイル21及び二次コイル22の内周側には、磁性材料からなる中心コア23を挿通し、コイルケース4の外周側には、磁性材料からなる外周コア3を配置してなる。コイルケース4内における間隙には、熱硬化性樹脂11が充填してある。コイルケース4と外周コア3との間には、コイルケース4を構成する熱可塑性樹脂よりも柔らかい放熱材5が設けてある。放熱材5は、ゴム又は熱硬化性樹脂からなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関において、スパークプラグからスパークを発生させるために用いる点火コイル及びその製造方法に関する。
エンジン等の内燃機関に用いる点火コイルは、電線を巻回してなる一次コイル及び二次コイル、並びに一次コイル及び二次コイルの内周側に配置する磁性体からなる中心コア等を組み付けた後、当該点火コイル内に生ずる間隙を、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂によって充填して製造している。
また、出力効率、安全性及び耐久性の向上を図った点火コイル装置としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1の点火コイル装置は、一次コイル及び二次コイルの内周側に棒状のコアを挿入してなる組付体をケース内に配置し、このケース内にモールド樹脂を注入して一体的に成形している。また、ケースを高透磁率の金属材料によって形成し、ケースの内側に弾性部材を設けて、弾性部材と組立体との間にモールド樹脂を介在させている。この特許文献1においては、ケースを、棒状のコアと共に磁路を形成する外周コアとして用いている。
ところで、従来の点火コイルにおいて、一次コイル、二次コイル及び中心コア等を、熱可塑性樹脂からなるコイルケース内に配置し、このコイルケースの外周に磁性体からなる外周コアを配置することが行われている。そして、コイルケース内にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を充填することにより、この熱硬化性樹脂の充填を容易にしている。
しかしながら、上記特許文献1においては、熱可塑性樹脂からなるコイルケースの外周に磁性体からなる外周コアを配置した場合において、点火コイルの放熱性を向上させるための工夫は行っていない。
特開平9−186031号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、放熱性を向上させて、出力性能を向上させることができる点火コイル及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、同心円状に巻回した一次コイル及び二次コイルを熱可塑性樹脂からなるコイルケース内に収容してなると共に、上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性材料からなる中心コアを挿通し、上記コイルケースの外周側には、磁性材料からなる外周コアを配置してなる点火コイルにおいて、
上記コイルケース内における間隙には、熱硬化性樹脂が充填してあり、
上記コイルケースと上記外周コアとの間には、当該コイルケースを構成する熱可塑性樹脂よりも柔らかい放熱材が設けてあり、該放熱材は、ゴム又は熱硬化性樹脂からなることを特徴とする点火コイルにある(請求項1)。
本発明の点火コイルは、一次コイル及び二次コイルを収容するコイルケースの外周側に、磁性材料からなる外周コアを配置してなる点火コイルにおいて、この点火コイルの放熱性を向上させる工夫を行っている。
具体的には、本発明の点火コイルにおいては、コイルケースと外周コアとの間に、上記ゴム又は熱硬化性樹脂からなる放熱材を設けている。そのため、この放熱材によって、コイルケースと外周コアとの間において空気等が入る微小間隙が形成されてしまうことを効果的に防止することができ、コイルケースと外周コアとを効果的に密着させることができる。これにより、コイルケースと外周コアとの間の熱伝達を促進し、点火コイルの最外周面を構成する外周コアの外周面からの放熱性を向上させることができる。
そして、点火コイルの放熱性を向上させることにより、点火コイルの温度が、その使用限界温度に到達し難くすることができる。これにより、点火コイル(一次コイル)への電力の投入量を増大させることができ、点火コイルの出力性能を向上させることができる。
それ故、本発明の点火コイルによれば、放熱性を向上させて、出力性能を向上させることができる。
第2の発明は、同心円状に巻回した一次コイル及び二次コイルを熱可塑性樹脂からなるコイルケース内に収容してなると共に、上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性材料からなる中心コアを挿通し、上記コイルケースの外周側には、磁性材料からなる外周コアを配置してなる点火コイルを製造する方法において、
上記コイルケースの外周面に、液状のゴム又は液状の熱硬化性樹脂を塗布した後、上記外周コアを配置することを特徴とする点火コイルの製造方法にある(請求項5)。
本発明の点火コイルの製造方法においては、コイルケースの外周面に外周コアを配置する際の工夫を行っている。
すなわち、本発明においては、点火コイルを製造するに当たり、コイルケースの外周面に外周コアを配置するときには、コイルケースの外周面に、液状のゴム又は液状の熱硬化性樹脂を予め塗布しておく。そして、液状のゴム又は液状の熱硬化性樹脂を塗布したコイルケースの外周面に、外周コアを配置する。
これにより、液状のゴム又は液状の熱硬化性樹脂を硬化させたときには、コイルケースと外周コアとの間の微小間隙を、放熱材としてのゴム又は熱硬化性樹脂によって容易に埋めることができる。
それ故、本発明の点火コイルの製造方法によれば、放熱性を向上させて、出力性能を向上させることができる点火コイルを容易に製造することができる。
第3の発明は、同心円状に巻回した一次コイル及び二次コイルを熱可塑性樹脂からなるコイルケース内に収容してなると共に、上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性材料からなる中心コアを挿通し、上記コイルケースの外周側には、磁性材料からなる外周コアを配置してなる点火コイルを製造する方法において、
上記外周コアの内周面に、シート状のゴム又はシート状の熱硬化性樹脂を予め配置しておき、当該外周コアを上記コイルケースの外周面に組み付けることを特徴とする点火コイルの製造方法にある(請求項6)。
本発明の点火コイルの製造方法においても、コイルケースの外周面に外周コアを配置する際の工夫を行っている。
すなわち、本発明においては、点火コイルを製造するに当たり、外周コアの内周面に、シート状のゴム又はシート状の熱硬化性樹脂を予め配置しておく。そして、シート状のゴム又はシート状の熱硬化性樹脂を配置した外周コアを、コイルケースの外周面に配置する。
これにより、コイルケースと外周コアとの間の微小間隙を、放熱材としてのゴム又は熱硬化性樹脂によって容易に埋めることができる。
それ故、本発明の点火コイルの製造方法によっても、放熱性を向上させて、出力性能を向上させることができる点火コイルを容易に製造することができる。
上述した第1〜第3の本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1〜第3の発明において、上記放熱材を構成するゴムとしては、コイルケースを構成する熱可塑性樹脂よりも柔らかい種々のゴム(エラストマー)を用いることができる。このゴムとしては、例えば、シリコン系、フッ素系又はアクリル系等のゴムを用いることができる。
また、上記放熱材を構成する熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂又はフェノール系樹脂等を用いることができる。
また、上記第1の発明において、上記外周コアは、複数の電磁鋼板を積層してなり、上記放熱材は、上記電磁鋼板同士の間にも設けてあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、放熱材をコイルケースと外周コアとの間に設けるだけでなく、電磁鋼板同士の間にも設けることにより、点火コイルの放熱性を一層向上させて、点火コイルの出力性能を一層向上させることができる。
また、上記放熱材は、液状のゴム又は液状の熱硬化性樹脂を固化させてなることが好ましい(請求項3)。
この場合には、コイルケースと外周コアとの間に放熱材を配置することが容易である。
また、液状のゴム又は液状の熱硬化性樹脂は、いわゆる接着剤としての用途を有するものとすることができる。
また、上記放熱材は、シート状のゴム又はシート状の熱硬化性樹脂とすることもできる(請求項4)。
この場合にも、コイルケースと外周コアとの間に放熱材を配置することが容易である。
以下に、本発明の点火コイル及びその製造方法にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例の点火コイル1は、図1、図2に示すごとく、同心円状に巻回した一次コイル21及び二次コイル22を、熱可塑性樹脂からなるコイルケース4内に収容してなる。また、点火コイル1は、一次コイル21及び二次コイル22の内周側には、磁性材料からなる中心コア23を挿通し、コイルケース4の外周側には、磁性材料からなる外周コア3を配置してなる。
また、コイルケース4内における間隙には、熱硬化性樹脂11が充填してある。この熱硬化性樹脂11は、点火コイル1の組付を行った後、組付後に形成された間隙(空間)に、液状の熱硬化性樹脂を充填して硬化させたものである。
また、コイルケース4と外周コア3との間には、コイルケース4を構成する熱可塑性樹脂よりも柔らかい放熱材5が設けてある。この放熱材5は、ゴム又は熱硬化性樹脂からなる。
以下に、本例の点火コイル1及びその製造方法につき、図1〜図5と共に詳説する。
図1に示すごとく、本例の点火コイル1は、その軸方向一端側D1に、スパークプラグを取り付けるためのプラグ取付部62を有しており、その軸方向他端側D2に、一次コイル21へ電力の供給を行うコネクタ頭部61を有している。そして、本例の点火コイル1は、エンジンのプラグホール内に、プラグ取付部62、一次コイル21及び二次コイル22を挿通配置すると共に、コネクタ頭部61を、プラグホールの周辺に固定して用いるスティックタイプのものである。
本例のコネクタ頭部61は、熱可塑性樹脂から構成した頭部用ケース611に対して、エンジン制御装置(ECU)等と電気的に接続するコネクタ部612と、当該点火コイル1をエンジンのシリンダヘッドに固定するためのフランジ部613とを突出形成してなる。また、頭部用ケース611内には、電力供給回路等を備えたイグナイタを配置することができる。
本例の中心コア23は、平板状の電磁鋼板231(珪素鋼板等)を点火コイル1の径方向に積層して、断面略円形状に形成してある。本例の外周コア3は、図2に示すごとく、コイルケース4の外周面の形状に沿って円筒状に形成した電磁鋼板31(珪素鋼板等)を積層してなる。
図1、図2に示すごとく、本例の一次コイル21は、断面円環形状に形成した熱可塑性樹脂からなる一次スプール211の外周面に、絶縁被覆した一次電線を複数回巻回してなる。本例の二次コイル22は、断面円環形状に形成した熱可塑性樹脂からなる二次スプール221の外周面に、一次電線よりも細径の絶縁被覆した二次電線を、一次電線よりも多い巻回数で巻回してなる。本例の二次コイル22は、一次コイル21の内周側に挿通してある。
図1に示すごとく、本例のプラグ取付部62は、一次スプール211における軸方向一端側D1から延長形成した取付ベース部212に、ゴム製のプラグキャップ63を取り付けてなる。また、二次スプール221の軸方向一端側D1には、高電圧端子64が配置してあり、この高電圧端子64には、スパークプラグの端子部を接触させるコイルバネ65が取り付けてある。そして、二次コイル22の高電圧側の巻線端部は、高電圧端子64及びコイルバネ65を介してスパークプラグの端子部と導通される。
また、スパークプラグは、その碍子部をプラグキャップ63に形成した中空穴に係合し、碍子部の先端に形成した端子部を、コイルバネ65に接触させた状態でエンジンのシリンダヘッドに取り付けられる。
本例のコイルケース4は、断面円環形状を有する熱可塑性樹脂のシートであり、その一端を一次スプール211の取付ベース部212に係合させ、その他端をコネクタ頭部61に係合させている。
そして、コイルケース4内における間隙、すなわち中心コア23と二次コイル22との間の間隙、二次コイル22と一次コイル21との間の間隙、及び一次コイル21とコイルケース4との間の間隙と、コネクタ頭部61内における間隙とには、エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂11が連続して充填されている。
図2に示すごとく、本例の外周コア3は、複数の電磁鋼板31を積層してなる。各電磁鋼板31は、平板状の素材を円筒状に丸めて形成してあり、円筒状に形成した状態においては、素材の端部同士の間に、点火コイル1の軸方向Dに沿って配置される切欠き部としてのスリットが形成されている。
上記放熱材5は、コイルケース4と最も内周側に位置する外周コア3用の電磁鋼板31との間に設けてあるだけでなく、外周コア3用の電磁鋼板31同士の間にも設けてある。本例の外周コア3は3枚の電磁鋼板31を積層してなり、各電磁鋼板31同士の間にも放熱材5が設けてある。
なお、図3に示すごとく、外周コア3を1枚の電磁鋼板31から形成した場合には、放熱材5は、コイルケース4と電磁鋼板31との間にのみ設けることができる。
上記点火コイル1において、ECUからのパルス状のスパーク発生信号によって、一次コイル21に瞬間的に電流が流れたときには、中心コア23及び外周コア3を通過する磁界が形成される。その後、この磁界の形成方向とは反対方向に向けて、中心コア23及び外周コア3を通過する誘導磁界が形成される。そして、この誘導磁界の形成により、二次コイル22に高電圧の誘導起電力(逆起電力)が発生し、点火コイル1におけるプラグ取付部62に取り付けたスパークプラグからスパークを発生させることができる。
本例の放熱材5は、熱硬化性樹脂としての液状のエポキシ樹脂を硬化させてなる。
そして、本例の点火コイル1を製造するに当たっては、コイルケース4の外周面に外周コア3を配置するときには、コイルケース4の外周面に、液状のエポキシ樹脂を予め塗布しておく。そして、液状のエポキシ樹脂を塗布したコイルケース4の外周面に、外周コア3を配置する。これにより、液状のエポキシ樹脂を硬化させたときには、コイルケース4と外周コア3との間の微小間隙を、放熱材5としてのエポキシ樹脂によって容易に埋めることができる。そのため、点火コイル1を容易に製造することができる。
なお、放熱材5としては、液状のエポキシ樹脂等を用いる代わりに、シート状のゴム又はシート状の熱硬化性樹脂を用いることもできる。この場合において、シート状の放熱材5は、コイルケース4の外周面に貼着して用いることができる。また、シート状の放熱材5は、外周コア3の内周面に貼着して用いることもできる。
また、外周コア3にシート状の放熱材5を設ける場合には、この放熱材5は、外周コア3を形成する素材としての平板状の電磁鋼板に積層して設けておくこともできる。そして、放熱材5を積層配置してなる電磁鋼板を、円筒状に折り曲げて外周コア3を形成し、この外周コア3をコイルケース4の外周面に配置することができる。
上述したように、本例の点火コイル1においては、コイルケース4と外周コア3との間に、上記エポキシ樹脂からなる放熱材5を設けている。そのため、この放熱材5によって、コイルケース4と外周コア3との間において空気等が入る微小間隙が形成されてしまうことを効果的に防止することができ、コイルケース4と外周コア3とを効果的に密着させることができる。これにより、コイルケース4と外周コア3との間の熱伝達を促進し、点火コイル1の最外周面を構成する外周コア3の外周面からの放熱性を向上させることができる。
また、熱硬化性樹脂(又はゴム)からなる放熱材5は、コイルケース4を構成する熱可塑性樹脂よりも柔らかい材料(上述の熱硬化性樹脂(又はゴム))にて構成されているため、コイルケース4又は外周コア3の表面における微小な凹凸に柔軟に追従することができる。そのため、コイルケース4と放熱材5との間又は放熱材5と外周コア3との間に剥離が生じ難くなり、点火コイル1の放熱性を改善できるものと考える。
そして、点火コイル1の放熱性を向上させることにより、点火コイル1の温度が、その使用限界温度に到達し難くすることができる。これにより、点火コイル1(一次コイル21)への電力の投入量を増大させることができ、点火コイル1の出力性能を向上させることができる。
それ故、本例の点火コイル1によれば、放熱性を向上させて、出力性能を向上させることができる。
(出力性能の確認)
本例においては、上記放熱材5をコイルケース4と外周コア3との間に設けた点火コイル1(発明品)について、出力性能が向上できることの確認を行った。
図4は、横軸にエンジンの回転速度(rpm)をとり、縦軸に点火コイル1の温度(℃)をとって、エンジンの回転速度が増加したときの点火コイル1の温度の上昇を示すグラフである。同図において、コイルケース4と外周コア3との間に放熱材5を設けていない従来の点火コイル(比較品)においては、点火コイル1の温度が160℃付近まで上昇するのに対して、本例の放熱材5を設けた点火コイル1(発明品)においては、その温度が145℃付近までしか上昇しないことがわかる。
このことより、上記放熱材5を設けた点火コイル1により、点火コイル1の温度上昇を小さくできることが確認された。
また、図5は、横軸にエンジンの回転速度(rpm)をとり、縦軸に二次コイル22によってスパークプラグに発生させるスパーク電圧(V)をとって、エンジンの回転速度に対するスパーク電圧の変化の度合いを示すグラフである。同図において、上記比較品については、エンジンの回転速度が上昇すると、スパーク電圧が下降してしまうのに対し、上記発明品については、エンジンの回転速度が上昇してもスパーク電圧が下降しないことがわかる。この理由は、比較品においては、エンジンの回転速度が高くなると、点火コイル1の温度が上昇し、この点火コイル1への電力の投入量を制限する必要が生じたことによる。このことより、上記放熱材5を設けた点火コイル1により、点火コイル1の出力性能を向上できることが確認された。
上記放熱材5は、理想的には、コイルケース4と外周コア3とが対向する部分の全体に設けることが好ましい。一方、点火コイル1の製造上、コイルケース4と外周コア3とが対向する部分の全体に放熱材5を設けることは容易ではない。そこで、コイルケース4の外周面と外周コア3の内周面とが対向する部位全体の表面積A1に対して、放熱材5を設けた部位の表面積A2の割合を接触表面積A2/A1(%)として表す。
また、接触表面積が100%に近いほど点火コイル1の温度上昇の度合は低いことがわかっているが、この点火コイル1の温度上昇の度合を、次の点火コイル1の温度上昇率(T1−T0)/(T2−T0)×100(%)によって示す。ここで、T0は、点火コイル1を使用する周囲の温度を示し(図4のT0参照)、T1は、上記放熱材5を設けた点火コイル1(発明品)について、エンジンの特定の回転速度に対する想定温度(図4のT1参照)を示し、T2は、上記放熱材5を設けていない点火コイル1(比較品)について、エンジンの特定の回転速度に対する想定温度(図4のT2参照)を示す。一例を示すと、T0=130℃、T1=145℃、T2=160℃とすると、温度上昇率は50%となる。
図6は、横軸に接触表面積A2/A1(%)をとり、縦軸に点火コイル1の温度上昇率(T1−T0)/(T2−T0)×100(%)をとって、接触表面積と点火コイル1の温度上昇率との関係を示すグラフである。同図において、接触表面積A2/A1が100%の場合、すなわちコイルケース4と外周コア3とが対向する部分の全体に放熱材5を設けた場合には、点火コイル1の温度上昇率は約30%にできることが確認される。なお、接触表面積A2/A1が0%の場合、すなわちコイルケース4と外周コア3とが対向する部分に放熱材5を設けていない場合には、点火コイル1の温度上昇率は100%になる。
そして、接触表面積が70〜100%の範囲においては点火コイル1の温度上昇率の変化が小さいため、接触表面積を70%以上にすることにより、点火コイル1の温度上昇を効果的に抑制できることがわかった。
実施例における、点火コイルを示す断面説明図。 実施例における、点火コイルの一部を拡大して示す断面説明図。 実施例における、他の点火コイルの一部を拡大して示す断面説明図。 実施例における、エンジンの回転速度と点火コイルの温度との関係を示すグラフ。 実施例における、エンジンの回転速度とスパーク電圧との関係を示すグラフ。 実施例における、接触表面積と点火コイルの温度上昇率との関係を示すグラフ。
符号の説明
1 点火コイル
11 熱硬化性樹脂
21 一次コイル
22 二次コイル
23 中心コア
3 外周コア
31 電磁鋼板
4 コイルケース
5 放熱材

Claims (6)

  1. 同心円状に巻回した一次コイル及び二次コイルを熱可塑性樹脂からなるコイルケース内に収容してなると共に、上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性材料からなる中心コアを挿通し、上記コイルケースの外周側には、磁性材料からなる外周コアを配置してなる点火コイルにおいて、
    上記コイルケース内における間隙には、熱硬化性樹脂が充填してあり、
    上記コイルケースと上記外周コアとの間には、当該コイルケースを構成する熱可塑性樹脂よりも柔らかい放熱材が設けてあり、該放熱材は、ゴム又は熱硬化性樹脂からなることを特徴とする点火コイル。
  2. 請求項1において、上記外周コアは、複数の電磁鋼板を積層してなり、
    上記放熱材は、上記電磁鋼板同士の間にも設けてあることを特徴とする点火コイル。
  3. 請求項1又は2において、上記放熱材は、液状のゴム又は液状の熱硬化性樹脂を固化させてなることを特徴とする点火コイル。
  4. 請求項1又は2において、上記放熱材は、シート状のゴム又はシート状の熱硬化性樹脂であることを特徴とする点火コイル。
  5. 同心円状に巻回した一次コイル及び二次コイルを熱可塑性樹脂からなるコイルケース内に収容してなると共に、上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性材料からなる中心コアを挿通し、上記コイルケースの外周側には、磁性材料からなる外周コアを配置してなる点火コイルを製造する方法において、
    上記コイルケースの外周面に、液状のゴム又は液状の熱硬化性樹脂を塗布した後、上記外周コアを配置することを特徴とする点火コイルの製造方法。
  6. 同心円状に巻回した一次コイル及び二次コイルを熱可塑性樹脂からなるコイルケース内に収容してなると共に、上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性材料からなる中心コアを挿通し、上記コイルケースの外周側には、磁性材料からなる外周コアを配置してなる点火コイルを製造する方法において、
    上記外周コアの内周面に、シート状のゴム又はシート状の熱硬化性樹脂を予め配置しておき、当該外周コアを上記コイルケースの外周面に組み付けることを特徴とする点火コイルの製造方法。
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